1級建築施工管理技士 実践ノウハウ㉕建物の維持保全サポート

1級建築施工管理技士 実践ノウハウ㉕
 建物の維持保全サポート

FMシステム(Facility Management System)
建物の寿命や資産価値は維持保全の状況により差が生じる。
建物は所有者それぞれの固有資産であるとともに、都市を構成する社会的資産でもある。
建物を資産として長期にわたり有効に活用するために、建物情報(図面や設備機器の仕様等)と保全情報(故障履歴や修繕履歴等)の多岐にわたる膨大な情報量を、コンピューターを活用して建物の維持保全、施設の運営・管理の業務をサポートするのがFMシステムである。
①FMシステムとして一元管理
建物カルテは製本やファイルに整備して保管されるが、同時に電子データ化して活用される。
設備機器の更新や改修の維持保全が行われる度に、データを更新しておく。
FMシステムを導入すれば、効率的で高度な維持管理ができるが、専門的な知識と支援ツール等が必要となる。
建築主にFMシステム導入への適切な助言や支援をすることは、建物を維持管理していくためにも重要である。
  FMシステムの概念図.jpg
  FMシステムの概念図
②内外装仕上げ材や保守用機器は専用倉庫で保管
外装材や外構の床タイル等が破損した時は、同じ材料で補修する必要がある。
内装材でも特注した材料は、メーカー名や製品番号を整理し、予備品として保管しておくと安心である。
防潮板(防水板)などはあらかじめ専用倉庫に保管しすぐに設置できるようにしたい。
台車やメンテナンス用の備品も倉庫等の場所を決めて保管する。


 

実践25 建物の維持保全サポート

1級建築施工管理技士 実践25 建物の維持保全サポート


FMシステム(Facility Management System)

建物の寿命や資産価値は維持保全の状況により差が生じる。
建物は所有者それぞれの固有資産であるとともに、都市を構成する社会的資産でもある。
建物を資産として長期にわたり有効に活用するために、建物情報(図面や設備機器の仕様等)と保全情報(故障履歴や修繕履歴等)の多岐にわたる膨大な情報量を、コンピューターを活用して建物の維持保全、施設の運営・管理の業務をサポートするのがFMシステムである。

①FMシステムとして一元管理

建物カルテは製本やファイルに整備して保管されるが、同時に電子データ化して活用される。
設備機器の更新や改修の維持保全が行われる度に、データを更新しておく。
FMシステムを導入すれば、効率的で高度な維持管理ができるが、専門的な知識と支援ツール等が必要となる。
建築主にFMシステム導入への適切な助言や支援をすることは、建物を維持管理していくためにも重要である。


FMシステムの概念図

②内外装仕上げ材や保守用機器は専用倉庫で保管

外装材や外構の床タイル等が破損した時は、同じ材料で補修する必要がある。
内装材でも特注した材料は、メーカー名や製品番号を整理し、予備品として保管しておくと安心である。
防潮板(防水板)などはあらかじめ専用倉庫に保管しすぐに設置できるようにしたい。
台車やメンテナンス用の備品も倉庫等の場所を決めて保管する。

1級建築施工管理技士 実践ノウハウ㉖法的に必要な建物調査と設備検査

1級建築施工管理技士 実践ノウハウ
法的に必要な建物調査と設備検査

建築基準法では、建築物の所有者または管理者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するために、建物の定期調査及び建築設備や昇降機の定期検査を義務付けている。(建築基準法第12条)
そして維持保全計画書に基づき、建物や設備機器の点検と修繕のためのスケジュールや実施体制、資金計画を作成し、適切な措置を講じなければならないと規定している。(建築基準法第8条)
法的に必要な建物調査と設備検査
特殊建築物の定期調査(建築基準法)
・敷地、地盤、建物の外部
・屋上及び屋根、建物内部、避難施設
・石綿等の調査
(1回/6ヶ月~3年)
1級、2級建築士及び調査資格者
②建築設備の定期検査(建築基準法)
・機械換気設備
・排煙設備
・非常用照明設備
の外観及び性能検査(1回/6ヶ月~1年)
1級、2級建築士及び建築設備調査資格者
昇降機設備の定期検査(建築基準法)
・エスカレーター
・エレベーター
・電動ダムウェーターの外観及び性能検査
(1回/年)
1級、2級建築士及び昇降機検査資格者
消防用設備の定期検査(消防法)
・消防設備
・警報設備
・避難設備
・非常電源作動点検の外観及び機能検査
(1回/年)
消防設備士及び消防設備点検資格者
給排水設備、空調換気設備の定期検査
(建築物における衛生的環境の確保に関する法律
ー 通称 ビル管理法)
・特定建築物の水質検査(1回/6ヶ月)
・遊離残留塩素の測定(1回/7日)
・飲料用貯水槽の清掃(1回/年)
・排水設備の清掃(1回/6ヶ月)
・室内空気環境の測定(1回/2ヶ月)
・ねずみ・昆虫等の駆除(1回/6ヶ月)
維持管理は建築物環境衛生管理技術者
測定は都道府県知事への登録者


実践26 法的に必要な建物調査と設備検査

1級建築施工管理技士 実践26 法的に必要な建物調査と設備検査

建築基準法では、
建築物の所有者または管理者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するために、建物の定期調査及び建築設備や昇降機の定期検査を義務付けている。(建築基準法第12条)

そして維持保全計画書に基づき、建物や設備機器の点検と修繕のためのスケジュールや実施体制、資金計画を作成し、適切な措置を講じなければならないと規定している。(建築基準法第8条)

法的に必要な建物調査と設備検査

特殊建築物の定期調査(建築基準法)
・敷地、地盤、建物の外部
・屋上及び屋根、建物内部、避難施設
・石綿等の調査
(1回/6ヶ月~3年)
1級、2級建築士及び調査資格者

②建築設備の定期検査(建築基準法)
・機械換気設備
・排煙設備
・非常用照明設備
の外観及び性能検査(1回/6ヶ月~1年)
1級、2級建築士及び建築設備調査資格者

昇降機設備の定期検査(建築基準法)
・エスカレーター
・エレベーター
・電動ダムウェーターの外観及び性能検査
(1回/年)
1級、2級建築士及び昇降機検査資格者

消防用設備の定期検査(消防法)

・消防設備
・警報設備
・避難設備
・非常電源作動点検の外観及び機能検査
(1回/年)
消防設備士及び消防設備点検資格者

給排水設備、空調換気設備の定期検査

(建築物における衛生的環境の確保に関する法律ー 通称 ビル管理法)

・特定建築物の水質検査(1回/6ヶ月)
・遊離残留塩素の測定(1回/7日)
・飲料用貯水槽の清掃(1回/年)
・排水設備の清掃(1回/6ヶ月)
・室内空気環境の測定(1回/2ヶ月)
・ねずみ・昆虫等の駆除(1回/6ヶ月)
維持管理は建築物環境衛生管理技術者
測定は都道府県知事への登録者

補強コンクリートブロック造

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補強コンクリートブロック造の塀の規定
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ちまたで話題になっている
補強コンクリートブロック造の塀について
復習しておきましょう。
建築学会基準によると
基礎の根入れ 30㎝以上
高さ 1,200mm(6段)を超えると
控え壁(@3,400)が必要
最高高さ 2,000mm(10段)以下
基礎立上りを含めて 2,200mm以下
縦横ともD=9mm以上の鉄筋を配筋

通常、控え壁をつけたくないケースでは
1200mm以上は、フェンス等をするが、
風通しの悪い塀の場合は、風圧力の検討が必要で、
そのモーメントに応じて
基礎の根入れ、サイズなども変わってくる。
(覚え方:三振して控えにまわされる。)

今回の、コンクリート塀の倒壊の原因は
まだ調査中とのことですが、
縦筋があと施工アンカーによるという話も
あるようです。

あと施工アンカーの場合は
その引張り強度が確保できている前提で、
継ぎたす鉄筋との継手長さ 40dが必要。
40dということは
40 × 9mm = 360mm以上
それが確保できない場合は、
フレア溶接にて、片面10d(もしくは両面5d)
の溶接による継手が必要。

コンクリートブロックの塀が悪者扱いされてますが、
きちんと施工されていれば問題はないはずです。
建築主にあたると考えられる
教育委員会や市長が謝罪するのものわかりますが、
そもそもの設計図はどうなってたのか?
施工管理はどうなっていたのか?
また、現場がきちんと監理されていたのか?
が気になります。

そのあたりは役所内の話になりそうなので、
第二の姉歯にはならないと思いますが、
業界的には注意しなけばならないと思います。

☆いざ、試験会場へ…☆彡

試験、前日になりました。
試験には、
体調管理は充分に整えてのぞみたいものです。
試験日の試験時間帯に集中力が集中するようにコンディショニングを整えていきましょう。
日頃は業務で多忙とは思いますが、
その中で可能な限りで、
生活のリズムを整えるため
時に、リラックス、時に、集中
を意識する。
最終ラストスパートの方も
いるかもしれませんが、
とりあえずはリラックスして、
体調を整えて、全力を出し切れるように
いざ、のぞみましょう
健闘を祈ります☆彡

1級建築施工管理技士 品質問題 トラブル予防

1級建築施工管理技士 品質問題トラブル予防


【 敷地 】

001 ハザードマップで危機予知 
002 敷地にはリスクが潜んでいる

【 屋根・防水工事 】
003 雨水のスムーズな排水は建物の基本
004 ルーフドレインは縦型か横型か
005 保護アスファルト防水
006 露出アスファルト防水の注意点
007 シート防水は機械的固定工法
008 パラペットは外壁扱い
009 屋上断熱防水は油断大敵
010 屋上機械基礎は最小限に
011 ハト小屋は雨水が入りやすい
012 目地シールは2面接着が基本
013 屋上目隠し壁は耐風型にする
014 屋上緑化には灌漑設備と排水を

【 バルコニー 】
015 バルコニーの防水と排水
016 バルコニーの手すりは丈夫に
017 二重床で段差をなくして広々と

【 屋根 】
018 屋根仕上げに合った屋根勾配を
019 瓦は風で飛ばないように
020 銅板の一文字葺きは熱伸縮する
021 金属板葺きは水切りと水返しを
022 屋根のメンテナンス動線を確保する

【 地下躯体 】
023 地下躯体は地下水対策を
024 地下ピット水槽の防水と点検
025 エレベーターピットの湧水対策

【 鉄筋コンクリート造 】
026 コンクリート打継ぎの防水対策
027 壁のひび割れは漏水につながる
028 構造スリットは漏水に注意する
029 鉄筋のかぶり不足は建築基準法違反
030 コンクリートは密実に打つ
031 化粧打ち放しコンクリート

【 鉄骨造 】
032 鉄骨位置は何から決めるか
033 開口補強は耐風型にする
034 鉄骨あらわし部分はデザインする
035 外壁貫通部の止水方法
036 屋外の鉄骨階段は建物から離す
037 鉄骨造の耐火被覆は認定による

【 パネル外壁 】
038 PCa板のカーテンウォールは等圧に
039 ALCパネルの注意点
040 成形セメント板(ECP)の注意点
041 金属板の注意点

【 石工事 】
042 石の選び方
043 外壁石張りは乾式工法とする

【 タイル工事 】
044 タイルの選び方
045 タイルの大きさで張り方が決まる
046 タイルとモルタルではどっちが剥がれやすいか
047 タイル張り外壁には伸縮調整目地を設置する
048 打継ぎ目地部のタイルは剥離しやすい

【 外部建具 】
049 建具に必要な性能
050 アルミ製建具は表面仕上げで長持ち
051 建具の止水はシールに頼らない
052 建具と開口補強は一体
053 雨の入りやすい窓がある
054 窓の結露した水の処理
055 建具金物は現物を確認する
056 構造スリットにつく建具
057 窓の方立の座屈防止
058 ガラリから入る雨水の処理
059 鋼製建具は錆びやすい
060 ステンレス製建具は雨が入りやすい
061 玄関ガラススクリーン足元の防水
062 トップライトの注意点
063 シャッターの強風・安全対策

【 ガラス工事 】
064 カーテンウォールの性能
065 網入りガラスのひび割れ防止策
066 ガラスで怪我をしないために
067 自然破損する強化ガラス
068 ガラスブロックの弱点
069 高窓の清掃方法

【 外壁その他の工事 】
070 エキスパンションジョイント
071 免震の可動範囲
072 軒天井は台風に弱い
073 外壁の汚れを少なくする方法

【 内装仕上工事 】
074 浴室の防水と浴槽の防水
075 厨房の床をなぜ嵩上するのか?
076 モルタルが付着する防水がある
077 ALC内壁はスライド工法
078 仕上げのひび割れの原因
079 システム天井の落下防止策
080 天井の耐震性を確保する
081 結露箇所の盲点
082 熱橋の盲点
083 内断熱と外断熱
084 断熱材は適材適所に
085 環境にやさしい材料とは?
086 集合住宅の騒音・振動対策

【 外構工事 】
87 外構床のトラブル予防策
88 階段・スロープの防水

【 設備工事 】
89 近隣の環境に配慮する
90 設備インフラを引き込むとき
91 電気室を水から守る
92 美しい空間は天井から
93 照明の選択は色温度と演色性
94 照明は球替えを考慮する
95 太陽光発電パネル設置時の注意点
96 空調設備性能発揮のポイント
97 エレベーターの注意点
98 エスカレーターの安全確保策
99 雷から人・建物・設備を守る
100 爆発から建物を守る

 

1級建築施工管理技士 敷地 自然災害等

建築品質 敷地


001 ) ハザードマップで危険予知

近頃では、地球温暖化の影響か気候変動の影響が、地球の活動が活発化してきており、集中豪雨による土石流や河川の氾濫による家屋の流出・水没などの災害が多発している。

ハザードマップとは、大気汚染、土砂災害、津波、地震等のあらゆる自然災害から人命や財産を守るために、地域ごとに自然災害による被害の度合いを予測した災害予測地図である。

ハザードマップはインターネットで公開されているので、設計、施工にあたっては、計画敷地に関する情報を事前に確認する必要がある。

1.大気汚染、土砂災害、津波等の自然災害

国土交通省のハザードマップポータルサイトでは、都道府県市町村がインターネットで公開しているハザードマップが閲覧できる。

>> 国土交通省ハザードマップポータルサイト

「あなたの街のハザードマップ」では、次のマップが地図上で検索、閲覧できる。
・洪水 ・内水   ・高潮
・津波 ・土砂災害 ・火山

2.活断層

全国断層ハザードマップ(Japan Active Fault Map)では、計画地から活断層までの距離を地図、航空写真、地形図等で確認できる。

>> 全国断層ハザードマップ

その他に、次のマップも閲覧できる。

・リアルタイム世界の地震マップ
(IRIS)Seismic Monitor

・津波シミュレーション
(Flood Maps)

3.軟弱地盤

全国の軟弱地盤マップ・ジオダス(GEODAS)では、地盤調査を行った結果を、良好地盤、軟弱地盤、地盤補強工事をした場所、腐植土が確認された場所、ボーリング調査データのある場所等を地盤データ、土地条件、地形図等で閲覧できる。(会員制、一部フリーサービス)

>> 軟弱地盤マップ・ジオダス(GEODAS

4.地域別の気象データ・理科年表

理科年表は国立天文台が編纂し、丸善が発行する自然科学に関するデータ集。
内容は広範囲にわたっており、建築設計等に必要な地域別の気温や降雨量と降雨強度、風速と風向、降雪量、日射量等のデータが掲載されている。(会員制)
特に、全国の地点別の日降水量、1時間降水量、10分間降水量の最大記録は、建築の雨水排水計画に必須の設計データである。
最近の異常気象で最大降雨量も漸増しているので、常に最新データを確認して計画する必要がある。

>> 地域別の気象データ・理科年表

5.自然由来の重金属による土壌汚染

国土交通省から、
「建設工事における自然由来重金属等含有岩石、
土壌の対応マニュアル」
が発行されている。各自治体のホームページから自然由来の重金属分布図が閲覧できる。
自然由来の重金属による土壌汚染とは、
縄文海進時(約6000年前)に海だった範囲では、海成堆積物が地表付近に分布し、そこから溶出する重金属による土壌汚染のことで、日本全国、意外と身近なところに重金属が分布している。
注)土壌汚染対策法:土壌汚染による人への健康被害の防止を目的として法で、2010年4月1日に大幅に改正された。

6.市街地レベルの気象情報、地形、航空写真}

Googleマップ地図検索では、世界地図と衛生画像で市街地図レベルの気象情報、地形、航空写真が検索、閲覧できる。

>> グーグルマップ

1級建築施工管理技士 敷地 簡易診断

建築品質 敷地


002 ) 敷地にはリスクが潜んでいる

計画敷地には多くのリスクが潜んでいる。計画敷地の地盤の状況、敷地内の雨水排水の状況、地中埋設物、土壌汚染物、敷地境界等これらの問題は設計者が設計条件として設計図書に盛り込むべき内容であるが、工事監理者や施工者は工事着手前に計画敷地を事前調査し、確認することが必須である。
しかし、敷地の現状を見ただけでは敷地に潜んでいる全てのリスクを見つけることは困難である。
不動産取引時の重要事項説明書や不動産売買契約書の特記、道路台帳の確認をすることが必要である。

1.計画敷地のリスクを目視で簡易診断

①敷地は必ず傾斜している
雨の日に計画敷地周辺を歩くと、隣接地や道路等、敷地外からの越流水や、逆に敷地内から道路や隣接地への越流水等、計画敷地の雨水排水の状況がよくわかる。
水は高いところから低いところへ流れて、敷地の一番低いところへ集まる。

②計画敷地並びに敷地周辺の地盤状況
前面道路の道路面のひび割れ状況やマンホール枠や側溝周辺での不同沈下、電柱の傾き加減や隣地境界上の境界塀の傾き等を見れば計画敷地の地盤状況は判断できる。

③擁壁の水抜き穴の配置は適切か
擁壁は原則として、3m2に径75mmの水抜き穴を1カ所設ける必要がある。
基準に基づいて水抜きパイプが設けられていないと、擁壁の伸縮目地の劣化や擁壁ひび割れ部分からの白華現象(エフロレッセンス)や、水はけ不良による擁壁際の敷地内の不同沈下等が発生する。

2.計画敷地の履歴調査でわかること

①旧建物の基礎や設備配管等の地中埋設物
地中埋設物は計画敷地を試掘しないとわからない場合がほとんどである。

②土壌汚染
土壌汚染には人為的汚染と自然由来汚染がある。自然由来汚染については自治体が発行する自然由来の重金属分布図を閲覧すればわかる。
人為的汚染の責任は汚染源の起因者が、自然由来の重金属汚染については敷地所有者が責任を持って処理することを法律は規定している。(001 を参照

③接道条件
建物の計画敷地は道路に2m以上接道していなければならない。(建築基準法第43錠)
敷地内に位置指定道路がある場合は、道路中心からの後退距離や隅切り、道路斜線の規制を受ける。
また、敷地内に公図上の水路や里道がないかも確認する。

1級建築施工管理技士 屋根・防水工事 雨水排水

建築品質 屋根・防水


003)雨水のスムーズな排水は建物の基本

建築の目的は雨をしのぐことであるといっても過言ではない。降った雨を集めて、上階から下階へ、そして下水道に接続する最終会所へスムーズに排水するように計画すること、すなわち雨水の集排水計画は建築の基本である。

1.谷樋は漏水のリスクが大きい

(谷樋:屋根の谷と呼ばれる部分の雨樋)
谷樋は漏水のリスクが大きくて、できるだけ谷樋を設けないような建築計画が望まれる。
しかし、どうしても谷樋をもうける場合は、絶対漏水させないように

①谷樋は十分な雨水負担容積があること
②もし樋がつまっても外部へオーバーフローをできるようにすること
③清掃などのメンテナンスがいつでもできること

が大切である。

2.雨水を受ける屋根面積の算定

屋根面積は水平投影面積とする。
上階の壁にあたった雨水が集まることが懸念される屋上は、上階の壁面積の1/2を屋上(屋根)面積に加える。

3.屋根勾配とルーフドレン(RD)位置の決定

屋根勾配とRD位置を決めることは、雨水をどこに集め、縦菅をどこに設けるかを決めることである。
屋根勾配は、保護アスファルト防水の場合は1/100以上とし、露出防水では1/50以上とする。側溝を設けるときRD間隔は12m以下とする。
RDは1カ所が詰まってももう1ヶ所で排水できるように、必ず2ヶ所以上設ける。屋根面積が小さくRDを1ヶ所しか設けないときは必ずオーバーフロー菅を設けなければならない。

4.縦管径と最大許容屋根面積の確認

雨水縦管は雨水専用とし、縦管径によって負担屋根面積が決まる。その管径による排水能力はSHASE-S206給排水設備基準による。

上の表は100mm/hの場合と180mm/hの場合を示す。
当該敷地での10分間の最大降雨量を理科年表で確認し、時間最大降雨量を設定する。100mm/hを超えるときは、100m/hの面積に(当該敷地の最大降雨量/100)を掛けて許容面積を算出する。
近年局地的な集中豪雨などで過去の実績を上回ることも頻発しているので、直近の気象データを考慮することが必要である。

5.横走り管は配管勾配によって許容最大屋根面積が変わる

横走り管を設ける場合、排水能力がその配管勾配によって変わるため、注意が必要である。(下表)
横走り管は詰まりやすいので、管径100mm以上の管を使う。
なお、横型RDを用いる場合は横走り管がなくても、下記表の配管勾配 1/50を採用する。

6.雨水配管の仕様

雨水配管の仕様は、外部はVP管でもよいが、内部は破損しにくい鋼管を用いて防露巻きとする。耐火2層管もある。

*100mm/hの時の雨水横走り管の管径(( )は180mm/hの時)