1級建築施工管理技士 設備工事 照明の選択は色温度と演色性

建築品質 設備


93)照明の選択は色温度と演色性

快適な居住空間の雰囲気は、照度レベルや明るさの分布だけではなく、使用するランプの光色「色温度(K)」や、そのランプによって照らされた物体の色の見え方「演色性(Ra:平均演色評価数)」に大きく影響を受ける。色温度や演色性の特性を理解して器具を選定する。

1.光源の明るさ

照明器具には、器具本体とランプが脱着交換できる従来型器具と器具本体とランプが一体のLED器具の2種類がある。光源の明るさは、従来型は「器具光束(ランプ光束 × 器具効率)」でLED器具は「定格光束」で明るさを表現するため、LED器具は同等の明るさを確保できる従来型と対比させて「◯◯ランプ△△形相当」と表記されている。


光源の明るさの目安

2.ランプの光色「色温度(K;ケルビン)」

照明器具の光源の色は色温度(K)を用いて表現する。色温度が高い青白い光は、明るくさわやかで活動的な空間に適し、高い照度でも快適な雰囲気が得られる。逆に、色温度が低い赤味がかった光は、落ち着きのあるくつろいだ雰囲気になり、低い照度の空間に適する。温かいとか、涼しいといった光色の温涼感は、個人差や季節によって異なるが、JIS(日本工業規格)では、3300K以下のランプのもとでは温かく感じ、5300K以上のランプのもとでは涼しく感じると定義している。
朝日や夕陽の光は概ね2000K、澄み切った高原の空の正午の太陽の光はおおよそ6500K「昼光色」と言われている。


色温度の目安

3.物体の色の見え方「演色性(Ra:平均演色評価数)」

物体の色を比較する時には、太陽光の下で並べて比較する。太陽光の下で見る色に近い見え方をする照明ランプを演色性の良い(高い)ランプという。同じ設計照度であっても演色性が良く色彩を鮮やかに美しく見せるランプを使用すれば、明るさ感の効果が高いため快適な照明環境が得られる。Ra値が高いほど色の見え方が自然光に近いものになる。執務空間や長時間滞在する作業場ではより演色性の高いランプを使用し、安全色彩が明確に識別できるような照明環境が必要であり、Ra値が80未満のランプは使用しなほうがよい。


演色性の目安