1級建築施工管理技士 令和04年 学科 問題3 解説

令和4年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題3

(午前の部)令和4年6月 12 日(日)

問題番号 [ No.21 ] ~ [ No.30 ]までの 10問題のうちから、7問題を選択し、解答してください。

[ No.21 ]
乗入れ構台の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 乗入れ構台の支柱と山留めの切梁支柱は、荷重に対する安全性を確認した上で兼用した。

2. 道路から乗入れ構台までの乗込みスロープは、勾配を 1/8 とした。

3. 乗入れ構台の支柱の位置は、使用する施工機械や車両の配置によって決めた。

4. 乗入れ構台の幅は、車両の通行を2車線とするため、7m とした。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

乗入れ構台の支柱と山留めの切梁支柱を兼用する場合は、荷重に対する安全性を確認する

2.◯

道路から乗入れ構台までの乗込みスロープの勾配は、一般に 1/10 〜 1/6 とする。

3.×

乗入れ構台の支柱の位置は、地下構造図と重ね合わせるなどして、基礎梁、柱、梁等の位置と重ならないように配置して決める。

4.◯

乗入れ構台の幅は、使用する施工機械、車両・アウトリガーの幅、配置及び動線等により決定する。通常、計画される幅員は、4〜10mである。最小限1車線で 4m、2車線で 6m程度は必要である。

[ No.22 ]
土工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 根切り底面下に被圧帯水層があり、盤ぶくれの発生が予測されたため、ディープウェル工法で地下水位を低下させた。

2. 法付けオープンカットの法面保護をモルタル吹付けで行うため、水抜き孔を設けた。

3. 粘性土地盤を法付けオープンカット工法で掘削するため、円弧すべりに対する安定を検討した。

4. ヒービングの発生が予測されたため、ウェルポイントで掘削場内外の地下水位を低下させた。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

ディープウェル工法とは、根切り部内あるいは外部に径500〜1,000mmの菅を打ち込み、帯水層を削孔して、径300〜600mmのスクリーン付き井戸ケーシング管を設置てウェルとし、水中ポンプあるいは水中モーターポンプで帯水層の地下水を排水する工法である。盤ぶくれの防止対策として用いられる工法である。

※盤ぶくれの発生が事前の検討により予測された場合の対策

①掘削底面(不透水層)下の地下水位(圧)をディープウェル等によって低下させる。

②止水性の山留め壁を延長し、被圧帯水層の下の不透水層に根入れする。

③掘削場内を地盤改良し、地下水を遮断し土被り圧を増加させる。

2.◯

法付けオープンカット工法とは、安定な斜面を残して掘削する方法で、建物の周囲が広い場合に適用される。法付けオープンカット工法の法面は雨水、乾燥の繰り返しにより崩れやすくなっているため、モルタル吹付け、シート張り、集水・排水溝により法面を保護する。モルタル吹付けとする場合、法面に水抜き孔を設ける

3.◯

法付けオープンカット工法のすべり面の形状が経験的に円形に近いことから、粘性土地盤では、円弧すべり面を仮定することが一般的である。

4.×

ウェルポイントで掘削場内外の地下水位を低下させるのは、砂質地盤におけるボイリング発生防止の対策である。粘性土地盤で発生するヒービングの発生防止には有効ではない

[ No.23 ]
山留め工事の管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 傾斜計を用いて山留め壁の変形を計測する場合には、山留め壁下端の変位量に注意する。

2. 山留め壁周辺の地盤の沈下を計測するための基準点は、工事の影響を受けない付近の構造物に設置する。

3. 山留め壁は、変形の管理基準値を定め、その計測値が管理基準値に近づいた場合の具体的な措置をあらかじめ計画する。

4. 盤圧計は、切梁と火打材との交点付近を避け、切梁の中央部に設置する。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

傾斜計を用いる方法は、山留め壁設置直後から変形測定ができるので、よい方法であるが、不動点を壁下端とすることが多いため、壁下端が動いた場合、測定値の確からしさが損なわれるので注意が必要である。

2.◯

山留め壁周辺の地盤の沈下を計測するための基準点は、山留め壁から離れた不動点とみなせる位置に設ける

3.◯

山留め壁は、変形の管理基準値を定め、その計測値が管理基準値に近づいた場合の具体的な措置をあらかじめ計画する。変形の管理基準値と具体的な措置については、特に確立されたものはないが、公共建築工事標準仕様書で以下のように記されている。

「山留め設置期間中は、常に周辺地盤及び山留めの状態について、点検及び計測する。異常を発見した場合は、直ちに適切な措置を講じ、監督職員に報告する。」(公共建築工事標準仕様書建築工事編 3.3.2)

4.×

切梁にかかる軸力は、端部より中央部の方が低くなるため、盤圧計(油圧式荷重計)を切梁の中央部に設置しても、正確に軸力を計測できない。また、安全上の点からも好ましくない。油圧式荷重計は、火打梁の基部や腹起しと切梁の接合部に設置するのが好ましい。

[ No.24 ]
場所打ちコンクリート杭地業に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. コンクリートの打込みにおいて、トレミー管のコンクリート中への挿入長さが長すぎると、コンクリートの流出が悪くなるため、最長でも 9m程度とした。

2. アースドリル工法における鉄筋かごのスペーサーは、孔壁を損傷させないよう、平鋼を加工したものを用いた。

3. オールケーシング工法における孔底処理は、孔内水がない場合やわずかな場合にはハンマーグラブにより掘りくずを除去した。

4. リバース工法における孔内水位は、地下水位より1m 程度高く保った。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

コンクリートの打込みにおいて、トレミー管のコンクリート中への挿入長さが長すぎると、コンクリートの流出が悪くなるため、最長でも 9m程度とする。(建築工事監理指針)

2.◯

ケーシングチューブを用いる場合(オールケーシング工法)、スペーサーはD13以上の鉄筋を用いる。ケーシングチューブを用いない場合(アースドリル工法、リバース工法及びBH工法)は、鉄筋であると孔壁を破損するので、杭径 1.2m以下の場合は鋼板 4.5×38mm、杭径1.2mを超える場合は鋼板 4.5×50mm程度のものとする。

3.◯

オールケーシング工法における孔底処理は、孔内水がないか少量の場合には、掘削用のハンマーグラブを用いて、掘削時に底部に落下した堀りくずを除去する。

4.×

リバース工法は静水圧により孔壁の崩壊を防ぐ工法のため、掘削に際しては、孔内水位を地下水位より 2 m以上高く保持する。

[ No.25 ]
鉄筋のガス圧接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。ただし、鉄筋は、SD 345 のD 29 とする。

1. 隣り合うガス圧接継手の位置は、300mm 程度ずらした。

2. 圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の 1.1 倍以上とした。

3. 柱 主筋のガス圧接継手位置は、梁上端から 500mm 以上、1,500mm 以下、かつ、柱の内法高さの 3/4 以下とした。

4. 鉄筋の中心軸の偏心量は、5mm 以下とした。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

隣り合うガス圧接継手の位置は、400mm 以上ずらさなければならない。

隣り合う重ね継手の中心位置は、重ね継手長さの約0.5倍又は1.5倍以上ずらす。

2.◯

圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の 1.1 倍以上とした。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 5.4.4(イ))

3.◯

柱主筋のガス圧接継手位置は、梁上端から500mm 以上、1,500mm 以下、かつ、柱の内法高さの 3/4 以下とする。

4.◯

圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径の 1/5以下(径が異なる場合は細い方の径による)とする。

(公共建築工事標準仕様書建築工事編 5.4.4(エ)(カ))

題意よりD29であるので、 29÷5 = 5.5mm.

よって、5mm以下は規定値の範囲内である。

[ No.26 ]
コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 普通コンクリートに再生骨材H を用いる場合の水セメント比の最大値は、60%とする。

2. コンクリートの調合強度を定める際に使用するコンクリートの圧縮強度の標準偏差は、コンクリート工場に実績がない場合、1.5 N/mm2 とする。

3. 単位水量 は、185 kg/m3以下とし、コンクリートの品質が得られる範囲内で、できるだけ小さくする。

4. 高強度コンクリートに含まれる塩化物量は、塩化物イオン量として 0.30 kg/m3 以下とする。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

再生骨材H とは、建築物の解体などによって発生したコンクリート塊を粉砕、磨砕(まさい)等の処理を行って製造したコンクリート用の再生骨材である。

公共建築工事標準仕様書建築工事編 6.3.2(イ)(b)より、水セメント比の最大値は、次による。

①普通、早強及び中庸熱ポルトランドセメント並びに混合セメントA種の場合は65%、低熱ポルトランドセメント及び混合セメントB種の場合は60%、普通エコセメントの場合は55%とする。

②再生骨材Hを使用する場合は、60%とする。

2.×

コンクリートの調合強度は、コンクリートの調合を決定する際に目標とする圧縮強度であり、コンクリートの調合管理強度とコンクリートの圧縮強度の標準偏差から定められる。コンクリート工場に実績がない場合、2.5N/mm2または(調合管理強度)×0.1の大きい値とする。

3.◯

コンクリートの品質を確保するために、単位水量は、一般に185 kg/m3以下とし、所要の品質が得られる範囲内で、できるだけ小さくする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 6.3.2(イ)(c))

単位水量が大きくなると乾燥収縮、ブリーディング、打込み後の沈降などが大きくなり、コンクリートの品質、特に耐久性上好ましくない

4.◯

荷卸し地点で塩化物イオン( Cl)量として 0.30 kg/m3 以下とする。(JIS A 5308)

3に含まれるアルカリ総量を、Na2O換算で、3.0kg以下にする。

②抑制効果の混合セメント等の使用

③安全と認められる骨材の使用

したがって、高強度コンクリートにおいても、コンクリート中のアルカリ総量は、3.0kg/m3以下とする。 —>

[ No.27 ]
高力ボルト接合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 締付け後の高力ボルトの余長は、ねじ1山から6山までの範囲であることを確認した。

2. ねじの呼びがM 22のトルシア形高力ボルトの長さは、締付け長さに 35 mm を加えた値を標準とした。

3. 高力ボルトの接合部で肌すきが1mm を超えたため、フィラープレートを入れた。

4. ナット回転法による締付け完了後の検査は、1次締付け後の本締めによるナット回転量が 120°±45°の範囲にあるものを合格とした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

締付け後の高力ボルトの余長は、ねじ1山から6山までの範囲であること。(公共建築工事標準仕様書建築工事編7.4.8(1)(ア)(d))

2.◯

ねじの呼びがM 22 のトルシア形高力ボルトの長さは、締付け長さに 35 mm を加えた値を標準とする。(JASS6)

3.◯

高力ボルトの接合部で肌すき1mm を超える場合は、フィラープレートを入れる。(公共建築工事標準仕様書建築工事編7.4.6(2))

4.×

ナット回転法による締付け完了後の検査は、1次締付け後のナットの回転量120° ±30° の範囲にあるものを合格とする。(JASS6)

[ No.28 ]
大空間鉄骨架構の建方に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. リフトアップ工法は、地組みした所定の大きさのブロックをクレーン等で吊り上げて架構を構築する工法である。

2. 総足場工法は、必要な高さまで足場を組み立てて、作業用の構台を全域にわたり設置し、架構を構築する工法である。

3. 移動構台工法は、移動構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てた後、構台を移動させ、順次架構を構築する工法である。

4. スライド工法は、作業構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てた後、そのユニットを所定位置まで順次滑動横引きしていき、最終的に架構全体を構築する工法である。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

リフトアップ工法とは、地上または構台上で組み立てた屋根架構を、先行した構築した構造体を支えとして、ジャッキ等により引き上げていく工法である。地組みした所定の大きさのブロックを、クレーン等で吊り上げて架構を構築する工法は、ブロック工法である。

2.◯

総足場工法は、必要な高さまで足場を組み立てて、作業用の構台を全域にわたり設置し、架構を構築する工法である。

3.◯

移動構台工法は、移動構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てた後、構台を移動させ、順次架構を構築する工法である。

4.◯

スライド工法は、作業構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てた後、そのユニットを所定位置まで順次滑動横引きしていき、最終的に架構全体を構築する工法である。

[ No.29 ]
木質軸組構法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 1階及び2階の上下同位置に構造用面材の耐力壁を設けるため、胴差部において、構造用面材相互間に、6mm のあきを設けた。

2. 接合に用いるラグスクリューは、先孔にスパナを用いて回しながら締め付けた。

3. 接合金物のボルトの締付けは、座金が木材へ軽くめり込む程度とし、工事中、木材の乾燥収縮により緩んだナットは締め直した。

4. 集成材にあけるボルト孔の間隔は、許容誤差を ±5mm とした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

1階及び2階の上下同位置に構造用面材の耐力壁を設ける場合は、胴差部において、構造用面材相互間に、原則として、6mm以上のあきを設ける。(木造住宅工事仕様書)

2.◯

木材の接合等に用いるラグスクリュー(ヘッドがナット状の木ねじ)の締付けは、そのまま締め付けると木材が割れるので、先に孔をあけてから、スパナを用いて回しながら行う。

3.◯

接合金物のボルトの締付けは、座金が木材へ軽くめり込む程度とし、工事中、木材の乾燥収縮により緩んだナットは締め直す

4.×

集成材にあけるボルト孔の間隔の許容誤差は、±2mmとする。

[ No.30 ]
揚重運搬機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 建設用リフトは、土木、建築等の工事の作業 で使用されるエレベーターで、人及び荷を運搬する。

2. タワークレーンのブーム等、高さが地 表 から 60m以 上 となる場合、原則として、航空障害灯を設置する。

3. 移動式クレーンは、旋回範囲内に 6,600 V の配電線がある場合、配電線から安全距離を2m以上確保する。

4. ロングスパン工事用エレベーターは、安全上支障 がない場合、搬器の昇降を知らせるための警報装置を備えないことができる。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

建設用リフトとは荷のみを運搬することを目的とするエレベーターで、土木、建築等の工事の作業に使用されるもの(ガイドレールと水平面との角度が80度未満のスキップホイストを除く。)をいう。(労働安全衛生法施行令第1条)

2.◯

タワークレーンのブーム等、高さが地表または水面から 60m以上となる場合、原則として、航空障害灯を設置する。(建築工事監理指針)

3.◯

移動式クレーンは、6,600 V の配電線から安全距離を 2m以上確保する。(建築工事監理指針)

4.◯

ロングスパン工事用エレベーターは、安全上支障がない場合、搬器の昇降を知らせるための警報装置を備えないことができる。

一次検定対策 施工 躯体工事

3.施工(躯体工事)

1° 地盤調査
 1-1. 地盤調査

2° 仮設工事
 2-1. 乗入れ構台
 2-2. 足場1
 2-3. 足場2

3° 土工事・山留め工事
 3-1. 地盤の現象
 3-2. 土工事等
 3-3. 山留め工事
 3-4. ソイルセメント柱列山留め壁

4° 基礎・地業工事
 4-1. 基礎・地業工事等
 4-2. 場所打ちコンクリート杭工事

5° 鉄筋工事
 5-1. 加工及び組立て等
 5-2. 継手・定着
 5-3. ガス圧接

6° 型枠工事
 6-1. 型枠の工法・施工
 6-2. 型枠の設計等

7° コンクリート工事
 7-1. コンクリートの調合
 7-2. 打込み・締固め
 7-3.養 生

8° 鉄骨工事
 8-1. 工作・組立て・溶接
 8-2. 建 方
 8-3. 高力ボルト接合・耐火被覆

9° その他の工事
 9-1. ALCパネル工事

10° 耐震改修工事
 10-1. 耐震改修工事
 10-2. 柱補強工事他

11° 建設機械
 11-1 建設機械
 11-2 クレーン

一次検定 施工(躯体工事)地盤調査

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

3.施工(躯体工事)
1°.地盤調査

下記の正誤を判断せよ。
①シルトの粒子の直径は、粘土より大きく細砂より小さい。

答え

 ◯

②一軸圧縮試験により、砂質土の強度と剛性を求めることができる。

答え

 ×

[ 解説 ]
一軸圧縮試験は、粘性土強度せん断強さを調べる試験である

③三軸圧縮試験により、粘性土のせん断強度を求めることができる。

答え

 ◯

④粒度試験により、地盤の変形係数を求めることができる。

答え

 ×

[ 解説 ]
粒度試験は、土の粒度組成(土の粒子の大きさや配合)を調べる試験で、砂質土と粘性土の分類はできるが、地盤の変形係数を求めることはできない
・粒度試験により、細粒分含有率等の粒度特性を求めることができる。
・粒度試験の結果で求められる粒径から、透水係数の概算値を推定できる。

⑤圧密試験により、粘性土の沈下特性を調べることができる。

答え

 ◯

⑥常時微動測定により、地震時の地盤の振動特性を調べることができる。

答え

 ◯

[ 解説 ]
常時微動測定

常時微動測定による、地盤の卓越周期を把握することができる。

⑦電気検層(比抵抗検層)により、ボーリング孔近傍の地層の変化を知ることができる。

答え

 ◯

⑧被圧地下水位の想定は、ボーリング孔内において自由地下水及び上部にある帯水層を遮断しない状態で行う。

答え

 ×

[ 解説 ]
被圧地下水は、帯水層ごとに水位が異なるため、下部の帯水層を調査する場合は、ボーリング孔内において自由地下水及び上部の帯水層を完全に遮断しておく

⑨自由地下水位の測定は、ボーリング時に泥水を使わずに屈進ことにより比較的精度よく行うことができる。

答え

 ◯

一次検定 施工(躯体工事)仮設工事 2-1 乗入れ構台

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

3.施工(躯体工事)

2° 仮設工事
2-1 乗入れ構台
下記の正誤を判断せよ。
①構台の高さは、躯体コンクリート打設時に、大引下の1階床面の均し作業ができるように考慮して決める。

答え

  ◯

構台の大引の下端は、1階床の躯体コンクリート打設時に床の均し作業ができるように、コンクリート床上面より20㎝~30㎝程度上に設定する。

②構造計算で地震力を震度法により静的水平力として計算するため、水平震度を0.1とした。

答え

  ×

構造計算で地震力を震度法により静的水平力として計算する場合、水平震度0.2とする
構台の大引材や根太材の構造計算は、強度検討のほかに、たわみ量についても検討する。

 

③車の走行を2車線とするため、乗入れ構台の幅を6mとした。

答え

  ◯

構台の幅員は、施工機械や乗り入れる車両の大きさ、車両の使用状況や進行頻度等を考慮して、4~10mとする。

④クレーン能力 50t級のラフテレーンクレーンを使用するため、乗入れ構台の幅を8mとした。

答え

  ◯

⑤構台の幅が狭いときは、交差部に、車両が曲がるための隅切りを設ける。

答え

  ◯

⑥構台の支柱の位置は、使用する施工機構、車両の配置によって決める。

答え

  ×

構台の支柱の位置は、地下躯体図等を参考にして、基礎梁、柱、梁等の位置と重ならないように配置する

⑦乗込みスロープの勾配は、一般に1/10~1/6程度にする。

答え

  ◯

⑧出入口が近く、乗込みスロープがどうしても躯体に当たるため、その部分の躯体を後施工とした。

答え

  ◯

⑨乗入れ構台の各段の水平つなぎとブレースは、最終となる3次根切りの完了後にまとめて取り付けた。

答え

  ×

水平つなぎとブレースは、横ゆれ防止や支柱の座屈長さを短くするために入れるので、各根切り段階の終了時ごとに入れるべきである

⑩地下立上がり部の躯体にブレースが当たるので、支柱が貫通する部分の床開口部にくさびを設けて支柱を拘束し、ブレースを撤去した。

答え

  ◯

一次検定 施工(躯体工事)仮設工事 2-2 足場(1)

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

3.施工(躯体工事)
2° 仮設工事
2-2 足場(1)

(単管足場)
①単管足場の建地の間隔は、けた行方向 2.0m、はり間方向1.2mとした。

答え

 ×

[ 解説 ]
単管足場の建地間隔は、けた行方向1.85m以下はり間方向1.5m以下とする

②単管足場における建地間の積載荷重は、400kgを限度とした。

答え

 ◯

[ 解説 ]

③単管足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向 5m以下、水平方向 5.5m以下をする。

答え

 ◯

④単管足場の地上第一の布の高さは、2m以下をする。

答え

 ◯

⑤単管足場の墜落の危険のある箇所に設ける手すりの高さは90㎝とし、中さん及び幅木を設けた。

答え

 ◯

(枠組足場)
⑥足場の使用高さは、通常使用の場合45m以下をする。

答え

 ◯

⑦高さが 20mを超えるときは、主枠間の間隔は 1.85m以下とする。

答え

 ◯

⑧足場に設ける水平材は、最上階及び6層以内ごととする。

答え

 ×

[ 解説 ]
最上階及び5層以内ごとに水平材を設ける

⑨高さが 5m以上の足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向 9m以下、水平方向 8m以下とする。

答え

 ◯

[ 解説 ]

⑩ 枠組足場は、建枠の幅を 0.9mとし、 0.3m幅の床付き布枠を使用したので、1層1スパンの最大積載荷重を 3.92k(400kg)とした。

答え

 ◯

一次検定 施工(躯体工事)仮設工事 2-3 足場(2)

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

3.施工(躯体工事)
2° 仮設工事

2-3 その他の足場等
下記の正誤を判断せよ。

(その他の足場)
①移動式足場は、控枠(アウトリガー)なしとし、幅1.2m、高さ 1.7mの建枠を3段重ねて組み立てて使用した。

答え

 ×

[ 解説 ]
安全基準の高さと幅の関係式は
H≦ 7.7 L – 5
(厚生労働省による技術上の指針)であり、
L = 1.2m なので、
安全な高さは
7.7 × 1.2 – 5 = 4.24m
となるが、
設問の移動式足場の高さは
H = 1.7 × 3 + 0.3( 脚輪高さ)= 5.4m
となり、使用できない

②単管を用いた棚足場の組立のおいて、3層3スパン以内ごとに水平つなぎ、斜材等を設け一体化した。

答え

 ◯

③脚立足場において、足場板を脚立上で重ね、その重ね長さは 20㎝以上とした。

答え

 ◯

[ 解説 ]
脚立の脚と水平面との角度を 75度以下とし、かつ、折りたたみ式のものにあっては、脚と水平面との角度を確実に保つための金具を備える。

④架設通路において、墜落の危険のある箇所に、高さ 85㎝の手すりを設けた。

答え

 ◯

⑤架設通路において、登りさん橋の高さが16mであったので、地盤面からの高さ 8mの位置に踊場を設けた。

答え

 ×

[ 解説 ]
建設工事に使用する高さ 8m以上の登り桟橋には、7m以内ごとに踊り場を設ける

⑥架設通路において、こう配が18° であったので、踏さんを設けた。

答え

 ◯

[ 解説 ]
架設通路において、勾配30度以下にする。ただし、階段を設けたもの又は高さが2m未満で丈夫な手掛を設けたものはこの限りでない。

⑦移動はしごは、幅が 30㎝のものを用いた。

答え

 ◯

⑧深さが 1.4mの箇所で作業を行うので、昇降するための設備は設けなかった。

答え

 ◯

⑨高さ 5m の作業構台の床材間のすき間は 4㎝以下とした。

答え

 ×

[ 解説 ]
高さ2m以上の作業床は、つり足場の場合を除き、幅は40㎝以上とし、床材間のすき間は、3㎝以下とする

一次検定 施工(躯体工事)土工事・山留工事 3-1 地盤の現象

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

3.施工(躯体工事)
3° 土工事・山留め工事

3-1 地盤の現象
下記の正誤を判断せよ。

①ヒービングをは、軟弱な粘性土地盤を掘削する際に、山留め壁の背面土のまわり込みにより掘削底面の土が盛り上がってくる現象をいう。

答え

 ◯

②軟弱地盤のヒービング対策として、根切り土を山留め壁に近接した背面上部に盛土して荷重を増やした。

答え

 ×

[ 解説 ]
軟弱地盤のヒービング対策として、掘削場外に余裕がある場合には、周囲の地盤をすき取り、山留め壁背面の荷重を減らす等ヒービングの原因をなる土圧を軽減する
大きな平面を一度に根切りせず、いくつかのブロックに分割して根切りし、コンクリート等で固めて順次施工する方法も有効である。

③ヒービングの発生防止のため、ウェルポイントで掘削場内外の地下水位を低下させた。

答え

 ×

[ 解説 ]
ヒービングは、掘削場内外の地下水位を低下させても、山留め壁の背面土圧にはほとんど影響しないので、ヒービング発生防止の効果は少ない
ヒービングのおそれのない良質な地盤まで山留め壁を根入れすること等も有効である。

④盤ぶくれとは、掘削底面やその直下に不透水性土層があり、その下の被圧地下水の圧力により掘削底面が持ち上がる現象をいう。

答え

 ◯

[ 解説 ]
 
  

⑤被圧地下水による盤ぶくれ対策として、止水性の山留め壁を被圧帯水層以深の不透水層まで根入れした。

答え

 ◯

[ 解説 ]
根切り底面下の盤ぶくれの発生が予想された場合の対策の1つに、被圧水頭を下げる方法があり、ディープウェル等の排水工法により行う。

⑥ボイリングの発生防止のため、止水性の山留め壁の根入れを深くし、動水勾配を減らした。

答え

 ◯

[ 解説 ]
止水性の山留め壁不透水性地盤まで根入れする等も有効である。

⑦パイピングとは、粘性土中の弱い所が地下水流によって局部的に侵食されて孔や水みちが生じる現象をいう。

答え

 ×

[ 解説 ]
パイピングとは、砂質土の地盤で浸透水流により、パイプ状の孔や水みちができる現象をいう

⑧クイックサンドとは、砂質土のように透水性の大きい地盤で、地下水の上向きの浸透力が砂の有効重量より大きくなり、砂粒子が水中で浮遊する状態をいう。

答え

 ◯

一次検定 施工(躯体工事)土工事・山留工事 3-2 土工事等

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

3.施工(躯体工事)
3° 土工事・山留め工事

3-2 土工事等
下記の正誤を判断せよ。

(排水工法)
①釜場工法は、重力排水工法の1つである。

答え

 ◯

②排水の打切りにより、地下構造物が浮き上がることがある。

答え

 ◯

(掘削・根切り)
③粘性土地盤を法切りオープンカット工法で掘削するので、円弧すべりに対する安定を検討した。

答え

 ◯

[ 解説 ]
法付けオープンカットの法面保護をモルタル吹付けで行った場合は、法面に水抜き穴を設ける。

④切梁工法の一次根切りにおいては、山留め壁の頭部が倒れるような変形が一般的なので、山留め壁頭部の動きに留意して掘削した。

答え

 ◯

⑤切梁工法の二次根切りにおいては、周辺地盤の地表面の沈下は山留め壁際が最大となるので、山留め壁際の沈下に留意して掘削した。

答え

 ×

[ 解説 ]
切梁工法の二次根切り時以降では、山留め壁は切梁位置で水平変位が抑制され、根切り底付近で最大変位を示す弓形の変位となるため、周辺地盤の地表面の沈下は、壁から少し離れた位置で最大となる

⑥直接基礎の床付け地盤を乱したが、粘性土であったので、そのまま転圧して捨てコンクリートを打設した。

答え

 ×

[ 解説 ]
直接基礎の床付け面を乱してしまった時は、粘性土の場合は礫・砂質土に置き換えるか、セメント・石灰などによる地盤改良を行う
床付け地盤を凍結させた場合は、良質土と置換するなどの処置が必要である。

(埋戻し及び盛土)
⑦盛土材料は、敷均し機械によって均等、かつ、一定の厚さに敷均してから締固めを行わないと、将来盛土自体の不同沈下の原因となることがある。

答え

 ◯

[ 解説 ]
機械による締固めを行う場合、盛土材料にばっ気又は散水を行って、含水量を調節することがある。

⑧埋戻しの選択に当たっては、均等係数が大きい性状のものを選んだ。

答え

 ◯

[ 解説 ]
粘性土を埋戻しに使用したので、余盛りは砂質土の場合より大きくする。

⑨動的な締固めは、ロードローラー、タイヤローラー等の重量のある締固め機械を用いて、人為的に過圧密な状態を造り、締め固めるものである。

答え

 ×

[ 解説 ]
ロードローラーやタイヤローラー等の重量のある機械を用いて、人為的に加圧密な状態を造り締め固める方法は、静的な締固めで、大規模な埋戻しや盛土工事に用いられる

水締めは、水が重力で下部に浸透する際に土の粒子が沈降し、土の粒子間のすき間を埋める現象を利用したものである。

一次検定 施工(躯体工事)土工事・山留工事 3-3 山留め工事

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

3.施工(躯体工事)
3° 土工事・山留め工事

3-3 山留め工事
下記の正誤を判断せよ。

①自立山留め工法は、山留め壁の根入れ部の受働抵抗に期待するため、根切り深さが浅い場合に適している。

答え

 ◯

②親杭横矢板工法は、止水性はないが、比較的硬い地盤でも施工可能であり、他の工法に比べて経済的に有利である。

答え

 ◯

③鋼矢板工法は、止水性があり、地下水位の高い砂礫層などの硬い地盤の場合に適している。

答え

 ◯

[ 解説 ]
鋼矢板工法は、矢板の継手部のかみ合わせにより止水性があるので、地下水位の高い地盤には適しているが、砂礫層などの硬い地盤には打設することが困難である
鋼矢板山留め壁に用いる鋼矢板の許容応力度は、新品の場合であってもその数値を割増すことはできない。

④地盤アンカー工法は、敷地の高低差が大きく山留めにかかる側圧が偏土圧となる場合に適している。

答え

 ×

⑤水平切梁工法において、集中切梁とする方法は、根切り及び躯体の施工能率の向上に効果がある。

答え

 ◯

[ 解説 ]
水平切梁工法において、井形に組む格子状切梁方式は、一般に掘削平面整形な場合に適している。

⑥水平切梁工法において、切梁にプレロードを導入するときは、切梁交差部の締付けボルトを締め付けた状態で行う。

答え

 ×

[ 解説 ]
プレロードする場合は、切梁交差部締付けボルト緩めた状態で行う
水平切梁工法における鋼製切梁では、温度応力による軸力変化について検討する必要がある。

⑦水平切梁工法における腹起しの継手位置は、切梁と火打梁との間又は切梁に近い位置に割り付ける。

答え

 ◯

[ 解説 ]
油圧式荷重計は、切梁にかかる全荷重を測定するため、切梁の中央部を避け、火打梁との交点近い位置に設置する。

⑧山留め壁の根入れ長さは、山留め壁の掘削側側圧による抵抗モーメントと背面側側圧による転倒モーメントとのつり合いから決める。

答え

 ◯

[ 解説 ]
山留め壁背面に作用する側圧は、一般に深さ比例して増大する。

⑨山留め壁周辺の地盤の沈下を計測するための基準点は、山留め壁に近接した地盤面に設けた。

答え

 ×

[ 解説 ]
山留め壁周辺の沈下を計測するための基準点は、公道に面する敷地境界の地盤面に一定間隔に設け、公道の反対側に設けた点との差を計測する。
山留め壁の頭部の変位を把握するために、トランシットやピアノ線、スケール、下げ振りを用いて計測を行う。

⑩ H形鋼を用いた切梁の軸力を計測するためのひずみ計は、2台を1組としてウェブに設置した。

答え

 ◯

一次検定 施工(躯体工事)土工事・山留工事 3-4 ソイルセメント柱列山留め壁

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

3.施工(躯体工事)
3° 土工事・山留め工事

3-4 ソイルセメント柱列山留め壁
下記の正誤を判断せよ。

①山留め壁の剛性が小さいため、土圧が大きい軟弱地盤には適さない。

答え

 ×

[ 解説 ]
ソイルセメント柱列壁工法は、セメント系注入液を原位置土と混合攪拌し、掘削孔をオーバーラップ施工し心材にH形鋼等を挿入したもので、剛性止水性優れており、土圧大きい軟弱地盤適する。地下水位が高い地盤は軟弱な地盤に適した工法である。

②ソイルセメントの中に挿入する心材をしては、H形鋼やI形鋼などが用いられる。

答え

 ◯

③ソイルセメントは、止水の役目と土留め壁の構造材の一部として使用される場合がある。

答え

 ◯

④泥水処理が必要で、排出泥土が鉄筋コンクリート山留め壁に比べて多い。

答え

 ×

[ 解説 ]
ソイルセメント柱列山留め壁は、原位置土とセメント系注入液を混合・かくはんして使用するので、泥水処理不要で、排出土も鉄筋コンクリート山留め壁に比べて少ない

⑤N値50以上の地盤、大径の玉石や歴が混在する地盤では、先行削孔併用方式を採用してエレメント間の連続性を確保する。

答え

 ◯

[ 解説 ]
先行削孔併用方式は、N値50以上の地盤における山留め壁の造成に用いられる。

⑥根切り時に発生したソイルセメント硬化不良部分は、モルタル充填や背面地盤への薬液注入などの処置をする。

答え

 ◯

⑦山留め壁の構築部に残っている既存建物の基礎を先行解体するためのロックオーガーの径は、ソイルセメント施工径より小さい径のものとする。

答え

 ×

[ 解説 ]
山留め壁の構築部に残っている既存建物を先行解体する場合、施工精度を上げるため、施工に先立ちソイルセメント施工径より大きな径のロックオーガー機等を用いて行う

⑧単軸のロックオーガーによる方法は、硬質な岩や地中障害がある場合の土留め壁の造成に用いられる。

答え

 ◯

⑨多軸の掘削攪拌機を用いる場合、エレメント間の連続性を確保するため、エレメントの両端部分をラップして施工する。

答え

 ◯

[ 解説 ]