1級建築施工管理技士 令和06年 学科 問題1 解説

令和6年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題1

(午前の部)令和6年7月21日(日)

問題番号[ No.1 ]〜[ No.6 ]までの6問題は、全問題を解答してください。問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。

[ No.1 ]
中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物における居室の室内環境に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。

1.室内空気中の一酸化炭素の濃度は,6ppm以下とする。

2.室内空気中の二酸化炭素の濃度は,1,000ppm以下とする。

3.室内空気の気流の速さは,1.5m/s以下とする。

4.室内空気の相対湿度は,40%以上70%以下とする。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

2.◯

室内環境基準において、空気中の二酸化炭素濃度の許容値は、1,000ppm(0.1%)以下と定められている。(建築基準法施行令第129条の2の6第3項)

・二酸化炭素 1,000 ppm以下

一酸化炭素   10 ppm以下

覚え方「銭湯で屁をする」

(原口氏「スーパー記憶術」より)

一酸化炭素は 6 ppm以下に変更になっている。

3.×

室内空気の建築物環境衛生管理基準(厚生労働省)には以下のように規定されている。

建築物環境衛生管理基準(厚生労働省)

浮遊粉じんの量 0.15mg/m3以下

一酸化炭素の含有率 100万分の6以下(= 6 ppm以下)

二酸化炭素の含有率 100万分の1000以下(=1000 ppm以下

温度(1)17℃以上 28℃以下

  (2)居室における温度を外気の温度より低くする場合は、

     その差を著しくしないこと。

相対湿度 40%以上 70%以下

気  流 0.5 m/秒以下

ホルムアルデヒドの量 0.1mg/m3以下(0.08ppm以下)

4.◯

[ No.2 ]
図に示すような鉄筋コンクリート壁の熱貫流率として,最も近い値はどれか。ただし,熱伝達率は,放射熱伝達率と対流熱伝達率を合わせたものとする。

1.0.3  2.1.3  3.4.0  4.33.6

答え

  3

[ 解答解説 ]

熱貫流率とは、熱伝導抵抗の逆数、つまり熱の通しやすさのことである。

熱伝達率は、壁の室内側と室外側にありその表面近傍部分の熱伝達のしやすさのことである。

その逆数が熱伝達抵抗である。一般的にはそれぞれの部位、仕上面の状況によってことなる。

熱貫流率(U値)

= 1 /材料の熱抵抗値(m2・K/W)

= 1/(材料の厚さ(m)÷材料の熱伝導率(W/m・K) )

= 1/{ 1/9+(0.150/1.6) +1/23}

= 1/(0.111 + 0,09375+0.0438)

= 1/ 0,24855

= 4.02

又は

熱貫流率(U値)

= 1 /材料の熱抵抗値(m2・K/W)

= 1/(室内側熱伝達抵抗 + 壁の熱伝導抵抗 + 室外側伝達抵抗)

= 1/(0.111 + 0.094 + 0.043)

= 1/0.248

= 4.032

よって、選択枝3の 4.0が最も近い値である。

[ No.3 ]
鉄筋コンクリート構造に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。

1.柱の主筋はD13以上の異形鉄筋を4本以上とし,その断面積の和は柱のコンクリート全断面積の0.8%以上とする。

2.柱のせん断補強筋は直径9mm以上の丸鋼又はD10以上の異形鉄筋とし,せん断補強筋比は0.2%以上とする。

3.梁の断補強筋の間隔は,梁せいの1/2以下,かつ,250mm以下とする。

4.梁に孔径が梁せいの1/3の円形の貫通孔を2個設ける場合,その中心間隔は両孔径の平均値の2倍以上とする。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

柱の主筋は、柱の軸方向に配筋する鉄筋のこと。異形鉄筋とは、コンクリートの付着性を向上させるために周囲にリブと呼ばれる突起のある鉄筋をいう。柱の主筋は直径がD13以上の異形鉄筋とし、その断面積の和は、柱のコンクリート全断面積の0.8%以上とする。(鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説)

2.◯

梁、柱のせん断補強筋は軽微な場合を除き、直径9mm以上の丸鋼又はD10以上の異形鉄筋とする。せん断補強筋(帯筋及びあばら筋)比は0.2%以上とする。

3.◯

梁の断補強筋とは、梁のせん断応力に対抗する鉄筋のことであばら筋のことである。あばら筋は、せん断やひび割れに対する補強に用いられ、間隔はD10の異形鉄筋を用いて梁せいの1/2以下,かつ,250mm以下とする。(鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説)

4.×

梁に2個以上の貫通孔を設ける場合、孔径は梁せいの 1/3以下とし、孔の中心間隔は孔径の平均値の3倍以上とする。

[ No.4 ]
地盤及び基礎構造に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.圧密沈下の限界値は,独立基礎のほうがべた基礎に比べて大きい。

2.直接基礎の滑動抵抗は,基礎底面の摩擦抵抗が主体となるが,基礎の根入れを深くすることで基礎側面の受動土圧も考慮できる。

3.直接基礎の地盤の許容応力度は,基礎荷重面の底面積が同じであっても,その底面形状が正方形の場合と長方形の場合とでは異なる値となる。

4.基礎梁の剛性を高くすることにより,不同沈下が均等化される。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

独立基礎とは、柱ごとに独立して点で支持する基礎をいう。べた基礎とは、建物の荷重を面で支持する基礎をいう。独立基礎は圧密により不同沈下を生じやすいが、べた基礎は建物と基礎が一体となっているため、不同沈下は生じにくい。圧密沈下の許容値は、独立基礎の方がべた基礎に比べて小さい

2.◯

滑動抵抗とは,基礎底面が土圧により水平に移動しようとする力に抵抗することをいう。根入れを深くすると、基礎底面の摩擦抵抗が主体となり滑動を防止できるが、根入れを深くすることにより、基礎側面に受動土圧は大きくなるので、さらに抵抗力が上がる。

3.◯

直接基礎における地盤の許容応力度は,基礎荷重面の底面積が同じであっても,その底面形状が正方形の場合と長方形の場合とでは異なる値となる。

4.◯

基礎梁とは、基礎部分や地下部分を支える梁のことで、地中に施工される者で、地中梁とも呼ばれる。基礎梁の剛性を高くすると、基礎梁が変形しにくくなるので、不同沈下を均等化することができる。

[ No.5 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構の点Cに集中荷重P1及びP2が作用したとき,支点Bに生じる水平反力HBの値の大きさとして,正しいものはどれか。

1.HB=0kN

2.HB=2kN

3.HB=4kN

4.HB=6kN

答え

  3

[ 解答解説 ]

支点A及びBの鉛直荷重及び水平荷重をVA、HA、VB、HBとおく

力のつり合いより

VA + VB = P2 = 3kN

HA + HB = P1 = 4kN

支点Aでは

MA = 8m × -VB + 4m × P1 = 0

よって、VB = 4m × 4kN / 8m = 2kN

ゆえに VA = 1 kN

点Cより右側の部材を考える

Mc = 8m × -VB + 4m ×HB = 0

8VB = 4HB

HB = 2VB = 4kN

よって、正答肢は3となる。

[ No.6 ]
内装材料に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。

1.強化せっこうボードは,せっこうボードの芯に無機質繊維等を混入したもので,性能項目として耐衝撃性や耐火炎性等が規定されている。

2.パーティクルボードは,木毛等の木質原料及びセメントを用いて圧縮成形した板で,屋根の下地材等に使用される。

3.コルク床タイルは,天然コルク外皮を主原料として,必要に応じてウレタン樹脂等で加工した床タイルである。

4.クッションフロアは,表面の透明ビニル層の下に印刷層,発泡ビニル層をもったビニル床シートである。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

強化せっこうボードは,せっこうボードの芯にガラス繊維などの無機質繊維を混入したもので,性能項目として耐衝撃性や耐火炎性等が規定されている。

2.×

パーティクルボードは、木材等の小片を主な原料として、接着剤を用いて熱圧成形した板である。(JIS A5908)設問は、木質系セメント板の記述である。

3.◯

コルク床タイルは,天然コルク外皮を主原料として,必要に応じて塩化ビニル樹脂またはウレタン樹脂等で加工した床タイルである。

4.◯

クッションフロアはビニル床シートの一種で、表面に透明ビニル層、その下に印刷層,発泡ビニル層をもったものである。

一次対策 建築学

1.建築学
1°.計画原論
 1-1.換気
 1-2.伝熱・結露
 1-3.日照・日射・日影
 1-4.採光・照明
 1-5.音に関すること
 1-6.マンセル表色系

2°.一般構造
 2-1. 建築物に加わる荷重、外力
 2-2.基礎構造
 2-3.鉄筋コンクリート構造1
 2-4.鉄筋コンクリート構造2
 2-5.鉄骨構造1
 2-6.鉄骨構造2

3°.建築材料
 3-1.セメント・骨材・コンクリート
 3-2.鋼材
 3-3.建築用ガラス
 3-4.防水材料
 3-5.シーリング材
 3-6.石材・左官材料
 3-7.床材料・屋根材料
 3-8.ボード類

学科 建築学 計画原論 1-1 換気

1級建築施工管理技士 学科対策 過去問題
【 重要ポイント 】

1.建築学
1°.計画原論

1-1.換気
下記の正誤を判断せよ。

①建材や接着剤などから発生するホルムアルデヒドは、室内空気汚染の原因となり、室内空気環境を評価するための対象物質の一つである。

答え

 ◯

②室内の許容二酸化炭素濃度は、一般に10,000ppn( 1% )とする。

答え

 ×

[ 解説 ]
二酸化炭素濃度(含有量)は、1000ppm以下
一酸化炭素濃度(含有量)は、10ppm以下

③第2種機械換気方式は、室内圧を負圧に保つことができるので、クリーンルームや病院の手術室などに用いられる。

答え

 ×

[ 解説 ]
第2種機械換気方式は、給気は給気機等の機械で行い、排気は自然排気とする方式で、クリーンルーム、手術室、ボイラー室、発電室等に使用し、室内圧正圧となる。

第3種機械換気方式は、自然給気と排気機による換気方式で、浴室便所などに用いられる。

④室内外の温度差による自然換気量は、他の条件が同じであれば、流入口と流出口の高低差が大きいほど多い。

答え

 ◯

[ 解説 ]
温度差による自然換気の場合、室内外の圧力差が0になる垂直方向の位置を中性帯といい、この部分に開口部を設けても換気はほとんど起こらない。

⑤風上側と風下側に外部開口部をもつ室における、風力による自然換気量は、風向きが一定であれば、外部風力に比例する。

答え

 ◯

[ 解説 ]


風圧力による換気量は、他の条件が同じであれば、
風上側と風下側の風圧係数の差(Cf −Cb)の平方根比例する。

⑥静穏時の呼吸による二酸化炭素濃度をもとにして定めた場合、成人一人あたりの必要換気量は、30m3/h程度。

答え

 ◯

⑦在室者の呼吸による必要換気量は、室内の二酸化炭素発生量を、室内の許容二酸化炭素発生量を室内の許容二酸化炭素濃度と外気の二酸化炭素濃度の差で除して求める。

答え

 ◯

[ 解説 ]
必要換気量は、室内の空気環境を良好な状態に保つために必要とされる最小限の取入れ外気量である。

一次検定 建築学 計画原論 1-2 伝熱・結露

1級建築施工管理技士 学科対策 過去問題
【 重要ポイント 】

1.建築学
1°.計画原論

1-2,伝熱・結露
下記の正誤を判断せよ。

①壁体の熱貫流抵抗は、熱伝達抵抗と熱伝導抵抗の和によって得られる。

答え

 ◯

②壁体の含湿率が増加すると、壁体の熱伝導率は小さくなる。

答え

 ×
[ 解説 ]
壁体内に含まれる空気は熱伝導率は小さいが、含湿率増加することにより、水分を含ことににあるので熱伝導率大きくなり、結露の原因ともなる。

 

③外断熱の施された熱容量の大きな壁は、室温の著しい変動の抑制に有効である。

答え

 ◯

④外皮平均熱貫流率は、建物の断熱性能評価の指標であり、この値が小さいほど断熱性能が高い。

答え

 ◯

⑤相対湿度は、湿り空気中に含まれている水蒸気分圧のその温度における飽和水蒸気分圧に対する割合で示される。

答え

 ◯

⑥露点温度とは、湿り空気が冷やされて空気中に存在する一部の水蒸気が凝縮し水滴となり始める温度をいう。

答え

 ◯

⑦絶対湿度を一定に保ったまま乾球温度を上昇させると、相対湿度は高くなる。

答え

 ×

[ 解説 ]
水蒸気量に変化がなく、気温を上昇させると、相対湿度低くなる

⑧冬季の暖房時に、外壁出隅部の室内側は、温度が低下し結露しやすい。

答え

 ◯

[ 解説 ]
壁体比べ大きな熱伝導率を持つ部材が壁内部にあると熱が集中して流れ、熱橋となり結露しやすい

⑨表面結露は、壁面で空気が冷却され露点温度以下になると壁表面に生じる。

答え

 ◯

⑩内部結露は、壁体内部の水蒸気圧が温度に応じた飽和水蒸気圧より低い場合に生じる。

答え

 ×

[ 解説 ]
内部結露は、壁体内部の水蒸気圧が、壁体内部の温度に応じた飽和水蒸気圧より高い場合に生じる

一次検定 建築学 計画原論 1-3.日照・日射・日影

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

1.建築学
1°.計画原論

1-3.日照・日射・日影
下記の正誤を判断せよ。

①日照率とは、1日(24時間)に対する日照時間の比を百分率で表した値である。

答え

 ×

[ 解説 ]
日照率 = 日照時間/可照時間 × 100 (%)
日の出から日没までの時間を可照時間、
実際に日照のあった時間を日照時間という。
1日(24時間)に対する比ではない。

②同じ日照時間を確保するためには、緯度が高くなるほど南北の隣棟間隔を大きくする必要がある。

答え

 ◯

③建物の高さを高くした場合、日影は遠くに伸びるが、一定の高さを超えると長時間影となる
範囲はあまり変化しない。

答え

 ◯

④日差し曲線は、地平面上のある地点が周囲の建物によって、日照時間にどのような影響を受けるか検討するのに用いられる。

答え

 ◯

⑤日照図表を用いると、冬至などの特定日に、対象となる建物が特定の地点に及ぼす日照の影響を知ることができる。

答え

 ◯

⑥南面の垂直壁の可照時間は、春分より夏至の方が長い。

答え

 ×

[ 解説 ]
北緯35°付近の終日の直達日射量の変化は、下記。

・南面の垂直壁の可照時間は、春秋分では12時間夏至では7時間なので、春分より夏至の方が短い。

・夏至における南向き鉛直面の終日の直達日射量は、水平面の直達日射量より大きい。

東向き鉛直面西向き鉛直面終日の直達日射量は、季節にかかわらず同じ。

⑦冬至における南向き鉛直面の終日の直達日射量は、水平面の直達日射量より大きい。

答え

 ◯

⑧東向き鉛直面と西向き鉛直面の終日の直達日射量は、季節にかかわらず西向きの鉛直面のほうが大きい。

答え

 ×

[ 解説 ]
東向き鉛直面西向き鉛直面終日の直達日射量は、季節にかかわらず同じ。

⑨建物の高さが同じである場合、東西に幅が広い建物ほど影の影響の範囲が大きくなる。

答え

 ◯

[ 解説 ]
東西に隣接した建物間の北側の少し離れた場所に生じる。
長時間日影となる領域を、島日影という。

⑩ブラインドは、窓面の内側より外側に設置するほうが室内への熱負荷を軽減できる。

答え

 ◯

[ 解説 ]

一次検定 建築学 計画原論 1-4.採光・照明

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

1.建築学
1-4.採光・照明

下記の正誤を判断せよ。

①全天空照度とは、天空光が遮断されることのない状況で、直接日光を除いた全天空による、ある点の水平面照度をいう。

答え

 ◯

[ 解説 ]
照度とは、受照面の単位面積当たりの入射光束。

②光度とは、反射面を有する受照面の光の面積密度をいう。

答え

 ×

[ 解説 ]
光度とは、点光源のある方向の光の強さを示す量

③昼光による室内の採光では、一般に天空光を活用することを考える。

答え

 ◯

[ 解説 ]



昼光率D = E/Es × 100 (%)
室内の採光計画においては、一般に変動しない明るさの指標である昼光率を用いる。

④昼光率とは、全天空照度に対する室内のある点の天空光による照度の比をいう。

答え

 ◯

⑤ある点における間接昼光率は、壁や天井などの室内表面の反射率の影響を受ける。

答え

 ◯

⑥形状と面積が同じ側窓は、その位置を高くしても、昼光による室内の照度分布の均斉度は変わらない。

答え

 ×

[ 解説 ]
均斉度は、室内の明るさが均一かどうかを知るための指標で、室内の最大照度と最小照度の比。窓が高い位置にあるほど窓付近と室奥との照度差が少なくなるので明るさが均一となり、均斉度上がる。窓が低い位置にある場合は、窓直下の照度が最大となり室奥にいくにしたがって急激に照度が小さくなるかめ、照度差が大きく均斉度が小さくなる。

天窓は側窓に比べて採光量や照度分布等が優れている。建築基準法では、天窓の面積は側窓の3倍の面積に相当するとみなす。

⑦人工照明は、人工光源の直接光と反射光を利用して行われる。

答え

 ◯

⑧グレアとは、高輝度な部分、極端な輝度対比や輝度分布などによって感じられるまぶしさをいう。

答え

 ◯

一次検定 建築学 計画原論 1-5.音に関すること

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

1.建築学
1-5.音に関すること

下記の正誤を判断せよ。

①室内の向かい合う平行な壁の吸音性が高いと、フラッターエコーが発生しやすい。

答え

 ×

[ 解説 ]
室内の天井と床、両側の壁などが互いに平行でかつ反射材料でできている場合、音の反射が規則的に繰り返され、二重、三重に聞こえる現象を、フラッターエコー(鳴き竜)という。室内の向かい合う平行な壁の吸音性高いと、発生しにくい

②障害物が音波の波長より小さいと、音波が障害物の背後に回り込む現象を回折という。

答え

 ◯

[ 解説 ]
音波の回折現象は、障害物がその波長より小さいと起こりやすい。

③聞こうとしている音が、それ以外の音の影響によって聞きにくくなることをカクテルパーティ効果という。

答え

 ×

[ 解説 ]
カクテルパーティ効果とは、2つ以上の音を同時に聞いているとき、その中の1つの音を選択して、聴取できることをいう。
設問の記述は、マスキング現象

④無指向性の点音源からの音の強さは、音源からの距離の二乗に反比例する。

答え

 ◯

[ 解説 ]
音の強さ ∝ 1/ ℓ2

⑤同じ音圧レベルの騒音源が2つになった場合、音圧レベルは1つの場合より約3dB大きくなる。

答え

 ◯

⑥室内騒音の程度を評価するためにNC値が用いられるが、NC値は大きいほど静かに感じる。

答え

 ×

[ 解説 ]
騒音のオクターブバンドごとの音圧レベルの測定結果を図にプロットしてすべての点を上回る最小の曲線をNC値を呼び、大きいほど許容する騒音はうるさく感じる

⑦吸音率は、壁などの境界面に入射する音のエネルギーに対する反射されなかった音のエネルギーの比で表される。

答え

 ◯

⑧同じ透過損失の値をもつ2枚の壁を一定の距離以上に離すと、1枚の時に比べて透過損失は2倍の値となる。

答え

 ◯

[ 解説 ]
床衝撃音レベルの遮音等級と表すL値は、値が小さいほど遮音性能高い

⑨コンクリート間仕切り壁の音の透過損失は、一般に高周波数域より低周波数域のほうが大きい。

答え

 ×

[ 解説 ]
コンクリート間仕切り壁の透過損失は、低周波数域より高周波数域の方が大きい

⑩残響時間とは、音が鳴り止んでから、はじめの音圧レベルより60dB減衰するのに要する時間のことをいう。

答え

 ◯

[ 解説 ]
残響時間は、室容積比例し、室内の総吸音力反比例する。

一次検定 建築学 計画原論 1-6.マンセル表色系

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

1.建築学
1-6.マンセル表色系

下記の正誤を判断せよ。

①マンセル色相環において、対角線上にある2つの色は、補色の関係にある。

答え

 ◯

[ 解説 ]
マンセル色相環では、RとBG、YRとB等のように向かい合わせの色どうしは補色になっており、向い合う色相は、混色すると無彩色になる。

②明度は、色の明るさを表し、理想的な黒を10とし、理想的な白を 0 として、10段階に分けている。

答え

 ×

[ 解説 ]
マンセル表色系では、無彩色は記号Nと明度だけで表す。
(例)白:N9、灰:N5、黒:N1
明度は理想的な黒を0、理想的な白を10として、0〜10の11段階に分ける。
しかし、実際には理想的な黒や白は得られないので、1〜9の値になる。

③彩度は、色の鮮やかさの程度を表し、マンセル色立体では、無彩色軸からの距離で示す。

答え

 ◯

[ 解説 ]
中心の無彩色軸から距離が離れるほど、鮮やかさが増す。

④鮮やかさが増すにつれて、彩度を表す数は大きくなる。

答え

 ◯

[ 解説 ]
中心の彩度は0であり、中心から離れるほど鮮やかさが増し、数値も大きくなる。

⑤マンセル記号「5Y8/10」のうち、数値「8」は明度を表す。

答え

 ◯

[ 解説 ]
マンセル記号「 5Y8/10」を表し、5Yは色相、8は明度、10は彩度を示している。
(覚え方)マンセルの 鮮やか
マンセル色立体



⑥「5R6/10」の記号のうち、「5R」は色相を表す。

答え

 ◯

[ 解説 ]
マンセル記号「 5R6/10」を表し、5Rは色相、6は明度、10は彩度を示している。

一次検定 建築学 一般構造 2-1.荷重、外力

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

1.建築学
2°.一般構造

2-1. 建築物に加わる荷重、外力
下記の正誤を判断せよ。

①固定荷重は、容易にとり外したり移動することのない建築物の構成部分の重さによる荷重であり、これには仕上材の荷重を含めない。

答え

 ×

[ 解説 ]
固定荷重には、取り外したり移動することのない仕上材含める

②劇場、映画館等の客席の積載荷重は、固定席の方が固定されていない場合より小さい。

答え

 ◯

③積雪荷重は、積雪の単位荷重に屋根の水平投影面積及びその地方における垂直積雪量を乗じて計算する。

答え

 ◯

[ 解説 ]
雪止めが無い屋根の積雪荷重は、屋根勾配が60度を超える場合には0とすることができる。

④風圧力を求めるために用いる風力係数は、建築物の外圧係数と内圧係数の積により算出する。

答え

 ×

[ 解説 ]
風力係数
= Cpeー Cpi

Cpe:閉鎖型及び開放型の建築物の外圧係数
Cpi:閉鎖型及び開放型の建築物の内圧係数

で算出されるので、積ではなくである

⑤基準風速 V0はその地方の再現期間50年の10分間平均風速値に相当する。

答え

 ◯

[ 解説 ]
防風林などにより風を有効にさえぎることができる場合、風荷重は低減することができる。

⑥外装材用風荷重は、建築物の構造骨組用荷重に比べ、単位面積当たりの値は小さくする。

答え

 ×

[ 解説 ]
外装材用風荷重は、風圧の最大値に対するもので、構造骨組用風荷重の風圧の平均値とするものに比べ、単位面積当たりの値は大きい

⑦地震層せん断力は、2階に生じる地震層せん断力より1階に生じる地震層せん断力の方が大きい。

答え

 ◯

[ 解説 ]
多雪区域における地震層せん断力は、固定荷重、積載荷重及び積雪荷重の和に地震層せん断力係数を乗じて計算する。

⑧保有水平耐力計算において、多雪地域の積雪時における長期応力度計算に用いる荷重は、固定荷重と積載荷重の和に、積雪荷重に0.7を乗じた値を加えたものである。

答え

 ◯

一次検定 建築学 一般構造 2-2.基礎構造

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

1.建築学
2°.一般構造

2-2.基礎構造
下記の正誤を判断せよ。

(直接基礎)
①建物に水平力が作用するときは、基礎の滑動抵抗の検討を行う。

答え

 ◯

②地盤の調査深度は、基礎スラブの大きさや形状を考慮して決める。

答え

 ◯

[ 解説 ]
基礎底面の面積が同じであっても、その形状が正方形と長方形とでは、地盤の許容応力度は異なる。

③圧密沈下の許容値は、独立基礎の方がべた基礎に比べて大きい。

答え

 ×

[ 解説 ]
圧密沈下の許容値は、独立基礎の場合5㎝、ベタ基礎の場合は15㎝とされていて、独立基礎の方がベタ基礎より小さい

基礎梁の剛性大きくすることにより、基礎フーチングの沈下を平均化できる。

(杭基礎)
④支持杭を用いた杭基礎の許容支持力には、基礎スラブ底面における地盤の支持力は加算しない。

答え

 ◯

[ 解説 ]
杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力と極限周面摩擦力との和で表す。

⑤埋込み杭は、打ち込み杭に比べて極限支持力に達するまでの沈下量が大きい。

答え

 ◯

⑥支持杭を用いた杭基礎の場合、杭周囲の地盤沈下によって杭周面に働く正の摩擦力を考慮する。

答え

 ×

[ 解説 ]
支持杭を用いた杭基礎の場合、杭周囲の地盤沈下によって杭周面には下向きの摩擦力が働く(負の摩擦力。杭の支持力を計算する場合に考慮する。
杭周囲の地盤に沈下が生じると、杭に作用する負の摩擦力は、一般に支持杭より摩擦杭のほうが大きい

⑦地盤から求める単杭の引抜き抵抗力には、杭の自重から地下水位以下の部分の浮力を減じた値を加えることができる。

答え

 ◯

⑧群杭の杭1本当たりの水平荷重は、同じ杭頭水平変位の下では、一般に単杭の場合に比べて小さくなる。

答え

 ◯

[ 解説 ]
地震時に杭が曲げ破壊する場合には、破壊は一般に杭上部に発生しやすい。

⑨既成コンクリート杭の鉛直支持力を求める方法としては、杭の載荷試験が最も信頼できる。

答え

 ◯

⑩既成コンクリート杭における杭と杭の中心間隔は、杭径が同じ場合、打込み杭の方が埋込み杭より小さくすることができる。

答え

 ×

[ 解説 ]
打込み杭の中心間隔は、杭頭部の径の2.5倍以上、かつ75㎝以上であり、埋込み杭の中心間隔は、杭最大径の2倍以上で、打込み杭の方が杭の中心間隔大きくなる