1級建築施工管理技士 屋根・防水工事 保護アスファルト防水

建築品質 屋根・防水


005) 保護アスファルト防水

アスファルト防水は釜で溶かしたアスファルトでアスファルトルーフィングを何層にも重ねて張り付けるため、耐久性もあり、最も信頼性が高い防水である。
アスファルト防水層の上に断熱材や保護コンクリートを施工することにより、さらに耐久性が増す。

アスファルトを釜で焚くとき特有の臭気が発生するため、市街地では臭気公害になることもある。アスファルトを焚かない特殊冷工法などを検討する。

1.防水立上りは水上仕上げ面から200mm以上を確保する

屋上の保護アスファルト防水は、1/100以上の躯体勾配を確保する。
屋上のアスファルト防水で最も重要なポイントは立上り部分のおさまりである。風雨や直射日光にさらされ、防水の弱点となりやすい。
アスファルト防水の立上りは水上仕上げ面から200mm以上を確保し、上端部を防水押さえ金物で押さえ、ゴムアスファルトでシールする。パラペットはあごを設けて水を切り、押出成形セメント板等で保護しなければならない。保護アスファルト防水の立上り部を露出仕様にするのは立上り部の劣化を早めるので良くない。

2.保護コンクリートの厚さと排水溝の深さ

保護コンクリートの厚さは、直押え仕上げの時80mmとし、溶接金網(鉄線径6mm、網目寸法100mm)を入れる。排水溝は1/200以上の勾配を確保して、仕上げを行う。
排水溝の水下では40mmのモルタル厚さを確保し、その中に溶接金網(鉄線径2.6mm、網目寸法50mm)を敷き込む。排水溝の勾配代は30mm程度となるので、ルーフドレイン(RD)の間隔は12m以下で設けることになる。

( 勾配 1/200 より 200×30 = 6000mm
排水溝の水上からの振分けで12m )

3.保護コンクリートには伸縮調整目地を設ける

保護コンクリートの熱膨張によって防水層を傷めたり、パラペットを押して躯体をも傷める。保護コンクリート自体のひび割れもあり、必ず伸縮調整目地を設ける。伸縮調整目地の割付けは周辺立上り面から600mm程度の位置と、中間部は縦横間隔3m程度の位置をとする。排水溝部も含め、立上り面まで達するように設ける。