1級建築施工管理技士 建具工事 建具金物は現物確認

建築品質 外部建具


055)建具金物は現物を確認する

建具にはその機能や性能を発揮するために必要な金物が取り付けられる。意匠的な見映えのみで選択すると、さわり心地が悪い、使いにくい、操作が重い、あまり使わないのにガタがぐるなど、トラブルにつながるケースがある。
①耐久性があること
②安全えあること
③使い勝手がよい
など重要なポイントがあるので、現物や施工例で確認する。

1.建具の機能は建具金物で決まる

①引き違いアルミ製窓のクレセント(締まり金物)はロック付きとする。建具の高さが2.1mを超えるものはクレセントを2ヶ所検討する。

②複層ガラスのアルミ引き違い戸が重い場合は把手の設置も検討する。

③縦軸回転窓の開閉調整器は室内に飛び出さないものとする。開調整が無段階のものや開閉制限タイプなど使い勝手を確認する。また、障子の高さが2mを超す場合は2点締まりや3点締まりのハンドルを設ける。開き窓も同様。

④外開き窓は突風であおられることがある。あおり止めが必要である。

⑤排煙窓の開閉器のワイヤーなどの見えかかりも確認する。隠蔽型もある。

⑥外部鋼製建具では大きさ(扉重量)によって、丁番やクローザー、アームストッパーなどの仕様も決まる。

⑦建具の錠前はハンドルや握り玉の形状だけでなく、箱錠や本締錠、電気錠、マスターキーシステム、警備システム取合いなど、使い勝手で決めることが多くあり、ほとんどが施工図の段階で決まられる。

2.大きな外開き窓の金物

大きな外開き窓は、ドアと同じである。閉鎖時に負圧によって変形して雨水が浸入したり、開く時に風にあおられて建具と一緒に操作した人が外に持って行かれたり、ひどい場合にはヒンジが破損することもある。アルミ製建具では建具の垂れ下がりも多い。したがって、建具の強度(特に框の強度)をしっかりしたものにし、ヒンジやあおり止めなどの金物は強度的に余裕をもったものを採用することが重要である。

上階に設ける大型の機器搬入扉なども同様である。人が風で持っていかれないような配慮、例えば、安全手すりや命綱用フックの設置、ドアを引き寄せるためのロープの設置などが必要である。気密性確保のためのグレモン錠はトリガー(開状態の扉のハンドルを固定する安全装置)付きとする。

3.金物の取付けのための下地補強

建具金物の決定後、その建具金物を取り付けるための枠の補強材を検討する。頑丈な金物を選定しても、下地補強が十分でないと金物が外れたり、建具自体が変形したりすることがあるので重要である。