1級建築施工管理技士 平成29年 学科 問題6解説

平成29年 1級建築施工管理技士 学科 問題6 解答解説

問題番号 [ No.51 ] ~ [ No.70 ] までの 20 問題は、全問題を解答してください。

[ No. 51 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. プレキャストコンクリートの床部材は平置きとし、上下の台木が鉛直線上に同位置になる ように積み重ねて保管した。

2. 高力ボルトは、工事現場受入れ時に包装を開封し、全数を確認してから乾燥した場所に、 等級別、サイズ別に整理して保管した。

3. 板ガラスは、車輪付き裸台で搬入し、できるだけ乾燥した場所に裸台に乗せたまま保管した。

4. 断熱用の硬質ウレタンフォーム保温板は、反りぐせを防止するため、平坦な敷台の上に平積みで保管した。

答え

  2
高力ボルトは、工事現場受入時には包装を開封せずに、規格種類、径、長さ、ロット番号ごとに整理して乾燥した場所に保管し、施工直前に包装を解く

1 ◯
プレキャストコンクリートの床部材を積み重ねては平置きとする場合は、水平になるように台木を2本敷いて、上部の部材の台木と下部の部材の台木が同じ平面位置になるようにする

3 ◯
車輪付き裸台や木箱・パレットで運搬してきた板ガラスは、そのまま保管する

4 ◯
断熱用の硬質ウレタンフォーム保温板は反りぐせがつくと下地に密着しにくくなるので、反りぐせ防止のため、平坦な敷台等の上に積み重ねて保管する

[ No. 52 ]
建設業者が作成する建設工事の記録等に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 承認あるいは協議を行わなければならない事項については、それらの経過内容の記録を作成し、元請の建設業者と工事監理者が双方で確認したものを工事監理者に提出する。

2. 試験及び検査については、設計図書に示す条件に対する適合性を証明するに足る資料を添えて記録を作成する。

3. 建設工事の施工において必要に応じて作成した工事内容に関する発注者との打合せ記録は、元請の建設業者がその交付の日から 10年間保存する。

4. 建設工事の施工において必要に応じて作成した完成図は、元請の建設業者が建設工事の目的物の引渡しの日から 10年間保存する。

答え

  3
建設工事の施工上必要に応じて作成した工事内容に関する発注者との打合せ記録で、請負契約の当事者が相互に交付したものの保存期間は、当該建設工事の目的物を引渡した日から10年間とする。

1 ◯
承認あるいは協議を行わなければならない事項について、それらの経過内容の記録を作成し、施工者と監理者が双方で確認し、監理者に提出することとしている。

2 ◯
試験及び検査については、設計図書に示す条件に対する適合性を証明するに足る資料を添えて記録を作成し、整理しておく。監理者の指示がある場合は、この記録又はその写しを速やかに提出する。

4 ◯
受注した建設工事ごとに。①完成図、②打合わせ記録、③施工体系図を当該建設工事の目的物の引渡しの日から 10 年間保存する

[ No. 53 ]
建築工事の施工速度とコストとの一般的な関係を表すグラフとして、最も適当なものはどれか。

答え

 3
施工速度とコストの関係は、一般に次のような傾向がある。施工速度が遅いと施工効率が悪く、コストは高くなり、施工速度を速めると施工効率が上昇し、コストは低くなる。ただし、ある限度を超えて施工速度を上げようとすると、機械の大型化や高価な資材の使用が必要となることもあり、コストは高くなる。

[ No. 54 ]
工程計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 使用可能な前面道路の幅員及び交通規制に応じて、使用重機及び搬入車両の能力を考慮した工程計画を立てる。

2. 工事用機械が連続して作業を実施し得るように作業手順を定め、工事用機械の不稼働をできるだけ少なくする。

3. 工期が指定され、工事内容が比較的容易で、また施工実績や経験が多い工事の場合は、積上方式(順行型)を用いて工程表を作成する。

4. 工程短縮を図るために行う工区の分割は、各工区の作業数量が同等になるように計画する。

答え

  3
工期が指定され、工事内容が比較的容易で、また施工実績や経験が多い工事の場合に、各工程に所要日数を割り当てる割付方式が多く用いられる。積上方式は、工事内容が複雑であったり、施工実績や経験が少ない工事の場合に多く用いられる。

1 ◯
工程計画の立案においては、使用可能な前面道路の幅員及び交通規制に応じて、使用重機及び搬入車両の能力を考慮する。

2 ◯
工程計画の立案においては、工事用機械が連続して作業を実施し得るように作業手順を定め工事用機械の不稼働をできるだけ少なくする

4 ◯
工程短縮を図るために行う工区の分割は、各工区の作業数量が同等になるように計画する。同等にならない場合は、主要な職種の作業数量が同等になるように分割する。

[ No. 55 ]
高層建築の鉄骨工事において、所要工期算出のための各作業の一般的な能率に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. タワークレーンの揚重ピース数は、1日当たり 40 ピースとした。

2. 補助クレーンを併用するため、タワークレーンの鉄骨建方作業のみに占める時間の割合を、30% とした。

3. 現場溶接は、溶接工1人1日当たりボックス柱で2本、梁で5箇所とした。

4. タワークレーンの1回のクライミングに要する日数は、1.5 日とした。

答え

  2
超高層ビルの鉄骨建方において、タワークレーンの鉄骨建方作業占有率(鉄骨建方作業のみに占める時間の割合)は、同時期作業が多く、補助クレーンを用いる場合50~60%とする。

1 ◯
タワークレーンの揚重ピース数は、1日当たり、40〜50 ピース程度とされている。

3 ◯
一般に現場溶接の1日の平均能率は、溶接技能者 1人当たり箱形(ボックス)柱で2本、梁で5箇所といわれている。

4 ◯
タワークレーンの1回のクライミングに要する日数は、準備を含めて1.5 日である。

[ No. 56 ]
次の条件の工事の総所要日数として、正しいものはどれか。 ただし、(  )内は各作業の所要日数である。

条件
イ.作業A(3日)及びB(4日)は、同時に着工できる。
ロ.作業C(6日)は、作業A及びBが完了後、作業を開始できる。
ハ.作業D(5日)及びE(8日)は、作業Bが完了後、
作業を開始できる。
ニ.作業F(4日)は、作業C及びDが完了後、作業を開始できる。
ホ.作業E及びFが完了したとき、全工事は完了する。

1. 11 日
2. 12 日
3. 13 日
4. 14 日

答え

  4
イ~ホの条件を取り入れてネット工程表を作成すると次のよううな工程表になる。

つまり、所要工期は、イべント⑤の最早開始時刻の14日である。したがって、工事の総所要日数として正しいものは、4 である。

[ No. 57 ]
施工品質管理表(QC 工程表)の作成に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 工種別又は部位別とし、管理項目は作業の重要度に関わらず施工工程に沿って並べる。

2. 工事監理者、施工管理者及び専門工事業者の役割分担を明記する。

3. 管理値を外れた場合の処置をあらかじめ定めておく。

4. 各作業の施工条件及び施工数量を明記する。

答え

  4
各作業の施工条件及び施工数量は、施工計画書の記載内容である。施工品質管理表(QC工程表)には記載しない

1 ◯
施工品質管理表(QC工程表)は、施工のプロセスの流れに沿って、プロセスの各段階で、誰が、いつ、どこで、何を、どうように管理するのかを一覧表にまとめるものであり、管理項目は作業の重要度の高い順に並べるものではない。

2 ◯
管理方法として、工事監理者、施工管理者、専門工事業者のそれぞれの役割分担を明確にしておく。

3 ◯
異常時の処置として、管理値を外れた場合の処置をあらかじめ定めておく。

[ No. 58 ]
JIS Q 9000(品質マネジメントシステム-基本及び用語)の用語の定義に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. マネジメントシステムとは、方針及び目標、並びにその目標を達成するためのプロセスを確立するための、相互に関連する又は相互に作用する、組織の一連の要素をいう。

2. 是正措置とは、不適合の原因を除去し、再発を防止するための処置をいう。

3. トレーサビリティとは、設定された目標を達成するための対象の適切性、妥当性又は有効性を確定するために行われる活動をいう。

4. 品質マネジメントとは、品質に関して組織を指揮し、管理するための調整された活動をいう。

答え

  3
トレーサビリティとは、考慮の対象となっているものの履歴、適用または所在を追跡できることである。設問の設定された目標を達成するための対象の適切性、妥当性または有効性を確定するために行われる活動は、レビューである。

1 ◯
マネジメントシステムとは、方針及び目標を定め、その目標を達成するためのシステムと定義されている。

2 ◯
是正措置とは、検出された不適合またはその他の検出された望ましくない状況の原因を除去し、再発を防止するための処置のこと。

4 ◯
品質マネジメントとは、品質に関して組織を指揮し、管理するための調整された活動である。

[ No. 59 ]
品質管理における精度に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. カーテンウォール工事において、プレキャストコンクリートカーテンウォール部材の取付け位置の寸法許容差のうち、目地の幅については、±5 mmとした。

2. コンクリート工事において、コンクリート部材の設計図書に示された位置に対する各部材の位置の許容差は、±20 mm とした。

3. コンクリート工事において、ビニル床シート下地のコンクリート面の仕上がりの平坦さは、3mにつき 7mm 以下とした。

4. 鉄骨工事において、スタッド溶接後の頭付きスタッドの傾きの限界許容差は、10 °以下とした。

答え

  4
鉄骨工事におけるスタッド溶接後のスタッドの傾きの限界許容差は、5°以下とする。

1 ◯
プレキャストコンクリートカーテンウォール部材の取付け位置における目地幅の許容差は、特記のない場合は ±5 mmとする。

2 ◯
コンクリート工事において、コンクリート部材の設計図書に示された位置に対する各部材の位置の許容差は、±20 mm を標準とする。

3 ◯
コンクリート工事において、ビニル系床材張りなど仕上げ厚さが極めて薄い場合、下地のコンクリートの仕上がりの平坦さは、3mにつき 7mm 以下とする。

[ No. 60 ]
品質管理図に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. X(エックスバー)管理図は、サンプルの個々の観測値を用いて工程水準を評価するための計量値管理図である。

2. np(エヌピー)管理図は、サンプルサイズが一定の場合に、所与の分類項目に該当する単位の数を評価するための計数値管理図である。

3. R(アール)管理図は、群の範囲を用いて変動を評価するための計量値管理図である。

4. s(エス)管理図は、群の標準偏差を用いて変動を評価するための計量値管理図である。

答え

  1
X(エックスバー)管理図は、群の平均値を用いて群間の違いを評価するための計量値管理図である。

2 ◯
np(エヌピー)管理図は、不適合品数を用いて工数を評価するための管理図で、群の大きさが一定の場合に用いる計数値管理図である。

3 ◯
R(アール)管理図は、群の範囲を用いて工程の分散を評価するための計量値管理図である。

4 ◯
s(エス)管理図は、群の標準偏差を用いて工程の平均と変動を監視するための計量値管理図である。

[ No. 61 ]
品質管理における検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 受入検査は、依頼した原材料、部品、製品などを受け入れる段階で行う検査で、生産工程に一定の品質水準のものを流すことを目的で行う。

2. 中間検査は、不良なロットが次工程に渡らないように、事前に取り除くことによって損害を少なくするために行う。

3. 抜取検査は、継続的に不良率が大きく、決められた品質水準に修正しなければならない場合に行う。

4. 検査とは、適切な測定、試験、又はゲージ合せを伴った、観測及び判定による適合性評価をいう。

答え

  3
設問の場合は、全数検査を行う。全数検査は、一般には、工程の状態からみて不良率が大きく、あらかじめ決められた品質水準に達しないときに行う。抜取検査は、製品またはサービスのサンプルを用いる検査をいう。

1 ◯
受入検査とは、受入れ側に、提供側の製品や活動結果(サービス)が引き渡される際、それらの製品や活動結果の数量、形状、寸法、外観、機能などに関し、受入れ側が自ら適否を判定する検査のこと。

2 ◯
中間検査は、不良なロットが次工程に渡らないように、事前に取り除くことによって損害を少なくするために行う

4 ◯
検査とは、品物またはサービスの一つ以上の特性値に対して、測定、試験、検定、又はゲージ合せなどを行って、規定要求事項と比較して、適合しているかどうかを判定する活動である。

[ No. 62 ]
鉄筋のガス圧接継手の外観検査の結果、不合格となった圧接部の処置に関する記述とし て、最も不適当なものはどれか。

1. 圧接部のふくらみの直径が規定値に満たない場合は、再加熱し圧力を加えて所定のふくらみに修正する。

2. 圧接部のふくらみが著しいつば形の場合は、圧接部を切り取って再圧接する。

3. 圧接部における相互の鉄筋の偏心量が規定値を超えた場合は、再加熱し圧力を加えて偏心を修正する。

4. 圧接面のずれが規定値を超えた場合は、圧接部を切り取って再圧接する。

答え

  3
圧接部における相互の鉄筋の偏心量が d/5 (dは鉄筋径)を超えた場合は、切り取って再圧接しなければならない

[ No. 63 ]
仕上工事における試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 工場塗装において、鉄鋼面のさび止め塗装の塗膜厚の確認は、硬化乾燥後に電磁微厚計を用いて行った。

2. アスファルト防水工事において、下地コンクリートの乾燥状態の確認は、高周波水分計を用いて行った。

3. タイル張り工事において、タイルの浮きの打音検査は、リバウンドハンマー(シュミットハンマー)を用いて行った。

4. 室内空気中に含まれるホルムアルデヒドの濃度測定は、パッシブ型採取機器を用いて行った。

答え

  3
屋外及び屋内の吹抜け部分等の壁タイル張上げ面は、施工後2週間以上経過した時点で、全面にわたりタイル用テストハンマーを用いて打音検査を行い、浮きの有無を確認する。リバウンドハンマー(シュミットハンマー)はコンクリートの表面を打撃したときの反発度から反縮強度を推定するための機器である。

1 ◯
工場塗装においる鉄鋼面のさび止め塗装の塗膜厚は、硬化乾燥後に電磁微厚計その他適切な測定機器を用いて確認する。

2 ◯
下地コンクリートの乾燥状態の確認する方法には次のものがある。
高周波水分計による下地水分の測定
②一昼夜ビニルシートやルーフィングで覆った下地の結露の状態の確認
③コンクリート打込み後の日数
④目視による乾燥状態の確認

4 ◯
室内空気中に含まれるホルムアルデヒド等の化学物質の濃度測定を実施する場合には、動力を用いずに自然に採集するパッシブ法または吸引ポンプなどの動力を用いて強制的に採取するアクティブ法が用いられ、パッシブ法は、パッシブ形採取機器を用いて行う。

[ No. 64 ]
労働災害に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 労働損失日数は、一時全労働不能の場合、暦日による休業日数に 300/365を乗じて算出する。

2. 度数率は、災害発生の頻度を表すもので、100 万延べ実労働時間当たりの延べ労働損失日数を示す。

3. 年千人率は、労働者 1,000 人当たりの1年間の死傷者数を示す。

4. 一般に重大災害とは、一時に3名以上の労働者が死傷又は罹病した災害をいう。

答え

  2
度数率は、100万延労働時間当たりの労働災害による死傷者数で表し、労働災害発生の頻度を示す。
度数率 = 死傷者数 / 延労働時間数 × 1,000,000

1 ◯
労働損失日数は、一時全労働不能の場合、暦日による休業日数に 300/365を乗じて算出する。

3 ◯
年千人率は、労働者 1,000 人当たりの1年間の死傷者数を示すもので、発生頻度を示す。
年千人率 = 1年間の死傷者数 / 1年間の平均労働者数 × 1,000

4 ◯
労働災害における重大災害とは、不休災害を含む一時に3名以上の労働者が死傷又は罹病した災害をいう。

[ No. 65 ]
市街地の建築工事における公衆災害防止対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 歩行者が多い箇所であったため、歩行者が安全に通行できるよう、車道とは別に幅 1.5 m の歩行者用通路を確保した。

2. 道路の通行を制限する必要があり、制限後の車線が2車線となるので、その車道幅員を5.5 m とした。

3. 建築工事を行う部分の地盤面からの高さが 20 m なので、防護棚を2段設置した。

4. 防護棚は、外部足場の外側から水平距離で2 m 突き出し、水平面となす角度を 15度とした。

答え

  4
防護棚は足場の外側から水平距離2m以上突き出させ、水平面となす角度を20度以上とし、風圧、振動、衝撃、雪荷重等で脱落しないように骨組に堅固に取り付ける。

1 ◯
施工者は、車両交通対策を行った場合には、歩行者が安全に通行し得るために、車道とは別に幅 0.75m以上、特に歩行者の多い箇所においては幅1.5 m 以上の歩行者用通路を確保し、必要に応じて交通誘導員を配置する。

2 ◯
公衆の通行の用に供する部分の通行を制限する必要のある場合には、制限した後の道路の車線が2車線となる場合にあっては、その車道幅員を5.5 m以上とする。

3 ◯
防護策は、建築工事を行う部分が地盤面から高さが10m以上の場合にあっては1段以上、 20 m以上の場合にあって2段以上設ける。

[ No. 66 ]
作業主任者の職務として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。

1. 型枠支保工の組立て等作業主任者は、作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

2. 木造建築物の組立て等作業主任者は、作業の方法及び順序を決定し、作業を直接指揮すること。

3. 足場の組立て等作業主任者は、作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視すること。

4. 建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、作業の方法及び順序を作業計画として定めること。

答え

  4
事業者は、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。(労働安全衛生規則第517条の5)
①作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を直接指揮すること。
②器具、工具、安全帯等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。
作業の方法及び順序を作業計画として定めるのは事業者であり、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の職務ではない。(労働安全衛生規則第517条の6)
☆労働安全衛生規則の改正(2025年2月1日施行)により、安全帯の名称は墜落防止用器具となる。(以下、同様)

1 ◯
事業者は、型枠支保工の組立て等作業主任者に次の事項を行わせなければならない。(労働安全衛生規則第247条)
作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。
②材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。
③作業中、安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

2 ◯
事業者は、木造建築物の組立て等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。(労働安全衛生規則第517条の13)
作業の方法及び順序を決定し、作業を直接指揮すること。
②器具、工具、安全帯等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

3 ◯
事業者は、足場の組立て等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。ただし、解体の作業の時は、①の規定は適用しない。(労働安全衛生規則第566条)
①材料の欠点の有無を点検し、不良品を取り除くこと。
②器具、工具、安全帯等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視すること
安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

[ No. 67 ]
足場に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 単管足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向 5.5 m以下、水平方向 5 m 以下とする。

2. 単管足場の建地間の積載荷重は、400 kg以下とする。

3. 枠組足場の使用高さは、通常使用の場合 45m以下とする。

4. 枠組足場に設ける高さ 8 m 以上の階段には、7m以内ごとに踊場を設ける。

答え

  1
単管足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向5m以下水平方向5.5m以下とする。(労働安全衛生規則第570条第1項第五号イ)

2 ◯
単管足場の建地間の積載荷重は、400 kgを限度とする。(労働安全衛生規則第571条第1項第四号)

3 ◯
枠組足場の使用高さは、原則てとして 45m以下とする。(JIS A8951)

4 ◯
踊場は、階段と一体になって機能する架説通路であり、労働安全衛生規則第552条を準用し、高さが 8 m 以上の階段には、7m以内ごとに踊場を設ける。(労働安全衛生規則第552条第1項第六号)

[ No. 68 ]
事業者が行わなければならない点検に関する記述として、「労働安全衛生規則」上、誤っているものはどれか。

1. 車両系建設機械を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、ブレーキ及びクラツチの機能について点検を行わなければならない。

2. つり足場における作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、脚部の沈下及び滑動の状態について点検を行わなければならない。

3. 高所作業車を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、制動装置、操作装置及び作業装置の機能について点検を行わなければならない。

4. 作業構台における作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、作業を行う箇所に設けた手すり等及び中桟等の取り外し及び脱落の有無について点検を行わなければならない。

答え

  2
強風、大雨、大雪等の悪天候若しくは中震以上の地震または足場組立て、一部解体若しくは変更の後においては、作業開始前の点検事項として定められているが、その日の作業開始前の点検事項としては定められていない。(労働安全衛生規則第568条)
☆令和5年10月1日施行の同規則第567条・第568条の改正により、事業者が自ら点検する義務が、点検者を指名して、点検者に点検させる義務に変更された。したがって、現在でも、この選択肢が誤りとなる。

1 ◯
事業者は、車両系建設機械を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、ブレーキ及びクラッチの機能について点検を行わなければならない。(労働安全衛生規則第170条)

3 ◯
事業者は、高所作業車を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、制動装置、操作装置及び作業装置の機能について点検を行わなければならない。(労働安全衛生規則第194条の27)

4 ◯
事業者は、作業構台における作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、作業を行う箇所に設けた手すり等及び中桟等の取り外し及び脱落の有無について点検し、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。(労働安全衛生規則第575条の8第1項)

[ No. 69 ]
つり上げ荷重が 0.5 t 以上の移動式クレーンを用いて作業を行う場合に事業者の講ずべ き措置として、「クレーン等安全規則」上、誤っているものはどれか。

1. 移動式クレーンの運転の合図について、合図を行う者を指名し、その者に合図の方法を定めさせた。

2. 移動式クレーンの玉掛け用具として使用するワイヤロープは、安全係数が6以上のものを使用させた。

3. 移動式クレーンの玉掛け用具として使用するワイヤロープは、直径が公称径の 92 % だったので使用させなかった。

4. 移動式クレーンの上部旋回体の旋回範囲内に、労働者が立ち入らないようにさせた。

答え

  1
事業者は、移動式クレーンを用いて作業を行うときは、移動式クレーンの運転について一定の合図を定め、原則として、合図を行う者を指名して、その者に合図を行わせなければならない。(クレーン等安全規則第71条第1項)

2 ◯
クレーン、移動式クレーンまたはデリックの玉掛け用具であるワイヤロープの安全係数については、6以上でなければ使用してはならない。(クレーン等安全規則第213条第1項)

3 ◯
直径の減少が公称径の 7% を超えるワイヤロープをクレーン、移動式クレーンまたはデリックの玉掛け用具として使用してはならない。(クレーン等安全規則第215条第二号)

4 ◯
事業者は、移動式クレーンに係る作業を行うときは、移動式クレーンの上部旋回と接触することにより労働者に危険が生じるおそれのある箇所に労働者を立ち入らせてはならない。(クレーン等安全規則第74条)

[ No. 70 ]
有機溶剤作業主任者の職務として、「有機溶剤中毒予防規則」上、定められていないものはどれか。

1. 屋内作業場において有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、作業中の労働者が有機溶剤の人体に及ぼす作用を容易に知ることができるよう、見やすい場所に掲示すること。

2. 作業に従事する労働者が有機溶剤により汚染され、又はこれを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること。

3. 局所排気装置、プッシュプル型換気装置又は全体換気装置を1月を超えない期間ごとに点検すること。

4. 保護具の使用状況を監視すること。

答え

  1
作業中の労働者が有機溶剤の人体に及ぼす作用を容易に知ることができるよう、見やすい場所に掲示しなければならないのは事業者である。(有機溶剤中毒予防規則第24条第1項第一号)
有機溶剤作業主任者の職務は、次の通りである。
(有機溶剤中毒予防規則第19条の2)
①作業に従事する労働者が有機溶剤により汚染され、又はこれを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること。
②局所排気装置、プッシュプル型換気装置又は全体換気装置を1月を超えない期間ごとに点検すること。
③保護具の使用状況を監視すること。
④タンクの内部において有機溶剤業務に労働者が従事するときは、第26条各号に定める措置が講じられていることを確認すること。

1級建築施工管理技士 平成29年 学科 問題7解説

平成29年 1級建築施工管理技士 学科 問題7 解答解説

問題番号 [ No.71 ] ~ [ No.82 ] までの 12 問題のうちから、8 問題を選択し、解答してください。

[ No. 71 ]
用語の定義に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。

1. 床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの 1/3 以上のものは、地階である。

2. 建築物の構造上重要でない間仕切壁の過半の模様替は、大規模の模様替である。

3. 高架の工作物内に設ける店舗は、建築物である。

4. 一の建築物又は用途上不可分の関係にある2以上の建築物のある一団の土地は、敷地である。

答え

  2
大規模の模様替とは、建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。構造上重要でない間仕切り壁は主要構造部ではないため、大規模の模様替には該当しない。(建築基準法第2条第1項第十五号)

1 ◯
地階とは、床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの 1/3 以上のものをいう。(建築基準法施行令第1条第二号)

3 ◯
建築物とは、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの、これに付属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設をいい、建築設備を含むものとする。高架の工作物内に設ける店舗は、建築物に該当する。(建築基準法施行令第1条第一号)

4 ◯
敷地とは、一の建築物又は用途上不可分の関係にある2以上の建築物のある一団の土地をいう。(建築基準法施行令第1条第一号)

[ No. 72 ]
次の記述のうち、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。

1. 鉄筋コンクリート造3階建の既存の建築物にエレベーターを設ける場合においては、確認済証の交付を受けなければならない。

2. 鉄骨造2階建、延べ面積 200 m2 の建築物の新築工事において、特定行政庁の仮使用の承認を受けたときは、建築主は検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物を使用することができる。

3. 防火地域及び準防火地域外において建築物を改築しようとする場合で、その改築に係る部分の床面積の合計が 10 m2 以内のときは、建築確認申請書の提出は必要ない。

4. 確認済証の交付を受けた建築物の完了検査を受けようとする建築主は、工事が完了した日から5日以内に、建築主事に到達するように検査の申請をしなければならない。

答え

  4
建築主は、工事完了検査申請を、工事が完了した日から4日以内に建築主事に到達するように行わなければならない。(建築基準法第7条第2項)

1 ◯
木造以外の建築物で2以上の階を有する既存の建築物にエレベーターを設ける場合は、確認済証の交付を受けなければならない。(建築基準法第6条第1項)

2 ◯
木造以外の建築物で延べ面積 200 m2 を超えるものの新築工事においては、検査済証の交付を受けた後でなければ、使用することができない。ただし、特定行政庁の仮使用の承認を受けたときは、建築主は検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物を使用することができる。(建築基準法施行規則第4条の16)

3 ◯
防火地域及び準防火地域外において建築物を改築しようとする場合で、その改築に係る部分の床面積の合計が 10 m2 以内のときは、建築確認申請書の提出は必要ない。(建築基準法第7条第2項)

[ No. 73 ]
次の記述のうち、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。

1. 共同住宅の各戸の界壁を給水管が貫通する場合においては、当該管と界壁とのすき間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。

2. 準防火地域内の鉄骨造2階建、延べ面積 1,000 m2 の倉庫は、耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。

3. 主要構造部を耐火構造とした建築物で、延べ面積が 1,500m2 を超えるものは、原則として、床面積の合計 1,500 m2 以内ごとに1時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で区画しなければならない。

4. 政令で定める窓その他の開口部を有しない事務所の事務室は、その事務室を区画する主要構造部を準耐火構造とし、又は不燃材料で造らなければならない。

答え

  4
政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、その居室を区画する主要構造部を耐火構造とし、又は不燃材料で造らなければならない。(建築基準法第35条の3)

1 ◯
建築物に設ける給水管、配電管その他の管が、準耐火構造の防火区画を貫通する場合においては、当該管と防火区画とのすき間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。(建築基準法施行令第112条第15項)

2 ◯
準防火地域内においては、地階を除く階数が4以上である建築物又は延べ面積が 1,500m2 を超える建築は耐火建築物とし、延べ面積が500m2 を超え 1,500m2 以下の建築物は、耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。(建築基準法第62条第1項)

3 ◯
主要構造部を耐火構造とした建築物で、延べ面積が 1,500m2 を超えるものは、床面積の合計 1,500 m2 以内ごとに1時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床若しくは 壁又は特定防火設備で区画しなければならない。(建築基準法施行令第112条第1項)

[ No. 74 ]
建設業の許可に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

1. 建設業の許可は、5年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

2. 建設業の許可を受けた建設業者は、許可を受けてから3年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合は、当該許可を取り消される。

3. 工事1件の請負代金の額が建築工事にあっては 1,500 万円に満たない工事又は延べ面積が150 m2 に満たない木造住宅工事は、建設業のみを請け負う場合は、建設業の許可を必要としない。

4. 建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。

答え

  2
国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合は、その許可を取り消さなければならない。(建設業法第29条第1項第三号)

1 ◯
建設業の許可は、5年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。(建設業法第3条第3項)

3 ◯
工事1件の請負代金の額が建築一式工事にあっては 1,500 万円に満たない工事又は延べ面積が150 m2 に満たない木造住宅工事は、建設業のみを請け負う場合は、建設業の許可を必要としない。(建設業法第3条第1項、同法施行令第1条の2第1項)

4 ◯
建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。(建設業法第4条)

[ No. 75 ]
請負契約に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

1. 請負契約においては、注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期に関する事項を書面に記載しなければならない。

2. 注文者は、請負契約の締結後、自己の取引上の地位を不当に利用して、建設工事に使用する資材や機械器具の購入先を指定して請負人に購入させ、その利益を害してはならない。

3. 請負人は、請負契約の履行に関し、工事現場に現場代理人を置く場合、注文者の承諾を得なければならない。

4. 共同住宅を新築する建設工事の場合、建設業者は、その請け負った建設工事を、いかなる方法をもってするかを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない。

答え

  3
請負人は、工事現場に現場代理人を置く場合、現場代理人に関する事項を書面により注文者に通知しなければならないが、承諾を得る必要はない。(建設業法第19条の2第1項)

1 ◯
建設工事の請負契約の当事者は、契約の締結に際して、工事内容、請負代金の額、工事着手の時期及び工事完成の時期、注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期に関する事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付なければならない。(建設業法第19条第1項第十号)

2 ◯
注文者は、請負契約の締結後、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事に使用する資材若しくは機械器具又はこれらの購入先を指定し、これらを請負人に購入させ、その利益を害してはならない。(建設業法第19条の4)

4 ◯
共同住宅の新築工事を請け負った建設業者は、いかなる方法をもってするかを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない。(建設業法第22条第1項、第3項、同法施行令第6条の3)

[ No. 76 ]
工事現場に置く技術者に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

1. 専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においてもその日の前7年以内に行われた国土交通大臣の登録を受けた講習を受講していなければならない。

2. 一般建設業の許可を受けた者が、下請けとして工事金額が 450 万円の防水工事を請け負った場合、主任技術者を置かなければならない。

3. 発注者から直接建築一式工事を請け負った特定建設業者が、下請契約の総額が 6,000 万円以上となる工事を施工する場合、工事現場に置く技術者は、監理技術者でなければならない。

4. 公共性のある施設又は多数の者が利用する施設に関する重要な建設工事で、政令で定めるものについては、主任技術者又は監理技術者は、工事現場ごとに、専任の者でなければならない。

答え

  1
専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においても、その日の前5年以内に行われた国土交通大臣の登録を受けた講習を受講していなければならない。(建設業法施行規則第17条の14)

2 ◯
建設業者は元請、下請にかかわらず請け負った建設工事を施工するときは、その工事現場における技術上の管理をつかさどる物とし、主任技術者を置かなければならない。(建設業法施行規則第17条の14)

3 ◯
発注者から直接建築工事を請け負った特定建設業者は、下請契約の請負代金の総額が 建築一式工事では 6,000 万円以上、その他の工事では 4,000 万円以上となる場合は、監理技術者を置かなければならない。(建設業法第26条第2項、同法施行令第2条)

4 ◯
公共性のある施設又は多数の者が利用する施設に関する重要な建設工事で政令で定めるものは、主任技術者又は監理技術者を、工事現場ごとに、専任の者としなければならない。(建設業法第26条第3項)

[ No. 77 ]
労働時間等に関する記述として、「労働基準法」上、誤っているものはどれか。

1. 労働時間、休憩及び休日に関する規定は、監督又は管理の地位にある者には適用されない。

2. 使用者は、労働時間が8時間を超える場合には、少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

3. 使用者は、労働者の合意があれば休憩時間中であっても、留守番等の軽微な作業であれば命ずることができる。

4. 使用者は、労働者に対し毎週少なくとも1回の休日を与えるか、又は4週間を通じ4日以上の休日を与えなければならない。

答え

  3
使用者は、労働者に対して与える所定の休憩時間を、自由に利用させなければない。したがって、労働者の合意があっても、軽微な作業であっても、労働者に作業を命ずることはできない。(労働基準法第34条第3項)

1 ◯
監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者は、労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用されない。(労働基準法第41条第二号)

2 ◯
使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。(労働基準法第34条第1項)

4 ◯
使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えるか、又は4週間を通じ4日以上の休日を与えなければならない。(労働基準法第35条第1項、第2項)

[ No. 78 ]
建設業の事業場における安全衛生管理体制に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

1. 事業者は、常時 10 人の労働者を使用する事業場では、安全衛生推進者を選任しなければならない。

2. 事業者は、常時 30 人の労働者を使用する事業場では、安全管理者を選任しなければならない。

3. 事業者は、常時 50 人の労働者を使用する事業場では、衛生管理者を選任しなければならない。

4. 事業者は、常時 100 人の労働者を使用する事業場では、安全委員会及び衛生委員会、又は安全衛生委員会を設けなければならない。

答え

  2
安全管理者を選任しなければならないのは、常時50人以上の労働者をしようする事業場である。(労働安全衛生法施工令第3条)
事業場における安全衛生管理体制(選任しなければなならない事業場)を次に示す。


選任しなければならない事業場

4 ◯
建設業においては、事業者は、常時 50人以上の労働者を使用する事業場においては、事業に対し意見を述べさせるため、安全委員会及び衛生委員会を設けなければならない。なお、それぞれの委員会の設置に代えて、安全衛生委員会を設置することができる。(労働安全衛生法第19条第1項)

[ No. 79 ]
建設現場における次の業務のうち、「労働安全衛生法」上、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を必要とするものはどれか。

1. 最大積載量が1 t 以上の不整地運搬車の運転の業務

2. 最大荷重が 1 t 以上のフォークリフトの運転の業務

3. つり上げ荷重が 5 t 以上の移動式クレーンの運転の業務

4. 作業床の高さが 10 m 以上の高所作業車の運転の業務

答え

  3
つり上げ荷重が 5t以上の移動式クレーンの運転業務が、免許を必要とする。
(労働安全衛生法61条、同法施行令第20条第七号)
主な就業制限に係る業務
①つり上げ荷重が 5t以上のクレーン、デリックの運転業務
クレーン・デリック運転士免許
②つり上げ荷重が 1t以上の移動式クレーンの運転業務
5t 以上はクレーン運転士免許
1t 以上 5t 未満は技能講習
③つり上げ荷重が 1t 以上のクレーン、移動式クレーン、デリックの玉掛け業務
技能講習
④作業床の高さが 10m以上の高所作業者の運転業務
技能講習
⑤機体重量が 3t以上の車両系建設機械の運転業務
技能講習
⑥最大積載荷重が 1t以上の不整地運搬車の運転業務
技能講習
⑦最大荷重が 1t以上のフォークリフトの運転業務
技能講習

[ No. 80 ]
次の記述のうち、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」上、誤っているものはどれか。ただし、特別管理産業廃棄物を除くものとする。

1. 産業廃棄物の運搬又は収集を行う車両は、産業廃棄物運搬車である旨の事項を表示し、かつ、当該運搬車に環境省令で定める書面を備え付けておかなければならない。

2. 事業者は、産業廃棄物を自ら運搬する場合、管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。

3. 事業者は、産業廃棄物の再生を委託する場合、その再生施設の所在地、再生方法及び再生に係る施設の能力を委託契約書に含めなければならない。

4. 事業者は、産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合、委託契約書及び環境省令で定める書面を、その契約の終了の日から5年間保存しなければならない。

答え

  2
産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く)の収集又は運搬を業として行おうとする者は、管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、事業者が自らその産業廃棄物を運搬する場合は、都道府県知事の許可を受けなくてよい。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条第1項)

1 ◯
産業廃棄物の収集又は運搬に当たっては、運搬車の車体の外側に、環境省令で定めるところにより、産業廃棄物の収集又は運搬の用に供する運搬車である旨その他の事項を見やすいように表示し、かつ、当該運搬車に環境省令で定める書面を備え付けておかなければならない。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第6条第1項第一号イ)

3 ◯
事業者は、産業廃棄物の運搬、処分等の委託においては、委託契約は書面により行い、当該委託契約に含める主なものとしては、次に掲げる事項がある。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第6条の2第四号ハ)
ハ 産業廃棄物の処分又は再生を委託するときは、その処分又は再生の場所の所在地、その処分又は再生の方法及びその処分又は再生に係る施設の処理能力

4 ◯
委託契約書及び書面をその契約の終了の日から5年間保存しなければならない。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第6条の2第五号、同法規則第8条の4の3)

[ No. 81 ]
宅地以外の土地を宅地にするため、土地の形質の変更を行う場合、「宅地造成等規制法」上、宅地造成に該当しないものはどれか。

1. 切土をする土地の面積が 600 m2 であって、切土をした土地の部分に高さが 1.0mの崖を生ずるもの

2. 盛土をする土地の面積が 600 m2 であって、盛土をした土地の部分に高さが 1.0 mの崖を生ずるもの

3. 盛土をする土地の面積が 300 m2 であって、盛土をした土地の部分に高さが 2.0 mの崖を生ずるもの

4. 切土をする土地の面積が 300 m2 であって、切土をした土地の部分に高さが 2.0mの崖を生ずるもの

答え

  4
切土をする土地の面積が500m2 以下で、切土による崖の高さが2m以下の場合は、宅地造成に該当しない。(宅地造成等規制法施行令第3条第一号、第四号)
宅地造成とは、宅地以外の土地を宅地にするため又は宅地において行う土地の形質の変更で政令で定めるものをいう。(宅地造成等規制法第2条第二号)
また、宅地造成等規制法則施行令第3条により定める土地の形質の変更は次に掲げるものである。
①切土をした土地の部分の高さが 2mを超える崖を生ずることとなるもの
②盛土をした土地の部分の高さが 1mを超える崖を生ずることとなるもの
③切土と盛土とを同時にする場合において、盛土をした土地の部分に高さが 1m以下の崖を生じ、かつ、当該切土及び盛土をした土地の部分に高さが 2mを超える崖を生ずることとなるもの。
④ ①〜③のいづれにも該当しない切土又は盛土であって、当該切土又は盛土をする土地の面積が 500m2を超えるもの。

[ No. 82 ]
指定地域内における特定建設作業の実施の届出に関する記述として、「振動規制法」上、誤っているものはどれか。

1. 建設工事の目的に係る施設又は工作物の種類を届け出なければならない。

2. 特定建設作業開始の日までに、都道府県知事に届け出なければならない。

3. 届出には、当該特定建設作業の場所の付近の見取図その他環境省令で定める書類を添付しなければならない。

4. 特定建設作業の種類、場所、実施期間及び作業時間を届け出なければならない。

答え

  2
指定地域内において特定建設業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに、環境省令で定めるところにより、次の事項を市町村長に届け出なければならない。(振動規制法第14条第1項)
①氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
②建設工事の目的に係る施設又は工作物の種類
特定建設作業の種類、場所、実施期間及び作業時間
④振動の防止の方法
⑤その他環境省令で定める事項
したがって、2が誤りである。
なお、その届出には、当該特定建設業作業の場所の付近の見取り図その他環境省で定める書類を添付しなければならない。(振動規制法第14条第3項)

1級建築施工管理技士 平成30年 学科 問題1解説

平成30年 1級建築施工管理技士 学科 問題1 解答解説

※   問題番号[ No.1 ] ~[ No.15 ] までの 15 問題のうちから、12 問題を選択し、解答してください。

[ No. 1 ]
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.  第3種機械換気方式は、自然給気と排気機による換気方式で、浴室や便所などに用いられる。

2. 自然換気設備の給気口は、調理室等を除き、居室の天井の高さの 1 /2以下の高さに設置する。

3. 営業用の厨房は、一般に窓のない浴室よりも換気回数を多く必要とする。

4. 給気口から排気口に至る換気経路を短くする方が、室内の換気効率はよくなる。

答え

  4
給気口から排気口に至る換気経路を短くすると、取り込んだ新鮮な外気がスペース内に行き渡ることなく、そのまま排出されるため換気効率は悪くなる
1 ◯
第3種機械換気方式は、自然給気と排気機によって室内の空気を排出する方式で、台所、浴室、便所、湯沸室等の室内を負圧にする場所に用いられる。
2 ◯
自然換気設備の給気口は、調理室等を除き、居室の天井の高さの 1/2 以下の高さに設置する。
3 ◯
営業用の厨房の換気回数は 30〜60回/h、浴室は 3〜5回/h である。したがって、厨房の方が浴室より換気回数は多い

[ No. 2 ]
日照、日射及び日影に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 水平ルーバーは西日を遮るのに効果があり、縦ルーバーは夏季の南面の日射を防ぐのに効果がある。

2. 北緯 35 度における南面の垂直壁面の可照時間は、春分より夏至の方が短い。

3. 同じ日照時間を確保するためには、緯度が高くなるほど南北の隣棟間隔を大きくとる必要がある。

4. 建物の高さが同じである場合、東西に幅が広い建物ほど日影の影響の範囲が大きくなる。

答え

  1
羽根が水平に並ぶ水平ルーバーは、日射を遮るために南側の開口部に取り付けると、太陽の高度が高くなる夏季に南面の日射を防ぐのに効果がある。羽根が垂直に並ぶ縦ルーバーは、冬季の高度が低くなった西日を遮るのに効果がある。
2 ◯
南面の垂直壁面の可照時間は、太陽が東西軸より南側にある時間となる。夏至よりも春分または秋分の方が長くなる。
3 ◯
隣棟間隔を建物高さで除した値を隣棟間隔係数という。たとえば、東京で4時間日照を確保するにはこの値が2程度必要であるが、札幌では 2.8程度必要となる。同じ日照時間を確保するためには、緯度が高くなるほど南北の隣棟間隔を大きくとる必要がある
4 ◯
日影を及ぼす範囲は、一般に建築物の高さよりも東西方向の幅に大きく左右される。東西に幅が広い建物ほど、影の影響範囲が大きくなる

[ No. 3 ]
吸音及び遮音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. グラスウールなどの多孔質材料は、厚さが増すと高音域に比べて中低音域の吸音率が増大する。

2. 共鳴により吸音する穿孔板は、背後に多孔質材料を挿入すると全周波数帯域の吸音率が増大する。

3. コンクリート間仕切壁の音響透過損失は、一般に高音域より低音域の方が大きい。

4. 単層壁の音響透過損失は、一般に壁の面密度が高いほど大きい。

答え

  3
密で均一な材料でできている壁体の音響透過損失は、壁体の単位面積当たりの質量と音の周波数の積の対数に比例するので、高周波数域(高音域)より低周波数域(低音域)の方が小さい。なお、材料の透過損失は、コンクリートのような比重が大きいものほど、その量が増大する。
1 ◯
グラスウールなどの多孔質の吸音材は、音波が通過する際に、音のエネルギーが繊維との摩擦などで熱エネルギーとして消費されることを利用しているもので、高音の吸収に適する。厚さを増したり、背後に空気層を設けると中低音域の吸音率が大きく向上する。
2 ◯
共鳴により吸音する穿孔板は、低音の吸収に適し、また多孔質吸音材料は、高音の吸収に適しているので、穿孔板の背後に多孔質材料を挿入すると全周波数帯域の吸音率が増大する。
4 ◯
透過損失とは、壁体等の遮音の程度を示すもので、値が大きいほど、壁体等の遮音性能が高いことを表す。単層壁の透過損失は、一般に壁の面密度(単位面積当たりの質量)が高いほど、周波数が高いほど大きくなる。これを単層壁の質量則という。

[ No. 4 ]
木質構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 構造用集成材は、ひき板(ラミナ)又は小角材を繊維方向がほぼ同じ方向に集成接着したものであり、弾性係数、基準強度は一般的な製材と比べ同等以上となっている。

2. 枠組壁工法は、木材を使用した枠組に構造用合板その他これに類するものを打ち付けることにより、壁及び床を設ける工法で、枠組壁は水平力と鉛直力を同時に負担することはできない。

3. 燃えしろ設計は、木質材料の断面から所定の燃えしろ寸法を除いた断面に長期荷重により生じる応力度が、短期の許容応力度を超えないことを検証するものである。

4. 直交集成板(CLT)は、ひき板(ラミナ)を幅方向に並べたものを、その繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料であり、弾性係数、基準強度は一般的な製材の繊維方向の値と比べ小さくなっている。

答え

  2
枠組壁工法は、木材で組まれた枠組に構造用合板その他これに類するものを打ち付けることにより、床及び壁を設ける工法である。釣り合いよく配置された枠組壁は水平力と鉛直力を同時に負担することができる
1 ◯
構造用集成材は、ひき板(ラミナ)または小角材を繊維方向がほぼ同じ方向に集成接着したものであり、弾性係数、基準強度は一般的な製材と比べ同等以上となっている。多数のラミナを重ねるほど、節、繊維の傾斜ラミナのジョイント部などの分散による均質化と組み合わせ効果が期待できる。
3 ◯
燃えしろ設計する柱や梁に生じる実際の長期荷重を算出し、想定した部材断面から告示に規定された燃えしろ寸法を木質材料の断面から除いた断面に生じる応力度が、短期の許容応力度を超えないことを検証する。
4 ◯
直交集成材(CLT)は、ひき板(ラミナ)を幅方向を並べたものを、その繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料である。一般的な製材の繊維方向の値と比べ、弾性係数や基準強度は小さくなっている

[ No. 5 ]
鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 梁のあばら筋に D 10 の異形鉄筋を用いる場合、その間隔は梁せいの 1 /2以下、かつ、250mm 以下とする。

2. 梁貫通孔は、梁端部への配置を避け、孔径を梁せいの 1 /3以下とする。

3. 柱のじん性を確保するため、短期軸方向力を柱のコンクリート全断面積で除した値は、コンクリートの設計基準強度の 1/2 以下とする。

4. 普通コンクリートを使用する場合の柱の最小径は、原則としてその構造耐力上主要な支点間の距離の1/15 以上とする。

答え

  3
柱の軸力方向の圧縮力が大きくなると変形能力が小さくなるので、地震時のぜい性破壊を避けるため、短期軸力方向を柱のコンクリート全断面積で除した値は、コンクリートの設計基準強度の1/3以下とする。
1 ◯
梁のあばら筋は、せん断やひび割れに対する補強に使用され、間隔は、折曲げ筋の有無にかかわらず、D10の異形鉄筋を用いて梁せいの 1/2 以下、かつ、 250mm 以下とする。
2 ◯
梁に貫通孔が設けられると、梁断面の欠損によりせん断強度が低下するので、適切に補強を行う必要がある。鉄筋コンクリート構造の場合、円形孔の直径は梁せいの 1/3以下とし、梁端部への配置は避ける。
4 ◯
普通コンクリートを使用する場合の柱の最小径は、構造耐力上主要な支点間の距離(通常上下の梁の内法寸法)の 1/15以上とする。(建築基準法施行令第77条第五号)

[ No. 6 ]
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.  梁の材質を、SN400A から SN490 B に変えても、断面と荷重条件が同一ならば、梁のたわみは同一である。

2.  鉄骨造におけるトラス構造の節点は、構造計算上、すべてピン接合として扱う。

3.  材端の移動が拘束され材長が同じ場合、両端固定材の座屈長さは、両端ピン支持材の座屈長さより短い。

4.  柱脚に高い回転拘束力をもたせるためには、根巻き形式ではなく露出形式とする。

答え

  4
柱脚には、露出柱脚、根巻き柱脚、埋込み柱脚がある。柱脚の固定度(回転拘束)の大小関係は、露出柱脚<根巻き柱脚<埋込み柱脚である。露出柱脚より根巻き柱脚の方が高い回転拘束力をもつ
1 ◯
梁の変形は曲げ、圧縮、せん断変形のいずれも荷重条件、部材断面が同じであれば、ヤング係数に比例する。ヤング係数は、鋼材の材質に関係なく 2.05 × 105 N/mm2で一定であり、材質を変えてもたわみは変わらない。 SN400A と SN490B では、強度は異なるが同じ鋼材である。断面と荷重条件が同一ならば、梁のたわみは同一である。
2 ◯
鉄骨造におけるトラス構造の節点は、構造計算上、すべてピン接合として扱う。
3 ◯
材端の移動が拘束され材長が同じ場合、両端固定材の座屈長さは、両端ピン支持材の座屈長さより短い

[ No. 7 ]
基礎構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 直接基礎の底面の面積が同じであれば、底面形状が正方形や長方形のように異なっていても、地盤の許容支持力は同じ値となる。

2. フローティング基礎は、建物重量と基礎等の構築による排土重量をつり合わせ、地盤中の応力が増加しないようにする基礎形式である。

3. 基礎梁の剛性を大きくすることにより、基礎フーチングの沈下を平均化できる。

4. 地盤の液状化は、地下水面下の緩い砂地盤が地震時に繰り返しせん断を受けることにより間隙水圧が上昇し、水中に砂粒子が浮遊状態となる現象である。

答え

  1
地盤の許容支持力度は、土質試験、載荷試験等により地盤が破壊する極限鉛直支持力度を求め、それに安全率を乗じて求める。極限鉛直支持力度には、基礎の形状係数が関係するため、基礎底面の面積が同じであっても、その形状が正方形と長方形とでは、地盤の許容支持力は異なる
2 ◯
フローティング基礎とは、建築物を地盤に浮かべる考え方の基礎であり、建築物の重量とその基礎の構造によって排除された土の重量がほぼ等しくなるよう設計する。
3 ◯
基礎は上部の荷重を地盤に伝達するもので、基礎の沈下は接地圧、地盤耐力により決まってくる。実際の建物では、各基礎フーチングの接地圧、地盤耐力は均一ではなく、多少不同沈下は発生するが、基礎梁の剛性が大きければ不同沈下は平均化できる
4 ◯
地盤の液状化は、地震時に、地下水面下の緩い砂地盤が振動を受け、地盤が液体状になる現象である。地盤上の比重の大きい構造物が倒れたり、比重の小さい構造物が浮き上がったりする。

[ No. 8 ]
荷重及び外力に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 教室に連絡する廊下と階段の床の構造計算用の積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、 教室と同じ積載荷重の 2,300 N/m2 とすることができる。

2. 保有水平耐力計算において、多雪区域の積雪時における長期応力度計算に用いる荷重は、 固定荷重と積載荷重の和に、積雪荷重に 0.7 を乗じた値を加えたものとする。

3. 必要保有水平耐力の計算に用いる標準せん断力係数は、1.0 以上としなければならない。

4. 速度圧の計算に用いる基準風速 V0 は、その地方の再現期間 50 年の10 分間平均風速値に相当する。

答え

  1
教室に連絡する廊下の積載荷重は、建築基準法施工令第85条により、集会室等のその他の場合の床の積載荷重は 3,500N/m2とする。
2 ◯
保有水平耐力計算より、多雪区域の積雪時の計算に用いる荷重は、
G(固定荷重)+P(積載荷重)+0.7S(積雪荷重)
である。(建築基準法施行令第82条第二号)
3 ◯
標準せん断力係数は、必要保有水平耐力の計算をする場合においては、1.0 以上とする。また、許容応力度計算では 0.2以上、地盤ば著しく軟弱な区域内における木造建築物においては 0.3以上としなければならない。
4 ◯
建築基準法施行令第87条第2項に基づいた告示に、速度圧の算出い用いる基準風速 V0は、その地方における過去の台風の記録に基づく風害の程度その他の風の性状に応じて、秒速 30m から 46mの範囲内で定められている。これはその地方の 50年再現期間(1年間の発生確率が 1/50)の10分間平均風速値に相当する。

[ No.  9 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構の AD 間に等分布荷重が作用したとき、支点A に生じる水平反力 HA 及び鉛直反力 VA の値の大きさの組合せとして、正しいものはどれか。

1. HA = 60 kN、VA = 40 kN
2. HA = 60 kN、VA = 48 kN
3. HA = 96 kN、VA = 40 kN
4. HA = 96 kN、VA = 48 kN

答え

  4

外力の合力を求めると、
P = 30 kN/m × 4m = 120 kN
作用位置はA点から2mの位置、B点でのモーメントはMB = 0 より、
MB = − HA × 2m − VA × 6m + P × 4m = 0
MB = − HA × 2 − VA × 6 + 120 × 4 = 0・・・①
C点でのモーメントMC = 0より、
MC = + HA × 4m − VA × 3 m − P × 2m = 0
MC = + HA × 4 − VA × 3 − 120 × 2 = 0・・・②
①式 − ②式 × 2 より、
HA × ( − 2 − 8 ) + 480 + 480 = 0
HA = 960 / 10 = 96 kN
HA = 96 kN を①式に代入すると、
− 96 × 2 − VA × 6 + 480 = 0
VA = ( 480 − 192 )/ 6 = 48kN
したがって、支点Aに生じる水平反力HA及び鉛直反力VA
の値の大きさの組み合わせとして、4が正しい。

[ No. 10 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構に集中荷重 P が作用したときの曲げモーメント図として、正しいものはどれか。 ただし、曲げモーメントは材の引張り側に描くものとする。





答え

  3

①柱脚部がヒンジとなっているので、モーメントは 0となるため、肢1及び4は誤り。
②外力がPしか作用していないので、X方向のつり合い式より、HA、HBは同じ値で向きが逆方向となる。
よって、柱の曲げモーメントは左右対称となる。
したがって、曲げモーメント図として3が正しい。

[ No. 11 ]
鋼材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. SN 490B や SN 490C は、炭素当量などの上限を規定して溶接性を改善した鋼材である。

2. TMCP鋼は、熱加工制御により製造された、溶接性は劣るが高じん性の鋼材である。

3. 耐火鋼(FR 鋼)は、モリブデン等を添加して耐火性を高めた鋼材である。

4. 低降伏点鋼は、添加元素を極力低減した純鉄に近い鋼で、強度が低く延性が高い鋼材である。

答え

  2
建築構造用TMCP(Thermo Mechanical Control Process)鋼は、水冷型熱加工制御(TMCP)に適応して製造される鋼材で、圧延時に焼き戻し加工をすることにより、高じん性で、同じ降伏点のSN材やSM材に比べて炭素当量が低減されているので、溶接性が優れている。建築基準法第37条(建築材料の品質)第二号による国土交通大臣認定品である。
1 ◯
SN材は、建築構造用圧延鋼材で、溶接性の保証の有無、板厚方向の引張特性の保証等を強度区分の末尾記号 A、B、Cで表示する。A種は溶接を行わない部材に使用される。B種及びC種は、塑性変形性能と溶接の確保が要求される部材に使用されるので、JISにより化学成分、炭素当量の上限等が規定されている。
3 ◯
FR鋼(建築構造用耐火鋼)は、SN材に0.3〜0.9%のニオブやモリブデン等の合金元素を添加して、高温時の強度を向上させ、600℃における降伏点が、常温での降伏点規定値の 2/3以上になるように製造された鋼材である。
4 ◯
低降伏点鋼(LY100、LY225)は、添加元素を極力減らした純鉄に近い鋼で、軟膏に比べて強度は低いが、延性が極めて高いため、塑性変形によるエネルギーの吸収が必要な制振ダンパー等に用いられる。

[ No. 12 ]
左官材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. せっこうプラスターは、乾燥が困難な場所や乾湿の繰返しを受ける部位では硬化不良となりやすい。

2. セルフレベリング材は、せっこう組成物やセメント組成物に骨材や流動化剤等を添加した材料である。

3. セメントモルタルの混和材として消石灰を用いると、こて伸びがよく、平滑な面が得られる。

4. ドロマイトプラスターは、それ自体に粘りがないためのりを必要とする。

答え

  4
ドロマイトプラスターは、一般に粘度が高く、のりを用いずに水と練り合わせ施工することができる。水硬性セメントに属し、主成分は炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムである。したがって、硬化が早く比較的強度もあり、収縮ひび割れが生じにくい。
1 ◯
せっこうプラスターは、せっこうの水和物が結晶化し、その結晶がからみ合っている組織の中の余分な水分が蒸発乾燥するにつれて強さが発現する。そのため、乾燥が困難な場所や乾湿の繰り返しを受ける部位では硬化不良となりやすく、耐久性が無くなるおそれがある。
2 ◯
セルフレベリング材は、せっこう組成分やセメント組成分に骨材や流動化剤を添加し、セルフレベリング性を付与し、これを床面に流し簡単に均すだけで平坦・平滑精度の高い床下地をつくるものである。
3 ◯
セメントモルタルの混和材として消石灰、ドロマイトプラスターを用いると、こての伸びがよく、平滑な塗り面が得られる。また、貧調合とすることができ、保水性の向上、ヤング率を減少することで収縮によるひび割れ、発生応力を低減させる等の目的で一般に用いられる。

[ No. 13 ]
ガラスに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 型板ガラスは、ロールアウト方式により、ロールに彫刻された型模様をガラス面に熱間転写して製造された、片面に型模様のある板ガラスである。

2. Low-E 複層ガラスは、中空層側のガラス面に特殊金属をコーティングしたもので、日射制御機能と高い断熱性を兼ね備えたガラスである。

3. 強化ガラスは、板ガラスを熱処理してガラス表面付近に強い圧縮応力層を形成したもので、 耐衝撃強度が高いガラスである。

4. 熱線反射ガラスは、日射熱の遮蔽を主目的とし、ガラスの両面に熱線反射性の薄膜を形成したガラスである。

答え

  4
熱線反射ガラスは、日射熱の遮蔽を主目的とし、ガラスの片側の表面に熱線反射性の薄膜を形成したガラスであり、窓際のまぶしさや局部的な昇温の防止、冷房負荷の軽減効果等がある。
1 ◯
型板ガラスは、2本の水冷ローラーの間に、直接溶融したガラスを通して製版するロールアウト方式により生産されるガラスで、片面に型模様をつけた板ガラスである。光を柔らかく拡散し、視線を適度に遮る。
2 ◯
Low-E 複層ガラスは、中空層側のガラス面に特殊金属をコーティングすることで、日射制御機能と、高い断熱性とを兼ね備えたガラスであり、断熱効果が高く、冷暖房負荷の軽減効果と結露防止効果がある。
3 ◯
強化ガラスは、板ガラスに熱処理を施し、表面付近に強い圧縮応力層を形成したもので、耐衝撃強度が高い。割れても破片が細粒状になる。加工後の切断はできない。

[ No. 14 ]
建築用シーリング材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 弾性シーリング材とは、目地のムーブメントによって生じた応力がひずみにほぼ比例するシーリング材である。

2. 塑性シーリング材とは、目地のムーブメントによって生じた応力がムーブメントの速度にほぼ比例し、ムーブメントが停止すると素早く緩和するシーリング材である。

3. 1成分形高モジュラス形シリコーン系シーリング材は、耐熱性、耐寒性に優れ、防かび剤を添加したものは、浴槽や洗面化粧台などの水まわりの目地に用いられる。

4. 2成分形ポリウレタン系シーリング材は、耐熱性、耐候性に優れ、金属パネルや金属笠木などの目地に用いられる。

答え

  4
2成分形ポリウレタン系シーリング材は断熱性・耐候性にやや劣り、金属バネルや金属笠木などの目地には適していない。主に塗装するALCパネルの目地に用いられる。
1 ◯
弾性シーリング材とは、目地のムーブメントによって生じた応力がひずみにほぼ比例するシールング材をいう。(JIS A 5758)一般にポリサルファイド、シリコーン、ウレタン等の液状ポリマーをビヒクルとし、これと鉱物系充填剤をよく練り混ぜて製造したもので、相対変異の比較的大きい部材や部品間のすき間に充填する不定形シーリング材をいい、施工後は硬化し、ゴム状弾性を発現するのでこの名称がある。
2 ◯
塑性シーリング材とは、目地のムーブメントによって生じた応力がムーブメントの速度にほぼ比例し、ムーブメントが停止すると素早く緩和するシーリング材をいう。(JIS A5758)
3 ◯
1成分形シーリング材は、あらかじめ施工に供する状態に調整されている成分形シーリング材である。その中で1成分形高モジュラス形シリコーン系シーリング材は、断熱性、耐寒性に優れ、カーテンウォールのガラスまわり目地等に用いられる。また、防かび剤を添加したものは、浴槽や洗面化粧台などの水まわりの目地に用いられる。

[ No. 15 ]
内装材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. コンポジションビニル床タイルは、単層ビニル床タイルよりバインダー量を多くした床タイルである。

2. 複層ビニル床タイルは、耐水性、耐薬品性、耐磨耗性に優れているが、熱による伸縮性が大きい。

3. パーティクルボードは、日本工業規格(JIS)で定められたホルムアルデヒド放散量による区分がある。

4. 普通合板は、日本農林規格(JAS)で定められた接着の程度による区分がある。

答え

  1
コンポジションビニル床タイルは、単層ビニル床タイルよりバインダー含有率(含有量)が小さい。バインダー含有率は、単層ビニル床タイルが30%以上、コンポジションビニル床タイルが30%未満である。バインダーとは、ビニル樹脂に可塑材と安定剤を加えたものである。
2 ◯
複層ビニル床タイルは一般に、耐摩耗性、耐水性、耐薬品性に優れているが、熱による伸縮性が大きいので、強力な接着剤で確実に接着しておく必要がある。
3 ◯
パーティクルボードは、木材の小片を接着剤を用いて熱圧・成形したボードで遮音性、断熱性、耐久性、防火性に優れている。パーティクルボードは、表裏面の状態による区分、曲げ強さによる区分、耐水性による区分、ホルムアルデヒド放散量による区分がある。(JIS A5908)
4 ◯
日本農林規格(JAS)の普通合板は、接着の程度により、1類2類に分類されている。1類は家屋の外装屋根下地など継続的に湿潤状態となる場所に、2類は家屋の内装など時々湿潤状態となる場所に使用される。

1級建築施工管理技士 平成30年 学科 問題2解説

平成30年 1級建築施工管理技士 学科 問題2 解答解説

※   問題番号[ No.16 ] ~[ No.20 ] までの 5 問題は、全問題を解答してください。
[ No. 16 ]
構内アスファルト舗装に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 盛土をして路床とする場合は、一層の仕上り厚さ 300mm 程度ごとに締め固めながら、所定の高さに仕上げる。
2. 舗装に用いるストレートアスファルトは、積雪寒冷地域では主として針入度が 80~100 の範囲のものを使用する。
3. アスファルト混合物等の敷均し時の温度は、110 ℃ 以上とする。
4. アスファルト舗装終了後の交通開放は、舗装表面の温度が 50 ℃ 以下になってから行う。

答え

  1
盛土をして路床とする場合は、一層の仕上り厚さは200mm程度ごとに締め固める
2 ◯
舗装用ストレートアスファルトは、原油を蒸留装置にかけ、軽質分を除去して得られるものである。
一般地域では針入度 60〜80のもの、積雪寒冷地では低温時の横断亀裂現象等の問題を考慮し、針入度 80~100 の範囲のものを使用する。
3 ◯
アスファルト混合物等の敷均した時の温度は、110℃以上とする。
4 ◯
アスファルト舗装終了後の交通解放は初期のわだち掘れに影響しないように、舗装表面の温度をおおむね 50℃以下とする。これにより、交通解放初期の舗装の変形を小さく抑えることができる。

[ No. 17 ]
避雷設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 高さが 20m を超える建築物には、原則として、有効に避雷設備を設けなければならない。
2. 危険物を貯蔵する倉庫には、危険物の貯蔵量や建物の高さにかかわらず、避雷設備を設けなければならない。
3. 受雷部は、保護しようとする建築物の種類、重要度等に対応した4段階の保護レベルに応じて配置する。
4. 鉄筋コンクリート造の鉄筋は、構造体利用の引下げ導線の構成部材として利用することができる。

答え

  2
指定数量の10倍以上の危険物の貯蔵倉庫には、総務省令で定める避雷設備を設ける。ただし、周囲の状況によって安全上支障がない場合においては、この限りではないと規定されている。(危険物の規制に関する政令第10条第1項第十四号)なお、総務省令に定める避雷設備とは、JIS A 4201(建築物等の雷保護)に適合するものである。
1 ◯
高さ 20mを超える建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によって安全上支障がない場合においては、この限りではないと規定されている。(建築基準法第33条)
3 ◯
受雷部は、保護しようとする建築物等に電撃が侵入しないようにするため、立地条件、建築物等の種類、重要度等に対応した保護レベル Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ の段階に応じて配置する。(JIS A4201)
4 ◯
建築物等の鉄筋や鉄骨などの金属製構造体は、構造体利用の引下げ導線の構成部材として利用することができる。(JIS A4201)

[ No. 18 ]
空気調和設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. パッケージユニット方式は、小容量の熱源機器を建物内に多数分散配置する方式であり、セントラルシステムに比較して保守管理に手間を要する方式である。
2.   ファンコイルユニット方式における4管式は、2管式と比較してゾーンごとの冷暖房同時運転が可能で、室内環境の制御性に優れている方式である。
3. 二重ダクト方式は、2系統のダクトで送風された温風と冷風を、混合ユニットにより熱負荷に応じて混合量を調整して吹き出す方式である。
4. 単一ダクト方式における CAV 方式は、負荷変動に対して風量を変える方式である。

答え

  4
単一ダクト方式におけるCAV方式は、室内に吹き出す空気量が一定で、冷房負荷に応じて吹き出す空気の温度を変えることにより室温を調整する方式である。吹出し風量が一定のため、各室ごとの負荷変動に対しては対応できない。負荷変動に応じて風量を変化させる方式は、VAV方式のことである。
1 ◯
空気調和機には、エアハンドリングユニット、ファンコイルユニット、パッケージユニット、ルームエアコンディショナー等の種類がある。パッケージユニットは機内に冷凍機(圧縮機、凝縮器、蒸発器)を内蔵し、ファン・エアフィルター・自動制御機構・加熱器、加湿器などの付属機器を組み込んだユニット形の空気調和機である。
2 ◯
ファンコイルユニット方式の4菅式は、冷水配管、温水配管の往き菅に対してそれぞれ還り菅を設け、各ユニットあるいは系統ごとに同時、自由に冷房・暖房運転を行うことができる方式である。
2菅式配管は、温水または冷水を往き還りの2本の配管で循環させる方式である。したがって、4菅式は2菅式に比べて、ゾーンごとに冷暖房同時運転が可能で、室内環境の制御性に優れている
3 ◯
二重ダクト方式は、中央の空気調和機で温風と冷風をつくり、2系統のダクトで送風された温風と冷風を、混合ユニットにより熱負荷に応じて混合量を調整して吹き出す方式である。冷温風の2本のダクトで給気し、各室には混合ボックスで調整し吹き出す。温度の制御は各室ごとに可能である。

[ No. 19 ]
消火設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 不活性ガス消火設備は、二酸化炭素などによる冷却効果、窒息効果により消火するもので、 博物館の収蔵庫に適している。
2. 粉末消火設備は、粉末消火剤による負触媒効果、窒息効果により消火するもので、自動車車庫に適している。
3. 泡消火設備は、泡状の消火剤による冷却効果、窒息効果により消火するもので、電気室に適している。
4. 水噴霧消火設備は、微細な霧状の水による冷却効果、窒息効果により消火するもので、指定可燃物貯蔵所に適している。

答え

  3
泡消火設備は、火源に多量の泡を放出して表面を泡で覆う窒息作用と冷却作用により消火するが、電気絶縁性がないので、電気火災の多い電気室、通信機器室、ボイラー室には不適である。
1 ◯
不活性ガス消火設備は、酸素濃度の希釈作用や熱吸収による冷却効果で消火する設備である。消火剤がガスなので消火後の汚損は少なく、電気や油火災及び水損を嫌うコンピューターや電気通信機室あるいは図書館や美術館等に設置される。
2 ◯
粉末消火設備は、粉末消火薬剤を放射して消火する設備で、主に引火性液体の表面火災等に適用される。また、凍結しないので、寒冷地においても適用できる。
4 ◯
水噴霧消火設備は、噴霧ヘッドから微細な霧状の水を噴霧して消火する消火設備である。汚損や腐食性があり、博物館や図書館の収蔵庫などには適さない。指定可燃物の貯蔵取扱所、駐車場等、屋内消火栓やスプリンクラー設備で消火できない防火対象物に用いる。

[ No. 20 ]
請負契約に関する記述として、「公共工事標準請負契約約款」上、誤っているものはどれか。
1. 受注者は、工事の施工に当たり、設計図書に示された施工条件と実際の工事現場が一致しないことを発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
2. 発注者は、受注者が契約図書に定める主任技術者若しくは監理技術者を設置しなかったときは、契約を解除することができる。
3. 工事の施工に伴い通常避けることができない騒音、振動、地盤沈下、地下水の断絶等の理由により第三者に損害を及ぼしたときは、原則として、発注者がその損害を負担しなけれ ばならない。
4. 現場代理人は、契約の履行に関し、工事現場に原則として常駐し、その運営、取締りを行うほか、請負代金額の変更及び契約の解除に係る権限を行使することができる。

答え

  4
現場代理人は、請負代金学の変更及び契約の解除に係る権限は行使できない。(約款第10条第2項)
1 ◯
公共工事標準請負契約約款第18条第1項第四号により、受注者は工事の施工に当たり、設計図書に示された自然的または人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないことを発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
2 ◯
発注者は、受注者が主任技術者または監理技術者を設置しなかった時は、この契約を解除することができる。(約款第47条第1項第三号)
3 ◯
公共工事標準請負契約約款第28条第2項により正しい記述である。ただし、その損害のうち工事の施工につき受注者(請負者)が善良な管理者の注意義務を怠ったことにより生じたものについては、受注者(請負者)が負担する。

1級建築施工管理技士 平成30年 学科 問題3解説

平成30年 1級建築施工管理技士 学科 問題3 解答解説

※   問題番号[ No.21 ] ~[ No.33 ] までの 13 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。

[ No. 21 ]
乗入れ構台の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 構台の支柱の位置は、使用する施工機械、車両の配置によって決めた。

2. 道路から構台までの乗込みスロープの勾配は、 1/8とした。

3. 1階床面と現状地盤面がほぼ同じ高さなので、構台の床面は1階床面より 1.2 m 高くした。

4. 山留めの切梁支柱と乗入れ構台の支柱は、荷重に対する安全性を確認した上で兼用した。

答え

  1
構台の支柱の位置は、地下構造図と重ね合わせるなどして、基礎梁、柱、梁等の位置と重ならないように配置する必要があり、使用する加工機械、車両の配置より決めるものではない。
2 ◯
乗入れ構台の乗り込みスロープの勾配は、工事用機械や車両の出入りに支障を生じないように 1/10〜 1/6 程度が一般的である。使用する重機・車両の種類によって腹を擦らないよう事前に調査を行う。
3 ◯
1階床面と現状地盤面がほぼ同じ高さの場合、構台の床面は1階床面より 1.2m 高くする。
4 ◯
山留めの切梁支柱と構台支柱をやむを得ず兼用する場合は、切梁から伝達される荷重及び切梁支柱に大きな水平力が加わらない対策を考慮して計画、施工する。

[ No. 22 ]
土工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 根切り底面下に被圧帯水層があり、盤ぶくれの発生が予測されたので、ディープウェル工法で地下水位を低下させた。

2. ボイリング対策として、周辺井戸の井戸枯れや軟弱層の圧密沈下を検討し、ディープウェル工法で地下水位を低下させた。

3. 床付け地盤が凍結したので、凍結した部分は良質土と置換した。

4. ヒービングの発生が予測されたので、ウェルポイントで掘削場内外の地下水位を低下させた。

答え

  4
ウェルポイントで掘削場内外の地下水位を低下させるのは、砂質地盤におけるボイリング発生防止の対策である。粘性土地盤で発生するヒービングの発生防止には有効ではない
1 ◯
ディープウェル工法とは、根切り部内あるいは外部に径 500〜 1,000mmの菅を打ち込み、帯水層を削孔して、径300〜600 mmのスクリーン付き井戸ケーシング菅を設置してウェルとし、水中ポンプあるいは水中モーターポンプで帯水層の地下水を排出する工法である。盤ぶくれの防止対策として用いられる工法である。
※盤ぶくれの発生が事前の検討により予測された場合の対策
1)掘削底面(不透水層)下の地下水位(圧)をディープウェル等によって低下させる。
2)止水性の山留め壁を延長し、被圧帯水層の下の不透水槽に根入れする。
3)掘削場内を地盤改良し、地下水を遮断し土被り圧を増加させる。

2 ◯
ボイリング対策として、周辺井戸の井戸枯れや軟弱層の圧密沈下を検討し、ディープウェル工法で地下水位を低下させることは有効である。

3 ◯
凍結した土は、強度的には良質な地盤と間違えやすいが、床付け面が凍結したのち溶けると、体積が減少し沈下する。したがって凍結した部分は乱された土と同様に扱い、良質土と置き換える

[ No. 23 ]
ソイルセメント柱列山留め壁に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 山留め壁の構築部に残っている既存建物の基礎を貫通するためのロックオーガーの径は、ソイルセメント施工径より小さくする。

2. ソイルセメントの硬化不良部分は、モルタル充填や背面地盤への薬液注入などの処置を行う。

3. セメント系注入液と混合撹拌する原位置土が粗粒土になるほど、ソイルセメントの一軸圧縮強度が大きくなる。

4. ソイルセメントの中に挿入する心材としては、H 形鋼などが用いられる。

答え

  1
山留め壁の構築部に残っている既存建物の基礎を先行解体するためのロックオーガーの径は、ソイルセメント施工径より大きい径のものとする。小さい径のものを使用するとソイルセメント柱列山留め壁断面が不足する。

2 ◯
ソイルセメントの硬化不良部分には、セメントペーストまたはセメントモルタルの充填や薬液注入などの処置を速やかに行う。(山留め設計施工指針)

3 ◯
セメント系注入液と混合撹拌する原位置土が粗粒土になるほど、ソイルセメントの一軸圧縮強度は大きくなる

4 ◯
ソイルセメントの中に挿入する心材としては、H形鋼、I 形鋼、鋼管などが用いられる

[ No. 24 ]
アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭地業に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 掘削終了後、鉄筋かごを建て込む前に1次孔底処理を行い、有害なスライムが残留している場合には、コンクリートの打込み直前に2次孔底処理を行う。

2. 安定液は、必要な造壁性があり、できるだけ高粘性、高比重のものを用いる。

3. 掘削深さの確認は、検測器具を用いて孔底の2か所以上で検測する。

4. 地下水がなく孔壁が自立する地盤では、安定液を使用しないことができる。

答え

  2
安定液は、孔壁の崩壊を防止する機能とともにコンクリートの打ち込み時にコンクリート中に混入されることなく、コンクリートと良好に置換される機能を合わせ持たねばならない。安定液の配合は、必要な造壁性があるうえで、コンクリートとの置換を考慮して、できるだけ低粘性、低比重のものとするのがよい。

1 ◯
アースドリル工法の掘削終了後、鉄筋かごを建て込む前に底ざらいバケットで1次孔底処理を行い、有害なスライムが残留している場合には、コンクリート打込み直前に2次孔底処理を行う。

3 ◯
アースドリル工法の掘削深さは、検測テープにより検測する。その場合、孔底の2箇所以上で行う

4 ◯
関東ローム層などの安定した地層で、地下水がなく孔壁が自立する地盤の場合には、無水工法で施工することができ、安定液を使用しないことができる

[ No. 25 ]
異形鉄筋の定着等に関する記述として、最も不適当なものはどれか。 ただし、d は異形鉄筋の呼び名の数値とする。

1. 大梁主筋に SD345 を用いる場合の直線定着の長さは、コンクリート強度が同じならば、 同径の SD390 を用いる場合と同じである。

2. 梁下端筋の柱梁接合部への定着は、原則として、梁下端筋を曲げ上げる形状で定着させる。

3. 梁端の上端筋をカットオフする場合には、梁の端部から当該梁の内法長さの 1/4 となる点を起点とし、15 d 以上の余長を確保する。

4. 梁の主筋を柱内に折曲げ定着とする場合には、仕口面からの投影定着長さを柱せいの3/4 倍以上とする。

答え

  1
大梁主筋にSD345を用いる場合の直線定着の長さはSD390を用いる場合より短くなる。(JASS5)

2 ◯
梁下端筋の柱梁接合部への定着は、原則として、梁下端筋を曲げ上げる形状とする。やむを得ず曲げ下げる場合には工事監理者の承認を得る。

3 ◯
梁端の上端筋をカットオフする場合は、梁の端部から当該梁の内法長さの 1/4 となる点を起点として、15d以上の余長を確保する


4 ◯
梁主筋を柱内に折曲げ定着とする場合の投影定着長さは、原則として、柱せいの 3/4倍以上を飲み込ませる。

[ No. 26 ]
鉄筋の機械式継手に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. ねじ節継手とは、熱間形成されたねじ節鉄筋の端部に鋼管(スリーブ)をかぶせた後、外側から加圧して鉄筋表面の節にスリーブを食い込ませて接合する工法である。

2. 充填継手とは、内面に凹凸のついた比較的径の大きい鋼管(スリーブ)に異形鉄筋の端部を挿入した後、スリーブ内に高強度の無収縮モルタル等を充填して接合する工法である。

3. 端部ねじ継手とは、端部をねじ加工した異形鉄筋、あるいは加工したねじ部を端部に圧接した異形鉄筋を使用し、雌ねじ加工されたカップラーを用いて接合する工法である。

4. 併用継手は、2種類の機械式継手を組み合わせることでそれぞれの長所を取り入れ、施工性を改良したものである。

答え

  1
ねじ筋継手とは、異形鉄筋の節形状がねじ状になるように圧延された鉄筋を雌ねじ加工されたカップラーを用いて接合する工法である。カップラーと鉄筋との間の緩みを解消する方法として、ロックナットを締め付けるトルク方式、カップラーと鉄筋の間の空隙にモルタルまたは樹脂を注入するグラウト方式、両者を併用する方式がある。問題文は鋼管圧着継手の説明である。
2 ◯
充填継手とは、内面に凹凸のついた比較的径の大きい鋼管(スリーブ)に異形鉄筋の端部を挿入した後、スリーブ内に高強度の無収縮モルタル等を充填して接合する工法である。
3 ◯
端部ねじ継手とは、端部をねじ加工した異形鉄筋、または加工したねじ部を端部に摩擦圧接した異形鉄筋を使用し、雌ねじ加工されたカップラーを用いて接合する工法である。
4 ◯
併用継手は、2種類の機械式継手を組み合わせ、それぞれの長所を取り入れ施工性を改良したもの。例として、ねじ節、充填併用継手、充填圧着併用継手、圧着・ねじ併用継手などがある。

[ No. 27 ]
型枠の設計に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 固定荷重の計算に用いる型枠の重量は、0.4 kN/m2  とする。

2. 合板せき板のたわみは、単純支持で計算した値と両端固定で計算した値の平均値とする。

3. 型枠に作用する荷重及び外力に対し、型枠を構成する各部材それぞれの許容変形量は、2 mm 以下を目安とする。

4. 型枠の構造計算において、支保工以外の材料の許容応力度は、長期と短期の許容応力度の平均値とする。

答え

  2
合板せき板のたわみは、各支点間を単純梁として計算する。

1 ◯
普通コンクリートでは固定荷重の計算に用いる場合、型枠の自重は 400 N/m2とする。

3 ◯
型枠の強度及び剛性の計算では、コンクリート施工時の鉛直荷重、水平荷重及びコンクリートの側圧について、各部材それぞれの許容変形量の目安を 3mm以下とする。

4 ◯
型枠の構造設計に用いる材料の許容応力度として、支保工以外のものは長期許容応力度と短期許容応力度の平均値を用いる。

[ No. 28 ]
コンクリートの運搬及び打込みに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 粗骨材の最大寸法が 25 mm の普通コンクリートを圧送する場合の輸送管の呼び寸法は、100A 以上とする。

2. コンクリートの圧送に先立ち圧送される先送りモルタルは、品質を低下させるおそれがあるので、型枠内には打ち込まない。

3. マスコンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、原則として、40 ℃ 以下となるようにする。

4. 高性能 AE 減水剤を用いた高強度コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間は、外気温にかかわらず、原則として、120 分を限度とする。

答え

  3
マスコンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、原則として、35℃以下となるようにする。
1 ◯
コンクリートの輸送菅の径は、コンクリートポンプの圧送性に直接影響し、径が大きいほど圧力損失が少なくなり、圧送性も良くなる。粗骨材の最大寸法が 25mmの場合の輸送菅の呼び寸法は 100A以上とする。

2 ◯
コンクリートの圧送に先立ち圧送される先送りモルタルは、型枠内に打込まず破棄する。(公共建築工事標準仕様書)

4 ◯
高性能AE減水剤を用いた高強度コンクリートの練混ぜから打ち込み終了までの時間は、外気温による影響を考慮しないで、原則として120分を限度としている。(JASS5)

[ No. 29 ]
コンクリートの養生に関する記述として、最も不適当なものはどれか。 ただし、計画供用期間を指定する場合の級は標準とする。

1. 連続的に散水を行って水分を供給する方法による湿潤養生は、コンクリートの凝結が終了した後に行う。

2. 普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートの打込み後5日間は、乾燥、振動等によって凝結及び硬化が妨げられないように養生する。

3. 湿潤養生の期間は、早強ポルトランドセメントを用いたコンクリートの場合は、普通ポルトランドセメントを用いた場合より短くすることができる。

4. 普通ポルトランドセメントを用いた厚さ 18 cm 以上のコンクリート部材においては、コンクリートの圧縮強度が5 N/mm2 以上に達したことを確認すれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。

答え

  4
短期及び標準の計画供用期間の級で、早強・普通及び中庸熱ポルトランドセメントを用いた厚さ18㎝以上の部材は、10N/mm2以上の圧縮強度を確認すれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。(JASS5)

1 ◯
コンクリートの養生は連続的または断続的に散水、噴霧等を行う。湿潤養生は、セメントの凝結が終了した後に開始する。(JASS5)

2 ◯
コンクリート打込み中及び打込み後5日間は、コンクリートの温度が2℃を下らないようにし、かつ、乾燥、振動等によってコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならないと規定されている。(建築基準法施行令第75条)

3 ◯
コンクリートの湿潤養生の期間は、早強ポルトランドセメントを用いた場合には3日以上、普通ポルトランドセメントを用いた場合には5日以上としている。(JASS5)

[ No. 30 ]
高力ボルト接合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. ねじの呼びが M22 のトルシア形高力ボルトの長さは、締付け長さに 35 mmを加えた値を標準とした。

2. ナット回転法による締付け完了後の検査は、1次締付け後の本締めによるナット回転量が120 °±45 °の範囲にあるものを合格とした。

3. 摩擦接合面は、すべり係数 0.45 以上を確保するため、グラインダー処理後、自然発生した赤錆状態を確認した。

4. ねじの呼びが M 22 の高力ボルトの1次締付けトルク値は、約 150 N・m とした。

答え

  2
ナット回転法による締付け完了後の検査は、1次締付け後のナットの回転量120° ± 30° の範囲にあるものを合格とする。(JASS6)
1 ◯
呼び径がM22のトルシア形高力ボルトの長さは、締付け長さに35mmを加えた値を標準とする。

3 ◯
高力ボルト摩擦接合面のすべり係数は、摩擦面の状態によって違いがあり、自然発生の錆が赤錆状態であれば、すべり係数 0.45が確保できる。

4 ◯
呼び径がM22の高力ボルトの1次締付けトルク値は、約150 N・m(約15,000 N・cm)とする。

[ No. 31 ]
大空間鉄骨架構の建方に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 総足場工法は、必要な高さまで足場を組み立てて、作業用の構台を全域にわたり設置し、架構を構築する工法である。

2. スライド工法は、作業構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てたのち、そのユニットを所定位置まで順次滑動横引きしていき、最終的に架構全体を構築する工法である。

3. 移動構台工法は、移動構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てたのち、構台を移動させ、 順次架構を構築していく工法である。

4. リフトアップ工法は、地組みした所定の大きさのブロックをクレーン等で吊り上げて架構を構築する工法である。

答え

  4
リフトアップ工法は、全体の工事を地上部など安全性の高い作業環境で行い、ジャッキシステムなどで所定の高さまで揚重して完成させる工法である。

1 ◯
総足場工法は、必要な高さまで足場を組み立てて、作業構台を全域にわたり設置し、架構を構築する工法である。

2 ◯
スライド工法は、地上及び一部分に作業構台を組み、その作業構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立て、組み立てられた屋根鉄骨ユニットを軒梁などに沿って所定の位置まで順次滑動横引きしていき、最終的に架構全体を構築する工法である。

3 ◯
移動構台工法は、移動構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てたのち、構台を移動させ、順次架構を構築していく工法である。

[ No. 32 ]
大断面集成材を用いる木造建築物に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 接合金物のボルトの孔あけ加工の大きさについて、ねじの呼びが M16未満の場合は公称軸径に1 mm を加えたものとし、M16 以上の場合は 1.5 mm を加えたものとした。

2. 大規模な木造架構であったため、全体の建方が完了してからの建入れ修正ができなかったので、建方に並行してブロックごとに建入れ直しを行った。

3. 集成材は、現場搬入から建方まで 15 日以上要したので、雨がかからないように防水シートで覆いをかけて保管した。

4. 大断面材に設ける標準的なボルト孔の心ずれは、許容誤差を 5 mm以内とした。

答え

  4
大断面材に設ける標準的なボルト孔の心ずれは、許容誤差を± 2mm以内とする。

1 ◯
接合金物のボルトの孔あけ加工の大きさは、ねじの呼びが M16未満の場合は公称軸径に 1mmを加えたものとし、M16以上の場合は、1.5mmを加える。

2 ◯
大規模な木造架構において、全体の建方が完了してからの建入れ修正ができない場合は、建方に並行してブロックごとに建入れ直しを行う。

3 ◯
集成材は、現場搬入から建方まで日数がかかる場合は、防水シート等で覆って保管する。

[ No. 33 ]
揚重運搬機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. ロングスパン工事用エレベーターの搬器には、周囲に堅固な手すりを設け、手すりには中さん及び幅木を取り付けなければならない。

2. ロングスパン工事用エレベーターは、安全上支障がない場合、搬器の昇降を知らせるための警報装置を備えないことができる。

3. 建設用リフトは、土木、建築等の工事の作業に使用され、人及び荷を運搬することを目的とするエレベーターである。

4. 建設用リフトの定格速度とは、搬器に積載荷重に相当する荷重の荷をのせて上昇させる場合の最高の速度をいう。

答え

  3
建設用リフトとは、荷のみを運搬することを目的とするエレベーターで、土木、建築等の工事の作業に使用されるものと定められている。(労働安全衛生法施工令第1条第十号)人間を運搬することはできない。

1 ◯
ロングスパン工事用エレベーターの搬器は、周囲に堅固な手すりを設け、さらに手すりには中さん及び巾木を取り付けなければならない

2 ◯
ロングスパン工事用エレベーターは、安全上支障がない場合、搬器の昇降を知らせるための警報装置を備えないことができる

4 ◯
建設用リフトの定格速度とは、搬器に積載荷重に相当する荷重の荷をのせて上昇させる場合の最高の速度をいう。また、建設用リフトの荷重試験は、建設用リフトに積載荷重の1.2倍に相当する荷重の荷をのせて、昇降の作業を行う

1級建築施工管理技士 平成30年 学科 問題4解説

平成30年 1級建築施工管理技士 学科 問題4 解答解説

※   問題番号[ No.34 ] ~[ No.45 ] までの 12 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。

[ No. 34 ]
合成高分子系ルーフィングシート防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 加硫ゴム系シート防水接着工法において、平場のシート相互の接合幅は 100 mmとし、水上側のシートが水下側のシートの上になるように張り重ねた。

2. 塩化ビニル樹脂系シート防水接着工法において、下地とシートの接着には、エポキシ樹脂系の接着剤を用いた。

3. 塩化ビニル樹脂系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け後に成形役物を張り付けた。

4. 加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け前に加硫ゴム系シートで増張りを行った。

答え

  4
加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付けに先立ち、非加硫ゴム系シートを用いて増張りする。(JASS8)

1 ◯
シート相互の接合部は、原則として水上側のシートが水下側のシートの上になるように張り重ね、その平場の接合幅は、長手、幅方向とも 100mm以上とする。(JASS8)

2 ◯
塩化ビニル樹脂系シート防水接着工法では、下地とシートの接着に、エポキシ樹脂系の接着剤を用いる。

3 ◯
塩化ビニル樹脂系接着工法の場合、シート防水の出隅角の処理は、シートを張り付けた後、成形役物を張り付け、その端部はシール材を用いて処理する。(JASS8)

[ No. 35 ]
シーリング工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. ワーキングジョイントに装填する丸形のバックアップ材は、目地幅より 20 % 大きい直径のものとした。

2. 先打ちしたポリウレタン系シーリング材に、ポリサルファイド系シーリング材を打ち継いだ。

3. シリコーン系シーリング材を充填する場合のボンドブレーカーは、シリコーンコーティングされたテープとした。

4. ワーキングジョイントの目地幅が 20 mm だったので、目地深さは、12 mm とした。

答え

  3
シリコーン系シーリング材を充填する場合、ポリエチレンテープのボンドブレーカーを用いるのが一般的である。(JASS8)


1 ◯
ワーキングジョイントに装填する丸形ポリエチレン発泡体は、目地幅より 20〜30%大きい直径のものを選定する。(JASS8)

2 ◯
ポリサルファイド系シーリング材に後打ちできるシーリング材には、変成シリコーン系、シリコーン系、ポリウレタン系等がある。(JASS8)

4 ◯
ワーキングジョイントの目地寸法、打ち継ぎ目地及びひび割れ誘発目地は、幅 20mm以上、深さ 10mm以上とする。

[ No. 36 ]
セメントモルタルによる壁タイル後張り工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 外壁タイル張り面の伸縮調整目地の位置は、縦目地を 3 m 内外に割り付け、横目地を各階ごとの打継ぎ目地に合わせた。

2. マスク張りでは、張付けモルタルを塗り付けたタイルは、塗り付けてから 20 分を限度に張り付けた。

3. 改良圧着張りの化粧目地詰めは、タイル張付け後 24 時間経過したのちとした。

4. モザイクタイル張りの張付けモルタルは2層に分けて塗り付けるものとし、1層目はこて圧をかけて塗り付けた。

答え

  2
マスク張りの特徴の1つが、塗り置き時間を短くできることである。タイルへ張付けモルタルを塗り付け後、タイルを壁面に張付けるまでの時間は5分以内とする。(JASS19)

1 ◯
外壁タイル張り面の伸縮調整目地の位置は、各階の打継ぎ箇所や柱形・開口部寸法に応じた構造上の要所とし、縦目地を3m 内外、横目地を4m内外ごとに設ける。

3 ◯
化粧目地詰めは、タイル張付け後、24時間以上経過したのち、張付けモルタルの硬化を見計らって行う。(公共建築工事標準仕様書)

4 ◯
モザイクタイル張りの張付けモルタルの塗付けは、いかに薄くとも2度塗りとし、1度目は薄く下地面にこすりつけるように塗り、下地モルタル面の微妙な凸凹にまで張付けモルタルが食い込むようにし、ついで張付けモルタルを塗り重ね、3mm程度の厚さとし定規を用いてむらのないように塗厚さを均一にする。(建築工事監理指針)

[ No. 37 ]
心木なし瓦棒葺に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. けらば納めの端部の長さは、瓦棒の働き幅の 2 /3とした。

2. 通し吊子の鉄骨母屋への取付けは、平座金を付けたドリルねじで、下葺、野地板を貫通させ母屋に固定した。

3. 棟部の納めに棟包みを用い、棟包みの継手をできるだけ瓦棒に近い位置とした。

4. 水上部分と壁との取合い部に設ける雨押えは、壁際立上がりを 150 mm とした。

答え

  1
けらば部の溝板の幅は、心木なし瓦棒の働き幅の 1/2以下とする。

2 ◯
通し吊り子をマーキングに合わせて平座金を付けたドリリングタッピンねじ下葺野地板を貫通させ母屋に固定する。(JASS12)

3 ◯
棟部の納めは棟包みとし、棟包みの継手はできるだけ瓦棒に近い位置とする。

4 ◯
水上部分と壁との取合い部に設ける雨押えは、壁際で120mm程度立ち上げてむだ折りを付ける。(JASS12)

[ No. 38 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.  ランナーは、両端部は端部から 50 mm 内側で固定し、中間部は 900 mm 間隔で固定した。

2.  振れ止めは、床ランナーから 1,200 mm 間隔で、スタッドに引き通し、固定した。

3.  スタッドの建込み間隔の精度は、±5 mm とした。

4.  スペーサーは、各スタッドの端部を押さえ、900 mm 間隔に留め付けた。

答え

  4
スペーサーは、各スタッドの端部を押さえ、間隔600mm程度に留め付ける。

1 ◯
軽量鉄骨壁下地ランナーの固定位置は、両端部から 50mm内側とし、中間部は間隔 900mm程度に打込みピンなどで床梁下・スラブ下に固定する。(建築工事監理指針)

2 ◯
振れ止めは、床面ランナー下端より間隔約 1,200mmごとに設ける。ただし、上部ランナー上端から400mm以内に振れ止めが位置する場合は、その振れ止めを省略することができる。

3 ◯
スタッドの建て込み間隔の精度は ±5mm以下、また、スタッドの垂直の精度は ±2mmとする。

[ No. 39 ]
防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材 E)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 下塗材は、所要量を 0.2 kg/m2 とし、専用うすめ液で均一に薄めた。

2. 主材の基層塗りは、所要量を 1.7 kg/m2 とし、2回塗りとした。

3. 増塗りは、主材塗りの後に行い、出隅、入隅、目地部、開口部まわり等に、ローラーにより行った。

4. 凸部処理は、見本と同様の模様で均一に仕上がるように、ローラーにより行った。

答え

  3
入隅、出隅、目地部、開口部まわりなど均一に塗りにくい箇所は、はけやコーナー用ローラーなどで、主材塗りの前に増塗りを行う。

1 ◯
下塗材は、所要量を 0.2 kg/m2とし、専用うすめ液で均一に薄める

2 ◯
主材の基層塗りは2回塗りとし、だれ、ピンホール、塗り残しのないよう下地を覆うように塗り付ける。主材基層の所要量は 1.5〜1.7 kg/m2とする。

4 ◯
凸部の処理は、見本と同様の模様で均一に仕上がるように、ローラーブラシ塗りで行う。

[ No. 40 ]
アルミニウム製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 建具の組立てにおいて、隅部の突付け部分はシート状の止水材を使用した。

2. 見え隠れ部分で使用する補強材に、亜鉛めっき処理した鋼材を使用した。

3. 水切り、ぜん板は、アルミニウム板を折曲げ加工するので、厚さを 1.2 mmとした。

4. 建具枠のアンカーは、両端から逃げた位置から、間隔を 500 mm 以下で取り付けた。

答え

  3
アルミニウム板を加工して、枠、かまち、水切り、ぜん板及び額縁に使用する場合の厚さは1.5mm以上とする。(建築工事監理指針)

1 ◯
建具の組立てにおいて、隅部の突付け部分は、漏水防止のためのシーリング材またはシート状の止水材を使用する

2 ◯
補強材、力骨、アンカー等は、鋼製またはアルミニウム合金製とし、鋼製のものは、亜鉛めっきを行う等の接触腐食の防止処置を行う必要がある。

4 ◯
アンカーの位置は、開口部より 150mm内外を端とし、中間は 500mm内外の間隔とする。アンカーと差し筋は最短距離で溶接する。(JASS16)

[ No. 41 ]
塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 亜鉛めっき鋼面の常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて、下塗りに変性エポキシ樹脂プライマーを使用した。

2. モルタル面のアクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、下塗り、中塗り及び上塗りの塗付け量をそれぞれ同量とした。

3. コンクリート面のアクリルシリコン樹脂エナメル塗りにおいて、下塗りに反応形合成樹脂シーラーを使用した。

4. 屋外の木質系素地面の木材保護塗料塗りにおいて、原液を水で希釈し、よく撹拌して使用した。

答え

  4
木材保護塗料塗りは通常屋外で使用される木質系素地に対して適用される。木材保護塗料は、原液で使用するこtを基本とし、希釈はしない

1 ◯
亜鉛めっき鋼面の常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りの下塗りには、変性エポキシ樹脂プライマーを使用する。(JASS18)

2 ◯
アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの工程は、下塗り、中塗り、上塗りの順に同じ塗料を用い、塗り付け量はともに 0.10 kg/m2とする(JASS18)

3 ◯
コンクリート面のアクリルシリコン樹脂エナメル塗りにおいえ、下塗りに反応形合成樹脂シーラーを使用する。

[ No. 42 ]
合成樹脂塗床に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 樹脂パテや樹脂モルタルでの下地調整は、プライマーの塗布後に行った。

2. 薬品を使用する実験室の塗床は、平滑な仕上げとするため、流しのべ工法とした。

3. 下地調整に用いる樹脂パテは、塗床材と同質の樹脂とセメントなどを混合したものとした。

4. エポキシ樹脂のコーティング工法のベースコートは、金ごてで塗り付けた。

答え

  4
エポキシ樹脂のコーティング工法は、主に水性形、溶剤形の塗床材をローラーばけやスプレーで塗り付ける工法である。(建築工事監理指針)

1 ◯
合成樹脂を配合したパテ材や樹脂モルタルで下地調整を行う場合は、プライマーを塗布し乾燥後に行うのが一般的である。(建築工事監理指針)

2 ◯
流しのべ工法とは、塗床材あるいは塗床材に骨材を混合することによって、平滑に仕上げるセルフレベリング工法で、実験室、工場等に使用される。(建築工事監理指針)

3 ◯
下地調整に用いる樹脂パテは、塗床材と同質の樹脂に無機質系充填材あるいはセメント等の水硬性物質またはよう変性付与材等を加えパテ状としたものである。2mm以下のピンホール、巣穴及び、ひび割れ等の目つぶしあるいは不陸の修正に用いる。(建築工事監理指針)

[ No. 43 ]
壁のせっこうボード張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 軽量鉄骨壁下地にボードを直接張り付ける場合、ドリリングタッピンねじの留付け間隔は、 中間部 300 mm 程度、周辺部 200 mm 程度とする。

2. せっこう系接着材による直張り工法において、ポリスチレンフォーム断熱材が下地の場合は、プライマー処理をして、ボードを張り付ける。

3. せっこう系接着材による直張り工法において、ボード中央部の接着材を塗り付ける間隔は、 床上 1,200 mm 以下の部分より床上 1,200 mm を超える部分を小さくする。

4. テーパーボードの継目処理において、グラスメッシュのジョイントテープを用いる場合は、 ジョイントコンパウンドの下塗りを省略できる。

答え

  3
せっこう系接着材直張り工法における張付け用接着材の塗付け間隔は、ボード周辺部を150〜200mm、床上1.2m以下の部分を200〜250mm、床上1.2mを超える部分を250〜300mmとする

1 ◯
軽量鉄骨壁下地にボードを直接張り付ける場合の留付け用小ねじの間隔は、周辺部で 200 mm 程度、中間部で 300 mm 程度であり、中間部の方が間隔が大きい。(JASS26)

2 ◯
ポリスチレンフォーム下地の場合は、打込み工法と現場発泡工法があるが、せっこう系直張り用接着材の製造所が指定するプライマー処理を行う。(建築工事監理指針)

4 ◯
テーパーボードの継目処理で、ジョイントテープにグラスメッシュを用いる場合は、 裏面に粘着剤が塗布されるので、ジョイントコンパウンドの下塗りを省略してもよい。(公共建築工事標準仕様書)

[ No. 44 ]
屋上露出防水層の上に植栽を行う屋上緑化システムに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 排水のためのルーフドレンは、1排水面積当たり2か所以上設置し、その口径は目詰まりを考慮して余裕のあるものとする。

2. 施工に当たっては耐根層を損傷することのないように注意するとともに、耐根層を保護する耐根層保護層(衝撃緩衝層)を敷設してから植栽を行う。

3. 壁面等立上り部に直接土壌が接する場合、敷設する耐根層は、接する土壌仕上面より5 cm 下がった位置まで立ち上げる。

4. 植栽地の見切り材(土留め材)に設ける排水孔には、目詰まり防止、土壌流出防止のための処理を行う。

答え

  3
壁面等立上り部に直接土壌が接する場合、敷設する耐根層は、接する土壌仕上げ面より5㎝高い位置まで立ち上げる。

1 ◯
排水のためのルーフドレンは、1排水面積当たり2箇所以上設置し、その口径は目詰まりを考慮して余裕のあるものとする。ドレンの点検・清掃ができるように、ルーフドレンには必ずドレンカバーを設置する。

2 ◯
屋上緑化システムは、耐根層、耐根層保護層、排水層、透水層及び土壌層の5層で構成され、施工に当たっては耐根層を損傷することのないように注意し、耐根層を保護する耐根層保護層(衝撃緩衝層)を敷設してから植栽を行う。

4 ◯
植栽地の見切り材(土留め材)に設ける排水孔には、目詰まり防止、土壌流出防止のための処理を行う

[ No. 45 ]
鉄筋コンクリート造建築物の小口タイル張り壁面の浮きの調査方法と改修工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 打診法は、打診用ハンマーなどを用いてタイル張り壁面を打撃して、反発音の違いから浮きの有無を調査する方法である。

2. 赤外線装置法は、タイル張り壁面の内部温度を赤外線装置で測定し、浮き部と接着部における熱伝導の違いにより浮きの有無を調査する方法で、天候や時刻の影響を受けない。

3. アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法は、タイル陶片の浮きがなく目地モルタル が健全で、構造体コンクリートと下地モルタル間に浮きが発生している場合に用いる工法である。

4. 注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法は、構造体コンクリートと下地モルタル間に浮きがなく、タイル陶片のみに浮きが発生している場合に用いる工法である。

答え

  2
赤外線装置法は、建物の外壁タイルやモルタル仕上げの壁面において、浮き部と健全部の熱伝導の違いによって生じる表面の温度差を赤外線画像装置により測定して、浮き部を検出する方法で、撮影時の環境温度、壁面が受ける日射強度及び日射の蓄積時間、季節、天候、時刻、気温などの影響を受ける

1 ◯
打診法は、打診用ハンマーなどを用いてタイル張り壁面を打撃して、反発音の違いから浮きの有無を調査する方法である。

3 ◯
アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法は、1箇所の浮き面積が 0.25 m2 未満の浮きに対する工法である。1箇所の浮き面積が 0.25 m2 以上の浮きにはアンカーピンニング全面エポキシ樹脂を使用する。

4 ◯
注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法は、タイル陶片の浮きに適用する唯一の工法で、無振動ドリルの注入口付アンカーピンの開発によって可能になった工法である。タイルの中心に穿孔するので、小口タイル以上の大きさのタイルの浮きの補修に適した工法である。

1級建築施工管理技士 平成30年 学科 問題5解説

平成30年 1級建築施工管理技士 学科 問題5 解答解説

問題番号[ No.46 ] ~[ No.50 ] までの 5 問題は、全問題を解答してください。
[ No. 46 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 塗料や溶剤等の保管場所は、管理をしやすくするため、資材倉庫の一画を不燃材料で間仕切り、設ける計画とした。
2. ガスボンベ類の貯蔵小屋は、壁の1面を開口とし、他の3面は上部に開口部を設ける計画とした。
3. 工事で発生した残材を、やむを得ず高所から投下するので、ダストシュートを設ける計画とした。
4. 仮囲いは、工事現場の周辺や工事の状況により危害防止上支障がないので、設けない計画とした。

答え

  1
可燃性材料の保管については、次の通りに定めている。(JASS18)
①不燃材料で造った独立した平家建とし、周囲の建物から規定された間隔を確保する。
②屋根は軽量な不燃材料で葺き、天井は設けない。
③建物内の置き場は、耐火構造の室を選ぶ。
④床には、不浸透性の材料を敷く。
⑤消火に有効な消火器や消火砂等を備える。
⑥十分換気を図る。
⑦窓及び出入口には、消火設備を設ける。
⑧出入口には戸締りを設け、「塗装置場」や「火気厳禁」の表示をする。
2 ◯
通気をよくするために、小屋の一面は開口とし、他の三面は上部に開口部を設ける。(JASS2)
3 ◯
建築工事等において工事現場の境界線からの水平距離が 5m以内で、かつ、地盤面からの高さが 3m以上の場所からくず、ごみその他飛散するおそれのある物を投下する場合においては、ダストシュートを用いる等当該くず、ごみ等が工事現場の周辺に飛散することを防止するための措置を講じなければならないと規定されている。(建築基準法施行令第136条の5第1項)
4 ◯
建築基準法施行令第136条の2の20の仮囲いの規定内に「工事現場の周辺若しくは工事の状況により危害防止上支障がない場合においては、この限りでない」とある。

[ No. 47 ]
仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 工事用の動力負荷は、工程表に基づいた電力量山積みの 60 % を実負荷とする計画とした。
2.  溶接用ケーブル以外の屋外に使用する移動電線で、使用電圧が 300 V 以下のものは、1種キャブタイヤケーブルを使用する計画とした。
3.  仮設の給水設備において、工事事務所の使用水量は、50 リットル/人・日を見込む計画とした。
4. 仮設の照明設備において、普通の作業を行う作業面の照度は、150 ルクス以上とする計画とした。

答え

  2
一般に使用電圧が低圧の300V以下で、溶接用ケーブル以外の屋外に使用する移動電線は、1種以外のキャプタイヤケーブルを使用する。(電気設備の技術基準の解釈第8条)
1 ◯
工事用の動力負荷は、工程表に基づいた電力量山積みの 60%を実負荷として計画する。
3 ◯
仮設の給水設備において、工事事務所の使用水量は、40〜50 ℓ/人・日を目安とする。
4 ◯
労働者の常時就業させる場所の作業面の照度は作業区分に応じて維持する。なお、普通の作業では 150 lx以上とする。

[ No. 48 ]
5階建鉄筋コンクリート造建築物の解体工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 搬出するアスファルト・コンクリート塊及び建設発生木材の重量の合計が 200 t であったため、再生資源利用促進計画を作成しないこととした。
2. 検討用作業荷重は、振動、衝撃を考慮して、解体重機とコンクリート塊の荷重を 1.3 倍程度に割り増すこととした。
3. 転倒による解体工法の場合は、倒す壁の大きさや重量に応じて、解体する部材の大きさを検討し、倒壊時の振動を規制値以内に収めることとした。
4. 解体重機やコンクリート塊を同一の床上に長期間置くので、検討用作業荷重と固定荷重による各部の応力度は、長期許容応力度以下に収めることとした。

答え

  1
建設業に属する事業を行う者の指定副産物に係る再生資源の利用の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令第7条第1項第ニ号に、再生資源利用促進計画を作成しなければならないものとして、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊または建設発生木材であって、これらの重要の合計が200 t以上であるものと規定がある。
2 ◯
検討用作業荷重は、振動、衝撃を考慮して、解体重機とコンクリート塊の荷重を 1.3倍程度に割り増す
3 ◯
転倒による解体工法の場合、倒す壁の大きさや重量に応じて、解体する部材の大きさを検討し、倒壊時の振動を規制値以内に収める
4 ◯
解体重機やコンクリート塊を同一の床上に長期間置く場合、検討用作業荷重と固定荷重による各部の応力度は、長期許容応力度以下に収める

[ No. 49 ]
鉄筋コンクリート造の躯体改修工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 柱のコンクリートが鉄筋位置まで中性化していたため、浸透性アルカリ性付与材を塗布することとした。
2.  コンクリートのひび割れ幅が 1.0 mm を超えていたが、挙動しないひび割れであったため、 シール工法を用いることとした。
3. コンクリート表面の欠損深さが 30 mm 以下であったため、ポリマーセメントモルタルによる充填工法を用いることとした。
4. コンクリートの欠損部から露出している鉄筋は、周囲のコンクリートをはつり取り、錆を除去した後に防錆剤を塗布することとした。

答え

  2
コンクリートの表面ひび割れ幅が 1.0mmを超え、挙動しないひび割れ部は、Uカットシール材充填工法で可とう性エポキシ樹脂を使用する。
1 ◯
柱のコンクリートが鉄筋位置まで中性化している場合は、浸透性アルカリ性付与材を塗布する。
3 ◯
最大仕上げ厚さが 30mm程度以下の場合は、ポリマーセメントモルタル充填工法を用いる。
4 ◯
コンクリートの欠損部から露出している鉄筋は、周囲のコンクリートをはつり、ワイヤーブラシなどでケレンを行い錆を除去した後に防錆剤を塗布する。

[ No. 50 ]
鉄筋コンクリート造建築物の仕上げ改修工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 既存アスファルト防水層を存置する防水改修工事において、ルーフドレン周囲の既存防水層は、ルーフドレン端部から 150mm までの範囲を四角形に撤去することとした。
2. モザイクタイル張り外壁の改修工事において、タイルの浮きやはく落が見られたため、繊維ネット及びアンカーピンを併用した外壁複合改修工法を用いることとした。
3. 塗り仕上げの外壁改修工事において、広範囲の既存塗膜と素地の脆弱部を除去する必要があるため、高圧水洗工法を用いることとした。
4. かぶせ工法によるアルミニウム製建具の改修工事において、既存鋼製建具の枠の厚さが1.2 mmであったため、既存枠を補強することとした。

答え

  1
既存コンクリート保護層を撤去し、防水層を撤去しないでアスファルト保護防水密着工法を行う場合、ルーフドレンの周囲の既存防水層は、ルーフドレン端部から300mm程度まで四角形に撤去する。(建築改修工事管理指針)
2 ◯
モザイクタイル張り外壁の改修工事において、タイルの浮きやはく落が見られる場合は、繊維ネット及びアンカーピンを併用した外壁複合改修工法を用いる。
3 ◯
塗り仕上げの外壁改修工事において、劣化の著しい既存塗膜の除去や素地の脆弱部分の撤去には、高圧水洗工法を用いる。
4 ◯
かぶせ工法によるアルミニウム製建具の改修工事において、既存鋼製建具の枠の厚さが1.3mm以上残っていることを確認し、既存建具の枠を残してその上から新規建具を取り付ける。枠の厚さが1.3mm未満の場合は、補強材で補強する

1級建築施工管理技士 平成30年 学科 問題6解説

平成30年 1級建築施工管理技士 学科 問題6 解答解説

問題番号[ No.51 ] ~[ No.70 ] までの 20 問題は、全問題を解答してください。

[ No. 51 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. ALC パネルは、平積みとし、1段の積上げ高さは 1.5 m以下とし2段までとする。

2. 砂付ストレッチルーフィングは、屋内の乾燥した場所に、砂の付いていない部分を上にして縦置きとする。

3. ロール状に巻いたカーペットは、屋内の乾燥した平坦な場所に、2段程度の俵積みとする。

4. 木製建具は、取付け工事直前に搬入するものとし、障子や襖は縦置き、フラッシュ戸は平積みとする。

答え

  1
ALC板は、パネルに反り、ねじれ、ひび割れ等の損傷が生じやすいので、保管場所は原則として室内とし、台木を水平に置き、水平で乾燥した場所を選び、角材を2本置いて、その上に整理して積み重ねる。積み上げ高さは1単位(1段)を1.0m以下とし2段までとする。

2 ◯
砂付ストレッチルーフィングは、接着不良とならないように砂の付いていないラップ部分(張付け時の重ねの部分)を上に向けて縦置きとし、ラップ部分の保護のため2段積みは行わない。

3 ◯
ロールカーペットの保管場所は、直射日光や湿気による変色や汚れ防止のため屋内とし、乾燥した平坦な床の上に縦置きせず、必ず横に倒して、2〜3段までの俵積みで保管する。

4 ◯
木製建具は、取付け工事直前に搬入し、障子や襖は縦置き、フラッシュ戸は平積みとする。

[ No. 52 ]
建設業者が作成する建設工事の記録等に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 監理者の立会いのうえ施工するものと設計図書で指定された工事において、監理者の指示により立会いなく施工する場合は、工事写真などの記録を整備して監理者に提出することとした。

2. 工事施工により近隣建物への影響が予想される場合は、近隣住民など利害関係者立会いのもと、現状の建物の写真記録をとることとした。

3. 設計図書に定められた品質が証明されていない材料は、現場内への搬入後に試験を行い、 記録を整備することとした。

4. 既製コンクリート杭工事の施工サイクルタイム記録、電流計や根固め液の記録等は、発注者から直接建設工事を請け負った建設業者が保存する期間を定め、当該期間保存すること とした。

答え

  3
材料、部材、部品で設計図書に適合しないものや、適合していてもそれを証明するものがない場合は、工事現場に搬入してはならない。(JASS1)

1 ◯
監理者の立会いのうえ施工するものと指定された工事で、監理者の都合により適切な時期に立会いができない場合には、その後の工程に支障をきたすので、監理者の立会いを受けることなく施工を行うことができるとしている。ただし、この場合は施工を適切に行ったことを証明する記録を整備し、監理者の求めに応じ提出する。(建築工事監理指針)

2 ◯
工事施工により近隣建物への影響が予想される場合は、近隣住民など利害関係者立会いのもと、現状の建物の写真記録をとる。

4 ◯
既成コンクリート杭工事の施工サイクルタイム記録、電流計や根固め液の記録等は、発注者から直接建設工事を請け負った建設業者が保存する期間を定め、当該期間保存する

[ No. 53 ]
突貫工事になると工事原価が急増する原因として、最も不適当なものはどれか。

1. 材料の手配が施工量の急増に間に合わず、労務の手待ちが生じること。

2. 1日の施工量の増加に伴い、労務費が施工量に比例して増加すること。

3. 一交代から二交代、三交代へと1日の作業交代数の増加に伴う現場経費が増加すること。

4. 型枠支保工材、コンクリート型枠等の使用量が、施工量に比例的でなく急増すること。

答え

  2
作業を急激に進めることから、材料を入れるタイミングで労務費が施工量に比例して増加するものではない

1 ◯
作業を急激に進めることから、材料をタイミングよく入れないと、早く入れすぎて施工の邪魔になったり、遅く入れて労務の手待ちた生じたりする

3 ◯
一交代から二交代へと1日の作業交代数の増加により現場経費等の固定費が増加するため、工事原価が急増する原因となる。

4 ◯
型枠等の消耗役務材料の使用量は、型枠材や支保工材の転用回数等の減少により、施工量に比例的でなく急増する

[ No. 54 ]
工程計画及び工程管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 算出した工期が指定工期を超える場合は、作業日数を短縮するため、クリティカルパス上の作業について、作業方法の変更や作業員の増員等を検討する。

2. 工程計画の立案には、大別して積上方式と割付方式とがあり、工期が制約されている場合は、割付方式で検討することが多い。

3. 工事に投入する作業員、施工機械、資機材などの量が一定の量を超えないように山崩しを行うと、工期を短縮できる。

4. 工程計画において、山均しは、作業員、施工機械、資機材などの投入量の均等化を図る場合に用いる。

答え

  3
山積工程表における山崩しは、人員、機械、資材の量を考慮して、労働者の投入人数などをなるべく一定にし、バランスの取れた経済的な工程計画にするものであり、工期短縮に用いる手法ではない

1 ◯
算出した工期が指定工期を超える場合は、クリティカルパス上に位置する作業を中心に、作業方法の変更、作業員の増員、工事用機械の台数や機種の変更などによる作業日数の短縮を検討する。

2 ◯
工期が指定され、工事内容が比較的容易で、また施工実績や経験が多い工事の場合は、各工程に所要日数を割り当てる割付方式が多く用いられる。積上方式は、工事内容が複雑な場合や施工実績や経験が少ない工事の場合に多く用いられる。

4 ◯
工程計画において、労務、資機材等の山積み工程を考え、効果的な労務、資機材の活用のために山均しによる平準化を行う

[ No. 55 ]
タクト手法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 作業を繰り返し行うことによる習熟効果によって生産性が向上するため、工事途中でのタクト期間の短縮又は作業者数の削減をすることができる。

2. 設定したタクト期間では終わることができない一部の作業については、当該作業の作業期間をタクト期間の整数倍に設定する。

3. 各作業は独立して行われるので、1つの作業に遅れがあってもタクトを構成する工程全体への影響は小さい。

4. 一連の作業は同一の日程で行われ、次の工区へ移動することになるので、各工程は切れ目なく実施できる。

答え

  3
各作業の進捗が密接に関連しているため、1つの作業の遅れはタクトを構成する工程全体に大きな影響を与える。

1 ◯
作業を繰り返し行うことによって習熟効果が得られ生産性が向上するため、工事途中でのタクト期間の短縮または作業者数の削減が可能となる。

2 ◯
設定したタクト期間では終わることができない一部の作業の場合、作業期間をタクト期間の2倍または3倍に設定することによって、切れ目のない工程を編成することができる。

4 ◯
一連の作業は同一の日程で行われ、各作業が工区を順々に移動することになるので、切れ目のない工程を編成することができる

[ No. 56 ]
ネットワーク工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.トータルフロートは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早終了時刻(EFT)を差し引いて求められる。

2. ディペンデントフロートは、後続作業のトータルフロートに影響を与えるフロートである。

3. クリティカルパス以外の作業でも、フロートを使い切ってしまうとクリティカルパスになる。

4. フリーフロートは、その作業の中で使い切ってしまうと後続作業のフリーフロートに影響を与える。

答え

  4
フリーフロート(自由余裕時間)は、作業の中で自由に使っても、後続する作業に全く影響を及ぼさないで消費できる余裕時間のこと。

1 ◯
トータルフロートは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早終了時刻(EFT)を差し引いて求められる。最遅終了時刻(LFT)とは、工期に影響を与えない範囲で当該作業を終了し得る最も遅い時刻であり、最早終了時刻(EFT)とは、当該作業を終了し得る最も早い時刻である。

2 ◯
ディペンデントフロートは、後続作業のトータルフロートに影響を及ぼすようなフロートである。言い換えるとディペンデントフロートは使わずにとっておけば、後続する他の工程でその分を使用できるフロートであり、フリーフロートはその作業についてだけしか使えないフロートで、ため込みがきかないものである。

3 ◯
クリティカルパス以外の作業でも、その作業または経路上の作業においてフロートを使い切ってしまえば、クリティカルパスとなる

[ No. 57 ]
品質管理に関する記述として、最も適当なものはどれか。

1. 品質管理は、品質計画の目標のレベルにかかわらずち密な管理を行う。

2. 品質管理は、計画段階よりも施工段階で施工情報を検討する方がより効率的である。

3. 品質確保のための作業標準が計画できたら、作業がそのとおり行われているかどうかの管理に重点をおく。

4. 品質の目標値を大幅に上回る品質が確保されていれば、優れた品質管理といえる。

答え

  3
適切な作業標準(工程)が計画できたら、作業がその通り(工程通り、計画通り)行われているかを管理する。

1 ×
品質管理は、品質管理の目標のレベルに見合った管理を行う。緻密な管理を行うことは、工期、コストの面から、必ずしも優れた品質管理とはいえない。

2 ×
品質に与える影響の大きい前段階や生産工程の上流にできるだけ手を打つことを上流管理または川上管理といい、計画段階で検討するほうがより効果的である。

4 ×
品質の目標値を大幅に上回る品質が確保されている場合、過剰品質として工期、コストの面から優れた品質管理とはいえない

[ No. 58 ]
品質管理の用語に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 誤差とは、試験結果又は測定結果の期待値から真の値を引いた値のことである。

2. 目標値とは、仕様書で述べられる、望ましい又は基準となる特性の値のことである。

3. 不適合とは、要求事項を満たしていないことである。

4. トレーサビリティとは、対象の履歴、適用又は所在を追跡できることである。

答え

  1
誤差とは、試験結果または測定結果から真の値を引いた値であり、試験結果または測定結果の期待値から真の値を引いた差は、かたよりである。

2 ◯
目標値とは、仕様書上目標となる、または基準となる特性の値のことである。

3 ◯
不適合とは、規定要求事項を満たしていないことである。

4 ◯
トレーサビリティとは、考慮の対象となっているものの履歴、適用又は所在を追跡できることである。製品に問題があった場合、その製品の履歴を追求することにより、どの段階での問題かを限定する際に必要な機能である。

[ No. 59 ]
建築施工の品質を確保するための管理値に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 鉄骨柱据付け面となるベースモルタル天端の高さの管理許容差は、± 3 mm とした。

2. 硬質吹付けウレタンフォーム断熱材の吹付け厚さの許容差を、 ± 5 mm とした。

3. 鉄骨梁の製品検査において、梁の長さの管理許容差は、± 3 mmとした。

4. 化粧打放しコンクリート仕上げ壁面の仕上がり平坦さを、3m につき 7mm 以下とした。

答え

  2
作業者は吹付け作業中ワイヤーゲージ等を用いて随時厚みを測定する。吹付け厚さの許容誤差は0から+10mmとする。(建築工事監理指針)

1 ◯
鉄骨柱据付け面となるベースモルタル天端の高さの管理許容差は、±3mm、限界許容差は ±5mmとする。(JASS6)

3 ◯
鉄骨梁の製品検査で梁の長さの管理許容差は、±3mm、限界許容差は ±5mmとする。(JASS6)

4 ◯
コンクリートの仕上がりの平坦さについては、コンクリートが見え掛りとなる場合、または仕上げ厚さが極めて薄い場合、その他良好な表面状態が必要な場合、3mにつき 7mm以下を標準とする。

[ No. 60 ]
品質管理における検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 無試験検査は、工程が安定状態にあり、品質状況が定期的に確認でき、そのまま次工程に流しても損失は問題にならない場合に適用される。

2. 間接検査は、購入者側が受入検査を行うことによって、供給者側の試験を省略する検査である。

3. 非破壊検査は、品物を試験してもその商品価値が変わらない検査である。

4. 全数検査は、工程の品質状況が悪く継続的に不良率が大きく、決められた品質水準に修正しなければならない場合に適用される。

答え

  2
間接検査は、供給者の検査システム及び提出された検査結果を評価し、試験することによる合否判定検査をいう。(JIS Z 8101-2)購入検査で、供給者が行った検査結果を必要に応じて確認することによって購入者の試験を省略し、実際の製品の直接的な検査を避ける

1 ◯
無試験検査とは、品質情報・技術情報などに基づいて、サンプルの試験を省略できる検査をいう。検査なしで次の工程に流すものでり、一般に次のような場合に適用する。

①管理図に異常がなく製造工程が安定状態にあり、そのまま次工程に流しても損失は問題にならない状態の場合、ロットの試験を省略する。
②JIS指定商品等、品質保障のある商品の場合、購入検査を省略する。
③長期にわたって検査結果が良く、使用実績も良好な品物の受入検査の場合、供給者の検査成績表の確認によってサンプルの試験を省略する間接検査に切り替える。

3 ◯
非破壊検査は、超音波探傷試験など対象物を破壊しない方法で行う検査である。

4 ◯
全数検査は、選定された特性についての、対象とするグループ内すべてのアイテムに対する検査をいう。アイテムとは、別々に、記述及び検討することができるものをいう。(JIS Z8101-2)
工程の品質状況が悪く継続的に不良率が大きい場合、あらかじめ決めた品質水準に達しない時は、全数検査とする。

[ No. 61 ]
鉄筋のガス圧接工事の試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 外観検査は、圧接部のふくらみの直径及び長さ、鉄筋中心軸の偏心量、折曲がりなどについて行った。

2. 超音波探傷試験における抜取検査ロットの大きさは、1組の作業班が1日に施工した圧接箇所とした。

3. 超音波探傷試験の抜取検査は、1検査ロットに対して無作為に3か所抽出して行った。

4. 超音波探傷試験による抜取検査で不合格となったロットについては、試験されていない残り全数に対して超音波探傷試験を行った。

答え

  3
抜取検査の超音波探傷試験の箇所数は、1検査ロットに対し30箇所とする。1検査ロットに対して3箇所行うのは、破壊検査である引張り試験である。(公共建築工事仕様書)

1 ◯
外観検査は、①圧接部のふくらみの直径、②ふくらみの長さ、③圧接面のずれ、④軸心のずれ、⑤圧接部の折れ曲がり等について行う。(公共建築工事標準仕様書)

2 ◯
超音波探傷試験における抜取検査の1検査ロットは、1作業班が1日に行った箇所数とする。(公共建築工事標準仕様書)

4 ◯
超音波探傷試験による抜取検査で不合格となったロットは、圧接方法、圧接機などに何らかの欠陥要因があるものと考えられる。不合格になった原因を確かめるとともに同じロットの残り全数の圧接部について欠陥がないか超音波探傷試験を行う。(公共建築工事標準仕様書)

[ No. 62 ]
壁面の陶磁器質タイル張り工事における試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 有機系接着剤によるタイル後張り工法において、引張接着力試験は、タイル張り施工後、2週間経過してから行った。

2. セメントモルタルによるタイル後張り工法において、引張接着力試験に先立ち、試験体周辺部をコンクリート面まで切断した。

3. 引張接着力試験の試験体の個数は、300 m2ごと及びその端数につき1個以上とした。

4. 二丁掛けタイルの引張接着力試験の試験体は、タイルを小口平の大きさに切断して行った。

答え

  3
引張接着力試験の試験体の箇所数は、3個以上、かつ、100m2ごとまたはその端数につき1個以上が必要である。

1 ◯
引張接着力試験は、タイル張り施工後2週間以上経過した時点で行う。(JASS19)

2 ◯
試験体は、タイルの周辺をカッターでコンクリート面まで切断したものとする。タイルのはく落がタイルだけでなく下地モルタルから起こることが多いので、この部分まで試験する必要がある。

4 ◯
二丁掛け等小口タイル以上の大きさのタイルは、力のかかり方が局部に集中して正しい結果が得られないことがあるので、小口平程度の大きさに切断する必要がある。

[ No. 63 ]
解体工事における振動・騒音対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 現場の周辺地域における許容騒音レベルの範囲内に騒音を抑えるために、外部足場に防音養生パネルを設置した。

2. 振動対策として、壁などを転倒解体する際に、床部分に、先行した解体工事で発生したガラを敷きクッション材として利用した。

3. 内部スパン周りを先に解体し、外周スパンを最後まで残すことにより、解体する予定の構造物を遮音壁として利用した。

4. 測定器の指示値が周期的に変動したため、変動ごとに指示値の最大値と最小値の平均を求め、そのなかの最大の値を振動レベルとした。

答え

  4
特定工場等において発生する騒音の規制に関する基準第1条1項により、騒音の大きさの決定は、騒音計の指示値が周期的または間欠的に変動し、その指示値の最大値が一定でない場合は、その変動ごとの指示値の最大値の90%レンジの上端の数値とする。

1 ◯
騒音防止や粉塵飛散防止を目的に、防音パネルまたは防音シートを使用する。さらに防音パネルの落下防止のために防音パネル上からネット養生を行うこともある。

2 ◯
振動防止のための効果的な養生はあまりないが、振動対策として、壁などを転倒解体する際、床部分に先行した解体工事で発生したガラを敷きクッション材として利用すると振動が軽減できる。

3 ◯
解体工事における手作業・機械作用の併用作業の流れとして、内装材および内側スパンの構造体を撤去した後、外装材、上部構造部材の解体を行う。解体する予定の構造物を遮音壁として利用することは振動・騒音対策に有効である。

[ No. 64 ]
次に示すイ〜ニの災害を、平成28年の建築工事における死亡災害の発生件数の多い順から並べた組合せとして、適当なものはどれか。

(災害の種類)
イ.建設機械等による災害
ロ.墜落による災害
ハ.電気、爆発火災等による災害
ニ.飛来、落下による災害
1.    イ    ロ    ニ    ハ
2.    ロ    イ    ニ    ハ
3.    イ    ハ    ロ    ニ
4.    ロ    ハ    イ    ニ

答え

  2
平成28年建設業における死亡災害の工事の種類・災害の種類別発生状況(建設業労働災害防止協会)によれば、平成28年の建築工事における死亡災害を発生件数の多い順に並べると、ロの墜落による災害が85件(平成29年は81件)、イの建設機械等による災害が11件(同8件)、ニの飛来、落下による災害が8件(同8件)、ハの電気、爆発火災等による災害が4件(同0件)となっており、2のロイニハが正しかったが、平成29年のデータではイとニが同数となる。

[ No. 65 ]
市街地の建築工事における公衆災害防止対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 工事現場内の表土がむきだしになることによる土埃の発生のおそれがあるため、十分散水し、シートで覆いをかけた。

2. 落下物による危害を防止するため、道路管理者及び所轄警察署長の許可を受けて、防護棚を道路上空に設けた。

3. 工事現場の境界に接している荷受け構台には、落下物による危害を防止するために手すりを設けたので、幅木は省略した。

4. 落下物による危害を防止するために足場の外側に設けた工事用シートは、日本工業規格(JIS)で定められた建築工事用シートの1類を使用した。

答え

  3
施工者は、荷受け構台が工事現場の境界に近接している場合には、構台の周辺に手すりや幅木を設ける等落下物による危害を防止するための設備を設けなければならない。幅木は省略できない。(建設工事公衆災害防止対策要綱)

1 ◯
工事現場内の表土がむきだしになることによる土埃の発生のおそれがある場合は、十分散水し、シートで覆いをかけ、適切な養生を施さなければならない

2 ◯
施工者は、防護棚を道路上空に設ける場合には、道路管理者及び所轄警察署長の許可を受けなければならない。(建築工事公衆災害防止対策要綱)

4 ◯
飛来落下物の防護や塗装、粉塵などの飛散防止のため、工事現場の周囲その他危害防止上の必要な部分は、ネット類またはシート類で覆う等の措置を講じなければならない。なお建築工事用シートは、帆布製のものと網地製(メッシュシート)の2種類があり、JIS A8952に規定された1類は、シートだけで落下物による危害防止に使用されるものである。

[ No. 66 ]
作業主任者の職務として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。

1. 地山の掘削作業主任者として、作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

2. 石綿作業主任者として、周辺住民の健康障害を予防するため、敷地境界での計測を定期的に行うこと。

3. 土止め支保工作業主任者として、材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。

4. はい作業主任者として、はい作業をする箇所を通行する労働者を安全に通行させるため、その者に必要な事項を指示すること。

答え

  2
石綿作業主任者の職務として、石綿障害予防規則第20条第一号に作業に従事する労働者が石綿等の粉じんにより汚染され、またはこれらを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること、同条第ニ号に局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置その他労働者が健康障害を受けることを予防するための装置を1月を超えない期間ごとに点検すること、同条第三号に保護具の使用状況を監視することが規定されているが、周辺住民の健康障害を予防するため、敷地境界での計測を定期的に行うことは規定されていない

1 ◯
地山の掘削作業主任者の職務は、作業の方法を決定し、作業を直接指揮することと規定がある。(労働安全衛生規則第360条第一号)

3 ◯
土止め支保工作業主任者の職務として、材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くことが規定されている。(労働安全衛生規則第375条第二号)

4 ◯
はい作業主任者の職務として、労働安全衛生規則第429条第三号に、当該作業を行う箇所を通行する労働者を安全に通行させるため、その者に必要な事項を指示することと規定がある。

[ No. 67 ]
足場に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 単管足場において、建地を鋼管2本組とする部分は、建地の最高部から測って 31m を超える部分とした。

2. 単管足場における建地の間隔は、けた行方向を 1.85m 以下、はり間方向を1.5m 以下とした。

3. 枠組足場における高さ 2 m 以上に設ける作業床は、床材と建地とのすき間を12 cm 未満とした。

4. 高さが 20 m を超える枠組足場の主枠間の間隔は、 2 m以下とした。

答え

  4
高さが20mを超えるとき及び重量物の積載を伴う作業を行うときは、使用する主枠は、高さ2m以下のものとし、かつ、主枠間の間隔は 1.85m以下とすることと規定がある。(労働安全衛生規則第571条第1項第七号)

1 ◯
単管足場において、建地の最高部から測って 31m を超える部分の建地は、鋼管2本組とすることと規定されている。(労働安全衛生規則第571条第1項第三号)

2 ◯
単管足場における建地の間隔は、けた行方向を 1.85m 以下、はり間方向を1.5m 以下とすることと規定されている。(労働安全衛生規則第571条第1項第一号)

3 ◯
床材と建地とのすき間は12 cm 未満とすることと規定がある。(労働安全衛生規則第563条第1項第二号ハ)

[ No. 68 ]
「労働安全衛生規則」上、事業者が、作業を行う区域内に関係労働者以外の労働者の立入りを禁止しなければならないものはどれか。

1. 高さが2m の足場の組立ての作業

2. 高さが3m の鉄骨造建築物の組立ての作業

3. 高さが4m のコンクリート造建築物の解体の作業

4. 軒の高さが5m の木造建築物の解体の作業

答え

  1
労働安全衛生規則第564条第1項に、事業者は、つり足場、張出し足場または高さが 2m以上の構造の足場の組立て、解体または変更の作業を行うときは、措置を講じなければならないとあり、同規則同条同項ニ号に、組立て、解体または変更の作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止することと規定されている。

[ No. 69 ]
ゴンドラに関する記述として、「ゴンドラ安全規則」上、誤っているものはどれか。

1. ゴンドラの操作の業務に労働者をつかせるときは、当該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。

2. つり下げのためのワイヤロープが2本のゴンドラでは、安全帯をゴンドラに取り付けて作業を行うことができる。

3. ゴンドラの検査証の有効期間は2年であり、保管状況が良好であれば1年を超えない範囲内で延長することができる。

4. ゴンドラを使用する作業を、操作を行う者に単独で行わせる場合は、操作の合図を定めなくてもよい。

答え

  3
検査証の有効期間は、1年とする。(ゴンドラ安全規則第9条第1項)ただし、同条第2項に、製造検査または使用検査を受けた後設置されていないゴンドラで、その間の保管状況が良好であると都道府県労働局長が認めたものについては、当該ゴンドラの検査証の有効期間を製造検査または使用検査の日から起算して2年を超えず、かつ、当該ゴンドラを設置した日から起算して1年を超えない範囲内で延長することができるとされている。

1 ◯
事業者は、ゴンドラの操作の業務に労働者をつかせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。(ゴンドラ安全規則第12条)

2 ◯
ゴンドラ安全規則第17条に、事業者は、ゴンドラの作業床において作業を行うときは、当該作業を行う労働者に安全帯その他の命綱を使用させなければならないと規定があり、同条第2項には、つり下げのためのワイヤロープが1本であるあるゴンドラの規定がある。
※労働安全衛生規則の改正(2025年2月1日施行)により、安全帯の名称は墜落制止用器具となる。

4 ◯
事業者は、ゴンドラを使用して作業を行うときは、ゴンドラの操作について一定の合図を定め、合図を行う者を指名して、その者に合図を行わせなければならない。ただし、ゴンドラを操作する者に単独で作業を行わせる時は、この限りではいと規定されている。(ゴンドラ安全規則第16条第1項)

[ No. 70 ]
工具とその携帯に関する規定のある法律の組合せとして、誤っているものはどれか。

1. ガス式ピン打ち機
ー  火薬類取締法

2. ガラス切り
ー  軽犯罪法

3. 作用する部分の幅が2 cm 以上で長さが 24 cm 以上のバール
ー 特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律

(ピッキング防止法)
4.  刃体の長さが 8 cm を超えるカッターナイフ
ー 銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)

答え

  1
ガス式ピン打ち機は、銃砲刀剣類所持等取締法第2条の空気銃(圧縮した気体を使用して弾丸を発射する機能を有する銃のうち、内閣府令で定めるところにより測定した弾丸の運動エネルギーの値が、人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上となるものをいう)に相当する。

2 ◯
軽犯罪法第1条第三号に、ガラス切りその他他人の邸宅または建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者は、拘留または科料に処するとある。

3 ◯
特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律第2条第三号の政令で定める工具として、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律施行令第2条第二号に定められている。

4 ◯
銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)第22条で、何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計った刃体の長さが 6cm を超える刃物を携帯してはならないとある。

1級建築施工管理技士 平成30年 学科 問題7解説

平成30年 1級建築施工管理技士 学科 問題7 解答解説

*問題番号[ No.71 ] ~[ No.82 ] までの 12 問題のうちから、8 問題を選択し、解答してください。
[ No. 71 ]
次の記述のうち、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1. 床面積の合計が 10 m2 を超える建築物を除却しようとする場合においては、原則として、 当該除却工事の施工者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
2. 避難施設等に関する工事を含む建築物の完了検査を受けようとする建築主は、建築主事が検査の申請を受理した日から7日を経過したときは、検査済証の交付を受ける前であっても、仮に、当該建築物を使用することができる。
3. 鉄筋コンクリート造3階建共同住宅の3階の床及びこれを支持する梁に鉄筋を配置する工事の工程は、中間検査の申請が必要な特定工程である。
4. 木造3階建の戸建て住宅を、大規模の修繕をしようとする場合においては、確認済証の交付を受けなければならない。

答え

  3
鉄筋コンクリート造その他これに類する構造の官庁中間検査の特定工程は2階床及びこれを支持する梁に鉄筋を配置する工事である。(建築基準法第7条の3第1項)
1 ◯
建築主が建築物を建築しようとする場合または建築物の除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合においては、これらの者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該建築物または当該工事に係る部分の床面積の合計が10m2以内である場合においては、この限りでない。(建築基準法第15条第1項)
2 ◯
避難施設等に関する工事を含む建築物の完了検査を受けようとする建築主は、建築主事が検査の申請を受理した日から7日を経過したときは、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物を使用し、または使用させることができる。(建築基準法第7条の6第1項)
4 ◯
木造3階建の戸建て住宅を、大規模の修繕をしようとする場合において、建築主は、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準法関係規定その他建築物の敷地、構造または建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものに適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。(建築基準法第6条第1項)

[ No. 72 ]
次の記述のうち、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1. 建築監視員は、建築物の工事施工者に、当該工事の施工の状況に関する報告を求めることができる。
2. 建築主事は、建築基準法令の規定に違反した建築物に関する工事の請負人に対して、当該工事の施工の停止を命じることができる。
3. 建築主は、延べ面積が 300 m2 を超える鉄骨造の建築物を新築する場合は、一級建築士であ る工事監理者を定めなければならない。
4. 特定行政庁は、飲食店に供する床面積が 100 m2 を超える建築物の劣化が進み、そのまま放 置すれば著しく保安上危険となると認める場合、相当の猶予期限を付けて、所有者に対し除却を勧告することができる。

答え

  2
特定行政庁は、違反建築物の建築主、工事の請負人などに対して当該工事の施工の停止を命じ、または違反を是正するために必要な措置をとることを命じることができる。(建築基準法 第9条 第1項)
1 ◯
建築監視員は、建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、建築材料等を製造した者、工事監理者、工事施工者または建築物に関する調査をした者に、当該工事の施工の状況に関する報告を求めることができる。(建築基準法第12条第5項)
3 ◯
建築主は、延べ面積 300m2 を超える鉄骨造の建築物を新築する場合は、1級建築士である工事監理者を定めなければならない。(建築基準法第5条の6第4項)
4 ◯
特定行政庁は、飲食店に供する床面積が 100 m2 を超える建築物の劣化が進み、そのまま放置すれば著しく保安上危険となると認める場合、相当の猶予期限を付けて、所有者に対し除去等の規定または条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。(建築基準法第9条第1項)

[ No. 73 ]
建築物の内装制限に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1. 自動車車庫の用途に供する特殊建築物は、構造及び床面積に関係なく、原則として、内装制限を受ける。
2. 主要構造部を耐火構造とした学校の1階に設ける調理室は、内装制限を受けない。
3. 内装制限を受ける百貨店の売場から地上に通ずる主たる廊下の室内に面する壁のうち、床面からの高さが 1.2 m 以下の部分は、内装制限を受けない。
4. 主要構造部を耐火構造とした地階に設ける飲食店は、原則として、内装制限を受ける。

答え

  3
居室から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分は、内装制限を受ける。(建築基準法 施行令 第128条の5)
1 ◯
建築基準法第2条第2号に規定されている特殊建築物である自動車車庫は、すべて内装制限を受ける。(建築基準法 第35条の2)
2 ◯
主要構造部を耐火構造として学校の1階に設ける調理室は、内装制限を受けない。建築基準法第35条の2の規定で制限を受けるものは、階数が3以上の建築物に存する調理室である。(建築基準法 施行令第128条の4第4項)
4 ◯
主要構造部を耐火構造とした地階に設ける飲食店は、原則として、内装制限を受ける。(建築基準法 第35条の2)

[ No. 74 ]
建設業の許可に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1. 特定建設業の許可を受けようとする者は、発注者との間の請負契約で、その請負代金の額が 8,000万円以上であるものを履行するに足りる財産的基礎を有していなければならない。
2. 特定建設業の許可を受けようとする建設業のうち、指定建設業は、土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業及び造園工事業の5業種である。
3. 特定建設業の許可を受けた者でなければ、発注者から直接請け負った建設工事を施工するために、建築工事業にあっては下請代金の額の総額が 6,000 万円以上の下請契約を締結してはならない。
4. 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して 10 年の実務の経験を有する者を、 一般建設業の営業所に置く専任の技術者とすることができる。

答え

  2
特定建設業の許可を受けようとする建設業のうち、指定建設業は、土木工事業、建築工事業、電気工事業、菅工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業及び造園工事業の7業種である。(建設業法施行令 第5条の2)
1 ◯
特定建設業の許可を受けようとする者は、発注者との間の請負契約で、その請負代金の額が 8,000万円以上であるものを履行するに足りる財産的基礎を有していなければならない。(建設業法第15条第三号、同法施行令第5条の4)
3 ◯
発注者から直接請け負った建設工事を施工する場合、特定建設業の許可を受けた者で建設業が建築工事業である場合においては、下請代金の額の総額が 6,000万円以上の下請契約を締結してはならない。(建設業法第3条第1項第二号、同法施行令第2条)
4 ◯
一般建設業では、営業所ごとに置かなければならない専任の者は、許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して 10年以上の実務経験を有する者とすることができる。(建設業法第7条第二号ロ)

[ No. 75 ]
請負契約に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1. 請負人は、請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合に、注文者の承諾を得て、現場代理人に関する事項を、情報通信の技術を利用する一定の方法で通知することができる。
2. 特定建設業者は、発注者から直接建築一式工事を請け負った場合に、下請契約の請負代金の総額が 6,000 万円以上になるときは、施工体制台帳を工事現場ごとに備え置き、発注者の閲覧に供しなければならない。
3. 注文者は、請負人に対して、建設工事の施工につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは、あらかじめ注文者の書面等による承諾を得て選定した下請負人である場合であっても、その変更を請求することができる。
4. 注文者は、工事一件の予定価格が 5,000 万円以上である工事の請負契約の方法が随意契約による場合であっても、契約の締結までに建設業者が当該建設工事の見積りをするための期間は、原則として、15 日以上を設けなければならない。

答え

  3
注文者は、請負人に対して、建設工事の施工につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは、その変更を請求することができる。ただし、あらかじめ注文者の書面による承諾を得て選定した下請負人については、この限りでない。(建設業法 第23条第1項)
1 ◯
請負人は、請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合に、注文者の承諾を得て、現場代理人に関する事項を、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する一定の方法で国土交通省令で定めるものにより通知することができるとしている。(建設業法第19条の2第1項、第3項)
2 ◯
特定建設業者が発注者から直接請け負った建設工事が建築一式工事である場合に、下請契約の請負代金の総額が 6,000 万円以上になるときは、作成した施工体制台帳を工事現場ごとに備え置き、発注者から請求があったときはその発注者の閲覧に供しなければならない。(建設業法第24条の7第1項、第3項、同法施行令第7条の4)
4 ◯
建設工事の注文者は、請負契約の方法が随意契約による場合であっては契約を締結する以前に、入札の方法により競争に付する場合にあっては入札を行う以前に、建設業者が当該建設工事の見積りをするために必要な政令で定める一定の期間を設けなければならない。工事一件の予定価格が 5,000 万円以上である工事については、15日以上である。(建設業法第20条第3項、同法施行令第6条第1項三号)

[ No. 76 ]
工事現場に置く技術者に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1. 工事一件の請負代金の額が 5,000万円である事務所の建築一式工事において、工事の施工の技術上の管理をつかさどるものは、工事現場ごとに専任の者でなければならない。
2. 下請負人として建設工事を請け負った建設業者は、下請代金の額にかかわらず、主任技術者を置かなければならない。
3. 専任の主任技術者を必要とする建設工事のうち、密接な関係のある二以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工するものについては、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができる。
4. 専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においても、 その日の前5年以内に行われた国土交通大臣の登録を受けた講習を受講していなければならない。

答え

  1
建設業者は、元請、下請にかかわらず請け負った建設工事を施工するときは、請負金額の大小に関係なく、その工事現場の建設工事施工の技術上の管理をつかさどるものとして主任技術者を置かなければならない。(建設業法第26条第1項)
2 ◯
下請負人として建設工事を請け負った建設業者は、下請代金の額にかかわらず主任技術者を置かなければならない。(建設業法第26条第1項)
3 ◯
専任の主任技術者を置かなければならない工事において、密接な関係のある二以上の工事を同一の建設業者が同一の場所または近接した場所において施工する場合、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができる。(建設業法第26条第3項、同法施行令第27条第2項)
4 ◯
専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においても、 その日の前5年以内に行われた国土交通大臣の登録を受けた講習を受講していなければならない。(建設業法第26条第4項、同法施行規則第17条の14)

[ No. 77 ]
労働契約に関する記述として、「労働基準法」上、誤っているものはどれか。
1. この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効であり、この法律に定められた基準が適用される。
2. 労働契約は、契約期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な契約期間を定めるもののほかは、原則として3年を超える契約期間について締結してはならない。
3. 使用者は、労働者が業務上負傷し、休業する期間とその後 30 日間は、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合でも解雇してはならない。
4. 労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位等について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。

答え

  3
労働基準法の解雇制限により、労働者が業務上負傷した場合は、休業する期間及びその後30日間は解雇してはならない。なお、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合は解雇できる。(労働基準法第19条第1項)
1 ◯
労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となる。無効となった部分は労働基準法に定められた基準による。(労働基準法第13条)
2 ◯
労働契約は、契約期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年を超える契約期間について締結してはならない。(労働基準法第14条)
4 ◯
労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金または退職の事由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。(労働基準法第22条第1項)

[ No. 78 ]
建設業の事業場における安全衛生管理体制に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
1. 統括安全衛生責任者を選任すべき特定元方事業者は、安全衛生責任者を選任しなければならない。
2. 一の場所において鉄骨造の建築物の建設の仕事を行う元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の総数が常時 20人以上 50人未満の場合、店社安全衛生管理者を選任しなければならない。
3. 事業者は、常時 100 人の労働者を使用する事業場では、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。
4. 元方安全衛生管理者は、その事業場に専属の者でなければならない。

答え

  1
事業者は、統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行うものは、安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者との連絡その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。(労働安全衛生法第16条)
2 ◯
店社安全衛生管理者を選任しなければならない労働者数は、労働安全衛生規則第18条の6第1項に、主要構造部が鉄骨造または鉄骨鉄筋コンクリート造である建築物の建設の仕事で、常時 20人以上50人未満と規定されている。
3 ◯
林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業で 100人以上の労働者を使用する場合、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。(労働安全衛生法第10条第1項、同法施行令第2条)
4 ◯
元方安全衛生管理者は、その事業場に専属の者を選任しなければならない。(労働安全衛生規則第18条の3)

[ No. 79 ]
労働者の就業に当たっての措置に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
1. 事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。
2. 事業者は、従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての雇入れ時の安全衛生教育を省略することができる。
3. 事業者は、建設業の事業場において新たに職務に就くこととなった作業主任者に対し、作業方法の決定及び労働者の配置に関する事項について、安全又は衛生のための教育を行わなければならない。
4. 事業者は、中高年齢者については、その者の心身の条件に応じて適正な配置を行うように努めなければならない。

答え

  3
事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくことになった職長その他の作業中の労働者を直接指導または監督する者(作業主任者を除く)に対し、安全または衛生のための教育を行わなければならないと規定があり、作業主任者は除かれている。(労働安全衛生法第60条)
1 ◯
事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。(労働安全衛生法第60条の2第1項)
2 ◯
事業者は、従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項の全部または一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての雇入れ時の安全衛生教育を省略することができる。(労働安全衛生規則第35条第2項)
4 ◯
事業者は、中高年齢者その他労働災害の防止上その就業に当たって特に配慮を必要とする者については、これらの者の心身の条件に応じて適正な配置を行うように努めなければならない。(労働安全衛生法第62条)

[ No. 80 ]
特定建設資材を用いた建築物等の解体工事又は新築工事等のうち、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」上、分別解体等をしなければならない建設工事に該当しないものはどれか。
1. アスファルト・コンクリートの撤去工事であって、請負代金の額が 700 万円の工事
2. 建築物の増築工事であって、当該工事に係る部分の床面積の合計が 500 m2 の工事
3.  建築物の耐震改修工事であって、請負代金の額が 7,000 万円の工事
4. 擁壁の解体工事であって、請負代金の額が 500 万円の工事

答え

  3
建築物の耐震改修工事は分別解体等が義務づけられている建築物の修繕、模様替えに含まれるが、規模の基準の請負代金額は1億円以上であるので、ここでは7,000万円であるため、分別解体等をしなければならない工事には該当しない。(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(以下建設リサイクル法)第9条第3項、同法施工令第2条第1項第三号)
1 ◯
アスファルト・コンクリートの撤去工事であって、請負代金の額が500万円以上の工事であるため、該当する。(建設リサイクル法第9条第3項、同法施行令第2条第1項第四号)
2 ◯
建築物に係る新築または増築の工事については、当該建築物(増築の工事にあっては、当該工事に係る部分に限る。)の床面積の合計が 500 m2 以上であるもに該当する。(建設リサイクル法第9条第3項、同法施行令第2条第1項第二号)
4 ◯
建築物以外のものに係る解体工事または新築工事等については、その請負代金の額が 500 万円以上であるものは、建設工事に該当する。(建設リサイクル法第9条第3項、同法施行令第2条第第四号)

[ No. 81 ]
指定地域内における特定建設作業の実施の届出に関する記述として、「騒音規制法」上、誤っているものはどれか。 ただし、作業はその作業を開始した日に終わらないものとする。
1. 特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、作業の実施の期間や騒音の防止の方法等の事項を、市町村長に届出をしなければならない。
2. 環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が 80 kW 以上のバックホウを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。
3. さく岩機を使用する作業であって、作業地点が連続的に移動し、1日における作業に係る2地点間の距離が 50m を超えない作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。
4. 構台支持杭を打ち込むため、もんけんを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

答え

  4
くい打機の場合、もんけんを使用する作業の場合は、届出をしなくてもよい。(騒音規制法第14条、同法施工令別表第二第一号)
1 ◯
指定地域内において、特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに、環境省令で定めるところにより、
①氏名または名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
②建設工事の目的に係る施設または工作物の種類
③特定建設作業の場所及び実施の期間
④騒音の防止の方法
⑤その他環境省令で定める事項
について、市町村長に届け出なければならない。(騒音規制法第14条第1項)
2 ◯
環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が 80 kW 以上のバックホウを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。(騒音規制法第14条、同法施工令別表第二第六号)
3 ◯
さく岩機を使用する作業において、作業地点が連続的に移動する作業で、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が 50m を超えない作業は、市町村長に実施の届出をしなければならない。(騒音規制法第14条、同法施工令別表第二第三号)

[ No. 82 ]
貨物自動車を使用して、分割できない資材を運搬する際に、「道路交通法」上、当該車両の出発地を管轄する警察署長の許可を必要とするものはどれか。 ただし、貨物自動車は、軽自動車を除くものとする。
1.  荷台の高さが1m の自動車に、高さ 2.4 m の資材を積載して運搬する場合
2.  長さ 11m の自動車に、車体の後ろに1m はみ出す長さ12m の資材を積載して運搬する場合
3.  積載する自動車の幅より、左右に 0.25 mずつはみ出す資材を積載して運搬する場合
4. 資材を看守するため必要な最小限度の人員を、自動車の荷台に乗せる場合

答え

  3
必要とする。積載物の幅の限度は、その自動車の車体の左右からはみ出さないことであるから許可は必要である。(道路交通法施行令22条第四号ロ)
1 × 必要としない
貨物自動車を使用して、分割できない資材を運搬する場合、積載物の高さが 3.8m からその自動車の積載する場所の高さを減じた者以下であるから許可は不要である。(道路交通法第57条第1項、同法施行令22条第三号ハ)
2 × 必要としない
積載物の長さは、自動車の長さにその長さの 1/10 の長さを加えたもの以下であるから許可不要である。(道路交通法第57条第3項、同法施行令22条第三号イ)
4 × 必要としない
車両の運転者は、貨物自動車で貨物を積載している場合、当該貨物を看守するため必要な最小限度の人員をその荷台に乗車させて運転することができる。(道路交通法第55条第1項)

1級建築施工管理技士 令和元年 学科 問題1解説

令和元年 1級建築施工管理技士 学科 問題1 解答解説

問題番号[ No.1 ]〜[ No.15 ]までの 15 問題のうちから、12 問題を選択し、解答してください。

[ No.1 ]
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.室内空気の気流は、0.5 m/s 以下となるようにする。

2.室内空気の二酸化炭素の濃度は、1.0 % 以下となるようにする。

3.室内空気の相対湿度は、40 %以上 70 % 以下となるようにする。

4.室内空気の浮遊粉じんの量は、0.15 mg/m3 以下となるようにする。

答え

 2 ×
室内環境基準において、空気中の二酸化炭素濃度の許容値は、1,000ppm(0.1%)以下と定められている。(建築基準法施行令第129条の2の6第3項)
・二酸化炭素 1,000 ppm以下
・一酸化炭素   10 ppm以下
覚え方「銭湯で屁をする」
(原口氏「スーパー記憶術」より)
また、室内空気の建築物環境衛生管理基準(厚生労働省)には以下のように規定されている。
建築物環境衛生管理基準(厚生労働省)
浮遊粉じんの量 0.15mg/m3以下
一酸化炭素の含有率 100万分の10以下(=10 ppm以下)
二酸化炭素の含有率 100万分の1000以下(=1000 ppm以下
温度(1)17℃以上 28℃以下
(2)居室における温度を外気の温度より低くする場合は、
その差を著しくしないこと。
相対湿度 40%以上 70%以下
気  流 0.5 m/秒以下
ホルムアルデヒドの量 0.1mg/m3以下(0.08ppm以下)

[ No.2 ]
伝熱に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.壁体内の中空層の片面にアルミ箔を貼り付けると、壁体全体の熱抵抗は大きくなる。

2.熱放射は、電磁波による熱移動現象であり、真空中でも生じる。

3.壁体内にある密閉された中空層の熱抵抗は、中空層の厚さに比例する。

4.総合熱伝達率は、対流熱伝達率と放射熱伝達率を合計したものをいう。

答え

 3 ×
1.◯
壁体の熱抵抗は、部材の熱伝導抵抗の和に、中空層の熱伝達抵抗を加えたものとなる。よって中空層内にアルミ箔を貼り付けることで熱抵抗は大きくなる
2.◯
熱放射は物体表面から射出される赤外線(電磁波)によって、熱が移動する現象である。放射による熱の移動には空気は必要ないため、真空中においても放射による熱移動は生じる。太陽の熱は、熱放射により真空の宇宙空間を通って地球に到達している。
3.×
壁の中空層(空気層)の熱抵抗は、中空層の厚さが20〜30mmを超えると、厚さに関係なくほぼ一定となる。
4.◯
対流熱伝達とは、固体表面から空気に熱が移動することである。放射熱伝達とは、空気中や真空中で物体から他の物体に直接熱伝達されることである。総合熱伝達率とは、壁体表面から空気へ伝えられる対流熱伝達率と放射熱伝達率を合計したものである。

[ No.3 ]
採光及び照明に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.均等拡散面上における輝度は、照度と反射率との積に比例する。

2.演色性とは、光がもつ物体の色の再現能力のことで、光の分光分布によって決まる。

3.昼光率とは、全天空照度に対する室内のある点の天空光による照度の比をいう。

4.設計用全天空照度は、快晴の青空のときが薄曇りの日よりも大きな値となる。

答え

 4 ×
1.◯
ある光源が理想的な均等拡散面上における輝度 L [ cd/m2 ]は、反射面の照度 E [ lx ] と、反射率 ρとの積に比例するため、輝度観察方向にかかわらず、次の式で表される。
L = ρ / π・E
2.◯
光源による物体色の見え方を演色性という。演色性は演色評価数で表し、数値が大きいものほど色の見え方に関する光源の特性が自然光に近いことを表す。白熱電球やハロゲン電球は最高値の 100であり演色性がよい。
3.◯
全天空からの直射日光を除く照度を全天空照度といい、昼光率とは屋外の全天空照度に対する室内のある点の天空光による照度の比を百分率で表したものである。
4.×
設計用全天空照度は、快晴の青空のときより、薄曇りの日の値の方が大きい。
設計用全天空照度の覚え方
・快晴 10000 lx
・曇り 30000 lx
・雨   5000 lx
「俳句もサマになる雨の甲子園」
晴 1万、曇3万、雨 5千
(原口氏「スーパー記憶術」より)

[ No.4 ]
積層ゴムを用いた免震構造の建築物に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.水平方向の応答加速度を大きく低減することができるが、上下方向の応答加速度を低減する効果は期待できない。

2.軟弱な地盤に比べ強固な地盤では大地震時の地盤の周期が短くなるため、応答加速度を低減する効果が低下する。

3.免震部材の配置を調整し、上部構造の重心と免震層の剛心を合せることで、ねじれ応答を低減できる。

4.免震層を中間階に設置する場合は、火災に対して積層ゴムを保護する必要がある。

答え

 2 ×
1.◯
積層ゴム(アイソレータ)を用いた免震構造は固有周期が長くなるため、水平方向の応答加速度を低減することができ、建築物に作用する地震力も小さくなる。ただし、免震構造は一般に、水平地震動に効果を発揮するが、上下方向の応答加速度を低減する効果は期待できない
2.×
地盤の周期とは、卓越周期といって、地盤の種類によって異なり、地盤が軟弱なほどその値は長く、岩盤では短くなる。地震時の揺れはその地盤の「卓越周期」と建物の「固有周期」が一致した場合に、「共振」をおこし、建物が揺れが強められる。
それに対して、応答加速度とは、入力振動に対して振動解析に用いる応答スペクトルのファクターであり、応力加速度を低減する効果とは関係はない。
3.◯
重心とはその物体にかかる重力の中心であり、剛心とは建築物に地震のような回転させる力がかかった場合の回転の中心となる位置である。この位置のずれ(偏心距離)が大きいほどゆがみが大きくなる。よって、重心と剛心は、なるべく一致させ、偏心距離を小さくするのが望ましい。免震構造の場合も上部構造の重心と免震層の剛心を極力近づける計画とし、建築物のねじれの悪影響を避けている
4.◯
中間階の免震層に積層免震ゴム(アイソレータ)を用いた場合、アイソレータは柱に設置する。このとき、アイソレータに耐火被覆を施すか、防火区画により免震層に火災が及ばないようにするなどの配慮が必要である。なお、基礎免震の場合は、耐火被覆の必要はない。

[ No.5 ]
鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.柱のせん断補強筋の間隔は、柱の上下端から柱の最大径の 1.5 倍又は最小径の 2倍のいずれか大きい範囲を 100 mm 以下とする。

2.柱及び梁のせん断補強筋は、直径 9 mm 以上の丸鋼又は D 10 以上の異形鉄筋とし、せん断補強筋比は 0.2 % 以上とする。

3.一般の梁で、長期許容応力度で梁の引張鉄筋の断面積が決まる場合、原則として引張鉄筋の断面積はコンクリート断面積の 0.2 % 以上とする。

4.貫通孔の中心間隔は、梁に2個以上の円形の貫通孔を設ける場合、両孔径の平均値の3倍以上とする。

答え

 3 ×
1.◯
柱のせん断補強筋(帯筋)の間隔は、100mm以下とする。ただし、柱の上下端より柱の最大径の1.5倍または最小径の2倍のいずれか大きい方の範囲外では、帯筋間隔を前記数値の1.5倍まで増大することができる。(鉄筋コンクリート構造計算基準)
2.◯
梁、柱のせん断補強筋は軽微な場合を除き、直径 9mm以上の丸鋼、またはD10以上の異形鉄筋を用いる。梁、柱のせん断補強筋(帯筋及びあばら筋)比は 0.2%以上とする。(柱の軸を含むコンクリートの断面の面積に対する帯筋の断面積の和の割合)
3.×
引張鉄筋断面積は、0.004bdまたは存在応力によって必要とされる量の4/3のうち、小さい値以上であるので、コンクリート断面積の 0.4%以上とする。
4.◯
梁に2個以上の貫通孔を設ける場合、孔径は梁せいの 1/3以下とし、孔の中心間隔は孔径の平均値の3倍以上とする。

[ No.6 ]
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. H形鋼は、フランジ及びウェブの幅厚比が大きくなると局部座屈を生じやすい。

2. 角形鋼管柱の内ダイアフラムは、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられる。

3. 部材の引張力によってボルト孔周辺に生じる応力集中の度合は、高力ボルト摩擦接合の場合より普通ボルト接合の方が大きい。

4. H形鋼梁は、荷重や外力に対し、せん断力をフランジが負担するものとして扱う。

答え

 4 ×
1.◯
H形鋼のフランジ及びウェブの幅厚比が大きくなると、相対的に板の厚さが薄くなり、圧縮材は部材としての耐力を発揮する前に局部座屈を生じやすくなる
2.◯
ダイヤフラムとは、梁と柱の相互で曲げ応力を伝達できるように配置する鉄骨プレートで、通しダイアフラム内ダイヤフラムがある。通しダイアフラムは、切断された柱がダイヤフラムを挟んで取り付くタイプであり、角形鋼管柱の仕口部に多用されている。内ダイアフラムは柱の板材を挟んで梁のフランジと柱内部のダイアフラムとが取り付くタイプであり、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられる
3.◯
普通ボルト接合の場合、部材に引張力が作用すると接合部にずれが生じ、ボルトと鋼板が支圧力で支持するてめ、ボルト孔周辺に応力が集中する。一方、高力ボルトによる摩擦接合は、ボルトの支圧力ではなく、添え板(スプライスプレート)の摩擦力で支持するため、ボルト孔周辺の応力は、普通ボルト接合と比較すると小さくなる
4.×
H形鋼梁は、荷重や外力に対し、フランジが曲げモーメントを、ウェブがせん断力を負担するものとして扱う。梁ウェブはあまり薄いとせん断による座屈するため、梁の材軸方向と直角に中間スチフナを配置し、ウェブプレートのせん断座屈補強を行う。ただし、市販のロールH形鋼では、補強は必要ない程度のウェブの板厚になっている。

[ No.7 ]
杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 基礎杭の周辺地盤に沈下が生じたときに杭に作用する負の摩擦力は、一般に摩擦杭の場合より支持杭の方が大きい。

2. 杭と杭との中心間隔の最小値は、埋込み杭の場合、杭径の 1.5 倍とする。

3. 基礎杭の先端の地盤の許容応力度は、アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭の場合よりセメントミルク工法による埋込み杭の方が大きい。

4. 外殻鋼管付きコンクリート杭の鋼管の腐食代は、有効な防錆措置を行わない場合、1 mm 以上とする。

答え

 2
1.◯
杭周囲の地盤沈下によって杭の沈下より地盤の沈下が大きくなると、杭周囲面には下向きの摩擦力が働くが、摩擦杭は杭と共に沈下するため、負の摩擦力は支持杭の方が摩擦杭より大きくなる
2.×
杭と杭との中心間隔の最小値は、埋込み杭の場合は、その杭頭部の径の 2.0倍以上、打込み杭の場合は、その杭頭部の径の 2.5倍以上かつ 75cm以上とする。
3.◯
杭の先端支持力は
打込み杭 :300・Ne/3 [ kN/m2 ]
埋込み杭 :200・Ne/3 [ kN/m2 ]
場所打ち杭:150・Ne/3 [ kN/m2 ]
である。ただし、Ne:杭先端地盤の平均N値とする。
よって、基礎杭の先端の地盤の許容応力度は、アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭の場合よりセメントミルク工法による埋込み杭の方が大きい
4.◯
外殻鋼管付きコンクリート杭は有効な防錆措置を行わない場合、鋼管の腐食代を 1mm以上としなければならない。

[ No.8 ]
図に示す長方形断面部材の図心軸(X 軸)に対する許容曲げモーメントの値として、 正しいものはどれか。 ただし、許容曲げ応力度 fb は 9.46 N/mm2 とする。

1. 9.46 × 105 N・mm
2. 5.68 × 105 N・mm
3. 4.73 × 105 N・mm
4. 2.84 × 105 N・mm

答え

  1
[ 解法 ]
許容曲げ応力度 fb = 9.46 N/mm2より
曲げ応力度の式
σ = M / Z
断面係数の式
Z = BH2 / 6
より
M = σ × Z
= (9.46 N/mm2) × (60 × 1002) / 6 mm3
= 9.46 × 105 N・mm
∴ 1が正解

[ No.9 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構の DE 間に等変分布荷重が、AD 間に集中荷重が同時に作用したとき、支点 A 及び B に生じる水平反力(HA、HB)、鉛直反力(VA、VB)の値 として、正しいものはどれか。 ただし、反力は右向き及び上向きを「+」、左向き及び下向きを「−」とする。

1.HA=+ 15kN
2.HB =− 60kN
3.VA=+ 60kN
4.VB =+120kN

答え

 1
ΣMA = 0 より
40 × 1.5 + 60 × 6 /2 × 4.0 – 6 × VB = 0
60 + 720 -6VB =0
VB = 130
Σ Y = VA + VB – 60 × 6/2 =0
VA + VB = 180
∴ VA = 50
MC(左)
= – 30 × 3/2 × 1 – 40 × 1.5 + VA × 3 +HA× 3=0
= -45 – 60 +3VA +3HA =0
= -105 + 3VA +3HA =0
VA +HA =35
HA =35 – 50 = -15(左向き)
ΣX = HA + HB = 40 より
HB = 55(右向き)
∴ 正解は1番(向きが逆)

[ No.10 ]
図に示す梁の AB 間に等分布荷重 w が、点 C に集中荷重 P が同時に作用したときの曲げモーメント図として、正しいものはどれか。 ただし、曲げモーメントは材の引張り側に描くものとする。




答え

  3
平成23年度 問題 No.9 と全く同じ問題である。
[ 解法 ]
等分布荷重w と集中荷重Pを分けて考える。
集中荷重Pにより、B点には
MB(P) = 3m × 3kN = 9 kN・m
のモーメントが発生する。
一方、等分布荷重w による両端ピンのAB間の
モーメントは中央部でM = ωL2/8
より
2 × 32/8 = 2.25 kN・m
よって、
AB間の中点のモーメントは
4.5 – 2.25 =2.25
選択肢3及び4は点Mにおいて
回転運動が発生するので不適。
∴ 正答枝 2 が適当である。

[ No.11 ]
建築に用いられる金属材料に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。

1.黄銅(真ちゅう)は、銅と亜鉛の合金であり、亜鉛が 30 〜 40 % のものである。

2.ステンレス鋼の SUS 304 は、SUS 430 に比べ磁性が弱い。

3.銅の熱伝導率は、鋼に比べ著しく高い。

4.アルミニウムの線膨張係数は、鋼の約4倍である。

答え

  4
1.◯
黄銅(真ちゅう)は、銅と亜鉛の合金であり、銅:60~70%、亜鉛:30~40%の合金である。展性・延性に富み、侵食されにくく、耐食性も高い。絞り加工・機械・器具等に用いられる。また、流動性に富み精密な鋳物にも使用される。
2.◯
ステンレス鋼SUS430(フェライト系)は、鉄とクロムの合金で磁性があり、磁石に付く強磁材料である。SUS304(オーステナイト系)は、鉄とクロムとニッケルの合金であり、若干の磁性を帯びる。よって、SUS304は、SUS430に比べて磁性は弱い。
3.◯
室温20℃における熱伝導率は、銅:約360~390W/m・K程度、鋼:約30~60 W/m・K程度である。
4.×
[ 材料 ]    線膨張係数α [ 10-6/K ]
鋼      11.3 ~ 11.6
ステンレス鋼  9.0  ~ 17.3
鋳鉄      9.2 ~ 11.8
アルミニウム  23.6
∴ アルミニウムの線膨張係数は、鋼の約2倍である。

[ No.12 ]
石材に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。

1.花こう岩は、耐摩耗性、耐久性に優れるが、耐火性に劣る。

2.大理石は、ち密であり、磨くと光沢が出るが、耐酸性、耐火性に劣る。

3.石灰岩は、耐水性に優れるが、柔らかく、曲げ強度は低い。

4.砂岩は、耐火性に優れるが、吸水率の高いものは耐凍害性に劣る。

答え

  3
1.◯
花こう岩はいわゆる御影石と呼ばれ、地下深部のマグマが地殻内で冷却固結した結晶質の石材で、硬く、耐磨耗性、耐久性に優れた石材として、建築物の外部等に最もも多く用いられている。ただし、耐火性の点でやや劣る
2.◯
大理石は石灰岩が結晶化したもので、美観に優れ強度も十分あるが、耐酸性、耐火性に劣り、外装材には用いることができない。
3.×
石灰岩(堆積岩)は、取付け部耐力、曲げ強度等は他の石材に比べて小さく耐水性に劣る
4.◯
砂岩は、主に砂が続成作用により固結してできた堆積岩である。耐火性に優れるが、吸水率の高いものは耐凍害性に劣る

[ No.13 ]
日本工業規格(JIS)のドアセットに規定されている性能項目に関する記述として、不適当なものはどれか。

1.スイングドアセットでは、「気密性」が規定されている。

2.スイングドアセットでは、「開閉力」が規定されている。

3. スライディングドアセットでは、「鉛直荷重強さ」が規定されている。

4.スライディングドアセットでは、「遮音性」が規定されている。

答え

  3
スライディングドアセットには、「鉛直荷重強さ」が規定されていない。
スイングドアセット、スライディングドアセット、スイングサッシ、スライディングサッシの種類(普通)における性能項目は下表のとおりである。「鉛直荷重強さ」が規定されているのはスイングドアセットだけとなる。したがって、3が不適当である。

☆日本工業規格は、令和元年7月1日施行の法改正で日本産業規格に名称変更。
>> 日本工業規格(JIS)ドアセット規定

[ No.14 ]
アスファルト防水材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.改質アスファルトシートは、合成ゴム又はプラスチックを添加して性質を改良した改質アスファルトを原反に含浸、被覆させたシートである。

2.ストレッチルーフィング 1000 の数値 1000 は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。

3. 防水工事用アスファルトは、フラースぜい化点温度が低いものほど低温特性のよいアスファルトである。

4.アスファルトルーフィング 1500 の数値 1500 は、製品の単位面積当たりのアスファルト含浸量を表している。

答え

  4
1.◯
改質アスファルト防水工事は、アスファルト防水と比較して臭いや煙の発生がほぼない。合成ゴムまたはプラスチックをアスファルトに添加し、耐久性・耐候性を向上させた改質アスファルトシートを使用する。熱工法用、トーチ工法用、及び常温粘着工法用の3種類がある。
2.◯
ストレッチルーフィングの種類及び品質は JIS A6022に定められており、ストレッチルーフィング1000の数値1000は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。
3.◯
フラースぜい化点温度とは、アスファルトの低温における変形しやすさを示すもので、鋼板の表面に作製されたアスファルト薄膜を曲げたとき、亀裂の生じる最初の温度を示す。つまり、フラーズぜい化点温度が低いものは、低温でも脆性破壊を生じることもなく変形する、低温特性のよいアスファルトである
4.×
アスファルトルーフィングの種類及び品質は JIS A6005に定められており、アスファルトルーフィング1500は、製品の単位面積質量が 1,500 g/m2以上のものをいう。

[ No.15 ]
塗料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.合成樹脂エマルションペイントは、モルタル面に適しているが、金属面には適していない。

2.つや有合成樹脂エマルションペイントは、屋内の鉄鋼面に適しているが、モルタル面には適していない。

3.アクリル樹脂系非水分散形塗料は、モルタル面に適しているが、せっこうボード面には適していない。

4.合成樹脂調合ペイントは、木部に適しているが、モルタル面には適していない。

答え

  2
1.◯
合成樹脂エマルションペイントは、合成樹脂共重合エマルションやラテックスをベースとして、着色顔料や体質顔料、補助剤、添加剤等を加えた水系塗料である。耐アルカリ性があり、コンクリート、モルタル、プラスター、せっこうボード等に適しているが、耐酸性は弱いため、鉄鋼面には適さない
2.×
つや有合成樹脂エマルションペイントの塗膜硬化機構は、合成樹脂エマルションペイントと同様である。耐アルカリ性があり、コンクリート、モルタル、プラスター、せっこうボード等に適しており、鉄鋼面にも適している
3.◯
アクリル樹脂系非水分散形塗料は、屋内のコンクリート面やモルタル面等、平滑な箇所の仕上げには適しているが、微細な隙間のあるガラス繊維補強セメント面や塗装には適さない。(下地処理が必要となる)
4.◯
合成樹脂調合ペイントは、はけ塗り作業に適しており、はけ目やだれが少なく、表面光沢をもつ平滑な仕上がり塗膜が得られるのが特徴である。特に鉄鋼面や木部面塗装に適しているが、耐アルカリ性が弱く、コンクリート、モルタル面等には適さない

チェックポイント
常日頃、過去問題10年分を最低5回すれば、合格できると言ってますが、市販されている過去問題の問題集が一般的には、過去5年、若しくは、過去7年であるので、なかなか難しい事ですが、今回のように8年前の問題が全く同じに出題される事を考慮すると、やはり10年分の過去問題に取り組んでおく方が、望ましい。