015) バルコニーの防水と排水
集合住宅のハネ出しバルコニーや開放通路は必ず防水する。防水しないとコンクリートの中性化が進行し、ヘヤークラック(微細なひび割れ)等から雨水が侵入し、中の鉄筋が錆びて、スラブ下端のコンクリートの剥落などの原因になる。
1.バルコニーの屋上庇は防水する
バルコニー庇はひび割れ誘発目地を設けたうえで塗膜防水し、ドレンに向けたスラブ勾配で集水する。塗膜防水はウレタン系塗膜防水でよい。主屋根のルーフドレンからの雨水と一緒に、建物側の縦管で排水する。この場合バルコニー庇のドレンと主屋根水下のレベル差は150mmを確保すると収まりが良い。
2.バルコニーにはひび割れ誘発目地を設ける
ハネ出しバルコニーの床はモルタルを塗っても浮きやすいので、コンクリート直押えとし、ひび割れ誘発目地を設ける。床天端の目地部はシールする。
3.バルコニーの排水は先端に設ける
建築物の排水計画は基本的にには、建物から外へと計画するもので、バルコニーの排水は、バルコニーの先端に排水溝を設けて、そこへ向かって勾配をとり、フロアドレンで下に抜いて横引きし、建物側縦樋に接続する。
排水溝を室内側に引き寄せると薄くなった溝底にひび割れが発生し、躯体を傷めるので望ましくない。
4.バルコニーは必ず防水する
バルコニーの防水を兼ねて塩ビシート(外部床用)を張る場合は、塩ビシートの周囲(立上りを含む)と排水溝部分はウレタン塗膜防水とする。空調屋外機を置く場合は、同じ塩ビ製のドレン(排水溝)を使うと汚れ防止にもなり、通行の妨げにもならない。
全面に塗膜防水とする場合は、平部はノンスリップ仕様にする。上部に庇がない場合及び下部に居室がある場合は、屋上用の防水仕様にする。