1級建築施工管理技士 令6一次 解答解説

1級建築施工管理技士 令和6年度 第一次試験 解答 解説
【 令和六年度 】
【 午前 】
   6問題は全問題を解答【 建築学 】
   No.01 室内環境
   No.02 熱貫流率の計算
   No.03 鉄筋コンクリート構造
   No.04 地盤及び基礎構造
   No.05 3ヒンジラーメンへの集中荷重
   No.06 内装材料
   9問題のうちから6問題を選択し解答【 建築学 】
   No.07 換気に関する問題
   No.08 音に関する問題
   No.09 鉄筋コンクリート構造の構造計画
   No.10 鉄骨構造の設計
   No.11 角形鋼管柱の座屈荷重
   No.12 はね出し梁及び連続梁への等分布荷重
   No.13 鋼材
   No.14 左官材料
   No.15 ドアセットの性能項目
   5問題は,全問題を解答【 共通問題 】
   No.16 測量
   No.17 避雷設備
   No.18 空気調査設備
   No.19 消火設備
   No.20 工事費における共通費
   10問題のうちから8問題を選択し解答【 躯体工事 】
   No.21 乗入れ構台の計画
   No.22 土質試験に関する記述
   No.23 山留め壁(ソイルセメント柱列壁工法)
   No.24 場所打ちコンクリート杭
   No.25 異形鉄筋の継手と定着
   No.26 型枠工事
   No.27 コンクリートの養生
   No.28 大空間鉄骨架構の建方
   No.29 木質軸組構法
   No.30 建設機械
   10問題のうちから7問題を選択し解答【 仕上工事】
   No.31 合成高分子系ルーフィングシート防水
   No.32 長尺亜鉛鉄板葺
   No.33 軽量鉄骨壁下地等
   No.34 防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材
   No.35 アルミニウム製建具工事
   No.36 塗装工事
   No.37 合成樹脂塗床
   No.38 断熱工事
   No.39 押出成形セメント板横張り工法
   No.40 外壁改修工事
   4問題は全問題を解答【 施工管理 】
   No.41 事前調査
   No.42 施工計画
   No.43 工事記録
   No.44 工程の実施計画
【 午後 】
   6問題は全問題を解答【 施工計画 】
   No.45 品質管理
   No.46 解体工事における振動,騒音対策
   No.47 足場に関する記述
   No.48 特定元方事業者の講ずべき措置
   No.49 ゴンドラ安全規則
   No.50 酸素欠乏症等防止規則
   10問題は全問題を解答【 施工管理 】
   No.51 鉄筋のガス圧接
   No.52 コンクリートの運搬、打込み及び締固め
   No.53 鉄骨 加工及び組立て
   No.54 塗膜防水
   No.55 壁タイル後張り工法
   No.56 内装工事 ボード張り
   No.57 仮設計画
   No.58 工期と費用
   No.59 躯体工事の試験及び検査
   No.60 労働災害に関する用語
   12問題のうちから8問題を選択し解答【 法 規 】
   No.61 建築基準法 確認申請
   No.62 建築基準法
   No.63 建築基準法施行令 避難施設等
   No.64 建設業法 建設業の許可
   No.65 建設業法 請負契約
   No.66 建設業法 工事現場に置く技術者
   No.67 労働基準法 未成年、女性労働者
   No.68 労働安全衛生法 安全衛生管理体制
   No.69 労働安全衛生法 労働者の就業
   No.70 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律
   No.71 騒音規制法 届出
   No.72 道路交通法

1級建築施工管理技士 令和06年 学科 問題1 解説

令和6年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題1
(午前の部)令和6年7月21日(日)

問題番号[ No.1 ]〜[ No.6 ]までの6問題は、全問題を解答してください。問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.1 ]
中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物における居室の室内環境に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。
1.室内空気中の一酸化炭素の濃度は,6ppm以下とする。
2.室内空気中の二酸化炭素の濃度は,1,000ppm以下とする。
3.室内空気の気流の速さは,1.5m/s以下とする。
4.室内空気の相対湿度は,40%以上70%以下とする。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

2.◯

室内環境基準において、空気中の二酸化炭素濃度の許容値は、1,000ppm(0.1%)以下と定められている。(建築基準法施行令第129条の2の6第3項)

・二酸化炭素 1,000 ppm以下

一酸化炭素   10 ppm以下

覚え方「銭湯で屁をする」

(原口氏「スーパー記憶術」より)

一酸化炭素は 6 ppm以下に変更になっている。

3.×

室内空気の建築物環境衛生管理基準(厚生労働省)には以下のように規定されている。

建築物環境衛生管理基準(厚生労働省)

浮遊粉じんの量 0.15mg/m3以下

一酸化炭素の含有率 100万分の6以下(= 6 ppm以下)

二酸化炭素の含有率 100万分の1000以下(=1000 ppm以下

温度(1)17℃以上 28℃以下

  (2)居室における温度を外気の温度より低くする場合は、

     その差を著しくしないこと。

相対湿度 40%以上 70%以下

気  流 0.5 m/秒以下

ホルムアルデヒドの量 0.1mg/m3以下(0.08ppm以下)

4.◯

[ No.2 ]
図に示すような鉄筋コンクリート壁の熱貫流率として,最も近い値はどれか。ただし,熱伝達率は,放射熱伝達率と対流熱伝達率を合わせたものとする。
R6_1_No.2_鉄筋コンクリート壁の熱貫流率.jpgR6_1_No.2_鉄筋コンクリート壁の熱貫流率諸元.jpg
1.0.3  2.1.3  3.4.0  4.33.6
答え

  3

[ 解答解説 ]

熱貫流率とは、熱伝導抵抗の逆数、つまり熱の通しやすさのことである。

熱伝達率は、壁の室内側と室外側にありその表面近傍部分の熱伝達のしやすさのことである。

その逆数が熱伝達抵抗である。一般的にはそれぞれの部位、仕上面の状況によってことなる。

熱貫流率(U値)

= 1 /材料の熱抵抗値(m2・K/W)

= 1/(材料の厚さ(m)÷材料の熱伝導率(W/m・K) )

= 1/{ 1/9+(0.150/1.6) +1/23}

= 1/(0.111 + 0,09375+0.0438)

= 1/ 0,24855

= 4.02

又は

熱貫流率(U値)

= 1 /材料の熱抵抗値(m2・K/W)

= 1/(室内側熱伝達抵抗 + 壁の熱伝導抵抗 + 室外側伝達抵抗)

= 1/(0.111 + 0.094 + 0.043)

= 1/0.248

= 4.032

よって、選択枝3の 4.0が最も近い値である。

[ No.3 ]
鉄筋コンクリート構造に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。
1.柱の主筋はD13以上の異形鉄筋を4本以上とし,その断面積の和は柱のコンクリート全断面積の0.8%以上とする。
2.柱のせん断補強筋は直径9mm以上の丸鋼又はD10以上の異形鉄筋とし,せん断補強筋比は0.2%以上とする。
3.梁の断補強筋の間隔は,梁せいの1/2以下,かつ,250mm以下とする。
4.梁に孔径が梁せいの1/3の円形の貫通孔を2個設ける場合,その中心間隔は両孔径の平均値の2倍以上とする。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

柱の主筋は、柱の軸方向に配筋する鉄筋のこと。異形鉄筋とは、コンクリートの付着性を向上させるために周囲にリブと呼ばれる突起のある鉄筋をいう。柱の主筋は直径がD13以上の異形鉄筋とし、その断面積の和は、柱のコンクリート全断面積の0.8%以上とする。(鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説)

2.◯

梁、柱のせん断補強筋は軽微な場合を除き、直径9mm以上の丸鋼又はD10以上の異形鉄筋とする。せん断補強筋(帯筋及びあばら筋)比は0.2%以上とする。

3.◯

梁の断補強筋とは、梁のせん断応力に対抗する鉄筋のことであばら筋のことである。あばら筋は、せん断やひび割れに対する補強に用いられ、間隔はD10の異形鉄筋を用いて梁せいの1/2以下,かつ,250mm以下とする。(鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説)

4.×

梁に2個以上の貫通孔を設ける場合、孔径は梁せいの 1/3以下とし、孔の中心間隔は孔径の平均値の3倍以上とする。

[ No.4 ]
地盤及び基礎構造に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.圧密沈下の限界値は,独立基礎のほうがべた基礎に比べて大きい。
2.直接基礎の滑動抵抗は,基礎底面の摩擦抵抗が主体となるが,基礎の根入れを深くすることで基礎側面の受動土圧も考慮できる。
3.直接基礎の地盤の許容応力度は,基礎荷重面の底面積が同じであっても,その底面形状が正方形の場合と長方形の場合とでは異なる値となる。
4.基礎梁の剛性を高くすることにより,不同沈下が均等化される。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

独立基礎とは、柱ごとに独立して点で支持する基礎をいう。べた基礎とは、建物の荷重を面で支持する基礎をいう。独立基礎は圧密により不同沈下を生じやすいが、べた基礎は建物と基礎が一体となっているため、不同沈下は生じにくい。圧密沈下の許容値は、独立基礎の方がべた基礎に比べて小さい

2.◯

滑動抵抗とは,基礎底面が土圧により水平に移動しようとする力に抵抗することをいう。根入れを深くすると、基礎底面の摩擦抵抗が主体となり滑動を防止できるが、根入れを深くすることにより、基礎側面に受動土圧は大きくなるので、さらに抵抗力が上がる。

3.◯

直接基礎における地盤の許容応力度は,基礎荷重面の底面積が同じであっても,その底面形状が正方形の場合と長方形の場合とでは異なる値となる。

4.◯

基礎梁とは、基礎部分や地下部分を支える梁のことで、地中に施工される者で、地中梁とも呼ばれる。基礎梁の剛性を高くすると、基礎梁が変形しにくくなるので、不同沈下を均等化することができる。

[ No.5 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構の点Cに集中荷重P1及びP2が作用したとき,支点Bに生じる水平反力HBの値の大きさとして,正しいものはどれか。
R6_1_No.5_3ヒンジラーメン架構に作用する力.jpg
1.HB=0kN
2.HB=2kN
3.HB=4kN
4.HB=6kN
答え

  3

[ 解答解説 ]

支点A及びBの鉛直荷重及び水平荷重をVA、HA、VB、HBとおく

R6_1_No.5_3ヒンジラーメン架構に作用する力.Ans.jpg

力のつり合いより

VA + VB = P2 = 3kN

HA + HB = P1 = 4kN

支点Aでは

MA = 8m × -VB + 4m × P1 = 0

よって、VB = 4m × 4kN / 8m = 2kN

ゆえに VA = 1 kN

点Cより右側の部材を考える

Mc = 8m × -VB + 4m ×HB = 0

8VB = 4HB

HB = 2VB = 4kN

よって、正答肢は3となる。

[ No.6 ]
内装材料に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。
1.強化せっこうボードは,せっこうボードの芯に無機質繊維等を混入したもので,性能項目として耐衝撃性や耐火炎性等が規定されている。
2.パーティクルボードは,木毛等の木質原料及びセメントを用いて圧縮成形した板で,屋根の下地材等に使用される。
3.コルク床タイルは,天然コルク外皮を主原料として,必要に応じてウレタン樹脂等で加工した床タイルである。
4.クッションフロアは,表面の透明ビニル層の下に印刷層,発泡ビニル層をもったビニル床シートである。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

強化せっこうボードは,せっこうボードの芯にガラス繊維などの無機質繊維を混入したもので,性能項目として耐衝撃性や耐火炎性等が規定されている。

2.×

パーティクルボードは、木材等の小片を主な原料として、接着剤を用いて熱圧成形した板である。(JIS A5908)設問は、木質系セメント板の記述である。

3.◯

コルク床タイルは,天然コルク外皮を主原料として,必要に応じて塩化ビニル樹脂またはウレタン樹脂等で加工した床タイルである。

4.◯

クッションフロアはビニル床シートの一種で、表面に透明ビニル層、その下に印刷層,発泡ビニル層をもったものである。

1級建築施工管理技士 令和06年 学科 問題2 解説

問題番号[ No.7 ]〜[ No.15 ]までの9問題のうちから、6問題を選択し、解答してください。
なお、6問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.7 ]
換気に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.機械換気における第3種機械換気方式は,自然給気と排気機による換気方式で,浴室や便所等に用いられる。
2.室内外の温度差による自然換気の換気量は,他の条件が同じであれば,流入口と流出口の高低差に反比例する。
3.自然換気における中性帯の位置は,流入口と流出口の開口面積の大きなほうに近づく。
4.必要換気量が一定の場合,室容積が大きな空間に比べて小さな空間のほうが,必要な換気回数が多い。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

第3種機械換気方式は,自然給気と排気機によって室内の空気を排出する換気方式で,台所、浴室、便所、給湯室等に室内を負圧にする場所に用いられる。

2.×

自然換気は、自然の力を利用して換気するもので、常に一定の換気量を維持するのは難しいが、維持管理が安い等の特徴がある。室温が外気温より高い場合、温度の高い空気は密度が小さく上昇し、温度の低い外気は下降する。上下の開口の垂直距離が大きいほどこの効果は大きい

3.◯

室内外の温度差による自然換気で、上下に大きさの異なる開口部を用いる場合、自然換気における中性帯の位置は,流入口と流出口の開口面積の大きなほうに近づく。

4.◯

換気回数は換気量を室容積で除した値のことで、必要換気量が一定の場合,室容積が大きなほど換気回数は小さくなる。そのため、室容積が大きな空間に比べて小さな空間のほうが,必要な換気回数が多い。

[ No.8 ]
音に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.人が知覚する主観的な音の大小をラウドネスといい,音圧レベルが一定の場合,100Hzの音よりも1,000Hzの音のほうが大きく感じる。
2.残響時間とは,音源が停止してから音圧レベルが60dB減衰するのに要する時間のことをいう。
3.1つの点音源からの距離が2倍になると,音圧レベルは3dB低下する。
4.マスキング効果は,マスキングする音とマスキングされる音の周波数が近いほど大きい。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

音の大きさの特性をふまえて、ある音の大きさを、これと同じ大きさに聞こえる 1,000Hzの純音の音圧レベル [dB]の値で表したものをラウドネスレベルといい、単位は phonを用いる。同じ音圧レベルの場合、一般に100Hzの音よりも1,000Hzの音の方が大きく感じる。

2.◯

残響時間とは,音源が停止した後、音圧レベルが60dB減衰するのに要する時間のことをいい、室容積に比例し、室内の総吸音力に反比例する。

3.×

点音源からの距離が 2倍になると、音の強さのレベルは約 6dB (デシベル)減衰する。

4.◯

マスキング効果とは,目的の音が別の音によって聞こえなくなる現象をいう。隠ぺい効果ともいう。それぞれの音の周波数が近いほど効果が大きくなる。

[ No.9 ]
鉄筋コンクリート構造の建築物の構造計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.ねじれ剛性は,耐震壁等の耐震要素を,平面上の中心部に配置するよりも外側に均一に配置したほうが高まる。
2.耐震壁に換気口等の小開口がある場合でも,その壁を耐震壁として扱うことができる。
3.腰壁,垂れ壁,そで壁等は,柱及び梁の剛性や靭性への影響を考慮して計画する。
4.柱は,地震時の脆性破壊の危険を避けるため,軸方向圧縮応力度が大きくなるようにする。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

ねじれ剛性(ねじれの力に対して歪まない性能)は,耐震壁等の耐震要素を,平面上の中心部に配置するよりも外側に均一に配置したほうが高まる。剛性より、ねじれ剛性の方が、柔軟性があるため、外側に配置する。

2.◯

耐力壁(耐震壁)の構造としては、建築基準法施行令第78条の2に定められており、耐力壁の構造は、第1項第二号で開口部周囲に径12mm以上の補強筋を配置する。したがって、壁に換気口等の小開口がある場合でも,所定の条件下ではその壁を耐震壁として扱うことができる。

3.◯

鉄筋コンクリート構造の構造計画において、腰壁,垂れ壁,そで壁等は,柱及び梁の剛性や靭性への影響を考慮して計画する必要がある。

4.×

柱は、地震時のぜい性破壊の危険を避けるため、軸方向圧縮応力度が小さくなるように計画する。軸力と曲げを同時に受ける柱の短期軸方向応力度は、Fc/3(Fcはコンクリートの設計基準強度 N/mm2)以内におさめることが望ましい。

[ No.10 ]
鉄骨構造の設計に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.柱頭が水平移動するラーメン構造の柱の座屈長さは,節点間の距離より長くなる。
2.梁のたわみは,部材断面と荷重条件が同一の場合,材質をSN400AからSN490Bに変更しても同一である。
3.柱脚に高い回転拘束力をもたせるためには,根巻き形式ではなく露出形式とする。
4.トラス構造を構成する軸材は,引張りや圧縮の軸力のみを伝達するものとする。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

座屈とは、縦長の部材が縦方向に圧縮荷重を受けた時、横方向に曲がる現象をいう。座屈長さとは、部材の座屈が生じる長さをいう。柱頭が水平移動するラーメン構造の柱の座屈長さは,節点間の距離より長くなる。

2.◯

梁の変形は曲げ、圧縮、せん断変形のいずれも荷重条件、部材断面が同じであれば、ヤング係数に比例する。鋼材のヤング係数は、材質に関係なく、2.05 × 105 N/mm2で一定あり、材質を変えてもたわみは変わらない。SN400AとSN490Bでは、強度は異なるが同じ鋼材である。部材断面と荷重条件が同一であれば、梁のたわみは同一である。

3.×

柱脚には、露出柱脚、根巻き柱脚、埋込み柱脚がある。柱脚の固定度(回転拘束)の大小関係は、露出柱脚 < 根巻き柱脚 < 埋込み柱脚である。露出柱脚より根巻き柱脚の方が高い回転拘束力をもつ

4.◯

トラス構造とは、直線の鋼材をピン節点で組み上げた骨組構造のことである。この軸材は,引張りや圧縮の軸力のみを伝達するものである。

[ No.11 ]
表に示す角形鋼管柱の座屈荷重の値として,正しいものはどれか。
ただし,図に示すとおり,支点は両端固定とし水平移動は拘束されているものとする。
R6_1_No.11_角鋼管柱の諸元.jpg
  R6_1_No.11_角鋼管柱の座屈.jpg
 1.  600π kN
 2.  600π2 kN
 3. 2,400π kN
 4. 2,400π2 kN
答え

  4

[ 解答解説 ]

水平移動の拘束されている、両端固定の座屈長さは 0.5ℓで与えられる。

(ℓは材料の長さ)

座屈荷重Pは

P = π2×E× I /ℓ2

で与えられる。

よって、
π2×2.0 ×105×3.0×108/(0.5×10×103)2

2×2400 kN

よって、解答枝4が正解である。

[ No.12 ]
図に示す梁のAB間及びAC間に等分布荷重wが作用したときの曲げモーメント図として,正しいものはどれか。ただし,曲げモーメントは材の引張側に描くものとする。
R6_1_No.12_単純梁への等分布荷重.jpg
R6_1_No.12_単純梁への等分布荷重_M図1.jpgR6_1_No.12_単純梁への等分布荷重_M図2.jpg
R6_1_No.12_単純梁への等分布荷重_M図3.jpgR6_1_No.12_単純梁への等分布荷重_M図4.jpg
答え

  1

[ 解答解説 ]

梁部材ABは等分布荷重により下部引張が生じる

よって、2と4は不正解

キャンティ梁部材CAは等分布荷重により梁上部に引張が生じる

よって3は不正解

∴ 選択肢1が正解となる。

[ No.13 ]
鋼材に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。
1.鋼は,炭素量が多くなると,引張強さは増加し,靱性は低下する。
2.SN490BやSN490Cは,炭素当量の上限の規定がない建築構造用圧延鋼材である。
3.鋼材の材質を変化させるための熱処理には,焼入れ,焼戻し,焼ならし等の方法がある。
4.低降伏点鋼は,制振装置に使用され,地震時に早期に降伏させることで制振効果を発揮する。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

鋼材は,炭素量が多くなると,引張強さは増加し,伸びや靱性は低下する。炭素量が少なくなると、粘りが増大し、加工しやすくなる。

2.×

SN材は、建築構造用圧延鋼材で、溶接性の保証の有無板厚方向の引張特性の保証等を強度区分の末尾記号 A,B,Cで表示する。A種は溶接を行わない部材に使用される。B種及びC種は、塑性変形性能と溶接性の確保が要求される部材に使用されるので、JISにより化学成分、炭素当量の上限等が規定されている。

3.◯

鋼材の材質を変化させるための熱処理には,焼入れ,焼戻し,焼ならし等の方法がある。焼入れとは、鋼材を加熱後、水などで急冷して硬度を大きくする熱処置である。焼戻しとは、焼入れ後に再加熱して、じん性を高める熱処理でである。焼ならしとは、加熱後、空冷し、鋼の組織の均一化を図る熱処理である。

4.◯

低降伏点鋼は,添加元素を極力低減した純鉄に近い鋼材である。従来の軟鋼に比べ強度が低いが、延性が極めて高いため、制振装置に使用され,地震時に早期に降伏させることで制振効果を発揮させる。座屈補剛ブレース等に用いられる。

[ No.14 ]
左官材料に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.消石灰を混和材として用いたセメントモルタルは,こて伸びが良く,平滑な面が得られる。
2.ドロマイトプラスターは,それ自体に粘りがないため,のりを混ぜる必要がある。
3.メチルセルロースは,水溶性の微粉末で,セメントモルタルに添加することで作業性を向上させる。
4.適切な粒度分布を持った細骨材は,セメントモルタルの乾燥収縮やひび割れを抑制する効果がある。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

セメントモルタルの混和材として、消石灰、ドロマイトプラスターを用いると、こて伸びが良く,平滑な面が得られる。また、貧調合とすることで、保水性は向上し、ヤング率を減少させることで収縮によるひび割れ、発生応力を低減させる等の目的で一般に用いられる。

2.×

ドロマイトプラスターは、一般に粘度が高くのりを用いずに水と練り合わせて施工することができる。

3.◯

メチルセルロースは,水溶性の微粉末でセメントモルタルに添加すると水量を減らすことができ、作業性がよくなる。吸水の大きい下地や、平滑な下地面の処理に用いる。

4.◯

セメントモルタルは、普通セメントと細骨材(砂)に水を加えて練り混ぜて作られる。細骨材が適切な粒度分布の場合、セメントモルタルの乾燥収縮やひび割れを抑制する効果がある。

[ No.15 ]
日本産業規格(JIS)のドアセットに規定されている性能項目に関する記述として,不適当なものはどれか。
1.スイングドアセットでは,日射熱取得性が規定されている。
2.スイングドアセットでは,気密性が規定されている。
3.スライディングドアセットでは,遮音性が規定されている。
4.スライディングドアセットでは,ねじり強さが規定されている。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

スイングドアセットの性能項目には、日射熱取得性が規定されている。

日射熱取得性は JIS A 4702(ドアセット)及びJIS A 4706(サッシ)の性能値として令和3年2月の改正において追加されている。(建築工事監理指針)

2.◯

スイングドアセットの性能項目には、気密性が規定されている。

3.◯

スライディングドアセットの性能項目には、遮音性が規定されている。

4.×

スライディングドアセットの性能項目には、ねじりの強さは規定されていない。

R01-13各ドアセット・サッシの性能項目.jpg

1級建築施工管理技士 令和06年 学科 問題3 解説

問題番号[ No.16 ]〜[ No.20 ]までの5問題は、全問題を解答してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.16 ]
測量に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.直接水準測量は,レベルと標尺を用いて,既知の基準点から順に次の点への高低を測定して,必要な地点の標高を求める方法である。
2.スタジア測量は,レベルと標尺を用いて,2点間の距離を高い精度で求める方法である。
3.間接水準測量は,傾斜角や斜距離等を読み取り,計算によって高低差を求める方法である。
4.GNSS測量は,複数の人工衛星から受信機への電波信号の到達時間差を測定して位置を求める方法である。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

直接水準測量は,レベルと標尺を用いて地表面の2点間の高低差を求めることで、既知の基準点から順に次の点への高低を測定して,必要な地点の標高を求める方法である。

2.×

スタジア測量は、2点間の距離・高低差をトランシットやセオドライト等の望遠鏡につけられたスタジア線を用いて間接的に測る測量方法である。細部測量に主として利用され、特に起伏の多い地形に適する。

3.◯

水準測量には直接水準測量と間接水準測量がある。直接水準測量は、レベルは標尺によって2点間の高低差を直接測定する方法である。一方、間接水準測量は,傾斜角や斜距離等を読み取り,計算によって高低差を求める方法である。

4.◯

GNSSとは、Global Navigation Satellite Systemの略語で、全地球衛生測位システムと訳される。GNSSを用いたGNSS測量は,複数の人工衛星から受信機への電波信号の到達時間差を測定して位置を求める方法である。

[ No.17 ]
避雷設備に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.避雷設備は,建築物の高さが15mを超える部分を雷撃から保護するように設けなければならない。
2.避雷設備の構造は,雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができるものとしなければならない。
3.接地極は,建築物を取り巻くように環状に配置する場合,0.5m以上の深さで壁から1m以上離して埋設する。
4.鉄骨造の鉄骨躯体は,構造体利用の引下げ導線の構成部材として利用することができる。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

高さが20mを超える建築物には、原則として、雷撃から保護するよう避雷設備を設けなければならない。(建築基準法第33条)

2.◯

避雷設備の構造は,雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができるものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものまたは国土交通大臣の認定を受けたものでなければならない。(建築基準法施行令第129条の15第一号)

3.◯

接地極の施工である外周環状設置極は、0.5m以上の深さで壁から1m以上離して埋設するのが望ましい。(JIS A 4201:2003)

4.◯

受雷部システムで受けた雷撃を接地システムに導く引下げ導線システムは、被保護物に沿って雷電導線を引き下げる方法によるものほか、要件を満たす場合には、被保護物の鉄筋または鉄骨造を引下げ導線の構成部材として利用することができる

[ No.18 ]
空気調和設備に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.空気調和機は,一般にエアフィルタ,空気冷却器,空気加熱器,加湿器等で構成される装置である。
2.冷却塔は,温度上昇した冷却水を,空気と直接接触させて気化熱により冷却する装置である。
3.二重ダクト方式は,2系統のダクトで送られた温風と冷風を,混合ユニットにより熱負荷に応じて混合量を調整して吹き出す方式である。
4.ファンコイルユニット方式における2管式の配管方式は,ゾーンごとに冷暖房の同時運転が可能で,室内環境の制御性に優れている。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

空気調和機は,室内に温度を調整した空気を送る機器をいう。一般にエアフィルタ,空気冷却器,空気加熱器,加湿器、送風機等で構成される装置である。

2.◯

冷却塔は、冷凍機内で温度上昇した冷却水を、空気と直接接触させて、一部の冷却水を蒸発させ、気化熱により残りの冷却水を冷却する装置である。

3.◯

二重ダクト方式とは、温風ダクト、冷却ダクトの2系統のダクトから送られた温風と冷風とを吹出し口近傍の混合ユニットにより混合し、各所に吹き出す方式である。

4.×

ファンコイルユニット方式の2管式配管は、温水及び冷水を往き還りの2本の配管で循環させる方式である。

設問の記載は、冷水配管、温水配管の往き管に対してそれぞれ還り菅を設け、各ユニットあるいは系統ごとに同時、自由に冷房・暖房を行うことができる方式で、ファンコイルユニット方式の4管式である。4菅式は各系統ごとに運転が可能で、室内環境の制御性に優れている。

[ No.19 ]
消火設備に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.不活性ガス消火設備は,二酸化炭素等の消火剤を放出するもので,酸素濃度の希釈効果や気化するときの熱吸収による冷却効果により消火するものである。
2.開放型スプリンクラー設備は,火災感知装置の作動,又は手動起動弁の開放によって放水区域のすべての開放型スプリンクラーヘッドから一斉に散水するものである。
3.泡消火設備は,特に低引火点の油類による火災の消火に適し,主として泡による窒息効果により消火するものである。
4.屋外消火栓設備は,散水ヘッドを消火活動が困難な場所に設置し,地上階の連結送水口を通じて消防車から送水して消火するものである。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

不活性ガス消火設備は,二酸化炭素等の消火剤を放出することにより、酸素濃度の希釈効果や気化するときの熱吸収による冷却効果により消火するものである。消火剤がガスであるので、消火後の破損は少なく、電気や油火災及び水損を嫌うコンピューターや電気通信機室あるいは図書館や美術館等に設置される。

2.◯

開放型スプリンクラー設備は,火災感知装置の作動,又は手動起動弁の開放によって放水区域のすべての開放型スプリンクラーヘッドから一斉に散水する設備であり、劇場などの舞台部に設置される。

3.◯

泡消火設備は,特に引火点の低い油類による火災の消火に適し,で可燃物を覆い、空気を遮断して酸素の供給を断つことによる窒息効果により消火するものである。

4.×

散水ヘッドを消火活動が困難な場所に設置し,地上階の連結送水口を通じて消防車から送水して消火するものは、連結散水設備(サイヤミーズコネクション)である。

屋外消火栓設備は、屋外から消火活動ができるようにするための消防用設備で、主に建物の1階から2階で火災が発生した際に、隣接する建物への延焼を防ぐことが目的で、屋外からの消火活動に用いられる。建物の各部分からホース接続口までの水平距離が40m以下となるように設置する。

[ No.20 ]
工事費における共通費に関する記述として,「公共建築工事共通費積算基準(国土交通省制定)」上,誤っているものはどれか。
1.現場事務所,下小屋に要する費用は,共通仮設費に含まれる。
2.共通的な工事用機械器具(測量機器,揚重機械器具,雑機械器具)に要する費用は,共通仮設費に含まれる。
3.消火設備等の施設の設置,隣接物等の養生に要する費用は,現場管理費に含まれる。
4.火災保険,工事保険の保険料は,現場管理費に含まれる。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

現場事務所、下小屋に要する費用は,共通仮設費に含まれる。

2.◯

共通的な工事用機械器具(測量機器,揚重機械器具,雑機械器具)に要する費用は,共通仮設費に含まれる。

3.×

消火設備等の施設の設置,隣接物等の養生/に要する費用は,共通仮設費に含まれる。

現場管理費 は、労務管理費、租税公課、保険料 、従業員給料手当である。

R04_20_工事費の構成(国土交通省).jpg

公共建築工事算定基準

4.◯

火災保険,工事保険の保険料は,現場管理費に含まれる。

1級建築施工管理技士 令和06年 学科 問題4 解説

問題番号[ No.21 ]〜[ No.30 ]までの10問題のうちから、8問題を選択し、解答してください。
なお、8問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.21 ]
乗入れ構台の計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.道路から乗入れ構台までの乗込みスロープは,勾配を1/8とした。
2.クラムシェルが作業する乗入れ構台の幅は,ダンプトラック通過時にクラムシェルが旋回して対応する計画とし,8mとした。
3.乗入れ構台の支柱の位置は,作業の合理性や安全性を考慮し,使用する施工機械や車両配置を最優先して決めた。
4.山留めの切梁支柱と乗入れ構台の支柱は,荷重に対する安全性を確認した上で兼用した。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

道路から乗入れ構台までの乗込みスロープの勾配は、一般に1/10〜1/6とする。(建築工事監理指針)

2.◯

乗入れ構台の幅員は、使用する施工機械、車両、アウトリガーの幅、配置及び動線等により決定する。通常計画される幅員は、4〜10mである。最小限1車線4m、2車線6m程度は必要である。また、クラムシェルが作業する乗入れ構台の幅は,ダンプトラック通過時にクラムシェルが旋回して対応する計画とし,8〜10mとする。(JASS2)

3.×

乗入れ構台の支柱の位置は、地下構造図と重ね合わせるなどして、基礎、柱、梁及び耐力壁の位置重ならないように配置し、支柱の間隔は 3~6m程度として計画する。

4.◯

乗入れ構台の支柱と山留めの切梁支柱を兼用する場合は、荷重に対する安全性を確認した上で兼用する。

[ No.22 ]
土質試験に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.圧密試験により,砂質土の沈下特性を求めることができる。
2.三軸圧縮試験により,粘性土のせん断強度を求めることができる。
3.原位置における透水試験により,地盤に人工的に水位差を発生させ,水位の回復状況から透水係数を求めることができる。
4.粒度試験で求められた土粒子粒径の構成により,透水係数の概略値を推定することができる。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

圧密試験粘性土に荷重を加え、地盤の沈下を解析するために、必要な沈下特性(沈下量と沈下速度)を測定する試験である。

2.◯

粘性土のせん断強度は、一面せん断試験、一軸圧縮試験、三軸圧縮試験によって求めることができる。

3.◯

原位置における透水試験は、単一のボーリング孔あるいは単一の井戸を利用して、水位を一時的に低下または上昇させ、平衡状態に戻る時の水位変化を経時的に測定して、地盤の透水係数を測定する試験である。

4.◯

粒度試験は、土の粒度組成をグラフ化し、土を構成する土粒子の粒径の分布状態を把握する試験である。この試験でで求められた土粒子粒径の構成により,透水係数の概略値を推定することができる。また、均等係数や細粒分含有率など粒度特性を表す指標を得ることができる。

[ No.23 ]
ソイルセメント柱列壁工法を用いた山留め壁に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。
1.剛性や遮水性に優れており,地下水位の高い軟弱地盤にも適している。
2.削孔撹拌速度は土質によって異なるが,引上げ撹拌速度は土質によらずおおむね同じである。
3.単軸オーガーによる削孔は,大径の玉石や礫が混在する地盤に用いられる。
4.セメント系注入液と混合撹拌する原位置土が粗粒土になるほど,ソイルセメントの一軸圧縮強度は小さくなる。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

ソイルセメント柱列壁工法は、山留め壁としてセメントミルクを注入しつつ、その位置の土を攪拌してソイルセメント壁を造成し、骨組みにH鋼等を建込む工法であり、剛性や遮水性に優れている地下水位の高い軟弱地盤にも適している。

2.◯

ソイルセメント柱列壁工法の削孔撹拌速度は、砂質土や粘性土などの土質によって異なる/が,引上げ撹拌速度は土質によらずおおむね同じである。

3.◯

オーガーには、単軸オーガー多軸オーガーとがあり、単軸オーガーによる削孔は,大径の玉石や礫が混在する地盤に用いられる。

4.×

セメント系注入液と混合撹拌する原位置土が粗粒土になるほど、ソイルセメントの一軸圧縮強度は大きくなる

[ No.24 ]
場所打ちコンクリート杭の施工に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.鉄筋かごの主筋と帯筋の交差部は,すべて溶接により接合した。
2.アースドリル工法の掘削深さは,検測器具を用いて,孔底の外周部に近い位置で4か所確認した。
3.杭頭部の余盛り高さは,孔内水があったため,800mm以上とした。
4.リバース工法における二次孔底処理は,トレミー管とサクションポンプを連結し,スライムを吸い上げた。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

鉄筋かごの主筋と帯筋は、原則として鉄線で結束して組み立てる。帯筋の継手は片面10d以上のフレアグルーブアーク溶接とする。(JASS4)

2.◯

アースドリル工法の掘削深さは,検測テープ等の検測器具を用いて,孔底の外周部に近い位置で2か所以上で確認する。

3.◯

杭の上部に余分に盛ったコンクリートである杭頭部の余盛り高さは,掘削孔内に水がない場合は50cm以上、掘削孔内に水がある場合は80cm以上確保する。(JASS4)これは、セメントミルク内のレイタンス等の不純物が杭上部で固まってしまう可能性があるので、それらを杭頭はつりで撤去するためである。

4.◯

リバース工法における二次孔底処理は、一般にコンクリート打設用のトレミー管サクションポンプ(吸込みポンプ)を連結して、孔底の泥状沈殿物であるスライムを吸い上げて排出する。

[ No.25 ]
異形鉄筋の継手及び定着に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.径の異なる鉄筋相互の重ね継手の長さは,太いほうの径により算定する。
2.D35以上の鉄筋には,原則として,重ね継手を用いない。
3.180°フック付き重ね継手の長さは,フックの折曲げ開始点間の距離とする。
4.梁の主筋を重ね継手とする場合,水平重ね又は上下重ねのいずれでもよい。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

径の異なる鉄筋相互の重ね継手の長さは,細いほうの径により算定する。(建築基準法施行令第73条第2項)

2.◯

D35以上の異形鉄筋には、原則として重ね継手を用いない。(JASS5)

3.◯

180°フック付き重ね継手の長さは、フックの折曲げ開始点間の距離とする。

4.◯

梁主筋を重ね継手は、水平重ねまたは上下重ねとする。ただし、重ね継手部分であっても、あばら筋(スターラップ)により確実に拘束される必要がある。

[ No.26 ]
型枠工事に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.等価材齢換算式による方法で計算した圧縮強度が所定の強度以上となったため,柱のせき板を取り外した。
2.合板せき板のたわみは,単純支持で計算した値と両端固定で計算した値の平均値とした。
3.コンクリートの施工時の側圧や鉛直荷重に対する型枠の各部材のたわみの許容値は,2mm以下とした。
4.固定荷重の計算に用いる型枠の重量は,0.4kN/m2とした。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

等価材齢換算式とは、コンクリートの温度の影響を等価な材料に換算した式によって計算する方法である。等価材齢換算式による方法で計算した圧縮強度所定の強度以上となった場合、柱のせき板取り外してもよい

2.×

合板せき板のたわみは,各支点間を単純梁として計算する。

3.◯

型枠の各部材の許容たわみは3mmとする。許容たわみはコンクリート面に要求される仕上り精度によって決めるべきであり、計算上のたわみ設定2mm以下を目安とすることが望ましい。(型枠の設計・施工指針)

4.◯

普通コンクリートでは固定荷重の計算に用いる場合、型枠の自重は400N/m2とする。(型枠の設計・施工指針)

[ No.27 ]
コンクリートの養生に関する記述として,最も不適当なものはどれか。ただし,計画供用期間の級は標準とする。
1.早強ポルトランドセメントを用いたコンクリートの湿潤養生の期間は,普通ポルトランドセメントを用いた場合と同じである。
2.連続的に散水を行って水分を供給する方法による湿潤養生は,コンクリートの凝結が終了した後に行う。
3.打込み後のコンクリートが透水性の低いせき板で保護されている場合は,湿潤養生と考えてもよい。
4.マスコンクリートは,内部温度が上昇している期間は,コンクリート表面部の温度が急激に低下しないように養生を行う。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

コンクリートの湿潤養生の期間は、JASS5では、早強ポルトランドセメントを用いた場合には3日以上、普通ポルトランドセメントを用いた場合には5日以上としている。(JASS5)

2.◯

コンクリート養生は連続的または断続的散水噴霧等を行う。湿潤養生は,コンクリートの凝結が終了した後に開始する。(JASS5)

3.◯

打込み後のコンクリートが透水性の低いせき板で保護されている場合は,湿潤養生と考えてもよい。(建築工事監理指針)

4.◯

マスコンクリートは,部材断面の最小寸法が大きく、かつ、セメントの水和熱による温度上昇で有害なひび割れが入るおそれのある部分のコンクリートをいう。部分断面が大きいため、内部温度が上昇している期間は、コンクリート表面部の温度が急激に低下しないように養生を行う。

[ No.28 ]
大空間鉄骨架構の建方に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.スライド工法は,作業構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てた後,所定位置まで順次滑動横引きしていき,最終的に架構全体を構築する工法である。
2.移動構台工法は,移動構台上で組み立てた屋根鉄骨を,構台と共に所定の位置に移動させ,先行して構築した架構と連結する工法である。
3.ブロック工法は,地組みした所定の大きさのブロックを,クレーン等で吊り上げて架構を構築する工法である。
4.リフトアップ工法は,地上又は構台上で組み立てた屋根等の架構を,先行して構築した構造物等を支えとしてジャッキにより引き上げていく工法である。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

スライド工法は、作業構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てた後、そのユニットを所定位置まで順次滑動横引きしていき、最終的に架構全体を構築する工法である。

2.×

移動構台工法は、移動構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てた後、構台を移動させ、順次架構を構築する工法である。

3.◯

ブロック工法とは、地組みした所定の大きさのブロックをクレーン等で吊り上げて架構を構築する工法である。

4.◯

リフトアップ工法は、地上又は構台上で組み立てた屋根等の架構を、先行して構築した構造物を支えとしてジャッキ等により引き上げていく工法である。

[ No.29 ]
木質軸組構法に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.アンカーボルトと土台の緊結は,アンカーボルトのねじ山がナットの外に3山以上出るようにした。
2.接合に用いるラグスクリューは,先孔にスパナを用いて回しながら締め付けた。
3.ラグスクリューのスクリュー部の先孔の径は,スクリュー径の+2mmとした。
4.接合金物のボルトの締付けは,座金が木材へ軽くめり込む程度とした。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

アンカーボルトと土台の緊結は、座金とナットが十分に締まり、かつ、ねじ山2〜3山以上出るようにする。(公共建築木造工事標準仕様書 6.5.3(4))

2.◯

木材の接合等に用いるラグスクリュー(ヘッドがナッド状の木ねじ)の締付けは、そのまま締め付けると木材が割れるので、先に孔を開けてから、スパナを用いて回しながら締め付ける。

3.×

接合金物のボルトの孔あけ加工の大きさは、ねじの呼びがM16未満の場合は公称軸径に 1mmを加えたものとし、M16以上の場合は 1.5mmを加えたものとする。(公共建築木造工事標準仕様書)

4.◯

接合金物のボルトの締付けは、座金が木材へ軽くめり込む程度とし、工事中、木材の乾燥収縮により緩んだナットを締め直す

[ No.30 ]
建設機械に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.工事用エレベーターは,定格速度が0.75m/sを超える場合,次第ぎき非常止め装置を設ける。
2.ジブクレーンの定格荷重とは,負荷させることができる最大の荷重から,フック等のつり具の重量に相当する荷重を控除したものをいう。
3.アームを有しないゴンドラの積載荷重とは,その構造上作業床に人又は荷をのせて上昇させることができる最大の荷重をいう。
4.ロングスパン工事用エレベーターは,搬器の傾むきが1/8の勾配を超た場合,動力を自動的に遮断する装置を設ける。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

工事用エレベーターは、定格速度が0.75m/sを超える場合、次第ぎき非常止め装置を設ける。非常止め装置には、「早ぎき式」と「次第ぎき式」があり、次第ぎき式は、かごの落下を徐々に減速させる。

2.◯

クレーンの定格荷重とは、その構造及び材料並びにジブ若しくはブームの傾斜角及び長さまたはジブの上におけるトロリの位置に応じて負荷させることができる最大の荷重から、それぞれフック等のつり具の重量に相当する荷重を控除した荷重をいう。(クレーン等安全規則第1条第六号)

3.◯

アームを有するゴンドラにあっては、アームを最小の傾斜角にした状態において、その構造上作業床に人または荷をのせて上昇させることができる最大の荷重をいう。(ゴンドラ安全規則第1条第二号イ)

4.×

ロングスパン工事用エレベーターは、機械自体の傾きが 1/10の勾配を超えると自動停止装置が作動するように設定しなければならない。(エレベーター構造規格第32条第三号)

1級建築施工管理技士 令和06年 学科 問題5 解説

問題番号[ No.31 ]〜[ No.40 ]までの10問題のうちから、7問題を選択し、解答してください。
なお、7問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.31 ]
合成高分子系ルーフィングシート防水に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.加硫ゴム系シート防水の接着工法において,立上り部と平場部の接合部のシートの重ね幅は150mm以上とした。
2.塩化ビニル樹脂系シート防水の接着工法において,シート相互を熱風融着で接合した。
3.塩化ビニル樹脂系シート防水の接着工法において,出入隅角の処理は,シートの張付け前に成形役物を張り付けた。
4.エチレン酢酸ビニル樹脂系シート防水の密着工法において,平場部の接合部のシートの重ね幅は,幅方向,長手方向とも100mm以上とした。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

加硫ゴム系シート防水接着工法において、重ね幅は平場部の接合部は100mm以上、立上り部と平場部の接合部は150mm以上とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編9.4.4(6)(エ)(a))

2.◯

塩化ビニル樹脂系シート防水の接着工法において,シート相互の接合には、熱風融着または溶着剤により行う。

3.×

塩化ビニル樹脂系シート防水工法の接着仕様の場合、出隅角はシート施工後、成形役物を張り付け、その端部はシール材を用いて処理する。(JASS8)

4.◯

エチレン酢酸ビニル樹脂系シート相互の接合部は、原則として水上側のシートが水下側のシートの上になるように張り重ね、その平場部のシートの重ね幅は、幅方向、長手方向とも100mm以上とする。(JASS8)

[ No.32 ]
長尺亜鉛鉄板葺に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.塗装溶融亜鉛めっき鋼板を用いた際の留付け用のドリリングタッピンねじは,亜鉛めっき製品を使用した。
2.心木なし瓦棒葺の通し吊子は,平座金を付けたドリリングタッピンねじで,下葺材,野地板を貫通させて鉄骨母屋に固定した。
3.横葺の葺板の継手位置は,縦に一直線状とならないように,千鳥に配置した。
4.平葺の葺板の上はぜと下はぜは,折返し幅を同寸法とした。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

塗装溶融亜鉛めっき鋼板を用いた金属板葺の留付け用釘類は、溶融亜鉛めっき釘またはステンレス鋼釘とする。

2.◯

通し吊子はマーキングに合わせて平座金を付けたドリリングタッピンねじで下葺材、野地板を貫通させて母屋に固定する。(JASS12)

3.◯

横葺の葺板の継手位置は、目違い継ぎ、一文字継ぎ、廻し継ぎとし、直継ぎは行わない

4.×

平葺きの葺板の周囲四辺には、はぜを付け、上はぜは15mm、下はぜは18mm程度とする。

[ No.33 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.間仕切壁の出入口開口部の縦の補強材は,上端部を軽量鉄骨天井下地に取り付けたランナに固定した。
2.スタッドの高さが4.5mであったため,区分記号90形のスタッドを用いた。
3.スペーサは,スタッドの端部を押さえ,間隔600mm程度に留め付けた。
4.コンクリート壁に添え付くスタッドは,上下のランナに差し込み,コンクリート壁に打込みピンで固定した。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

出入口等の開口部の垂直方向の補強材は、上部ランナーが鋼製天井下地材に取り付けられる場合でも、上部は梁下、スラブ下に固定する。(建築工事監理指針)

2.◯

スタッドには、50形、65形、75形、90形、100形の種類がある。

それぞれの断面によって長さの制限がある。

 ① 50形:2,700 mm以下

 ② 65形:4,000 mm以下

 ③ 75形:4,000 mm以下

 ④ 90形:4,000 mm超〜4,500 mm以下

 ⑤ 100形:4,500 mm超~5,000 mm以下

3.◯

スペーサは、各スタッドの端部を押さえ,間隔600mm程度に留め付ける。(公共建築工事標準仕様書建築工事編14.5.4(4))

4.◯

スタッドがコンクリート壁に添え付く場合は、上下のランナに差し込み、打込みピンコンクリート壁に固定する。

[ No.34 ]
防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)仕上げに関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.プレキャストコンクリート面の下地調整において,仕上塗材の下塗材で代用ができたため,合成樹脂エマルションシーラーを省略した。
2.屋外に面するALCパネル面の下地調整において,合成樹脂エマルションシーラーを塗り付けた上に,下地調整材C-1を塗り付けた。
3.主材の基層塗りは,1.7kg/m2を1回塗りとし,下地を覆うように塗付つけた。
4.主材の模様塗りは,1.0kg/m2を1回塗りとし,ローラー塗りによりゆず肌状に仕上げた。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

プレキャストコンクリート面の下地調整は、合成樹脂エマルションシーラー全面に塗りつける。ただし、仕上塗材の下塗材で代用する場合は、省略することができる。(公共建築工事標準仕様書建築工事編15.6.5(2)(イ))

2.◯

屋外に面するALCパネル面の下地調整は、仕上塗材の製造所の仕様により下地調整塗材C-1または下地調整塗材Eを全面に塗り付けて平滑にする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編15.6.5(4))

3.×

主材の基層塗りは2回塗りとし、だれ、ピンホール、塗り残しのないよう下地を覆うように塗り付ける。主材基層の所要量は、1.7 kg/m2 以上とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 表15.6.1その3)

4.◯

主材の模様塗りは,0.9kg/m2を1回塗りで、見本と同様の模様になるように塗り付け、ゆず肌状仕上げは、ローラー塗り工法により行う。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 表15.6.1その3)

[ No.35 ]
アルミニウム製建具工事に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.外部建具周囲の充填モルタルは,NaCl換算0.04%(質量比)以下まで除塩した海砂を使用した。
2.建具枠に付くアンカーは,両端から逃げた位置にあるアンカーから,間隔を600mmで取り付けた。
3.水切りと下枠との取合いは,建具枠回りと同一のシーリング材を使用した。
4.建具の組立てにおいて,隅部の突付け小ねじ締め部分にはシーリング材を充填した。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

充填モルタルに使用する砂の塩化物量は、NaCl換算0.04%(質量比)以下とする。海砂等を使用する場合は除塩する。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 表15.6.3(6)、表15.3.3)

2.×

アンカーの位置は、開口部より 150mm内外を端とし、中間は500mm内外の間隔とする。アンカーと差し筋は最短距離で溶接する。(JASS16)

3.◯

水切りと下枠との取合いは,建具枠回りと同一のシーリング材を用いる。

4.◯

建具の組立てにおいて,隅部の突付け小ねじ締め部分は、漏水防止のためシーリング材またはシート状の止水材を使用する。

[ No.36 ]
塗装工事に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.コンクリート面のアクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて,下塗り,中塗り,上塗りともに同一つ材料を使用し,塗付つけ量はそれぞれ0.10kg/m2とした。
2.常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて,塗料を素地に浸透させるため,下塗りはローラーブラシ塗りとした。
3. 2液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて,気温が20℃であったため,中塗り後から上塗りまでの工程間隔時間を16時間とした。
4.合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて,流動性を上げるため,有機溶剤で希釈して使用した。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの工程は、下塗り,中塗り,上塗りの順に同じ塗料を用い,塗付け量はそれぞれ0.10kg/m2とする。(JASS8)

2.◯

常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りは、塗料を素地に浸透させるために、下塗りはローラーブラシ塗りとする。

3.◯

2液形ポリウレタンエナメル塗りの中塗り後から上塗りまでの工程間隔時間は、準条件下においてを16時間以上7日以内とする。

4.×

合成樹脂エマルションペイントは、合成樹脂重合エマルションやラテックスをベースとして、着色顔料や体質顔料・補助剤・添加剤等を加えた水系塗料で、水による希釈が可能で、加水して塗料に流動性をもたせることができる。(JASS18)

[ No.37 ]
合成樹脂塗床に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.厚膜型のエポキシ樹脂系塗床の主剤と硬化剤の1回の練混ぜ量は,30分で使い切れる量とした。
2.弾性ウレタン樹脂系塗り床のウレタン樹脂の1回の塗布量は,2kg/m2を超えないようにした。
3.エポキシ樹脂系塗床の流しのべ工法では,塗床材の自己水平性が高いため,下地コンクリートは木ごて仕上げとした。
4.プライマー塗りにおいて,下地への吸込みが激しい部分は,プライマーを再塗布した。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

樹脂における主剤と硬化剤の1回の練混ぜ量は,通常30分以内に使い切れる量とする。夏季は硬化反応が早くなるので、これよりも短時間を設定することが望ましい。(JASS26)

2.◯

ウレタン樹脂は、硬化する時に少量のガスを発生することがあり、1回の塗厚があまり厚いと内部にガスを封じ込めて仕上り不良となるので、1回の塗布量は、2kg/m2(硬化物比重 1.0の場合で塗り付け厚さ 2mm)以下とし、これを超える場合が塗り回数を増やす。(建築工事監理指針)

3.×

エポキシ樹脂系塗床の流しのべ工法では、調合した流しのべ材を下地塗装面に金ごてなどで1〜3mm程度の厚みに塗布し、材料の自己流動性で、平滑な塗膜を得る工法である。(JASS26)

4.◯

プライマーの吸込みが激しく、膜厚を形成しな場合は,全体が硬化した後吸い込みが止まるまで数回にわたって塗りつける。

[ No.38 ]
鉄筋コンクリート構造の建物内部の断熱工事に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.硬質ウレタンフォーム吹付け工法において,随時吹付け厚さを測定しながら作業し,厚さの許容誤差を−5mmから+10mmとして管理した。
2.硬質ウレタンフォーム吹付け工法において,ウレタンフォームには自己接着性があるため,コンクリート面に接着剤を塗布しなかった。
3.押出法ポリスチレンフォーム張付け工法において,下地面の不陸が最大3mmであったため,接着剤を厚くして調整することで不陸に対応した。
4.押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において,断熱材の継目にコンクリートがはみ出している箇所は,Vカットした後に断熱材現場発泡工法により補修した。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

作業者は吹付け作業中ワイヤーゲージ等を用いて随時厚みを測定する。吹付け厚さの許容誤差は 0 から +10mmとする。(建築工事監理指針)

2.◯

ウレタンフォームは自己接着性を有しているので、硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、吹き付ける前にコンクリート面に接着剤を塗布する必要はない

3.◯

押出法ポリスチレンフォーム張付け工法において,断熱材を張り付ける下地コンクリート面の不陸は3mm以下とする。数ミリメートル程度であれば、接着剤を厚くして調整するによっても調整できるが、これを超える場合は、グラインダーなどで平滑にすることで望ましい。(JASS24)

4.◯

押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において、断熱材の継目にコンクリートがはみ出している場合は、一般には使用断熱材または簡易発泡硬質ウレタンフォームによりそのまま補修する。継目の幅が大きい場合は、Vカットした後に補修する。

[ No.39 ]
外壁の押出成形セメント板横張り工法に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.高湿度の環境となる部分に用いるパネル取付け金物(Zクリップ)は,溶融亜鉛めっき処理を行ったものを使用した。
2.パネルは,層間変形に対してスライドにより追随するため,縦目地を15mm,横目地を10mmとした。
3.パネル取付け金物(Zクリップ)は,パネル左右端部の位置に取り付け,下地鋼材に溶接した。
4.パネルは,積上げ枚数5枚ごとに構造体に固定した自重受け金物で受けた。
答え

  4

[ 解答解説 ]

外壁パネル工法の種別は、A種 縦張り工法(ロッキング方式)とB種 横張り工法(スライド方式)がある。本問題は、横張り工法に関する記述であるので注意する。

1.◯

パネル取付け金物(Zクリップ)及び自重受金物の防錆処理は、原則として電気亜鉛めっき、高湿度の環境となる部分に用い場合は、溶融亜鉛めっきとする。(JASS27)

2.◯

長辺の目地幅(横目地)は10mm以上短辺の目地幅(縦目地)は15mm以上とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 8.5.3(9))

3.◯

層間変形に対して、縦張り工法の場合はロッキング、横張り工法の場合はパネルのスライドにより変異を吸収する。また、横張り工法のパネル取付け金物(Zクリップ)は、パネル左右端部の下地鋼材に取り付ける。(JASS 27)

4.×

横張り工法のパネルは、パネル2〜3枚ごとに荷重受けが必要である。(建築工事監理指針)

[ No.40 ]
鉄筋コンクリート構造の建築物の外壁改修工事に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.小口タイル張り仕上げにおいて,タイル陶片のみ浮きが発生している部分は,浮いているタイルを無振動ドリルで穿孔して,注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法で改修した。
2.小口タイル張り仕上げにおいて,下地モルタルを含むタイル陶片の剥落欠損が発生していたため,ポリマーセメントモルタルを用いたタイル張替え工法で改修した。
3.外壁コンクリート打放し仕上げにおいて,生じたひび割れの幅が2.0mmで挙動のおそれがあったため,可とう性エポキシ樹脂を用いたUカットシール材充填工法で改修した。
4.外壁コンクリート打放し仕上げにおいて,生じたひび割れの幅が0.1mmで挙動のおそれがなかったため,パテ状エポキシ樹脂を用いたシール工法で改修した。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法は、タイル陶片の浮きに適用する唯一の工法で、無振動ドリルの注入口付アンカーピンの開発によって可能になった工法である。タイルの中心に穿孔するので、小口タイル以上の大きさのタイルの浮きの補修に適した工法である。

2.◯

小口タイル張り仕上げにおいて、下地モルタルを含むタイル陶片の剥落欠損が発生しいる場合は、ポリマーセメントモルタルを用いたタイル張替え工法で改修する。

3.×

Uカットシール材充填工法は、コンクリートやモルタルなどのひび割れをダイヤモンドカッターなどでU字型にカッティングして弾性シーリング材等を充填する工法で、挙動しない1.0mmを超えるひび割れ、及び挙動する0.2mm以上1.0mm以下のひび割れに適用する。挙動のおそれのあるひび割れには可とう性エポキシ樹脂、軟質形エポキシ樹脂、ほとんど挙動しないひび割れには硬質形エポキシ樹脂を用いる。

4.◯

外壁コンクリート打放し仕上げにおいて、生じたひび割れの幅が0.2mm未満で挙動のおそれがない場合には、パテ状エポキシ樹脂を用いたシール工法で改修する。

1級建築施工管理技士 令和06年 学科 問題6 解説

問題番号[ No.41 ]〜[ No.44 ]までの4問題全問題を解答してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.41 ]
建築工事における事前調査や準備作業に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.掘削深さや地盤条件に応じた山留めを設けることとしたため,隣接建物の基礎構造形式の調査を省略した。
2.軒の高さが9mの木造住宅の解体工事計画に当たって,石綿等を含有する建材がなかったため,建設工事計画届は提出しないこととした。
3.敷地内の排水工事計画に当たって,排水管の勾配が公設桝まで確保できるか調査することとした。
4.請負代金が1,000万円のアスファルト舗装駐車場の撤去工事計画に当たって,再資源化施設の場所を調査することとした。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

掘削深さや地盤条件に応じた山留めを設ける場合は,隣接建物の基礎構造形式や深さの調査をする必要がある

2.◯

労働安全衛生法第88条第3項の厚生労働省令で定める仕事のうち、建築物、工作物または船舶に張り付けられている石綿等が使用されている保温材、耐火被覆材(耐火性能を有する被覆材をいう。)等の除去、封じ込めまたは囲い込みの作業(石綿等の粉じんを著しく散布するおそれのあるものに限る。)を行う仕事は建設工事計画届を提出しなければならないが、石綿などを含有する建材が無い場合は、当該届を提出しなくてよい。(労働安全衛生規則第90条第五の三号)

3.◯

一般に、敷地内の排水工事の事前調査では、公設桝まで排水管の勾配確保に関する調査等が実施される。

4.◯

アスファルト舗装駐車場の撤去後、建設副産物アスファルトがらが発生する。アスファルトがら再資源にするため、アスファルト舗装駐車場の撤去工事計画に当たって、再資源化施設の場所調査する必要がある。(建設工事に係る資材の再資源化に関する法律第16条、同施行規則第3条)

[ No.42 ]
施工計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.大深度の土工事において,不整形な平面形状であったため,逆打ち工法とした。
2.土工事において,3次元の測量データ,設計データ及び衛星位置情報を活用するICT建設機械による自動掘削とした。
3.鉄筋工事において,工期短縮のため,柱や梁の鉄筋を先組み工法とし,継手は機械式継手とする計画とした。
4.鉄骨工事において,鉄骨の建方精度を確保するため,できるだけ大きなブロックにまとめて建入れ直しを行う計画とした。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

地下躯体工事と並行して上部躯体を施工する逆打ち工法は、大規模大深度の工事で不整形な平面形状において工期短縮が有効な計画である。

2.◯

土工事の施工計画において、TS(トータルステーション)やGNSS(衛星測位システム)を用いた3次元の測量データ、設計データ及び衛星位置情報を活用して、ICT建設機械による自動掘削が可能となっている。

3.◯

鉄筋工事において、柱や梁の鉄筋を先組み工法とし、継手は機械式継手とする計画は、工期短縮に有効である。

4.×

鉄骨工事における建方精度を確保するためには、建方の進行とともにできるだけ小区画に区切って建入れ直しを行う計画とする。

[ No.43 ]
施工者が作成する工事の記録等に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.発注者から直接工事を請け負った建設業者が作成した発注者との打合せ記録のうち,発注者と相互に交付したものではないものは,保存しないこととした。
2.建設工事の施工において作成した施工体系図は,元請の特定建設業者が当該建設工事の目的物の引渡しをしたときから10年間保存することとした。
3.建設工事の施工において必要に応じて作成した完成図は,元請の建設業者が建設工事の目的物の引渡しをしたときから5年間保存することとした。
4.設計図書に定められた内容に疑義が生じたため,監理者と協議を行った結果,設計図書の訂正に至らない事項について,記録を整備することとした。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

発注者から直接工事を請け負った建設業者が作成した発注者との打合せ記録のうち、発注者と相互に交付したものを保存する。

2.◯、3.×

建設工事の施工上の必要において作成し、または発注者から受領した完成図、建設工事の施工上の必要に応じて作成した工事内容に関する発注者との打ち合わせ記録、施工体系図の保存はの保存期間は、請け負った建設工事ごとに、当該建設工事の目的物の引渡しをしたときから10年間とする。(建設業法施行規則第28条第2項)

4.◯

設計図書に定められた内容に疑義が生じた場合は、監理者と協議を行い、設計図書の訂正に至らない事項があった場合は、記録を整備する。

[ No.44 ]
工程の実施計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.高層集合住宅のタクト手法による工程計画において,作業期間がタクト期間の2倍となる作業には,その作業の作業班を2班投入して,切れ目のない工程とした。
2.高層事務所ビルの鉄骨建方計画において,タワークレーンによる鉄骨の取付け歩掛りは,1台1日当たり80ピースとして計画した。
3.一般的な事務所ビルの鉄骨建方計画において,建方用機械の鉄骨建方作業での稼働時間を1台1日当たり5時間30分として計画した。
4.一般的な事務所ビルの鉄骨建方計画において,タワークレーンの鉄骨建方作業のみに占める時間の割合を,65%として計画した。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

タクト手法は、主に繰り返し作業の工程管理に用いられる。作業を繰り返し行うことによる習熟効果によって生産性が向上する。作業期間がタクト期間の2倍となる作業は、その作業班を2班投入し、切れ目のない工程としなければならない。

2.x

タワークレーンは、1日当たり 40~50ピース程度とされている。トラッククレーンの揚重ピース数は、1日当たり 20~30ピース程度とされている。 (鉄骨工事技術指針・工場現場施工編)

3.◯

現場の作業時間を午前8時〜午後5時までの9時間とすると、9時間の60%は5時間24分となる。 (鉄骨工事技術指針・工場現場施工編)したがって、鉄骨建て方機械の稼働時間を1台1日当たり5時間30分として計画するのは不適当ではないと判断される。

4.◯

ビルの鉄骨建て方において、タワークレーンの鉄骨建方作業占有率(鉄骨建て方作業のみに占める時間の割合)は、同時期作業が多く、補助クレーンを用いる場合でおおむね60%前後とされている。(鉄骨工事技術指針・工場現場施工編)

1級建築施工管理技士 令和06年 学科 問題7 解説

問題番号[ No.45 ]〜[ No.50 ]までの6問題全問題を解答してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.45 ]
品質管理に関する記述として,最も適当なものはどれか。
1.品質管理は,品質計画の目標のレベルに係わらず,緻密な管理を行う。
2.品質管理は,品質の目標値を大幅に上回る品質が確保されていれば,優れた管理といえる。
3.品質管理は,品質計画を施工計画書に具体的に記述し,そのとおりに実施することである。
4.品質管理は,前工程より後工程に管理の重点を置くほうがよい。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.×

品質管理は,品質計画の目標のレベルに応じて,適切な計画を立てて管理を行う。

2.×

品質の目標値を大幅に上回る品質が確保されている場合、過剰品質として工期、コスト面から優れた品質管理とはいえない

3.◯

品質管理とは,工事中に問題点は改善方法などを見出しながら、合理的、かつ、経済的に施工することや、品質計画施工計画書に具体的に記述し,そのとおりに実施することである。

4.×

品質に与える影響が大きい前段階や生産工程の上流でできるだけ手を打つことを川上管理といい、施工段階より計画段階で検討する方がより効果的である。

[ No.46 ]
鉄筋コンクリート構造の建築物の解体工事における振動対策及び騒音対策に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.周辺環境保全に配慮し,振動や粉塵の発生が抑えられるコンクリートカッターを用いる切断工法を採用した。
2.内部スパン周りを先に解体し,外周スパンを最後まで残すことにより,解体する予定の躯体を防音壁として利用した。
3.振動レベル計の指示値が周期的に変動したため,変動ごとの指示値の最大値と最小値の平均を求め,その中の最大の値を振動レベルとした。
4.壁等を転倒解体する際の振動対策として,先行した解体作業で発生したガラを床部分に敷き,クッション材として利用した。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

鉄筋コンクリート造建築物の解体工事におけるコンクリートカッターを用いる切断工法は、振動や粉塵の発生を抑制できるので、周辺環境保全に配慮した工法である。

2.◯

内部スパン周りを先に解体し、外周スパンを最後まで残すことにより,解体する予定の外周スパンの躯体を防音壁として利用することは、振動、騒音対策として有効である。

3.×

振動レベルの測定器の指示値が周期的に変動する場合、変動ごとの指示値の最大値の平均を求め、その値を振動レベルとする

4.◯

壁等を転倒解体する際の振動対策として,先行した解体作業で発生したガラ(コンクリート破片)を床部分に敷き、クッション材として利用することは、振動、騒音の発生抑制に有効である

[ No.47 ]
足場に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.くさび緊結式足場の建地の間隔は,桁行方向2m,梁間方向1.2mとした。
2.つり足場の作業床は,幅を40cm以上とし,かつ,隙間がないようにした。
3.移動はしごは,丈夫な構造とし,幅は30cm以上とした。
4.移動式足場の作業床の周囲は,高さ90cmで中桟付きの丈夫な手すり及び高さ10cmの幅木を設置した。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

建地の間隔は、桁行方向 1.85m 以下、梁間方向 1.5m 以下とする。(労働安全衛生規則第571条第1項第一号)

2.◯

足場(一側足場を除く)における高さ2m以上の作業場所に設けなければならない作業床は、幅を40cm以上、床材間の隙間3cm以下とする。ただし、つり足場の場合は、床材間の隙間があってはならない。(労働安全衛生規則第563条第1項第二号)

3.◯

移動はしごは,丈夫な構造とし,著しい損傷、腐食等がなく、幅は30cm以上とすること。また、すべり止め装置の取付けその他転位を防止するために必要な措置を講じなければならない。(労働安全衛生規則第527条)

4.◯

移動式足場の作業床の周囲は、高さ90cm以上で中桟付きの丈夫な手すり及び高さ10cm以上の幅木を設けること。ただし、手すりと作業床との間に丈夫な金網等を設けた場合は、中残及び幅木を設けないことができる。(移動式足場の安全基準に関する技術上の指針3-6)

[ No.48 ]
特定元方事業者の講ずべき措置として,「労働安全衛生規則」上,定められていないものはどれか。
1.特定元方事業者と関係請負人との間及び関係請負人相互間における,作業間の連絡及び調整を随時行なうこと。
2.有機溶剤等を入れてある容器を集積する箇所を統一的に定め,これを関係請負人に周知させること。
3.関係請負人が新たに雇い入れた労働者に対し,雇入れ時の安全衛生教育を行なうこと。
4.作業用の仮設の建設物の配置に関する計画の作成を行なうこと。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

特定元方事業者と関係請負人との間及び関係請負人相互間における、作業間の連絡及び調整を随時行なうことと規定されている。(労働安全衛生規則第636条)

2.◯

特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所で行われる場所において、当該場所に有機溶剤等を入れてある容器が集積されときは、当該容器を集積する箇所を統一的に定め、これを関係請負人に周知させなければらない。(労働安全衛生規則第641条第1項柱書、第一号)

3.×

関係請負人が新たに雇い入れた労働者に対して、雇入れ時の安全衛生教育を行うのは、特定元方事業者ではない。雇入れ教育はその関係請負人の事業者が行う。(労働安全衛生規則第59条第1項)

4.◯

特定元方事業者は、同法30条第1項第五号の計画の作成については、工程表等の当該仕事の工程に関する計画並びに当該作業場所における主要な機械、設備及び作業用の仮設の建設物の配置に関する計画の作成しなければならない。(労働安全衛生規則第638条の3)

[ No.49 ]
ゴンドラに関する記述として,「ゴンドラ安全規則」上,誤っているものはどれか。
1.ゴンドラを使用して作業するときは,原則として,1月以内ごとに1回,定期に,自主検査を行なわなければならない。
2.ゴンドラを使用する作業を,操作する者に単独で行なわせるときは,操作の合図を定めなくてもよい。
3.ゴンドラを使用して作業を行なう場所については,当該作業を安全に行なうため必要な照度を保持しなければならない。
4.ゴンドラの検査証の有効期間は2年であり,保管状況が良好であれば1年を超えない範囲内で延長することができる。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

事業者は、ゴンドラを使用して作業するときは、原則として、1月以内ごとに1回、定期に、一定の事項について自主検査を行なわなければならない。ただし、1月を超える期間使用しないゴンドラの当該使用しない期間においては、この限りでない。(ゴンドラ安全規則第21条第1項柱書)

2.◯

事業者は、ゴンドラを使用して作業を行うときは、ゴンドラの操作について一定の合図を定め、合図を行う者を指名して、その者に合図を行わせなければならない。ただし、ゴンドラを操作する者に単独で行なわせるときは、この限りでない。(ゴンドラ安全規則第16条第1項)

3.◯

事業者は、ゴンドラを使用して作業を行なう場所については,当該作業を安全に行なうため必要な照度を保持しなければならない。(ゴンドラ安全規則第20条)

4.×

ゴンドラ検査証の有効期限は1年とする。ただし、製造検査または使用検査を受けた後、設置されていないゴンドラであって、その保管状況が良好であると都道府県労働局長が認めたものについては、当該ゴンドラの検査証の有効期間を製造検査または使用検査の日から起算して2年を超えず、かつ、当該ゴンドラを設置した日から起算して1年を超えない範囲で延長することができる。(ゴンドラ安全規則第9条)

[ No.50 ]
酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときの事業者の責務に関する記述として,「酸素欠乏症等防止規則」上,誤っているものはどれか。
1.酸素欠乏危険場所で空気中の酸素の濃度測定を行ったときは,その記録を3年間保存しなければならない。
2.酸素欠乏危険場所では,原則として,空気中の酸素の濃度を15%以上に保つように換気しなければならない。
3.酸素欠乏危険作業については,所定の技能講習を修了した者のうちから,酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。
4.酸素欠乏危険作業に就かせる労働者に対して,酸素欠乏危険作業に係る特別の教育を行わなければならない。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

事業者は、労働安全衛生法施行令第21条第九号に掲げる作業場について、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素(第2種酸素欠乏危険作業に係る作業場にあっては、酸素及び硫化水素)の濃度を測定しなければならない。事業者は、測定を行ったときは、そのつど、測定日時、測定方法、測定箇所、測定条件、測定結果などを記録して、これを3年間保存しなければならない。(酸素欠乏症等防止規則第3条)

2.×

事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合は、当該作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を 18%以上(第2種酸素欠乏危険作業に係る場所にあっては、空気中の酸素の濃度を18%以上、かつ、硫化水素の濃度を100万分の10以下)に保つように換気しなければならない。ただし、爆発、酸化等を防止するため換気することができない場合または作業の性質上換気することが著しく困難は場合は、この限りでない。(酸素欠乏症等防止規則第5条第1項)

3.◯

事業者は、酸素欠乏危険作業については、第1種酸素欠乏危険作業にあっては酸素欠乏危険作業主任者技能講習または酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を終了した者のうちから、第2種酸素欠乏危険作業にあっては、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任技能者講習を終了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。(酸素欠乏症等防止規則第11条第1項)

4.◯

事業者は、第1種酸素欠乏危険作業に係る業務に労働者をつかせるときは、当該労働者に対し、特別の教育を行わなければならない。(酸素欠乏症等防止規則第12条第1項)

1級建築施工管理技士 令和06年 学科 問題8 解説

問題番号[ No.51 ]〜[ No.60 ]までの10問題は応用能力問題です。全問題を解答してください。
問題は五肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.51 ]
鉄筋のガス圧接に関する記述として,最も不適当なものはどれか。ただし,鉄筋はSD345とする。
1.径の異なる鉄筋のガス圧接部のふくらみの直径は,細いほうの径の1.4倍以上とする。
2.圧接継手において鉄筋の長さ方向の縮み量は,1か所当たり鉄筋径の1.0~1.5倍を見込む。
3.同一径の鉄筋の圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は,鉄筋径いの1/5以下とする。
4.圧接端面は平滑に仕上げ,ばり等を除去するため,その周辺を軽く面取りを行う。
5.鉄筋の圧接部の加熱は,圧接端面が密着するまでは中性炎で行い,その後は還元炎で行う。
答え

  5

[ 解答解説 ]

1.◯

径の異なる鉄筋のガス圧接部ふくらみの直径は、細いほうの径の1.4倍以上とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編5.4.4(ア))

2.◯

ガス圧接すると鉄筋の長さ方向に縮むので、鉄筋径の1.0~1.5倍程度の長さ方向の縮み量を、圧接継手において考慮する。(建築工事監理指針)

3.◯

圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径(径が異なる場合は細い方の鉄筋径)1/5以下であること。(公共建築工事標準仕様書建築工事編5.4.4(エ))

4.◯

圧接端面は平滑に仕上げ、その周辺は軽く面取りがされていることとする。

5.×

圧接部の加熱は、圧接端面が相互に密着するまでは還元炎(アセチレン過剰炎)で行い、その後は火力の強い中性炎(標準炎)で、圧接面を中心としてバーナー揺動幅を鉄筋径の2倍程度としながら加熱する。

[ No.52 ]
コンクリートの運搬,打込み及び締固めに関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.暑中コンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は,35℃以下とした。
2.コンクリートの圧送負荷の算定に用いるベント管の水平換算距離は,ベント管の実長の3倍とした。
3.同一区画のコンクリート打込み時における打重ねは,先に打ち込まれたコンクリートの再振動可能時間以内に行った。
4.梁及びスラブの鉛直打継ぎ部は,スパンの中央付近に設けた。
5.コンクリート内部振動機(棒形振動機)による締固めにおいて,加振時間を1か所当たり60秒程度とした。
答え

  5

[ 解答解説 ]

1.◯

暑中コンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、原則として35℃以下とする。(JASS5)

2.◯

コンクリートポンプによる圧送には、圧送負荷の算定し、ポンプの能力と対比し判定する。圧送負荷の算定時、ベント管の水平換算距離距離は実長の3倍の長さがあるものとして計算する。

3.◯

同一区画のコンクリート打込み時における打重ね時間は、コールドジョイントを発生させないために、先に打ち込まれたコンクリートの再振動可能時間以内とする。

4.◯

梁及びスラブの鉛直打継ぎ部は、一般にせん断応力の小さいスパン中央付近または曲げ応力の小さいスパンの1/3~1/4付近に設ける。(建築工事監理指針)

5.×

コンクリート内部振動機で締め固める場合の加振時間は、打ち込まれたコンクリートがほぼ水平になり、コンクリート表面にセメントペーストが浮き上がる時間を標準とし、1箇所5~15秒の範囲とするのが一般的である。(建築工事監理指針)

[ No.53 ]
鉄骨の加工及び組立てに関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.鋼材は,自動ガス切断機で開先を加工し,著しい凹凸が生じた部分を修正した。

2.鉄骨鉄筋コンクリート構造において,鉄骨柱と鉄骨梁の接合部のダイアフラムに,コンクリートの充填性を考慮して,空気孔を設けた。

3.490N/mm2級の鋼材において,孔あけにより除去される箇所にポンチでけがきを行った。

4.公称軸径が24mmの高力ボルト用の孔あけ加工は,ドリル孔あけとし,径を27mmとした。

5.アンカーボルト用の孔あけ加工は,板厚が13mmであったため,せん断孔あけとした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

鋼材の開先加工は、自動ガス切断機で開先を加工し、切断部分凹凸が生じた部分はノッチという加工不良となるので修正する。。

2.◯

鉄骨鉄筋コンクリート構造において、鉄骨柱と鉄骨梁の接合部のダイアフラムには、コンクリートの充填性を考慮して空気孔を設ける

3.◯

鉄骨工事の工作におけるけがきは、490N/mm2級以上の高張力鋼または曲げ加工される400N/mm2級の軟鋼の外面には、ポンチ、たがねによる打こんを残してはならない。(JASS6)孔あけにより除去される箇所には、ポンチでけがきを行っても良い。

4.×

公称軸径が24mmの高力ボルト用の孔あけ加工は,ドリル孔あけとし,径は26mmとする。

高力ボルト径の+2mm。(建築基準法施行令第68条第2項)

5.◯

ボルト孔、アンカーボルト孔、鉄筋貫通孔は、ドリルあけを原則とするが、板厚13mm以下の場合は、せん断孔あけとすることができる。(建築工事監理指針)

[ No.54 ]
塗膜防水に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.ウレタンゴム系塗膜防水の絶縁工法において,立上り部の補強布は,平場部の通気緩衝シートの上に100mm張り掛けた。
2.ウレタンゴム系塗膜防水の絶縁工法において,平場部の防水材の総使用量は,硬化物比重が1.3だったため,3.9kg/m2とした。

3.ウレタンゴム系塗膜防水の絶縁工法において,通気緩衝シートの重ね幅は,50mmとした。

4.ゴムアスファルト系塗膜防水工法において,補強布の重ね幅は,50mmとした。

5.ゴムアスファルト系防水材の室内平場部の総使用量は,固形分60%のものを使用するため,4.5kg/m2とした。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

ウレタンゴム系塗膜防水の絶縁工法の立上り部、ドレン回り及びパイプ回りなどでは、補強布の重ね幅は100mm以上とする。(建築工事監理指針)

2.◯

ウレタンゴム系塗膜防水の絶縁工法において、平場部の防水材の総使用量は、硬化物比重が1.0の場合、3.0kg/m2、1.3の場合3.9kg/m2とする。(建築工事監理指針)

3.×

通気緩衝シートの継ぎ目は突付けとし、突付け部分は 50 mm以上の幅の接着剤付きポリエステル不織布または織布のテープを張り付ける。(公共建築工事標準仕様書 建築工事編 9.5.4(4)(ウ))

4.◯

ゴムアスファルト系塗膜防水工法の塗継ぎ重ね幅は、100mm以上とし、補強布の重ね幅は50mm以上とする。(公共建築工事標準仕様書 建築工事編 9.5.4(4)(ウ))

5.◯

ゴムアスファルト系室内仕様防水材の総使用量は、固形分60%(質量)を使用した場合、4.5kg/m2とする。ただし、固形分がこれ以上の場合にあっては、所定の塗膜厚を確保するように使用量を換算する。(公共建築工事標準仕様書 建築工事編 9.5.3(2)、表9.5.2)

[ No.55 ]
セメントモルタルによる壁タイル後張り工法に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.改良積上げ張りの張付けモルタルは,下地モルタル面に塗厚4mmで塗り付けた。

2.密着張りの張付けモルタルは,1回の塗付け面積を2m2以内とした。

3.モザイクタイル張りの張付けモルタルは,下地面に対する塗付けを2度塗りとし,1層目はこて圧をかけて塗り付けた。

4.マスク張りの張付けモルタルは,ユニットタイルの裏面に厚さ4mmのマスク板をあて,金ごてで塗り付けた。

5.改良圧着張りの張付けモルタルは,下地面に対する塗付けを2度塗りとし,その合計の塗厚を5mmとした。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

改良積上げ張りは、張付けモルタルを塗厚 7~10mmとしてタイル裏面に塗り付けた状態で張り付ける。(JASS19)

2.◯

密着張りの張付けモルタルの1回の塗付け面積の限度は、張付けモルタルに触れると手に付く状態のままタイル張りが完了できることとし、2m2以内とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編11.2.6(2)(イ))

3.◯

モザイクタイル張りの張付けモルタルの塗付けは、2度塗りとし,1層目は薄く下地面にこすりつけるように塗り、下地モルタル面の微妙な凸凹に張り付けモルタルが食い込むようにし、次いで張り付けモルタルを塗り重ね、3mm程度の厚さとし定規を用いてむらの内容に塗厚を均一にする。(建築工事監理指針)

4.◯

マスク張りの張付けモルタルは、ユニットタイル裏面にタイルの大きさに見合ったマスク(マスク厚さ4mm程度)を用い、張付けモルタルを金ごてで下地に均一に塗り付ける。(建築工事監理指針)

5.◯

改良圧着張りの下地面への張付けモルタルは2度塗りし、その合計の塗厚を4〜6mmとする。タイル側への塗付けの場合、1〜3mmとする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編11.2.6(3)(ア)、表11.2.3)

[ No.56 ]
内装工事におけるボード張りに関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.せっこうボードを軽量鉄骨壁下地に張り付ける際,ドリリングタッピンねじの留付け間隔は,周辺部200mm程度,中間部300mm程度とした。

2.せっこうボードを軽量鉄骨天井下地に張り付ける際,ドリリングタッピンねじの長さは,下地材の裏面に5mm以上の余長が得られる長さとした。

3.せっこうボードを軽量鉄骨壁下地に張り付ける際,ボードの下端と床面の間を10mm程度浮かして張り付けた。

4.ロックウール化粧吸音板を天井せっこうボード下地に重ね張りする際,吸音板の目地は,下地ボードの目地と重ならないよう,50mm以上ずらして張り付けた。

5.厚さ9.5mmのせっこうボードを厚さ12.5mmの壁せっこうボード下地に接着剤を用いて重ね張りする際,併用するステープルの足の長さを20mmとした。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

軽量鉄骨壁下地にボードを直接張り付ける場合の留付け用小ねじの間隔は、周辺部200mm程度、中間部300mm程度であり、中間部の方が間隔が大きい。(JASS26)

2.×

せっこうボードを軽量鉄骨下地に直接張り付ける場合は、鋼製下地の裏面に10 mm以上の余長が得られる長さのドリリングタッピンねじを用い、頭がボード面より少しへこむように確実に締め込む。(JASS26)

3.◯

せっこうボードを軽量鉄骨壁下地に張り付ける際、ボードの下端部は、床面からの吸水を防止するため、床面から10mm程度浮かして張り付ける。(建築工事監理指針)

4.◯

ボード類下地に対してロックウール化粧吸音板を重ね張りする場合、下張りとロックウール化粧吸音板の目地の位置が重ならないように、50mm以上ずらして張り付ける。(JASS26)

5.◯

せっこうボードの留付けに用いられるステープルの足の長さを20mmなどが用いられる。保持力は低いので、接着剤による取付け時の仮留め金物とするのが適切である。(JASS26)

[ No.57 ]
仮設計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.傾斜地に設置する仮囲いの下端の隙間を塞ぐため,土台コンクリートを設ける計画とした。

2.仮囲いは,工事現場の周辺や工事の状況により危害防止上支障がなかったため,設けない計画とした。

3.仮囲いは,道路管理者や所轄警察署の許可を得て,道路の一部を借用して設置する計画とした。

4.女性用便所は,同時に就業する女性労働者が45人見込まれたため,便房を2個設置する計画とした。

5.ガスボンベ類の貯蔵小屋は,通気を良くするため,壁の1面を開口とし,他の3面は上部に開口部を設ける計画とした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

傾斜地に設置する仮囲いの下端の隙間が生じた場合、隙間を塞ぐため、土台コンクリートや木製の幅木等を設けることとする。

2.◯

建築基準法施行令第136条の2の20の仮囲いの規定内に「工事現場の周辺若しくは工事の状況により危害防止上支障がない場合においては。この限りでない。」とある。

3.◯

道路の一部を借用して仮囲いを行う計画を検討する場合、道路管理者の「道路占用許可」や所轄警察署の「道路使用許可」を得る必要がある。(道路法第32条第1項第七号、第2項、道路交通法第77条第1項第一号)

4.×

労働安全衛生規則第628条には、男性用大便器の便房の数は男性労働者 60人以内ごとに1個以上、男性用小便器の箇所数は男性労働者 30人以内ごとに1個以上、女性用便所の便房の数は女性労働者 20人以内ごとに1個以上とすることと規定されている。女性労働者45人の場合は、便房の数は3個である。

5.◯

ガスボンベ類の貯蔵小屋は、ガスガ滞留しないように通気を良くするため、壁の1面を開口とし,他の3面は上部に開口部を設ける計画とする。(JASS2)

[ No.58 ]
建築工事における工期と費用に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。

1.総工事費は,工期に比例して増加する。

2.間接費は,工期の長短に相関して増減する。

3.直接費と間接費の和が最小となるときが,最適な工期となる。

4.ノーマルタイム(標準時間)とは,直接費が最小となるときに要する工期をいう。

5.クラッシュタイム(特急時間)とは,どんなに直接費を投入しても,ある限度以上には短縮できない工期をいう。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

総工事費は、直接費と間接費を合わせたものであり、直接費は施工速度を速めると増加するが、間接費は逆に減少するため、工期に比例して増加するとは限らない

2.◯

間接費とは、建築物としは残らないが工事に必要な仮設の費用のことをいう。間接費は,工期の長短に相関して増減し、一般に、工期が長くなると間接費は増加する。

3.◯

最適工期とは、直接費と間接費とを合わせた総工事費が最小となるときの工期である。

4.◯

ノーマルタイム(標準時間)とは、直接費が最小となるときに要する工期をいう。なお、直接費とは、工事に直接かかる費用のことで、材料費や労務費等が含まれる。

5.◯

クラッシュタイム(特急時間)とは、どんなに直接費を投入しても、ある限度以上には短縮できない工期をいう。

[ No.59 ]
躯体工事における試験及び検査に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.フレッシュコンクリートの荷卸し地点での検査において,スランプ試験は,試料をスランプコーンに詰める際,ほぼ等しい量の3層に分けて詰めた。

2.フレッシュコンクリートの荷卸し地点での検査において,スランプ18cmのコンクリートのスランプの許容差は,±2.5cmとした。

3.フレッシュコンクリートの荷卸し地点での検査において,1回の試験における塩化物含有量は,同一試料からとった3個の分取試料についてそれぞれ1回ずつ測定し,その平均値とした。

4.鉄筋工事のガス圧接継手の超音波探傷試験において,抜取りの1ロットの大きさは,1組の作業班が1日に施工した圧接か所とした。

5.鉄筋工事のガス圧接継手の超音波探傷試験において,抜取りは,1ロットに対して無作為に3か所抽出して行った。

答え

  5

[ 解答解説 ]

1.◯

フレッシュコンクリートのスランプ試験は、高さ300mmの金属製スランプコーンを用いて行い、試料をほぼ等しい量の3層に分けて詰め、各層ごとに、突き棒で均した後、25回一様いん突く。この割合で突いて材料の分離を生ずるおそれのあるときは、分離を生じない程度に突き数を減らす。(JIS A 1101)

2.◯

フレッシュコンクリートの荷卸し地点での検査において、スランプ18cmのコンクリートのスランプの許容差は、スランプ8cm以上18cm以下の場合は、±2.5cmである。(JIS A 5308)

3.◯

塩化物量の測定は。同一試料からとった3個の分取試料について各1回ずつ測定し,その平均値とする。コンクリート運搬車から採取する場合、アジテーターを高速回転させて十分に攪拌した後、採取する。(公共建築工事標準仕様書建築工事編6.5.4(1)、表6.9.1)

4.◯

鉄筋工事のガス圧接継手の超音波探傷試験において、1検査ロットは、1作業班が1日に行った箇所とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編5.4.10(イ)(a)①)

5.×

抜取検査の超音波探傷試験は、非破壊試験で1検査ロットに対して30箇所行う。1検査ロットに対して3箇所行うのは、破壊検査である引張り試験である。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.60 ]
労働災害に関する用語の説明として,最も不適当なものはどれか。

1.労働災害とは,業務に起因して,労働者が負傷し,疾病にかかり,又は死亡することで,公衆災害は含まない。

2.休業日数は,労働災害により労働者が労働することができない日数で,休日であっても休業日数に含める。

3.強度率とは,労働者1,000人当たり1年間に発生した死傷者数を示す。

4.度数率とは,災害発生の頻度を表すもので,100万延労働時間当たりの労働災害による死傷者数を示す。

5.労働損失日数は,死亡及び身体障害が永久全労働不能の場合,1件につき7,500日とする。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

労働災害とは、労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、または作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、または死亡することをいう。(労働安全衛生法第2条第一号)

2.◯

休業日数は、労働災害により労働者が労働することができない日数であり、休日であっても休業日数に含まれる。休業日数については労働災害発生日の翌日から起算して日数をカウントする。(厚生労働省の統計調査)

3.×

強度率とは、1,000 延労働時間当たりの労働損失日数の割合で表すもので、災害の重さの程度を示す。

強度率 = 延労働損失日数 / 延労働時間数 × 1,000

4.◯

度数率とは、100万延労働時間当たりの労働災害による死傷者数で、災害発生の頻度を表す。

度数率 = 労働災害による死傷者数 / 延実労働時間数 × 1,000,000

5.◯

労働損失日数は、死亡及び永久全労働不能障害(身体障害等級1〜3級)の場合,1件につき7,500日とする。

1級建築施工管理技士 令和06年 学科 問題9 解説

問題番号[ No.61 ]〜[ No.72 ]までの12問題のうちから、8問題を選択し、解答してください。8問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.61 ]
次の記述のうち,「建築基準法」上,誤っているものはどれか。
1.高さが4mを超える広告塔を設置しようとする場合においては,確認済証の交付を受けなければならない。
2.床面積の合計が5m2の建築物を除却しようとする場合においては,当該除却工事の施工者は,その旨を都道府県知事に届け出る必要はない。
3.防火地域及び準防火地域内に建築物を増築しようとする場合においては,その増築部分の床面積の合計が10m2以内のときは,建築確認を受うける必要はない。
4.木造3階建ての戸建て住宅について,大規模の修繕をしようとする場合においては,確認済証の交付を受けなければならない。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

高さが4mを超える広告塔、広告板、装飾塔、記念塔その他これらに類するものは、確認の申請書を提出して建築主事等の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。(建築基準法第88条第1項、同法第6条第1項、同施行令第138条第1項第三号)

2.◯

建築主が建築物を建築しようとする場合または建築物を除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合においては、これらの者は、建築主事等を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該建築物または当該工事に係る部分の床面積の合計が10m2以内である場合においては、この限りでない。(建築基準法第15条第1項)

3.×

建築物を増築しようとする場合の増築部分の床面積の合計が10m2以内であっても,防火地域及び準防火地域内においては、建築確認を受うける必要がある。(建築基準法第6条第2項)

4.◯

木造3階建ての戸建て住宅について、大規模の修繕をしようとする場合においては、建築主は、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定その他建築物の敷地、構造または建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものに適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事等の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。(建築基準法第6条第1項)

[ No.62 ]
次の記述のうち,「建築基準法」上,誤っているものはどれか。
1.特定行政庁は,建築物の工事施工者に対して,当該工事の施工の状況に関する報告を求めることができる。
2.特定行政庁は,原則として,建築物の敷地について,そのまま放置すれば保安上危険となり,又は衛生上有害となるおそれがあると認める場合,所有者に対して,その敷地の維持保全に関し必要な指導及び助言をすることができる。
3.建築主は,延面積が1,000m2を超え,かつ,階数が2以上の建築物を新築する場合,一級建築士である工事監理者を定めなければならない。
4.建築主は,軒の高さが9mを超える木造の建築物を新築する場合においては,二級建築士である工事監理者を定めなければならない。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

特定行政庁は、建築主事等または建築監視員は、建築物の工事の計画若しくは施工の状況に関する報告を工事施工者に求めることができる。(建築基準法第12条第5項)

2.◯

特定行政庁は、建築物の敷地、構造または建築設備について、損傷、腐食その他の劣化が生じ、そのまま放置すれば保安上危険となり、または衛生上有害となるおそれがあると認める場合においては、当該建築物またはその敷地の所有者、管理者または占有者に対して、修繕、防腐措置その他当該建築物またはその敷地の維持保全に関し必要な指導及び助言をすることができる。(建築基準法第9条の4)

3.◯

建築基準法第5条の6第4項に、「建築主は、第1項に規定する工事をする場合においては、それぞれ建築士法第3条第1項、第3条の2第1項若しくは第3条の3第1項に規定する建築士又は同法第3条の2第3項の規定に基づく条例に規定する建築士である工事監理者を定めなければならない。」と規定があり、建築士法第3条第1項には、「各号に掲げる建築物(建築基準法第85条第1項又は第2項に規定する応急仮設建築物を除く。)を新築する場合においては、一級建築士でなければ、その設計又は工事監理をしてはならない。」同項第四号に、「延べ面積が1,000m2をこえ、且つ、階数が2以上の建築物」と規定されている。

4.×

木造の建築物または建築物の部分で、高さが13mまたは軒の高さが9mを超えるものを新築する場合においては、一級建築士でなければ、その設計または工事監理をしてはならない。(建築士法第3条第1項二号)

[ No.63 ]
避難施設等に関する記述として,「建築基準法施行令」上,誤っているものはどれか。
1.小学校の児童用の廊下の幅は,両側に居室がある場合,1.8m以上としなければならない。
2.集会場で避難階以外の階に集会室を有するものは,その階から避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならない。
3.回り階段の部分における踏面の寸法は,踏面の狭いほうの端から30cmの位置において測らなければならない。
4.建築物の高さ31m以下の部分にある3階以上の階には,原則として,非常用の進入口を設けなければならない。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

両側に居室がある場合の,小学校の児童用の廊下の幅は,2.3m以上としなければならない。(建築基準法施行令第119条)

2.◯

建築物の避難階以外の階が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その階から避難階又は地上に通ずる二以上の直通階段を設けなければならない。第一号、劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂又は集会場の用途に供する階でその階に客席、集会室その他これらに類するものを有するもの。(建築基準法施行令第121条第1項柱書、第一号)

3.◯

回り階段の部分における踏面の寸法は,踏面の狭いほうの端から30cmの位置において測るものとする。(建築基準法施行令第23条第2項)

4.◯

建築物の高さ31m以下の部分にある3階以上の階には,原則として,非常用の進入口を設けなければならない。(建築基準法施行令第126条の6柱書本文)

[ No.64 ]
建設業の許可に関する記述として,「建設業法」上,誤っているものはどれか。
1.内装仕上工事等の建築一式工事以外の工事を請け負う建設業者であっても,特定建設業の許可を受けることができる。
2.特定建設業の許可を受けようとする者は,発注者との間の請負契約で,その請負代金の額が8,000万円以上であるものを履行するに足りる財産的基礎を有していなければない。
3.特定建設業の許可を受けた者でなければ,発注者から直接請け負った建設工事を施工するために,建築工事業にあっては下請代金の額の総額が7,000万円以上となる下請契約を締結してはならない。
4.建設業の許可を受けようとする者は,複数の都道府県の区域内に営業所を設けて営業をしようとする場合,それぞれの都道府県知事の許可を受けなければならない。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

許可は、建設業法第3条第2項に、別表第一の上欄に掲げる建設工事の種類ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる建設業に分けて与えるものとすると規定されている。建設業の許可は、内装仕上工事等の建設業の種類ごとに与えられ、建築一式工事以外の工事を請け負う建設業者であっても,特定建設業の許可を受けることができる

2.◯

特定建設業の許可を受けようとする者は,発注者との間の請負契約で,その請負代金の額が8,000万円以上であるものを履行するに足りる財産的基礎有していなければない。(建設業法第15条第三号、同法施行令第5条の4)

3.◯

特定建設業の許可を受けた者でなければ、発注者から直接請け負った建設工事を施工するために,建築工事業にあっては下請代金の額の総額が政令で定める金額(建築工事の場合 7,000万円)以上となる下請契約を締結してはならない。(建設業法第16条第二号、同法第3条第1項第二号、同法施行令第2条)

4.×

建設業の許可を受けようとする者は、複数の都道府県の区域内に営業所を設けて営業する場合、国土交通大臣の許可を受けなければならない。(建設業法第3条)

[ No.65 ]
請負契約に関する記述として,「建設業法」上,誤っているものはどれか。
1.元請負人は,その請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目,作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとするときは,あらかじめ,注文者の意見をきかなければならない。
2.特定建設業者は,当該特定建設業者が注文者となった下請契約に係る下請代金の支払につき,当該下請代金の支払期日までに一般の金融機関による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付してはならない。
3.元請負人は,下請負人に対する下請代金のうち労務費に相当する部分については,現金で支払うよう適切な配慮をしなければならない。
4.注文者は,請負人に対して,建設工事の施工につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは,あらかじめ注文者の書面等による承諾を得て選定した下請負人である場合を除き,その変更を請求することができる。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

元請負人は、その請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ、下請負人の意見をきかなければならない。(建設業法第24条の2)

2.◯

特定建設業者は,当該特定建設業者が注文者となった下請契約に係る下請代金の支払につき、当該下請代金の支払期日までに一般の金融機関(預金または貯金の受入れ及び資金の融通を業とする者をいう。)による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付してはならない。(建設業法第24条の6第3項)

3.◯

元請負人は、同法第24条の3第1項に規定する下請代金のうち労務費に相当する部分については、現金で支払うよう適切な配慮をしなければならない。(建設業法第24条の3第2項)

4.◯

注文者は、請負人に対して建設工事の施工につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは、その変更を請求することができる。ただし、あらかじめ注文者の書面等による承諾を得て選定した下請負人については、この限りではない。(建設業法第23条第1項)

[ No.66 ]
工事現場に置く技術者に関する記述として,「建設業法」上,誤っているものはどれか。
1.発注者から直接建築一式工事を請け負った特定建設業者は,下請契約の総額が7,000万円以上の工事を施工する場合,監理技術者を工事現場に置かなければならない。
2.特定専門工事の元請負人が置く主任技術者は,当該特定専門工事と同一の種類の建設工事に関し1年以上指導監督的な実務の経験を有する者でなければならない。
3.工事一件の請負代金の額が7,000万円である事務所の建築一式工事において,工事の施工の技術上の管理をつかさどるものは,工事現場ごとに専任の者でなければならない。
4.専任の者でなければならない監理技術者は,当該選任の期間中のいずれの日においても国土交通大臣の登録を受けた講習を受講した日の属する年の翌年から起算して5年を経過しない者でなければならない。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

発注者から直接建築一式工事を請け負った特定建設業者は、下請契約の総額が政令で定める金額(建築工事業の場合7,000万円)以上の工事を施工する場合には、工事現場に監理技術者を置かなければならない。(建設業法第26条第2項、同法第3条第1項第二号、同施行令第2条)

2.◯

特定専門工事の元請負人及び下請負人は、その合意により、当該下請負人が当該特定専門工事につき建設業法の規定より置かなければならない主任技術者が、その行うべき規定する職務を併せて、当該下請負人がその下請負に係る建設工事につき建設業法の規定によりおかなければならないとされる主任技術者の行うべき規定する職務を行うこととすることができる。この元請負人が置く主任技術者は、当該特性専門工事と同一の種類の建設工事に関し1年以上指導監督的な実務の経験を有すること。(建設業法第26条の3第1項、第7項第一号)

3.×

建設業者は、元請、下請にかかわらず請け負った建設工事を施工するときは、請負金額の大小に関係なく、その工事現場の建設工事施工の技術上の管理をつかさどるものとして主任技術者を置かなければならない。(建設業法第26条第1項)

4.◯

専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においても、登録を受けた講習を受講した日の属する年の翌年から起算して5年を経過しない者でなければならない。(建設業法第26条第5項、同施行規則第17条の19)

[ No.67 ]
次の記述のうち,「労働基準法」上,誤っているものはどれか。
1.満18才に満たない者を,原則として午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。
2.満18才に満たない者を,高さが5m以上の場所で,墜落により危害を受けるおそれのあるところにおける業務に就かせてはならない。
3.満18才以上で妊娠中の女性労働者を,動力により駆動される土木建築用機械の運転の業務に就かせてはならない。
4.満18才以上で妊娠中の女性労働者を,足場の組立て,解体又は変更の業務のうち地上又は床上における補助作業の業務に就かせてはならない。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

使用者は、満18才に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によって使用する満16才以上の男性については、この限りでない。(労働基準法第61条第1項)

2.◯

使用者は、満18才に満たない者を、高さが5m以上の場所で、墜落により危害を受けるおそれのあるところにおける業務に就かせてはならないと規定されている。(労働基準法第62条第1項、年少者労働基準規則第8条第二十四号)

3.◯

使用者は、満18才以上で妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性を、動力により駆動される土木建築用機械又は船舶荷扱用機械の運転の業務に就かせてはならない。(労働基準法第64条の3第1項、女性労働基準規則第2条第1項七号)

4.×

労働基準法(女性労働基準規則第2条、3条)では、妊産婦、及びその他女性の就業制限は以下のように定められている。

つり上げ荷重が 5トン以上のクレーン、デリック又は制限荷重が 5トン以上の揚貨装置の運転の業務」「動力により駆動される土木建築用機械又は船舶荷扱用機械の運転の業務」

クレーン、デリック又は揚貨装置の玉掛けの業務(2人以上の者によって行う玉掛けの業務における補助作業の業務を除く。)

足場の組み立て、解体または変更の業務(地上または床上における補助作業の業務を除く。)

等は妊婦には就かせてはならない業務、産婦には申し出た場合就かせてはならない業務、その他の女性を就かせても差し支えない業務に定められている。

「対象有害物を発散する場所に置いて行われる業務」や「重量物を取り扱う業務」は、妊産婦であるか否かにかかわらず女性を就業させることが禁止されている業務に定められている。

[ No.68 ]
建設業の事業場における安全衛生管理体制に関する記述として,「労働安全衛生法」上,誤っているものはどれか。
1.統括安全衛生責任者を選任した特定元方事業者は,元方安全衛生管理者を選任しなければならない。
2.安全衛生責任者は,安全管理者又は衛生管理者の資格を有する者でなければならない。
3.元方安全衛生管理者は,その事業場に専属の者でなければならない。
4.統括安全衛生責任者は,その事業の実施を統括管理する者でなければならない。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

統括安全衛生責任者を選任した事業者で、建設業その他政令で定める業種に属する事業を行うものは、厚生労働省令で定める資格の有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、元方安全衛生管理者を選任し、その者に技術的事項を管理させなければならない。(労働安全衛生法第15条の2第1項)

2.×

統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行うものは、安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者との連絡その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。(労働安全衛生法第16条)安全衛生責任者の資格要件は、定められていない。

3.◯

元方安全衛生管理者の選任は、その事業場に専属の者を選任して行わなければならない。(労働安全衛生規則第18条の3)

4.◯

統括安全衛生責任者は、当該場所においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。(労働安全衛生法第15条第2項)

[ No.69 ]
労働者の就業に当たっての措置に関する記述として,「労働安全衛生法」上,正しいものはどれか。
1.事業者は,建設業の事業場において新たに職務に就くこととなった作業主任者に対し,作業方法の決定及び労働者の配置に関する事項について,安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。
2.就業制限に係る業務に就くことができる者が当該業務に従事するときは,これに係る免許証その他その資格を証する書面の写しを携帯していなければならない。
3.作業床の高さが10m以上の高所作業車の運転の業務には,高所作業車運転技能講習を修了した者を就かせなければならない。
4.つり上げ荷重が5t以上の移動式クレーンの運転の業務には,クレーン・デリック運転士免許を受けた者を就かせなければならない。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.×

事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導または監督する者(作業主任者を除く。)に対し、安全または衛生のための教育を行わなければならない。(労働安全衛生法第60条)作業主任者ではない。

2.×

事業者が就業制限に係る業務につくことができる者を当該業務に従事させるとき、当該業務につくことができる者は、これに係る免許証その他資格を証する書面を携帯していなければならない

3.◯

作業床の高さが10m以上の高所作業車の運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務(同施行令第20条第十五号)は、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を終了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。(労働安全衛生法61条第1項)

4.×

クレーンに関する資格はタワークレーン等の固定されたクレーンと移動式クレーンとでは資格が異なり、つり上げ荷重 5t以上のクレーンの運転業務にはクレーン・デリック運転士免許が、つり上げ荷重 5t以上の移動式クレーンの運転業務には移動式クレーン運転士免許がそれぞれ必要となる

[ No.70 ]
特定建設資材を用いた次の工事のうち,「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」上,分別解体等をしなければならない建設工事に該当しないものはどれか。
1.建築物の増築工事であって,当該工事に係る部分の床面積の合計が500m2の工事
2.建築物の耐震改修工事であって,請負代金の額が8,000万円の工事
3.擁壁の解体工事であって,請負代金の額が500万円の工事
4.建築物の解体工事であって,当該工事に係かる部分の床面積きの合計が80m2の工事
答え

  2

[ 解答解説 ]

分別解体等実施義務について、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律第9条第1項に、「特定建設資材を用いた建築物等に係る解体工事又はその施工に特定建設資材を使用する新築工事等であって、その規模が第3項又は第4項の建設工事の規模に関する基準以上のもの(以下「対象建設工事」という。)の受注者(当該対象建築工事の全部または一部について下請契約が締結されている場合における各下請負人を含む。以下「対象建設工事受注者」という。)又はこれを請負契約によらないで自ら施工する者(以下、「自主施工者」という。)は、正当な理由がある場合を除き、分別解体等をしなければならない。」と規定されている。また、分別解体等をしなければならない建設工事については、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律施行令第2条第1項に、建設工事の規模に関する基準は以下のとおりとする規定されている。

一.

建築物に係る躯体工事については、当該建築物(当該解体工事に係る部分に限る。)の床面積の合計が80m2であるもの

二.

建築物に係る新築または増築の工事については、当該建築物(増築の工事にあっては、当該工事に係る部分に限る。)の床面積の合計が 500m2であるもの

建築物に係る新築工事等であって前号に規定する新築または増築の工事に該当しないものについては、その請負代金の額が1億円であるもの

四.

建築物以外のものに係る解体工事または新築工事等については、その請負代金の額が500万円であるもの

1.該当する

建築物に係る新築または増築の工事については、当該建築物(増築の工事にあっては、当該工事に係る部分に限る。)の床面積の合計が 500m2であるものは該当する。

2.該当しない

3.該当する

建築物以外のものに係る解体工事または新築工事等については、その請負代金の額が500万円であるものは該当する。

4.該当する

建築物に係る躯体工事については、当該建築物(当該解体工事に係る部分に限る。)の床面積の合計が80m2であるものは該当する。

[ No.71 ]
指定地域内における特定建設作業において,「騒音規制法」上,実施の届出を必要としないものはどれか。
ただし,作業はその作業を開始した日に終わらないものとする。
1.環境大臣が指定するものを除き,原動機の定格出力が80kW以上のバックホウを使用する作業
2.環境大臣が指定するものを除き,原動機の定格出力が70kW以上のトラクターショベルを使用する作業
3.さく岩機の動力として使用する作業を除き,電動機以外の原動機の定格出力が15kW以上の空気圧縮機を使用する作業
4.さく岩機を使用する作業であって,作業地点が連続的に移動し,1日における当該作業に係る2地点間の距離が50mを超える作業
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.必要

環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が80kW以上のバックホウを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出が必要である。(騒音規制法第14条、同施行令第2条、別表第二第六号)

2.必要

環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が70kW以上のトラクターショベルを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出が必要である。(騒音規制法第14条、同施行令第2条、別表第二第七号)

3.必要

さく岩機の動力として使用する作業を除き、電動機以外の原動機の定格出力が15kW以上の空気圧縮機を使用する作業は、特定建設作業の実施の届出が必要である。(騒音規制法第14条、同施行令第2条、別表第二第四号)

4.必要としない

さく岩機を使用する作業は、市町村長に実施の届出をしなければならない。最大距離が50mを超える作業は特定建設作業から除かれているので実施の届出をしなくてもよい。(騒音規則法施行令別表第二第三号)

[ No.72 ]
政令で定める積載物の重量や大きさ等の制限を超えて車両を運転する際の対応として,「道路交通法」上,誤っているものはどれか。
1.制限外許可証は,当該車両の出発地を管轄する警察署長から交付を受ける。
2.積載した貨物の長さが制限を超えたときは,昼間にあっては,その貨物の見やすい箇所に,白い布をつける。
3.積載した貨物の長さ又は幅が制限を超えたときは,夜間にあっては,その貨物の見やすい箇所に,反射器をつける。
4.積載した貨物の幅が制限を超えたときは,夜間にあっては,その貨物の見やすい箇所に,赤色の灯火をつける。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

出発地警察署長は、制限外許可をしたときは、許可証を交付しなければならない。よって、制限外許可証は、当該車両の出発地を管轄する警察署長から交付を受ける。(道路交通法第58条)

2.× 、3.◯、4.◯

(道路交通法第24条)

1 積載した貨物の長さ又は幅が前2条に規定する制限又は法第57条第2項の規定に基づき公安委員会が定める制限を超えるものであるときは、その貨物の見やすい箇所に、昼間にあつては0.3メートル平方以上の大きさの赤色の布を、夜間にあつては赤色の灯火又は反射器をつけること。

2 車両の前面の見やすい箇所に法第58条第1項の許可証(次項及び次条において「制限外許可証」という。)を掲示すること。