1級建築施工管理技士 平成25年 学科 問題1解説

平成25年 1級建築施工管理技士 学科 問題1 解答解説

※ 問題番号[ No.1 ]~[ No.15 ]までの 15 問題のうちから、12 問題を選択し、解答してください。
[ No. 1 ]
伝熱に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.複数の材料で構成された多層壁の熱伝導抵抗は、材料ごとの熱伝導抵抗の合計値で表される。
2.壁の内部に中空層を設け2重壁とする場合、中空層が厚くなればなるほど断熱効果が高くなる。
3.熱放射は、電磁波による熱移動現象であり、真空中であっても放射による熱移動は生じる。
4.熱損失係数は、建物の断熱性能評価の指標であり、この値が小さいほど断熱性能が高い。

答え

  2
壁の中空層(空気層)の熱抵抗は、中空層の厚さが20〜30mmを超えると、厚さに関係なくほぼ一定となる。
1 ◯
複数の建築材料で構成される多層壁における個体や静止した液体中うでは温度差によって熱が伝達され、その熱伝導抵抗は、材料ごとの熱伝導抵抗の合計値で表される。
3 ◯
熱放射は、電磁波によって起こる熱移動現象である、真空中でも放射による熱移動が生じる。
4 ◯
熱損失係数は、建物の断熱性、気密性を統合した熱的性能の評価の指標として用いられるもので、各室の貫流熱損失及び換気、すき間風等による熱損失の合計を求め、これを述べ面積と室内外の温度差で除した値である。この値が小さいほど、床面積当たりの熱損失が少なく、エネルギー消費も少ない

[ No. 2 ]
採光に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.全天空照度とは、天空光が遮蔽されることのない状況で、直射日光を除いた全天空による、ある点の水平面照度をいう。
2.形状と面積が同じ側窓は、その位置を高くしても、昼光による室内の照度分布の均斉度は変わらない。
3.昼光による室内の採光では、一般に天空光を活用することを考える。
4.ある点における間接昼光率は、壁や天井などの室内表面の反射率の影響を受ける。

答え

  2
形状と面積が同じ窓でも、高い位置にあるほど、昼光による室内の照度分布の均斉度は高くなる
1 ◯
全天空照度とは、全天空が望める水平面の天空光のみによる照度であり、直射日光は含まない。曇天の場合は、曇天光のみによる照度であり、全天照度、全天空照度ともいう。
3 ◯
太陽の光を昼光といい、昼光は直射光と天空光に大別される。直射光は直射の太陽光のことで、天空光は太陽の光が空中に拡散したもので空の明るさのことである。一般に室内の採光は、天空光を活用する。
4 ◯
ある点における間接昼光率は、内部の壁や天井などの室内表面の反射率の影響を受ける

[ No. 3 ]
マンセル表色系に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.マンセル記号で表示された「5 RP 3/8」のうち、数値「3」は彩度を表す。
2.マンセル色相環の相対する位置にある色相は、互いに補色の関係にある。
3.明度は、理想的な白を 10、理想的な黒を0として、10 段階に分割している。
4.彩度は、色の鮮やかさの程度を表し、マンセル色立体では、無彩色軸からの距離で示す。

答え

  1
マンセル記号で表示された「5RP3/8」のうち、数値「3」は明度「8」は彩度を表す。
2 ◯
たとえば、紫色と黄緑色の絵の具を混ぜると灰色になる。このように2種の色を混合した無彩色を補色という。マンセル色相環の相対する位置にある色相は、互いに補色の関係にある。
3 ◯
マンセル表色系では、Nは無彩色を示し、Nは0の場合は純粋な黒で、Nが10の場合は純粋な白を表す。
4 ◯
彩度は、色の鮮やかさの程度を表し、無彩色を0とし、色があざやかになるにしたがって段階的に数値が大きくなる。

[ No. 4 ]
鉄筋コンクリート造の建築物の構造計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.建物間に設けるエキスパンションジョイント部のあき寸法は、建物相互の変形量を考慮する。
2.同一階に同一断面の長柱と短柱が混在する場合は、地震時に短柱の方が先に破壊しやすい。
3.特定の階だけ階高を高くすると剛性が不連続になるので、耐震壁を増やすなど、その階の剛性増加を図る。
4.重心と剛心が一致しない建築物では、地震時にねじれ変形が生じ、剛心に近い構面ほど層間変形が大きくなる。

答え

  4
剛心に近い構面ほど、層間変形が小さくなる
1 ◯
建物間に設けるエキスパンションジョイント部のあき寸法は、複雑な平面または立面形状の建物では地震時の位相差による応力などに建物相互の変形量を考慮する
2 ◯
同一階に長柱と短柱が混在した場合、水平力が作用し変形したときは、同一変形量でも短柱の変形角が大きくなるので、地震時には短柱の方が先に破壊しやすい
3 ◯
特定の階だけ階高を高くすると、水平力を受けた場合、剛性が小さいために層間変形が大きくなる

[ No. 5 ]
鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.柱の主筋の断面積の和は、コンクリートの断面積の 0.8 % 以上とする。
2.床スラブは、地震力に対し同一階の水平変位を等しく保つ役割をし、面内剛性が高いほどよい。
3.梁貫通孔は、梁端部への配置を避け、孔径を梁せいの1/2以下とする。
4.柱のじん性を確保するため、短期軸方向力を柱のコンクリート全断面積で除した値は、コンクリートの設計基準強度の1/3以下とする。

答え

  3
梁に設ける貫通孔の径は、一般に梁せいの1/3以下とする。
1 ◯
柱の主筋の断面積の和は、コンクリートの断面積の 0.8 % 以上とする。(建築基準法施行令第77条第六号)
2 ◯
床スラブは、地震力に対し同一階の水平変位を等しく保つ役割をし、面内剛性が高いほどよい
4 ◯
柱のじん性を確保するため、短期軸方向力を柱のコンクリート全断面積で除した値は、コンクリートの設計基準強度の1/3以下とする。

[ No. 6 ]
鉄骨構造における接合部に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.引張力とせん断力を同時に受けるときの摩擦接合部の高力ボルトの軸断面に対する許容せん断応力度は、引張力を受けないときの許容値より低減させる。
2.十分な管理が行われる場合、完全溶込み溶接の許容応力度は、接合される母材の許容応力度とすることができる。
3.応力を負担させるT継手の隅肉溶接の場合、母材間の交角は、60度から120度の範囲とする。
4.せん断応力のみを受ける高力ボルト摩擦接合の場合、繰返し応力によるボルトの疲労を考慮する必要がある。

答え

  4
せん断応力のみを受ける高力ボルトを摩擦接合の高力ボルトは、繰返し応力の影響を考える必要はない
1 ◯
引張力( N )とせん断力( Q )とを同時に受けるような高力ボルト接合では、引張力によって被接合材の接触面の摩擦力が低下するので、その許容せん断応力度は低減させる。(建築基準法施行令第92条の2)
2 ◯
完全溶込み溶接(突合せ溶接)ののど断面の許容応力度は、接合される母材の許容応力度とする。
3 ◯
T継手の交角が 60度以下の場合は、隅肉溶接の底の溶込みを完全施工することが困難であるので、隅肉溶接を用いてはならない。また、交角が120度以上の場合も溶接の構造や施工の点から見て好ましくないので、隅肉溶接を禁止している。T継手が交角が 60度以下あるいは 120度以上の場合は、完全溶け込み溶接とする。

[ No. 7 ]
杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.杭と杭の中心間隔は、杭径が同じ場合、打込み杭の方が埋込み杭より小さくすることができる。
2.杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力と極限周面摩擦力との和で表す。
3.既製コンクリート杭の継手の方法には、溶接継手のほか、接続金具による無溶接継手工法がある。
4.支持杭の場合、周囲地盤の沈下によって杭周面に働く負の摩擦力を考慮する。

答え

  1
杭と杭の中心間隔は、打込み杭が杭径の2.5倍以上、埋込み杭は杭径の2倍以上とする。よって、中心間隔は打込み杭の方が大きい
2 ◯
杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力と極限周面摩擦力とので表す。
3 ◯
既製コンクリート杭の継手工法には、アーク溶接または接続金具による無溶接継手工法がある。
4 ◯
支持杭を用いた基礎で上部に圧密を起こす地盤がある場合は、地盤沈下に伴い杭の表面の地盤と一緒に杭を沈下させる下向き摩擦力が生じる。この負の摩擦力を考慮しなければならない。

[ No. 8 ]
図に示す鉄筋コンクリートの部材に、上下方向から 19 kN の荷重を断面に一様に作用させた場合、コンクリート部分の負担する軸力として、正しいものはどれか。 ただし、鉄筋の断面積は 1,000 mm2、鉄筋のコンクリートに対するヤング係数比は 10 とする。
  25-8.jpg
 1.6 kN
 2.7 kN
 3.8 kN
 4.9 kN

答え

  4
(1)鉄筋の負担面積を求める。
1,000mm2 = 10cm2
にヤング係数比10を掛ける。
10cm2 × 10 = 100cm2
(2)コンクリートの負担面積を求める。
10cm × 10cm = 100cm2から、
鉄筋の断面積を引く。
100cm2 − 10cm2 = 90 cm2
(3)上下方向から19kNの荷重を
断面に一様に作用させた場合の
クンクリート部分の負担する軸力(Nc)を求める。
90cm2 / (100+90)cm2 = Nc/19
より
Nc ≒ 9 kN
∴ 正解 4

[ No. 9 ]
図に示す3ヒンジラーメンに等分布荷重 w が作用したときの曲げモーメント図として、 正しいものはどれか。 ただし、曲げモーメントは材の引張り側に描くものとする。
  25-9-0.jpg
1. 25-9-1.jpg
2.25-9-2.jpg
3. 25-9-3.jpg
4. 25-9-4.jpg

答え

  1
3ヒンジラーメンに等分布荷重wが作用したときの曲げモーメントを求める。
(1)支点反力を求めるために、3ヒンジラーメンを下図のように仮定する。
  25-9-Ansスリーヒンジ.jpg
(2)上記図の支点反力を題意の3ヒンジラーメンに設定しモーメント図を作成すると下記のようになる。
  25-9-Ansスリーヒンジ2.jpg
∴正解は1

[ No. 10 ] 図は、架構のC点に水平荷重Pが作用したときの柱の曲げモーメントを示したものである。 このときにおける支点Bの垂直反力 VB の値の大きさとして、正しいものはどれか。
  25-10.jpg
 1.25 kN
 2.50 kN
 3.75 kN
 4.90 kN

答え

  2
(1)C・D材とA・B材の曲げモーメントは、下記図のようになる。
25-10モーメント図.jpg
(2)C・D材のせん断力QCDは、
QCD=(60kN・m + 60kN・m)/6m = 20kN
(3)A・B材のせん断力QABは、
QAB=(90kN・m + 90kN・m)/6m = 30kN
(4)支点Bにおける垂直反力VBは、C・D材のせん断力とA・B材のせん断力の和なので、
VB = QCD + QAB = 20kN + 30kN = 50kN
∴ 正解は2

[ No. 11 ]
鋼材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.銅を添加すると、耐候性が向上する。
2.炭素量が増加すると、引張強さと伸びが増加する。
3.クロムを添加すると、耐食性が向上する。
4.モリブデンを添加すると、高温時の強度低下が少なくなる。

答え

  2
炭素含有梁が増加すると強度は向上するが、伸びやじん性が低下し溶接性は悪くなる
1 ◯
銅は、耐候性を向上させるので耐候性鋼には欠かせない元素で、必要に応じて 0.20 〜 0.60%が添加される。。
3 ◯
鋼材にクロム酸の液を添加すると、耐食性が向上し劣化を防ぐことができる。
4 ◯
耐火鋼(FR鋼)は耐熱性を高めるために、モリブデン、パナジウム、タングステン等の元素を添加して高温強度を向上させ、耐火被覆を軽減もしくは無被覆にできる鋼材である。

[ No. 12 ]
石材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.花崗岩は、耐摩耗性、耐久性に優れ、建物の外部、床、階段に用いられる。
2.砂岩は、耐火性に優れるが、吸水率の大きなものは耐凍害性に劣る。
3.大理石は、美観に優れるが、耐酸性、耐火性に劣り、屋外に使用すると表面が劣化しやすい。
4.凝灰岩は、軟質で加工しやすく、耐火性、耐久性に優れる。

答え

  4
凝灰岩は、軟質で加工しやすく、加工性、耐火性、吸水性は大きいが、風化しやすく耐久性は劣る
1 ◯
花崗岩は御影石とも呼ばれ、地下深部のマグマが地殻内で冷却固結したものである。結晶質の石材で耐久性に富む石材として建築物の外部を中心に多く使われている。耐摩耗性があり、床、階段にも用いられる。
2 ◯
砂岩は、種々の岩石が租粒となり水中に堆積し固結したもので、一般に耐火性に優れてものが多いが、吸水性が大きく耐摩耗性、耐凍害性、耐久性に劣り、磨いても光沢は出ない。
3 ◯
大理石は石灰岩が結晶化したもので、美観に優れ強度もそこそこあるが、耐酸性、耐火性に劣り、屋外に使用することは不適である。

[ No. 13 ]
日本工業規格(JIS)において、外壁面に用いる次の金属製建具における性能項目として、 規定されているものはどれか。
1.スライディングドアセット ── ねじり強さ
2.スライディングサッシ   ── 耐衝撃性
3.スイングドアセット    ── 開閉繰り返し
4.スイングサッシ      ── 鉛直荷重強さ

答え

  3
1.スライディングドアセットの性能項目には、ねじりの強さは規定されていない。
2.スライディングサッシの性能項目には、耐衝撃性ではなく耐風圧性が規定されている
3.記述のとおり。
4.スイングサッシの性能項目には、鉛直荷重強さは規定されていない。

[ No. 14 ]
建築用シーリング材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.日本工業規格(JIS)によるタイプFは、グレイジング以外の用途に使用するシーリング材である。
2.シリコーン系シーリング材は、耐候性、耐熱性、耐寒性に優れている。
3.不定形シーリング材とは、施工時に粘着性のあるペースト状のシーリング材のことである。
4.2成分形シーリング材は、空気中の水分や酸素と反応して表面から硬化する。

答え

  4
2成分計シーリング材とは、施工直前に基剤と硬化剤を調合し、化学反応で硬化するシーリング材である
1 ◯
建築用シーリング材において、タイプは用途による区分を表し、タイプGはグレイジングに使用するシーリング材、タイプFはグレイジング以外の用途に使用するシーリング材を示す。日本工業規格(JIS)
2 ◯
シリコーン系シーリング材は、耐候性、耐熱性、耐寒性に優れている。
3 ◯
不定形シーリング材とは、ペースト状のシーリング材で、一方、定形シーリング材は、ガスケット等工場で成形されたゴム・樹脂・発泡体などによるものからなる。

[ No. 15 ]
内装材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.だんつうは、製造法による分類で織りカーペットの手織りに分類される。
2.日本工業規格(JIS)のパーティクルボードは、ホルムアルデヒド放散量による区分がある。
3.日本農林規格(JAS)のフローリングブロックは、ひき板を2枚以上並べて接合したものを基材とした複合フローリングである。
4.日本農林規格(JAS)の普通合板は、接着の程度によって1類と2類に分類されている。

答え

  3
フローリングブロックはひき板、単板または構成層が1の集成材を2枚以上並べて接合したものを基材とした単層フローリングであって、素地床の上のみ張り込むのに適当な強度を有するものをいう。
1 ◯
だんつうは、機械織りではなく手織りで、麻や綿等の糸にパイル糸を絡ませ長さを切りそろえながら織ったもので、ペルシャだんつう、インドだんつうなどがある。
2 ◯
日本工業規格(JIS)のパーティクルボードは、木材の小片を接着剤を用いて熱圧成形したボードで遮音性、断熱性、耐久性、防火性に優れている。ホルムアルデヒド放散量による区分がある。
4 ◯
日本農林規格(JAS)の普通合板は、接着の程度により、1類と2類に分類されている。 1類は継続的に湿潤状態となる場所に、2類はときどき湿潤状態となる場所に使用される。

1級建築施工管理技士 平成25年 学科 問題2解説

平成25年 1級建築施工管理技士 学科 問題2 解答解説

※ 問題番号[ No.16 ]~[ No.20 ]までの 5問題は、全問題を解答してください。
[ No. 16 ]
構内アスファルト舗装に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.アスファルト混合物の敷均し時の温度の下限値は、90 °C である。
2.舗装に用いるストレートアスファルトは、一般地域では主として針入度が 60 ~ 80の範囲のものを使用する。
3.アスファルト混合物の締固め作業は、一般に継目転圧、初転圧、2次転圧、仕上げ転圧の順に行う。
4.アスファルト舗装終了後の交通開放は、舗装表面の温度が 50 °C 以下になってから行う。

答え

  1
アスファルト混合物等の敷均し時の温度は、110℃以上とする。
2 ◯
舗装用ストレートアスファルトは、原油を蒸留装置にかけ、軽質分を除去して得られる者である。一般地域では針入度が 60 ~ 80 の範囲のものを使用する。
3 ◯
アスファルト混合物の締固め作業は、一般に既設の舗装との継目部分を密着させるために行う継目転圧、10〜20tのロードローラーを用いる初転圧8〜20tのタイヤローラか 6〜10tの振動ローラを用いる二次転圧、不陸の修正やローラマークの消去のために行う仕上げ転圧の順に行う。
4 ◯
交通解放時の温度は、舗装の初期のわだち掘れに大きく影響する。舗装表面の温度をおおむね 50 °C 以下にすることにより、交通解放初期の舗装の変形を小さく抑えることができる。

[ No. 17 ]
電気設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.フロアダクトは、使用電圧が 300V以下で、屋内の乾燥した場所の床埋込み配線に用いられる。
2.ケーブルラックの金属製部分には、接地工事を施してはならない。
3.低圧屋内配線のための金属管の厚さは、コンクリートに埋め込む場合、1.2 mm以上とする。
4.電線の太さは、許容電流、電圧降下などを考慮して決められる。

答え

  2
ケーブルラックに使用する金属製部分には、接地工事を施さなければならない。(電気設備工事共通仕様書)
1 ◯
フロアダクト工事は隠ぺいされ、かつ屋内の乾燥した場所で使用電圧が 300V以下の場所に限定されており、300Vを超える場所では採用できない。(電気設備に関する技術基準を定める省令)
3 ◯
低圧屋内配線に使用する金属管の厚さは、コンクリートに埋め込むものは 1.2 mm以上、コンクリート以外のものは 1.0 mm以上とする。
4 ◯
電線・ケーブルの機械的強度、許容電流、電圧降下の3つの条件が満たされるものでなければならない。

[ No. 18 ]
空気調和設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.パッケージユニットは、機内に冷凍機を内蔵するユニット形空調機である。
2.ファンコイルユニット方式の4管式配管は、ゾーンごとに冷暖房の同時運転が可能である。
3.単一ダクト方式における CAV 方式は、負荷変動に対して風量を変える方式である。
4.冷却塔は、冷凍機内で温度上昇した冷却水を空気と直接接触させて、気化熱により冷却する装置である。

答え

  3
単一ダクト方式におけるCAV方式は、室内に吹き出す空気量が一定で、冷房負荷に応じて吹き出す空気の温度を変えることにより室温を調整する方式である。吹出し風量が一定のため、各室ごとの負荷変動に対しては対応できない。
1 ◯
空気調和機には、エアハンドリングユニット、ファンコイルユニット、パッケージユニット、ルームエアコンディショナー等の種類がある。パッケージユニットは、機内に冷凍機を内蔵する方式の空気調和機である。
2 ◯
ファンコイルユニット方式の4管式配管は、1管式に比べてゾーンごとに冷暖房同時運転が可能で、室内環境の制御性に優れている
4 ◯
冷却塔は、冷凍機内で温度上昇した冷却水を空気と直接接触させて、冷却水の一部の蒸発による気化熱で冷却する装置である。

[ No. 19 ]
昇降設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.勾配が8度を超え30度以下のエスカレーターの踏段の定格速度は、50m/分とする。
2.エスカレーターの踏段の幅は 1.1 m 以下とし、踏段の両側に手すりを設ける。
3.乗用エレベーターにあっては、1人当たりの体重を 65kgとして計算した最大定員を明示した標識を掲示する。
4.エレベーターの昇降路内には、原則として、エレベーターに必要な配管以外の配管設備を設けてはならない。

答え

  1
勾配が8度を超え30度以下のエスカレーターの踏段の定格速度は45m/分以下とする。
2 ◯
エスカレーターの踏段の幅は 1.1 m 以下とし、踏段の両側に手すりを設け、上端部の中心までの水平距離は 25cm以下とする。
3 ◯
乗用エレベーターにあっては、1人当たりの体重を 65kgとして計算する。たとえば、最大積載量 750kgのエレベーターは定員 11名となるので、最大定員 11名と明示する。
4 ◯
エレベーターの昇降路内には、原則としてエレベーターの必要配管以外の配管設備を設けてはならない。 (建築基準法施行令第129条の2の5第1項第三号)ただし、一定基準に適合した光ファイバー、光ファイバーケーブルの設置は可能になっている。

[ No. 20 ]
請負契約に関する記述として、「公共工事標準請負契約約款」上、誤っているものはどれか。
1.設計図書において監督員の検査を受けて使用すべきものと指定された工事材料の当該検査に直接要する費用は、受注者の負担とする。
2.工事の施工に伴い通常避けることができない騒音、振動、地盤沈下、地下水の断絶等の理由により第三者に損害を及ぼしたときは、原則として、発注者がその損害を負担しなければならない。
3.受注者は、その責めに帰すことができない事由により工期内に工事を完成することができないときは、その理由を明示した書面により、発注者に工期の延長を請求することができる。
4.現場代理人は、契約の履行に関し、工事現場に原則として常駐し、その運営、取締りを行うほか、請負代金額の変更及び契約の解除に係る権限を行使することができる。

答え

  4
現場代理人は、請負代金額の変更及び契約の解除に係る権限は行使できない。(約款第10条)
1 ◯
設計図書において監督員の検査を受けて使用すべきものと指定された工事材料について検査する場合、検査に直接要する費用は、受注者(請負者)の負担とする。(約款第13条第2項)
2 ◯
公共工事標準請負契約約款第28条により正しい記述である。ただし、その損害のうち工事の施工につき受注者(請負者)が善良な管理者の注意義務を怠ったことにより生じたものについては、受注者(請負者)が負担する
3 ◯
受注者は、その責めに帰すことができない事由により工期内に工事を完成することができない場合は、その理由を明示した書面により、発注者に工期の延長の変更を請求することができる。
(約款第21条)

1級建築施工管理技士 平成25年 学科 問題3解説

平成25年 1級建築施工管理技士 学科 問題3 解答解説

※ 問題番号[ No.21 ]~[ No.33 ]までの 13 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。
[ No. 21 ]
乗入れ構台の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.乗込みスロープの勾配は、一般に1/10~1/6程度にする。
2.構台の幅が狭いときは、交差部に、車両が曲がるための隅切りを設ける。
3.構台の支柱の位置は、使用する施工機械、車両の配置によって決める。
4.構台の大引材や根太材の構造計算は、強度検討のほかに、たわみ量についても検討する。

答え

  3
構台の支柱の位置は、地下構造図と重ね合わせるなどして、基礎梁、柱、梁等の位置と重ならないように配置する必要があり、使用する施工機械、車両の配置により決めるものではない。したがって、本肢が最も不適当である。
1 ◯
乗入れ構台の乗込みスロープの勾配は、工事用機械や車両の出入りに支障を生じないように、一般的に1/10~1/6程度にする。 使用する重機・車両の種類によって腹を擦らないよう事前に調査を行う。
2 ◯
構台の幅が狭いときは、交差部に車両が曲がるための隅切りが必要である。 隅切りは通行する車両に応じた大きさとする。
4 ◯
構台の大引材や根太材の構造計算に際しては、強度の検討のほかに、たわみが垂直方向の揺れとなり作業に支障をきたすことがあるので、たわみ量の検討をする必要がある。

[ No. 22 ]
土質試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.粒度試験の結果で求められる粒径から、透水係数の概略値を推定できる。
2.液性限界・塑性限界試験の結果は、土の物理的性質の推定や塑性図を用いた土の分類に利用される。
3.圧密試験により、砂質土の沈下特性を求めることができる。
4.三軸圧縮試験により、粘性土のせん断強度を求めることができる。

答え

  3
圧密試験は、地盤の沈下量や沈下時間の予測に必要な情報を求める室内試験で、供試体に荷重を加え、その圧縮状態から粘性土の圧密沈下を予測する
1 ◯
土の粒度と透水係数の間には密接な関係があり、粒度がわかれば透水係数の概略値を知ることができる。具体的には粒径加積曲線における通過質量 10%または 20%の通過径から求める方法である。
2 ◯
液性限界・塑性限界試験の結果は、土の物理的性質の推定や塑性図を用いた土の分類に用いられる。液性限界は粘性土の飽和状態から含水比が低くなると液体状から塑性を有する土となる境界の含水比で、塑性限界はさらに含水比を減じてもろく硬い土となる塑性の限界となる含水比である。
4 ◯
粘性土のせん断強度は、一軸圧縮試験によって求めることもできるが、試料に薄い砂質の部分が入っている場合や、ひび割れがある粘土では、側面を加えた状態で行う三軸圧縮試験がよい。

[ No. 23 ]
親杭横矢板水平切梁工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.プレボーリングで親杭を設置する際に、親杭の受働抵抗を十分に発揮させるため、杭の根入れ部分には良質砂による埋戻しを行う。
2.親杭の杭心位置の精度を確保するため、間隔保持材を用いたガイド定規、建込み定規を用いる。
3.山留め壁からの水平荷重を均等に受けるため、腹起しと親杭の間に裏込め材を設置する。
4.横矢板の設置後、打音等により矢板の裏込め材の充填状況を確認の上、親杭と横矢板との間にくさびを打ち込んで裏込め材を締め付け安定を図る。

答え

  1
プレボーリングで親杭を接地する場合、杭の根入れ部分にセメントベントナイト液を注入するか、杭の打込みや圧入を行う
2 ◯
親杭の杭心位置の精度を確保するには、間隔保持材(通常バカ棒)を定規として用い、正確な位置を出す。
3 ◯
山留め壁の水平荷重を均等に確保するため、腹起しと親杭の間に山砂等の裏込め材を用いる
4 ◯
横矢板の設置後、打音により裏込め材の充填状況を確認し、親杭と横矢板との間にくさびを打ち込んで締め付ける。

[ No. 24 ]
既製コンクリート杭の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.荷降ろしで杭を吊り上げる際には、安定するよう杭の両端の2点で支持して吊り上げるようにする。
2.セメントミルク工法における杭の設置は、根固め液注入の後に、圧入又は軽打によって杭を根固め液中に貫入させる。
3.セメントミルク工法において、オーガーは、掘削時及び引上げ時とも正回転とする。
4.打込み工法における一群の杭の打込みは、なるべく群の中心から外側へ向かって打ち進める。

答え

  1
既製コンクリートの杭の吊り上げは、支持点(杭の両端から杭長の1/5の点)近くの2点で支持する。
2 ◯
セメントミルク工法は、アースオーガーによってあらかじめ掘削された縦孔に杭を建込み、孔壁の崩壊防止のため安定液を注入し、所定の深度に達したのち根固め液に切り替え、圧入または軽打によって造成する。
3 ◯
掘削時及び引上げ時とも、オーガーは正回転とする。オーガーの引上げを急速に行うと吸引現象により支持層を緩めたり孔壁を崩壊させたりするので、できる限りゆっくりと行う。
4 ◯
杭の打込みは、なるべく群の中心から外側へ向かって杭を打ち進める。

[ No. 25 ]
鉄筋の加工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.あばら筋の加工において、一辺の寸法の許容差を± 5 mm とした。
2.同一径の SD295Aと SD345 の鉄筋を 90 °に折り曲げる場合の内法直径は、同じ値とした。
3.SD345、D19の鉄筋末端部の折曲げ内法直径は、呼び名に用いた数値の3倍とした。
4.スラブと一体となるT形梁において、U字形のあばら筋とともに用いるキャップタイの末端部は、90 °フックとした。

答え

  3
SD345、D19の異形鉄筋末端部の折曲げ内法直径は、呼び名に用いた数値の4倍以上とする。
1 ◯
あばら筋の加工については、幅、高さの加工寸法の許容差をそれぞれ ± 5 mm とする。
2 ◯
同一径の SD295Aと SD345 の鉄筋を 90 °に折り曲げる場合の内法直径は同じである。
4 ◯
スラブと一体となるT形梁のあばら筋には、90°のキャップタイを使用してもよい。

[ No. 26 ]
鉄筋のガス圧接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.SD345、D29 の鉄筋を手動ガス圧接で接合するので、日本工業規格(JIS)に基づく1種の技量を有する者によって行った。
2.同一種類の D29とD25の鉄筋は、手動ガス圧接により接合した。
3.圧接端面は平滑に仕上げ、ばり等を除去するため、その周辺を軽く面取りした。
4.圧接部の加熱は、圧接端面が密着するまでは還元炎で行い、その後は中性炎で加熱した。

答え

  1
圧接技量資格種別の1種の場合、作業可能な鉄筋径はD25以下に限られる。
2 ◯
鉄筋径または呼び名の差が 7mmを超える場合には、原則として圧接継手を設けてはならないが、同一種類の D29とD25の鉄筋は、手動ガス圧接により接合することができる。
3 ◯
圧接端面は平滑に仕上げられ、その周辺を軽く面取りがされていることとする。
4 ◯
圧接部の加熱は、鉄筋の軸方向へ 30MPa以上の加圧を行いつつ、加熱炎の中心が突き合わせた鉄筋の圧接端面から外れないにし、圧接端面同士が密着するまで還元炎によって加熱する。その後は中性炎で加熱した。

[ No. 27 ]
型枠工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.コンクリートの施工時の側圧や鉛直荷重に対する型枠の各部材それぞれの許容変形量は、3mm以下とした。
2.型枠の構造計算に用いる支保工以外の材料の許容応力度は、短期許容応力度とした。
3.パイプサポート以外の鋼管を支柱として用いるので、高さ 2 m以内ごとに水平つなぎを2方向に設けた。
4.枠組の支保工は、負担する荷重が大きいので、コンクリート又は十分に突き固めた地盤上に、敷角などを使用して設置した。

答え

  2
型枠の構造計算に用いる材料の許容応力度として、支保工以外のものは長期許容応力度と短期許容応力度の平均値を用いる
1 ◯
コンクリートの打設施工時における側圧や鉛直荷重に対する型枠の許容変形量は、3mm以下とする。
3 ◯
鋼管を支柱として用いるのにあっては。高さ 2 m以内ごとに水平つなぎを2方向に設け、かつ水平つなぎの変位を防止する。(労働安全衛生規則第242条第六号のイ)
4 ◯
型枠支保工を用いるときは、敷角を使用し、その地盤はコンクリート打設や杭の打ち込み等により支持力等あお負担する荷重が大きいので、コンクリート又は十分に突き固めた地盤上に、て設置した。

[ No. 28 ]
コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.単位セメント量が過小の場合、コンクリートのワーカビリティーが悪くなる。
2.計画供用期間の級が標準供用級において、普通ポルトランドセメントを用いる場合の水セメント比の最大値は、65%とする。
3.骨材に砕石や砕砂を使用し、スランプ 18cm のコンクリートを調合する場合、単位水量を 185 kg/m3以下にするためには、高性能AE減水剤を使用するとよい。
4.細骨材率を大きくすると、所要のスランプを得るのに必要な単位セメント量及び単位水量を減らすことができる。

答え

  4
細骨材率を大きくすると、所要のスランプを得るために単位セメント量及び単位水量を多く必要とし、流動性の悪いコンクリートとなる。単位セメント量及び単位水量を減らすことはできない。(建築工事監理指針)
1 ◯
単位セメント量は、水和熱及び乾燥収縮によるひび割れを防止する観点から、できるだけ少なくすることが望ましい。しかし、単位セメント量が過小であると、コンクリートのワーカビリティーが悪くなり、型枠内へのコンクリートの充填性の低下、じゃんか、す、打継ぎ部における不具合の発生、水密性の低下等を招きやすい。
2 ◯
水セメント比は、セメントに対する水の質量比である。すなわち、水:セメント = W/C で表す。普通ポルトランドセメントの水セメント比の最大値は65%とする。 (JASS5)
3 ◯
骨材に砕石や砕砂を使用するとスランプを一定値以下に抑えても単位水量は大きくなる。AE減水剤を使用した場合、スランプ 18cm で、単位水量を 185 kg/m3以下とすることは困難であるが、AE減水剤より高い減水性、スランプ保持性能を持つ性能AE減水剤を使用するとスランプ 18cm で、単位水量を 185 kg/m3以下とすることができる。

[ No. 29 ]
コンクリートの打込みに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.スランプ 18 cm 程度のコンクリートの打込み速度の目安は、一般にコンクリートポンプ 工法で打ち込む場合、20~30m3/h 程度である。
2.暑中コンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、原則として、40 °C 以下となるようにする。
3.コンクリート内部振動機(棒形振動機)の挿入間隔は、有効範囲を考慮して60cm以下とする。
4.高性能AE減水剤を用いた高強度コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間は、 外気温にかかわらず、原則として、120 分を限度とする。

答え

  2
暑中コンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、原則として35℃以下とする。
1 ◯
地上標準階において、打込み速度は打込み場所の施工条件によって大きく相違するが、十分な締固め作業ができる範囲とする。スランプ 18 cm 程度のコンクリートをコンクリートポンプ 工法で打ち込む場合目安は、、20~30m3/h 程度である。
3 ◯
コンクリート内部振動機(棒形振動機)の挿入間隔は、打込み高さと速度に応じて 60cm以下とする。
4 ◯
高性能AE減水剤を用いた高強度コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間は、 外気温による影響を考慮しないで、原則として 120 分を限度としている。

[ No. 30 ]
鉄骨の加工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.公称軸径が 24mm の高力ボルト用の孔あけ加工は、ドリルあけとし、径を 26mm とした。
2.鋼材の曲げ加工は、青熱ぜい性域を避け、約900 °C の赤熱状態で行った。
3.自動ガス切断機で開先を加工し、著しい凹凸が生じた部分は修正した。
4.高力ボルト接合の摩擦面は、ショットブラストにて処理し、表面あらさは 30μmRz 以上を確保した。

答え

  4
高力ボルト接合の摩擦面は、ショットブラストまたはグリッドブラストにて処理し、その表面の粗さは50μmRz以上を確保する
1 ◯
公称軸径が 24mm の高力ボルト用の孔あけは、ドリルあけで dI(24mm + 2.0mm = 26mm) 26mmの径とする。(建築基準法施行令第68条第2項)
2 ◯
鋼材の曲げ加工は、常温加工または加熱加工とする。加熱加工の場合は、赤熱状態(850〜約900 °C )で行う。青熱ぜい性域は避ける。
3 ◯
鋼材の開先加工は、自動ガス切断機で加工し、切断部に凹凸が生じた部分は修正する。
ノッチ深さは、管理許容値で 0.5mm以下、限界許容値で 1.0mm以下である。また、切断面の粗さは、100μmRz以下とする。

[ No. 31 ]
鉄骨工事の溶接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.溶接部の表面割れは、割れの範囲を確認したうえで、その両端から 50mm 以上溶接部をはつり取り、補修溶接した。
2.完全溶込み溶接の突合せ継手における余盛り高さについては、1 mmであったので、許容範囲内とした。
3.490N/mm2級の高張力鋼の組立て溶接を被覆アーク溶接で行うので、低水素系の溶接棒を使用した。
4.溶接作業場所の気温が-5 °C を下回っていたので、溶接部より 100mmの範囲の母材部分を加熱して作業を行った。

答え

  4
気温が-5 °C以下の場合は溶接を行ってはならない。5 °C から-5 °C の場合は、溶接部より100mmの範囲の母材部分を適切に加熱すれば溶接することができる。
1 ◯
溶接部の表面割れの範囲を確認したうえで、その両端から 50mm 以上をアークエアガウジングではつり取って船底型の形状に仕上げ補修溶接する。
2 ◯
完全溶込み溶接の突合せ継手(突き合せ溶接)は全断面にわたって溶接し、余盛は最小とする。余盛り高さ 1 mmは許容範囲内である。
3 ◯
490N/mm2級以上の高張力鋼の組立て溶接を被覆アーク溶接で行う場合には、低水素系の溶接棒を使用する。

[ No. 32 ]
建設機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.クラムシェルは、垂直掘削深さが 40m 程度までの軟弱地盤の掘削に用いられる。
2.ショベル系掘削機では、一般にクローラー式の方がホイール式よりも登坂能力が高い。
3.湿地ブルドーザーの平均接地圧は、全装備質量が同程度の場合、普通ブルドーザーより大きい。
4.ホイールクレーンは、同じ運転室内でクレーンと走行の操作ができ、機動性に優れている。

答え

  3
湿地ブルドーザーの平均接地圧は、全装備質量が同程度の場合、普通ブルドーザーの半分程度である。
1 ◯
クラムシェルは、ワイヤーでつったバスケットを重力により落下させて土をつかみこんで掘削するので、掘削深さ 40m 程度までの軟弱地盤の掘削に適している。
2 ◯
ショベル系掘削機では、クローラー式はキャタピラーなので多少の凸凹や軟弱地盤でも走行が可能で、ホイール式(車輪走行式)よりも一般的に登坂能力が高い
4 ◯
ホイールクレーンは、同じ運転室内でクレーンと走行の操作ができ、小回りがきくので狭い場所でも設置できる。つり上げ荷重はトラッククレーンに比べて小さい

[ No. 33 ]
鉄筋コンクリート造の耐震改修工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.枠付き鉄骨ブレースの設置工事において、現場で鉄骨ブレース架構を組み立てるので、継手はすべて高力ボルト接合とした。
2.柱と接する既存の袖壁部分に完全スリットを設ける工事において、袖壁の切欠きは、袖壁厚の2/3の深さまでとした。
3.既存構造体にあと施工アンカーが多数埋め込まれる増設壁部分に用いる割裂補強筋には、はしご筋を用いることとした。
4.増設壁コンクリート打設後に行う既存梁下と増設壁上部とのすき間に圧入するグラウト材の充填は、空気抜きからグラウト材が出ることで確認した。

答え

  2
完全スリットは、壁と柱を完全に縁切りすることが一般的である。通常既存コンクリート壁に30~40mmのすき間を設け、すき間に充填材を挿入したうえで止水処理を行う。
1 ◯
現場における溶接は、工場の溶接に比べて設備が十分でないために所定の品質確保が難しいので、継手はすべて高力ボルト接合とし、溶接接合は極力避けるのがよい。
3 ◯
既存構造体にあと施工アンカーが一定の間隔で多数埋め込まれる増設壁部分では、特記のない場合の割裂補強筋は、スパイラル筋あるいははしご筋の形状のものを用いる
4 ◯
コンクリート流込み工法による壁の工事では、増設壁の上部すき間に圧入するグラウト材が空気抜きから出ることにより、充填されたことを確認する。

1級建築施工管理技士 平成25年 学科 問題4解説

平成25年 1級建築施工管理技士 学科 問題4 解答解説

※ 問題番号[ No.34 ]~[ No.45 ]までの 12 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。
[ No. 34 ]
合成高分子系ルーフィングシート防水工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ALC 屋根パネル面に塩化ビニル樹脂系ルーフィングシートを接着工法で施工するので、ALCパネル面にプライマーを塗布した。
2.エポキシ樹脂系接着剤を用いて平場に塩化ビニル樹脂系ルーフィングシートを張り付けるので、下地面のみに接着剤を塗布した。
3.加硫ゴム系ルーフィングシートの接合部は、重ね部を熱融着し、接合端部を液状シール材でシールした。
4.軽歩行が可能となるように、加硫ゴム系ルーフィングシート防水層の上にケイ砂を混入した厚塗り塗料を塗布した。

答え

  3
加硫ゴム系ルーフィングシートの接合部は、接着剤及びテープ状シール材を用いて行う。(建築工事監理指針)
1 ◯
塩化ビニル樹脂系のルーフィングシートを接着工法で、下地のプライマー塗布は下地表面を清掃したのち、その日のうちに塗り付けるルーフィングの範囲にローラーはけまたは毛ばけ等を用いて、規定量をむらなく塗布する
2 ◯
エポキシ樹脂系接着剤を用いた接着剤塗布は、プライマーの乾燥を確認したのち、下地面及びルーフィングの裏面に、ローラーはけまたはくし後手等を用いてむらなく塗布する。また、ルーフィングシートの重ね部分には接着剤を塗布しないように注意する。
4 ◯
仕上塗材には、ケイ砂等を混ぜ、軽度の歩行ができるように耐衝撃性を向上させた厚塗り塗料がある。(JASS8)

[ No. 35 ]
ウレタンゴム系塗膜防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.低温時で防水材の粘度が高く施工が困難なため、防水材製造業者の指定する範囲で希釈剤で希釈して使用した。
2.通気緩衝工法において、立上り部の補強布は、平部の通気緩衝シートの上に 100mm 張り掛けて防水材を塗布した。
3.通気緩衝工法において、防水層の下地からの水蒸気を排出するための脱気装置は、200m2に1箇所の割合で設置した。
4.密着工法において、平部に張り付ける補強布は、仮敷きをしたうえで、防水材を塗りながら張り付けた。

答え

  3
通気緩衝工法における脱気装置は、一般に50〜100m2ごとに設置し、屋上の構造、用途、防水下地の乾燥状況等によっては増設する場合がある。
1 ◯
ウレタンゴム系塗膜防水において、気温が著しく低い場合は、粘度が高く施工が困難であるため、製造業者の指定する範囲で希釈剤で希釈して使用する。
2 ◯
通気緩衝工法において、立上り部、ドレーン回り及びパイプ回りなどでは、補強布を通気緩衝シートの上に 100mm 程度張り掛けて防水材を塗布する。(JASS8)
4 ◯
密着工法において、平部に張り付ける補強布(合成繊維またはガラス繊維の織布)は、仮敷きのうえに防水材を塗りながら張り付ける

[ No. 36 ]
外壁のタイル密着張り工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.張付けは、目地割に基づき水糸を引き通し、下部から上部へ順次連続して張り付ける。
2.下地面への張付けモルタルの塗付けは、2度塗りとし、その合計の塗り厚は 5~8 mmとする。
3.小口タイルの張付けは、振動工具による衝撃位置をタイルの両端と中間の3箇所とする。
4.引張接着強度検査の試験体数は、100m2以下ごとに1個以上とし、かつ全面積で3個以上とする。

答え

  1
密着張りによる張付けは、上部より下部へ1段置きに張り、その後、間を埋めるようにして張り付ける
2 ◯
外壁タイルの密着工法は、張付けモルタルの下地面に対する塗付けは、2度塗りとし、その合計の塗厚は 5~8 mmとする。
3 ◯
小口タイルの密着張付けで振動工具(ヴィブラート)を用いて行う場合、振動工具による加振の位置は、タイルの両端と中間の3箇所とする
4 ◯
引張接着強度検査の試験体の数は、100m2以下ごとに1個以上とし、かつ全面積で3個以上とする。

[ No. 37 ]
金属製折板葺屋根工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.タイトフレームの下地への溶接は、タイトフレームの立上り部分の縁から10mm残し、底部両側を隅肉溶接とした。
2.軒先の折板の先端部には亜下底を 15度程度曲げて尾垂れを付けた。
3.けらば包みの継手は、60mm 以上重ね合わせ、間に定形シール材を挟み込んで留めた。
4.重ね形折板の重ね部分の緊結のボルトは、流れ方向の間隔を 900mmとした。

答え

  4
重ね形折板の重ね部の緊結ボルトは、流れ方向の間隔を600mm程度とする
1 ◯
金属製屋根折板葺きのタイトフレームの取付けは、一般に、受梁にアーク溶接接合とする。下地への溶接は、タイトフレームの立上り部分の縁から10 mm残し、底部両側を隅肉溶接とする。溶接サイズはタイトフレームの板厚と同寸法である。(JASS12)
2 ◯
折板葺屋根は勾配が小さいので、軒先に 15度程度曲げて尾垂れを付ける。
3 ◯
折板の取付けでは、けらば包みの継手位置はタイトフレーム等の下地が必要で、タイトフレームにできるだけ近くする。けらば包みの継手の重ねは 60mm以上とし、重ね内部にシーリング材を挟み込む

[ No. 38 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ランナーを軽量鉄骨天井下地に取り付ける場合は、タッピンねじの類又は溶接で、間隔 900mm 程度に固定する。
2.スペーサーは、各スタッドの端部を押さえ、間隔 600mm 程度に留め付ける。
3.スタッドは、上部ランナーの上端とスタッド天端のすき間が 20 mm 程度となるように切断する。
4.振止めは、床面から 1,200 mm 程度の間隔でスタッドに引き通し、スペーサーで固定する。

答え

  3
スタッドは、スタッドの天端と上部ランナーの天端のすき間が10mm以下となるように切断する
1 ◯
ランナーは端部から 50mm内側を押さえ、間隔 900mm程度に打ち込みピン等で、床、梁下、スラブ下に固定する。ただし、鉄骨、軽量鉄骨天井下地に取り付ける場合は、タッピンねじの類または溶接で固定する
2 ◯
スペーサーの取付けは、各スタッドの端部を押さえ、間隔 600mm 程度に留め付ける。
4 ◯
振止めは、床面ランナー下端から 1,200 mm ごとに設ける。ただし、上部ランナー上端から 400mm以内に振止めが位置する場合は、その振止めを省略することができる。

[ No. 39 ]
建築用仕上塗材の主材の一般的な塗付け工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.複層塗材Eの凹凸状仕上げは、ローラー塗り工法により行う。
2.可とう形外装薄塗材Eのさざ波状仕上げは、ローラー塗り工法により行う。
3.軽量骨材仕上塗材の砂壁状仕上げは、吹付け工法により行う。
4.内装薄塗材Eの平坦状仕上げは、こて塗り工法により行う。

答え

  1
複層塗材Eの凸凹状仕上げは、吹付け工法により行う
2 ◯
可とう形外装薄塗材Eのさざ波状仕上げは、ローラー塗り工法により行う。
3 ◯
軽量骨材仕上塗材の砂壁状仕上げ及び内装薄塗材Wの京壁状じゅらく仕上げは、吹付け工法により行う。
4 ◯
内装薄塗材Eの平坦状仕上げの上壁の仕上げは、こて塗り工法により行う。

[ No. 40 ]
鋼製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.建具枠は、くつずりの裏面に鉄線を付け、あらかじめモルタル詰めを行った後、取り付けた。
2.枠及び戸の取付け精度は、ねじれ、反り、はらみともそれぞれ許容差を 2mm以内とした。
3.フラッシュ戸の表面板と中骨は、構造用接合テープを用いて接合した。
4.外部に面する両面フラッシュ戸の見込み部は、上下を除いた左右2方向のみ、表面板で包んだ。

答え

  4
外部に面する戸は、下部を除き三方の見込み部を表面板で包む。(建築工事監理指針)
1 ◯
建具枠は、くつずり、下枠等あとでモルタル充填が困難な部分では、あらかじめ裏面に鉄線等を取り付けてモルタル詰めを行ったのち取り付ける。
2 ◯
鋼製建具の取付け精度は次の通りとする。
①枠の対角寸法差は 3mm以内
②枠及び戸のねじれ、反り、はらみは 2mm以内
③枠の倒れ(面外、面内とも)は 2mm以内
3 ◯
フラッシュ戸の表面板と中骨は、溶接または構造用接合テープで接合する。 (建築工事監理指針)

[ No. 41 ]
コンクリート素地面の塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.2 液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて、塗料は所定の可使時間内に使い終える量を調合して使用した。
2.アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、気温が20°Cであったため、中塗り後2時間の間隔をあけて次の工程に入った。
3.つや有り合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、塗装場所の気温が 5 °C以下となるおそれがあったので、施工を中止した。
4.常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りの下塗りにおいて、塗料を素地に浸透させるため、 ローラーブラシ塗りとした。

答え

  2
アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、気温が20°Cのときの標準工程間隔は3時間以上とする
1 ◯
主剤と硬化剤を混合した塗料は、塗料製造所が指定する可使時間内に使用する
3 ◯
つや有り合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、気温が 5℃以下、湿度が 85%以上のとき、または換気が十分でないなどの塗料の乾燥が不適切な場合は、塗装作業を行わない
4 ◯
常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りの下塗りは、塗料を素地に浸透させるため、 ローラーブラシ塗りとする。

[ No. 42 ]
ビニル床シート張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.張付けに先立ち、仮敷きを行い室温で24時間以上放置して、床シートの巻きぐせをとった。
2.熱溶接工法において、床シートの溶接作業は、床シートを張付け後、直ちに行った。
3.床シートの張付けは、圧着棒を用いて空気を押し出すように行い、その後 45kg ローラーで圧着した。
4.防湿層のない土間コンクリートの床への床シートの張付けには、ウレタン樹脂系の接着剤を使用した。

答え

  2
溶接作業は、床シートを張り付けた後、接着剤の硬化がある程度進んでから行う。接着剤中の溶剤または水が残留している段階で熱風溶接を行うと、溶剤または水が急激に蒸発するため、継目部分が腫れたり、接着不良が発生する。そのため、12時間以上放置し、接着が落ち着いてから行う。(JASS26)
1 ◯
ビニル床シートは、施工に先立って温度20℃以上の室温にて仮敷きし、24時間以上放置して巻きぐせをとる
3 ◯
圧着は、床シートを送り込みながら圧着棒を用いて空気を押し出すように行い、その後 45kg ローラーで圧着する。
4 ◯
防湿層のない土間コンクリートの床への床シートの張付けには、耐水性に優れたエポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系接着剤を使用する。(建築工事監理指針)

[ No. 43 ]
鉄筋コンクリート造の断熱工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、ウレタンフォームが厚く付きすぎて表面仕上げ上支障となるところは、カッターナイフで除去した。
2.硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、断熱材の吹付け厚さが 50mmの箇所は、1層吹きとした。
3.押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において、断熱材の継目は突付けとし、テープ張りをしてコンクリートの流出を防止した。
4.押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において、窓枠回りの防水剤入りモルタル詰めを行った部分には、現場発泡の硬質ウレタンフォームを充填した。

答え

  2
硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、断熱材の吹付け厚さが30mm以上の場合には多層吹きとする。(JASS24)
1 ◯
硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、厚く付き過ぎて表面仕上げ上支障となる箇所は、ウェーブナイフまたはカッターナイフで表面を除去し、表面仕上げ材の施工が可能な空間を保持するようにする。 (建築工事監理指針)
3 ◯
押出法ポリスチレンフォーム打込み工法の場合には、断熱材の継目は突付けとするが、テープ張り等の処理を講じてコンクリートの流出を防止する。(JASS24)
4 ◯
押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において、窓枠回りの防水剤入りモルタル詰めを行った場合は、曲面や窓枠回り等複雑な形状には硬質ウレタンフォームを充填する。

[ No. 44 ]
メタルカーテンウォール工事に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1.アルミニウム合金形材で長さ 3 mの単一材の長さの寸法許容差は、±3.0 mm とした。
2.ファスナーを緊結する躯体付け金物は、あらかじめ各階の型枠に取り付け、コンクリートを打込み固定した。
3.形材の取付けは、脱落しないよう仮止めボルトで2箇所以上仮止めし、本止め後、仮止めボルトを速やかに撤去した。
4.屋内側の鋼製ファスナーは、12μm以上の厚さの電気亜鉛めっきを施した。

答え

  1
アルミニウム合金押出形材の単一材の長さが1.5mを超え4mまでの場合の寸法許容値は±1.5 mm とする。(JASS24)
2 ◯
躯体付け金物は、必要な強度が得られるよう、あらかじめ各階の型枠に取り付け、躯体付け金物のアンカーと躯体鉄筋の位置がずれないように注意する。(建築工事監理指針)
3 ◯
カーテンウォール部材は、パネルでは3箇所以上、形材では2箇所以上仮止めし、脱落しないよう固定する。取付け位置の調整後は速やかに本止めする。性能上支障のある仮止めボルト等は、本止め後速やかに撤去する。
4 ◯
屋内側の鋼製ファスナーは、内側の発錆防止のため 12μm以上の電気亜鉛めっきを施す。(建築工事監理指針)

[ No. 45 ]
内装改修工事における既存床仕上げ材の撤去及び下地処理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.新規仕上げが合成樹脂塗床なので、下地のコンクリート面の凹凸部の補修は、エポキシ樹脂モルタルで行った。
2.既存合成樹脂塗床面に同じ塗床材を塗り重ねるので、接着性を高めるため、既存仕上げ材 の表面を目荒しした。
3.ビニル床シート張りの下地モルタルの浮き部分の撤去の際、健全部分と縁を切るために用 いるダイヤモンドカッターの刃の出は、モルタル厚さ以上とした。
4.下地面に残ったビニル床タイルの接着剤は、アスベストを含有していなかったので、 ディスクサンダーを用いて除去した。

答え

  3
ビニル床シート張りの下地モルタルの浮き部分の撤去の際、ダイヤモンドカッターの刃の出は、モルタル厚さ以下とする。(公共建築改修工事標準仕様書)
1 ◯
下地のコンクリート面の凹凸部の補修は、エポキシ樹脂モルタルまたはエポキシ樹脂パテを用いる。(公共建築改修工事標準仕様書)
2 ◯
既存合成樹脂塗床面に同じ塗床材を塗り重ねる場合、既存仕上げ材に表面を目荒らしすることで接着性が高まる。
4 ◯
既存床仕上げ材の撤去に関して、下地面に残ったビニル床タイルの接着剤は、アスベストを含有していない場合、新規仕上げの施工に支障のないように、ディスクグラインダー等により除去する。(建築改修工事監理指針)

1級建築施工管理技士 平成25年 学科 問題5解説

平成25年 1級建築施工管理技士 学科 問題5 解答解説

※ 問題番号[ No.46 ]~[ No.70 ]までの 25 問題は、全問題を解答してください。
[ No. 46 ]
建築工事における事前調査や準備作業に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.揚重機の設置計画に当たって、敷地周辺の電波障害が予測される範囲について調査を行った。
2.既存建物の解体工事については、建物の高さが 30m なので、建設工事計画届は提出しないこととした。
3.コンクリートポンプ車を前面道路に設置するので、道路使用許可申請書を道路管理者に提出した。
4.敷地内及びその周辺の地形、地質及び地層の状態の調査を行った。

答え

  3
コンクリートの打設ではコンクリートポンプ車等を道路上に一時駐車するため、施工者は道路使用許可申請書を所轄警察署長に提出しなければならない。(道路交通法第77条,78条)
1 ◯
揚重機の設置計画に当たり、電波障害を生じるおそれのある場合は、現状を調査し受信状況の写真記録などを作っておく。事前に近隣の了解を得て、テレビなどへの影響範囲には対策を立てておく必要がある。
2 ◯
建築工事計画届は、次の場合等に提出が必要である。
①高さが 31mを超える建築物または工作物の建設、改造、解体または破壊の仕事
②掘削の高さまたは深さが 10m以上である地山の掘削の作業を行う仕事
③耐火建築物または準耐火建築物で、石綿等の除去をの作業を行う仕事
(労働安全衛生規則第90条)
4 ◯
山留め及び土工事の施工は、敷地内外の地盤の状況を工事に先立って調査しておく必要がある。(山留め設計施工指針)

[ No. 47 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.仮囲いは、通行人の安全や隣接物を保護するとともに、周辺環境に配慮して設置することとした。
2.施工者用事務室と監理者用事務室は、同一建物内でそれぞれ独立して設けることとした。
3.工事用の動力負荷は、工程表に基づいた電力量の山積みによる計算負荷の 50 %を実負荷とすることとした。
4.仮設の危険物貯蔵庫は、作業員休憩所や他の倉庫と離れた場所に設置することとした。

答え

  3
工事用の動力負荷は、工事用電力使用工程表に基づいた動力電力量の山積みによる計算負荷の60%を実負荷として計画する。(建築工事監理指針)
1 ◯
仮囲いは、工事現場と外部との隔離、盗難の防止、通行人の安全、隣接物を保護等のために設置する。(建築工事監理指針)
2 ◯
監理者、施工者の両事務所は工事の規模・内容・敷地などの条件によって、その面積や部屋数・仕様などを決める。また、両事務所の職員同士が工事のための打合せを頻繁に行う必要があるため、相互に行き来しやすい配置とする。(建築工事監理指針)
4 ◯
仮設の危険物貯蔵庫(ガソリン、灯油、ペンキ、ガスボンベ等)は、関係法規(消防法、労働安全衛生法等)に準拠し、作業員詰所や他の倉庫と離れた場所に設ける。(建築工事監理指針)

[ No. 48 ]
工事の着手に先立ち作成する総合施工計画書に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.現場の構成員と社内支援スタッフとの関わり方を記載した。
2.主要品質のつくり込み方針や主要な工事の流れに関わる制約条件を記載しなかった。
3.工程管理計画として、総合実施工程表は記載したが、工種別の工程表を記載しなかった。
4.工事関係図書の周知徹底の方法や工種別の施工計画書及び施工図などの作成の有無を記載した。

答え

  2
総合施工計画書には、主要品質のつくり込み方針、主要な工事の流れに関わる制約条件等、重点施工管理項目、特殊な工法を記載する
1 ◯
請負者は、総合施工計画書に当該現場の施工管理組織、指示系統、社内支援スタッフとの関わり方を記載する。
3 ◯
工程管理計画として、総合実施工程表を記載することがあげられているが、工種別工程表そのものは要求されていない
4 ◯
品質管理については、設計図書・工事関係図書の周知徹底の方法、施工管理の手順、確認・検査の計画、施工計画書及び施工図などの作成の有無を記載する。

[ No. 49 ]
材料の取扱いに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.被覆アーク溶接棒は、吸湿しているおそれがあったので、乾燥器で乾燥してから使用した。
2.発泡プラスチック系保温板は、長時間紫外線を受けると表面から劣化するので、日射を避け屋内に保管した。
3.日射熱吸収の大きいガラスへの養生材の張付けに当たっては、ガラスが熱割れしないことを確認した。
4.フタル酸樹脂エナメル塗料が付着した布片は、塗装材料と一緒に保管した。

答え

  4
フタル酸樹脂エナメル塗料が付着した布片等で自然発火を起こすおそれのあるものは、塗装材料の保管場所には置かず、水の入った金属製の容器に入れるなどの措置が必要である。(JASS18)
1 ◯
被覆アーク溶接棒は、吸湿、変質するとブローホールが発生したり、水素量が増加して割れのような欠陥が生じやすくなり、作業性も落ちるので十分な管理を要する。特に低水素系の溶接棒については、保管場所に十分注意し、その日の使用量分だけを取り出すようにする。(鉄骨工事技術指針)
2 ◯
発泡プラスチック系保温板は、日射を受けると表面から徐々に劣化し、水や湿気に晒されると断熱性能が低下するので、原則として屋内に保管する。(JASS24)
3 ◯
熱銭吸収板ガラスには、熱銭吸収フロート板ガラス、磨き板ガラス、熱銭吸収網入り板ガラス等があり、ガラスの原料の中にニッケル、コバルト、鉄、セレンなどを入れて太陽放射の吸収、色彩表現、防眩性を付加したものがある。養生材の張付けでは、ガラスが熱割れしないことを確認する。(建築工事監理指針)

[ No.50 ]
工事の記録などに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工事の施工後、目視による検査が不可能となるおそれのある部分については、施工の記録、 工事写真などを整備することとした。
2.現場に搬入する加工された異形鉄筋が、所定の規格の異形鉄筋であることを証明するため、 ミルシートと荷札の照合を行うとともに、圧延マークを確認し、写真で記録した。
3.トルシア形高力ボルトの本締め完了確認において、ピンテールの破断を確認したボルトは、 本締め完了確認の記録を省略した。
4.デジタルカメラによる工事写真は、黒板の文字や撮影対象が確認できる範囲で有効画素数を設定して記録した。

答え

  3
監理者による検査は、施工者の提出した本締め完了確認の記録に基づいて行うため、記録は省略できない。(建築工事監理指針)
1 ◯
工事の施工等により、後日の目視による検査が不可能または容易でない部分の施工は、工事の記録、 工事写真などを整備しておく。(公共建築工事標準仕様書)
2 ◯
別の場所で加工された鉄筋加工品は、所定の規格品であることを確認するため、鉄筋材料のミルシートと荷札を照合するとともに圧延マークを確認し写真で記録する
4 ◯
デジタルカメラによる工事写真は、黒板の文字や撮影対象が確認できる範囲とする。

[ No. 51 ]
労働基準監督署長への計画の届出に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.掘削の深さが 10 m 以上の地山の掘削の作業を労働者が立ち入って行う場合は、当該仕事の開始の日の 14 日前までに、届け出なければならない。
2.つり上げ荷重が 3 t 以上のクレーンを設置する場合は、当該工事の開始の日の14日前まで に、届け出なければならない。
3.耐火建築物に吹き付けられた石綿等を除去する場合は、当該仕事の開始の日の 14日前までに、届け出なければならない。
4.高さ及び長さがそれぞれ 10m 以上の架設通路を 60 日以上設置する場合は、当該工事の開始の日の 30日前までに、届け出なければならない。

答え

  2
つり上げ荷重が 3 t 以上のクレーンを設置する場合、工事開始日の30日前までに機械等設置届を提出しなければならない。(労働安全衛生法第88条第2項)
1 ◯
掘削の高さまたは深さが 10 m 以上の地山の掘削の作業を行う仕事は、建築工事計画届を作業開始の 14 日前までに労働基準監督署長に提出しなければならない。(労働安全衛生法第88条第3項、規則第90条第四号)
3 ◯
耐火建築物または準耐火建築物で、石綿等が吹き付けられているもににおける石綿等の除去の作業を行う仕事等は、建設工事計画届を作業開始日の 14日前までに、労働基準監督署長に提出する。(労働安全衛生法第88条第3項、規則第90条第五号の二)
4 ◯
高さ及び長さがそれぞれ 10m 以上の架設通路で存続日数が 60 日以上の場合には、工事開始日の 30日前までに機械等設置届を提出しなければならない。(労働安全衛生法第88条第1項、規則第85,86条、別表第7)

[ No. 52 ]
仕上工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.塗装工事において、亜鉛めっき鋼面の素地ごしらえの化成皮膜処理は、りん酸塩による処理とすることとした。
2.タイル工事において、二丁掛けタイルの改良積上げ張りの1日の張付け高さの限度は、 1.5 mとすることとした。
3.シーリング工事において、ALC パネル間の目地には、低モジュラスのシーリング材を使用することとした。
4.金属工事において、海岸近くの屋外に設ける鋼製手すりが塗装を行わず亜鉛めっきのままの仕上げとなるので、電気亜鉛めっきとすることとした。

答え

  4
海岸近くの屋外に設ける鋼製手すりは、電気亜鉛めっきを避け、溶融亜鉛めっきとする
1 ◯
塗装工事における化成皮膜処理は、亜鉛にりん酸塩溶液あるいはクロム酸塩溶液を作用させ、化学的に結合して安定なりん酸亜鉛あるいはクロム酸亜鉛の皮膜を形成させる。このような処理をりん酸処理といい、この皮膜が亜鉛めっき鋼面の発錆を抑え亜鉛めっきと塗料との反応を抑制して塗膜の付着性を向上させる。(公共建築工事標準仕様書)
2 ◯
改良積上げ張りは、張付けモルタルをタイル裏面に所定の厚さで塗り、タイルを張り付ける工法で、1日の張付け高さの限度は 1.5 m程度とする。(公共建築工事標準仕様書)
3 ◯
ALCパネル等の表面強度の小さいものには、高モジュラスのシーリング材を使用すると、ムーブメントにより被着体を損傷することがある。このような場合、低モジュラスのシーリング材を使用する

[ No. 53 ]
建築工事の工期とコストの一般的な関係として、最も不適当なものはどれか。
1.最適工期は、直接費と間接費の和が最小となるときの工期である。
2.総工事費は、工期に比例して増加する。
3.直接費は、工期の短縮に伴って増加する。
4.間接費は、工期の短縮に伴って減少する。

答え

  2
総工事費は、直接費と間接費を合わせたものであり、直接費は施工速度を速めると増加するが、間接費は逆に減少するため、工期に比例して増加するとは限らない
1 ◯
直接費と間接費を合わせた総工事費が最小となる最も経済的な施工速度を経済速度といい、この時の工期を最適工期という。
3、4 ◯
労務費、材料費、仮設費(共通仮設を除く)等の直接費は施工速度を早めると、超過勤務、割高な材料の使用等のため増加するが、管理費、共通仮設費、金利等の間接費は施工速度を速めると逆に減少する。

[ No. 54 ]
工程計画に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工程計画の準備として、工事条件の確認、工事内容の把握及び作業能率の把握などを行う。
2.工程表は、休日及び天候などを考慮した実質的な作業可能日数を算出して、暦日換算を行い作成する。
3.工期の調整は、工法、労働力、作業能率及び作業手順などを見直すことにより行う。
4.山積工程表における山崩しは、工期短縮に用いられる手法である。

答え

  4
山積工程表における山崩しは、人員、機械、資材の量を考慮して、労働者の投入人数などをなるべく一定にし、バランスの取れた経済的な工程計画にするものであり、工期短縮に用いる手法ではない。
1 ◯
工程計画の準備としては、一般に次のようなことを行う。
①工事条件の確認
②工事内容の把握
③市場の情報
④作業能率の把握
などである。
2 ◯
工程表は、休日及び天候等を考慮した実質的な作業可能日数を算出して、延べ日数と暦日との換算を行い作成する。
3 ◯
計算した工期が超過した場合や進度管理を進めていく中で工期の短縮が必要になった時の工期の調整は、工法・作業方法の変更、作業員の増員、工事用機器の台数の増加や作業能率のよい機種への変更、作業手順の見直しをして行う。

[ No. 55 ]
タクト手法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.設定したタクト期間では終わることができない一部の作業の場合、当該作業の作業期間をタクト期間の2倍又は3倍に設定する。
2.作業の進捗に伴い生産性が向上するため、工事途中でタクト期間を短縮又は作業者の人数を削減する必要が生じる。
3.各作業の進捗が密接に関連しているため、1つの作業の遅れは全体の作業を停滞させる原因となる。
4.集合住宅の仕上工事は、各種専門工事の一定の繰り返し作業となるので、タクト手法では管理できない。

答え

  4
集合住宅の仕上工事は、各種専門工事の一定の繰り返し作業となるので、タクト手法による工程管理に適している
1 ◯
設定したタクト期間では終わることができない一部の作業の場合、作業期間をタクト期間の2倍または3倍に設定することによって、切れ目のない工程を編成することができる。
2 ◯
作業を繰り返し行うことによって習熟効果が得られ生産性が向上するため、工事途中でタクト期間を短縮したり、作業者の人数を削減することが必要になる。
3 ◯
各作業の進捗が密接に関連しているため、1つの作業の遅れはタクトを構成する工程全体に大きな影響を与える

[ No. 56 ]
図に示すネットワーク工程表に関する記述として、不適当なものはどれか。
 25-56.jpg
1.作業④→⑧の最遅終了日は、20日である。
2.作業⑦→⑧の最早開始日は、17 日である。
3.作業③→⑤のフリーフロートは、2日である。
4.作業⑥→⑨のトータルフロートは、2日である。

答え

  1
作業④ → ⑧の最遅終了日は、21日である
ネットワーク工程表における各作業について最早開始日、最遅終了日及び作業の余裕時間を求める。
(1)最早開始時刻 [ E.S.T ]
 25-56--EST.jpg
結合点 j の [ E.S.T ]
=結合点 i の最早結合時間 + 所要時刻
(2つ以上の場合は結合点での最大値とする。)
(2)最遅終了時刻 [ L.F.T ]
 25-56--LFT.jpg
 25-56--LFT2.jpg
結合点 i の [ L.F.T ]
= 結合点 j までの所要時間 ー( i→j)の所要時間
(2つ以上の場合は結合点での最小値とする。)
(3)作業の余裕時間の計算
 25-56-作業の余裕時間.jpg
(i – j )のT.F.
= j の最遅終了時間 ー (i の最早開始時刻 + 所要時間)
(i – j )のF.F.
= j の最早開始時刻 ー (i の最早開始時刻 + 所要時間)

[ No. 57 ]
品質管理の用語に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.誤差とは、観測値・測定結果の期待値から真の値を引いた値である。
2.層別とは、1つの集団をなんらかの特徴によりいくつかの層に分割することである。
3.母集団の大きさとは、母集団に含まれるサンプリング単位の数である。
4.抜取検査方式とは、定められたサンプルの大きさ、及びロットの合格の判定基準を含んだ 規定の方式である。

答え

  1
誤差とは、観測値・測定結果から真の値を引いた値である
2 ◯
層別とは、データの特性を適当な範囲別に、いくつかのグループ分けをすることをいい、ヒストグラムなどを書くときに行われる。
3 ◯
母集団の大きさとは、母集団に含まれるサンプリング単位の数をいう。 なお、母集団とは考案の対象となる特性を持つすべてのものの集団と定義されている。
4 ◯
抜取検査方式とは、製品またはサービスのサンプルを用いる検査方式で、ロットからあらかじめ定められた方式に従ってサンプルを抜き取り、測定や試験などを行う。

[ No. 58 ]
鉄骨工事における品質を確保するための管理値に関する記述として、最も不適当なもの はどれか。
1.鉄骨柱据付け面となるベースモルタル天端の高さの管理許容差は、±3 mm とした。
2.通り心と鉄骨建方用アンカーボルトの位置のずれの管理許容差は、±5 mm とした。
3.鉄骨の建方における柱の倒れの管理許容差は、柱1節の高さの1/500以下、かつ 20 mm 以下とした。
4.スタッド溶接後のスタッド仕上り高さの管理許容差は、±1.5 mm とした。

答え

  3
鉄骨の建方における柱の倒れの管理許容差は、JASS6の鉄骨精度検査基準では、柱1節の高さの1/1000以下、かつ 10 mm 以下である。
1 ◯
鉄骨柱据付け面のベースモルタル天端の高さの管理許容差は、±3 mm とする。(JASS6)
2 ◯
通り心とアンカーボルトの位置のずれの管理許容差は、±5 mm とする。(JASS6)
4 ◯
スタッド溶接後のスタッド仕上り高さの管理許容差は、指定した寸法の ±1.5 mm以内 、限界許容差 ±2.0 mm以内である。傾きについては管理許容差 3度、限界許容度 5度である。

[ No. 59 ]
品質管理等に用いる図表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.パレート図は、観測値若しくは統計量を時間順又はサンプル番号順に表し、工程が管理状態にあるかどうかを評価するために用いられる。
2.ヒストグラムは、計量特性の度数分布のグラフ表示の1つで、分布の形や目標値からのばらつき状態を把握するために用いられる。
3.特性要因図は、特定の結果と原因系の関係を系統的に表し、重要と思われる原因の究明と対策の手を打っていくために用いられる。
4.散布図は、対応する2つの特性を横軸と縦軸にとり、観測値を打点して作るグラフ表示の 1つで、相関関係を調べるために用いられる。

答え

  1
パレート図とは、不良品、欠点、故障等の発生個数を現象や要因別に分類し、数値の大きい順に並べるとともに、累積和を示したもので、問題点がどこにあるかを見出すために用いる。
2 ◯
ヒストグラムとは、ばらつきを持つデータの範囲をいくつかの区間に分け、各区間を底辺とし、その区間での出現度数を高さとして長方形に並べた図で、柱状図と呼ばれる。
3 ◯
特性要因図とは、問題としている特性と、それに影響を与える要因との関係を一目でわかるように体系的に整理した図で、図の形が似ていることから「魚の骨」と呼ばれている。
4 ◯
散布図とは、関係のある2つの対になったデータの1つを縦軸に、他の1つを横軸にとり、両者の対応する点をグラフにプロットした図をいう。

[ No. 60 ]
JIS Q 9000(品質マネジメントシステム─基本及び用語)の用語の定義に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.有効性とは、計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度をいう。
2.是正措置とは、検出された不適合又はその他の検出された望ましくない状況の原因を除去するための処置をいう。
3.手直しとは、要求事項に適合させるための、不適合製品にとる処置をいう。
4.トレーサビリティとは、設定された目標を達成するための検討対象の適切性、妥当性及び有効性を判定するために行われる活動をいう。

答え

  4
トレーサビリティとは、「考慮の対象となっているものの履歴、適用又は所在を追跡できること」と定義されており、「設定された目標を達成するための検討対象の適切性、妥当性及び有効性を判定するために行われる活動」とはレビューのことである。
1 ◯
有効性とは、「計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度」と定義されている。
2 ◯
是正措置とは、「検出された不適合又はその他の検出された望ましくない状況の原因を除去するための処置」と定義されており、再発防止のために行うことをいう。また、予防処置とは、「起こり得る不適合又はその他の望ましくない起こり得る状況の原因を除去するための処置」である。
3 ◯
手直しとは、「要求事項に適合させるための、不適合製品にとる処置」である。

[ No. 61 ]
品質管理における検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.検査とは、品物の特性値に対して、測定、試験などを行って、顧客満足度と比較して、適合しているかどうかを判定することをいう。
2.非破壊検査とは、非破壊試験の結果から、規格などによる基準に従って合否を判定する方法をいう。
3.受入検査は、依頼した原材料、部品又は製品などを受け入れる段階で行う検査で、生産工程に一定の品質水準のものを流すことを目的で行う。
4.中間検査は、不良なロットが次工程に渡らないように事前に取り除くことによって損害を少なくするために行う。

答え

  1
検査とは、品物の特性値に対して、測定、試験等を行って、規定要求事項と比較して、適合しているかどうかを判定することである
2 ◯
非破壊検査とは、「非破壊試験の結果から、規格などによる基準に従って合否を判定する方法」である。非破壊試験は、素材や製品を破壊せずに傷の有無やその存在位置等を調べる試験で、放射線透過試験、超音波探傷試験、磁粉探傷試験などである。
3 ◯
受入検査とは、搬入した製品や材料を工事現場などに受け入れて使用して良いかどうかを規定要求事項に基づいてその適当性を判断する検査である。
4 ◯
中間検査とは、制作途中の不良なロット類が次の工程に渡らないように、事前に排除することにより損害を防ぐための検査である。

[ No. 62 ]
コンクリートの試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.構造体のコンクリート強度の推定試験において、1回の試験に用いる3個の供試体は、複数の運搬車のうちの1台から採取する。
2.マスコンクリートにおいて、構造体コンクリート強度の推定のための供試体の養生方法は、 標準養生とする。
3.スランプ 18 cm のコンクリートの荷卸し地点におけるスランプの許容差は、±2.5 cm とする。
4.構造体のコンクリート強度の推定試験では、材齢 28 日までの平均気温が 20 °C以上の場合、 1回の試験結果が調合管理強度以上のものを合格とする。

答え

  1
構造体のコンクリート強度の推定試験において、1回の試験に用いる3個の供試体は、適当な間隔をおいた3台の運搬車から1個ずつ採取する
2 ◯
マスコンクリートは、部材断面の最小寸法が大きく、かつ、セメントの水和熱による温度上昇で有害なひび割れが入るおそれがある部分のコンクリートに適用する。又、コンクリートの強度管理の材齢におけるコンクリート養生は標準養生とする。
3 ◯
コンクリートスランプ 18 cm のスランプの許容差は、±2.5 cm とする。スランプ 8 cm以上 18cm以下の場合は、スランプの許容差は、±2.5 cm である。(JASS5)
4 ◯
コンクリート強度は、材齢 28 日までの平均気温が 20 °C以上の場合、 現場水中養生の3個の供試体の材齢 28 日における1回の試験結果が調合管理強度以上のものを合格とする。

[ No. 63 ]
仕上工事における試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工場塗装における鉄鋼面の錆止め塗装の膜厚は、硬化乾燥後に電磁微厚計で確認した。
2.外壁タイル張りの引張接着強度は、0.3 N/mm2以上であることを確認した。
3.現場搬入時の造作用木材の含水率は、15 % 以下であることを確認した。
4.防水形の仕上塗材仕上げの所要量は、単位面積当たりの使用量を基に確認した。

答え

  2
外壁タイル張りの接着力試験は、施工後2週間以上経過してから実施し、その判定は、0.4N/mm2未満のものを不合格とする。0.3N/mm2以上のものを合格としたことは不適当である。(公共建築工事仕様書)
1 ◯
工場塗装における鉄鋼面の止め塗装の塗膜厚は、硬化乾燥後、測定器の電磁微厚計で計測する。(鉄骨工事技術指針)
3 ◯
木材は、使用後の割れや変更を防止するため、建設時に使用する部位の気乾状態にしておくおことが必要で、造作材の含水率は特記がなければ 15 % 以下とする。(公共建築工事標準仕様書)
4 ◯
防水形の仕上塗材仕上げの所要量は、塗布面積の使用量を基にする。

[ No. 64 ]
労働災害に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.労働災害には、労働者の災害だけでなく、物的災害も含まれる。
2.労働災害における労働者とは、所定の事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。
3.労働災害の災害発生率として、年千人率や度数率などが用いられる。
4.労働災害における重大災害とは、一時に3名以上の労働者が死傷又は罹病した災害をいう。

答え

  1
労働災害とは単なる物的災害を含まず、労働者の生命及び身体にかかる災害に限られるものである。(労働安全衛生法第2条第一号)
2 ◯
労働基準法第9条に規定する労働者をいい、職業の種別を問わず、事業または事業所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。(労働安全衛生法第2条第二号)
3 ◯
労働災害の災害発生率としては、年千人率度数率強度率などが用いられる。
4 ◯
労働災害の区分として、一時に3名以上の労働者が業務上の死傷または罹病した災害を、重大災害としている。

[ No. 65 ]
作業主任者の職務に関する記述として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。
1.土止め支保工作業主任者は、材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。
2.木造建築物の組立て等作業主任者は、材料の欠点の有無を点検し、不良品を取り除くこと。
3.建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を直接指揮すること。
4.足場の組立て等作業主任者は、作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視すること。

答え

  2
「労働安全衛生法」上、木造建築物の組立て等の作業主任者の職務には、材料の欠点の有無を点検し、不良品を取り除くことは定められていない
1 ◯
土止め支保工作業主任者は、材料の欠点の有無を点検し、不良品を取り除くことを職務とする。(労働安全衛生規則第566条)
3 ◯
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を直接指揮することを職務とする。
4 ◯
足場の組立て等作業主任者は、作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視することを職務とする。

[ No. 66 ]
鋼管足場に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.高さが 20 m を超える枠組足場の主枠間の間隔は、2m以下とする。
2.高さが 5 m 以上の枠組足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向 9m以下、水平方向 8m以下とする。
3.単管足場の地上第一の布の高さは、2m 以下とする。
4.単管足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向 5m 以下、水平方向 5.5m 以下とする。

答え

  1
高さ20mを超えるとき及び重量物の積載を伴う作業を行うときは、使用する主枠は高さ2m以下のものとし、かつ、主枠間の間隔は1.85m以下とする。(労働安全衛生規則第571条第1項第七号)
2 ◯
高さが 5 m 以上の枠組足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向 9m以下、水平方向 8m以下とする。(労働安全衛生規則第570条第1項第五号)
3 ◯
単管足場の地上第一の布は、2m 以下の位置に設けなければならない。(労働安全衛生規則第571条第1項第二号)
4 ◯
単管足場の壁つなぎは、垂直方向 5m 以下水平方向 5.5m 以下とする。(労働安全衛生規則第570条第1項第五号)

[ No. 67 ]
事業者が行わなければならない点検に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤って いるものはどれか。
1.積載荷重が 0.25 t 以上で、ガイドレールの高さが 10m以上の建設用リフトを用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、ワイヤロープが通っている箇所の状態について点検を行わなければならない。
2.つり足場における作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、突りょうとつり索との取付部の状態及びつり装置の歯止めの機能について点検を行わなければならない。
3.土止め支保工を設けたときは、原則として、その後 14日をこえない期間ごとに、切りばりの緊圧の度合について点検を行わなければならない。
4.作業構台の変更の後において、作業構台における作業を行うときは、作業を開始する前に、支柱、はり、筋かい等の緊結部、接続部及び取付部のゆるみの状態について点検を行わなければならない。

答え

  3
土止め支保工を設けたときは、7日を超えない期間ごとに各部の異常の有無の点検を行う。(労働安全衛生規則第373条)
1 ◯
積載荷重が 0.25 t 以上で、ガイドレールの高さが 10m以上の建設用リフトを用いて作業を行うときは、ワイヤロープが通っている箇所の点検を行わなければならない。(クレーン等安全規則第193条)なお、定期自主検査に1月以内ごとに1回、定められて事項について自主検査を行う。(クレーン等安全規則第192条)
2 ◯
つり足場における作業の開始前に、チェーンの亀裂、変形、錆、伸び、曲がり、開き等を点検しなければならない。(労働安全衛生規則第568条)
☆令和5年10月1日施行の同規則第567条・第568条の改正により、事業者が自ら点検する義務が、点検者を指名して、点検者に点検させる義務に変更された。したがって、現在では、この部分も誤りとなる。
4 ◯
作業構台の変更後に作業を行う場合は、その前に、支柱、はり、筋かいなどの緊結部、接続部及び取付部の緩み状態をくまなく点検する。(労働安全衛生規則第575条の8第2項第四号)

[ No. 68 ]
移動式クレーンを用いて作業を行う場合に事業者の講ずべき措置として、「クレーン等安全規則」上、誤っているものはどれか。
1.つり上げ荷重が 3 t 以上の移動式クレーンを用いて作業を行うので、その移動式クレーン検査証を、当該クレーンに備え付けた。
2.つり上げ荷重が 0.5 t 以上の移動式クレーンを用いて作業を行うので、運転に係る合図を行う者に当該作業に係る労働者の配置及び指揮の系統を定めさせた。
3.つり上げ荷重が 1 t 以上の移動式クレーンの玉掛けの業務は、玉掛け技能講習を修了した者に行わせた。
4.つり上げ荷重が0.5t以上の移動式クレーンを用いて作業を行うので、その移動式クレーンの上部旋回体の旋回範囲内に労働者が立ち入らないようにした。

答え

  2
移動式クレーンを用いて作業を行うときは、事業者が作業に係る労働者の配置及び指揮の系統を定める。(クレーン等安全規則第66条の2第1項第三号)
1 ◯
移動式クレーンを用いて作業を行うときは、当該作業を行う場所に当該クレーンの移動式クレーン検査証を備え付けておかなければならない。(クレーン等安全規則第63条)
3 ◯
つり上げ荷重が 1 t 以上のクレーンを使用する玉掛け作業には、玉掛け技能講習を修了した者でなければ当該業務に就かせてはならない。つり上げ荷重が 1t 未満のクレーンの玉掛け業務には、特別教育終了者でも就くことができる。(クレーン等安全規則第221,222条)
4 ◯
つり上げ荷重が 0.5t以上の移動式クレーンに係る作業を行うとき、上部旋回体との接触により労働者に危険が生じる恐れのある箇所に労働者を立ち入らせてはならない。(クレーン等安全規則第74条)

[ No. 69 ]
ゴンドラを用いて作業を行う場合、事業者の講ずべき措置として、「ゴンドラ安全規則」上、誤っているものはどれか。
1.ゴンドラの操作の業務に労働者をつかせるときは、当該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。
2.つり下げのためのワイヤロープが1本であるゴンドラで作業を行うときは、安全帯等を当該ゴンドラ以外のものに取り付けさせなければならない。
3.ゴンドラを使用して作業を行う場所については、当該作業を安全に行うため必要な照度を保持しなければならない。
4.ゴンドラについて定期自主検査を行ったときは、その結果を記録し、これを3年間保存しなければならない。

答え

  4
ゴンドラについて定期自主検査を行ったときは、事業者は原則として、1月以内ごとに1回その結果を記録し、これを3年間保存しなければならない。(ゴンドラ安全規則第21条第3項)
1 ◯
ゴンドラの操作の業務に労働者をつかせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。(ゴンドラ安全規則第12条)
2 ◯
ゴンドラの作業床において作業を行うときは、当該作業を行う労働者に安全帯等を使用させなければならず、また、つり下げのためのワイヤロープが1本であるゴンドラにあっては、安全帯等を当該ゴンドラ以外のものに取り付けなければならない。 (ゴンドラ安全規則第17条)
3 ◯
ゴンドラを使用して作業を行う場所については、当該作業を安全に行うため必要な照度を保持しなければならない。(ゴンドラ安全規則第20条)

[ No. 70 ]
有機溶剤等を用いた作業や貯蔵を行う場合、事業者の講ずべき措置として、「有機溶剤中毒予防規則」上、誤っているものはどれか。
1.屋内作業場において有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、有機溶剤等の取扱い上の注意事項について労働者が見やすい場所に掲示しなければならない。
2.屋内作業場において有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、有機溶剤による中毒が発生したときの応急処置について労働者が見やすい場所に掲示しなければならない。
3.有機溶剤濃度の測定を必要とする業務を行う屋内作業場については、6月以内ごとに1回、定期に、濃度の測定を行わなければならない。
4.有機溶剤等を屋内に貯蔵するとき、有機溶剤等が発散するおそれのないふた又は栓をした 堅固な容器を用いる場合は、有機溶剤の蒸気を屋外に排出する設備を設けなくてもよい。

答え

  4
有機溶剤等を屋内に貯蔵するときは、有機溶剤の蒸気を屋外に排出する設備を設けなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第35条第二号)
1 ◯
屋内作業場等で有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、有機溶剤等の人体に及ぼす作用、有機溶剤等の取扱い上の注意事項を作業中の労働者が容易に知ることができるよう、見やすい場所に掲示しなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第24条第1項第一、二号)
2 ◯
屋内作業場等で有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、有機溶剤による中毒が発生したときの応急処置を見やすい場所に掲示しなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第24条第1項第三号)
3 ◯
有機溶剤を扱う屋内作業場について、6月以内ごとに1回、定期に当該有機溶剤の濃度の測定しなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第28条第2項)

1級建築施工管理技士 平成25年 学科 問題6解説

平成25年 1級建築施工管理技士 学科 問題6 解答解説

※ 問題番号[ No.71 ]~[ No.82 ]までの 12 問題のうちから、8 問題を選択し、解答してください。
[ No. 71 ]
用語の定義に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1.建築物に設ける避雷針は、建築設備である。
2.建築物の工事用の図面として現場で作成した現寸図は、設計図書である。
3.床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの1/3以上のものは、地階である。
4.建築とは、建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。

答え

  2
設計図書は、工事用の図面及び仕様書をいい、現寸図は設計図書に含まれない。(建築基準法第2条第十二号)
1 ◯
建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙、もしくわ汚物処理の設備または煙突、昇降機、もしくは避雷針は、建築設備である。 (建築基準法第2条第三号)
3 ◯
地階は床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの 1/3 以上のものと定められている。 (建築基準法施行令第1条第二号)
4 ◯
建築とは、建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。(建築基準法第2条第十三号)

[ No. 72 ]
建築確認手続き等に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1.鉄骨造2階建の建築物を新築しようとする建築主は、建築主事又は指定確認検査機関の確認を受けなければならない。
2.建築主は、指定確認検査機関による完了検査を受ける場合であっても、建築主事に対して完了検査の申請をしなければならない。
3.鉄筋コンクリート造平家建、延べ面積 300m2の建築物の新築工事において、特定行政庁の仮使用の承認を受けたときは、建築主は検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物を使用することができる。
4.建築監視員は、建築工事場に立ち入る場合においては、身分証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

答え

  2
指定確認検査機関による完了検査を受ける場合には、建築主事に対して検査の申請をする必要はない。(建築基準法第7条の2第1項)
1 ◯
「木造以外の建築物で2以上の階を有し、または延べ面積が 200 m2を超えるもの」は建築確認を受けなければならない。(建築基準法第6条第1項第三号)
3 ◯
鉄筋コンクリート造平家建、延べ面積 300m2の建築物の新築工事においては、検査済証の交付を受けないと使用できない。ただし、特定行政庁が安全上、防火上及び避難上支障がないと認めて仮使用の承認をした場合には、検査済証の交付を受ける前に、仮に当該建築物を使用することができる。 (建築基準法第7条の6第1項)
4 ◯
建築監視員は、建築工事場に立ち入る場合においては、職員の身分証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。(建築基準法第13条)

[ No. 73 ]
次の記述のうち、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1.映画館における客用の階段及びその踊場の幅は、120cm 以上としなければならない。
2.高さ 31 m を超える建築物には、原則として、非常用の昇降機を設けなければならない。
3.居室には、原則として、その居室の床面積の1/20以上の換気に有効な部分の面積を有する窓その他の開口部を設けなければならない。
4.3階以上の階をホテルの用途に供する建築物は、耐火建築物としなければならない。

答え

  1
映画館における客用の階段及び踊り場の幅は、140cm以上としなければならない。(建築基準法施行令第23条)
2 ◯
建築物に設ける昇降機には、安全な構造で、かつ、その昇降路の周壁及び開口部は、防火上支障がない構造とし、高さ 31 mを超える建築物には、非常用の昇降機を設けなければならない。(建築基準法第34条)
3 ◯
居室には、原則として、その居室の床面積の1/20以上の換気に有効な部分の面積を有する窓その他の開口部を設けなければならない。 (建築基準法第28条第2項)
4 ◯
3階以上の階をホテルの用途に供する建築物は、耐火建築物としなければならない。(建築基準法 別表第1(2))

[ No. 74 ]
建設業の許可に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1.建設業の許可は、一般建設業と特定建設業の区分により、建設工事の種類ごとに受ける。
2.建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。
3.建設業者として営業を行う個人が死亡した場合、建設業の許可は相続人に承継される。
4.建設業の許可を受けた建設業者は、許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合は、当該許可を取り消される。

答え

  3
建設業者として営業を行う個人が死亡した場合、30日以内に国土交通大臣または都道府県知事に、相続人が廃業の届出を行う。相続人に継承されるものではない。(建設業法第12条)
1 ◯
建設業を営もうとする者は、一般建設業及び特定建設業の区分により許可を受けなければならない。また、許可は建設工事の種類ごとに分けて与えられる。(建設業法第3条第1項、第2項、第6項)
2 ◯
建設業の許可は、建設工事の種類ごとに対応する建設業に分けられており、許可を受けていない建設工事は原則として、請け負うことはできない。(建設業法第3条第2項)ただし、法4条(附帯工事)に、「建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。」と定められている。
4 ◯
許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、または引き続き1年以上営業を休止した場合は、建設業の許可を取り消される。(建設業法第29条第1項第三号)

[ No. 75 ]
次の記述のうち、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1.施工体制台帳には、当該建設工事について、下請負人の商号又は名称、当該下請負人に係る建設工事の内容及び工期等を記載しなければならない。
2.施工体制台帳は、工事現場ごとに備え置くとともに、発注者から請求があったときは、その発注者の閲覧に供しなければならない。
3.元請負人は、前払金の支払いを受けたときは、下請負人に対して、建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない。
4.元請負人は、工事完成後における請負代金の支払を受けたときは、支払の対象となる下請負人に対して、下請代金を 50日以内に支払わなければならない。

答え

  4
工事完成後の下請代金の支払いは、1ケ月以内で、かつ、できるだけ短い期間内に支払わなければならない。(建設業法第24条の3第1項)
1 ◯
施工体制台帳に記載する事項として、下請負人の商号または名称、当該下請負人に係る建設工事の内容及び工期、台帳を作成する特定建設業者が許可を受けて営む建設業の種類などが規定されている。(建設業法第24条の7第1項及び規則第14条の2)
2 ◯
作成した施工体制台帳は、工事現場ごとに備え置き、発注者から請求があったときはその発注者の閲覧に供しなければならない。(建設業法第24条の7第1項、第3項)
3 ◯
「元請負人は、前払金の支払いを受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労働者の募集、その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない。」と規定されている。(建設業法第24条の3第2項)

[ No. 76 ]
工事現場に置く技術者に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1.建築一式工事に関し実務の経験のみを有する者を、建築一式工事の主任技術者として置く場合、その者の実務経験年数は 10年以上でなければならない。
2.一般建設業の許可を受けた者が、工事金額 500万円の塗装工事を請け負った場合、主任技術者を置かなければならない。
3.公共性のある施設又は多数の者が利用する施設に関する重要な建設工事で、政令で定めるものについては、主任技術者又は監理技術者は、工事現場ごとに、専任の者でなければならない。
4.専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においてもその日の前7年以内に行われた国土交通大臣の登録を受けた講習を受講していなければ ならない。

答え

  4
監理技術者の資格の有効期間は5年であるため、7年以内ではない。(建設業法第3条第3項)
1 ◯
主任技術者は、工事を請け負った建設業者が、工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどる者として置く者で、その要件の一つに「許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し 10年以上実務の経験を有する者」と規定されている。よって、建築一式工事に関し、10年以上実務の経験を有する者は、建築一式工事の主任技術者として置くことができる。(建設業法第26条第1項)
2 ◯
建設業者は、その請け負った建設工事を施工するときは、主任技術者または監理技術者を置かなければならない。請負代金の額が500万円であるから、下請け契約があるとしても金額は 3,000万円未満となり監理技術者を置く必要はなく、主任技術者を置けばよい。(建設業法第26条第1項)
3 ◯
公共性のある施設または多数の者が利用する施設に関する重要な工事で、工事1件の請負代金の額が 3,000万円(建築一式工事の場合は 4,500万円)以上のものには、工事現場ごとに専任の主任技術者または監理技術者を置かなければならない。(建設業法第26条第2項)

[ No. 77 ]
「労働基準法」上、満18 才に満たない者を就業させることが禁止されている業務はどれか。
1.足場の組立、解体又は変更の業務のうち地上又は床上における補助作業の業務
2.土砂が崩壊するおそれのない、深さ 2 m の地穴における基礎型枠の解体の業務
3.2人以上の者によって行うクレーンの玉掛けの業務における補助作業の業務
4.つり上げ荷重が 1 t 未満のクレーンの運転の業務

答え

  4
「クレーン、デリックまたは揚貨装置の運転の業務」は就かせてはならない業務として定められている。(年少者労働基準規則第8条三号)
1.×
「足場の組立、解体又は変更の業務」が就かせてはならない業務として定められているばが、地上または床上における補助作業の業務は除かれている。(年少者労働基準規則第8条二十五号)
2.×
「土砂が崩壊するおそれのある場所又は深さが 5 m以上の地穴における業務」が就かせてはならない業務として定められている。(年少者労働基準規則第8条第二十三号)
3.×
クレーンの玉掛け業務(2人以上の者によって行う玉掛け業務における補助作業の業務を除く)は、年少者の就業制限の範囲より除かれる。(年少者労働基準規則第8条十号)

[ No. 78 ]
次の記述のうち、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
1.元方安全衛生管理者は、その事業場に専属の者でなければならない。
2.都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、統括安全衛生責任者の解任を命ずることができる。
3.統括安全衛生責任者は、元請負人と下請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するために選任される。
4.8年以上建設工事の施工における安全衛生の実務に従事した経験を有する者は、店社安全衛生管理者となる資格がある。

答え

  2
統括安全衛生責任者の業務の執行については、事業者に勧告することができるが、解任については命ずることができない。(労働安全衛生法第15条第5項)
1 ◯
元方安全衛生管理者の選任は、その事業場に専属の者を選任しなければならない。(労働安全衛生規則第18条の3)
3 ◯
特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者が政令で定められた数以上で作業を行うとき、これらの労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため、統括安全衛生責任者を選任し、その者に元方安全衛生管理者の指導等をさせなければならない。(労働安全衛生規則第15条第1項)
4 ◯
8年以上建設工事の施工における安全衛生の実務に従事した経験を有する者」と定められている。(労働安全衛生規則第18条の7第三号)

[ No. 79 ]
建設現場における次の業務のうち、「労働安全衛生法」上、都道府県労働局長の当該業務 に係る免許を必要とするものはどれか。
1.最大積載量が 1 t 以上の不整地運搬車の運転の業務
2.建設用リフトの運転の業務
3.作業床の高さが 10 m 以上の高所作業車の運転の業務
4.つり上げ荷重が 5 t 以上の移動式クレーンの運転の業務

答え

  4
つり上げ荷重が 5t以上の移動式クレーンの運搬の業務は、令第20条第六号に該当し、別表により「移動式クレーン運転免許を受けた者」と定められており、免許を必要とする。
1.×
最大積載量が 1 t 以上の不整地運搬車の運転の業務は、技能講習を受けた者であれば就くことができる。なお、免許は必要ない。
2.×
建設用リフトの運転業務は、特別教育を受けなけれ免許は必要としない。(労働安全衛生法第59条、規則第36条第十八号)
3.×
作業床の高さが10m以上の高所作業車の運転の業務は、技能講習を受けた者であれば就くことができる。免許は必要ない。(労働安全衛生法施行令第20条十五号)

[ No. 80 ]
次の記述のうち、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」上、誤っているものはどれか。
1.事業者が産業廃棄物の運搬を委託するときは、運搬の最終目的地の所在地が委託契約書に含まれていなければならない。
2.事業者は、工事に伴って発生した産業廃棄物を自ら処理しなければならない。
3.事業者は、産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く。)を自ら運搬する場合、管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
4.汚泥の処理能力が 10m3/日を超える乾燥処理施設(天日乾燥施設を除く。)を設置する場合は、管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。

答え

  3
「産業廃棄物の収集又は運搬を業として行うおうとする者は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、事業者、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない」と規定されている。したがって、事業者が産業廃棄物を自ら運搬する場合は、管轄する都道府県知事の許可は受けなくてもよい。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条1項)
1 ◯
事業者は、その産業廃棄物の運搬または処分を他人に委託する場合には、政令に定める基準に従い、その運搬については産業廃棄物取集運搬業者をの他政令で定める者に、運搬の最終目的地の所在地を委託契約書に記載させなければならない。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第6条の2第四号)
2 ◯
事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において、適正に処理しなければならない。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第3条第1項)
4 ◯
産業廃棄物処理施設を設置しようとする者は、当該産業廃棄物処理施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。令第7条第二号により、汚泥の乾燥施設であって、一日当たりの処理能力が 10m3を超えるものは、政令で定める産業廃棄物処理施設である。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第15条第1項)

[ No. 81 ]
宅地以外の土地を宅地にするため、土地の形質の変更を行う場合、「宅地造成等規制法」上、宅地造成に該当しないものはどれか。
1.切土をする土地の面積が 300m2であって、切土をした土地の部分に高さが 2.0 m の崖を生ずるもの
2.切土をする土地の面積が 600m2であって、切土をした土地の部分に高さが 1.0 m の崖を生ずるもの
3.盛土をする土地の面積が 600m2であって、盛土をした土地の部分に高さが 1.0 m の崖を生ずるもの
4.切土と盛土を同時にする土地の面積が 300m2であって、盛土をした土地の部分に高さが 1.0 m の崖を生じ、かつ、切土及び盛土をした土地の部分に高さが 2.5 mの崖を生ずるもの

答え

  1
切土をした土地の部分に生じる崖の高さが2mで2mを超えず、面積も300m2で500m2を超えないため、宅地造成に該当しない。(宅地造成等規制法施行令第3条)
2 ◯
切土をする土地の部分に生じる崖の高さが1mで 2mに満たないが、面積が 600m2500m2 を超えるため、宅地造成に該当する。(宅地造成等規制法施行令第3条)
3 ◯
盛土をした土地の部分に生じる崖の高さが1mで1mを超えないが、面積が 600m2500m2 を超えるため、宅地造成に該当する。(宅地造成等規制法施行令第3条)
4 ◯
切土と盛土を同時にし、盛土をした土地の部分に生じる崖の高さが1mで1m以下に含まれ、かつ、切土及び盛土をした土地の部分に生じる崖の高さが 2.5 mで 2mを超えるため、宅地造成に該当する。宅地造成等規制法施行令第3条)

[ No. 82 ]
次の作業のうち、「振動規制法」上、特定建設作業に該当するものはどれか。 ただし、作業は開始した日に終わらないものとする。
1.圧入式くい打機を使用する作業
2.油圧式くい抜機を使用する作業
3.くい打くい抜機(圧入式を除く。)を使用する作業
4.手持式のブレーカーを使用する作業

答え

  3
1.×、2.×、3.◯
原則として、くい打機、くい抜機及びくい打くい抜機を使用する作業は、「特定建設作業」であるが、もんけん、油圧式及び圧入式のものは除かれている。(振動規制法施行令別表第2第一号)
4.×
原則として、ブレーカーを用いる作業は、「特定建設作業」であるが、手持式のものは除かれている。(振動規制法施行令別表2第四号)
※振動規制法第2条第3項「特定建設作業」は、著しく振動は発生する作業で施行令第2条別表第2で定めるものをいう。
以上のことから、3肢の圧入式でないくい打くい抜機を使用する作業が特性建設作業となる