1級建築施工管理技士 平成29年 学科 問題1解説

平成29年 1級建築施工管理技士 学科 問題1 解答解説

問題番号 [ No. 1 ] ~ [ No. 15 ] までの 15 問題のうちから、12 問題を選択し、解答してください。
[ No. 1 ]  
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 換気量が一定の場合、室容積が大きいほど換気回数は少なくなる。
2. 室内外の温度差による自然換気の場合、換気量は上下の開口部の高低差に比例する。
3. 室内空気の一酸化炭素の濃度は、10 ppm 以下となるようにする。
4. 室内空気の二酸化炭素の濃度は、1,000 ppm 以下となるようにする。

答え

  2
自然換気は自然の力を利用して換気するもので、常に一定の換気量を維持するのは難しいが、維持経費が不要等の特徴があり、風力によるものと室内外の温度差によるもの(重力換気)がある。室温が外気温より高い場合、温度の高い空気は密度が小さく上昇し、温度の低い空気は下降する。流入口と流出口の高低差が大きいほどこの効果が大きい。換気量は、開口部の面積に比例し、内外の温度差、上下の開口部の垂直距離の平行根に比例する
1 ◯
換気回数は換気量を室容積で除した値であり、換気量が一定の場合、室容積が大きいほど換気回数は少なくなる
3、4 ◯
建築基準法施行令第129条の2の6(換気設備)第3項、建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令第2条により、室内空気の一酸化炭素の含有率は10 ppm 以下、二酸化炭素の含有率は、1,000 ppm 以下と定められている。

[ No. 2 ]  
採光及び照明に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 演色性とは、照明光による物体色の見え方についての光源の性質をいう。
2. グレアとは、高輝度な部分、極端な輝度対比や輝度分布などによって感じられるまぶしさをいう。
3. 照度とは、受照面の単位面積当たりの入射光束をいい、単位は lx(ルクス)である。
4. 全天空照度とは、天空光が遮蔽されることのない状況で、直射日光を含めた全天空によるある点の水平面照度をいう。

答え

  4
全天空照度とは、天空光が遮断されることのない状況で、直射日光を除いた全天空による、ある点の水平面照度をいう。
1 ◯
演色性とは、照明光による物体色の見え方についての光源の性質をいう。演色性は演色評価数で表し、数値が大きいものほど色の見え方に関する光源の特性が自然光に近いことを表す。白色電球やハロゲン電球は最高値の100であり演色性がよい。
2 ◯
グレアとは、高輝度な部分、極端な輝度対比や輝度分布などによって感じられるまぶしさをいい、不快感や視認・視能の低下を生じさせる原因となる。
3 ◯
照度とは、受照面の明るさを表し、単位面積当たりに入射する光束の量をいう。単位は lx(ルクス)である。

[ No. 3 ]  
音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 建物の床、梁、壁などを伝わる振動が最後に空気中に放射される音を固体音という。
2. 人が知覚する主観的な音の大小をラウドネスといい、音圧レベルが一定の場合、100 Hz の音よりも 1,000 Hz の音の方が大きく感じる。
3. 音波が障害物の背後に回り込む現象を回折といい、周波数が高くなるほど回折しやすい。
4. ある音が別の音によって聞き取りにくくなるマスキング効果は、両者の周波数が近いほどその影響が大きい。

答え

  3
音波が波の性質によって障害物の裏側まで回り込んで伝わる回折現象は、すき間の間隔や障害物の大きさが波長に比べて小さいと起こりやすい
1 ◯
特に建物内においては、建築設備等からスラブや躯体に振動として伝わり、壁や床、天井から音として放射される固体音が問題となりやすい。
2 ◯
音の大きさの特性をふまえて、ある音の大きさを、これと同じ大きさに聞こえる 1,000Hzの純音の音圧レベル [ dB ] の値で表したものをラウドネスレベルといい、単位は [ phon ] を用いる。同じ音圧レベルの場合、一般に 100 Hz の音よりも 1,000 Hz の音の方が大きく感じる
4 ◯
マスキング効果は、ある音が別の音によって聞こえにくくなる現象であり、マスキングする音とマスキングされる音の周波数が近いほどその影響が大きい

[ No. 4 ] 
積層ゴムを用いた免震構造の建物に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 水平方向の応答加速度と上下方向の応答加速度の双方とも大きく低減することができる。
2. 地震時に免震層の変形に対して設備配管等が追従できるようにする必要がある。
3. 免震部材の配置を調整し、上部構造の重心と免震層の剛心を合せることで、ねじれ応答を低減することができる。
4. 免震層を中間階に設置する場合は、火災に対して積層ゴムを保護する必要がある。

答え

  1
積層ゴムアイソレータを用いた免震構造は固有周期が長くなるため、応答加速度を低減することができ、建築物に作用する地震力も小さくなる。ただし、免震構造は一般に、水平地震動に効果を発揮するが、上下地震動には発揮しない
2 ◯
免震構造では免震装置を組み込んだ層(免震層)が大きく変位するため、ここを貫通する設備配管等はループやエキスパンションを設けるなどして、損傷を避ける必要がある。
3 ◯
免震構造でない一般の耐震構造でも、重心と剛心とはなるべく一致させ、偏心距離そ小さくするように剛性調整のための耐震要素を配置している。免震構造の場合においても、上部構造の重心と免震層の剛心を極力近づける計画とし、建築物のねじれの悪影響を避けている
4 ◯
中間階免震層に積層免震ゴムアイソレータを用いた場合、アイソレータは柱に設置する。このとき、アイソレータに耐火被覆を施すか、防火区画により免震層に火災が及ばないようにするなどの配慮が必要である。なお、基礎免震の場合は、耐火被覆の必要はない。

[ No. 5 ]  
鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 壁板のせん断補強筋比は、直交する各方向に関して、それぞれ 0.25 % 以上とする。
2. 柱の主筋の断面積の和は、コンクリートの断面積の 0.8 %以上とする。
3. 床スラブの配筋は、各方向の全幅について、鉄筋全断面積のコンクリート全断面積に対する割合を 0.1 % 以上とする。
4. 柱梁接合部内の帯筋間隔は、原則として 150 mm 以下とし、かつ、隣接する柱の帯筋間隔 の 1.5 倍以下とする。

答え

  3
床スラブの配筋は、温度応力や収縮応力に対する配筋として、各方向の全幅について、鉄筋全断面積のコンクリート全断面積に対する割合を0.2%以上とする。
1 ◯
鉄筋コンクリート構造の壁板のせん断補強筋比は、地震力により生ずるせん断ひび割れを分散化し、急激な剛性低下を防ぐため、直交する各方向に関して、それぞれ 0.0025以上(0.25 %以上) とする。
2 ◯
柱の主筋の断面積の和は、コンクリートの断面積の 0.8 %以上としなければならない。
4 ◯
柱梁接合部内の帯筋間隔は、原則として 150 mm 以下とし、かつ、隣接する柱の帯筋間隔 の 1.5 倍以下とする。なお、柱梁接合部内(仕口内)においても帯筋比は 0.2%以上とする。

[ No. 6 ] 
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. H 形鋼は、フランジやウェブの板要素の幅厚比が大きくなると局部座屈を生じやすい。
2. 中間スチフナは、梁の材軸と直角方向に配置し、主としてウェブプレートのせん断座屈補強として用いられる。
3. 部材に作用する引張力によってボルト孔周辺に生じる応力集中の度合は、高力ボルト摩擦接合の場合より普通ボルト接合の方が少ない。
4. 内ダイアフラムは、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられる。

答え

  3
普通ボルト接合の場合、部材に引張力が作用すると接合部にずれが生じ、ボルトと鋼板が支圧状態になった後で応力伝達が行われる。そのため、ボルト孔周辺に生じる応力集中の度合いは、高力ボルト摩擦接合より普通ボルト接合の方が多い
1 ◯
H 形鋼のフランジやウェブの幅厚比が大きくなると、相対的に板要素が薄くなり、圧縮材は部材としての耐力を発揮する前に局部座屈を生じやすい
2 ◯
梁ウェブはあまり薄いとせん断により座屈する。これを防ぐため梁の材軸方向と直角に中間スチフナを配置し、ウェブプレートのせん断座屈補強を行う。ただし、市販のロールH形鋼では、補強は必要ない程度のウェブの板厚になっている。
4 ◯
ダイアフラムとは、柱と梁の相互で曲げ応力を伝達できるように配置する鉄骨プレートで、通しダイアフラムとu内ダイアフラムがある。通しダイヤフラムは、切断された柱がダイアフラムを挟んで取り付くタイプであり、角形鋼管柱の仕口部によくもちいられる内ダイアフラムは、柱の板材を挟んで梁のフランジと柱内部のダイアフラムとが取り付くタイプであり、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられる。

[ No. 7 ]  
杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 支持杭を用いた杭基礎の許容支持力には、基礎スラブ底面における地盤の支持力は加算しない。
2. 杭と杭の中心間隔は、杭径が同一の場合、打込み杭の方が埋込み杭より小さくすることができる。
3. 杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力と極限周面摩擦力との和で表す。
4. 地盤から求める杭の引抜き抵抗力に杭の自重を加える場合は、地下水位以下の部分の浮力を考慮する。

答え

  2
打込み杭は、土を押しのけて杭を地中に挿入するため、杭周辺の地盤が締まる。そのため、杭と杭の中心間隔を大きくとる必要がある。杭と杭の中心間隔は、打込み杭では杭径の2.5倍以上、埋込み杭では杭径の2倍以上とする。
1 ◯
支持杭を用いた杭基礎の許容支持力には、杭の支持力のみによるものとし、基礎スラブ底面における地盤の支持力は加算しない
3 ◯
支持杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力と極限周面摩擦力との和で表す。
4 ◯
杭の引抜き力は、杭自体の引張り強度と、地盤の引抜き抵抗の小さい方で決まる。地盤の引き抜き抵抗による値は、極限の引き抜き抵抗の 1/3 を長期許容引抜き力とするが、杭の自重も引抜き抵抗すると考えてよい。その場合、地下水位以下の部分の浮力を考慮する。
tRa =1/3 × tRu + Wp
tRu = 地盤による杭の極限引抜き抵抗力
tRa = 杭の長期許容引抜き抵抗力
Wp = 杭の自重(地下水位以下の部分については浮力を考慮する)

[ No. 8 ]  
建築物に作用する荷重及び外力に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 劇場、映画館等の客席の積載荷重は、固定席の方が固定されていない場合より小さくすることができる。
2. 雪止めがない屋根の積雪荷重は、屋根勾配が 60 度を超える場合には 0とすることができる。
3. 倉庫業を営む倉庫の床の積載荷重は、実況に応じて計算する場合、2,900 N/m2 とすることができる。
4. 防風林などにより風を有効に遮ることができる場合は、風圧力の算定に用いる速度圧を低減することができる。

答え

  3
倉庫業を営む倉庫の床の積載荷重は、実況によって計算した値が、3,900 N/m2未満であっても、3,900N/m2としなければならない。
1 ◯
例えば、床の構造計算に用いる積載荷重は、 劇場、映画館等の客席が固定席の場合、2,900 N/m2 、その方の場合は 3,500 N/m2 であり、客席の積載荷重は、固定席の方が固定されていない場合より小さい
2 ◯
積雪荷重の屋根勾配による低減については、屋根に雪止めがある場合を除き、その屋根勾配が 60 度以下の場合においては、その勾配に応じた屋根形状係数を乗じた数値とし、その勾配が 60度を超える場合においてはOとすることができる
4 ◯
建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効に遮る他の建築物や防風林などがある場合は、速度圧を 1/2 まで減らすことができる

[ No. 9 ]  
図に示す荷重が作用する片持ち梁の支点Cに生じるモーメント反力 MC の値の大きさとして、正しいものはどれか。
H29-9片持ち梁.jpg
1. MC = 1 kN・m
2. MC = 4 kN・m
3. MC = 5 kN・m
4. MC =9 kN・m

答え

  3
反力を仮定する。
支点Cは固定端であるから、水平反力Hc、鉛直反力 Vc、モーメント反力Mcを仮定する。
 29-9力の作用図.jpg
つり合い条件式より、モーメント反力Mcを求める。
Mc = 0 より
- 3kN × 5m + 5kN × 2m + Mc = 0
- 15kN・m + 10kN・m + Mc = 0
Mc = 5kN・m
反力の向きを検討する。
Mcは「+」の値であったので、仮定した反力の向きは正しかった。
∴ Mc = 5 kN・m(時計回り)
したがって、3が正しい。

[ No. 10 ] 
単純梁に荷重が作用したときの梁のせん断力図が下図のようであるとき、そのときの曲げモーメント図として、正しいものはどれか。ただし、曲げモーメントは材の引張り側に描くものとする。
H29-10単純梁モーメント.jpg
  H29-10-M図1.jpg
  H29-10-M図2.jpg
  H29-10-M図3.jpg
  H29-10-M図4.jpg

答え

  3
単純梁の場合、曲げモーメント図はせん断力が(+)の部分では右下がり、(0)の部分では変化なし、(ー)の部分は右上がりとなる。
したがって、3が正しい
H29-10せん断図.jpg
Pℓ/3 + 2Pℓ/3 ー Pℓ= 0
2Pℓ/3 = Pℓー Pℓ/3
Pℓ/3 ー 2Pℓ/3 + Pℓ/3= 0
2Pℓ/3 = Pℓ/3+ Pℓ/3

[ No. 11 ]
建築に用いられる金属材料に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 鉛は、酸その他の薬液に対する抵抗性や X 線遮断効果が大きく、耐アルカリ性にも優れている。
2. ステンレス鋼は、ニッケルやクロムを含み、炭素量が少ないものほど軟質で、耐食性に優 れている。
3. 銅は、熱や電気の伝導率が大きく、湿気中では緑青を生じ耐食性が増す。
4. 純度の高いアルミニウムは、展延性に富み加工しやすく、空気中では表面に酸化被膜を生じ耐食性が増す。

答え

  1
鉛は比重が大(11.4)で軟らかく、展延性に富み、耐酸性があり、X線遮蔽効果が大きい。しかし、アルカリには非常に弱く、湿気を帯びたコンクリート中では腐食しやすい。
2 ◯
ステンレスは、ニッケル、クロムを含んだ炭素量が少ない、耐食性の極めて大きい特殊鋼である。炭素量が少ないものほど軟質で、耐食性に優 れている。
3 ◯
銅は、軟らかく加工性が大きい。大気中のガスや水分によって緑青の保護被膜がつくられる。
4 ◯
純アルミニウムは展延性に優れ加工しやすく、耐食性・溶接性がよい。軟質のため、建築用材には、アルミニウム合金が使用される。

[ No. 12 ]
石材に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 大理石は、ち密で磨くと光沢が出るが、風化しやすく、耐酸性、耐火性に劣る。
2. 花こう岩は、耐磨耗性、耐久性に優れるが、耐火性に劣る。
3. 砂岩は、耐火性に優れるが、吸水率の大きなものは耐凍害性に劣る。
4. 凝灰岩は、強度、耐久性に優れるが、光沢がなく、加工性に劣る。

答え

  4
凝灰岩は、火山から噴出された火山灰が地上や水中に堆積してできた岩石である。加工性、耐火性に優れるが、光沢はなく、吸水性が大きく風化しやすいため、強度、耐久性に劣る
1 ◯
大理石は、石灰岩が結晶化したもので、美観に優れ強度も十分あるが、耐酸性、耐火性に劣り、外装材には用いることができない
2 ◯
花こう岩はいわゆる御影石と呼ばれ、地下深部のマグマが地殻内で冷却固結した結晶質の石材で、硬く、耐摩耗性、耐久性に優れた石材として、建築物の外部等に最も多く用いられている。ただし、耐火性の点でやや劣る
3 ◯
砂岩は、主に砂が続成作用により固結してできた堆積岩である。耐火性に優れるが、吸水率の大きなものは耐凍害性に劣る

[ No. 13 ] 
日本工業規格(JIS)のドアセットに規定されている性能項目に関する記述として、不適当なものはどれか。
1. スイングドアセットでは、「気密性」が規定されている。
2. スイングドアセットでは、「鉛直荷重強さ」が規定されている。
3. スライディングドアセットでは、「ねじり強さ」が規定されている。
4. スライディングドアセットでは、「開閉力」が規定されている。

答え

  3
スライディングドアセットで定められている性能項目は、開閉力、開閉繰り返し、遮音性、断熱性、耐風圧性、気密性、水密性である。開閉力は規定されているが、ねじり強さは規定されていない
1、2 ◯
普通・防音等の種類に限らず、スイングドアセットで定められている性能項目はねじり強さ、鉛直荷重強さ、開閉力、開閉繰り返し、耐衝撃性、遮音性、断熱性、面内変形追随性、耐風圧性、気密性、水密性である。鉛直荷重強さ、気密性は規定されている

[ No. 14 ] 
アスファルト防水材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. アスファルトルーフィング 1500 の数値 1500 は、1巻当たりのアスファルトの含浸量(g) を表している。
2. ストレッチルーフィング 1000 の数値 1000 は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。
3. 改質アスファルトシートは、合成ゴム又はプラスチックを添加して性質を改良したアスファルトを原反に含浸・被覆させたシートである。
4. 有機溶剤タイプのアスファルトプライマーは、ブローンアスファルトなどを揮発性溶剤に溶解したものである。

答え

  1
アスファルトルーフィングの種類及び品質はJIS A6005に定められており、アスファルトルーフィング1500は、製品の単位面積質量が1500g/m2 以上のものをいう。
2 ◯
ストレッチルーフィング 1000 の数値 1000 は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。
3 ◯
改質アスファルトを用いた防水には、改質アスファルトの裏面及び下地を均一にあぶり、改質アスファルトを溶融させて張るトーチ工法と、常温で裏面のフィルムをはがして転圧ローラー等で張る常温粘着工法がある。
4 ◯
アスファルト防水工事に先立ち、下地材との密着性をよくするため塗布するアスファルトプライマーは、ブローンアスファルト等を揮発性溶剤に溶解したものである。

[ No. 15 ] 
塗料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 合成樹脂エマルションペイントは、水と樹脂粒子が融合し、塗膜を形成する。
2. アクリル樹脂系非水分散形塗料は、溶剤の蒸発とともに分散された粒子が結合し、塗膜を形成する。
3. 2液形ポリウレタンワニスは、溶剤の蒸発とともに反応が進み、ウレタン結合を有する透明塗膜を形成する。
4. 合成樹脂調合ペイントは、溶剤の蒸発とともに油分の酸化重合が進み、硬化乾燥して塗膜を形成する。

答え

  1
合成樹脂エマルションペイントは、合成樹脂共重合エマルションやラテックスをベースとして、着色顔料、補助剤、添加剤等を加えた水溶系である。塗布された塗料は、水分が蒸発するとともに樹脂粒子が融合して連続塗膜を形成する
2 ◯
アクリル樹脂系非水分散形塗料は、乾燥過程で溶剤が蒸発すると分散されていた粒子が結合し塗膜を形成する。
3 ◯
2液形ポリウレタンワニスは、透明塗膜を形成する。耐候性がよく変色しにくい特徴がある。
4 ◯
合成樹脂調合ペイントは、隠ぺい力や耐候性に優れた着色顔料、体質顔料等と耐水性や耐候性のよい長油性フタル酸樹脂ワニスとを組み合わせた塗料で、空気中の酸素によって乾性油の酸化重合が進み、硬化乾燥して塗膜を形成する。

1級建築施工管理技士 平成29年 学科 問題2解説

平成29年 1級建築施工管理技士 学科 問題2 解答解説

問題番号 [ No.16 ] ~ [ No.20 ] までの 5 問題は、全問題を解答してください。
[ No. 16 ] 
測量に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 平板測量は、アリダードと箱尺で測量した結果を、平板上で直接作図していく方法である。
2. 公共測量における水準測量は、レベルを標尺間の中央に置き、往復観測とする。
3. 距離測量は、巻尺、光波測距儀、GPS 受信機などを用いて行う。
4. 公共測量における水準点は、正確な高さの値が必要な工事での測量基準として用いられ、東京湾の平均海面を基準としている。

答え

  1
平板測量は、巻尺で距離測量した結果を、三脚で取り付けた平板上、アリダードを用いて現地で直接作図する方法である。精度は低いが、作業が簡単である。
平板測量.jpg
2 ◯
公共測量における水準測量は、視準距離は等しく、かつ、レベルはできる限り両標尺を結ぶ直線上に配置する。観測は、簡易水準測量を除き、往復観測とする。
3 ◯
光波測距儀は、光波を用いて距離を測定する装置である。また、GPS受信機は、GPS衛生から発信される電波を受信する装置で、そのデータから距離を測定する。
4 ◯
水準点は、正確な高さの値が必要な工事での測量基準として用いられる。日本の土地の高さ(標高)は、東京湾の平均海面を基準(標高0m)として測られている。

[ No. 17 ] 
電気設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 特別高圧受電を行うような大規模なビルや工場などの電気供給方式には、三相4線式 400V級が多く用いられる。
2. 電圧の種別で低圧とは、直流にあっては600V 以下、交流にあっては750V 以下のものをいう。
3. 低圧屋内配線のための金属管の厚さは、コンクリートに埋め込む場合、1.2 mm 未満としてはならない。
4. 低圧屋内配線の使用電圧が 300 V を超える場合における金属製の電線接続箱には、接地工事を施す。

答え

  2
電気設備に関する技術基準を定める省令によると、低圧とは、直流にあっては750V以下、交流にあっては600V以下のものをいう。
1 ◯
特別高圧受電を行うような大規模なビルや工場などの電気供給方式には、変電設備のスペースや電動機容量を小さくできることから、幹線では、三相4線式 400V級、動力では二相3線式400V級が用いられる。
3 ◯
低圧屋内配線に使用する金属管の厚さは、コンクリートに埋め込む場合、1.2 mm以上とする。
4 ◯
低圧屋内配線の使用電圧が 300 V を超える場合の金属製の電線接続箱には、原則として、C種設置工事を施さなければならない。

[ No. 18 ] 
給排水設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. エアチャンバーは、給水管内に生ずるウォーターハンマーの水撃圧を吸収するためのものである。
2. 通気管は、サイホン作用によるトラップの封水切れを防止するためのものである。
3. 排水トラップの封水深は、阻集器を兼ねるものを除き、5~10 cm とする。
4. 給水タンクの内部の保守点検を行うために設ける円形マンホールの最小内法直径は、45 cmとする。

答え

  4
給水タンク及び貯水タンクにマンホールを設ける場合の構造は、原則として、直径 60㎝以上の円が内接できるものとしなければならない。
1 ◯
エアチャンバーは給水管内の水の流れを急閉したときに生ずるウォーターハンマーの水撃圧を吸収する装置で、給水栓等の水を閉止する弁の上流側で、弁でできるだけ近い位置に設ける。
2 ◯
通気管は、給水菅内の流れを円滑に行い、管内気圧変動を最小限にとどめ、サイホン作用によるトラップの封水が破封されるのを防止するために設ける。
3 ◯
排水トラップの封水深は、5cm以上 10 cm以下(阻集器を兼ねる排水トラップについては 5 cm以上)とする。

[ No. 19 ] 
建築物に設ける昇降設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
ただし、特殊な構造及び使用形態のものを除くものとする。
1. 乗用エレベーターの昇降路の出入口の床先とかごの床先との水平距離は、4 cm以下とする。
2. エスカレーターの踏段の幅は 1.1 m 以下とし、踏段の両側に手すりを設ける。
3. 勾配が8度を超え 30 度以下のエスカレーターの踏段の定格速度は、50 m/分とする。
4. 非常用エレベーターには、かごの戸を開いたままかごを昇降させることができる装置を設ける。

答え

  3
勾配が 8度を超え30度以下のエスカレーターの踏段の定格速度は45m/分以下とする。
1 ◯
昇降路の出入口の床先と搬器の出入口の床先と間隔は、4 cm以下とする。
2 ◯
エスカレーターの踏段の幅は、 1.1 m 以下とし、踏段の両側に手すりを設ける。
4 ◯
非常用エレベーターには、かごの戸を開いたまま、かごを昇降させることができる装置を設けなければならない。(建築基準法施行令第129条の13の3第9項)

[ No. 20 ] 
数量積算に関する記述として、「公共建築数量積算基準(国土交通省制定)」上、誤っているものはどれか。
1. 鉄骨鉄筋コンクリート造のコンクリートの数量は、コンクリート中の鉄骨と鉄筋の体積分を差し引いたものとする。
2. フープ(帯筋)の長さは、柱のコンクリート断面の設計寸法による周長を鉄筋の長さとする。
3. 鉄骨の溶接長さは、種類に区分し、溶接断面形状ごとに長さを求め、すみ肉溶接脚長 6 mm に換算した延べ長さとする。
4. 設備器具類による各部分の仕上げの欠除が、1か所当たり 0.5 m2 以下の場合、その欠除は原則としてないものとする。

答え

  1
鉄骨鉄筋コンクリート造におけるコンクリートの数量は、コンクリート中の鉄骨の設計数量については、7.85t を 1.0m3 として換算した堆積分を差し引くが、鉄筋の体積分は差し引く必要はない
2 ◯
フープ、スタラップの長さは、それぞれ柱、基礎梁、梁、壁梁のコンクリート断面の設計寸法による周長を鉄筋の長さとし、フックはないものとする
3 ◯
溶接長さは、原則として種類に区分し、溶接断面形状ごとに長さを求め、すみ肉溶接脚長 6 mm に換算した延べ長さとする。
4 ◯
衛生器具、電気器具、換気孔、配管、配線等の器具の類による各部分の仕上げの欠除が、1か所当たり 0.5 m2 以下のときは、その欠除は原則としてないものとする

1級建築施工管理技士 平成29年 学科 問題3解説

平成29年 1級建築施工管理技士 学科 問題3 解答解説

問題番号 [ No.21 ] ~ [ No.33 ] までの 13 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。
[ No. 21 ] 
乗入れ構台及び荷受け構台の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 乗入れ構台の支柱の位置は、基礎、柱、梁及び耐力壁を避け、 5m 間隔とした。
2. 乗入れ構台の高さは、大引下端が床スラブ上端より 30 cm 上になるようにした。
3. 荷受け構台の作業荷重は、自重と積載荷重の合計の5%とした。
4. 荷受け構台への積載荷重の偏りは、構台全スパンの 60 % にわたって荷重が分布するものとした。

答え

  3
荷受け構台の構造計算に用いる作業荷重は、自重と積載荷重の合計の10%とする。
1 ◯
乗入れ構台の支柱の位置は、地下構造図と重ね合わせるなどして、基礎梁、柱、梁等の位置と重ならないように配置し、間隔は3〜6m 程度とする。
2 ◯
乗入れ構台の大引下橋を、躯体コンクリート打設時に床の均し作業ができるように、1階スラブ上端より 20〜30 cm 程度上に設定する。
4 ◯
荷受け構台を構成する部材については、積載荷重の偏りを考慮して検討し、通常は構台全スパンの 60 % にわたって、積載荷重が分布するものと仮定する。

[ No. 22 ] 
地盤調査及び土質試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 孔内水平載荷試験により、地盤の強度及び変形特性を求めることができる。
2. 一軸圧縮試験により、砂質土の強度と剛性を求めることができる。
3. 原位置での透水試験は、地盤に人工的に水位差を発生させ、水位の回復状況により透水係数を求めるために行う。
4. 圧密試験は、粘性土地盤の沈下特性を把握するために行う。

答え

  2
一軸圧縮試験は、自立する供試体に対して拘束圧が作用しない状態で試験を行うものなので、主として乱さない粘性土を対象とした試験法で、一軸圧縮強さなどが求められる
1 ◯
孔内載荷試験(孔内水平載荷試験)は、地盤の強度及び変形特性を調べる試験である。
3 ◯
原位置での透水試験は、単一のボーリング孔あるいは単一の井戸を利用して、水位を一時的に低下または上昇させ、平衡状態に戻るときの水位変化を経時的に測定して、地盤の透水係数を求める試験である。
4 ◯
圧密試験は、粘性土地盤を対象に、地盤の沈下量や沈下時間の予測に必要な情報を求める室内試験である。

[ No. 23 ] 
山留めの管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 油圧式荷重計は、切梁と火打梁との交点付近を避け、切梁の中央部に設置する。
2. 傾斜計を用いて山留め壁の変形を計測する場合には、山留め壁下端の変位量に注意する。
3. 壁面土圧計を用いると、土圧計受圧面に集中荷重が作用して、大きな応力値を示す場合があるので注意する。
4. 山留め壁周辺の地盤の沈下を計測するための基準点は、工事の影響を受けない付近の構造物に設置する。

答え

  1
切梁にかかる軸力は、端部より中央部の方が低くなるため、盤圧計(油圧式荷重計)を切梁の中央部に設置しても、正確に軸力を計測できない。また、安全上の点からも好ましくない。油圧式荷重計は、火打梁の基部や腹起しと切梁の接合部に設置するのが好ましい。
29-23盤圧計の位置.jpg
2 ◯
傾斜計を用いる方法は、山留め壁設置直後から変形測定ができるので、よい方法であるが、不動点を壁下端とすることが多いため、壁下端が動いた場合、測定値の確からしさが損なわれるの注意が必要である。
3 ◯
山留め壁に作用する側圧は、山留め材料に壁面土圧計を設置して計測する。壁面土圧計を用いると、設置時に土圧計受圧面に集中荷重が作用して、大きな応力値を示す場合があるので注意する。このような現象は、N値の大きな地盤(例えば砂礫層)でよく認められる。
4 ◯
山留め壁周辺の地盤の沈下を計測するための基準点は、山留め壁から離れた不動点とみなせる位置に設ける

[ No. 24 ] 
既製コンクリート杭の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 荷降ろしのため杭を吊り上げるときは、安定するよう杭の両端の2点を支持して吊り上げるようにする。
2. セメントミルク工法において、アースオーガーを引き上げる際には、負圧によって地盤を緩めないよう行う。
3. 杭に現場溶接継手を設ける際には、原則としてアーク溶接とする。
4. セメントミルク工法において、アースオーガーは掘削時及び引上げ時とも正回転とする。

答え

  1
既製コンクリート杭には、曲げモーメントが最小となる支持点位置がある(2点支持の場合は杭の両端から1/5の点)。積込み・荷降しは、必ず支持点近くの2点で支持しながら、杭に衝撃を与えることのないように注意を取り扱う。
29-24積込み・荷卸し.jpg
2 ◯
オーガーの引き上げ速度は、根固め液等の注入量に合わせて調整する。注入量に比べて引き上げ速度が速いと孔内に負圧が生じ、孔壁崩壊の原因となる
3 ◯
既製コンクリート杭に現場溶接継手を設ける場合は、原則としてアーク溶接とする。
4 ◯
セメントミルク工法では、掘削中にアースオーガーを逆回転すると、オーガーに付着した土砂が落下するので逆回転させてはならす、オーガー引上げ時においても正回転とする。

[ No. 25 ] 
鉄筋の加工及び組立てに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
ただし、d は異形鉄筋の呼び名の数値とする。
1. D16 の鉄筋相互のあき寸法の最小値は、粗骨材の最大寸法が 20mmのため、25mmとした。
2. 一般スラブに使用する SD295A の鉄筋の末端部を 90 °フックとするので、その余長を6dとした。
3. 同一径の SD295Aと SD345 の鉄筋を 135 °に折り曲げる際、内法直径の最小値を同じ値とした。
4. 一般スラブに設ける一辺が 500 mm 程度の開口部補強は、開口によって切断される鉄筋と同量の鉄筋で周囲を補強し、斜め補強筋を配した。

答え

  2
鉄筋に90° フックを設けるための折り曲げ加工を行う場合、末端のフックの余長は、鉄筋の種類にかかわらず 8d以上とする。
29-25鉄筋の折曲げ加工.jpg
1 ◯
鉄筋相互のあき寸法は、次の値のうちの最大のもの以上とする。
①粗骨材の最大寸法の 1.25倍
② 25mm
③隣り合う鉄筋の平均径の1.5倍
(異形鉄筋の呼び名の数値)
設問の場合、
① 20mm × 1.25 = 25mm
② 25mm
③ 16mm × 1.5 = 24 mm
となり、25mmのあき寸法は適切である。
鉄筋のあき寸法.jpg
3 ◯
折曲げ加工の形状及び折曲げ加工に関する規定は次表による。同一径の鉄筋の種類が SD295Aと SD345では、鉄筋の折曲げ内法の直径は同じである。
折曲げ形状・寸法.jpg
4 ◯
スラブ開口の最大径が 700mm以下の場合、スラブ開口によって切断される鉄筋と同量の鉄筋で周囲を補強し、隅角部に斜め補強筋を配筋する。

[ No. 26 ] 
鉄筋のガス圧接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. SD 345 の鉄筋 D 29 を手動ガス圧接で接合するため、日本工業規格(JIS)に基づく技術検定2種の資格を有する者によって行った。
2. 同一径の鉄筋の圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径の 1/4 以下とした。
3. 鉄筋の圧接部の加熱は、圧接端面が密着するまでは還元炎で行い、その後は中性炎で加熱した。
4. 同一径の鉄筋の圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の 1.1 倍以上とした。

答え

  2
圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径の1/5以下(径が異なる場合は細い方の径による)

29-26良好なガス圧接.jpg
1 ◯
JISA3881の圧接接合の技量資格種別2種の者が従事できる作業は、鉄筋径 32mm以下、呼び名D32以下の圧接接合である。なお、JISZ3881の圧接接合の技量資格種別は1種から4種まであり、それぞれの鉄筋径により従事できる圧接接合の作業が規定されている。
3 ◯
圧接部の加熱は、圧接端面が相互に密着するまでは還元炎で行い、その後は火力の強い中性炎で、圧接面を中止としてバーナーを揺動しながら加熱する。
4 ◯
圧接部のふくらみの直径は主筋等の径 1.4倍以上とし、かつ、その長さを主筋等の1.1倍以上とする。

[ No. 27 ] 
型枠支保工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 支柱として用いるパイプサポートの高さが 3.5m を超えたので、高さ 2m 以内ごとに水平つなぎを2方向に設けた。
2. 支柱として用いる鋼材の許容曲げ応力の値は、その鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の3/4の値のうち、いずれか小さい値とした。
3. 支柱にパイプサポートを2本継いで使用するので、継手部を4本以上のボルトで固定した。
4. 支柱として用いる組立て鋼柱の高さが4m を超えたので、高さ 4m 以内ごとに水平つなぎを2方向に設けた。

答え

  2
支柱として用いる鋼材の許容曲げ応力の値は、その鋼材の降伏強さの値はたは引張強さの値の3/4の値のうち、いずれか小さい値の2/3の値以下としなければならない
 29-27鋼材の許容応力度.jpg
1 ◯
支柱として用いるパイプサポートの高さが 3.5m を超える場合、水平つなぎを設ける位置は、高さ 2.0m 以内ごとに設けなければならない。
3 ◯
パイプサポートを継いで用いるときは、2本までとし、4本以上のボルトまたは専用の金具を用いて継ぐ
4 ◯
支柱として鋼管枠を使用する場合、1枠当たり許容荷重は、荷重の受け方により異なる。支柱として用いる組立て鋼柱の高さが4m を超えた場合、高さ 4m 以内ごとに水平つなぎを2方向に設ける

[ No. 28 ] 
コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 高強度コンクリートにおけるフレッシュコンクリートの流動性は、スランプ又はスランプフローで管理する。
2. アルカリシリカ反応性試験で無害でないものと判定された骨材であっても、コンクリート中のアルカリ総量を 3.0 kg/m3 以下とすれば使用することができる。
3. 水セメント比を低減すると、コンクリート表面からの塩化物イオンの浸透に対する抵抗性を高めることができる。
4. 一般仕様のコンクリートの単位セメント量の最小値は、250 kg/m3 とする。

答え

  4
普通コンクリートの単位セメント量の最小値は270kg/m3である。
1 ◯
高強度コンクリートにおけるフレッシュコンクリートの流動性は、スランプ又はスランプフローで表し、設計基準強度が 45 N/mm2 未満の場合は、スランプ 21cm以下またはスランプフロー 50cm以下、設計基準強度が 45 N/mm2 以上の場合は、スランプ 23cm以下またはスランプフロー 60cm以下を標準とする。
2 ◯
アルカリシリカ反応性試験で無害でないものと判定された骨材を使用する場合は、その抑制対策として、コンクリート中のアルカリ総量が 3.0 kg/m3 以下であることを確認する。
3 ◯
水セメント比を低減すると、緻密な組織のコンクリートになる。これにより水密性が著しく向上し、塩化物イオンの浸透に対する抵抗性を高めることができる。

[ No. 29 ] 
コンクリートの養生に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 湿潤養生を打ち切ることができる圧縮強度は、早強ポルトランドセメントと普通ポルトラ ンドセメントでは同じである。
2. 寒中コンクリートの初期養生の期間は、圧縮強度が 5 N/mm2 に達するまでとする。
3. 暑中コンクリートの湿潤養生の開始時期は、コンクリート上面においてはブリーディング水が消失した時点とする。
4. コンクリート温度が2℃を下らないように養生しなければならない期間は、コンクリート打込み後2日間である。

答え

  4
コンクリート打ち込み後の温度が2℃を下らないように養生しなければならない期間は、原則として、コンクリート打込み後5日間と定められている。
1 ◯
コンクリートの湿潤養生を打ち切ることができる圧縮強度は、早強ポルトランドセメントと普通ポルトラ ンドセメントでは同じである。
2 ◯
寒中コンクリートの初期養生の期間は、凍害を防ぐため、圧縮強度が 5 N/mm2 に達するまでとし、この期間中は、打ち込まれたコンクリートのいずれの部分についても凍結させてはならない。
3 ◯
暑中コンクリートの湿潤養生は、コンクリート上面のブリーディング水が消失した時期以降にコンクリートが乾燥の影響を受けるので、消失した時点から開始する。

[ No. 30 ] 
鉄骨の加工及び組立てに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 鉄骨鉄筋コンクリート造の最上部柱頭のトッププレートに、コンクリートの充填性を考慮して、空気孔を設けた。
2. 高力ボルト接合の摩擦面は、ショットブラストにて処理し、表面あらさは 30μmRz 以上を確保した。
3. 冷間成形角形鋼管の角部は、大きな冷間塑性加工を受けているので、その部分への組立て溶接を避けた。
4. 半自動溶接を行う箇所の組立て溶接の最小ビード長さは、板厚が12mm だったので、40mmとした。

答え

  2
高力ボルト接合の摩擦面を、ショットブラストまたはグリッドブラストにより処理する場合、摩擦面の表面粗さは50μmRz以上を確保する。
1 ◯
鉄骨鉄筋コンクリート造の鉄骨の工作図検討の際に、最上部柱頭のトッププレートに空気孔を設置することは、コンクリートの充填性に有効である。
3 ◯
冷間成形角形鋼管の角部等、大きな冷間塑性加工を受けた箇所への組立て溶接は避ける
4 ◯
組立て溶接のビード長さは次表を最小とし、特にショートビードとならないように注意する。
組立て溶接のビート長さ.jpg

[ No. 31 ] 
鉄骨工事の溶接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 完全溶込み溶接の突合せ継手における余盛りの高さが 3 mm であったので、グラインダー仕上げを行わなかった。
2. 柱梁接合部の梁端部の溶接は、塑性変形能力が低下しないよう、入熱とパス間温度の管理を特に重点的に行った。
3. クレーンガーダーのエンドタブは、溶接後切除してグラインダーで平滑に仕上げた。
4. 溶接作業場所の気温が-5℃を下回っていたので、溶接部より 100 mm の範囲の母材部分を加熱して作業を行った。

答え

  4
気温が低いと溶接部の冷却速度が速くなり、溶接部に割れが生じやすくなるので、溶接作業場所の気温が−5℃を下回る場合は、溶接を行ってはならない。なお、溶接作業場所の気温が−5℃から5℃までの場合は、溶接部より100mmの範囲の母材部分を加熱して溶接することができる。
1 ◯
余盛は応力集中を避けるため滑らかに仕上げる。過大であってり、ビード表面形状に不整があってはならない。余盛の高さはJASS6による。
2 ◯
ラーメン骨組みの柱梁接合部の梁端溶接部などのように塑性変形能力が期待される部位の溶接を行う際は、この入熱量とパス間温度の管理が特に重要である。
3 ◯
クレーンガーダーのように高サイクル疲労荷重が作用する箇所は、エンドタブを切断し、グラインダーで母材表面まで平滑に仕上げなければならない。

[ No. 32 ] 
揚重運搬機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. クレーンのブーム(ジブ)先端が地表から 60 m 以上の高さとなる場合は、原則として航空障害灯を設置する。
2. ジブを有しないクレーンの定格荷重とは、つり上げ荷重からフックなどのつり具の重量に相当する荷重を除いた荷重のことである。
3. 建設用リフトの停止階には、荷の積卸口に遮断設備を設ける。
4. ロングスパン工事用エレベーターの搬器の傾きが 1/8 の勾配を超えた場合に動力を自動的に遮断する装置を設ける。

答え

  4
搬器の傾き1/10の勾配を超えないうちに、動力を自動的に遮断する安全装置を備える
1 ◯
航空法により、航空障害灯の設置は、地表から 60 m 以上の高さとなる。
2 ◯
クレーンの定格荷重とは、ジブを有しない場所はつり上げ荷重からフックやクラブバケットなどのつり具の重量に相当する荷重を除いた荷重をいうと定められている。
3 ◯
建設用リフト構造規格により、建設用リフトの停止階には、荷の積卸口に遮断設備を設ける

[ No. 33 ] 
鉄筋コンクリート造の耐震改修工事における、柱への溶接閉鎖フープを用いた巻き立て補強に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. フープ筋のコーナー部の折曲げ内法直径は、フープ筋の呼び名に用いた数値の 2倍とした。
2. 壁付きの柱は、壁に穴をあけて閉鎖型にフープ筋を配置し補強した。
3. フープ筋の継手は片側フレア溶接とし、溶接長さはフープ筋の呼び名に用いた数値の 10倍とした。
4. 柱の外周部は、コンクリートの巻き立て部分の厚さを 100 mm とした。

答え

  1
フープ筋のコーナー部の折曲げ内法直径は、フープ筋の径または呼び名に用いた数値の3倍以上とする。
2 ◯
壁付きの柱を補強する場合または腰壁・垂れ壁付きの柱を壁内も含めて補強する場合は、壁に穴をあけて閉鎖型にフープ筋を配置補強する。
3 ◯
溶接閉鎖フープ巻き工法のフープ筋の継手は、溶接長さが片側10d以上のフレア溶接とする。
4 ◯
溶接金網巻き工法及び溶接閉鎖プープ巻き工法によるRC巻き立て補強は、既存柱の外周部を 60〜150mm程度の厚さの鉄筋コンクリートまたは鉄筋補強モルタルで巻き立て補強する方法で行う。

1級建築施工管理技士 平成29年 学科 問題4解説

平成29年 1級建築施工管理技士 学科 問題4 解答解説

問題番号 [ No.34 ] ~ [ No.45 ] までの 12問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。
[ No. 34 ]
アスファルト防水の密着工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 低煙・低臭タイプのアスファルトの溶融温度の上限は、300 ℃ とする。
2. コンクリートスラブの打継ぎ部は、絶縁用テープを張り付けた後、幅 300 mm 程度のストレッチルーフィングを増張りする。
3. 平場部のルーフィングの張付けに先立ち、入隅は幅 300 mm 程度のストレッチルーフィングを増張りする。
4. 平場部のアスファルトルーフィング類の重ね幅は、縦横とも 100 mm 程度とする。

答え

  1
低煙・低臭タイプのアスファルトの溶融温度の上限は、煙の発生を抑制するために240〜260℃程度とする。
2 ◯
コンクリートスラブの打継ぎ部には、一般平場のルーフィングの張付けに先立ち絶縁用テープを張り、その上に幅 300 mm 程度のストレッチルーフィングを増張りする。
3 ◯
アスファルトルーフィング類の張付けにおいて、出隅、入隅には一般平場のルーフィングの張付けに先立ち、幅 300 mm 程度のストレッチルーフィングを用いて均等に増張り(捨張り)する。
 29-34出隅部の増張り.jpg
 29-34入隅部の増張り.jpg
4 ◯
アスファルト防水の密着工法において、平場のアスファルトルーフィング類の重ね幅は、長手、幅方向とも 100mm 程度とし、重ね部からあふれ出たアスファルトは、その都度はけを用いて塗り均しておく。

[ No. 35 ]
ウレタンゴム系塗膜防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 防水材の塗継ぎの重ね幅を 50mm、補強布の重ね幅を100mm とした。
2. 絶縁工法において、立上り部の補強布は、平場部の通気緩衝シートの上に100mm張り掛けて防水材を塗布した。
3. 平場部の防水材の総使用量は、硬化物密度が 1.0 Mg/m3だったので、3.0 kg/m2 とした。
4. 密着工法において、平場部に張り付ける補強布は、防水材を塗りながら張り付けた。

答え

  1
ウレタンゴム系防水材の塗継ぎの重ね幅は100mm以上、補強布の重ね幅は50mm以上とする。
2 ◯
立上り部、ドレン回り及びパイプ回りなどでは、補強布の重ね幅は100mm以上とする。
3 ◯
平場部のウレタンゴム系防水材の総使用量は、硬化物密度が 1.0 Mg/m3である場合は、3.0 kg/m2 とする。
4 ◯
補強布の張付け、プライマーの乾燥を確認した後、ローラー、ゴムべら等の工具を用い補強布を下地に馴染ませ、ゴムウレタン系防水材を塗りながら行う。

[ No. 36 ]
乾式工法による外壁張り石工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 石材は、最大寸法を幅 1,000mm、高さ 800mm とし、重量を70 kg 以下とした。
2. 厚さ 30 mm、大きさ 500 mm 角の石材のだぼ孔の端あき寸法は、120mm とした。
3. 厚さが 30 mm の石材のだぼ孔は、石材の裏面から 15 mm の位置とし、孔径を4 mmとした。
4. 下地のコンクリート面の寸法精度は、±10 mm 以内となるようにした。

答え

  3
乾式工法において、石材のだぼ孔は、石材厚の中央に穿孔し、だぼの形式は通しだとする。一般に、通しだぼの場合、だぼの寸法は φ4 ×50mm程度のものが使われており、だぼ孔の径は、だぼの寸法より1〜3mm程度大きくする
1 ◯
外壁乾式工法に用いる石材の寸法は、幅及び高さ 1,200 mm以下、かつ、面積で 0.8 m2以下とし、重量については 70 kg 以下とする。
2 ◯
厚さ 30 mm、大きさ 500mm角の石材のだぼ孔の端あき寸法は、石材の厚みの3倍以上の 90mm以上、あるいは石材幅の辺長の 1/4 程度である 125mm程度の位置にバランスよく設ける。
4 ◯
外壁乾式工法において、下地面の寸法精度は、±10 mmとする。

[ No. 37 ]
金属板葺屋根工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 平葺の小はぜ掛けは、上はぜの折返し幅を 15 mm、下はぜの折返し幅を 10 mm とした。
2. 横葺の葺板の継手位置は、縦に一直線状とならないよう千鳥に配置した。
3. 平葺の吊子は、葺板と同種同厚の材とし、幅 30 mm、長さ 70 mmとした。
4. 塗装溶融亜鉛めっき鋼板を用いた金属板葺きのドリルねじ等の留付け用部材には、亜鉛めっき製品を使用した。

答え

  1
平葺の葺板の上はぜと下はぜの折り返し幅は、上はぜは15mm、下はぜは18mm程度とし、すき間をつくり防水上の毛細管現象を防ぐとともに、十分に掛け合わせ均一に叩き締める。
小はぜ折り返し幅.jpg
2 ◯
立て平葺の棟部は、溝板のはぜ締め後、はぜを水平に倒して折り上げ、立上げ部分の先端に水返しを付け、棟覆いを取り付ける。
 目違い継ぎ.jpg
 一文字継ぎ.jpg
 廻し継ぎ.jpg
 直線継ぎ.jpg
      葺板の継手位置
3 ◯
平葺の吊子は、葺板と同種同厚の材とし、幅 30 mm、長さ 70 mm程度とする。
4 ◯
塗装溶融亜鉛めっき鋼板を用いた金属板葺きの留付け用釘類は、溶融亜鉛めっき釘またはステンレス鋼釘とする。

[ No. 38 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 鉄骨梁に取り付く上部ランナーは、耐火被覆工事の後、あらかじめ鉄骨梁に取り付けられた先付け金物に溶接で固定した。
2. コンクリート壁に添え付くスタッドは、上下ランナーに差し込み、コンクリート壁に打込みピンで固定した。
3. 区分記号 65 形のスタッド材を使用したそで壁端部は、垂直方向の補強材の長さが 4.0m を超えるので、スタッド材を2本抱き合わせて溶接したもので補強した。
4. 振れ止めは、床ランナーの下端から間隔約 1,200 mm ごとに取り付け、上部ランナーの上端から 400 mm 以内に位置するものは取付けを省略した。

答え

  3
65形のスタッド材を使用したそで壁端部は、垂直方向の補強材(コ-60×30×10×2.3)の長さが4.0mを超える場合は、同材の補強材を2本抱き合わせて、上下端及び間隔600mm程度に溶接したものをスタッドに添えて補強する。
1 ◯
鉄骨梁に取り付く上部ランナーは、耐火被覆工事終了後、あらかじめ取り付けられた先付け金物またはスタッドボルトに、タッピンねじの類または溶接で固定する。
2 ◯
スタッドがコンクリート壁に添え付く場合は、上下ランナーに差し込み、打込みピンでコンクリート壁に固定する。
4 ◯
振れ止めは、床ランナーより間隔約 1,200 mm ごとに設けるが、上部ランナーから 400 mm 以内に位置する場合には、省略することができる
軽量鉄骨下地.jpg

[ No. 39 ]
内壁コンクリート下地のセメントモルタル塗りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. モルタルの塗厚は、下塗りから上塗りまでの合計で 30 mm とした。
2. 下塗り用モルタルの調合は、容積比でセメント1対砂 2.5 とした。
3. 下地処理をポリマーセメントペースト塗りとしたため、乾燥しないうちに下塗りを行った。
4. 吸水調整材を塗布後1時間以上おいた後に、乾燥を確認してから下塗りを行った。

答え

  1
内壁をモルタル仕上げとする場合、塗厚の標準値は20mmとする。
2 ◯
下塗り用モルタルの調合(容積比)はセメント1対砂 2.5、むら直し・中塗り・上塗りはセメント1対砂 3 とする。
3 ◯
セメントペーストは、一度乾くとはく離しやすくなるので、塗った後、乾かないうちに追いかけて下塗りモルタルを塗る必要がある。
4 ◯
吸水調整材塗布後の下塗りまでの間隔は、一般に1時間以上とし、乾燥を確認してから行う。

[ No. 40 ]
金属製建具工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 鋼製軽量建具に使用する戸の表面板は、厚さ 0.6mm とした。
2. 外部鋼製建具枠の組立てにおいて、厚さ 2.3mm の裏板補強のうえ、小ねじ留めとした。
3. 排煙窓の手動開放装置の操作部分を壁に取り付ける高さは、床面から 90cm とした。
4. 鋼製軽量建具に使用する戸の力骨は、厚さ 1.6mm とした。

答え

  2
外部(水掛かりを含む)に面する鋼製建具枠の組立ては、溶接とする。ただし、屋内(水掛かりを除く)で使用する鋼製建具は、溶接に代えて小ねじ留め(裏板厚さ2.3mm以上)によることができる。
1 ◯
鋼製軽量建具に使用する戸の表面板の厚さは、特記による。特記がなければ、片開き、親子開き及び両開き戸の1枚の有効開講幅が 950mm、または有効高さが 2,400mmを超える場合を除き、0.6mmとする。
3 ◯
排煙窓の手動開放装置の操作部分を壁に取り付ける高さは、建築基準法施行令第126条の3第1項第五号において、床面から 80cm以上、高さ 1.5m以下と規定されている。
4 ◯
出入口の枠類は軽量扉の性能を生かして、1.6mmとし、丁番及びピポットヒンジ、ドアクローザー等の大きな力が加わる取付け部分では、2.3mmの補強板が必要である。

[ No. 41 ]
コンクリート素地面の塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、中塗りを行う前に研磨紙 P220 を用いて研磨した。
2. 2液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて、中塗り後、上塗りまでの工程間隔時間を3時間とした。
3. 常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りの下塗りにおいて、塗料を素地に浸透させるため、 ローラーブラシ塗りとした。
4. 合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、流動性を上げるため、水で希釈して使用した。

答え

  2
2液形ポリウレタンエナメル塗りの中塗りの工程間隔時間は、標準条件下において16時間以上7日以内とする。
1 ◯
アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの工程は、素地調整、下塗り、パテかい、研磨、中塗り、上塗りと進む。研磨には研磨紙 P220 を用いる
3 ◯
常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りの塗装方法は、はけ塗り、ローラーブラシ塗り、吹付け塗りとする。ただし、下塗りは、素材によく浸透させる目的で、はけ塗り、 ローラーブラシ塗りも用いるが、中塗りや上塗りは、原則として吹付け塗りとしている。
4 ◯
合成樹脂エマルションペイントは、合成樹脂共重合エマルションやラテックルをベースとして、着色顔料や添加剤等を加えた水系塗料で、溶剤ではなく、水による希釈で塗料に流動性をもたせることができる。

[ No. 42 ]
ビニル床シート及びビニル床タイル張りに関する記述として、最も不適当なものはど れか。
1. 床シートの張付けは、圧着棒を用いて空気を押し出すように行い、その後 45 kg ローラーで圧着する。
2. 熱溶接工法において、溶接部の床シートの溝部分と溶接棒は、250 ~ 300 ℃ の熱風で加熱溶融させ、圧着溶接する。
3. 床タイルの張付けは、下地に接着剤を塗布した後、オープンタイムをとってから張り付ける。
4. 冬季低温時における床タイルの張付けは、バーナー等で床タイルを温めてから圧着する。

答え

  2
熱溶接工法においては、熱風溶接機を用いて床シートの溝部分と溶接棒を180〜200℃の熱風で溶融し、余盛が断面両側にできる程度に圧着溶接する。
1 ◯
床シートの張付けは、床シートを送り込みながら圧着棒を用いて空気を押し出すように行い、その後 45 kg ローラーで圧着する。
3 ◯
ビニル床タイルの張付けは、下地に接着剤を塗布し所定のオープンタイムをとり、溶剤の揮発を適切に行い張り付ける。所定のオープンタイムをとらずに貼り付けると初期粘着ができないだけでなく、溶剤が床材で密封され、床材を軟化させたり、ふくれの原因となる。
4 ◯
冬季低温時には床タイルが硬くなり下地に馴染みにくくなっているので、トーチランプ等で軽く加熱しながら圧着する

[ No. 43 ]
鉄筋コンクリート造の断熱工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において、断熱材の継目にコンクリートがはみ出している箇所は、Vカットした後に断熱材現場発泡工法により補修した。
2. 押出法ポリスチレンフォーム張付け工法において、躯体面とのすき間ができないようにしてから、断熱材を全面接着で張り付けた。
3. 硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、吹き付けるコンクリート面の温度が 5℃以上であることを確認して吹き付けた。
4. 硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、断熱材の吹付け厚さが 50mmの箇所は、下吹きをした後、1回で吹き付けた。

答え

  4
硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、断熱材の吹付け厚さが50mmの場合は多層吹きとし、1層の厚さは各々30mm以下とする。また、1日の総吹付け厚さは80mmを超えないものとする。
1 ◯
断熱材の継目にコンクリートがはみ出している箇所は、一般には使用断熱材または簡易発泡硬質ウレタンフォームによりそのまま補修する。継目の幅が大きい場合あ、Vカットした後に補修する。
2 ◯
張付け工法においては、断熱材と躯体との境界面にすき間が生じるとその部分に結露が生じやすくなるため、接着は全面接着とし、密着させて張り付ける。
3 ◯
吹付け面の温度及び乾燥度は、発泡性及び付着性に大きな影響を及ぼすので、性能表等により適切な条件で施工する。(吹付け面の温度が 5℃以上で施工すること。)

[ No. 44 ]
押出成形セメント板工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 横張り工法において、パネル積上げ枚数2~3枚ごとに自重受け金物を取り付けた。
2. パネルの割付けにおいて、使用するパネルの最小幅は 350 mm とした。
3. 幅 600 mm のパネルへの欠込みは、欠込み幅を 300 mm 以下とした。
4. 縦張り工法のパネルは、層間変形に対してロッキングにより追従するため、縦目地を15 mm、横目地を 8 mm とした。

答え

  4
パネル相互の目地幅は、地震時の変形に対応する縦張り工法及び横張り工法の場合も短辺の方が大きな目地幅が必要となる。縦張り工法の場合は、ロッキングできるように取り付け、縦目地(長辺)で8mm以上、横目地(短辺)で15mm以上の幅の目地を設ける。
1 ◯
横張り工法のパネルは、積上げ枚数3枚以下ごとに構造体に固定した自重受け金物で受け、縦張り工法のパネルは各段ごとに構造体の固定した下地鋼材で受ける。
2 ◯
パネル幅の最小限度は、原則として、 300 mm とする。
3 ◯
欠込み幅の限度は、パネル幅の1/2 以下、かつ、300mm以下とする。

[ No. 45 ]
合成樹脂塗床材による床改修工事における、既存床仕上げ材の撤去及び下地処理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 既存合成樹脂塗床面の上に同じ塗床材を塗り重ねるので、接着性を高めるため、既存仕上げ材の表面を目荒しした。
2. モルタル塗り下地面の既存合成樹脂塗床材の撤去は、下地モルタルを残し、電動はつり器具を用いて下地モルタルの表面から塗床材のみを削り取った。
3. 既存床材撤去後の下地コンクリート面において、プライマーの吸込みが激しかったため、 プライマーを再塗布した。
4. 既存床材撤去後の下地コンクリート面において、凹凸部の補修はエポキシ樹脂モルタルで行った。

答え

  2
合成樹脂塗床材の撤去には、ケレン棒、電動ケレン棒、電動はつり器具、ブラスト機械などを用いる。撤去範囲は、下地がモルタル塗りの場合はモルタル下地とも、コンクリート下地の場合はコンクリート表面から3mm程度とする。
1 ◯
既存合成樹脂塗床面を除去せずに同じ塗床材を塗り重ねる場合は、既存仕上げ材の表面をディスクサンダー等により目荒して接着性を高めるため
3 ◯
プライマーは、指定量をローラーばけ、はけ、金ごて等を用いてたまりが生じないように、下地にすり込むようにして塗布する。プライマーの下地への吸込みが激しい場合は、時間をおいて数回に分け再塗布する
4 ◯
下地のコンクリートまたはモルタルの凹凸・段差等は、サンダー掛けまたはポリマーセメントモルタルの充填等により補修し、コンクリート金ごて仕上げ程度に仕上げる。なお、新規仕上げが合成樹脂塗床の場合はエポキシ樹脂モルタルにより補修する。

1級建築施工管理技士 平成29年 学科 問題5解説

平成29年 1級建築施工管理技士 学科 問題5 解答解説

問題番号 [ No.46 ] ~ [ No.50 ] までの 5 問題は、全問題を解答してください。
[ No. 46 ]
事前調査や準備工事に関する記述として、最も適当なものはどれか。
1. 掘削深さや地盤条件に応じた山留めを設けることとしたため、隣接建物の基礎の調査を省略した。
2. 建物の位置と高さの基準となるベンチマークは、複数設置すると誤差を生じるおそれがあるため、設置は1箇所とした。
3. 鉄骨工事計画に当たり、周辺道路の交通規制や埋設物、架空電線、電波障害について調査した。
4. セメントによって地盤改良された土の掘削に当たって、沈砂槽を設置して湧水を場外へ排水することとしたため、水質調査を省略した。

答え

  3
鉄骨工事の施工計画に際しては、周辺の交通規制や電気・ガスなどの埋設物、道路幅員や電柱・架空電線の状況、電波障害など周辺環境への影響などについて、あらかじめ調査・確認しておかなければならない。
1.×
地下工事による崩壊事故、周辺地盤の沈下等を防止するため、事前に近隣建物、工作物の近接状況、基礎、構造、仕上げ等の現状を調査することが大切である。
2.×
ベンチマークは、建物の高さ及び位置の基準となるものであり、敷地付近の移動のおそれのない箇所に設置し、監理者の検査を受ける。またベンチマーチは通常2箇所以上設け、相互にチェックを行う。
4.×
地盤改良された土の掘削に当たって、沈砂槽を設置して湧水を場外へ排水した場合でも、安全対策として、水質調査を実施する。

[ No. 47 ]
仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 作業員の仮設男性用小便所数は、同時に就業する男性作業員 30人以内ごとに1個を設置する計画とした。
2. 工事用使用電力量の算出において、照明器具の需要率及び負荷率を加味した同時使用係数は、0.6 として計画した。
3. アースドリル工法による掘削に使用する水量は、1台当たり10 m3/時として計画した。
4. 工事用電気設備の建物内幹線の立上げは、上下交通の中心で最終工程まで支障の少ない階段室に計画した。

答え

  2
工事用使用電力量の算出において、照明器具の需要率及び負荷率を加味した同時使用係数は、1.0とする。
1 ◯
男性用大便器の便房の数は、同時に就業する男性労働者 60人以内ごとに1個以上、男性用小便所数は、同時に就業する男性労働者 30人以内ごとに1個以上とする。
3 ◯
アースドリル工法による掘削に使用する水量の目安は、1台当たり10 m3/時である。
4 ◯
工事用電気設備の建物内幹線の立上げは、出来るだけ最終工程まで支障の少ない場所で計画する。

[ No. 48 ]
施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 既製杭工事のプレボーリング埋込み工法において、支持層への到達の確認方法として、掘削抵抗電流値と掘削時間を積算した積分電流値を用いる計画とした。
2. 市街地での大規模な地下のある建築工事において、1階の床・梁を先行施工し、これを資機材の搬入用の作業構台とすることができる逆打ち工法とする計画とした。
3. プレキャストコンクリート部材の現場接合は、狭い空間に鉄筋やシヤーコッターがあり締固め作業が困難なため、高流動コンクリートを使用する計画とした。
4. 鉄骨工事の耐火被覆は、施工中の粉塵の飛散がなく、被覆厚さの管理も容易なロックウール吹付け工法で実施する計画とした。

答え

  4
ロックウール吹付け工法は、施工中に粉塵の飛散が生じる。また、吹付け厚さ及びかさ密度のばらつきを避けることができない。
1 ◯
既製杭工事のプレボーリング埋込み工法において、オーガー駆動装置の電流値や積分電流値等の上昇変化・波形変化により支持層への到達を判断することができる。
2 ◯
逆打ち工法は、建物の1階の床及び梁を先行施工し、これを支保工として下部の根切りを進め、順次地下階の躯体の施工と根切りを繰り返し、地下工事を進めていく工法である。1階の床を作業床として利用できるので、乗入れ構台等の仮設工事費の節約が可能である。
3 ◯
高流動コンクリートは、非常に高い流動性と施工性を持つため、振動・締固めなしに型枠内に充填することができるので、プレキャストコンクリート部材の接合部のような振動・締め固め作業が困難な箇所への充填に用いることができる

[ No. 49 ]
躯体工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 杭工事において、リバース工法による場所打ちコンクリート杭における2次スライム処理は、エアリフトにより行うこととした。
2. 鉄骨工事において、高力ボルト用の孔あけ加工は、板厚が 13 mm の部材については、せん断孔あけとすることとした。
3. 型枠工事において、独立柱の型枠の組立てはセパレーターを使用せず、コラムクランプを用いてせき板を締め付けることとした。
4. 地業工事において、捨てコンクリートの打設を行うときの外気温が 25 ℃ を超えるため、 練混ぜから打込み終了までの時間を 90 分とすることとした。

答え

  2
高力ボルト用の孔あけ加工は、板厚に関係なくドリルあけとする。ボルト・アンカーボルト、鉄筋貫通孔等は、ドリルあけを原則とするが、板厚13mm以下のときは、せん断孔あけとすることができる。
1 ◯
リバース工法における2次スライム処理は、一般にトレミー管とサクションポンプを連絡し、スライムを吸い上げる。また、エアリフトによる方法を行う場合もある。
3 ◯
コラムクランプは、柱型を四方から水平に締め付けるものでセパレーターは用いない。主として、独立柱の型枠を組立てる場合に用いられる
4 ◯
捨てコンクリートの打設において、コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間の限度は、外気温が 25 ℃未満のときは 120分、25℃以上のときは90 分とする

[ No. 50 ]
仕上工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 張り石工事において、外壁乾式石張り工法の石材の裏面と躯体コンクリート面の間隔は、70 mm を標準とした。
2. タイル工事において、改良圧着張り工法の張付けモルタルの1回の塗付け面積は、タイル工1人当たり4 m2以内とし、下地面の張付けモルタルの塗厚さは5 mm を標準とした。
3. メタルカーテンウォール工事において、躯体付け金物は、鉄骨躯体の製作に合わせてあらかじめ鉄骨製作工場で取り付けることとした。
4. 塗装工事において、亜鉛めっき鋼面の化成皮膜処理による素地ごしらえは、りん酸塩処理とすることとした。

答え

  2
改良圧着張り工法において、張付けモルタルに触ると手に付く状態のままタイル張りが完了できることとし、張付けモルタルの一度に施工可能な面積は 2 m2/人以内を目安とする。また、張付けモルタルの下地面に対する塗付けは二度塗りとし、その合計の塗厚は4〜6mmとする。
1 ◯
外壁乾式工法では、取付け代として、石材の裏面と躯体コンクリート面の間隔は、70 mm を標準とする。
3 ◯
躯体付け金物を鉄骨部材へ溶接固定する場合は、本体鉄骨の製作に合わせてあらかじめ鉄骨製作工場で行う。また、所定の溶接長を確保するなど必要な強度が得られるように注意する。
4 ◯
亜鉛めっき鋼面の素地調整(素地ごしらえ)は、工場塗装の場合は化成皮膜処理とする。化成皮膜処理には、りん酸塩処理、クロム酸処理、またはクロメートフリー処理がある

1級建築施工管理技士 平成29年 学科 問題6解説

平成29年 1級建築施工管理技士 学科 問題6 解答解説

問題番号 [ No.51 ] ~ [ No.70 ] までの 20 問題は、全問題を解答してください。
[ No. 51 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. プレキャストコンクリートの床部材は平置きとし、上下の台木が鉛直線上に同位置になる ように積み重ねて保管した。
2. 高力ボルトは、工事現場受入れ時に包装を開封し、全数を確認してから乾燥した場所に、 等級別、サイズ別に整理して保管した。
3. 板ガラスは、車輪付き裸台で搬入し、できるだけ乾燥した場所に裸台に乗せたまま保管した。
4. 断熱用の硬質ウレタンフォーム保温板は、反りぐせを防止するため、平坦な敷台の上に平積みで保管した。

答え

  2
高力ボルトは、工事現場受入時には包装を開封せずに、規格種類、径、長さ、ロット番号ごとに整理して乾燥した場所に保管し、施工直前に包装を解く
1 ◯
プレキャストコンクリートの床部材を積み重ねては平置きとする場合は、水平になるように台木を2本敷いて、上部の部材の台木と下部の部材の台木が同じ平面位置になるようにする
3 ◯
車輪付き裸台や木箱・パレットで運搬してきた板ガラスは、そのまま保管する
4 ◯
断熱用の硬質ウレタンフォーム保温板は反りぐせがつくと下地に密着しにくくなるので、反りぐせ防止のため、平坦な敷台等の上に積み重ねて保管する

[ No. 52 ]
建設業者が作成する建設工事の記録等に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 承認あるいは協議を行わなければならない事項については、それらの経過内容の記録を作成し、元請の建設業者と工事監理者が双方で確認したものを工事監理者に提出する。
2. 試験及び検査については、設計図書に示す条件に対する適合性を証明するに足る資料を添えて記録を作成する。
3. 建設工事の施工において必要に応じて作成した工事内容に関する発注者との打合せ記録は、元請の建設業者がその交付の日から 10 年間保存する。
4. 建設工事の施工において必要に応じて作成した完成図は、元請の建設業者が建設工事の目的物の引渡しの日から 10年間保存する。

答え

  3
建設工事の施工上必要に応じて作成した工事内容に関する発注者との打合せ記録で、請負契約の当事者が相互に交付したものの保存期間は、当該建設工事の目的物を引渡した日から10年間とする。
1 ◯
承認あるいは協議を行わなければならない事項について、それらの経過内容の記録を作成し、施工者と監理者が双方で確認し、監理者に提出することとしている。
2 ◯
試験及び検査については、設計図書に示す条件に対する適合性を証明するに足る資料を添えて記録を作成し、整理しておく。監理者の指示がある場合は、この記録又はその写しを速やかに提出する。
4 ◯
受注した建設工事ごとに。①完成図、②打合わせ記録、③施工体系図を当該建設工事の目的物の引渡しの日から 10 年間保存する

[ No. 53 ]
建築工事の施工速度とコストとの一般的な関係を表すグラフとして、最も適当なものはどれか。
  29-53-施工速度1.jpg
  29-53-施工速度2.jpg
  29-53-施工速度3.jpg
  29-53-施工速度4.jpg

答え

 3
施工速度とコストの関係は、一般に次のような傾向がある。施工速度が遅いと施工効率が悪く、コストは高くなり、施工速度を速めると施工効率が上昇し、コストは低くなる。ただし、ある限度を超えて施工速度を上げようとすると、機械の大型化や高価な資材の使用が必要となることもあり、コストは高くなる。

[ No. 54 ]
工程計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 使用可能な前面道路の幅員及び交通規制に応じて、使用重機及び搬入車両の能力を考慮した工程計画を立てる。
2. 工事用機械が連続して作業を実施し得るように作業手順を定め、工事用機械の不稼働をできるだけ少なくする。
3. 工期が指定され、工事内容が比較的容易で、また施工実績や経験が多い工事の場合は、積上方式(順行型)を用いて工程表を作成する。
4. 工程短縮を図るために行う工区の分割は、各工区の作業数量が同等になるように計画する。

答え

  3
工期が指定され、工事内容が比較的容易で、また施工実績や経験が多い工事の場合に、各工程に所要日数を割り当てる割付方式が多く用いられる。積上方式は、工事内容が複雑であったり、施工実績や経験が少ない工事の場合に多く用いられる。
1 ◯
工程計画の立案においては、使用可能な前面道路の幅員及び交通規制に応じて、使用重機及び搬入車両の能力を考慮する。
2 ◯
工程計画の立案においては、工事用機械が連続して作業を実施し得るように作業手順を定め工事用機械の不稼働をできるだけ少なくする
4 ◯
工程短縮を図るために行う工区の分割は、各工区の作業数量が同等になるように計画する。同等にならない場合は、主要な職種の作業数量が同等になるように分割する。

[ No. 55 ]
高層建築の鉄骨工事において、所要工期算出のための各作業の一般的な能率に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. タワークレーンの揚重ピース数は、1日当たり 40 ピースとした。
2. 補助クレーンを併用するため、タワークレーンの鉄骨建方作業のみに占める時間の割合を、30% とした。
3. 現場溶接は、溶接工1人1日当たりボックス柱で2本、梁で5箇所とした。
4. タワークレーンの1回のクライミングに要する日数は、1.5 日とした。

答え

  2
超高層ビルの鉄骨建方において、タワークレーンの鉄骨建方作業占有率(鉄骨建方作業のみに占める時間の割合)は、同時期作業が多く、補助クレーンを用いる場合50~60%とする。
1 ◯
タワークレーンの揚重ピース数は、1日当たり、40〜50 ピース程度とされている。
3 ◯
一般に現場溶接の1日の平均能率は、溶接技能者 1人当たり箱形(ボックス)柱で2本、梁で5箇所といわれている。
4 ◯
タワークレーンの1回のクライミングに要する日数は、準備を含めて1.5 日である。

[ No. 56 ]
次の条件の工事の総所要日数として、正しいものはどれか。 ただし、(  )内は各作業の所要日数である。
条件
イ.作業A(3日)及びB(4日)は、同時に着工できる。
ロ.作業C(6日)は、作業A及びBが完了後、作業を開始できる。
ハ.作業D(5日)及びE(8日)は、作業Bが完了後、
  作業を開始できる。
ニ.作業F(4日)は、作業C及びDが完了後、作業を開始できる。
ホ.作業E及びFが完了したとき、全工事は完了する。
 1. 11 日
 2. 12 日
 3. 13 日
 4. 14 日

答え

  4
イ~ホの条件を取り入れてネット工程表を作成すると次のよううな工程表になる。
 29-56所要日数.jpg
つまり、所要工期は、イべント⑤の最早開始時刻の14日である。したがって、工事の総所要日数として正しいものは、4 である。

[ No. 57 ]
施工品質管理表(QC 工程表)の作成に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 工種別又は部位別とし、管理項目は作業の重要度に関わらず施工工程に沿って並べる。
2. 工事監理者、施工管理者及び専門工事業者の役割分担を明記する。
3. 管理値を外れた場合の処置をあらかじめ定めておく。
4. 各作業の施工条件及び施工数量を明記する。

答え

  4
各作業の施工条件及び施工数量は、施工計画書の記載内容である。施工品質管理表(QC工程表)には記載しない
1 ◯
施工品質管理表(QC工程表)は、施工のプロセスの流れに沿って、プロセスの各段階で、誰が、いつ、どこで、何を、どうように管理するのかを一覧表にまとめるものであり、管理項目は作業の重要度の高い順に並べるものではない。
2 ◯
管理方法として、工事監理者、施工管理者、専門工事業者のそれぞれの役割分担を明確にしておく。
3 ◯
異常時の処置として、管理値を外れた場合の処置をあらかじめ定めておく。

[ No. 58 ]
JIS Q 9000(品質マネジメントシステム-基本及び用語)の用語の定義に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. マネジメントシステムとは、方針及び目標、並びにその目標を達成するためのプロセスを確立するための、相互に関連する又は相互に作用する、組織の一連の要素をいう。
2. 是正措置とは、不適合の原因を除去し、再発を防止するための処置をいう。
3. トレーサビリティとは、設定された目標を達成するための対象の適切性、妥当性又は有効性を確定するために行われる活動をいう。
4. 品質マネジメントとは、品質に関して組織を指揮し、管理するための調整された活動をいう。

答え

  3
トレーサビリティとは、考慮の対象となっているものの履歴、適用または所在を追跡できることである。設問の設定された目標を達成するための対象の適切性、妥当性または有効性を確定するために行われる活動は、レビューである。
1 ◯
マネジメントシステムとは、方針及び目標を定め、その目標を達成するためのシステムと定義されている。
2 ◯
是正措置とは、検出された不適合またはその他の検出された望ましくない状況の原因を除去し、再発を防止するための処置のこと。
4 ◯
品質マネジメントとは、品質に関して組織を指揮し、管理するための調整された活動である。

[ No. 59 ]
品質管理における精度に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. カーテンウォール工事において、プレキャストコンクリートカーテンウォール部材の取付け位置の寸法許容差のうち、目地の幅については、±5 mmとした。
2. コンクリート工事において、コンクリート部材の設計図書に示された位置に対する各部材の位置の許容差は、±20 mm とした。
3. コンクリート工事において、ビニル床シート下地のコンクリート面の仕上がりの平坦さは、3mにつき 7mm 以下とした。
4. 鉄骨工事において、スタッド溶接後の頭付きスタッドの傾きの限界許容差は、10 °以下とした。

答え

  4
鉄骨工事におけるスタッド溶接後のスタッドの傾きの限界許容差は、5°以下とする。
1 ◯
プレキャストコンクリートカーテンウォール部材の取付け位置における目地幅の許容差は、特記のない場合は ±5 mmとする。
2 ◯
コンクリート工事において、コンクリート部材の設計図書に示された位置に対する各部材の位置の許容差は、±20 mm を標準とする。
3 ◯
コンクリート工事において、ビニル系床材張りなど仕上げ厚さが極めて薄い場合、下地のコンクリートの仕上がりの平坦さは、3mにつき 7mm 以下とする。

[ No. 60 ]
品質管理図に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. X(エックスバー)管理図は、サンプルの個々の観測値を用いて工程水準を評価するための計量値管理図である。
2. np(エヌピー)管理図は、サンプルサイズが一定の場合に、所与の分類項目に該当する単位の数を評価するための計数値管理図である。
3. R(アール)管理図は、群の範囲を用いて変動を評価するための計量値管理図である。
4. s(エス)管理図は、群の標準偏差を用いて変動を評価するための計量値管理図である。

答え

  1
X(エックスバー)管理図は、群の平均値を用いて群間の違いを評価するための計量値管理図である。
2 ◯
np(エヌピー)管理図は、不適合品数を用いて工数を評価するための管理図で、群の大きさが一定の場合に用いる計数値管理図である。
3 ◯
R(アール)管理図は、群の範囲を用いて工程の分散を評価するための計量値管理図である。
4 ◯
s(エス)管理図は、群の標準偏差を用いて工程の平均と変動を監視するための計量値管理図である。

[ No. 61 ]
品質管理における検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 受入検査は、依頼した原材料、部品、製品などを受け入れる段階で行う検査で、生産工程に一定の品質水準のものを流すことを目的で行う。
2. 中間検査は、不良なロットが次工程に渡らないように、事前に取り除くことによって損害を少なくするために行う。
3. 抜取検査は、継続的に不良率が大きく、決められた品質水準に修正しなければならない場合に行う。
4. 検査とは、適切な測定、試験、又はゲージ合せを伴った、観測及び判定による適合性評価をいう。

答え

  3
設問の場合は、全数検査を行う。全数検査は、一般には、工程の状態からみて不良率が大きく、あらかじめ決められた品質水準に達しないときに行う。抜取検査は、製品またはサービスのサンプルを用いる検査をいう。
1 ◯
受入検査とは、受入れ側に、提供側の製品や活動結果(サービス)が引き渡される際、それらの製品や活動結果の数量、形状、寸法、外観、機能などに関し、受入れ側が自ら適否を判定する検査のこと。
2 ◯
中間検査は、不良なロットが次工程に渡らないように、事前に取り除くことによって損害を少なくするために行う
4 ◯
検査とは、品物またはサービスの一つ以上の特性値に対して、測定、試験、検定、又はゲージ合せなどを行って、規定要求事項と比較して、適合しているかどうかを判定する活動である。

[ No. 62 ]
鉄筋のガス圧接継手の外観検査の結果、不合格となった圧接部の処置に関する記述とし て、最も不適当なものはどれか。
1. 圧接部のふくらみの直径が規定値に満たない場合は、再加熱し圧力を加えて所定のふくらみに修正する。
2. 圧接部のふくらみが著しいつば形の場合は、圧接部を切り取って再圧接する。
3. 圧接部における相互の鉄筋の偏心量が規定値を超えた場合は、再加熱し圧力を加えて偏心を修正する。
4. 圧接面のずれが規定値を超えた場合は、圧接部を切り取って再圧接する。

答え

  3
圧接部における相互の鉄筋の偏心量が d/5 (dは鉄筋径)を超えた場合は、切り取って再圧接しなければならない

[ No. 63 ]
仕上工事における試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 工場塗装において、鉄鋼面のさび止め塗装の塗膜厚の確認は、硬化乾燥後に電磁微厚計を用いて行った。
2. アスファルト防水工事において、下地コンクリートの乾燥状態の確認は、高周波水分計を用いて行った。
3. タイル張り工事において、タイルの浮きの打音検査は、リバウンドハンマー(シュミットハンマー)を用いて行った。
4. 室内空気中に含まれるホルムアルデヒドの濃度測定は、パッシブ型採取機器を用いて行った。

答え

  3
屋外及び屋内の吹抜け部分等の壁タイル張上げ面は、施工後2週間以上経過した時点で、全面にわたりタイル用テストハンマーを用いて打音検査を行い、浮きの有無を確認する。リバウンドハンマー(シュミットハンマー)はコンクリートの表面を打撃したときの反発度から反縮強度を推定するための機器である。
1 ◯
工場塗装においる鉄鋼面のさび止め塗装の塗膜厚は、硬化乾燥後に電磁微厚計その他適切な測定機器を用いて確認する。
2 ◯
下地コンクリートの乾燥状態の確認する方法には次のものがある。
高周波水分計による下地水分の測定
②一昼夜ビニルシートやルーフィングで覆った下地の結露の状態の確認
③コンクリート打込み後の日数
④目視による乾燥状態の確認
4 ◯
室内空気中に含まれるホルムアルデヒド等の化学物質の濃度測定を実施する場合には、動力を用いずに自然に採集するパッシブ法または吸引ポンプなどの動力を用いて強制的に採取するアクティブ法が用いられ、パッシブ法は、パッシブ形採取機器を用いて行う。

[ No. 64 ]
労働災害に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 労働損失日数は、一時全労働不能の場合、暦日による休業日数に 300/365を乗じて算出する。
2. 度数率は、災害発生の頻度を表すもので、100 万延べ実労働時間当たりの延べ労働損失日数を示す。
3. 年千人率は、労働者 1,000 人当たりの1年間の死傷者数を示す。
4. 一般に重大災害とは、一時に3名以上の労働者が死傷又は罹病した災害をいう。

答え

  2
度数率は、100万延労働時間当たりの労働災害による死傷者数で表し、労働災害発生の頻度を示す。
度数率 = 死傷者数 / 延労働時間数 × 1,000,000
1 ◯
労働損失日数は、一時全労働不能の場合、暦日による休業日数に 300/365を乗じて算出する。
3 ◯
年千人率は、労働者 1,000 人当たりの1年間の死傷者数を示すもので、発生頻度を示す。
年千人率 = 1年間の死傷者数 / 1年間の平均労働者数 × 1,000
4 ◯
労働災害における重大災害とは、不休災害を含む一時に3名以上の労働者が死傷又は罹病した災害をいう。

[ No. 65 ]
市街地の建築工事における公衆災害防止対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 歩行者が多い箇所であったため、歩行者が安全に通行できるよう、車道とは別に幅 1.5 m の歩行者用通路を確保した。
2. 道路の通行を制限する必要があり、制限後の車線が2車線となるので、その車道幅員を5.5 m とした。
3. 建築工事を行う部分の地盤面からの高さが 20 m なので、防護棚を2段設置した。
4. 防護棚は、外部足場の外側から水平距離で2 m 突き出し、水平面となす角度を 15 度とした。

答え

  4
防護棚は足場の外側から水平距離2m以上突き出させ、水平面となす角度を20度以上とし、風圧、振動、衝撃、雪荷重等で脱落しないように骨組に堅固に取り付ける。
1 ◯
施工者は、車両交通対策を行った場合には、歩行者が安全に通行し得るために、車道とは別に幅 0.75m以上、特に歩行者の多い箇所においては幅1.5 m 以上の歩行者用通路を確保し、必要に応じて交通誘導員を配置する。
2 ◯
公衆の通行の用に供する部分の通行を制限する必要のある場合には、制限した後の道路の車線が2車線となる場合にあっては、その車道幅員を5.5 m以上とする。
3 ◯
防護策は、建築工事を行う部分が地盤面から高さが10m以上の場合にあっては1段以上、 20 m以上の場合にあって2段以上設ける。

[ No. 66 ]
作業主任者の職務として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。
1. 型枠支保工の組立て等作業主任者は、作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。
2. 木造建築物の組立て等作業主任者は、作業の方法及び順序を決定し、作業を直接指揮すること。
3. 足場の組立て等作業主任者は、作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視すること。
4. 建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、作業の方法及び順序を作業計画として定めること。

答え

  4
事業者は、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。(労働安全衛生規則第517条の5)
①作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を直接指揮すること。
②器具、工具、安全帯等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。
作業の方法及び順序を作業計画として定めるのは事業者であり、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の職務ではない。(労働安全衛生規則第517条の6)
☆労働安全衛生規則の改正(2019年2月1日施行)により、安全帯の名称は墜落防止用器具となる。(以下、同様)
1 ◯
事業者は、型枠支保工の組立て等作業主任者に次の事項を行わせなければならない。(労働安全衛生規則第247条)
作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。
②材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。
③作業中、安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。
2 ◯
事業者は、木造建築物の組立て等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。(労働安全衛生規則第517条の13)
作業の方法及び順序を決定し、作業を直接指揮すること。
②器具、工具、安全帯等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。
3 ◯
事業者は、足場の組立て等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。ただし、解体の作業の時は、①の規定は適用しない。(労働安全衛生規則第566条)
①材料の欠点の有無を点検し、不良品を取り除くこと。
②器具、工具、安全帯等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視すること
安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

[ No. 67 ]
足場に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 単管足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向 5.5 m以下、水平方向 5 m 以下とする。
2. 単管足場の建地間の積載荷重は、400 kg以下とする。
3. 枠組足場の使用高さは、通常使用の場合 45m以下とする。
4. 枠組足場に設ける高さ 8 m 以上の階段には、7m以内ごとに踊場を設ける。

答え

  1
単管足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向5m以下水平方向5.5m以下とする。(労働安全衛生規則第570条第1項第五号イ)
2 ◯
単管足場の建地間の積載荷重は、400 kgを限度とする。(労働安全衛生規則第571条第1項第四号)
3 ◯
枠組足場の使用高さは、原則てとして 45m以下とする。(JIS A8951)
4 ◯
踊場は、階段と一体になって機能する架説通路であり、労働安全衛生規則第552条を準用し、高さが 8 m 以上の階段には、7m以内ごとに踊場を設ける。(労働安全衛生規則第552条第1項第六号)

[ No. 68 ]
事業者が行わなければならない点検に関する記述として、「労働安全衛生規則」上、誤っているものはどれか。
1. 車両系建設機械を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、ブレーキ及びクラツチの機能について点検を行わなければならない。
2. つり足場における作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、脚部の沈下及び滑動の状態について点検を行わなければならない。
3. 高所作業車を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、制動装置、操作装置及び作業装置の機能について点検を行わなければならない。
4. 作業構台における作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、作業を行う箇所に設けた手すり等及び中桟等の取り外し及び脱落の有無について点検を行わなければならない。

答え

  2
強風、大雨、大雪等の悪天候若しくは中震以上の地震または足場組立て、一部解体若しくは変更の後においては、作業開始前の点検事項として定められているが、その日の作業開始前の点検事項としては定められていない。(労働安全衛生規則第568条)
☆令和5年10月1日施行の同規則第567条・第568条の改正により、事業者が自ら点検する義務が、点検者を指名して、点検者に点検させる義務に変更された。したがって、現在でも、この選択肢が誤りとなる。
1 ◯
事業者は、車両系建設機械を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、ブレーキ及びクラッチの機能について点検を行わなければならない。(労働安全衛生規則第170条)
3 ◯
事業者は、高所作業車を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、制動装置、操作装置及び作業装置の機能について点検を行わなければならない。(労働安全衛生規則第194条の27)
4 ◯
事業者は、作業構台における作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、作業を行う箇所に設けた手すり等及び中桟等の取り外し及び脱落の有無について点検し、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。(労働安全衛生規則第575条の8第1項)

[ No. 69 ]
つり上げ荷重が 0.5 t 以上の移動式クレーンを用いて作業を行う場合に事業者の講ずべ き措置として、「クレーン等安全規則」上、誤っているものはどれか。
1. 移動式クレーンの運転の合図について、合図を行う者を指名し、その者に合図の方法を定めさせた。
2. 移動式クレーンの玉掛け用具として使用するワイヤロープは、安全係数が6以上のものを使用させた。
3. 移動式クレーンの玉掛け用具として使用するワイヤロープは、直径が公称径の 92 % だったので使用させなかった。
4. 移動式クレーンの上部旋回体の旋回範囲内に、労働者が立ち入らないようにさせた。

答え

  1
事業者は、移動式クレーンを用いて作業を行うときは、移動式クレーンの運転について一定の合図を定め、原則として、合図を行う者を指名して、その者に合図を行わせなければならない。(クレーン等安全規則第71条第1項)
2 ◯
クレーン、移動式クレーンまたはデリックの玉掛け用具であるワイヤロープの安全係数については、6以上でなければ使用してはならない。(クレーン等安全規則第213条第1項)
3 ◯
直径の減少が公称径の 7% を超えるワイヤロープをクレーン、移動式クレーンまたはデリックの玉掛け用具として使用してはならない。(クレーン等安全規則第215条第二号)
4 ◯
事業者は、移動式クレーンに係る作業を行うときは、移動式クレーンの上部旋回と接触することにより労働者に危険が生じるおそれのある箇所に労働者を立ち入らせてはならない。(クレーン等安全規則第74条)

[ No. 70 ]
有機溶剤作業主任者の職務として、「有機溶剤中毒予防規則」上、定められていないものはどれか。
1. 屋内作業場において有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、作業中の労働者が有機溶剤の人体に及ぼす作用を容易に知ることができるよう、見やすい場所に掲示すること。
2. 作業に従事する労働者が有機溶剤により汚染され、又はこれを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること。
3. 局所排気装置、プッシュプル型換気装置又は全体換気装置を1月を超えない期間ごとに点検すること。
4. 保護具の使用状況を監視すること。

答え

  1
作業中の労働者が有機溶剤の人体に及ぼす作用を容易に知ることができるよう、見やすい場所に掲示しなければならないのは事業者である。(有機溶剤中毒予防規則第24条第1項第一号)
有機溶剤作業主任者の職務は、次の通りである。
(有機溶剤中毒予防規則第19条の2)
①作業に従事する労働者が有機溶剤により汚染され、又はこれを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること。
②局所排気装置、プッシュプル型換気装置又は全体換気装置を1月を超えない期間ごとに点検すること。
③保護具の使用状況を監視すること。
④タンクの内部において有機溶剤業務に労働者が従事するときは、第26条各号に定める措置が講じられていることを確認すること。

1級建築施工管理技士 平成29年 学科 問題7解説

平成29年 1級建築施工管理技士 学科 問題7 解答解説

問題番号 [ No.71 ] ~ [ No.82 ] までの 12 問題のうちから、8 問題を選択し、解答してください。
[ No. 71 ]
用語の定義に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1. 床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの 1/3 以上のものは、地階である。
2. 建築物の構造上重要でない間仕切壁の過半の模様替は、大規模の模様替である。
3. 高架の工作物内に設ける店舗は、建築物である。
4. 一の建築物又は用途上不可分の関係にある2以上の建築物のある一団の土地は、敷地である。

答え

  2
大規模の模様替とは、建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。構造上重要でない間仕切り壁は主要構造部ではないため、大規模の模様替には該当しない。(建築基準法第2条第1項第十五号)
1 ◯
地階とは、床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの 1/3 以上のものをいう。(建築基準法施行令第1条第二号)
3 ◯
建築物とは、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの、これに付属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設をいい、建築設備を含むものとする。高架の工作物内に設ける店舗は、建築物に該当する。(建築基準法施行令第1条第一号)
4 ◯
敷地とは、一の建築物又は用途上不可分の関係にある2以上の建築物のある一団の土地をいう。(建築基準法施行令第1条第一号)

[ No. 72 ]
次の記述のうち、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1. 鉄筋コンクリート造3階建の既存の建築物にエレベーターを設ける場合においては、確認済証の交付を受けなければならない。
2. 鉄骨造2階建、延べ面積 200 m2 の建築物の新築工事において、特定行政庁の仮使用の承認を受けたときは、建築主は検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物を使用することができる。
3. 防火地域及び準防火地域外において建築物を改築しようとする場合で、その改築に係る部分の床面積の合計が 10 m2 以内のときは、建築確認申請書の提出は必要ない。
4. 確認済証の交付を受けた建築物の完了検査を受けようとする建築主は、工事が完了した日から5日以内に、建築主事に到達するように検査の申請をしなければならない。

答え

  4
建築主は、工事完了検査申請を、工事が完了した日から4日以内に建築主事に到達するように行わなければならない。(建築基準法第7条第2項)
1 ◯
木造以外の建築物で2以上の階を有する既存の建築物にエレベーターを設ける場合は、確認済証の交付を受けなければならない。(建築基準法第6条第1項)
2 ◯
木造以外の建築物で延べ面積 200 m2 を超えるものの新築工事においては、検査済証の交付を受けた後でなければ、使用することができない。ただし、特定行政庁の仮使用の承認を受けたときは、建築主は検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物を使用することができる。(建築基準法施行規則第4条の16)
3 ◯
防火地域及び準防火地域外において建築物を改築しようとする場合で、その改築に係る部分の床面積の合計が 10 m2 以内のときは、建築確認申請書の提出は必要ない。(建築基準法第7条第2項)

[ No. 73 ]
次の記述のうち、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1. 共同住宅の各戸の界壁を給水管が貫通する場合においては、当該管と界壁とのすき間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。
2. 準防火地域内の鉄骨造2階建、延べ面積 1,000 m2 の倉庫は、耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。
3. 主要構造部を耐火構造とした建築物で、延べ面積が 1,500m2 を超えるものは、原則として、床面積の合計 1,500 m2 以内ごとに1時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で区画しなければならない。
4. 政令で定める窓その他の開口部を有しない事務所の事務室は、その事務室を区画する主要構造部を準耐火構造とし、又は不燃材料で造らなければならない。

答え

  4
政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、その居室を区画する主要構造部を耐火構造とし、又は不燃材料で造らなければならない。(建築基準法第35条の3)
1 ◯
建築物に設ける給水管、配電管その他の管が、準耐火構造の防火区画を貫通する場合においては、当該管と防火区画とのすき間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。(建築基準法施行令第112条第15項)
2 ◯
準防火地域内においては、地階を除く階数が4以上である建築物又は延べ面積が 1,500m2 を超える建築は耐火建築物とし、延べ面積が500m2 を超え 1,500m2 以下の建築物は、耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。(建築基準法第62条第1項)
3 ◯
主要構造部を耐火構造とした建築物で、延べ面積が 1,500m2 を超えるものは、床面積の合計 1,500 m2 以内ごとに1時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床若しくは 壁又は特定防火設備で区画しなければならない。(建築基準法施行令第112条第1項)

[ No. 74 ]
建設業の許可に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1. 建設業の許可は、5年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2. 建設業の許可を受けた建設業者は、許可を受けてから3年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合は、当該許可を取り消される。
3. 工事1件の請負代金の額が建築工事にあっては 1,500 万円に満たない工事又は延べ面積が150 m2 に満たない木造住宅工事は、建設業のみを請け負う場合は、建設業の許可を必要としない。
4. 建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。

答え

  2
国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合は、その許可を取り消さなければならない。(建設業法第29条第1項第三号)
1 ◯
建設業の許可は、5年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。(建設業法第3条第3項)
3 ◯
工事1件の請負代金の額が建築一式工事にあっては 1,500 万円に満たない工事又は延べ面積が150 m2 に満たない木造住宅工事は、建設業のみを請け負う場合は、建設業の許可を必要としない。(建設業法第3条第1項、同法施行令第1条の2第1項)
4 ◯
建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。(建設業法第4条)

[ No. 75 ]
請負契約に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1. 請負契約においては、注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期に関する事項を書面に記載しなければならない。
2. 注文者は、請負契約の締結後、自己の取引上の地位を不当に利用して、建設工事に使用する資材や機械器具の購入先を指定して請負人に購入させ、その利益を害してはならない。
3. 請負人は、請負契約の履行に関し、工事現場に現場代理人を置く場合、注文者の承諾を得なければならない。
4. 共同住宅を新築する建設工事の場合、建設業者は、その請け負った建設工事を、いかなる方法をもってするかを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない。

答え

  3
請負人は、工事現場に現場代理人を置く場合、現場代理人に関する事項を書面により注文者に通知しなければならないが、承諾を得る必要はない。(建設業法第19条の2第1項)
1 ◯
建設工事の請負契約の当事者は、契約の締結に際して、工事内容、請負代金の額、工事着手の時期及び工事完成の時期、注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期に関する事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付なければならない。(建設業法第19条第1項第十号)
2 ◯
注文者は、請負契約の締結後、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事に使用する資材若しくは機械器具又はこれらの購入先を指定し、これらを請負人に購入させ、その利益を害してはならない。(建設業法第19条の4)
4 ◯
共同住宅の新築工事を請け負った建設業者は、いかなる方法をもってするかを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない。(建設業法第22条第1項、第3項、同法施行令第6条の3)

[ No. 76 ]
工事現場に置く技術者に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1. 専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においてもその日の前7年以内に行われた国土交通大臣の登録を受けた講習を受講していなければならない。
2. 一般建設業の許可を受けた者が、下請けとして工事金額が 450 万円の防水工事を請け負った場合、主任技術者を置かなければならない。
3. 発注者から直接建築一式工事を請け負った特定建設業者が、下請契約の総額が 6,000 万円以上となる工事を施工する場合、工事現場に置く技術者は、監理技術者でなければならない。
4. 公共性のある施設又は多数の者が利用する施設に関する重要な建設工事で、政令で定めるものについては、主任技術者又は監理技術者は、工事現場ごとに、専任の者でなければならない。

答え

  1
専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においても、その日の前5年以内に行われた国土交通大臣の登録を受けた講習を受講していなければならない。(建設業法施行規則第17条の14)
2 ◯
建設業者は元請、下請にかかわらず請け負った建設工事を施工するときは、その工事現場における技術上の管理をつかさどる物とし、主任技術者を置かなければならない。(建設業法施行規則第17条の14)
3 ◯
発注者から直接建築工事を請け負った特定建設業者は、下請契約の請負代金の総額が 建築一式工事では 6,000 万円以上、その他の工事では 4,000 万円以上となる場合は、監理技術者を置かなければならない。(建設業法第26条第2項、同法施行令第2条)
4 ◯
公共性のある施設又は多数の者が利用する施設に関する重要な建設工事で政令で定めるものは、主任技術者又は監理技術者を、工事現場ごとに、専任の者としなければならない。(建設業法第26条第3項)

[ No. 77 ]
労働時間等に関する記述として、「労働基準法」上、誤っているものはどれか。
1. 労働時間、休憩及び休日に関する規定は、監督又は管理の地位にある者には適用されない。
2. 使用者は、労働時間が8時間を超える場合には、少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
3. 使用者は、労働者の合意があれば休憩時間中であっても、留守番等の軽微な作業であれば命ずることができる。
4. 使用者は、労働者に対し毎週少なくとも1回の休日を与えるか、又は4週間を通じ4日以上の休日を与えなければならない。

答え

  3
使用者は、労働者に対して与える所定の休憩時間を、自由に利用させなければない。したがって、労働者の合意があっても、軽微な作業であっても、労働者に作業を命ずることはできない。(労働基準法第34条第3項)
1 ◯
監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者は、労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用されない。(労働基準法第41条第二号)
2 ◯
使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。(労働基準法第34条第1項)
4 ◯
使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えるか、又は4週間を通じ4日以上の休日を与えなければならない。(労働基準法第35条第1項、第2項)

[ No. 78 ]
建設業の事業場における安全衛生管理体制に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
1. 事業者は、常時 10 人の労働者を使用する事業場では、安全衛生推進者を選任しなければならない。
2. 事業者は、常時 30 人の労働者を使用する事業場では、安全管理者を選任しなければならない。
3. 事業者は、常時 50 人の労働者を使用する事業場では、衛生管理者を選任しなければならない。
4. 事業者は、常時 100 人の労働者を使用する事業場では、安全委員会及び衛生委員会、又は安全衛生委員会を設けなければならない。

答え

  2
安全管理者を選任しなければならないのは、常時50人以上の労働者をしようする事業場である。(労働安全衛生法施工令第3条)
事業場における安全衛生管理体制(選任しなければなならない事業場)を次に示す。
H29-78選任しなければならない事業場A.jpg
  選任しなければならない事業場
4 ◯
建設業においては、事業者は、常時 50人以上の労働者を使用する事業場においては、事業に対し意見を述べさせるため、安全委員会及び衛生委員会を設けなければならない。なお、それぞれの委員会の設置に代えて、安全衛生委員会を設置することができる。(労働安全衛生法第19条第1項)

[ No. 79 ]
建設現場における次の業務のうち、「労働安全衛生法」上、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を必要とするものはどれか。
1. 最大積載量が1 t 以上の不整地運搬車の運転の業務
2. 最大荷重が 1 t 以上のフォークリフトの運転の業務
3. つり上げ荷重が 5 t 以上の移動式クレーンの運転の業務
4. 作業床の高さが 10 m 以上の高所作業車の運転の業務

答え

  3
つり上げ荷重が 5t以上の移動式クレーンの運転業務が、免許を必要とする。
(労働安全衛生法61条、同法施行令第20条第七号)
主な就業制限に係る業務
①つり上げ荷重が 5t以上のクレーン、デリックの運転業務
 クレーン・デリック運転士免許
②つり上げ荷重が 1t以上の移動式クレーンの運転業務
 5t 以上はクレーン運転士免許
 1t 以上 5t 未満は技能講習
③つり上げ荷重が 1t 以上のクレーン、移動式クレーン、デリックの玉掛け業務
 技能講習
④作業床の高さが 10m以上の高所作業者の運転業務
 技能講習
⑤機体重量が 3t以上の車両系建設機械の運転業務
 技能講習
⑥最大積載荷重が 1t以上の不整地運搬車の運転業務
 技能講習
⑦最大荷重が 1t以上のフォークリフトの運転業務
 技能講習

[ No. 80 ]
次の記述のうち、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」上、誤っているものはどれか。ただし、特別管理産業廃棄物を除くものとする。
1. 産業廃棄物の運搬又は収集を行う車両は、産業廃棄物運搬車である旨の事項を表示し、かつ、当該運搬車に環境省令で定める書面を備え付けておかなければならない。
2. 事業者は、産業廃棄物を自ら運搬する場合、管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
3. 事業者は、産業廃棄物の再生を委託する場合、その再生施設の所在地、再生方法及び再生に係る施設の能力を委託契約書に含めなければならない。
4. 事業者は、産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合、委託契約書及び環境省令で定める書面を、その契約の終了の日から5年間保存しなければならない。

答え

  2
産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く)の収集又は運搬を業として行おうとする者は、管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、事業者が自らその産業廃棄物を運搬する場合は、都道府県知事の許可を受けなくてよい。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条第1項)
1 ◯
産業廃棄物の収集又は運搬に当たっては、運搬車の車体の外側に、環境省令で定めるところにより、産業廃棄物の収集又は運搬の用に供する運搬車である旨その他の事項を見やすいように表示し、かつ、当該運搬車に環境省令で定める書面を備え付けておかなければならない。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第6条第1項第一号イ)
3 ◯
事業者は、産業廃棄物の運搬、処分等の委託においては、委託契約は書面により行い、当該委託契約に含める主なものとしては、次に掲げる事項がある。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第6条の2第四号ハ)
ハ 産業廃棄物の処分又は再生を委託するときは、その処分又は再生の場所の所在地、その処分又は再生の方法及びその処分又は再生に係る施設の処理能力
4 ◯
委託契約書及び書面をその契約の終了の日から5年間保存しなければならない。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第6条の2第五号、同法規則第8条の4の3)

[ No. 81 ]
宅地以外の土地を宅地にするため、土地の形質の変更を行う場合、「宅地造成等規制法」上、宅地造成に該当しないものはどれか。
1. 切土をする土地の面積が 600 m2 であって、切土をした土地の部分に高さが 1.0mの崖を生ずるもの
2. 盛土をする土地の面積が 600 m2 であって、盛土をした土地の部分に高さが 1.0 mの崖を生ずるもの
3. 盛土をする土地の面積が 300 m2 であって、盛土をした土地の部分に高さが 2.0 mの崖を生ずるもの
4. 切土をする土地の面積が 300 m2 であって、切土をした土地の部分に高さが 2.0mの崖を生ずるもの

答え

  4
切土をする土地の面積が500m2 以下で、切土による崖の高さが2m以下の場合は、宅地造成に該当しない。(宅地造成等規制法施行令第3条第一号、第四号)
宅地造成とは、宅地以外の土地を宅地にするため又は宅地において行う土地の形質の変更で政令で定めるものをいう。(宅地造成等規制法第2条第二号)
また、宅地造成等規制法則施行令第3条により定める土地の形質の変更は次に掲げるものである。
①切土をした土地の部分の高さが 2mを超える崖を生ずることとなるもの
②盛土をした土地の部分の高さが 1mを超える崖を生ずることとなるもの
③切土と盛土とを同時にする場合において、盛土をした土地の部分に高さが 1m以下の崖を生じ、かつ、当該切土及び盛土をした土地の部分に高さが 2mを超える崖を生ずることとなるもの。
④ ①〜③のいづれにも該当しない切土又は盛土であって、当該切土又は盛土をする土地の面積が 500m2を超えるもの。

[ No. 82 ]
指定地域内における特定建設作業の実施の届出に関する記述として、「振動規制法」上、誤っているものはどれか。
1. 建設工事の目的に係る施設又は工作物の種類を届け出なければならない。
2. 特定建設作業開始の日までに、都道府県知事に届け出なければならない。
3. 届出には、当該特定建設作業の場所の付近の見取図その他環境省令で定める書類を添付しなければならない。
4. 特定建設作業の種類、場所、実施期間及び作業時間を届け出なければならない。

答え

  2
指定地域内において特定建設業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに、環境省令で定めるところにより、次の事項を市町村長に届け出なければならない。(振動規制法第14条第1項)
①氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
②建設工事の目的に係る施設又は工作物の種類
特定建設作業の種類、場所、実施期間及び作業時間
④振動の防止の方法
⑤その他環境省令で定める事項
したがって、2が誤りである。
なお、その届出には、当該特定建設業作業の場所の付近の見取り図その他環境省で定める書類を添付しなければならない。(振動規制法第14条第3項)