1級建築施工管理技士 平成28年 学科 問題4解説

※   問題番号[ No.34 ]~[ No.45 ]までの 12問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。
[ No. 34 ]
合成高分子系ルーフィングシート防水工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.加硫ゴム系シート防水接着工法において、ルーフィングシート相互の接合部は、接着剤とテープ状シール材を併用して接合した。
2.塩化ビニル樹脂系シート防水において、接合部のシートの重ね幅は、幅方向、長手方向とも 40 mm以上とした。
3.塩化ビニル樹脂系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け後に成形役物を張り付けた。
4.加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け前に加硫ゴム系シートで増張りを行った。

答え

  4
加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付けに先立ち、非加硫ゴム系シートを用いて増張りする。(JASS8)
1 ◯
加硫ゴム系シート防水接着工法において、ルーフィングシート相互の接合は、接着剤をシートの両面に塗布し、かつ、テープ状シール材を併用して張り付け、ローラー等で押さえて十分に接着させる。
2 ◯
塩化ビニル樹脂系シート防水の接合部のシートの重ね幅は、縦横とも 40 mm以上とし、熱溶着または溶剤溶着により接合する。
3 ◯
塩化ビニル樹脂系接着工法の場合、シート防水の出隅角の処理は、シートを張付け後、成形役物を張り付ける。(JASS8)

[ No. 35 ]
シーリング工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.シリコーン系シーリング材の充填にあたり、充填箇所以外の部分にシーリング材が付着したため、直ちに拭き取った。
2.コンクリートの水平打継ぎ目地のシーリングは3面接着とし、2成分形変成シリコーン系シーリング材を用いた。
3.ALC など表面強度が小さい被着体には、モジュラスの低いシーリング材を用いた。
4.シーリング材の打継ぎ箇所は、目地の交差部及びコーナー部を避け、そぎ継ぎとした。

答え

  1
充填箇所以外の部分に付着したシーリング材は、直ちに取り除く。ただし、シリコーン系シーリング材は、硬化後に取り除く
2 ◯
コンクリートの水平打継ぎ目地やひび割れ誘発目地は、ノンワーキングジョイントである。目地に水が浸入したとき水みちになる2面接着より水みちを遮断する3面接着の方が良い。シーリング材としては、変性シリコーン系、ポリサルファイド系が用いられる。
3 ◯
ALCパネルなど表面強度が小さいものに、高モジュラスのシーリング材を使用すると、ムーブメントにより被着材を破損することがある。このような場合は、低モジュラスのシーリング材を使用することが望ましい。
4 ◯
目地への打ち始めは、原則として、目地の交差部または角部から行い、すき間、打残し、気泡がないように目地の隅々まで充填する。なお、打ち継ぐ場合は、目地の交差部及び角部を避けてそぎ継ぎを行う
H28-シーリング材の打ち継ぎ.jpg

[ No. 36 ]
セメントモルタルによる外壁タイル密着張り工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.張付けは、目地割に基づき水糸を引き通し、下部から上部へ順次連続して張り付ける。
2 下地面への張付けモルタルの塗付けは、2度塗りとし、その合計の塗り厚は5〜8 mm とする。
3.小口タイルの張付けは、振動工具による衝撃位置をタイルの両端と中間の3箇所とする。
4.目地の深さは、タイル厚の 1/2 以下となるようにする。

答え

  1
張付けは、目地割に基づき水糸を引き通し、窓、出入り口周り、隅角等の役物を先に行い、上部より下部へ1段置きに水糸に合わせて張付けたのちに、それらの間を埋めるように、張り付ける。
2 ◯
下地面への張付けモルタルの塗付けは、だれが生じるのを防ぐため、必ず2度塗りとし、その合計の塗り厚は 5〜8 mm とする。
3 ◯
小口タイルの張付けは、振動工具により張付けモルタルが均等に充填されるように、衝撃位置はタイルの両端と中間の3箇所とし、衝撃を適正な時間与える。
タイルの大きさと衝撃時間、衝撃位置
H28-36タイルの大きさと衝撃時間、衝撃位置.jpg
4 ◯
タイル目地の深さは、タイル厚さの 1/2 以下とする。セメントモルタルによる外壁タイル密着張り工法では、目地深さがタイル厚さの 1/2より深い場合には、張り付けモルタル硬化後に目地深さがタイル厚さの 1/2以下になるように目地詰めを行う。

[ No. 37 ]
心木なし瓦棒葺に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.一般部の葺き方は、通し吊子をすべて留め付けた後、溝板を並べ、キャップ掛けを行った。
2.棟部の納めは、溝板の水上端部に八千代折とした水返しを設け、棟包みを取り付けた。
3.けらば部の溝板の幅は、瓦棒の働き幅の 1/2以下とした。
4.軒先の瓦棒の先端に設ける桟鼻は、キャップと溝板の立上がり部分でつかみ込んで取り付けた。

答え

  1
一般部の葺き方において、仮葺きは、通し吊子を下葺上の割付けマーキングに合わせて、1本置きに配置し、ドリリングねじで母屋に仮留めとする。溝板を2枚、配置した吊子間に設置した後に、中間に通し吊子をはめ合わせて、通りを確認後、ドリリングを溝板にはめ込み十分に締め付ける。(JASS12)
H28-37心木なし瓦棒葺一般部の葺き方.jpg
2 ◯
溝納めは、溝板の水上端部に八千代折とした水返しを設け、棟包みを取り付ける
3 ◯
けらば部の溝板の幅は、心木なし瓦棒の働き幅の 1/2以下とする。
4 ◯
軒先は、瓦棒(通し吊子)の先端に桟鼻をはめ込み、キャップ及び溝板の立上がり部分をつかみ込んで納める
H28-37心木なし瓦棒葺き軒先の納まり.jpg

[ No. 38 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.スペーサーは、スタッドの端部を押さえ、間隔 600 mm程度に留め付けた。
2.スタッドは、スタッドの天端と上部ランナー天端とのすき間が 15 mm となるように切断した。
3.スタッドの建込み間隔の精度は、± 5 mmとした。
4.軽量鉄骨天井下地の野縁と平行となる上部ランナーは、野縁受に溶接で固定した。

答え

  2
スタッドはねじれのないものを使用し、上部ランナーの天端をスタッド天端のすき間は、10mm以下となるように上部ランナーの高さに合わせて切断する。
1 ◯
スペーサーは、スタッドの端部を押さえ、間隔 600 mm程度に留め付ける。
3 ◯
通常の天井高におけるスタッドの建込み間隔の精度は、± 5 mmとする。
また、スタッドの垂直の精度は一般的に ± 2 mmとする。
4 ◯
ランナーと天井下地材の野縁が直角な場合は、ランナーを野縁に、ランナーと野縁が平行な場合は、ランナーを野縁受けに、おのおの間隔 900mm程度に彫込みアンカーの類で固定する。受材が鋼材等の場合は、タッピングねじの類または溶接で固定する。

[ No. 39 ]
防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材 E)仕上げに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.下塗材の所要量は、試し塗りを行い、0.2 kg/m 2  とした。
2.出隅及び入隅の増塗りは、はけ又はローラーにより、端部で段差のないように塗り付けた。
3.主材の基層塗りは2回塗りとし、所要量を 1.7 kg/m2 とした。
4.凸部処理は、主材の模様塗り後 24 時間経過してから行った。

答え

  4
凸部処理は、こてまたはローラー押えにより、見本と同様の模様になるように主材の模様塗り後、1時間以内に適当な時間を選んで行う。
1 ◯
防水形複層塗材の下塗材の所要量は、0.1 kg/m2以上とするが、下地の種類や状態によって下塗材の吸込みが異なるので、所要量は一般に 0.1〜0.3 kg/m2の範囲としていることが多く、試し塗りを行って、所要量を確認する。
2 ◯
一般の複層塗材と異なり、下地のひび割れ追従性が要求されるので、塗り厚が薄くなったり、不均一になったりしてひび割れ追従性が低下しないよう、主材基層塗り前に出隅、入隅、目地部の周り等をはけやコーナー用ローラー等で、増塗りしておく。(JASS23)
3 ◯
主材の基層塗りは2回塗りとし、だれ、ピンホール、塗り残しのないよう下地を覆うように塗り付ける。主材基層の所要量は 1.5〜1.7 kg/m2 以上とする。

[ No. 40 ]
アルミニウム製建具工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.枠に付着した油類の汚れは、エチルアルコールを 5〜10% 加えた温湯を用いて清掃した。
2.表面処理が陽極酸化塗装複合皮膜のアルミニウム製部材は、モルタルに接する箇所の耐アルカリ性塗料塗りを省略した。
3.外部建具周囲の充填モルタルには、NaCl 換算 0.06 %(質量比)まで除塩した海砂を使用した。
4.建具の仕口の組立ては、シート状の成形シール材を挟んで、タッピンねじ止めとした。

答え

  3
充填モルタルに使用する砂の塩化物量は、NaCl換算0.04%(質量比)以下とする。海砂等を使用する場合は除塩する。
1 ◯
アルミニウム製建具に付着した軽い汚れは、水、温湯を付けた布等で拭き取る。油類が付いているときは、 5〜10%エチルアルコールを加えて清掃する。
2 ◯
絶縁用の塗料は、一般の建具では、建具表面に塗装されるものと同一材とする。 JIS H8602(アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化塗装複合皮膜)に規定される塗膜は建具表面及び裏面が同時に塗装されるため絶縁処理も兼ねている。したがって、モルタルに接する箇所の耐アルカリ性塗料塗りを省略できる。
4 ◯
建具の隅の納まりは、一般に素材を仕口の形に合わせて加工し突きつけ、小ねじ止めとする。突付け部は、漏水防止のため、シーリング材またはシート状の防水材を使用する。

[ No. 41 ]
塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.亜鉛めっき鋼面の常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて、下塗りに変性エポキシ樹脂プライマーを使用した。
2.せっこうボード面の合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、気温が 20 ℃ であったため、中塗り後 3時間経過してから、次の工程に入った。
3.鉄鋼面の2液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて、塗料は所定の可使時間内に使い終える量を混合して使用した。
4.屋外の木質系素地面の木材保護塗料塗りにおいて、原液を水で希釈し、よく撹拌して使用した。

答え

  4
木材保護塗料塗りは通常屋外で使用される木質系素地に対して適用される。木材保護塗料は、原液で使用することを基本とし、希釈はしない
1 ◯
亜鉛めっき鋼面の常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りは、下塗りに変性エポキシ樹脂プライマーを使用する。 (JASS18)
2 ◯
合成樹脂エマルションペイント塗りでは、各塗装工程の標準工程間隔時間は、気温が 20 ℃ においては 3時間以上である。
3 ◯
2液形ポリウレタンエナメル塗りでは、塗料は所定の可使時間内に使い切れる量を混合し使用する。

[ No. 42 ]
合成樹脂塗床に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.プライマーは、下地の吸込みが激しく塗膜とならない部分には、先に塗ったプライマーの硬化後に再塗布した。
2.エポキシ樹脂のコーティング工法のベースコートは、金ごてで塗り付けた。
3.合成樹脂を配合したパテ材や樹脂モルタルでの下地調整は、プライマーの乾燥後に行った。
4.エポキシ樹脂モルタル塗床で防滑仕上げに使用する骨材は、最終仕上げの1つ前の工程と同時に均一に散布した。

答え

  2
コーティング工法は一般に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂に着色剤、充填剤、溶剤または水、仕上調整剤などの添加剤を配合した低粘度の液体(ベースコート)をローラーあるいはスプレーにより1〜2回塗布する工法である。(JASS26)
1 ◯
プライマーの吸込みが激しく塗膜を形成しない場合は、全体が硬化した後、吸込みが止まるまで数回にわたり塗る
3 ◯
合成樹脂を配合したパテ材や樹脂モルタルで下地調整を行う場合は、プライマーを塗布して乾燥後に行うのが一般的である。
4 ◯
滑り止めを目的とした仕上げを施す場合、エポキシ樹脂モルタル塗床仕上げは、最終仕上げの1つ前の工程と同時に砂を散布し、硬化後、余剰の砂を除去してから最終仕上げを行う。

[ No. 43 ]
壁のせっこうボード張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.せっこう系接着材による直張り工法において、躯体から仕上がり面までの寸法は厚さ 9.5 mmのボードで20 mm 程度、厚さ 12.5mmのボードで 25mm 程度とする。
2.木製壁下地にせっこうボードを直接張り付ける場合、ボード厚の3倍程度の長さの釘を用いて、釘頭が平らに沈むまで打ち込む。
3.せっこう系接着材による直張り工法において、1回の接着材の塗付け面積は、張り付けるボード 2枚分とする。
4.せっこう系接着材による直張り工法において、一度に練る接着材の量は、1時間以内に使い切れる量とする。

答え

  3
直張り工法において、1回の接着材の塗付け面積は、張り付けるボード1枚分とする
1 ◯
せっこう系接着材による直張り工法において、躯体から仕上がり面までの寸法は 9.5 mm厚さボードで 20mm程度12.5mm厚さボードで 25mm程度を標準とする。(JASS26)
2 ◯
木製壁下地にせっこうボードを釘打ちする場合、ボード厚の3倍程度の長さを持つ釘で、頭が平らになるまで十分に打ち付ける。
4 ◯
接着材は水で練り合わせて使用するが、練り具合はやや硬めにして、塗りつけた際、だれない程度とする。一度に練る接着材の量は、1時間以内に使い切れる量とする。

[ No. 44 ]  
ALC パネル工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.外壁パネルと間仕切パネルの取合い部には、幅が 10〜20 mm の伸縮目地を設けた。
2.外壁の縦壁ロッキング構法の横目地は伸縮目地とし、目地幅は 15 mm とした。
3.外壁の縦壁ロッキング構法では、パネル重量をパネル下部の両端に位置する自重受け金物により支持した。
4.間仕切壁のフットプレート構法において、パネル上部の取付けは、面内方向に可動となるように取り付けた。

答え

  3
縦壁ロッキング工法は、パネル重量をパネル下部の中央に位置する自重受け金(受けプレート)により支持する構法である。
1 ◯
間仕切パネルの出隅部、入隅部の縦目地及び外壁や柱等とパネルとの間には、20mm程度の伸縮目地を設けてパネルを取り付ける。(JASS21)
2 ◯
ALCパネルの短辺小口相互の接合部の目地は、伸縮目地とし、目地幅は 10 mm以上とする。
4 ◯
間仕切壁のフットプレート構法における、パネル上部の取付けは、面内方向に可動となるように取り付ける。その取付け方法は、間仕切チャンネル、間仕切 L形金物及び定規アングルの3種類の方法による。

[ No. 45 ]
鉄筋コンクリート造の外壁改修工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.小口タイル張り外壁において、タイル陶片のみの浮きのため、無振動ドリルで浮いているタイルに穿孔して、注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法で改修した。
2. タイル張り外壁において、1箇所あたりの下地モルタルとコンクリートとの浮き面積が 0.2 m2だったので、アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法で改修した。
3.外壁コンクリートに生じた幅が 1.0 mm を超える挙動しないひび割れは、可とう性エポキシ樹脂を用いた Uカットシール材充填工法で改修した。
4.外壁コンクリートに生じた幅が 0.3 mm の挙動のおそれのあるひび割れは、硬質形エポキシ樹脂を用いた樹脂注入工法で改修した。

答え

  4
樹脂注入工法は、ひび割れ幅が0.2mm以上1.0mm以下に適用され、挙動のおそれのあるひび割れには軟質形エポキシ樹脂、ほとんど挙動のないひび割れには硬質形エポキシ樹脂を用いる。
1 ◯
注入口付アンカーピンイングエポキシ樹脂注入タイル固定工法は、タイル陶片の浮きに適用する唯一の工法で、無振動ドリルの注入口付アンカーピンの開発によって可能となった工法である。タイルの中心に穿孔するので、小口タイル以上の大きさのタイルの浮きの補修に適した工法である。
2 ◯
アンカーピンニング部分のエポキシ樹脂注入工法は、1箇所の浮き面積が 0.25 m2未満の浮きに対する工法である。1箇所の浮き面積が 0.25 m2以上の浮きにはアンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法を適用する。
3 ◯
ひび割れ幅が 1.0mmを超える挙動しないひび割れは、Uカットシール材充填工法とし、可とう性エポキシ樹脂を使用する。

1級建築施工管理技士 平成28年 学科 問題5解説

平成28年 1級建築施工管理技士 学科 問題5 解答解説

※   問題番号[ No.46 ]~[ No.70 ]までの 25 問題は、全問題を解答してください。
[ No. 46 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.仮囲いは、工事現場の周辺や工事の状況により危害防止上支障がないので、設けないこととした。
2.施工者用事務室と監理者用事務室は、同一建物内でそれぞれ独立して、設けることとした。
3.塗料や溶剤等の保管場所は、管理をしやすくするため、資材倉庫の一画を不燃材料で間仕切り、設けることとした。
4.作業員詰所は、職種数や作業員の増減に対応するため、大部屋方式とすることとした。

答え

  3
可燃性材料の保管については、次の通りに定めている。
①不燃材料を使用した独立の平家建とし、周囲の建物の建物から規定された間隔を確保する。
②屋根は軽量な不燃材料で葺き、天井は設けない。
③建物内の置き場は、耐火構造の室を選ぶ。
④床には、不浸透性の材料で敷く。
⑤消火に有効な消火器や消火砂等を備える。
⑥十分換気を図る。
⑦窓及び出入口には、防火設備を設ける。
⑧出入り口には戸締りを設け、「塗料置場」や「火気厳禁」の表示をする。
1 ◯
工事現場の周辺や工事の状況により、危害防止上支障がない場合は、仮囲いを設けなくてもよい。
2 ◯
両事務所は工事の規模・内容・敷地条件等によって、その面積や部屋数・仕様等を決める。また、量事務所の職員同士が工事のため打合せを頻繁に行う必要があるため、相互に行き来しやすい配置とすることが望ましい。
4 ◯
作業員詰所、休憩所は、下請業者別に小部屋に分割する場合と、大部屋のまま各下請業者が共同で使用する場合があるが、大部屋方式の方が異業種間のコミュニケーションや整理整頓あるいは設備のコストを考慮しても効果的であり、大部屋方式がより多く採用されている。

[ No. 47 ]
仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工事用使用電力量が工程上一時期に極端なピークを生じるので、一部を発電機で供給する計画とした。
2.溶接用ケーブル以外の屋外に使用する移動電線で、使用電圧が 300V 以下のものは、1種キャブタイヤケーブルを使用する計画とした。
3.作業員の仮設男性用大便所の便房の数は、同時に就業する男性作業員 60 人以内ごとに、1個以上設置する計画とした。
4.仮設の給水設備において、工事事務所の使用水量は、50 リットル/人・日を見込む計画とした。

答え

  2
電気設備の技術基準に、屋外に施設する使用電圧が300V以下の移動電線は、溶接用ケーブルを使用する場合を除き、1種キャブタイヤケーブル及びビニルキャブタイヤケーブル以外のキャプタイヤケーブルであることと規定されている。
1 ◯
工事用使用電力量が工程上極端なピークを仮設計画の対象とすることは不経済となるので、一部を発電機から供給するなど電力の平準化を図る
3 ◯
仮設の男性用大便所の便房の数は、同時に就業する男性作業員 60 人以内ごとに 1個以上、男性用小便器の個数は同時に就業する男性労働者 30人以内ごとに1個以上設置する。
4 ◯
仮設の給水設備において、工事事務所の使用水量は、40〜 50 リットル/人・日を目安とする。

[ No. 48 ]
施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.大規模、大深度の工事のため、地下躯体工事と並行して上部躯体を施工することにより、 全体工期の短縮が見込める逆打ち工法とする計画とした。
2.鉄骨造の建方は、建入れ修正が容易で鉄骨骨組みの安定性に優れる、建逃げ方式とする計画とした。
3.鉄筋工事において、工期短縮のため柱と梁の鉄筋を地組みとするので、継手は機械式継手とする計画とした。
4.型枠工事において、外壁タイル張りのはく離防止のため、MCR 工法とする計画とした。

答え

  2
鉄骨造の建方における建逃げ方式は、鉄骨骨組の自立に限度があり、強度の確認をすることが重要である。また、建入れ修正が難しいので、十分な精度管理が必要で、さらに建方が階段形になるため、安全施設の整備や移動式クレーンの足元養生等の対策が必要である。
鉄骨建方方式
H28-48鉄骨建方方式.jpg
1 ◯
逆打ち工法は、地下躯体、地上躯体を並行して構築できるため、全体工期の短縮に効果がある。
3 ◯
鉄筋の継手の種類には、重ね継手、圧接継手、溶接継手、機械式継手があるが、柱と梁の鉄筋を地組みするなどの鉄筋先組み工法は、一般に溶接継手や機械式継手が用いられる。このような先組み鉄筋にガス圧接を用いると、継手施工時に1本ずつの鉄筋の縮み代分だけ移動させることは困難であり、先組みの利点を全く無くしてしまうおそれがある。
4 ◯
MCR (モルタル・コンクリート・リベットバック)工法は、外壁のタイル張りで、はく離防止のために採用する工法で、コンクリート面に「あり状」の孔ができるように型枠を作り、下地モルタルがコンクリートと物理的に接合されるように、特殊シートを貼ってコンクリートを形成する工法である。

[ No. 49 ]
躯体工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.場所打ちコンクリート杭工事で、コンクリートの打込み中はトレミー管の先端を、コンクリート中に 2m以上入れることとした。
2.地下躯体の工事において、作業員の通行用の渡り桟橋は、切梁の上に設置することとした。
3.ガス圧接継手で、圧接当日に鉄筋冷間直角切断機を用いて切断した鉄筋の圧接端面は、グラインダー研削を行わないこととした。
4.鉄骨工事で、高力ボルト接合におけるボルト孔の径は、ボルト公称軸径が 22 mm なので 25 mmとすることとした。

答え

  4
公称軸径が22mmの高力ボルトの孔径は、24mm以下とする。(建築基準法施行令68条)
1 ◯
場所打ちコンクリート杭工事では、頂部に低品質のコンクリートができやすので、コンクリートと泥水等が混じり合うのを防ぐため、コンクリート打設中のトレミー管の先端はコンクリート中に 2m以上入れる。 (JASS4)
2 ◯
地下躯体工事中に作業員の通行に用いる通路(渡り桟橋)は、山留めの腹起し及び切梁上に、次の容量で設置する。(JASS2)
①通路部材の切梁上への取付けピッチは 2m以内ごととし、専用金具で緊結する。
②床板と床板とのすき間は、3cm以下とする。
③手すり高さは 95cm以上とし、中桟を設ける。
④高さ 10cm以上の幅木を設ける。
3 ◯
鉄筋冷間直角切断機は、配置された鉄筋を軸線に対して直角に切断できるので、圧接作業のため当日現場で鉄筋の切断を行う場合、グラインダー研削を必要としない

[ No. 50 ]
仕上工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.内装工事において、防火材料の認定を受けた壁紙は、防火性能のあることを表す施工管理ラベルを1区分(1室)ごとに2枚以上貼り付けて表示する計画とした。
2. タイル工事において、二丁掛けタイルの改良積上げ張りの1日の張付け高さの限度は、1.5m とする計画とした。
3.左官工事において、内壁のモルタル塗り厚さが 20 mm なので、3回に分けて塗る計画とした。
4.金属工事において、海岸近くの屋外に設ける鋼製手すりが、塗装を行わず亜鉛めっきのままの仕上げとなるので、電気亜鉛めっきとする計画とした。

答え

  4
屋外や水のかかる箇所、海岸近くの屋外に設ける鋼製手すりは、電気亜鉛めっきは避け、溶融亜鉛めっきとする。
1 ◯
壁紙・壁布類の施工において、防火性能があることを表す施工管理ラベルは1種類、1区分(室)ごとに2枚以上貼り付けて表示する。
2 ◯
1日の張付け高さの限度は、1.5m 程度とする。
3 ◯
内壁のモルタル塗りは、塗り厚の標準を 20mm とし、1回の塗り厚は7mm以下として3回に分けて塗る。

[ No. 51 ]
工事現場における材料の取扱いに関する記述として、最も不適当なものはどれか。   
1.被覆アーク溶接棒は、吸湿しているおそれがある場合、乾燥器で乾燥してから使用する。
2.フローリング類を屋内のコンクリートの上に置く場合は、シートを敷き、角材を並べた上に保管する。
3.砂付ストレッチルーフィングは、ラップ部分(張付け時の重ね部分)を下にして立てて保管する。
4.高力ボルトは、搬入された包装のまま、箱の積上げ高さを3〜5段にして保管する。

答え

  3
砂付ストレッチルーフィングは、接着不良にならないように砂の付いていないラップ部分(張付け時の重ね部分)を上に向けて縦置きとし、ラップ部分の保護のため2段積みは行わない。
1 ◯
被覆アーク溶接棒は、湿気を吸収しないように保管し、吸湿しているおそれがある場合には乾燥器で乾燥してから使用する。
2 ◯
フローリング類は、木質材のため湿気を含むと変形するので、保管には十分注意する。止むを得ずコンクリートの上(屋内)に置く場合は、シートを敷き、角材を並べた上に保管する。
4 ◯
高力ボルトは、包装の完全なものを未開封状態のまま工事現場に搬入し、種類・径・長さ・ロット番号ごとに区別し、雨水・塵埃等が付着せず、温度変化の少ない適切な場所に保管する。その際、箱の積上げ高さは 5段以下とする。

[ No. 52 ]
労働基準監督署長への計画の届出に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
1.積載荷重が 0.25 t 以上でガイドレールの高さが 18m 以上の建設用リフトを設置する場合は、当該工事の開始の日の 30 日前までに、届け出なければならない。
2.つり上げ荷重が3 t 以上のクレーンを設置する場合は、当該工事の開始の日の14日前までに、届け出なければならない。
3.耐火建築物に吹き付けられた石綿を除去する場合は、当該仕事の開始の日の 14日前までに、届け出なければならない。
4.つり足場を 60 日以上設置する場合は、当該工事の開始の日の30日前までに、届け出なければならない。

答え

  2
つり上げ荷重 3t 以上のクレーンを設置する場合、工事開始日の30日前までにクレーン設置届を提出しなければならない。
1 ◯
ガイドレールの高さが 18m 以上で積載荷重が 250kg 以上の建設用リフトは、工事開始の日の 30 日前までに、建設リフト設置届を提出しなくてはならない。
3 ◯
耐火建築物で石綿等の除去の作業を行う場合は、仕事の開始の日の 14日前までに、労働基準監督署長に届け出なければならない。
4 ◯
「高さ 10m以上かつ存続期間 60日以上」の足場を設置する場合、その計画を当該工事開始日の30日前までに、労働基準監督署長に届け出なければならない。なお、つり足場、張り出し足場は「高さ 10m以上」という制限はなく、存続期間 60日以上の場合には届出が必要である。

[ No. 53 ]
建築工事の工期とコストの一般的な関係として、最も不適当なものはどれか。
1.最適工期は、直接費と間接費の和が最小となるときの工期である。
2.間接費は、工期の短縮に伴って減少する。
3.直接費は、工期の短縮に伴って増加する。
4.総工事費は、工期に比例して増加する。

答え

  4
総工事費は直接費と間接費を合わせたものである。直接費は施工速度を速める(工期短縮)と増加するが、間接費は逆に減少する。総工事費は、工期に比例して増加するとは限らない。
1 ◯
最適工期とは、直接費と間接費を合わせた総工事費が最小となるときの工期である。
2 ◯
現場管理費や共通仮設費などの間接費は、工期の短縮に伴って減少する。
3 ◯
労務費や材料費などの直接費は、工期の短縮に伴って増加する。

[ No. 54 ]
工程計画及び工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.各作業の手順計画を立て、次に日程計画を決定する。
2.基本工程表は、特定の部分や職種を取り出し、それにかかわる作業、順序関係、日程などを示したものである。
3.工期の調整は、工法、労働力、作業能率及び作業手順などを見直すことにより行う。
4.マイルストーンは、工事の進ちょくを表す主要な日程上の区切りを示す指標であり、掘削開始日、地下躯体完了日、屋上防水完了日等が用いられる。

答え

  2
基本工程表は、工事全体を1つの工程表としてまとめたもので、工事の主要な作業の進捗やマイルストーンなどを表示したものである。特定の部分や職種を取り出し、それにかかる作業順序関係、日程などを示したものは、部分工程表や職種別工程表と呼ばれる。
1 ◯
工程計画は、手順計画と日程計画に大別して考えることができる。工程を立てるにあたっては、まず数量や仕様を確認して仕事の順序を明らかにして、手順を決定することが行われ(手順計画)、次にその手順に沿って各作業の日程を決定して工期を計算(日程計画)するのが一般的である。
3 ◯
工期の調整は、工法や作業方法、作業員の数、工事用機械の種類や台数、作業手順などを見直すことにより行う。
4 ◯
マイルストーンは、工事の進ちょくを表す主要な日程上の区切りを示す指標であり、掘削開始日、地下躯体完了日、屋上防水完了日、外部足場の解体完了日等、工程の重要な区切りとなる時点に設定する。

[ No. 55 ]
タクト手法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.各作業の進ちょくが密接に関連しているため、1つの作業の遅れは全体の作業を停滞させる原因となる。
2.作業の進ちょくに伴い生産性が向上するため、工事途中でタクト期間を短縮又は作業者の人数を削減する必要が生じる。
3.設定したタクト期間では終わることができない一部の作業の場合、当該作業の作業期間をタクト期間の2倍又は3倍に設定する。
4.集合住宅の仕上工事は、各種専門工事の一定の繰り返し作業となるので、タクト手法では管理できない。

答え

  4
タクト手法は、同一作業量をもつ複数の作業を同じ期間で実施し、工程全体を同期化させる手法である。このため、同一設計内容の基準階を多く有する高層建築物の工事に適している。また、集合住宅やホテル客室の仕上げ工事おける工程計画手法として適している。
1 ◯
各作業の進ちょくが密接に関連しているため、1つの作業の遅れはタクトを構成する工程全体に大きな影響を与える。
2 ◯
作業を繰り返し行うことによって習熟効果が得られ生産性が向上するため、工事途中でタクト期間を短縮または作業者の人数を減員することが必要になる。
3 ◯
設定したタクト期間では終わることができない一部の作業の場合、作業期間をタクト期間の2倍または3倍に設定し、切れ目のない工程を編成することができる。。

[ No. 56 ]
図に示すネットワーク工程表に関する記述として、誤っているものはどれか。
H28-56ネットワーク工程表.jpg
1.作業⑥→⑨の最遅終了日は、25 日である。
2.作業⑦→⑧の最早開始日は、18 日である。
3.作業⑤→⑦のフリーフロートは、2日である。
4.作業⑥→⑨のトータルフロートは、1日である。

答え

  3
設問のネットワーク工程表の各イベントについて、最早開始時刻(◯)と最遅終了時刻(□)を求めると、下記のようようになる。
28-56ネットワーク工程表.jpg
作業⑤ → ⑦のフリーフロートは、イベント⑦の最早開始時間18日 − イベント⑤の最早開始時間13日 − 作業日4日で1日である。
1 ◯
作業⑥→⑨の最遅終了日は、イベント⑨の最遅終了時刻で25 日である。
2 ◯
作業⑦→⑧の最早開始日は、イベント⑦の最早開始時刻で 18 日である。
4 ◯
作業⑥→⑨のトータルフロートは、イベント⑨の最遅終了時刻 25日 ー イベント⑥の最早開始時刻 18日 ー作業日数 6日で 1日である。

[ No. 57 ]
品質管理に関する記述として、最も適当なものはどれか。
1.品質に及ぼす影響は、計画段階よりも施工段階で検討する方がより効果的である。
2.品質確保のための作業標準が計画できたら、作業がそのとおり行われているかどうかの管理に重点をおく。
3. 品質管理は、品質計画の目標のレベルにかかわらずち密な管理を行う。
4.工程(プロセス)の最適化を図るより、検査を厳しく行う方が優れた品質管理といえる。

答え

  2
適切な作業標準(工程)が計画できたら、作業がそのとおり(工程通り)行われているかどうかの管理に重点をおく。
1.×
品質に与える影響が大きい前段階や生産工程の上流にできるだけ手を打つことを上流管理または川上管理といい、計画段階で検討する方がより効果的である。
3.×
品質管理は、品質計画の目標のレベルに見合った管理を行う。緻密な管理を行うことは、工期、コストの面から、必ずしも優れた品質管理とは言えない。
4.×
品質管理では、試験や検査に重点を置くより、工程(プロセス)で品質を造り込むことを重視する

[ No. 58 ]
品質管理の用語に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.抜取検査方式とは、定められたサンプルの大きさ、及びロットの合格の判定基準を含んだ規定の方式である。
2. 母集団の大きさとは、母集団に含まれるサンプリング単位の数である。
3. 層別とは、1つの集団をなんらかの特徴によりいくつかの層に分割することである。
4. 誤差とは、観測値・測定結果の期待値から真の値を引いた値である。

答え

  4
誤差とは、「観測値・測定結果から真の値を引いた値」であり、「観測値・測定結果の期待値から真の値を引いた差」は、かたよりである。
1 ◯
抜取検査は、製品またはサービスのサンプルを用いる検査で、拔取検査方式は、判断基準を含んだ規定方式である。
2 ◯
母集団の大きさとは、母集団に含まれるサンプリング単位の数である。
3 ◯
層別とは、母集団をいくつかの層に分割すること。層は部分母集団の一種で、相互に共通部分を持たず、それぞれの層を合わせたものが母集団に一致する。1つの集団をなんらかの特徴によっていくつかの部分集合に分けたとき、その部分集合を層といい、部分に分けることを層別という。

[ No. 59 ]
鉄骨工事における品質を確保するための管理値に関する記述として、最も不適当なもの はどれか。
1.通り心と鉄骨建方用アンカーボルトの位置のずれの管理許容差は、± 5 mm とした。
2.鉄骨の建方における柱の倒れの管理許容差は、柱1節の高さの 1/500以下、かつ、20 mm以下とした。
3.鉄骨柱据付け面となるベースモルタル天端の高さの管理許容差は、± 3mmとした。
4.柱の製品検査における一般階の階高寸法は、梁仕口上フランジ上面間で測り、その管理許容差は± 3mmとした。

答え

  2
柱の倒れの管理許容差、限界許容差は次による。
管理許容差
 e ≦ H/1000 かつ e ≦ 10mm
限界許容差
 e ≦ H/700 かつ e ≦ 15mm
1 ◯
通り心と鉄骨建方用アンカーボルトの位置のずれの管理許容差は ± 5 mm とする。
3 ◯
鉄骨柱据付け面となるベースモルタル天端の高さの管理許容差は ± 3mm、限界許容差は 5 mmとする。
4 ◯
柱の製品検査における一般階の階高寸法は、梁仕口上フランジで測り、その管理許容差は± 3mm、限界許容差は 5 mmである。

[ No. 60 ]
品質管理に用いる図表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.管理図は、項目別に層別して出現頻度数の大きさの順に並べるとともに、累積和を示した図であり、不適合の重点順位を知るために用いられる。
2.ヒストグラムは、計量特性の度数分布のグラフ表示で、製品の品質の状態が規格値に対して満足のいくものか等を判断するために用いられる。
3. 散布図は、対応する2つの特性を横軸と縦軸にとり、観測値を打点して作るグラフ表示で、主に2つの変数間の相関関係を調べるために用いられる。
4.特性要因図は、特定の結果と原因系の関係を系統的に表し、重要と思われる原因への対策の手を打っていくために用いられる。

答え

  1
管理図とは工程が安定状態にあるかどうかを調べるため、または工程を安定状態に保持するために用いる図である。設問の記述はパレート図のことである。
2 ◯
ヒストグラムは、ばらつきをもつデータの範囲をいくつかの区画に分け、各区画を底辺とし、その区画での出現度数を高さとした長方形(柱状)を並べた図で、柱状図ともよばれる。データの分布の形をみたり、規格値との関係(目標値からのばらつき状態)をみることにより、製品の品質の状態が規格値に対して満足のいくものかなどを判断することができる。
3 ◯
散布図とは、2つの特性を横軸と縦軸とし、観測値を打点して作るグラフ表示である。QCの七つ道具のひとつとして広く普及しており、主に2つの変数間の関連を調べるために用いられる。
4 ◯
特性要因図とは、問題としている特性(結果)と、それに影響を与える要因(原因)との関係を一目でわかるように体系的に整理した図で、図の形が似てることから「魚の骨」と呼ばれている。

[ No. 61 ]   
JIS Q 9000(品質マネジメントシステム─基本及び用語)の用語の定義に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.品質保証とは、品質要求事項が満たされるという確信を与えることに焦点を合わせた品質マネジメントの一部である。
2.品質とは、本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度をいう。
3.レビューとは、客観的証拠を提示することによって、規定要求事項が満たされていることを確認することである。
4.欠陥とは、意図された用途又は規定された用途に関連する要求事項を満たしていないことである。

答え

  3
レビューとは、設定された目標を達成するための検討対象の適切性、妥当性及び有効性を判定するために行われる活動である。設問の記述は「妥当性確認」のことである。
1 ◯
品質保証とは、品質要求事項が満たされるという確信を与えることに焦点を合わせた品質マネジメントの一部である。
2 ◯
品質とは、本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度である。ニーズまたは期待とは、要求事項のことである。
4 ◯
欠陥とは、意図された用途または規定された用途に関連する要求事項を満たしていないことである。

[ No. 62 ]
コンクリートの試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.荷卸し地点におけるコンクリートの空気量の許容差は、指定した空気量に対して、±1.5 % とした。
2.1回の試験における塩化物量は、同一試料からとった3個の分取試料についてそれぞれ1回ずつ測定し、その平均値から算定した。
3.1回の構造体コンクリートの圧縮強度の推定試験に用いる供試体は、複数の運搬車のうちの1台から同時に 3個作成した。
4.マスコンクリートにおいて、構造体コンクリートの圧縮強度の推定試験に用いる供試体の養生方法は、標準養生とした。

答え

  3
構造体コンクリートの圧縮強度の検査において、1回の試験に用いる供試体は、3運搬車からそれぞれ1個ずつ、計3個採取する。
1 ◯
コンクリートの空気量の許容差は、1.5 %である。(JIS A5308)
2 ◯
塩化物量の測定は、同一試料からとった3個の分取試料について各1回測定し、その平均値とする。 コンクリート運搬車から搾取する場合、アジテーターを高回転させて十分にかくはんした後、採取する。
4 ◯
マスコンクリートの構造体コンクリートの強度管理のための供試体の養生方法は、標準養生・構造体温度養生・コアとし、圧縮強度の判定を調合管理強度で行う場合の養生方法については、標準養生、品質基準強度で行う場合の養生方法については、構造体温度養生またはコアとする。

[ No. 63 ]
仕上工事における試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.アルミニウム製建具の陽極酸化皮膜の厚さの測定は、渦電流式測定器を用いて行った。
2.シーリング材の接着性試験は、同一種類のものであっても、製造所ごとに行った。
3.現場搬入時の造作用針葉樹製材の含水率は、高周波水分計を用いて 15 % 以下であることを確認した。
4.塗装素地のモルタル面のアルカリ度は、pHコンパレーターを用いて塗装直前に pH12 以下であることを確認した。

答え

  4
塗装下地のコンクリート、モルタル面のアルカリ度はpH9以下とする。
1 ◯
アルミニウム製建具の陽極酸化皮膜の厚さの測定は、渦電流式厚さ測定器または接眼測微計を付けた顕微鏡によって行う。
2 ◯
シーリング材は、同一種類のものであっても、製造所ごとに組成が異なっていて性能に問題が起こる場合があるので、接着性試験は、製造所ごとに行う
3 ◯
造作材の現場搬入時の含水率は、15%以下とする。なお、現場における含水率の測定は、電気抵抗式水分計または高周波水分計により確認する。

[ No. 64 ]
労働災害に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.労働災害には、労働者の災害だけでなく、物的災害も含まれる。
2.労働災害における労働者とは、所定の事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。
3.労働損失日数は、死亡及び永久全労働不能の場合、1件につき 7,500 日としている。
4.強度率は、1,000 延労働時間あたりの労働損失日数を示す。

答え

  1
労働安全衛生法第2条第一号で労働災害とは「労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいう。」とあり、物的災害は含まれない
2 ◯
労働災害における労働者とは、労働基準法第9条による労働者をいい、職業の種類を問わず、事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。 (労働安全衛生法第2条第二号)
3 ◯
労働損失日数は、死亡及び永久全労働不能障害(身体障害等級1〜3級)の場合は、7,500 日/件とする。
4 ◯
強度率は、1,000 延労働時間あたりの労働損失日数で表すもので、災害の規模(程度)を示す。強度率 = 労働損失日数 / 延労働時間数 × 1,000

[ No. 65 ]
市街地の建築工事における公衆災害防止対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.歩道の通行人の安全を確保するため、仮囲いに設ける通用口の扉は施錠できる内開きとし、工事に必要がない限り閉鎖しておいた。
2.飛来落下物の防護、塗装や粉塵などの飛散防止のために足場の外側に設けた工事用シートは、JIS に定める建築工事用シートの1類を使用した。
3.コンクリート打設時のコンクリート等の飛散防止のために足場の外側に設けた工事用シートは、コンクリート打設階のスラブ高さまで立ち上げた。
4.コンクリート解体工事における粉塵飛散防止のための散水は、破砕する部分だけでなく集積された破砕済みのコンクリート塊にも行った。

答え

  3
工事現場の周辺に危害を及ぼすおそれのあるときは、必要な部分をネット類またはシート類で覆う等の措置を講じる。工事用シートをコンクリート打設階のスラブ高さまで立ち上げるだけでは、コンクリートの飛散を防止することはできない。
1 ◯
仮囲いに設ける出入口、通用口の扉は施錠できるもので、引戸か内開きとする。外開きとすると歩行者に当たるおそれがある。また、工事に必要がない限り閉鎖しておく。
2 ◯
飛来落下物の防護や塗装や粉塵などの飛散防止のため、工事現場の周囲その他危害防止上の必要な部分は、ネット類またはシート類で覆う等の措置を講じなければならない。なお、建築工事用シート1類(JIS A8952)は、シートだけで落下物による危害防止に使用されるものである。
4 ◯
施工者は、建築工事に伴い、粉塵発生のおそれがある場合には、発生源を湿潤な状態に保つ、発生源を覆うなど、粉塵の発散を防止するための措置を講じなければならない。集積された破砕済みのコンクリート塊も粉塵の発生源となることも考えられるため、そこにも散水して湿潤な状態に保つことが望ましい。

[ No. 66 ]
「労働安全衛生法」上、作業主任者を選任しなければならない作業はどれか。
1.掘削面の高さが 2 mの地山の掘削作業
2.高さが 3 mのコンクリート造の工作物の解体作業
3.高さが 4 mの単管足場の組立作業
4.高さが 5 mの鉄筋コンクリート造建築物のコンクリート打設作業

答え

  1
掘削面の高さが 2 m以上となるの地山掘削作業においては、作業主任者を選任しなければならない。(労働安全衛生法施行令第6条第九号)
2.×
高さが5m以上のコンクリート造の工作物の解体または破壊の作業には、作業主任者を選任する。高さが 3m の場合、作業主任者の選任は不要である。(労働安全衛生法施行令第6条第十五の五号)
3.×
つり足場、張出し足場、高さが 5m 以上の足場の組立て、解体、変更の作業においては、作業主任者を選任する。高さが 4m の単菅足場の組立て作業は、作業主任者の選任は不要である。(労働安全衛生法施行令第6条第十五号)
4.×
コンクリートの打設作業では、作業主任者を選任することは規定されていない

[ No. 67 ]
足場に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.高さが 20 m を超える枠組足場の主枠間の間隔は、1.85 m以下とする。
2.枠組足場に設ける水平材は最上層及び6層以内ごととする。
3.高さが 5 m 以上の枠組足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向9m 以下、水平方向 8 m 以下とする。
4.枠組足場における高さ2 m 以上に設ける作業床は、原則として、床材と建地とのすき間を12 cm 未満とする。

答え

  2
枠組足場において、最上階及び 5層以内ごとに水平材を設ける。(労働安全衛生規則第571条第1項第五号)
1 ◯
枠組足場において、高さが 20 mを超えるとき及び重量物の積載を伴う作業を行うときは、使用する主枠は高さ 2m以下のものとし、かつ、主枠間の間隔は、1.85 m以下とする。 (労働安全衛生規則第571条第1項第七号)
3 ◯
高さが 5 m 以上の枠組足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向9m 以下、水平方向 8 m 以下とする。 (労働安全衛生規則第570条第1項第五号)
4 ◯
足場における高さ 2m 以上の作業場所の作業床については、床材と建地とのすき間を12 cm 未満とする。(労働安全衛生規則第563条第1項第二号ハ)

[ No. 68 ]
事業者の講ずべき措置に関する記述として、「労働安全衛生規則」上、誤っているものはどれか。
1.事業者は、高さが 2 m の箇所で作業を行う場合において、強風、大雨、大雪等の悪天候のため危険が予想されるときは、労働者を作業に従事させてはならない。
2.事業者は、 3 m の高所から物体を投下するときは、適当な投下設備を設け、監視人を置く等労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。
3.事業者は、高さ又は深さが 1.2 m の箇所で作業を行うときは、原則として、当該作業に従事する労働者が安全に昇降するための設備等を設けなければならない。
4.事業者は、軒の高さが 5 m の木造建築物の構造部材の組立て又はこれに伴う外壁下地の取付けの作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止する措置を講じなければならない。

答え

  3
事業者は、高さまたは深さが 1.5mを超える箇所で作業を行うときは、当該作業に従事する労働者が安全に昇降するための設備等を設けなければならないとあり、1.2mではない。(労働安全衛生規則第526条第1項)
1 ◯
事業者は、高さが 2 m の箇所で作業を行う場合において、強風、大雨、大雪等の悪天候のため危険が予想されるときは、作業は中止する。 (労働安全衛生規則第522条)
2 ◯
事業者は、 3m以上 の高所から物体を投下するときは、適当な投下設備(ダストシュート等)を設け、監視人を置く等労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。 (労働安全衛生規則第536条第1項)
4 ◯
事業者は、軒の高さが 5 m以上 の木造建築物の構造部材の組立てまたはこれに伴う屋根下地もしくは、外壁下地の取付けの作業を行う時は、次の措置をとる。
①作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止すること。
②強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想される時は、当該作業を中止すること。
③材料、器具、工具等を上げ、または下ろすときは、つり網、つり袋等を労働者に使用させること。
(労働安全衛生規則第517条の11)

[ No. 69 ]
ゴンドラを使用して作業を行う場合、事業者の講ずべき措置として、「ゴンドラ安全規則」上、誤っているものはどれか。
1. ゴンドラの操作の業務に労働者を就かせるときは、当該業務に係る技能講習を修了した者でなければならない。
2. つり下げのためのワイヤロープが1本であるゴンドラで作業を行うときは、安全帯等を当該ゴンドラ以外のものに取り付けなければならない。
3. ゴンドラを使用して作業を行う場所については、当該作業を安全に行うため必要な照度を保持しなければならない。
4. ワイヤロープが通っている箇所の状態の点検は、その日の作業を開始する前に行わなければならない。

答え

  1
事業者はゴンドラの操作の業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、安全のための特別の教育を行わなければならない。(ゴンドラ安全規則第12条第1項)
2 ◯
つり下げのためのワイヤロープが1本であるゴンドラで作業を行うときは、安全帯等を当該ゴンドラ以外のものに取り付けなければならない。 (ゴンドラ安全規則第17条第2項)
※労働安全衛生規則の改正(2019年2月1日施行)により、安全帯の名称は墜落制止用器具となる。
3 ◯
事業者は、ゴンドラを使用して作業を行う場所については、当該作業を安全に行うため必要な照度を保持しなければならない。 (ゴンドラ安全規則第20条)
4 ◯
事業者は、ゴンドラを使用して作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、次の事項について点検を行わなければならない。(ゴンドラ安全規則第22条)
①ワイヤロープ及び緊結金具類の損傷及び腐食の状態
②手すり等の取り外し及び脱落の有無
③突りょう、昇降装置等とワイヤロープとの取付け部の状態及びライフラインの取付け部の状態
④巻過防止装置その他の安全装置、ブレーキ及び制御装置の機能
⑤昇降装置の歯止めの機能
⑥ワイヤロープが通っている箇所の状態

[ No. 70 ]
酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときの事業者の責務として、「酸素欠乏症等防止規則」上、誤っているものはどれか。
1. 酸素欠乏危険作業については、衛生管理者を選任しなければならない。
2. 酸素欠乏危険作業に労働者を就かせるときは、労働者に対して酸素欠乏危険作業特別教育を行わなければならない。
3. 酸素欠乏危険場所では、原則として、空気中の酸素の濃度を 18 % 以上に保つように換気しなければならない。
4. 酸素欠乏危険場所で空気中の酸素の濃度測定を行ったときは、その記録を3年間保存しなければならない。

答え

  1
事業者は、酸素欠乏危険作業については、酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。衛生管理者は、常時50人以上の労働者を使用する事業場において選任する。(酸素欠乏症等防止規則第11条)
2 ◯
事業者は、第1種酸素欠乏危険作業、第2種酸素欠乏危険作業に係る業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、特別の教育を行わなければならない。(酸素欠乏症等防止規則第12条)
3 ◯
事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合は、当該作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を 18 % 以上に保つように換気しなくてはならない。 (酸素欠乏症等防止規則第5条)
4 ◯
事業者は、その日の作業を開始する前に、当該作業場の空気中の酸素の濃度を測定し、その都度、記録して、これを3年間保存しなければならない。 (酸素欠乏症等防止規則第3条第2項)

1級建築施工管理技士 平成28年 学科 問題6解説

平成28年 1級建築施工管理技士 学科 問題6 解答解説

※   問題番号[ No.71 ]~[ No.82 ]までの 12 問題のうちから、8 問題を選択し、解答してください。
[ No. 71 ]
用語の定義に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1. ガラスは不燃材料であり、耐水材料でもある。
2. 共同住宅の用途に供する建築物は、特殊建築物である。
3. 建築物に設ける煙突は、建築設備である。
4. 構造上重要でない最下階の床の過半の修繕は、大規模の修繕に該当する。

答え

  4
大規模の修繕とは、建築物の主要構造物の一種以上について行う過半の修繕である。構造上重要でない最下階の床は主要構造部に含まれないため、大規模の修繕に該当しない。(建築基準法第2条第十四号)
1 ◯
耐水材料として、ガラスその他これらに類する耐水性の建築材料が定められている。(建築基準法施行令第1条第四号)
2 ◯
特殊建築物は、学校、病院、共同住宅、工場、自動車車庫などが定められている。(建築基準法第2条第二号)
3 ◯
建築設備として、 建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、排気、暖房、冷房、消火、排煙もしくは汚物処理の設備または煙突、昇降機もしくは避雷針が定められている。(建築基準法第2条第三号)

[ No. 72 ]
次の記述のうち、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1.建築主事は、建築基準法令の規定に違反した建築物に関する工事の請負人に対して、当該工事の施工の停止を命じることができる。
2. 建築基準法の規定は、条例の定めるところにより現状変更の規制及び保存のための措置が講じられている建築物であって、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したものには適用されない。
3.建築監視員は、工事施工者に対して、建築物に関する工事の施工の状況に関する報告を求めることができる。
4.建築物の所有者、管理者又は占有者は、建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するよう努めなければならない。

答え

  1
特定行政庁は、違反建築物の建築主、工事の請負人などに対し当該工事の施工の停止を命じ、または、違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。命ずることができるのは、建築主事ではなく特定行政庁である。(建築基準法第9条第1項)
2 ◯
条例の定めるところにより現状変更の規制及び保存のための措置が講じられている建築物であって、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したものについては、建築基準法並びにこれに基づく命令及び条例の規定は適用しない。 (建築基準法第3条第1項第三号)
3 ◯
特定行政庁、建築主事または建築監視員は、建築物の工事の計画もしくは施工の状況等に関する報告を、工事施工者に求 めることができる。 (建築基準法第12条第5項)
4 ◯
維持保全については、建築物の所有者、管理者または占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するよう努めなければならない。(建築基準法第8条第1項)

[ No. 73 ]
次の記述のうち、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1. 高さ31mを超える建築物には、原則として、非常用の昇降機を設けなければならない。
2. 回り階段の部分における踏面の寸法は、踏面の狭い方の端から 30cmの位置において測定する。
3. 小学校には、非常用の照明装置を設けなければならない。
4. 映画館の客用に供する屋外への出口の戸は、内開きとしてはならない。

答え

  3
「学校等」には、非常用の照明装置を設けなくてよい。「学校等」とは、学校、体育館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場またはスポーツの練習場をいう。(建築基準法施行令第126条の4)
1 ◯
高さ31mを超える建築物には、原則として、非常用の昇降機を設けなければならない。(建築基準法第34条第2項)
2 ◯
回り階段の部分における踏面の寸法は、踏面の狭い方の端から 30cmの位置において測るものとする。 (建築基準法施行令第126条の4)
4 ◯
劇場、映画館等における客席からの出口の戸は、内開きとしてはならない。(建築基準法施行令第118条)

[ No. 74 ]
建設業の許可に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1. 建築工事くをいた泣こう工事1件の請負代金の額が 500 万円に満たない建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、建設業の許可を受けなくてもよい。
2. 内装仕上工事など建築一式工事以外の工事を請け負う建設業者であっても、特定建設業者となることができる。
3. 一般建設業の許可を受けた者が、当該許可に係る建設業について、特定建設業の許可を受けたときは、一般建設業の許可は、その効力を失う。
4. 許可を受けた建設業を廃止したときは、50 日以内にその旨を届け出なければならない。

答え

  4
許可を受けた建設業を廃止したときは、当該許可に係る建設業者であった個人または当該許可に係る建設業者であった法人の役員は、30日以内に国土交通大臣または都道府県知事にその旨を届け出なければならない。(建設業法第12条第五号)
1 ◯
建築工事を営もうとする者は、工事1件の請負代金の額が 500 万円に満たない工事のみを請け負うことを営業とする者は、建設業の許可を受けなくてもよい。(建設業法施行令第1条の2)
2 ◯
建設業の許可は、建設工事の種類ごとに定める建設業に分けて与えられる。内装仕上工事など建築一式工事以外の工事を請け負う建設業者であっても特定建設業者となることができる。(建設業法第3条)
3 ◯
一般建設業の許可を受けた者が、当該許可に係る建設業について、特定建設業の許可を受けたときは、一般建設業の許可はその効力を失う。 (建設業法第3条第6項目)

[ No. 75 ]
請負契約に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1. 請負人は、工事現場に現場代理人を置く場合、その権限に関する事項及びその現場代理人の行為についての注文者の請負人に対する意見の申出の方法を、注文者に通知しなければならない。
2. あらかじめ注文者の書面等による承諾を得て選定された下請負人であっても、建設工事の施工につき著しく不適当と認められるときは、注文者は、請負人に対して、その変更を請 求することができる。
3. 注文者は、請負契約の方法が随意契約による場合であっても契約の締結までに、建設業者が当該建設工事の見積りをするための期間を設けなければならない。
4. 建設工事の請負契約の締結に際して書面による契約内容の明記に代えて、情報通信の技術を利用した一定の措置による契約の締結を行うことができる。

答え

  2
注文者は、建設工事の施工につき著しく不適当と認められる下請負人の変更を請求することができる。ただし、あらかじめ注文者の書面による承諾を得て選定した下請負人の変更を請求することはできない。(建設業法第23条第1項)
1 ◯
請負人は、工事現場に現場代理人を置く場合、その現場代理人の権限に関する事項及び現場代理人の行為についての注文者の請負人に対する意見の申出の方法を、書面により注文者に通知しなければならない。 (建設業法第19条の2第1項)
3 ◯
建設工事の注文者は、請負契約の方法が随意契約による場合であっては契約を締結する以前に、入札の方法により競争に付する場合にあっては入札を行う以前に、建設業者が当該建設工事の見積りをするために必要な一定の期間を設けなければならない。 (建設業法第20条第3項)
4 ◯
建設工事の請負契約の当事者は、締結の締結に際して、相手方の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用した一定の措置による契約の締結を行うことができる。(建設業法第19条第3項)

[ No. 76 ]
元請負人の義務に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1.元請負人は、下請負人の請け負った建設工事の完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、特約がされている場合を除き、直ちに、目的物の引渡しを受けなければならない。   
2.元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない。
3. 特定建設業者が注文者となった下請契約において、下請代金の支払期日が定められなかったときは、下請負人が完成した工事目的物の引渡しを申し出た日から起算して 60 日を経 過する日を支払期日とみなす。
4. 発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、請け負った建設工事の下請負人が労働者の意思に反して労働を強制している場合は、その事実を指摘し、是正を求めるよう に努めなければならない。

答え

  3
特定建設業者が注文者となった下請負契約において、下請代金の支払期日が定められなかったときは、元請負人が建設工事の完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、申出の日が下請代金の支払期日と定められたものとみなす。(建設業法第24条の5第2項)
1 ◯
元請負人は、検査によって建設工事の完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、直ちに、当該建設工事の目的物の引渡しを受けなければならない。  ただし、下請負契約において定められて工事完成の時期から 20日を経過した日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がされている場合にはこの限りでない。(建設業法第24条の4第2項)
 
2 ◯
元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない。(建設業法第24条の3第2項)
4 ◯
発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、請け負った建設工事の下請負人が、精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制している場合は、その事実を指摘し、是正を求めるよう に努めるものとする。(建設業法第24条の6第2項)

[ No. 77 ]
次の記述のうち、「労働基準法」上、誤っているものはどれか。
1.満16 才の男性を、交替制で 午後 10 時以降に労働させることができる。
2.満 17才の男性を、2人以上の者によって行うクレーンの玉掛けの業務における補助作業の業務に就かせることができる。
3.満 18才に満たない者を、30 kg を超える重量物の取り扱いの業務に就かせることはできない。
4.未成年者の労働契約は、親権者又は後見人が本人に代って締結しなければならない。

答え

  4
親権者または後見人は、未成年者に代わって労働契約を締結してはならない。(労働基準法第58条第1項)
1 ◯
使用者は、原則として 満18才のものを、午後10時から午前5時までの間において使用してはならないが、交替制によって使用する満16才以上の男性については使用することができる。(労働基準法第61条第1項)
2 ◯
満 18才未満の者をクレーン、デリックまたは揚貨装置の玉掛けの業務に就かせてはならないが、二人以上の者によって行う玉掛けの業務における補助作業は除かれている。(年少者労働基準規則第8条十号)
3 ◯
使用者は、満18才に満たない者を、30 kg を超える重量物の取り扱いの業務に就かせてはならない。(労働基準法第58条第1項)

[ No. 78 ]
次の記述のうち、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
1.統括安全衛生責任者を選任すべき特定元方事業者は、安全衛生責任者を選任し、その者に仕事の工程に関する計画を作成させなければならない。
2.事業者は、常時 50 人の労働者を使用する事業場では、産業医を選任しなければならない。
3.統括安全衛生責任者は、元請負人と下請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するために選任される。
4.元方安全衛生管理者は、その事業場に専属の者でなければならない。

答え

  1
統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人(関係下請業者)で、当該仕事を自ら行うものは、安全衛生責任者を選任しなければならない。(労働安全衛生法第16条)
2 ◯
常時 50 人以上の労働者を使用する全業種の事業場にあっては、医師のうちから産業医を選任しなければならない。(労働安全衛生法施行令第5条)
3 ◯
特定元方事業者は、労働者(常時 50人未満の場合を除く。)の作業が同一の場所で行われることによって生じる労働災害を防止するために、統括安全衛生責任者を選任しなければならない。(労働安全衛生法規則第18条の5)
4 ◯
元方安全衛生管理者は、その事業場に専属の者を選任しなければならない。(労働安全衛生法規則第18条の3)

[ No. 79 ]
安全又は衛生のための次の教育のうち、「労働安全衛生法」上、その記録を保存しなければならないものはどれか。   
1.新規に雇入れた者に対する教育
2.作業内容を変更した者に対する教育
3.つり上げ荷重が1 t 未満の移動式クレーンの運転の業務に関する特別教育
4.足場の組立て等作業主任者の能力の向上を図るために行う教育

答え

  3
事業者は、法令で定める危険または有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者を就かせるときは、特別教育を行い、当該特別教育の受講者、科目等の記録を作成して、これを3年間保存しておかなければならない。設問の、釣り上げ荷重が 1t未満の移動式クレーンの運転の業務は、危険または有害な業務に該当する。(労働安全衛生規則第38条)
1.×
事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、その従事する業務に関する安全または衛生のための教育を行わなけらばならないが、その記録の保存について規定はない
2.×
事業者は、労働者の作業内容を変更したときは、当該労働者に対して、その従事する業務に関する安全または衛生の教育を行わなければならないが、その記録の保存についての規定はない
4.×
事業者は、足場の組立て等作業について作業主任者を選任し、能力向上を図るために行う教育を受講させるよう規定されているが、その記録の保存についての規定はない

[ No. 80 ]
次の記述のうち、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」上、誤っているものはどれか。
1. 建設業を営む者は、建設資材廃棄物の再資源化により得られた建設資材を使用するよう努めなければならない。
2. 対象建設工事の請負契約の当事者は、分別解体の方法、解体工事に要する費用その他の主務省令で定める事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付する等の措置を講じなければならない。
3. 対象建設工事の発注者又は自主施工者は、使用する特定建設資材の種類や解体する建築物等の構造などについて、工事に着手する日の7日前までに、都道府県知事に届け出なければならない。
4. 対象建設工事の元請業者は、特定建設資材廃棄物の再資源化等が完了したときは、その旨を都道府県知事に報告しなければならない。

答え

  4
対象建設工事の元請業者は、特定建設資材廃棄物の再資源化等が完了したときは、その旨を当該工事の発注者に書面で報告しなければならない。都道府県知事に報告するものではない。(建設リサイクル法第18条第1項)
1 ◯
建設業を営む者は、建設資材廃棄物の再資源化により得られた建設資材を使用するよう努めなければならない。 (建設リサイクル法第5条第2項)
2 ◯
対象建設工事の請負契約の当事者は、建設業法に定める者のほか、分別解体等の方法、解体工事に要する費用その他の主務省令で定める事項を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付しなければならない。(建設リサイクル法第13条第1項)
3 ◯
対象建設工事の発注者または自主施工者は、工事に着手する日の7日前までに、主務省令で定めるところにより、解体工事である場合においては解体する建築物等の構造、新築工事等である場合においては使用する特定建設資材の種類を、都道府県知事に届け出なければならない。(建設リサイクル法第10条第1項)なお、建築主事をおく市町村特別区の区域内における場合は市町村特別区長に提出する。

[ No. 81 ]
指定区域内における特定建設作業の実施の届出に関する記述として、「騒音規制法」上、誤っているものはどれか。 ただし、作業はその作業を開始した日に終わらないものとし、災害その他非常時等を除く。
1. くい打機をアースオーガーと併用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなくてもよい。
2. 環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が 80 kW 以上のバックホウを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。
3.さく岩機を使用する作業であって、作業地点が連続的に移動し、1日における作業に係る2地点間の距離が 50 m を超える作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。
4.空気圧縮機をさく岩機以外の動力として使用する作業であって、電動機以外の原動機の定格出力が 15 kW 以上の空気圧縮機を使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

答え

  3
さく岩機を使用する作業は、市町村長に実施の届出をしなければならない。最大距離が50mを超える作業は特定建設作業から除かれているので実施の届出をしなくてもよい。(騒音規則法施行令別表第二第三号)
1 ◯
くい打機を使用する作業のうち、くい打機をアースオーガーと併用する作業は、特定建設作業から除かれているので、実施の届出をしなくてもよい。 (騒音規則法施行令別表第二第一号)
2 ◯
原動機の定格出力が 80 kW 以上のバックホウを使用する作業は、特定建設作業に該当するので、実施の届出をしなければならない。(騒音規則法施行令別表第二第六号)
4 ◯
空気圧縮機(電動機以外の原動機を用いるものであって、その原動機の定格出力が 15 kW 以上のものに限る。)を使用する作業(さく岩機の動力として使用する作業を除く。)は、特定建設作業に該当するので実施の届出をしなければならない。(騒音規則法施行令別表第二第四号)

[ No. 82 ]
消防用設備等に関する記述として、「消防法」上、誤っているものはどれか。
1. 消火器などの消火器具は、床面からの高さが 1.5 m 以下の箇所に設ける。
2.消防用水は、消防ポンプ自動車が 3 m 以内に接近することができるように設ける。
3.消防用水の防火水槽には、適当の大きさの吸管投入孔を設ける。
4.地階を除く階数が 11 以上の建築物に設置する連結送水管には、非常電源を附置した加圧送水装置を設ける。

答え

  2
消防用水は、消防ポンプ自動車が2m以内に接近することができるように設ける。(消防法施行令第27条第3項第四号)
1 ◯
消火器または簡易消火用具(水バケツ、水槽、乾燥砂等)を消火器具といい、消火器具は床面からの高さが 1.5 m 以下の箇所に設けなければならない。(消防法施行規則第9条第一号)
3 ◯
防火水槽には、適当の大きさの吸管投入孔を設ける。なお吸管を投入する部分の水深は、所用水量の全てを有効に吸い上げることができる深さである者とする。(消防法施令第27条第3項第三号、第五号)
4 ◯
地階を除く階数が 11 以上の建築物に設置する連結送水管には、非常電源を附置した加圧送水装置などを設けなければならない。(消防法施令第29条第2項第四号)

1級建築施工管理技士 平成29年 学科 問題1解説

平成29年 1級建築施工管理技士 学科 問題1 解答解説

問題番号 [ No. 1 ] ~ [ No. 15 ] までの 15 問題のうちから、12 問題を選択し、解答してください。
[ No. 1 ]  
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 換気量が一定の場合、室容積が大きいほど換気回数は少なくなる。
2. 室内外の温度差による自然換気の場合、換気量は上下の開口部の高低差に比例する。
3. 室内空気の一酸化炭素の濃度は、10 ppm 以下となるようにする。
4. 室内空気の二酸化炭素の濃度は、1,000 ppm 以下となるようにする。

答え

  2
自然換気は自然の力を利用して換気するもので、常に一定の換気量を維持するのは難しいが、維持経費が不要等の特徴があり、風力によるものと室内外の温度差によるもの(重力換気)がある。室温が外気温より高い場合、温度の高い空気は密度が小さく上昇し、温度の低い空気は下降する。流入口と流出口の高低差が大きいほどこの効果が大きい。換気量は、開口部の面積に比例し、内外の温度差、上下の開口部の垂直距離の平行根に比例する
1 ◯
換気回数は換気量を室容積で除した値であり、換気量が一定の場合、室容積が大きいほど換気回数は少なくなる
3、4 ◯
建築基準法施行令第129条の2の6(換気設備)第3項、建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令第2条により、室内空気の一酸化炭素の含有率は10 ppm 以下、二酸化炭素の含有率は、1,000 ppm 以下と定められている。

[ No. 2 ]  
採光及び照明に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 演色性とは、照明光による物体色の見え方についての光源の性質をいう。
2. グレアとは、高輝度な部分、極端な輝度対比や輝度分布などによって感じられるまぶしさをいう。
3. 照度とは、受照面の単位面積当たりの入射光束をいい、単位は lx(ルクス)である。
4. 全天空照度とは、天空光が遮蔽されることのない状況で、直射日光を含めた全天空によるある点の水平面照度をいう。

答え

  4
全天空照度とは、天空光が遮断されることのない状況で、直射日光を除いた全天空による、ある点の水平面照度をいう。
1 ◯
演色性とは、照明光による物体色の見え方についての光源の性質をいう。演色性は演色評価数で表し、数値が大きいものほど色の見え方に関する光源の特性が自然光に近いことを表す。白色電球やハロゲン電球は最高値の100であり演色性がよい。
2 ◯
グレアとは、高輝度な部分、極端な輝度対比や輝度分布などによって感じられるまぶしさをいい、不快感や視認・視能の低下を生じさせる原因となる。
3 ◯
照度とは、受照面の明るさを表し、単位面積当たりに入射する光束の量をいう。単位は lx(ルクス)である。

[ No. 3 ]  
音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 建物の床、梁、壁などを伝わる振動が最後に空気中に放射される音を固体音という。
2. 人が知覚する主観的な音の大小をラウドネスといい、音圧レベルが一定の場合、100 Hz の音よりも 1,000 Hz の音の方が大きく感じる。
3. 音波が障害物の背後に回り込む現象を回折といい、周波数が高くなるほど回折しやすい。
4. ある音が別の音によって聞き取りにくくなるマスキング効果は、両者の周波数が近いほどその影響が大きい。

答え

  3
音波が波の性質によって障害物の裏側まで回り込んで伝わる回折現象は、すき間の間隔や障害物の大きさが波長に比べて小さいと起こりやすい
1 ◯
特に建物内においては、建築設備等からスラブや躯体に振動として伝わり、壁や床、天井から音として放射される固体音が問題となりやすい。
2 ◯
音の大きさの特性をふまえて、ある音の大きさを、これと同じ大きさに聞こえる 1,000Hzの純音の音圧レベル [ dB ] の値で表したものをラウドネスレベルといい、単位は [ phon ] を用いる。同じ音圧レベルの場合、一般に 100 Hz の音よりも 1,000 Hz の音の方が大きく感じる
4 ◯
マスキング効果は、ある音が別の音によって聞こえにくくなる現象であり、マスキングする音とマスキングされる音の周波数が近いほどその影響が大きい

[ No. 4 ] 
積層ゴムを用いた免震構造の建物に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 水平方向の応答加速度と上下方向の応答加速度の双方とも大きく低減することができる。
2. 地震時に免震層の変形に対して設備配管等が追従できるようにする必要がある。
3. 免震部材の配置を調整し、上部構造の重心と免震層の剛心を合せることで、ねじれ応答を低減することができる。
4. 免震層を中間階に設置する場合は、火災に対して積層ゴムを保護する必要がある。

答え

  1
積層ゴムアイソレータを用いた免震構造は固有周期が長くなるため、応答加速度を低減することができ、建築物に作用する地震力も小さくなる。ただし、免震構造は一般に、水平地震動に効果を発揮するが、上下地震動には発揮しない
2 ◯
免震構造では免震装置を組み込んだ層(免震層)が大きく変位するため、ここを貫通する設備配管等はループやエキスパンションを設けるなどして、損傷を避ける必要がある。
3 ◯
免震構造でない一般の耐震構造でも、重心と剛心とはなるべく一致させ、偏心距離そ小さくするように剛性調整のための耐震要素を配置している。免震構造の場合においても、上部構造の重心と免震層の剛心を極力近づける計画とし、建築物のねじれの悪影響を避けている
4 ◯
中間階免震層に積層免震ゴムアイソレータを用いた場合、アイソレータは柱に設置する。このとき、アイソレータに耐火被覆を施すか、防火区画により免震層に火災が及ばないようにするなどの配慮が必要である。なお、基礎免震の場合は、耐火被覆の必要はない。

[ No. 5 ]  
鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 壁板のせん断補強筋比は、直交する各方向に関して、それぞれ 0.25 % 以上とする。
2. 柱の主筋の断面積の和は、コンクリートの断面積の 0.8 %以上とする。
3. 床スラブの配筋は、各方向の全幅について、鉄筋全断面積のコンクリート全断面積に対する割合を 0.1 % 以上とする。
4. 柱梁接合部内の帯筋間隔は、原則として 150 mm 以下とし、かつ、隣接する柱の帯筋間隔 の 1.5 倍以下とする。

答え

  3
床スラブの配筋は、温度応力や収縮応力に対する配筋として、各方向の全幅について、鉄筋全断面積のコンクリート全断面積に対する割合を0.2%以上とする。
1 ◯
鉄筋コンクリート構造の壁板のせん断補強筋比は、地震力により生ずるせん断ひび割れを分散化し、急激な剛性低下を防ぐため、直交する各方向に関して、それぞれ 0.0025以上(0.25 %以上) とする。
2 ◯
柱の主筋の断面積の和は、コンクリートの断面積の 0.8 %以上としなければならない。
4 ◯
柱梁接合部内の帯筋間隔は、原則として 150 mm 以下とし、かつ、隣接する柱の帯筋間隔 の 1.5 倍以下とする。なお、柱梁接合部内(仕口内)においても帯筋比は 0.2%以上とする。

[ No. 6 ] 
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. H 形鋼は、フランジやウェブの板要素の幅厚比が大きくなると局部座屈を生じやすい。
2. 中間スチフナは、梁の材軸と直角方向に配置し、主としてウェブプレートのせん断座屈補強として用いられる。
3. 部材に作用する引張力によってボルト孔周辺に生じる応力集中の度合は、高力ボルト摩擦接合の場合より普通ボルト接合の方が少ない。
4. 内ダイアフラムは、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられる。

答え

  3
普通ボルト接合の場合、部材に引張力が作用すると接合部にずれが生じ、ボルトと鋼板が支圧状態になった後で応力伝達が行われる。そのため、ボルト孔周辺に生じる応力集中の度合いは、高力ボルト摩擦接合より普通ボルト接合の方が多い
1 ◯
H 形鋼のフランジやウェブの幅厚比が大きくなると、相対的に板要素が薄くなり、圧縮材は部材としての耐力を発揮する前に局部座屈を生じやすい
2 ◯
梁ウェブはあまり薄いとせん断により座屈する。これを防ぐため梁の材軸方向と直角に中間スチフナを配置し、ウェブプレートのせん断座屈補強を行う。ただし、市販のロールH形鋼では、補強は必要ない程度のウェブの板厚になっている。
4 ◯
ダイアフラムとは、柱と梁の相互で曲げ応力を伝達できるように配置する鉄骨プレートで、通しダイアフラムとu内ダイアフラムがある。通しダイヤフラムは、切断された柱がダイアフラムを挟んで取り付くタイプであり、角形鋼管柱の仕口部によくもちいられる内ダイアフラムは、柱の板材を挟んで梁のフランジと柱内部のダイアフラムとが取り付くタイプであり、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられる。

[ No. 7 ]  
杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 支持杭を用いた杭基礎の許容支持力には、基礎スラブ底面における地盤の支持力は加算しない。
2. 杭と杭の中心間隔は、杭径が同一の場合、打込み杭の方が埋込み杭より小さくすることができる。
3. 杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力と極限周面摩擦力との和で表す。
4. 地盤から求める杭の引抜き抵抗力に杭の自重を加える場合は、地下水位以下の部分の浮力を考慮する。

答え

  2
打込み杭は、土を押しのけて杭を地中に挿入するため、杭周辺の地盤が締まる。そのため、杭と杭の中心間隔を大きくとる必要がある。杭と杭の中心間隔は、打込み杭では杭径の2.5倍以上、埋込み杭では杭径の2倍以上とする。
1 ◯
支持杭を用いた杭基礎の許容支持力には、杭の支持力のみによるものとし、基礎スラブ底面における地盤の支持力は加算しない
3 ◯
支持杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力と極限周面摩擦力との和で表す。
4 ◯
杭の引抜き力は、杭自体の引張り強度と、地盤の引抜き抵抗の小さい方で決まる。地盤の引き抜き抵抗による値は、極限の引き抜き抵抗の 1/3 を長期許容引抜き力とするが、杭の自重も引抜き抵抗すると考えてよい。その場合、地下水位以下の部分の浮力を考慮する。
tRa =1/3 × tRu + Wp
tRu = 地盤による杭の極限引抜き抵抗力
tRa = 杭の長期許容引抜き抵抗力
Wp = 杭の自重(地下水位以下の部分については浮力を考慮する)

[ No. 8 ]  
建築物に作用する荷重及び外力に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 劇場、映画館等の客席の積載荷重は、固定席の方が固定されていない場合より小さくすることができる。
2. 雪止めがない屋根の積雪荷重は、屋根勾配が 60 度を超える場合には 0とすることができる。
3. 倉庫業を営む倉庫の床の積載荷重は、実況に応じて計算する場合、2,900 N/m2 とすることができる。
4. 防風林などにより風を有効に遮ることができる場合は、風圧力の算定に用いる速度圧を低減することができる。

答え

  3
倉庫業を営む倉庫の床の積載荷重は、実況によって計算した値が、3,900 N/m2未満であっても、3,900N/m2としなければならない。
1 ◯
例えば、床の構造計算に用いる積載荷重は、 劇場、映画館等の客席が固定席の場合、2,900 N/m2 、その方の場合は 3,500 N/m2 であり、客席の積載荷重は、固定席の方が固定されていない場合より小さい
2 ◯
積雪荷重の屋根勾配による低減については、屋根に雪止めがある場合を除き、その屋根勾配が 60 度以下の場合においては、その勾配に応じた屋根形状係数を乗じた数値とし、その勾配が 60度を超える場合においてはOとすることができる
4 ◯
建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効に遮る他の建築物や防風林などがある場合は、速度圧を 1/2 まで減らすことができる

[ No. 9 ]  
図に示す荷重が作用する片持ち梁の支点Cに生じるモーメント反力 MC の値の大きさとして、正しいものはどれか。
H29-9片持ち梁.jpg
1. MC = 1 kN・m
2. MC = 4 kN・m
3. MC = 5 kN・m
4. MC =9 kN・m

答え

  3
反力を仮定する。
支点Cは固定端であるから、水平反力Hc、鉛直反力 Vc、モーメント反力Mcを仮定する。
 29-9力の作用図.jpg
つり合い条件式より、モーメント反力Mcを求める。
Mc = 0 より
- 3kN × 5m + 5kN × 2m + Mc = 0
- 15kN・m + 10kN・m + Mc = 0
Mc = 5kN・m
反力の向きを検討する。
Mcは「+」の値であったので、仮定した反力の向きは正しかった。
∴ Mc = 5 kN・m(時計回り)
したがって、3が正しい。

[ No. 10 ] 
単純梁に荷重が作用したときの梁のせん断力図が下図のようであるとき、そのときの曲げモーメント図として、正しいものはどれか。ただし、曲げモーメントは材の引張り側に描くものとする。
H29-10単純梁モーメント.jpg
  H29-10-M図1.jpg
  H29-10-M図2.jpg
  H29-10-M図3.jpg
  H29-10-M図4.jpg

答え

  3
単純梁の場合、曲げモーメント図はせん断力が(+)の部分では右下がり、(0)の部分では変化なし、(ー)の部分は右上がりとなる。
したがって、3が正しい
H29-10せん断図.jpg
Pℓ/3 + 2Pℓ/3 ー Pℓ= 0
2Pℓ/3 = Pℓー Pℓ/3
Pℓ/3 ー 2Pℓ/3 + Pℓ/3= 0
2Pℓ/3 = Pℓ/3+ Pℓ/3

[ No. 11 ]
建築に用いられる金属材料に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 鉛は、酸その他の薬液に対する抵抗性や X 線遮断効果が大きく、耐アルカリ性にも優れている。
2. ステンレス鋼は、ニッケルやクロムを含み、炭素量が少ないものほど軟質で、耐食性に優 れている。
3. 銅は、熱や電気の伝導率が大きく、湿気中では緑青を生じ耐食性が増す。
4. 純度の高いアルミニウムは、展延性に富み加工しやすく、空気中では表面に酸化被膜を生じ耐食性が増す。

答え

  1
鉛は比重が大(11.4)で軟らかく、展延性に富み、耐酸性があり、X線遮蔽効果が大きい。しかし、アルカリには非常に弱く、湿気を帯びたコンクリート中では腐食しやすい。
2 ◯
ステンレスは、ニッケル、クロムを含んだ炭素量が少ない、耐食性の極めて大きい特殊鋼である。炭素量が少ないものほど軟質で、耐食性に優 れている。
3 ◯
銅は、軟らかく加工性が大きい。大気中のガスや水分によって緑青の保護被膜がつくられる。
4 ◯
純アルミニウムは展延性に優れ加工しやすく、耐食性・溶接性がよい。軟質のため、建築用材には、アルミニウム合金が使用される。

[ No. 12 ]
石材に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 大理石は、ち密で磨くと光沢が出るが、風化しやすく、耐酸性、耐火性に劣る。
2. 花こう岩は、耐磨耗性、耐久性に優れるが、耐火性に劣る。
3. 砂岩は、耐火性に優れるが、吸水率の大きなものは耐凍害性に劣る。
4. 凝灰岩は、強度、耐久性に優れるが、光沢がなく、加工性に劣る。

答え

  4
凝灰岩は、火山から噴出された火山灰が地上や水中に堆積してできた岩石である。加工性、耐火性に優れるが、光沢はなく、吸水性が大きく風化しやすいため、強度、耐久性に劣る
1 ◯
大理石は、石灰岩が結晶化したもので、美観に優れ強度も十分あるが、耐酸性、耐火性に劣り、外装材には用いることができない
2 ◯
花こう岩はいわゆる御影石と呼ばれ、地下深部のマグマが地殻内で冷却固結した結晶質の石材で、硬く、耐摩耗性、耐久性に優れた石材として、建築物の外部等に最も多く用いられている。ただし、耐火性の点でやや劣る
3 ◯
砂岩は、主に砂が続成作用により固結してできた堆積岩である。耐火性に優れるが、吸水率の大きなものは耐凍害性に劣る

[ No. 13 ] 
日本工業規格(JIS)のドアセットに規定されている性能項目に関する記述として、不適当なものはどれか。
1. スイングドアセットでは、「気密性」が規定されている。
2. スイングドアセットでは、「鉛直荷重強さ」が規定されている。
3. スライディングドアセットでは、「ねじり強さ」が規定されている。
4. スライディングドアセットでは、「開閉力」が規定されている。

答え

  3
スライディングドアセットで定められている性能項目は、開閉力、開閉繰り返し、遮音性、断熱性、耐風圧性、気密性、水密性である。開閉力は規定されているが、ねじり強さは規定されていない
1、2 ◯
普通・防音等の種類に限らず、スイングドアセットで定められている性能項目はねじり強さ、鉛直荷重強さ、開閉力、開閉繰り返し、耐衝撃性、遮音性、断熱性、面内変形追随性、耐風圧性、気密性、水密性である。鉛直荷重強さ、気密性は規定されている

[ No. 14 ] 
アスファルト防水材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. アスファルトルーフィング 1500 の数値 1500 は、1巻当たりのアスファルトの含浸量(g) を表している。
2. ストレッチルーフィング 1000 の数値 1000 は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。
3. 改質アスファルトシートは、合成ゴム又はプラスチックを添加して性質を改良したアスファルトを原反に含浸・被覆させたシートである。
4. 有機溶剤タイプのアスファルトプライマーは、ブローンアスファルトなどを揮発性溶剤に溶解したものである。

答え

  1
アスファルトルーフィングの種類及び品質はJIS A6005に定められており、アスファルトルーフィング1500は、製品の単位面積質量が1500g/m2 以上のものをいう。
2 ◯
ストレッチルーフィング 1000 の数値 1000 は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。
3 ◯
改質アスファルトを用いた防水には、改質アスファルトの裏面及び下地を均一にあぶり、改質アスファルトを溶融させて張るトーチ工法と、常温で裏面のフィルムをはがして転圧ローラー等で張る常温粘着工法がある。
4 ◯
アスファルト防水工事に先立ち、下地材との密着性をよくするため塗布するアスファルトプライマーは、ブローンアスファルト等を揮発性溶剤に溶解したものである。

[ No. 15 ] 
塗料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 合成樹脂エマルションペイントは、水と樹脂粒子が融合し、塗膜を形成する。
2. アクリル樹脂系非水分散形塗料は、溶剤の蒸発とともに分散された粒子が結合し、塗膜を形成する。
3. 2液形ポリウレタンワニスは、溶剤の蒸発とともに反応が進み、ウレタン結合を有する透明塗膜を形成する。
4. 合成樹脂調合ペイントは、溶剤の蒸発とともに油分の酸化重合が進み、硬化乾燥して塗膜を形成する。

答え

  1
合成樹脂エマルションペイントは、合成樹脂共重合エマルションやラテックスをベースとして、着色顔料、補助剤、添加剤等を加えた水溶系である。塗布された塗料は、水分が蒸発するとともに樹脂粒子が融合して連続塗膜を形成する
2 ◯
アクリル樹脂系非水分散形塗料は、乾燥過程で溶剤が蒸発すると分散されていた粒子が結合し塗膜を形成する。
3 ◯
2液形ポリウレタンワニスは、透明塗膜を形成する。耐候性がよく変色しにくい特徴がある。
4 ◯
合成樹脂調合ペイントは、隠ぺい力や耐候性に優れた着色顔料、体質顔料等と耐水性や耐候性のよい長油性フタル酸樹脂ワニスとを組み合わせた塗料で、空気中の酸素によって乾性油の酸化重合が進み、硬化乾燥して塗膜を形成する。

1級建築施工管理技士 平成29年 学科 問題2解説

平成29年 1級建築施工管理技士 学科 問題2 解答解説

問題番号 [ No.16 ] ~ [ No.20 ] までの 5 問題は、全問題を解答してください。
[ No. 16 ] 
測量に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 平板測量は、アリダードと箱尺で測量した結果を、平板上で直接作図していく方法である。
2. 公共測量における水準測量は、レベルを標尺間の中央に置き、往復観測とする。
3. 距離測量は、巻尺、光波測距儀、GPS 受信機などを用いて行う。
4. 公共測量における水準点は、正確な高さの値が必要な工事での測量基準として用いられ、東京湾の平均海面を基準としている。

答え

  1
平板測量は、巻尺で距離測量した結果を、三脚で取り付けた平板上、アリダードを用いて現地で直接作図する方法である。精度は低いが、作業が簡単である。
平板測量.jpg
2 ◯
公共測量における水準測量は、視準距離は等しく、かつ、レベルはできる限り両標尺を結ぶ直線上に配置する。観測は、簡易水準測量を除き、往復観測とする。
3 ◯
光波測距儀は、光波を用いて距離を測定する装置である。また、GPS受信機は、GPS衛生から発信される電波を受信する装置で、そのデータから距離を測定する。
4 ◯
水準点は、正確な高さの値が必要な工事での測量基準として用いられる。日本の土地の高さ(標高)は、東京湾の平均海面を基準(標高0m)として測られている。

[ No. 17 ] 
電気設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 特別高圧受電を行うような大規模なビルや工場などの電気供給方式には、三相4線式 400V級が多く用いられる。
2. 電圧の種別で低圧とは、直流にあっては600V 以下、交流にあっては750V 以下のものをいう。
3. 低圧屋内配線のための金属管の厚さは、コンクリートに埋め込む場合、1.2 mm 未満としてはならない。
4. 低圧屋内配線の使用電圧が 300 V を超える場合における金属製の電線接続箱には、接地工事を施す。

答え

  2
電気設備に関する技術基準を定める省令によると、低圧とは、直流にあっては750V以下、交流にあっては600V以下のものをいう。
1 ◯
特別高圧受電を行うような大規模なビルや工場などの電気供給方式には、変電設備のスペースや電動機容量を小さくできることから、幹線では、三相4線式 400V級、動力では二相3線式400V級が用いられる。
3 ◯
低圧屋内配線に使用する金属管の厚さは、コンクリートに埋め込む場合、1.2 mm以上とする。
4 ◯
低圧屋内配線の使用電圧が 300 V を超える場合の金属製の電線接続箱には、原則として、C種設置工事を施さなければならない。

[ No. 18 ] 
給排水設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. エアチャンバーは、給水管内に生ずるウォーターハンマーの水撃圧を吸収するためのものである。
2. 通気管は、サイホン作用によるトラップの封水切れを防止するためのものである。
3. 排水トラップの封水深は、阻集器を兼ねるものを除き、5~10 cm とする。
4. 給水タンクの内部の保守点検を行うために設ける円形マンホールの最小内法直径は、45 cmとする。

答え

  4
給水タンク及び貯水タンクにマンホールを設ける場合の構造は、原則として、直径 60㎝以上の円が内接できるものとしなければならない。
1 ◯
エアチャンバーは給水管内の水の流れを急閉したときに生ずるウォーターハンマーの水撃圧を吸収する装置で、給水栓等の水を閉止する弁の上流側で、弁でできるだけ近い位置に設ける。
2 ◯
通気管は、給水菅内の流れを円滑に行い、管内気圧変動を最小限にとどめ、サイホン作用によるトラップの封水が破封されるのを防止するために設ける。
3 ◯
排水トラップの封水深は、5cm以上 10 cm以下(阻集器を兼ねる排水トラップについては 5 cm以上)とする。

[ No. 19 ] 
建築物に設ける昇降設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
ただし、特殊な構造及び使用形態のものを除くものとする。
1. 乗用エレベーターの昇降路の出入口の床先とかごの床先との水平距離は、4 cm以下とする。
2. エスカレーターの踏段の幅は 1.1 m 以下とし、踏段の両側に手すりを設ける。
3. 勾配が8度を超え 30 度以下のエスカレーターの踏段の定格速度は、50 m/分とする。
4. 非常用エレベーターには、かごの戸を開いたままかごを昇降させることができる装置を設ける。

答え

  3
勾配が 8度を超え30度以下のエスカレーターの踏段の定格速度は45m/分以下とする。
1 ◯
昇降路の出入口の床先と搬器の出入口の床先と間隔は、4 cm以下とする。
2 ◯
エスカレーターの踏段の幅は、 1.1 m 以下とし、踏段の両側に手すりを設ける。
4 ◯
非常用エレベーターには、かごの戸を開いたまま、かごを昇降させることができる装置を設けなければならない。(建築基準法施行令第129条の13の3第9項)

[ No. 20 ] 
数量積算に関する記述として、「公共建築数量積算基準(国土交通省制定)」上、誤っているものはどれか。
1. 鉄骨鉄筋コンクリート造のコンクリートの数量は、コンクリート中の鉄骨と鉄筋の体積分を差し引いたものとする。
2. フープ(帯筋)の長さは、柱のコンクリート断面の設計寸法による周長を鉄筋の長さとする。
3. 鉄骨の溶接長さは、種類に区分し、溶接断面形状ごとに長さを求め、すみ肉溶接脚長 6 mm に換算した延べ長さとする。
4. 設備器具類による各部分の仕上げの欠除が、1か所当たり 0.5 m2 以下の場合、その欠除は原則としてないものとする。

答え

  1
鉄骨鉄筋コンクリート造におけるコンクリートの数量は、コンクリート中の鉄骨の設計数量については、7.85t を 1.0m3 として換算した堆積分を差し引くが、鉄筋の体積分は差し引く必要はない
2 ◯
フープ、スタラップの長さは、それぞれ柱、基礎梁、梁、壁梁のコンクリート断面の設計寸法による周長を鉄筋の長さとし、フックはないものとする
3 ◯
溶接長さは、原則として種類に区分し、溶接断面形状ごとに長さを求め、すみ肉溶接脚長 6 mm に換算した延べ長さとする。
4 ◯
衛生器具、電気器具、換気孔、配管、配線等の器具の類による各部分の仕上げの欠除が、1か所当たり 0.5 m2 以下のときは、その欠除は原則としてないものとする

1級建築施工管理技士 合格者数・合格率の推移(平成30年度 対応)

1級建築施工管理技士 試験 平成30年度試験

合格者数、合格率の推移
■ 学科試験の試験結果と合格率
        受験者数 合格者数 合格率
 平成29年  24,755   9,824 39.7%
 平成28年  25,639 12,675 49.4%
 平成27年  25,452 11,103 43.6%
 平成26年  20,580   8,562 41.6%
 平成25年  20,576   9,677 47.0%
 平成24年  22,385 11,414 51.0%
 平成23年  22,284   8,312 37.3%
 平成22年  25,640 10,437 40.7%

■実地試験の試験結果と合格率
        受験者数 合格者数 合格率
 平成29年  16,505  5,537  33.5%
 平成28年  19,045  8,687  45.6%
 平成27年  16,365  6,180  37.8%
 平成26年  14,210  5,710  40.2%
 平成25年  16,686  6,912  41.4%
 平成24年  16,176  5,558  34.4%
 平成23年  13,721  5,546  40.4%
 平成22年  15,608  7,338  47.0%

※合格者数、合格率は最新の数値に更新
昨年度(平成29年度)、学科の受験者数は減少
合格者数、合格率も減少
よって、実地試験の受験者数も減少しており、
全国で5,537名、合格率はこの10年で
もっとも低い値になっています。
この数字は、建設業界全体を総合的に見ると、
人手不足によって、平均して学習時間の確保が難しくなっていることによるのでしょうか?
にも関わらず、女性技術者は増加傾向にあり、合格者数279名で、比率5%を初めて超えています。
建設業振興基金の29年度分析より
この結果は、女性は、意識高い系のきっちりした人材が多いという事でしょうか?
いずれにしても、技術力はもちろんのこと、
人材を管理するスキルと時間を管理するスキルをも要求されます。
仕事が忙しい中でも、
きっちりと時間管理し、学習時間を確保することが合格への近道だと思います。
時間管理方法のおすすめは
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2級建築施工管理技士 合格者数・合格率の推移

2級建築施工管理技士 試験

合格者数、合格率の推移
■ 学科試験の試験結果と合格率
       受験者数 合格者数 合格率
 平成16年 12,850  8,186  63.7%
 平成17年 13,180  8,133  61.7%
 平成18年 20,114  8,329  41.4%
 平成19年 21,766 10,171 46.7%
 平成20年 22,920 13,078 57.1%
 平成21年 23,081  8,044  34.9%
 平成22年 22,980  9,820  42.7%
 平成23年 20,402  9,739  47.7%
 平成24年 20,461 11,474 56.1%
 平成25年 21,097  8,482  40.2%
 平成26年 24,306 11,651 47.9%
 平成27年 27,592 13,385 48.5%
 平成28年 31,466 16,331 51.9%
 平成29年 30,262 11,725 38.7%
 平成30年 28,888  7,495  25.9%
■実地試験の試験結果と合格率
       受験者数 合格者数 合格率
 平成16年 14,933   6,257 41.9%
 平成17年 15,632   5,296 33.9%
 平成18年 16,437   5,901 35.9%
 平成19年 17,168   6,100 35.5%
 平成20年 19,778   7,137 36.1%
 平成21年 22,101   6,876 31.1%
 平成22年 19,929   6,707 33.7%
 平成23年 18,127   6,272 34.6%
 平成24年 18,026   6,154 34.1%
 平成25年 19,496   5,863 30.1%
 平成26年 20,388   6,832 33.5%
 平成27年 23,913   7,822 32.7%
 平成28年 26,816 10,437 38.9%
 平成29年 26,506   7,665 28.9%
 平成30年 24,131   6,084 25.2%

1級建築施工管理技士 平成29年 学科 問題3解説

平成29年 1級建築施工管理技士 学科 問題3 解答解説

問題番号 [ No.21 ] ~ [ No.33 ] までの 13 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。
[ No. 21 ] 
乗入れ構台及び荷受け構台の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 乗入れ構台の支柱の位置は、基礎、柱、梁及び耐力壁を避け、 5m 間隔とした。
2. 乗入れ構台の高さは、大引下端が床スラブ上端より 30 cm 上になるようにした。
3. 荷受け構台の作業荷重は、自重と積載荷重の合計の5%とした。
4. 荷受け構台への積載荷重の偏りは、構台全スパンの 60 % にわたって荷重が分布するものとした。

答え

  3
荷受け構台の構造計算に用いる作業荷重は、自重と積載荷重の合計の10%とする。
1 ◯
乗入れ構台の支柱の位置は、地下構造図と重ね合わせるなどして、基礎梁、柱、梁等の位置と重ならないように配置し、間隔は3〜6m 程度とする。
2 ◯
乗入れ構台の大引下橋を、躯体コンクリート打設時に床の均し作業ができるように、1階スラブ上端より 20〜30 cm 程度上に設定する。
4 ◯
荷受け構台を構成する部材については、積載荷重の偏りを考慮して検討し、通常は構台全スパンの 60 % にわたって、積載荷重が分布するものと仮定する。

[ No. 22 ] 
地盤調査及び土質試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 孔内水平載荷試験により、地盤の強度及び変形特性を求めることができる。
2. 一軸圧縮試験により、砂質土の強度と剛性を求めることができる。
3. 原位置での透水試験は、地盤に人工的に水位差を発生させ、水位の回復状況により透水係数を求めるために行う。
4. 圧密試験は、粘性土地盤の沈下特性を把握するために行う。

答え

  2
一軸圧縮試験は、自立する供試体に対して拘束圧が作用しない状態で試験を行うものなので、主として乱さない粘性土を対象とした試験法で、一軸圧縮強さなどが求められる
1 ◯
孔内載荷試験(孔内水平載荷試験)は、地盤の強度及び変形特性を調べる試験である。
3 ◯
原位置での透水試験は、単一のボーリング孔あるいは単一の井戸を利用して、水位を一時的に低下または上昇させ、平衡状態に戻るときの水位変化を経時的に測定して、地盤の透水係数を求める試験である。
4 ◯
圧密試験は、粘性土地盤を対象に、地盤の沈下量や沈下時間の予測に必要な情報を求める室内試験である。

[ No. 23 ] 
山留めの管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 油圧式荷重計は、切梁と火打梁との交点付近を避け、切梁の中央部に設置する。
2. 傾斜計を用いて山留め壁の変形を計測する場合には、山留め壁下端の変位量に注意する。
3. 壁面土圧計を用いると、土圧計受圧面に集中荷重が作用して、大きな応力値を示す場合があるので注意する。
4. 山留め壁周辺の地盤の沈下を計測するための基準点は、工事の影響を受けない付近の構造物に設置する。

答え

  1
切梁にかかる軸力は、端部より中央部の方が低くなるため、盤圧計(油圧式荷重計)を切梁の中央部に設置しても、正確に軸力を計測できない。また、安全上の点からも好ましくない。油圧式荷重計は、火打梁の基部や腹起しと切梁の接合部に設置するのが好ましい。
29-23盤圧計の位置.jpg
2 ◯
傾斜計を用いる方法は、山留め壁設置直後から変形測定ができるので、よい方法であるが、不動点を壁下端とすることが多いため、壁下端が動いた場合、測定値の確からしさが損なわれるの注意が必要である。
3 ◯
山留め壁に作用する側圧は、山留め材料に壁面土圧計を設置して計測する。壁面土圧計を用いると、設置時に土圧計受圧面に集中荷重が作用して、大きな応力値を示す場合があるので注意する。このような現象は、N値の大きな地盤(例えば砂礫層)でよく認められる。
4 ◯
山留め壁周辺の地盤の沈下を計測するための基準点は、山留め壁から離れた不動点とみなせる位置に設ける

[ No. 24 ] 
既製コンクリート杭の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 荷降ろしのため杭を吊り上げるときは、安定するよう杭の両端の2点を支持して吊り上げるようにする。
2. セメントミルク工法において、アースオーガーを引き上げる際には、負圧によって地盤を緩めないよう行う。
3. 杭に現場溶接継手を設ける際には、原則としてアーク溶接とする。
4. セメントミルク工法において、アースオーガーは掘削時及び引上げ時とも正回転とする。

答え

  1
既製コンクリート杭には、曲げモーメントが最小となる支持点位置がある(2点支持の場合は杭の両端から1/5の点)。積込み・荷降しは、必ず支持点近くの2点で支持しながら、杭に衝撃を与えることのないように注意を取り扱う。
29-24積込み・荷卸し.jpg
2 ◯
オーガーの引き上げ速度は、根固め液等の注入量に合わせて調整する。注入量に比べて引き上げ速度が速いと孔内に負圧が生じ、孔壁崩壊の原因となる
3 ◯
既製コンクリート杭に現場溶接継手を設ける場合は、原則としてアーク溶接とする。
4 ◯
セメントミルク工法では、掘削中にアースオーガーを逆回転すると、オーガーに付着した土砂が落下するので逆回転させてはならす、オーガー引上げ時においても正回転とする。

[ No. 25 ] 
鉄筋の加工及び組立てに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
ただし、d は異形鉄筋の呼び名の数値とする。
1. D16 の鉄筋相互のあき寸法の最小値は、粗骨材の最大寸法が 20mmのため、25mmとした。
2. 一般スラブに使用する SD295A の鉄筋の末端部を 90 °フックとするので、その余長を6dとした。
3. 同一径の SD295Aと SD345 の鉄筋を 135 °に折り曲げる際、内法直径の最小値を同じ値とした。
4. 一般スラブに設ける一辺が 500 mm 程度の開口部補強は、開口によって切断される鉄筋と同量の鉄筋で周囲を補強し、斜め補強筋を配した。

答え

  2
鉄筋に90° フックを設けるための折り曲げ加工を行う場合、末端のフックの余長は、鉄筋の種類にかかわらず 8d以上とする。
29-25鉄筋の折曲げ加工.jpg
1 ◯
鉄筋相互のあき寸法は、次の値のうちの最大のもの以上とする。
①粗骨材の最大寸法の 1.25倍
② 25mm
③隣り合う鉄筋の平均径の1.5倍
(異形鉄筋の呼び名の数値)
設問の場合、
① 20mm × 1.25 = 25mm
② 25mm
③ 16mm × 1.5 = 24 mm
となり、25mmのあき寸法は適切である。
鉄筋のあき寸法.jpg
3 ◯
折曲げ加工の形状及び折曲げ加工に関する規定は次表による。同一径の鉄筋の種類が SD295Aと SD345では、鉄筋の折曲げ内法の直径は同じである。
折曲げ形状・寸法.jpg
4 ◯
スラブ開口の最大径が 700mm以下の場合、スラブ開口によって切断される鉄筋と同量の鉄筋で周囲を補強し、隅角部に斜め補強筋を配筋する。

[ No. 26 ] 
鉄筋のガス圧接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. SD 345 の鉄筋 D 29 を手動ガス圧接で接合するため、日本工業規格(JIS)に基づく技術検定2種の資格を有する者によって行った。
2. 同一径の鉄筋の圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径の 1/4 以下とした。
3. 鉄筋の圧接部の加熱は、圧接端面が密着するまでは還元炎で行い、その後は中性炎で加熱した。
4. 同一径の鉄筋の圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の 1.1 倍以上とした。

答え

  2
圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径の1/5以下(径が異なる場合は細い方の径による)

29-26良好なガス圧接.jpg
1 ◯
JISA3881の圧接接合の技量資格種別2種の者が従事できる作業は、鉄筋径 32mm以下、呼び名D32以下の圧接接合である。なお、JISZ3881の圧接接合の技量資格種別は1種から4種まであり、それぞれの鉄筋径により従事できる圧接接合の作業が規定されている。
3 ◯
圧接部の加熱は、圧接端面が相互に密着するまでは還元炎で行い、その後は火力の強い中性炎で、圧接面を中止としてバーナーを揺動しながら加熱する。
4 ◯
圧接部のふくらみの直径は主筋等の径 1.4倍以上とし、かつ、その長さを主筋等の1.1倍以上とする。

[ No. 27 ] 
型枠支保工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 支柱として用いるパイプサポートの高さが 3.5m を超えたので、高さ 2m 以内ごとに水平つなぎを2方向に設けた。
2. 支柱として用いる鋼材の許容曲げ応力の値は、その鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の3/4の値のうち、いずれか小さい値とした。
3. 支柱にパイプサポートを2本継いで使用するので、継手部を4本以上のボルトで固定した。
4. 支柱として用いる組立て鋼柱の高さが4m を超えたので、高さ 4m 以内ごとに水平つなぎを2方向に設けた。

答え

  2
支柱として用いる鋼材の許容曲げ応力の値は、その鋼材の降伏強さの値はたは引張強さの値の3/4の値のうち、いずれか小さい値の2/3の値以下としなければならない
 29-27鋼材の許容応力度.jpg
1 ◯
支柱として用いるパイプサポートの高さが 3.5m を超える場合、水平つなぎを設ける位置は、高さ 2.0m 以内ごとに設けなければならない。
3 ◯
パイプサポートを継いで用いるときは、2本までとし、4本以上のボルトまたは専用の金具を用いて継ぐ
4 ◯
支柱として鋼管枠を使用する場合、1枠当たり許容荷重は、荷重の受け方により異なる。支柱として用いる組立て鋼柱の高さが4m を超えた場合、高さ 4m 以内ごとに水平つなぎを2方向に設ける

[ No. 28 ] 
コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 高強度コンクリートにおけるフレッシュコンクリートの流動性は、スランプ又はスランプフローで管理する。
2. アルカリシリカ反応性試験で無害でないものと判定された骨材であっても、コンクリート中のアルカリ総量を 3.0 kg/m3 以下とすれば使用することができる。
3. 水セメント比を低減すると、コンクリート表面からの塩化物イオンの浸透に対する抵抗性を高めることができる。
4. 一般仕様のコンクリートの単位セメント量の最小値は、250 kg/m3 とする。

答え

  4
普通コンクリートの単位セメント量の最小値は270kg/m3である。
1 ◯
高強度コンクリートにおけるフレッシュコンクリートの流動性は、スランプ又はスランプフローで表し、設計基準強度が 45 N/mm2 未満の場合は、スランプ 21cm以下またはスランプフロー 50cm以下、設計基準強度が 45 N/mm2 以上の場合は、スランプ 23cm以下またはスランプフロー 60cm以下を標準とする。
2 ◯
アルカリシリカ反応性試験で無害でないものと判定された骨材を使用する場合は、その抑制対策として、コンクリート中のアルカリ総量が 3.0 kg/m3 以下であることを確認する。
3 ◯
水セメント比を低減すると、緻密な組織のコンクリートになる。これにより水密性が著しく向上し、塩化物イオンの浸透に対する抵抗性を高めることができる。

[ No. 29 ] 
コンクリートの養生に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 湿潤養生を打ち切ることができる圧縮強度は、早強ポルトランドセメントと普通ポルトラ ンドセメントでは同じである。
2. 寒中コンクリートの初期養生の期間は、圧縮強度が 5 N/mm2 に達するまでとする。
3. 暑中コンクリートの湿潤養生の開始時期は、コンクリート上面においてはブリーディング水が消失した時点とする。
4. コンクリート温度が2℃を下らないように養生しなければならない期間は、コンクリート打込み後2日間である。

答え

  4
コンクリート打ち込み後の温度が2℃を下らないように養生しなければならない期間は、原則として、コンクリート打込み後5日間と定められている。
1 ◯
コンクリートの湿潤養生を打ち切ることができる圧縮強度は、早強ポルトランドセメントと普通ポルトラ ンドセメントでは同じである。
2 ◯
寒中コンクリートの初期養生の期間は、凍害を防ぐため、圧縮強度が 5 N/mm2 に達するまでとし、この期間中は、打ち込まれたコンクリートのいずれの部分についても凍結させてはならない。
3 ◯
暑中コンクリートの湿潤養生は、コンクリート上面のブリーディング水が消失した時期以降にコンクリートが乾燥の影響を受けるので、消失した時点から開始する。

[ No. 30 ] 
鉄骨の加工及び組立てに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 鉄骨鉄筋コンクリート造の最上部柱頭のトッププレートに、コンクリートの充填性を考慮して、空気孔を設けた。
2. 高力ボルト接合の摩擦面は、ショットブラストにて処理し、表面あらさは 30μmRz 以上を確保した。
3. 冷間成形角形鋼管の角部は、大きな冷間塑性加工を受けているので、その部分への組立て溶接を避けた。
4. 半自動溶接を行う箇所の組立て溶接の最小ビード長さは、板厚が12mm だったので、40mmとした。

答え

  2
高力ボルト接合の摩擦面を、ショットブラストまたはグリッドブラストにより処理する場合、摩擦面の表面粗さは50μmRz以上を確保する。
1 ◯
鉄骨鉄筋コンクリート造の鉄骨の工作図検討の際に、最上部柱頭のトッププレートに空気孔を設置することは、コンクリートの充填性に有効である。
3 ◯
冷間成形角形鋼管の角部等、大きな冷間塑性加工を受けた箇所への組立て溶接は避ける
4 ◯
組立て溶接のビード長さは次表を最小とし、特にショートビードとならないように注意する。
組立て溶接のビート長さ.jpg

[ No. 31 ] 
鉄骨工事の溶接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 完全溶込み溶接の突合せ継手における余盛りの高さが 3 mm であったので、グラインダー仕上げを行わなかった。
2. 柱梁接合部の梁端部の溶接は、塑性変形能力が低下しないよう、入熱とパス間温度の管理を特に重点的に行った。
3. クレーンガーダーのエンドタブは、溶接後切除してグラインダーで平滑に仕上げた。
4. 溶接作業場所の気温が-5℃を下回っていたので、溶接部より 100 mm の範囲の母材部分を加熱して作業を行った。

答え

  4
気温が低いと溶接部の冷却速度が速くなり、溶接部に割れが生じやすくなるので、溶接作業場所の気温が−5℃を下回る場合は、溶接を行ってはならない。なお、溶接作業場所の気温が−5℃から5℃までの場合は、溶接部より100mmの範囲の母材部分を加熱して溶接することができる。
1 ◯
余盛は応力集中を避けるため滑らかに仕上げる。過大であってり、ビード表面形状に不整があってはならない。余盛の高さはJASS6による。
2 ◯
ラーメン骨組みの柱梁接合部の梁端溶接部などのように塑性変形能力が期待される部位の溶接を行う際は、この入熱量とパス間温度の管理が特に重要である。
3 ◯
クレーンガーダーのように高サイクル疲労荷重が作用する箇所は、エンドタブを切断し、グラインダーで母材表面まで平滑に仕上げなければならない。

[ No. 32 ] 
揚重運搬機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. クレーンのブーム(ジブ)先端が地表から 60 m 以上の高さとなる場合は、原則として航空障害灯を設置する。
2. ジブを有しないクレーンの定格荷重とは、つり上げ荷重からフックなどのつり具の重量に相当する荷重を除いた荷重のことである。
3. 建設用リフトの停止階には、荷の積卸口に遮断設備を設ける。
4. ロングスパン工事用エレベーターの搬器の傾きが 1/8 の勾配を超えた場合に動力を自動的に遮断する装置を設ける。

答え

  4
搬器の傾き1/10の勾配を超えないうちに、動力を自動的に遮断する安全装置を備える
1 ◯
航空法により、航空障害灯の設置は、地表から 60 m 以上の高さとなる。
2 ◯
クレーンの定格荷重とは、ジブを有しない場所はつり上げ荷重からフックやクラブバケットなどのつり具の重量に相当する荷重を除いた荷重をいうと定められている。
3 ◯
建設用リフト構造規格により、建設用リフトの停止階には、荷の積卸口に遮断設備を設ける

[ No. 33 ] 
鉄筋コンクリート造の耐震改修工事における、柱への溶接閉鎖フープを用いた巻き立て補強に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. フープ筋のコーナー部の折曲げ内法直径は、フープ筋の呼び名に用いた数値の 2倍とした。
2. 壁付きの柱は、壁に穴をあけて閉鎖型にフープ筋を配置し補強した。
3. フープ筋の継手は片側フレア溶接とし、溶接長さはフープ筋の呼び名に用いた数値の 10倍とした。
4. 柱の外周部は、コンクリートの巻き立て部分の厚さを 100 mm とした。

答え

  1
フープ筋のコーナー部の折曲げ内法直径は、フープ筋の径または呼び名に用いた数値の3倍以上とする。
2 ◯
壁付きの柱を補強する場合または腰壁・垂れ壁付きの柱を壁内も含めて補強する場合は、壁に穴をあけて閉鎖型にフープ筋を配置補強する。
3 ◯
溶接閉鎖フープ巻き工法のフープ筋の継手は、溶接長さが片側10d以上のフレア溶接とする。
4 ◯
溶接金網巻き工法及び溶接閉鎖プープ巻き工法によるRC巻き立て補強は、既存柱の外周部を 60〜150mm程度の厚さの鉄筋コンクリートまたは鉄筋補強モルタルで巻き立て補強する方法で行う。

1級建築施工管理技士 平成29年 学科 問題4解説

平成29年 1級建築施工管理技士 学科 問題4 解答解説

問題番号 [ No.34 ] ~ [ No.45 ] までの 12問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。
[ No. 34 ]
アスファルト防水の密着工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 低煙・低臭タイプのアスファルトの溶融温度の上限は、300 ℃ とする。
2. コンクリートスラブの打継ぎ部は、絶縁用テープを張り付けた後、幅 300 mm 程度のストレッチルーフィングを増張りする。
3. 平場部のルーフィングの張付けに先立ち、入隅は幅 300 mm 程度のストレッチルーフィングを増張りする。
4. 平場部のアスファルトルーフィング類の重ね幅は、縦横とも 100 mm 程度とする。

答え

  1
低煙・低臭タイプのアスファルトの溶融温度の上限は、煙の発生を抑制するために240〜260℃程度とする。
2 ◯
コンクリートスラブの打継ぎ部には、一般平場のルーフィングの張付けに先立ち絶縁用テープを張り、その上に幅 300 mm 程度のストレッチルーフィングを増張りする。
3 ◯
アスファルトルーフィング類の張付けにおいて、出隅、入隅には一般平場のルーフィングの張付けに先立ち、幅 300 mm 程度のストレッチルーフィングを用いて均等に増張り(捨張り)する。
 29-34出隅部の増張り.jpg
 29-34入隅部の増張り.jpg
4 ◯
アスファルト防水の密着工法において、平場のアスファルトルーフィング類の重ね幅は、長手、幅方向とも 100mm 程度とし、重ね部からあふれ出たアスファルトは、その都度はけを用いて塗り均しておく。

[ No. 35 ]
ウレタンゴム系塗膜防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 防水材の塗継ぎの重ね幅を 50mm、補強布の重ね幅を100mm とした。
2. 絶縁工法において、立上り部の補強布は、平場部の通気緩衝シートの上に100mm張り掛けて防水材を塗布した。
3. 平場部の防水材の総使用量は、硬化物密度が 1.0 Mg/m3だったので、3.0 kg/m2 とした。
4. 密着工法において、平場部に張り付ける補強布は、防水材を塗りながら張り付けた。

答え

  1
ウレタンゴム系防水材の塗継ぎの重ね幅は100mm以上、補強布の重ね幅は50mm以上とする。
2 ◯
立上り部、ドレン回り及びパイプ回りなどでは、補強布の重ね幅は100mm以上とする。
3 ◯
平場部のウレタンゴム系防水材の総使用量は、硬化物密度が 1.0 Mg/m3である場合は、3.0 kg/m2 とする。
4 ◯
補強布の張付け、プライマーの乾燥を確認した後、ローラー、ゴムべら等の工具を用い補強布を下地に馴染ませ、ゴムウレタン系防水材を塗りながら行う。

[ No. 36 ]
乾式工法による外壁張り石工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 石材は、最大寸法を幅 1,000mm、高さ 800mm とし、重量を70 kg 以下とした。
2. 厚さ 30 mm、大きさ 500 mm 角の石材のだぼ孔の端あき寸法は、120mm とした。
3. 厚さが 30 mm の石材のだぼ孔は、石材の裏面から 15 mm の位置とし、孔径を4 mmとした。
4. 下地のコンクリート面の寸法精度は、±10 mm 以内となるようにした。

答え

  3
乾式工法において、石材のだぼ孔は、石材厚の中央に穿孔し、だぼの形式は通しだとする。一般に、通しだぼの場合、だぼの寸法は φ4 ×50mm程度のものが使われており、だぼ孔の径は、だぼの寸法より1〜3mm程度大きくする
1 ◯
外壁乾式工法に用いる石材の寸法は、幅及び高さ 1,200 mm以下、かつ、面積で 0.8 m2以下とし、重量については 70 kg 以下とする。
2 ◯
厚さ 30 mm、大きさ 500mm角の石材のだぼ孔の端あき寸法は、石材の厚みの3倍以上の 90mm以上、あるいは石材幅の辺長の 1/4 程度である 125mm程度の位置にバランスよく設ける。
4 ◯
外壁乾式工法において、下地面の寸法精度は、±10 mmとする。

[ No. 37 ]
金属板葺屋根工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 平葺の小はぜ掛けは、上はぜの折返し幅を 15 mm、下はぜの折返し幅を 10 mm とした。
2. 横葺の葺板の継手位置は、縦に一直線状とならないよう千鳥に配置した。
3. 平葺の吊子は、葺板と同種同厚の材とし、幅 30 mm、長さ 70 mmとした。
4. 塗装溶融亜鉛めっき鋼板を用いた金属板葺きのドリルねじ等の留付け用部材には、亜鉛めっき製品を使用した。

答え

  1
平葺の葺板の上はぜと下はぜの折り返し幅は、上はぜは15mm、下はぜは18mm程度とし、すき間をつくり防水上の毛細管現象を防ぐとともに、十分に掛け合わせ均一に叩き締める。
小はぜ折り返し幅.jpg
2 ◯
立て平葺の棟部は、溝板のはぜ締め後、はぜを水平に倒して折り上げ、立上げ部分の先端に水返しを付け、棟覆いを取り付ける。
 目違い継ぎ.jpg
 一文字継ぎ.jpg
 廻し継ぎ.jpg
 直線継ぎ.jpg
      葺板の継手位置
3 ◯
平葺の吊子は、葺板と同種同厚の材とし、幅 30 mm、長さ 70 mm程度とする。
4 ◯
塗装溶融亜鉛めっき鋼板を用いた金属板葺きの留付け用釘類は、溶融亜鉛めっき釘またはステンレス鋼釘とする。

[ No. 38 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 鉄骨梁に取り付く上部ランナーは、耐火被覆工事の後、あらかじめ鉄骨梁に取り付けられた先付け金物に溶接で固定した。
2. コンクリート壁に添え付くスタッドは、上下ランナーに差し込み、コンクリート壁に打込みピンで固定した。
3. 区分記号 65 形のスタッド材を使用したそで壁端部は、垂直方向の補強材の長さが 4.0m を超えるので、スタッド材を2本抱き合わせて溶接したもので補強した。
4. 振れ止めは、床ランナーの下端から間隔約 1,200 mm ごとに取り付け、上部ランナーの上端から 400 mm 以内に位置するものは取付けを省略した。

答え

  3
65形のスタッド材を使用したそで壁端部は、垂直方向の補強材(コ-60×30×10×2.3)の長さが4.0mを超える場合は、同材の補強材を2本抱き合わせて、上下端及び間隔600mm程度に溶接したものをスタッドに添えて補強する。
1 ◯
鉄骨梁に取り付く上部ランナーは、耐火被覆工事終了後、あらかじめ取り付けられた先付け金物またはスタッドボルトに、タッピンねじの類または溶接で固定する。
2 ◯
スタッドがコンクリート壁に添え付く場合は、上下ランナーに差し込み、打込みピンでコンクリート壁に固定する。
4 ◯
振れ止めは、床ランナーより間隔約 1,200 mm ごとに設けるが、上部ランナーから 400 mm 以内に位置する場合には、省略することができる
軽量鉄骨下地.jpg

[ No. 39 ]
内壁コンクリート下地のセメントモルタル塗りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. モルタルの塗厚は、下塗りから上塗りまでの合計で 30 mm とした。
2. 下塗り用モルタルの調合は、容積比でセメント1対砂 2.5 とした。
3. 下地処理をポリマーセメントペースト塗りとしたため、乾燥しないうちに下塗りを行った。
4. 吸水調整材を塗布後1時間以上おいた後に、乾燥を確認してから下塗りを行った。

答え

  1
内壁をモルタル仕上げとする場合、塗厚の標準値は20mmとする。
2 ◯
下塗り用モルタルの調合(容積比)はセメント1対砂 2.5、むら直し・中塗り・上塗りはセメント1対砂 3 とする。
3 ◯
セメントペーストは、一度乾くとはく離しやすくなるので、塗った後、乾かないうちに追いかけて下塗りモルタルを塗る必要がある。
4 ◯
吸水調整材塗布後の下塗りまでの間隔は、一般に1時間以上とし、乾燥を確認してから行う。

[ No. 40 ]
金属製建具工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 鋼製軽量建具に使用する戸の表面板は、厚さ 0.6mm とした。
2. 外部鋼製建具枠の組立てにおいて、厚さ 2.3mm の裏板補強のうえ、小ねじ留めとした。
3. 排煙窓の手動開放装置の操作部分を壁に取り付ける高さは、床面から 90cm とした。
4. 鋼製軽量建具に使用する戸の力骨は、厚さ 1.6mm とした。

答え

  2
外部(水掛かりを含む)に面する鋼製建具枠の組立ては、溶接とする。ただし、屋内(水掛かりを除く)で使用する鋼製建具は、溶接に代えて小ねじ留め(裏板厚さ2.3mm以上)によることができる。
1 ◯
鋼製軽量建具に使用する戸の表面板の厚さは、特記による。特記がなければ、片開き、親子開き及び両開き戸の1枚の有効開講幅が 950mm、または有効高さが 2,400mmを超える場合を除き、0.6mmとする。
3 ◯
排煙窓の手動開放装置の操作部分を壁に取り付ける高さは、建築基準法施行令第126条の3第1項第五号において、床面から 80cm以上、高さ 1.5m以下と規定されている。
4 ◯
出入口の枠類は軽量扉の性能を生かして、1.6mmとし、丁番及びピポットヒンジ、ドアクローザー等の大きな力が加わる取付け部分では、2.3mmの補強板が必要である。

[ No. 41 ]
コンクリート素地面の塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、中塗りを行う前に研磨紙 P220 を用いて研磨した。
2. 2液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて、中塗り後、上塗りまでの工程間隔時間を3時間とした。
3. 常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りの下塗りにおいて、塗料を素地に浸透させるため、 ローラーブラシ塗りとした。
4. 合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、流動性を上げるため、水で希釈して使用した。

答え

  2
2液形ポリウレタンエナメル塗りの中塗りの工程間隔時間は、標準条件下において16時間以上7日以内とする。
1 ◯
アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの工程は、素地調整、下塗り、パテかい、研磨、中塗り、上塗りと進む。研磨には研磨紙 P220 を用いる
3 ◯
常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りの塗装方法は、はけ塗り、ローラーブラシ塗り、吹付け塗りとする。ただし、下塗りは、素材によく浸透させる目的で、はけ塗り、 ローラーブラシ塗りも用いるが、中塗りや上塗りは、原則として吹付け塗りとしている。
4 ◯
合成樹脂エマルションペイントは、合成樹脂共重合エマルションやラテックルをベースとして、着色顔料や添加剤等を加えた水系塗料で、溶剤ではなく、水による希釈で塗料に流動性をもたせることができる。

[ No. 42 ]
ビニル床シート及びビニル床タイル張りに関する記述として、最も不適当なものはど れか。
1. 床シートの張付けは、圧着棒を用いて空気を押し出すように行い、その後 45 kg ローラーで圧着する。
2. 熱溶接工法において、溶接部の床シートの溝部分と溶接棒は、250 ~ 300 ℃ の熱風で加熱溶融させ、圧着溶接する。
3. 床タイルの張付けは、下地に接着剤を塗布した後、オープンタイムをとってから張り付ける。
4. 冬季低温時における床タイルの張付けは、バーナー等で床タイルを温めてから圧着する。

答え

  2
熱溶接工法においては、熱風溶接機を用いて床シートの溝部分と溶接棒を180〜200℃の熱風で溶融し、余盛が断面両側にできる程度に圧着溶接する。
1 ◯
床シートの張付けは、床シートを送り込みながら圧着棒を用いて空気を押し出すように行い、その後 45 kg ローラーで圧着する。
3 ◯
ビニル床タイルの張付けは、下地に接着剤を塗布し所定のオープンタイムをとり、溶剤の揮発を適切に行い張り付ける。所定のオープンタイムをとらずに貼り付けると初期粘着ができないだけでなく、溶剤が床材で密封され、床材を軟化させたり、ふくれの原因となる。
4 ◯
冬季低温時には床タイルが硬くなり下地に馴染みにくくなっているので、トーチランプ等で軽く加熱しながら圧着する

[ No. 43 ]
鉄筋コンクリート造の断熱工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において、断熱材の継目にコンクリートがはみ出している箇所は、Vカットした後に断熱材現場発泡工法により補修した。
2. 押出法ポリスチレンフォーム張付け工法において、躯体面とのすき間ができないようにしてから、断熱材を全面接着で張り付けた。
3. 硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、吹き付けるコンクリート面の温度が 5℃以上であることを確認して吹き付けた。
4. 硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、断熱材の吹付け厚さが 50mmの箇所は、下吹きをした後、1回で吹き付けた。

答え

  4
硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、断熱材の吹付け厚さが50mmの場合は多層吹きとし、1層の厚さは各々30mm以下とする。また、1日の総吹付け厚さは80mmを超えないものとする。
1 ◯
断熱材の継目にコンクリートがはみ出している箇所は、一般には使用断熱材または簡易発泡硬質ウレタンフォームによりそのまま補修する。継目の幅が大きい場合あ、Vカットした後に補修する。
2 ◯
張付け工法においては、断熱材と躯体との境界面にすき間が生じるとその部分に結露が生じやすくなるため、接着は全面接着とし、密着させて張り付ける。
3 ◯
吹付け面の温度及び乾燥度は、発泡性及び付着性に大きな影響を及ぼすので、性能表等により適切な条件で施工する。(吹付け面の温度が 5℃以上で施工すること。)

[ No. 44 ]
押出成形セメント板工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 横張り工法において、パネル積上げ枚数2~3枚ごとに自重受け金物を取り付けた。
2. パネルの割付けにおいて、使用するパネルの最小幅は 350 mm とした。
3. 幅 600 mm のパネルへの欠込みは、欠込み幅を 300 mm 以下とした。
4. 縦張り工法のパネルは、層間変形に対してロッキングにより追従するため、縦目地を15 mm、横目地を 8 mm とした。

答え

  4
パネル相互の目地幅は、地震時の変形に対応する縦張り工法及び横張り工法の場合も短辺の方が大きな目地幅が必要となる。縦張り工法の場合は、ロッキングできるように取り付け、縦目地(長辺)で8mm以上、横目地(短辺)で15mm以上の幅の目地を設ける。
1 ◯
横張り工法のパネルは、積上げ枚数3枚以下ごとに構造体に固定した自重受け金物で受け、縦張り工法のパネルは各段ごとに構造体の固定した下地鋼材で受ける。
2 ◯
パネル幅の最小限度は、原則として、 300 mm とする。
3 ◯
欠込み幅の限度は、パネル幅の1/2 以下、かつ、300mm以下とする。

[ No. 45 ]
合成樹脂塗床材による床改修工事における、既存床仕上げ材の撤去及び下地処理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 既存合成樹脂塗床面の上に同じ塗床材を塗り重ねるので、接着性を高めるため、既存仕上げ材の表面を目荒しした。
2. モルタル塗り下地面の既存合成樹脂塗床材の撤去は、下地モルタルを残し、電動はつり器具を用いて下地モルタルの表面から塗床材のみを削り取った。
3. 既存床材撤去後の下地コンクリート面において、プライマーの吸込みが激しかったため、 プライマーを再塗布した。
4. 既存床材撤去後の下地コンクリート面において、凹凸部の補修はエポキシ樹脂モルタルで行った。

答え

  2
合成樹脂塗床材の撤去には、ケレン棒、電動ケレン棒、電動はつり器具、ブラスト機械などを用いる。撤去範囲は、下地がモルタル塗りの場合はモルタル下地とも、コンクリート下地の場合はコンクリート表面から3mm程度とする。
1 ◯
既存合成樹脂塗床面を除去せずに同じ塗床材を塗り重ねる場合は、既存仕上げ材の表面をディスクサンダー等により目荒して接着性を高めるため
3 ◯
プライマーは、指定量をローラーばけ、はけ、金ごて等を用いてたまりが生じないように、下地にすり込むようにして塗布する。プライマーの下地への吸込みが激しい場合は、時間をおいて数回に分け再塗布する
4 ◯
下地のコンクリートまたはモルタルの凹凸・段差等は、サンダー掛けまたはポリマーセメントモルタルの充填等により補修し、コンクリート金ごて仕上げ程度に仕上げる。なお、新規仕上げが合成樹脂塗床の場合はエポキシ樹脂モルタルにより補修する。