[ No.1 ]
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.在室者の呼吸による必要換気量は、室内の二酸化炭素発生量を、室内の許容二酸化炭素濃度と外気の二酸化炭素濃度の差で除して求める。
2.室内の許容二酸化炭素濃度は、一般に10,000 ppm(1%)とする。
3.風圧力による換気量は、他の条件が同じであれば、風上側と風下側の風圧係数の差の平方根に比例する。
4.換気量が一定の場合、室容積が大きいほど換気回数は少なくなる。
答え
2
室内環境基準において、空気中の二酸化炭素濃度の許容値は、1,000ppm(0.1%)以下と定められている。(建築基準法施行令第129条の2の6第3項)
1 ◯
在室者の呼吸作用による必要換気量は、次式で求められ、在室者の二酸化炭素発生量を、室内の許容二酸化炭素濃度と外気の二酸化炭素濃度の差で除したものである。
Q = K / ( C1 ー C0)
Q:必要換気量 [ m3/h ]
K:在室者のCO2発生量 [ m3/h ]
C1:室内の許容CO2濃度 [ m3/m3 ]
C0:外気のCO2濃度 [ m3/m3 ]
3 ◯
建物に風が吹き付けると風上側では正圧、風下側では負圧が生じ、換気の原動力となる。風上側と風下側に外部開口部がある場合、換気量の関係は次式のようになり、風向きが一定であれば外部風速に比例する。
Q = d A V √ (C1 − C2)× 3,600
Q:換気量 [ m3 ]
d:流量係数
A:開口面積 [ m2 ]
C1:風上側の風圧係数
C2:風下側の風圧係数
V:風速 [ m/s ]
4 ◯
換気回数は次式により求められる。
N = Q / V
N:単位時間あたりの換気回数 [ 回 /h ]
Q:単位時間あたりの換気量 [ m3/h ]
V:室容積 [ m3 ]
換気量が一定の場合、室容積が大きいほど換気回数は少なくなる。
答え
1
太陽の移動軌跡は、南北軸に対して対称なので、東向き鉛直面と西向き鉛直面の直達日射量は季節にかかわらず同じ値となる。
2 ◯
建築物が冬至に4時間以上の日影を及ぼす範囲は、一般に建築物の高さよりも東西方向の幅に大きく左右される。東西の幅が広い建物ほど、影の影響の範囲が大きくなる。
3 ◯
隣棟間隔を建物高さで除した値を隣棟間隔係数という。たとえば、東京で4時間日照を確保するには、この値が2程度必要であるが、札幌では 2.8 程度必要となる。
4 ◯
日射量は、単位面積の単位時間に受ける熱量で表され、大気層を通り抜けて直接地表に達する日射量を直達日射量という。
直逹日射量は太陽の高度と日射を受ける面の角度により変化する。
冬至(12月21日頃)において、北緯35度付近では、南面の直逹日射量は 12 kJ/m2・日であるのに対して、水平面は約 6kJ/m2・日となっている。したがって、南面は水平面より大きい。
答え
3
フラッターエコー(鳴き竜)とは、平行した2つの反射面の間でその距離と関連した周波数で反射音が何度も共振し合うて聞こえる現象である。吸音性が高いと反射音が小さくなり、フラッターエコーは生じにくい。
1 ◯
障害物が音波の波長より小さいと、音波が障害物の背後に折れて回り込む。この現象を回折という。
2 ◯
マスキングする音とマスキングされる音の周波数が近いほど、マスキング効果は大きくなる。
4 ◯
無指向性で、まわりに反射物体にない空間中の点音源からの音の強さは、音源の出力の大きさに比例し、点音源からの距離の2乗に反比例する。点音源から距離 r の点における音の強さ I は、音源の放射パワーをWとすると次式で表せる。
I = W / 4π r2
答え
2
柱は、地震時のぜい性破壊の危険を避けるため、軸方向圧縮応力度が大きくならないように計画する。軸力と曲げを同時に受ける柱の短期軸方向応力度は Fc / 3(Fc:コンクリートの設計基準強度)以内に収めることが望ましい。
1 ◯
屋上突出物(煙突、塔屋等)に加わる地震荷重は、建物の高さ方向の剛性が急変する影響で、極めて大きくなるので、設計水平震度を増大させて計画する。
3 ◯
耐震壁が上下に連なっていないなど剛性が著しく変化している場合、剛性の小さい方の階が被害を受けやすい。したがって、各階の剛性に大きな偏りがないように計画する。
4 ◯
鉄筋コンクリート造で、柱に腰壁や垂れ壁、そで壁がつくと柱の剛性が大きくなり。じん性が低下するなど耐震性に影響する。したがって、柱際にスリットを設けて剛性を上げない工夫が必要である。
答え
2
耐震壁の剛性や耐力の評価に当たっては、曲げ変形、せん断変形、基礎の回転による変形や浮き上がりを考慮する。
1 ◯
ラーメン構造の大地震発生時の保有耐力は各大梁の両端部に曲げによる塑性ヒンジを生じさせる全体崩壊形とすることでねばりを確保している。このため大梁は原則として、両端での曲げ破壊がせん断破壊に先行するよう設計する。
3 ◯
鉄筋は、ほとんどクリープ変形しないため、圧縮側の鉄筋量を増やすと、鉄筋が負担する圧縮力が増え、コンクリートに生じる圧縮応力度が小さくなり、コンクリートのクリープ変形が小さくなるので、クリープによるたわみは小さくなる。また、圧縮鉄筋により、圧縮側コンクリートの負担を軽減することで曲げ終局時の圧縮縁側コンクリートの圧縮によるじん性の低下を防ぐ。
4 ◯
鉄筋コンクリート柱では、柱の引張鉄筋比が大きくすることは、一辺に多数の鉄筋を配置したり、隅角部に太い鉄筋を配置することになり、付着割裂破壊が生じやすくなる。
答え
1
溶接と高力ボルトを併用する継手では、溶接を後で行う場合は両方の許容耐力を加算できるが、溶接を先に行う場合は、溶接熱で板が反り鉄板が密着せず、摩擦力が低減する。そのため許容せん断応力度を低減する必要がある。
2 ◯
応力を伝達できる溶接継目は、完全溶込み溶接、部分溶込み溶接、隅肉溶接の3種類である。
3 ◯
引張材の接合を高力ボルト摩擦接合とする場合、引張応力度を計算する際の引張材の有効面積は、材軸に垂直な面の全断面積からボルト孔による欠損面積を引いて求める。
4 ◯
柱脚には、露出柱脚、寝巻き柱脚、埋込み柱脚がある。柱脚の固定度(回転拘束)の大小関係は、露出柱脚<寝巻き柱脚<埋込み柱脚である。
答え
4
独立基礎は圧密により不同沈下を生じやすいが、べた基礎は建物と基礎が一体となっているため、不同沈下は生じにくい。圧密沈下の許容値は、独立基礎の方がべた基礎に比べて小さい。
1 ◯
地盤の許容応力度は、土質試験、載荷試験等により地盤が破壊する極限鉛直支持力度を求め、それに安全率を乗じて求める。極限鉛直支持力度には、基礎の形状係数が関係するため、基礎底面の面積が同じであっても、その形状が正方形と長方形とでは、地盤の許容応力度は異なる。(平成13年国土交通省告示第1113号)
2 ◯
独立基礎は圧密により不同沈下を生じやすが、基礎梁の剛性を大きくすることにより、フーチングの沈下を平均化できる。
3 ◯
直接基礎の建物に水平力が作用するときは、根入れ部分の側方抵抗及び基礎底面の摩擦に夜滑動抵抗の検討を行わなければならない。
答え
1
静力学の釣合条件(ΣM = 0、ΣV = 0、ΣH = 0)を利用する。
1.×
支点Aの鉛直反力VAは、4kN(上向き)で、支点Bの鉛直反力VBは4kN(下向き)になるので、設問は誤り。
時計回りのモーメントを +、上向き方向の力を +、ΣMA = 0とすると、
MA = -5kN × 4m + 2kN × 2m + VB × 4m = 0
VB =(20kN・m - 4kN・m)/ 4m
=16 kN・m/4m = 4kN
(↑)VA + (↓)VB = 0 であるから、
(↑)VA = - (↓)VB
したがって、VAとVBは値は同じだが向きは異なる。
2.◯
支点Bの水平反力HBの向きと値を求める(←を + とする)。
+5kN ー 2kN ー HB = 0 より、
HB =+3 kN であるから HBは→となる。
3.◯
設問の通りで、 HB = +3kN より、節点 E に生じる曲げモーメントMgは、
Mg = HB × 4m = 12 kN・m
4.◯
設問の通りで、軸方向は 4 kNとなる。( A- D ) N はVAの値と同じなので 4kNでる。
[ No.9 ]
答え
3
曲げモーメント図は次のようになる。
1.×
4kN の力が直角で6mの梁(片持)に作用しているため、図のようにB点に24 kN・mの曲げモーメントが生じる。
2.×
BC材は、外力(4kN)と平行なので、C点はB点と同じ24 kN・mとなる。
3.◯
D点の曲げモーメントは、外力( 4kN)とAD間の水平距離(3m)と乗じて12 kN・mとなる。
4.×
E点の曲げモーメントは、外力( 4kN )とDE材は平行なので、12 kN・mとなる。
∴ 3が正解となる。
答え
1
弾性座屈荷重においてオイラーの公式の座屈長さをℓKとすると、
PK = π2・E・I / ℓK2(ℓK:座屈長さ)
AのℓKは2.0ℓ、BのℓKは1.0ℓ、CのℓKは0.5ℓとなっている。
∴
座屈長さの大小については、
A > B > C
となる。
∴ 1が正解となる。
答え
3
セメント粒子の細かさは比表面積 = ブレーン値(単位:cm2/g)で表し、粒子が細かいほど、質量当たりの表面積は大きい。ブレーン値が大きくなるほど細かく、早期強度が得られるが、発熱によるひび割れ等の弊害を伴うことがある。(建築工事監理指針)
1 ◯
ポルトランドセメントは、石灰石、粘土、けい石、鉄さいを 1,450℃で燃成したクリンカーとせっこうを混ぜて、粉砕して製造する。せっこうは、セメントに水を加えたとき、瞬時に凝結しないように調整するために加えられている。
2 ◯
セメントは水との化学反応(水和反応)により凝結、硬化して強度を発現する。このように水との化学反応によって硬化する性質を水硬性という。
4 ◯
セメント、せっこうプラスター等の水硬性材料は、貯蔵期間が長いと空気中の水分や二酸化炭素等を吸収し、品質が劣化するため、製造後4ヶ月以上経過したものは使用しない。
答え
3
モリブデン等の元素を添加することで耐火性を高めた鋼材は耐火鋼(FR鋼)である。
1 ◯
建築構造用圧延鋼材(SN材)は、溶接性の保証の有無、板厚方向の引張特性の保証等を強度区分の末尾記号 A、B
、Cで表示する。B種及びC種は、JISにより化学成分、炭素当量の上限等が規定されている。
2 ◯
建築構造用TMCP(Thermo-Mechanical Control Proces)鋼は、熱加工制御により製造される鋼材で圧延時に焼き戻し加工をすることにより、じん性を増大したもので、同じ降伏点のSN材やSM材に比べて炭素当量が低減されているので、溶接性が向上している。
4 ◯
低降伏点鋼(LY100,LY225)は、添加元素を極力減らした純鉄に近い鋼で、軟鋼に比べて強度は低いが、延性が極めて高いため、塑性変形によるエネルギーの吸収が必要な制振ダンパー等に用いられる。
答え
4
JIS A5430(繊維強化セメント板)のスレート波形の曲げ破壊荷重は、大波板3,920 N以上、小波板 1,470N 以上であるので、小波板より大波板の方た大きい。
1 ◯
JIS A5208(粘土がわら)の形状による区分は、J形粘土がわら、S形粘土がわら、F形粘土がわらである。
2 ◯
JIS A5402(プレスセメントがわら)による種類は、和形桟がわらなどの形状による区分と塗装の有無によって区分されている。
3 ◯
JIS A5423(住宅屋根用化粧スレート)に規定されている吸水率の上限は、平形屋根用スレート、波形屋根用スレートとも 28%で同じである。
答え
2
1成分形ウレタンゴム系防水材は湿気硬化型であり、空気中の水分を利用して常温下で硬化反応してゴム弾性のある塗膜を形成する。
1 ◯
屋根用ウレタンゴム系防水材は、引張強さ、伸び率、抗張積などの特性によって、高伸長形(旧1類)と高強度形に区分される。( JIS A6021)
3 ◯
2成分形のウレタンゴム系防水材は、施工直前に主剤、硬化剤の2成分に、必要によって硬化促進剤、充填材、着色材、希釈剤などを混合して使用するように調整した防水材である。( JIS A6021 )
4 ◯
ゴムアスファルト系塗膜防水材は、塗り工法用と吹付け工法用がある。このうち、塗り工法用はゴムアスファルトエマルションだけで乾燥造膜するものと、硬化剤を用いて反応硬化させるものがある。( JIS A6021 )
答え
2
パーティクルボードは、木材等の小片を主な原料として、接着剤を用いて熱圧成形した板である。(JIS A5908)設問は、木質系セメント板の記述である。
3 ◯
構造用せっこうボードは、強化せっこうボードの性能を満たしたまま、くぎ側面抵抗を強化したもので、くぎ側面抵抗の大きさによって、A種及びB種がある。主に耐力壁用の面材として用いられる。( JIS A6901 )
4 ◯
インシュレーションボードは、主に木材などの植物繊維を板状に成形した多孔質のボードであり、畳床用、断熱用、外壁下地用として使用される。( JIS A5905)