1級建築施工管理技士 躯体工事 セメントの性状

セメントの性状

ASFS
これを覚えておくだけでいい
A → S → F → S
C3A C3S C4AF C2S
これは水和熱の発熱量の順
C3A > C3S > C4AF > C2S
であり、強度発現の順
C3A > C3S > C4AF > C2S
1日 28日 ー 長期
ちなみに収縮性の順でもあります。
水硬性のカルシウムシリケートを主成分とするクリンカーに適量のせっこうを加えて微粉砕した粉末、及びこれに無機質粉末を混合したもので、
・JIS R 5210 ポルトランドセメント
・JIS R 5211 高炉セメント
・JIS R 5212 シリカセメント
・JIS R 5213 フライアッシュセメント
・JIS R 5214 エコセメント
等の規定がある。
セメントクリンカーの組成化合物の特性
C3S(3CaO•SiO2)
けい酸三カルシウムは、水和熱は中程度で28日以内の早期強度の発現性に寄与する。
C2S(2CaO•SiO2)
けい酸二カルシウムは、水和熱は小さく、28日以降の長期強度の発現性に寄与する。
C3A(3CaO•Al2O3)
アルミン酸三カルシウムは、水和熱は大きく、1日以内の早期強度の発現性に寄与する。
C4AF(4CaO•Al2O3•Fe2O3)
鉄アルミン酸四カルシウムは、水和熱は小さく、強度にはほとんど寄与しない。
超早強ポルトランドセメント
早期に強度を発現(早強ポルトランドセメントの強度を1日で発現)するために早強ポルトランドセメントよりもけい酸三カルシウム(C3S)の含有量を多くし、粉末度を細かくしている。
JIS R 5210-2009(ポルトランドセメント)では、材齢1日、3日、7日および28日の圧縮強さの下限値を規定している。
けい酸二カルシウム(C2S)の上限値は規定していない。
中庸熱ポルトランドセメント
普通ポルトランドセメントに比べて水和熱を下げるためにC3Sおよびアルミン酸三カルシウム(C3A)の含有量を多くしている。JIS R 5210では C3Sを50%以下、C3A を8%以下と上限値を規定している。
フライアッシュセメント
ポルトランドをJIS A 6201-2008 に適合するフライアッシュで置換したもの。フライアッシュはポゾラン反応性を有し、良質なものは球形であるため単位水量を減じ、長期的に強度を発現する動きがある。乾燥収縮は小さく、水和熱も小さいので、マスコンクリートに使用されるが、JIS R 5213-2009(フライアッシュセメント)では、水和熱の上限値は規定されていない。
水和熱の上限値を規定しているのは、中庸熱ポルトランドセメントと低熱ポルトランドセメントのみである。


 

1級建築施工管理技士 躯体工事 コンクリートの品質管理(強度)

第5章 コンクリート工事 品質管理 

コンクリートの品質管理
コンクリートの品質管理でもっとも重要なのは、
指定された材齢で所定の強度が発現していることである。
その規定基準は
JIS A 5308(レディミクストコンクリート)
の強度の判定基準からきている。
JIS A 5308によると、強度は
①1回の試験結果が
 購入者の指定した呼び強度の強度値の 85%以上、かつ
②3回の試験結果の平均値が
 購入者の指定した呼び強度の強度値以上
である場合に合格と規定されている。
1回の試験結果は、
任意の1運搬車から採取した資料で作った
3個の供試体の試験値の平均値で表す。
JIS A 5308によると上記のように規定されているが、実際問題で必要な強度は、調合管理強度以上であることを確認する必要がある。
試験練りやプラントの実績などにより、必ずしも 調合管理強度 = 呼び強度(発注強度)としていないケースがあるからである。呼び強度を1ランク下げて発注するケースでは、調合管理強度をおおよそは満足しそうであるが、2ランク下げて発注する場合などは、調合管理強度の値を切ってしまう。特に夏場の暑い時期であると、微妙なケースがあるので注意したい。
調合管理強度 = Fc(設計基準強度)+ mSn
☆JIS A 5308 のその他、注意するべきポイント
・空気量は、生産者との協議の上、
 荷卸し地点での空気量が指定された場合であっても、
 その許容差は±1.5%以内
・コンクリートの塩化物含有量は、
 工場から荷卸し地点までの運搬時間によって変化ので、
 当事者間の協議によって、工場出荷時に検査してもよい。
・スランプ 21㎝の時の許容差は、±1.5㎝ であるが、
 呼び強度が27N以上で、高性能AE減水剤を使用する場合は、
 ±2.0㎝ とすることができる。
など。
 

1級建築施工管理技士 躯体工事 コンクリート用化学混和剤

第5章 コンクリート工事 材料 

コンクリート用化学混和剤
コンクリート用化学混和剤は、JIS A 6204(コンクリート用化学混和剤)に規定されている。
【AE剤】
界面活性作用により微細な気泡(エントレインドエア)を連行させる混和剤で、規定されている項目を以下に示す。
・減水率
・凝結時間の差分
・圧縮強度比
・長さ変化比
・凍結融解に対する抵抗性
【AE減水剤】
セメントの分散作用と空気連行作用の双方を有する混和剤で、規定されている項目を以下に示す。
・減水率
・ブリーディング量の比
・凝結時間の差分
・圧縮強度比
・長さ変化比
・凍結融解に対する抵抗性
【高性能AE減水剤】
高い減水性能と優れたスランプ保持性能を有する混和剤で、規定されている項目は
AE減水剤の項目に加え、
スランプおよび空気量の経時変化量の規定がある。
・単位水量の低減を目的とした普通コンクリート、流動性の保持を目的とした高流動・高強度コンクリートには不可欠な混和剤。
・コンクリートの凝結時間を遅延させる効果もあるので、暑中コンクリートにも適している。
【高性能減水剤】
高い減水性能を有し、空気連行性や凝結遅延性はないので、使用量が増加しても空気量の増大や凝結が遅延することはなく、高強度コンクリートの製造に最適である。
【発泡剤】
特殊処理したアルミニウム粉末であり、その発泡作用でコンクリートを膨張させる。
その他、
コンクリート用化学混和剤協会のJIS A 6204規格参照