20章 その他の工事 11.表示

20章 ユニット及びその他の工事
02節ユニット工事等
20.2.11 表示
(1) 「標仕」20.2.11 (1)では、ガラススクリーンに対する対人衝突防止表示の形状、寸法、材質等は、特記によるとされている。
(2) 「標仕」20.2.11 (2)では、非常用進入口等の表示は、消防法に適合する市販品とし、適用は特記によるとされている。
なお、それらは関係する法令に従い設置しなければならない。
(3) 「標仕」20.2.11(3)では、室名札、ピクトグラフ、案内板等の形状、寸法、材質、色、書体、印刷等の種別、取付け形式等は、特記によるとされている。
(4) 表示・標識等の標準化されたものとして、JIS Z 8210(案内用図記号)が制定されている。

20章 その他の工事 12.タラップ

20章 ユニット及びその他の工事
02節ユニット工事等
20.2.12 タラップ
(1) 材料・仕上げ
(ア) 「標仕」20.2.12 (1)では、タラップに用いる金属材料の種類及び仕上げは、特記による。特記がなければステンレス製とし、研磨等の仕上げは行わなくてもよいと規定している。
(イ) 塗装については、18章による。
(2) 工法
(ア) 取付けに際して、ボルト及びナットを使用する場合は、昇降に際して手足に当らないように取り付ける。
(イ) タラップを屋外に取り付ける場合は、関係者以外に使用できないようにし、特に、子供の使用による不測の事故を防止する対策が必要であり、一般的には、最下段の踏子(足掛り)高さを床から2.0m程度とするのがよい。また、足掛り部は、スリップ止め加工とするのがよい。
なお、落下防止対策のための背もたれ付きのものもある。

20章 その他の工事 13.煙突ライニング

20章 ユニット及びその他の工事
02節ユニット工事等
20.2.13 煙突ライニング
(1) 材料
(ア) 「標仕」では、煙突用成形ライニング材は、実績等の資料を監督職員に提出すると規定している。次を参考にして選定するのがよい。
なお、適用安全使用温度は、接続する機械設備の排ガス温度等を基に特記される。
(a) 煙突用成形ライニング材は、ボイラー、冷温水発生機、自家用発電機、コジェネレーションシステムの排気煙突で使用されることを想定している。その他焼却設備等の排気煙突は、腐食性の高い排ガス成分を含む可能性があり、材料を過度に腐食劣化(はく離、脱落)させるおそれがあるため、別途材料・工法を検討する。
(b) 煙突用ライニング材として実績が多い材料は、ゾノトライト系けい酸カルシウムであるが、他に繊維積層成形ライニング材などの材料もあり、排ガス成分、排ガス温度に対して検証された材料を選定する。
(イ) キャスタブル耐火材
(a) キャスタブル耐火材は煙突底部に排水勾配をとるために使用する。
(b) キャスタブル耐火材は、煙突用ライニング材の製造所の指定する製品とする。
(2) 工 法
ボイラー等の機械設備は建物供用期間の中で更新され、排ガス諸元が変更となる事例が多い。その際、煙突継続使用可否調査を実施することになるが、結果、改修や更新を要する場合がある。改修や更新に対応可能な工法として、ユニット煙突も検討するのがよい。
ここではユニット煙突の工法について、参考に記載する。
(ア) ユニット煙突には、断熱及び煙突効果確保、また、煙突構造体保護のため、煙突用として製造されている成型ライニング材を使用する。
(イ) 煙突は、機械設備の排ガスを安全に大気放出するために、排気能力不足、漏煙、周囲の温度上昇について対策しなければならない。
(ウ) 煙突内径は、点検や改修を考慮し内部作業が可能なサイズが望ましい。煙突本体を撤去更新可能な場合はこの限りではない。
(エ) 煙突吹出し周辺に、排ガスの影響で不具合を発生するような設備、塔屋等がないかを確認する。近年では、数値流体解析技術によって熱拡散状況の検討も可能である。
(オ) 雨水の他、煙突内結露水の排水のため、煙突底部にはキャスタブル耐火材で排水勾配を取り排水管を設ける。キャスタブル耐火材施工後は十分な乾燥養生を行い、強度を確保する。
(カ) 煙突が屋外に設置される場合、寒冷地では点検口周囲に積雪することが予想される。除雪方法も検討するとよい。
(キ) 自家用発電機、コジェネレーションシステムは、機外静圧(背圧)を有するため、排ガスが高流速で煙突に流入する。煙突吹出しに向かって排ガスを誘導するために立上げエルボ又は整流板が必要となる場合がある。
(ク) 区画壁内空気層の換気方法は、下部からの流入空気量、空気層の通風抵抗、上部の排出抵抗を検討し決定する。また、流入空気量が確保されているか設備工事に確認する。
(ケ) 地震力、風圧力、躯体変形の条件は、建物の構造を基に決定する。それによる煙突の建物への反力は、煙突製造所に確認する。
(コ) 煙突の仕上げは、特記を確認する。排ガスが直接触れる部分は高温になるため、ステンレス(SUS304 同程度)が望ましい。

20章 その他の工事 14.ブラインド

20章 ユニット及びその他の工事
02節ユニット工事等
20.2.14 ブラインド
(1) 材料
(ア) 横形又は縦形のブラインドの形式は、「標仕」20.2.14 (1)(ア) では特記によるとしている。
(イ) 横形ブラインド
(a) 横形ブラインドとは、主にアルミニウム合金製のスラットを水平に組み立てたもので、スラットの角度が操作でき、かつ、スラットとボトムレールを昇降できるものをいう。一般窓用、傾斜窓用、天窓用、暗幕用等の種類がある。
(b) 「標仕」では、最も一般的な市販品を想定しているため、適用範囲も限られている。主要構成部分の材種に関しては、ヘッドボックス及びボトムレールは鋼製、アルミニウム合金製、スラットはアルミニウム合金製、樹脂製、木製等がある。「標仕」20.2.14(1)(イ) では、横形ブラインドはJIS A 4801(鋼製及びアルミニウム合金製ベネシャンブラインド)に適合するもので特記によるとされており、特記がない場合はスラットは成形幅25mmのアルミニウム合金製で、ヘッドボックス及びボトムレールの材種は鋼製としている。成形幅35mm及び 50mmのスラットも一般的にはよく使用している。
(c) JIS A 4801における操作方法による横形ブラインドの種類を表20.2.10に示し、その構造を図20.2.10に示す。ただし、「標仕」20.2.14(1)(イ) では、特記がない場合は、ギヤ式と規定している。
表20.2.10横形ブラインドの種類及び記号(JIS A 4801 : 2008)
表20.2.10_横形ブラインドの種類及び記号(JIS A 4801).jpg
図20.2.10_横形ブラインドの構造(JASS26)ギヤ式.jpg図20.2.10_横形ブラインドの構造(JASS26)コード式.jpg
図20.2.10_横形ブラインドの構造(JASS26)操作棒式.jpg 図20.2.10_横形ブラインドの構造(JASS26).jpg
図20.2.10 横形ブラインドの構造(JASS 26一部修正)
(d) JIS A 4801のスラットの形状及び寸法を、表20.2.11に示す。
表20.2.11 横形ブラインドのスラットの形状及び寸法(JIS A 4801 : 2008)
表20.2.11_横形ブラインドのスラットの形状及び寸法(JIS A 4801).jpg
(ウ) 縦形ブラインド
(a) 縦形ブラインドとは、ヘッドレールに組み込まれた複数のキャリアーにスラットを吊り下げたもので、スラットの開閉、角度調整ができるものをいう。
(b) 「標仕」20.2.14(1)(ウ)では、幅及び高さ並びに開閉方式及び操作方法は、特記によるとされている。特記がなければ、操作方法は、2本操作コード方式とする。スラットは焼付け塗装仕上げのアルミスラット又は消防法で定める防炎性能表示がある特殊樹脂加工のクロススラットとし、適用及び幅は特記によるとされている。
(c) 縦形ブラインドの開閉方式による分類を、表20.2.12及び図20.2.11に示す。
表20.2.12 縦形ブラインドの開閉方式による分類(JASS 26より)
表20.2.12_縦形ブラインドの開閉方式による分類(JASS26).jpg
図20.2.11_縦形ブラインドの開閉方式による構成(片開き方式).jpg図20.2.11_縦形ブラインドの開閉方式による構成.jpg
図20.2.11 縦形ブラインドの開閉方式による構成
(d) 縦形ブラインドの操作方法による分類を、表20.2.13及び図20.2.12に示す。
表20.2.13 縦形ブラインドの操作方法による分類(JASS 26より)
表20.2.13_縦形ブラインドの操作方法による分類(JASS26).jpg
図20.2.12_縦形ブラインドの操作方法による構成(1本操作コード方式).jpg
 図20.2.12_縦形ブラインドの操作方法による構成(2本操作コード方式).jpg
図20.2.12 縦形ブラインドの操作方法による構成(JASS 26より)
(2) 工法
(ア) ブラインドの目的は、主として遮光及び遮へいであるが、施工の納まり等のため、設計図書に指定された寸法のままでは現場に合わないことがある。そのため、
「標仕」20.2.14(2)では、ブラインドの製作寸法は現場実測寸法と規定している。
なお、横形ブラインド並びに縦形ブラインドの取付け方法による実測方法を図
20.2.13及び図20.2.14に示す。
(イ) 図20.2.13(ロ)の窓枠を覆う納まりの場合、窓の開放時に横型ブラインドが風にあおられると、ボトムレールが膳板にあたり音を発することがあるが、この場合はボトムレールをぜん板より下げるとよい。
図20.2.13_横形ブラインドの取付け方法と実測方法の関係(JASS26)(イ).jpg
図20.2.13_横形ブラインドの取付け方法と実測方法の関係(JASS26)(ロ).jpg
図20.2.13_横形ブラインドの取付け方法と実測方法の関係(JASS26)(ハ).jpg
図20.2.13_横形ブラインドの取付け方法と実測方法の関係(JASS26)(ニ).jpg
図20.2.13 横形ブラインドの取付け方法と実測方法の関係(JASS 26より)
図20.2.14_縦形ブラインドの取付け方法と実測方法の関係(片開きの場合).jpg
図20.2.14_縦形ブラインドの取付け方法と実測方法の関係(両開きの場合).jpg
図20.2.14_縦形ブラインドの取付け方法と実測方法の関係(操作部をよける場合).jpg
図20.2.14_縦形ブラインドの取付け方法と実測方法の関係(たたみしろを残さない場合).jpg
図20.2.14_縦形ブラインドの取付け方法と実測方法の関係(ガラスコーナー窓の場合).jpg
② 高さ(H)
図20.2.14_縦形ブラインドの取付け方法と実測方法の関係(膳板がある場合).jpg図20.2.14_縦形ブラインドの取付け方法と実測方法の関係(ブラインドボックスがない場合).jpg
図20.2.14_縦形ブラインドの取付け方法と実測方法の関係(膳板がない場合).jpg 図20.2.14_縦形ブラインドの取付け方法と実測方法の関係(採寸時の注意).jpg
図20.2.14 縦形ブラインドの取付け方法と実測方法の関係(JASS 26より)

20章 その他の工事 15.ロールスクリーン

20章 ユニット及びその他の工事
02節ユニット工事等
20.2.15 ロールスクリーン
(1) ロールスクリーンとは、巻取りパイプにスクリーンを取り付けたもので、スクリーンの巻上げ、巻下ろし及び任意の高さでの停止ができるものをいう。
(2) 「標仕」20.2.15(1)では、ロールスクリーンの操作方式、幅及び高さは特記によるとされている。
(3) ロールスクリーンの操作方式による分類を、表20.2.14及び図20.2.15に示す。
表20.2.14 ロールスクリーンの操作方式による分類(JASS 26より)
表20.2.14_ロールスクリーンの操作方式による分類(JASS26).jpg
図20.2.15_ロールスクリーンの操作方式による構成(JASS26).jpg
図20.2.15 ロールスクリーンの操作方式による構成(JASS 26より)
(4) スクリーンの材種を、表20.2.15に示す。「標仕」では、スクリーンは防炎性能の表示があるものとし、材種、品質等は特記によるとされている。
表20.2.15 スクリーンの材種
表20.2.15_スクリーンの材種.jpg
(5) スクリーンの品質、柄、色合等を特記仕様料だけで正確に表現することは困難であるため、色見本を提出させ、必要に応じて設計担当者と打ち合わせて確認する。
(6) ロールスクリーンの目的は、主として遮光及び遮へいであるが、施工の納まり等のため、設計図書に指定された寸法のままでは現場に合わないことがある。そのため、「標仕」20.2.15(5)では、ロールスクリーンの取付け幅及び高さの製作寸法は、現場実測寸法としている。ロールスクリーンの実測方法を図20.2.16に示す。
図20.2.16_ロールスクリーンの実測方法(窓枠の内側).jpg
図20.2.16_ロールスクリーンの実測方法(窓枠の外側).jpg
図20.2.16 ロールスクリーンの実測方法(JASS 26一部修正)

20章 その他の工事 16.カーテン及びカーテンレール

20章 ユニット及びその他の工事
02節ユニット工事等
20.2.16 カーテン及びカーテンレール
(1) 形状、付属金物等
(ア) 「標仕」20.2.16(1)(ア) では、カーテンのシングル・ダブルの別、片引き・引分け等の形式、開閉操作方法は、特記によるとされている。
(イ) カーテンの開閉形式、開閉機構及び機能による種類は、表20.2.16のとおりである。
表20.2.16 形式、機構等によるカーテンの分類
表20.2.16_形式、機構等によるカーテンの分類.jpg
(ウ) カーテンの生地による分類を、図20.2.17に示す。
図20.2.17_カーテンの生地による分類.jpg
図20.2.17 カーテンの生地による分類
(ウ) カーテン等の部分名称を、図20.2.18に示す。
図20.2.18_カーテン等の部分名称.jpg
図20.2.18 カーテン等の部分名称
(エ) 「標仕」20.2.16 (1)(ウ) でいう「カーテンが別途工事の場合」とは、カーテンは後で別途に取り付けられるが、工事ではカーテンレールだけを発注する場合で、レールの取付け(ランナーを含む。)だけが発注された工事という意味である。
その場合、レール1m当たり8個のランナーを取り付ける。
(2) 材 料
(ア) 生地
(a) カーテン用生地の品質、柄、色合等を特記仕様書だけで正確に表現することは困難であるため、生地の色見本を提出させ、必要に応じて設計担当者と打ち合わせて確認する。
なお、ホルムアルデヒド放散量に関しては、関係業界団体等が自主基準を作成し、これに基づきホルムアルデヒド発散等級を表示しているものもある。
(b) 防炎加工
① カーテン用生地は、「標仕」20.2.16(2)(ア) では、全て消防法第8条の3(高層建築物、地下街等に使用する防炎対象物品の防炎性能)に定める防炎性能の表示があるものと規定しているため、誤りのないようにする。
② 防炎加工の施されていない生地を指定し、後から防炎加工を行うと変色したり、色合が変わったりすることがあるため注意する。
③ 防炎加工は、生地の製造業者が直接行うものと、加工業者が行うものとがあるが、いずれも消防法による加工資格のある者が加工したものとし、製品には全て防炎ラベルを付けるように規定されている。
(イ) カーテンレール及びその付属金物
(a) カーテンレールは、「標仕」20.2.16(2)(イ) で、JIS A 4802(カーテンレール(金属製))に基づき、レール及びブラケットの強さによる区分、レールの材料による区分は特記による。特記がなければ、レール及びブラケットの強さによる区分は10-90、レールの材料による区分はアルミニウム及びアルミニウム合金の押出し成型材とすると規定している。カーテンレールの構成部品等の例を図20.2.19に示す。
図20.2.19_カーテンレールの構成部品の例(各部の名称).jpg
図20.2.19_カーテンレールの構成部品の例(電動シングルセット).jpg
図20.2.19_カーテンレールの構成部品の例(交差ランナー仕様).jpg
図20.2.19_カーテンレールの構成部品の例(レール交差仕様).jpg
手動ひも引きシングルセット
図20.2.19_カーテンレールの構成部品の例(伸縮吊り棒仕様).jpg
図20.2.19_カーテンレールの構成部品の例(固定吊り棒仕様).jpg
図20.2.19 カーテンレールの構成部品等の例
(b) 市販されているカーテンレールの断面形状及び取付け方法には、図20.2.20のようなものがある。
図20.2.20_カーテンレールの断面形状.jpg
図20.2.20_カーテンレールの取付け方法の例.jpg
図20.2.20 カーテンレールの断面形状及び取付け方法の例
(c) JIS A 4802に定められている強さによる区分を、表20.2.17に示す。
表20.2.17 レール及びブラケットの区分(JIS A 4802 : 2008)
表20.2.17_レール及びブラケットの区分(JIA A 4802).jpg
(3) 工法
(ア) カーテンの加工仕上げ
(a) カーテンの寸法
① カーテン用生地幅は、1m及び1.5mが標準である。生地の幅使いは、ひだの種類によって、違ってくるため、「標仕」表20.2.1では、取付け幅に対する倍数を規定している。
「標仕」20.2.16(3)(ア) (a)では、カーテンの位置、形状により、使用できる生地の半幅未満の例外規定を設けているが、特に小さい窓幅の場合等、ひだの種類により生地の割付け長さと取付け幅が合わない場合や、カーテンレール及びカーテンボックスの長さの調整又は端部の隣り合う生地の模様を合わせるなどの場合は注意が必要である。
② 通常用いられるひだの形状は、図20.2.21のようなものがある。
図20.2.21_ひだの形状.jpg
図20.2.21 ひだの形状
③ ひだの作り方は、通常次のとおりである。
1) 厚地(ドレープ):片ひだ、二つ山ひだ、三つ山ひだ
2) 薄物:箱ひだ(豪華に見せるため)
3) ケースメント:プレーンひだ
4) レース
・レースカーテンを単独で使用する場合:三つ山ひだ(美しく見せるため)
・ドレープカーテンと併用する場合:箱ひだとし、上端を押えミシン掛けする(図20.2.22参照)。
5) 暗幕用カーテン:片ひだ、二つ山ひだ
図20.2.22_レースカーテンの箱ひだ.jpg
図20.2.22 レースカーテンの箱ひだ
(b) 幅継ぎ加工の方法を、図20.2.23及び図20.2.24に示す。
① レースカーテンの幅継ぎ
図20.2.23_インターロックミシンでの縫い方(縫い合わせ前).jpg図20.2.23_インターロックミシンでの縫い方(縫い合わせ後).jpg
図20.2.23 インターロックミシンでの縫い方
② 厚地カーテン及び暗幕用カーテンの幅継ぎ
図20.2.24_袋縫い(くるみ縫い)(縫い合わせ前).jpg図20.2.24_袋縫い(くるみ縫い)(縫い合わせ後).jpg
図20.2.24 袋縫い〈くるみ縫い〉
(c) 縁加工
① 上端の縫い方は、カーテンのポイントであるといわれている。芯地を入れて、通常は図20.2.25のように縫う。
折返しにはフックを差し込むため、フックの長さによって折返しの長さを変える。短いフックの場合は30~40mm、長いフックの場合は60~100mm位である。通常使われているフックは、50~75mm程度のものである。
図20.2.25_カーテン縁加工(カーテン生地レースカーテンの場合).jpg図20.2.25_カーテン縁加工(レースカーテンの場合).jpg
図20.2.25_カーテン縁加工(カーテン生地厚地の場合).jpg図20.2.25_カーテン縁加工(厚地の場合).jpg
図20.2.25 カーテン縁加工
② 両脇及びすそのふせ縫いは、表20.2.18のとおりである。
表20.2.18 ふせ縫い
表20.2.18_ふせ縫い.jpg
(d) タッセルバンド
フレンジ(縁飾り)を付けたものには、既製のバンドを取り付けるが、その他のカーテンには、カーテンと共布で作ったものを取り付ける。
タッセルバンドの標準的なものは、図20.2.26のようなものであり、そのほかにも豪華な装飾的なものもある。
図20.2.26_タッセルバンド(芯地).jpg図20.2.26_タッセルバンド.jpg
図20.2.26 タッセルバンド
(イ) カーテンレール
(a) 引分けカーテンでレールが1本の場合は、交差ランナーを用いないと召合せが取れなくなる。また、暗幕カーテンを用いる場合は、2本のレールを300mm以上交差させることで十分な召合せが取れ、光漏れを防ぐことができる(図 20.2.19参照)。
(b) カーテンをひも引きにする場合、ランナーにひもが絡まり開閉に支障を来すことがあるが、テンションプーリー(ひも留め)を用いると支障なく操作できる(図20.2.19参照)。
(c) 壁付きの装飾的なカーテンレール等を取り付けることが想定される場合には、取付け用の下地補強を行う。
(d) 中間吊りレール(H型)は、固定吊り棒又は伸縮吊り棒を用いて取り付ける。伸縮吊り棒を用いる場合は、振れ止め防止のため、必要に応じて2本吊り(V 字型)にして取り付ける(図20.2.19参照)。
(ウ) ひも掛け金物は、ひも引きカーテンのひもを留めるためのものである。

20章 ユニット工事 3節 プレキャストコンクリート工事

20章 ユニット及びその他の工事
03節 プレキャストコンクリート工事
20.3.1 適用範囲
(a) 「標仕」20.3.1で定められているものは、簡易な製品だけであり、プレキャスト鉄筋コンクリート造等の製品については別に仕様を定める必要がある。
(b) 作業の流れを図20.3.1に示す。
図20.3.1_プレキャストコンクリート工事の作業の流れ.jpeg
図20.3.1 プレキャストコンクリート工事の作業の流れ
(c) 製作工場の決定
この種の製品の製作工場は、通常小規模なところが多いが、製品の量、難易度等に応じて、製作工場の規模等を考慮する必要がある。
(d) 施工計画書の記載事項は、おおむね次のとおりである。なお、赤文字を考慮しながら品質計画を検討する。
① 工程表(製作図の作成、製作、取付け、完了等の時期)
② コンクリートの所要強度、材料及び調合
③ 鉄筋、鉄線、溶接金網の規格等
④ 型枠の材料及び組み方
⑤ 養生方法(コンクリート、製品)
⑥ 工場現場での取付け工法
⑦ 構造計算書・その他
⑧ 作業のフロー、管理の項目・水準・方法、品質管理体制・管理責任者、品質記録文書の書式とその管理方法等
(e) 製作図には鉄筋、取付け金物等も記入し、コンクリートの充填、取付け等に無理のないようにする。
(f) 数多く製作する場合で、特に良い仕上り面を必要とするときは、コンクリートの試し練りを行い、試作をして仕上り面を検討する。
20.3.2 材 料
(a) 「標仕」20.3.2では、コンクリートは、「標仕」表6.2.1のI類又はⅡ類としている。また、コンクリートの材料は、「標仕」6章3節によることとしている。
(b) 「標仕」20.3.2では、鉄筋は、「標仕」5章2節によることとしている。また、補強鉄線は、該当するJISによることとしている。
20.3.3 製 作
(a) コンクリートの調合
コンクリートの調合は、「標仕」20.3.3(a)を満足するコンクリートの調合計画書を作成する。スランプは「標仕」20.3.3(a)(2)では12cm以下としている。
(b) 型枠の組立
型枠は、「標仕」20.3.3(b)及び(c)によるほか、形状寸法が正しく保持されて脱型が容易にでき、強度が十分なものとする。
(c) 鉄筋の組立
組立に当たっては、製作図を作成し正しく加工し組み立てる。
(d) コンクリートの打込み
(1) コンクリートの打込みに先立ち、型枠や取付け金物類についても位置、固定方法について確認を行う。
(2) コンクリートの打込みに先立ち、型枠の内部を清掃する。
(3) コンクリートは材料が分離しないよう運搬する。
(4) コンクリート打込みには振動機を適切に使う必要があるが、細部については手作業により確実に充填及び締固めを行う。
(e) 取付け金物
取付け金物は、鉄筋に結束するだけでは、コンクリート打込み中に位置がずれてしまうことがあるので、型枠に補助材等を取り付けて確実に固定する。
20.3.4 養生その他
(a) 打込み後の養生は、必要に応じて蒸気養生等とする。
(b) 製品の保管には支持台を用いるが、十分な強度の発現を確認するまでは、積み上げないようにする。
(c) 製品は、運搬中に損傷する例が多いので、適切な養生等により衝撃を避け、無理な積込み、積降ろしをしないようにする。

20章 ユニット工事 4節 間知石及びコンクリート間知ブロック積み

20章 ユニット及びその他の工事
04節 間知石及びコンクリート間知ブロック積み
20.4.1 適用範囲
(a) 「標仕」では、適用範囲を「比較的土圧等の小さい場合」の練積みとしており、次のような点に留意する必要がある。
(1) この節は、一般的な建築工事に伴う比較的小規模で土圧等が小さく、かつ、建築基準法や宅地造成等規制法(以下「宅造法」)の適用を受けない高さ2m以下の擁壁を対象としている。
なお、配置、断面寸法等については特記されていることが前提である。
(2) 高さ2mを超える擁壁(鉄筋コンクリート造、練積み造等)については、平成 12年建設省告示第1449号で宅地造成等規制法施行令と関連させ、構造計算等に関する技術基準が定められているので、設計者は、構造安全性について検討し、設計図書を作成(特記)しなければならない。
(3) 宅造法における擁壁の設置義務は、高さが2mを超える切土、1mを超える盛土及び2mを超える切・盛土の場合としている。ただし、切土で勾配が緩い場合等は除外されている。
(4) これらのことから、高さが2m以下の擁壁であっても、背面地盤が盛土の場合や地表面に大きな積載荷重が加わる場合等は、土圧が大きくなるので、必要に応じて安全性の検討を行い設計図書を作成する必要がある。
なお、安全性等の検討に関する参考文献としては,(-社)日本建築学会「建築基礎構造設計指針」等がある。
(b) 作業の流れを図20.4.1に示す。
図20.4.1_間知石及びコンクリート間知ブロック積み工事の作業の流れ.jpeg
図20.4.1 間知石及びコンクリート間知ブロック積み工事の作業の流れ
(c) 一般事項
(1) がけ崩れ又は土砂の流出を生じるおそれのある敷地は、災害防止のため法面の保護、擁壁、排水施設等が必要になる。敷地の造成に際しては、宅造法等の規制を受ける場合があり、擁壁についても同法に構造等が定められている((a)参照)。
(2) 擁壁各部の名称を図20.4.2に示す。
図20.4.2_擁壁各部名称.jpeg
図20.4.2 擁壁各部名称
(3) 宅地造成等規制法施行令の抜粋を次に示す。
宅地造成等規制法施行令
(昭和37年1月30日 政令第16号 最終改正平成23年12月26日 )
第6条 (擁壁の設置に関する技術的基準)
法第9条第1項の政令で定める技術的基準のうち擁壁の設置に関するものは、次のとおりとする。
一 切土又は盛土(第3条第四号の切土又は盛土を除く。)をした土地の部分の生ずる崖面で次に掲げる崖面以外のものには擁壁を設置し、これらの崖面を覆うこと。
イ.切土をした土地の部分に生ずる崖又は崖の部分であって、その土質が別表第1左欄に掲げるものに該当し、かつ、次のいずれかに該当するものの崖面
(1) その土質に応じ勾配が別表第1中欄の角度以下のもの
(2) その土質に応じ勾配が別表第1中欄の角度を超え、同表右欄の角度以下のもの
(その上端から下方に垂直距離5m以内の部分に限る。)
ロ.土質試験その他の調査又は試験に基づき地盤の安定計算をした結果崖の安定を保っために擁壁の設置が必要でないことが確かめられた崖面
二 前号の擁壁は、鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造又は間知石練積み造その他の練積み造のものとすること。
2 前項第一号イ(1)に該当する崖の部分により上下に分離された崖の部分がある場合における同号イ(2)の規定の適用については、同号イ(1)に該当する粒の部分は存在せず、その上下の崖の部分は連続しているものとみなす。
第8条 (練積み造の擁壁の構造)
第6条の規定による間知石練積み造その他の練積み造の擁整の構造は、次に定めるところによらなければならない。
一 擁壁の勾配、高さ及び下端部分の厚さ(第1条第5項に規定する擁壁の前面の下端以下の擁壁の部分の厚さをいう。別表第4において同じ。)が、崖の土質に応じ別表第4に定める基準に適合し、かつ、擁壁の上端の厚さが、擁壁の設置される地盤の土質が、同表左欄の第一種又は第二種に該当するものであるときは40cm以上、その他のものであるときは70cm以上であること。
二 石材その他の組積材は、控え長さを30cm以上とし、コンクリートを用いて一体の擁壁とし、かつ、その背面に栗石、砂利又は砂利混じり砂で有効に裏込めすること。
三 前2号に定めるところによっても、崖の状況等によりはらみ出しその他の破壊のおそれがあるときは、適当な間隔に鉄筋コンクリート造の控え堅を設ける等必要な措置を講ずること。
四 擁整を岩盤に接着して設置する場合を除き、擁壁の前面の根入れ深さは、擁壁の設置される地盤の土質が別表第4左欄の第一種又は第二種に該当するものであるときは擁壁の高さの15/100(その値が35cmに満たないときは、35cm)以上、その他のものであるときは擁壁の高さの20/100(その値が45cmに満たないときは、45cm)以上としかつ、擁壁には、一体の鉄筋コンクリート造又は無筋コンクリート造で、擁壁の滑り及び沈下に対して安全である基礎を設けること。(別表第4省略)
第10条(擁壁の水抜穴)
第6条の規定による擁壁には、その裏面の排水を良くするため、壁面の面積 3m2以内ごとに少なくとも1個の内径が7.5cm以上の陶管その他これに類する耐水性の材料を用いた水抜穴を設け、かつ、擁壁の裏面の水抜穴の周辺その他必要な場所には、砂利その他の資材を用いて透水層を設けなければならない。
別表第1 (第6条関係)
別表第1(第6条関係).jpeg
宅地造成等規制法施行令
20.4.2 材 料
(a) 間知石
(1) 間知石については、JIS A 5003(石材)でその品質が定められているが、市販品はこの規定に合わないものが多い。そのため「標仕」20.4.2 (a)では、JIS A 5003を適用しないで市販品を使用できるようにしている。両者の最も相違するのは控え長さで、JISでは面の最小辺の1.5倍としているのに対して「標仕」では1.2倍以上としている。
(2) 間知石の材質は、花こう岩が多く、凝灰岩、安山岩が使われることもある。また、面は割肌〈野面〉が一般的である。
(3) 合端の仕上げには、げんのう、こやすけ、グラインダー等を用いる。
(b) コンクリート間知ブロック
JIS A 5371(プレキャスト無筋コンクリート製品)推奨仕様D-1[積みブロック]の抜粋を次に示す。
なお、間知ブロックの寸法等については、製造所等によるばらつきが大きいため、JISでは推奨仕様としている。
JIS A 5371: 2010
推奨仕様D-1 積みブロック
D-1.2 種 類
積みブロックの種類は、質量区分及び面の形状によって、推奨仕様D-1表1のとおり区分する。
推奨仕様D-1 表1- 積みブロックの種類
推奨仕様D-1表1-積みブロックの種類.jpeg
D-1.3 性 能
積みブロックは、D-1.5に規定する圧縮強度試験を行い、性能の保証となる圧縮強度が所定の材齢において、18N/mm2以上でなければならない(D-1.5省略)。
D-1.4 形状、寸法及び寸法の許容差
積みブロックの形状、寸法及び寸法の許容差は、推奨仕様D-1 表2による。
積みブロックの形状、寸法及び許容差.jpeg
推奨仕様 D-1 表2-積みブロックの形状、寸法及び寸法の許容差
推奨仕様D-1表2-積みブロックの形状,寸法及び寸法の許容差.jpg
JISA 5371: 2010
20.4.3 工 法
(a) 間知石積み
(1) 遣方(ちょうはり)は、石積みの前面に法遣方を設け段割りをつける(図20.4.3参照)。
図20.4.3_ちょうはり(遣方)の概要.jpeg
図20.4.3 ちょうはり(遣方)の概要
(2) 間知石及びかい石は使用前に泥土等を洗い落としておく。
(3) 根石は石積みの基準になるので、遣方に正しく合わせ、すわりよく加工して隣接石に合端を密着させ、かい石を確実に施工する。
(4) 谷積み(練積みの場合)は図20.4.4及び5並びに次の事項により行う。
図20.4.4_谷罪み.jpeg
図20.4.4 谷積み
図20.4.5_練積み.jpeg
図20.4.5 錬積み
(i) 遣方の段割りによって、水平水糸で石の先端を合わせ、谷の寸法をできるだけそろえるように配置する。その際、浮き石、崩壊のおそれのある部位は、事前に取り除く。
谷の不ぞろいは石の大小で調整し、高さの調整は3段以内で行うようにする。
(ii) 間知石はすわりをみて選定し、合端はげんのう払いを行い、げんのうでから打ちして隣接石に密着させ、面を正しく遣方に合わせ、法面がはみ出さないようにする。
(iii) かい石を堅固にかい込み,法面に直角に据える。
(iv) コンクリートの充填前に適宜散水して、1段ごとに胴込め及び裏込めコンクリートを充填する。その際、間知石等の間から、モルタル分が出てくるまで、バイブレーターで十分締め固める。また、コンクリートは、法肩側からシュートを用いて打ち込むことも多いが、生コン車を法肩一杯まで近寄せないよう、更にシュートを保持している作業員が法肩を乱さないよう留意する。
(v) 1日の積上げ高さは 1.2m以内とし、工事半ばの積終わりは段形とするよう「標仕」20.4.3(c)(7)に定められている。
(vi) 充填したコンクリートは、シート等で覆い、適宜散水して養生を行う。
(ⅶ) 水抜きは、設計図書に示す位置に、適宜勾配を付けて石積みを貫通し、前面は石面より30mm程度突き出し、裏込め側はコンクリート面に合わせて設ける。
また、水抜き管の元部に土砂流出防止マット200 × 200 (mm)や、流出防止キャップを設け、0.1 m2程度の砂利又は砕石をおく。
なお、「標仕」20.4.3(c)(11) の水抜きは、径50mm以上の硬質ポリ塩化ビニル管としているが、宅造法では内径7.5cm以上の陶管等としているので、宅造法の適用を受ける場合は注意が必要である。
(ⅷ) 天端均しコンクリートは、裏込めコンクリートと同時に施工して、間知石等の仕上げ面を天端コンクリートにたまった土砂や雨水等により汚さないように、適宜勾配を付ける。
(ix) 裏込め側の型枠を取り外し、埋戻しと併行して砂利等で透水層を設ける。
(x) 必要に応じて目塗りを見ばえよく行う。目塗りとは、間知石の合端に沿ってモルタルを太く塗り付けることをいう。
(5) 布積み
図20.4.6及び次により行う。
図20.4.6_布積み.jpeg
図20.4.6 布積み
(i) 間知石の加工及び組積の方法は、谷積みに準じて行う。
(ii) 横目地は、傾斜、湾曲等しないようにし、縦目地はいも目地にならないようにする。
(b) コンクリート間知ブロック積み
(1) 間知ブロック積みの組積方法は、間知石の練積みと同様に行う。
(2) ブロック位置を調整する場合、目地に合わせる場合等の目的で、げんのうでたたくとブロックが破損するので金てこ〈バール〉、鉄棒等を使用する。
20.4.4 養 生
(a) 夏期で直射日光がコンクリート面に当たるような場合等は、コンクリート面をシート等で覆い、適宜散水養生を行う。また、冬期で気温が 0℃以下になると予想される場合は、コンクリート露出面及び隙間を、 シート等で覆う。
(b) 硬化初期のコンクリートが、有害な振動や外力による悪影響を受けないようにする。特に、施工箇所付近での重機作業に伴う振動等に対しては、コンクリートに影響を与えないように十分配慮する。

20章 ユニット工事 5節 敷地境界石標

20章 ユニット及びその他の工事
5節 敷地境界石標
20.5.1 一般事項
(a) 「標仕」では規定されていないが、敷地境界の確認は重要事項であるため、敷地境界石標の設置について、次に示す。
(b) 石標を設置する場合には、境界がすべて確定しているかどうかを財産管理部局の管理責任者に確かめる必要がある。
境界が確定していない場合には、財産管理部局の管理責任者に、確定してもらわなければならない。
なお、土地の境界に対する主な法令には、次のようなものがある。
(1) 民法(第2編 物権 第3章 所有権)
(2) 国有財産法(第3章の2 立入り及び境界確定)
(3) 国有財産法施行令(第2章の2 立入り及び境界確定)
(4) 各省庁の所管国有財産取扱規則(例えば、国土交通省所管国有財産取扱規則第2章の2 境界の設定)
(c) 石標設置のための立会い
石標を設置する場合は、あらかじめ財産管理部局の管理責任者及び隣地所有者と十分打合せのうえ日時を定め、監督職員を含めて関係者の立会いを受けて、境界点の確認をしなければならない。
なお、立会いを受ける関係者とは、次の者をいう。
(i) 財産管理部局の管理責任者
(ii) 隣地所有者
(iii) 道路管理者
(iv) 監督職員
(v) 受注者等
隣地所有者は複数の場合もある。また、隣地が道路の場合は、道路管理者の立会いが必要であるので、連絡もれのないようにしなければならない。
立会いには、石標の位置、材質等を記載した図書を作成し、立会者の署名なつ印を受け、立会い状況の写真を写しておき、相互に保管して、将来のトラブルを防止する必要がある。
(d) 石標を設置するには、隣地に立ち入る必要があるので、あらかじめ了解を得ておかなければならない。隣地所有者の了解を得られない場合は、図20.5.1(ト) のように隣地に石標が食い込まないようにし、また、了解を得た場合は、図20.5.1(イ)のように設置する。
また、作業に当たっては、隣地所有者に障害を与え、賠償請求を受けることのないように十分に配慮する。
(e) 道路等で、石標が突出していて危険な場合には、路面等と平らにする。
20.5.2 材 料
(a) 境界石標には、花こう岩類の石材とコンクリートブロック製の既製品があるが、一般的には、コンクリートブロック製の既製品が用いられる。
(b) 花こう岩類の石材を用いる場合の形状・寸法の例を図20.5.1に示す。また、文字、記号等についても、図20.5.1を参考とする。石標の側面にある数字は、石標の番号であり、財産管理部局の責任者と打ち合わせ、必要がなければ省略してよい。
既製品を用いる場合は、なるべく図20.5.1に準じた記号のあるものを用いるようにする。
図20.5.1_石標配置及び詳細図の例.jpeg
図20.5.1 石標配置及び詳細図の例
20.5.3 工 法
石標の設置は、根切り底を十分に突き締めたうえ、厚さ60mmの砂利地業を行い、コンクリートで根巻きして建て込み、移動・沈下等のないよう確実に施工する。
なお、コンクリートの調合は、容積比でセメント1 :砂 2:砂利 4 程度とする。
参考文献
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