1級建築施工管理技士 令和04年 学科 問題5 解説

令和4年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題5

(午前の部)令和4年6月 12 日(日)

 問題番号 [ No.40 ] ~ [ No.44 ]までの5問題は、全問題を解答してください。

[ No.40 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 仮設の照明設備において、常時就業させる場所の作業面の照度は、普通の作業の場合、100ルクス以上とする計画とした。

2. 傾斜地に設置する仮囲いの下端の隙間を塞ぐため、土台コンクリートを設ける計画とした。

3. 前面道路に設置する仮囲いは、道路面を傷めないようにするため、ベースをH 形鋼とする計画とした。

4. 同時に就業する女性労働者が 25人見込まれたため、女性用便房を2個設置する計画とした。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

労働者を常時就業させる場所の作業面の照度は、作業区分に応じて維持しなければならない。普通の作業の場合は150 lx以上としなければならない。(労働安全衛生規則第604条)

2.◯

傾斜地に設置する仮囲いの下端に隙間が生じた場合、隙間を塞ぐため土台コンクリートや木製の幅木等を設けることとする。

3.◯

前面道路に設置する仮囲いは、道路面を傷めないようにするため、道路に接触する下部は H形鋼等を用いて保護する。

4.◯

女性用便房に関しては、労働安全衛生規則第628条第1項第四号、20人を超えた場合の便房の数は、「1に、同時に就業する女性労働者が 20人を超える、20人又はその端数を増すごとに1を加えた数」とあり、女性用便房を2個設置する計画は適切である。

[ No.41 ]
仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 工事用の動力負荷は、工程表に基づいた電力量山積みの 50% を実負荷とする計画とした。

2. 工事用の給水設備において、水道本管からの供給水量の増減に対する調整のため、2時間分の使用水量を確保できる貯水槽を設置する計画とした。

3. アースドリル工法による掘削に使用する水量は、1台当たり 10 m3/h として計画した。

4. 工事用電気設備のケーブルを直接埋設するため、その深さを、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所を除き 60cm以上とし、埋設表示する計画とした。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

工事用の動力負荷は、工事用電力使用工程表に基づいた動力電力量の山積みによる計算負荷の60%を実負荷として計画する。(建築工事監理指針)

2.◯

水道本管からの供給水量の増減に対する調整のため、工事用の給水設備には、2時間分程度の使用水量を確保できる容量の貯水槽を設置する計画とする。

3.◯

アースドリル工法による掘削に使用する水量は、掘削速度などによって異なるが、計画の目安は1台当たり 10m3/h である。(JASS2)

4.◯

道路法施行令第11条の2第1項第二号ロにより、「電線の頂部と路面との距離が、保安上又は道路に関する工事の実施上の支障のない場合を除き、車道にあっては 0.8m、歩道(歩道を有しない道路にあっては、道路の幅員の3分の2に相当する路面の中央部以外の部分。)にあっては0.6mを超えていること。」と規定があることから、工事用電気設備のケーブルを直接埋設するため、その深さを、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所を除き 60cm以上とし、埋設表示する計画とする。

[ No.42 ]
施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. コンクリート躯体工事において、現場作業の削減と能率向上により工期短縮が図れるプレキャストコンクリート部材を使用する計画とした。

2. 大規模、大深度の工事において、工期短縮のため、地下躯体工事と並行して上部躯体を施工する逆打ち工法とする計画とした。

3. 鉄骨工事において、施工中の粉塵の飛散をなくし、被覆厚さの管理を容易にするため、耐火被覆をロックウール吹付け工法とする計画とした。

4. 既製杭工事のプレボーリング埋込み工法において、支持層への到達の確認方法として、掘削抵抗電流値と掘削時間を積算した積分電流値を用いる計画とした。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

現場作業の削減と能率向上により工期短縮が図れるプレキャストコンクリート部材を使用する計画は適切である。

2.◯

地下躯体工事と並行して上部躯体を施工する逆打ち工法は、大規模、大深度の工事において、工期短縮に有効計画である。

3.×

鉄骨工事の耐火被覆工事において、吹付け工法は、施工中の粉塵が飛散しやすく被膜厚さの管理しにくいので、施工中の粉塵の飛散をなくし、被覆厚さの管理を容易にするためには、耐火被覆は成形板工法や巻き付け工法を計画する。

4.◯

既製杭工事のプレボーリング埋込み工法において、オーガー駆動装置の電流値や積分電流値の上昇変化・波形変化により支持層への到達を判断することができる。

[ No.43 ]
建設業者が作成する建設工事の記録に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 過去の不具合事例等を調べ、あとに問題を残しそうな施工や材料については、集中的に記録を残すこととした。

2. デジタルカメラによる工事写真は、黒板の文字や撮影対象が確認できる範囲で有効画素数を設定して記録することとした。

3. 既製コンクリート杭工事の施工サイクルタイム記録、電流計や根固め液等の記録は、発注者から直接工事を請け負った建設業者が保存する期間を定め、当該期間保存することとした。

4. 設計図書に示された品質が証明されていない材料については、現場内への搬入後に行った試験の記録を保存することとした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

過去の不具合事例等を調べ、監理者に確認し、あとに問題を残しそうな施工や材料については、記録を残す必要がある

2.◯

デジタルカメラによる工事写真は、不要に有効画素を大きくすると、ファイル容量が大きくなり、操作性も低くなるので、目的物及び黒板(白板)の文字等が確認できる範囲で適切な有効画素数を設定する。

3.◯

既製コンクリート杭工事の施工サイクルタイム記録、電流計や根固め液等の記録は、発注者から直接工事を請け負った建設業者が、保存する期間を定めて保存する

4.×

設計図書に示された品質が証明されていない材料は、工事現場に搬入してはならない受入れ検査種別ごとに行い、必要に応じて工事監理者の立会いを受ける。(JASS1)

[ No.44 ]
建築工事における工期と費用に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 直接費が最小となるときに要する工期を、ノーマルタイム( 標準時間)という。

2. 工期を短縮すると、間接費は増加する。

3. どんなに直接費を投入しても、ある限度以上には短縮できない工期を、クラッシュタイム(特急時間)という。

4. 総工事費は、工期を最適な工期より短縮しても、延長しても増加する。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

ノーマルタイム( 標準時間)とは、直接費が最小となるときに要する工期をいう。なお、直接費とは、工事に直接かかる費用のことで、材料費や労務費等が含まれる。

2.×

間接費は、現場管理費や共通仮設費等からなり、工期が短縮すると現場管理費(家賃、光熱費、直接工賃金以外の給料等)は減少する

3.◯

クラッシュタイム(特急時間)とは、どんなに直接費を投入しても、ある限度以上には短縮できない工期をいう。

4.◯

総工事費は、直接費と間接費を合わせたものである。工期を最適な工期より短縮すると、直接費の増加が大きくなるため総工事費は増加する。(例:突貫工事)また、最適工期を超えて延長すると、間接費が工期に比例して増えるため、総工事費は増加する。

1級建築施工管理技士 令和04年 学科 問題6 解説

令和4年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題6

第一次検定問題(午後の部)令和4年6月 12日(日)

問題番号[ No.45 ] 〜 [ No.54 ]までの 10問題は、全問題を解答してください。

[ No.45 ]
工程計画及び工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.工程計画には、大別して積上方式と割付方式とがあり、工期が制約されている場合は、割付方式で検討することが多い。

2.工程計画において、山均しは、作業員、施工機械、資機材等の投入量の均等化を図る場合に用いる。

3.工程表は、休日や天候を考慮した実質的な作業可能日数を暦日換算した日数を用いて作成する。

4.基本工程表は、工事の特定の部分や職種を取り出し、それにかかわる作業、順序関係、日程等を示したものである。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

工程計画には、大別して作業ごとにかかる日数を積み上げていく積上方式と、工期を決めて作業ごとの日程を割り付けていく割付方式とがあり、工期が制約されている場合は、一般に、割付方式を採用する。

2.◯

工程計画において、労務、資機材等の山積み工程を考え、効果的な労務、資機材の活用のため山均しによる均等化を行う。

3.◯

工程表は、延べ日数(作業に実際に必要な日数)に対して、休日及び天候等を考慮した実質的な作業可能日数を算出し、暦日換算を行い作成する。

4.×

基本工程表は、主要な工事項目の進捗とともに、各工事の作業手順と工期などを示したものである。特定の部分や職種を取り出し、それにかかわる作業、順序関係、日程などを示したものは、部分工程表や職種別工程表である。

[ No.46 ]
タクト手法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.作業を繰り返し行うことによる習熟効果によって生産性が向上するため、工事途中でのタクト期間の短縮や作業者の人数の削減を検討する。

2.設定したタクト期間では終わることができない一部の作業については、当該作業の作業期間をタクト期間の整数倍に設定しておく。

3.各作業は独立して行われるため、1つの作業に遅れがあってもタクトを構成する工程全体への影響は小さい。

4.一連の作業は同一の日程で行われ、次の工区へ移動することになるため、各工程は切れ目なく実施できる。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

タクト手法は、主に繰り返し作業の工程管理に用いられる。作業を繰り返し行うことによる習熟効果によって生産性が向上するため、工事途中で、所要日数の短縮作業者数の削減を検討する。

2.◯

設定したタクト期間では終わることができない一部の作業については、タクト期間内で終わるように、当該作業の作業期間をタクト期間の整数倍に設定して計画する。

3.×

各作業が連続して行われているため、1つの作業に遅れがあると、タクトを構成する工程全体への影響が大きい

4.◯

一連の作業は同一の日程で行われ、各作業が工区を順々に移動することになるので、切れ目のない工程を編成することができる。

   タクト工程

[ No.47 ]
品質管理に関する記述として、最も適当なものはどれか。

1.品質管理は、品質計画の目標のレベルにかかわらず、緻密な管理を行う。

2.品質の目標値を大幅に上回る品質が確保されていれば、優れた品質管理といえる。

3.品質確保のための作業標準を作成し、作業標準どおり行われているか管理を行う。

4.品質管理は、計画段階より施工段階で検討するほうが、より効果的である。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.×

品質管理の目標のレベルにかかわらず、緻密な管理を行うことは適当ではない。品質計画はその目標のレベルに合わせた品質管理を行う必要がある

2.×

品質の目標値を大幅に上回る品質が確保されている場合、過剰品質として工期、コストの面から優れた品質管理とはいえない。

3.◯

品質管理では、品質確保のための作業標準を作成し、作業標準どおり行われているか管理を行う。

4.×

品質管理は、施工段階より計画段階で検討するほうが、より効果的である。上流管理または川上管理という。

[ No.48 ]
鉄筋コンクリート工事における試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.スランプ 18cm のコンクリートの荷卸し地点におけるスランプの許容差は、± 2.5 cmとした。

2.鉄筋圧接部における超音波探傷試験による抜取検査で不合格となったロットについては、試験されていない残り全数に対して超音波探傷試験を行った。

3.鉄筋圧接部における鉄筋中心軸の偏心量が規定値を超えたため、再加熱し加圧して偏心を修正した。

4.空気量 4.5 % のコンクリートの荷卸し地点における空気量の許容差は、± 1.5 %とした。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

コンクリートスランプ 18cm のスランプの許容差は、± 2.5 cmである。(JIS A5308)

JIS A 5308 荷卸し地点でのスランプ許容差

2.◯

超音波探傷試験による抜取検査で不合格となったロットは、圧接方法、圧接機などに何らかの欠陥要因があるものと考えられる。不合格となった原因を確かめるとともに同じロットの残り全数の圧接部について欠陥がないかを超音波探傷試験を行う。(公共建築工事標準仕様書建築工事編5.4.11(2)(ア))

3.×

主な不良圧接の補正は、下記のとおりである。

圧接部における相互の鉄筋の圧接面のずれ及び鉄筋中心軸の偏心量が規定値を超えた場合等は、圧接部を切り取って再圧接しなければならない。再加熱により修正を行うのは、ふくらみの径・長さが足りない場合、著しい折れ曲がりが生じた場合に限られる。

不良圧接の補正

4.◯

コンクリートの空気量の許容差は、4.5%の場合、± 1.5 %である。(JIS A5308)

[ No.49 ]
鉄筋コンクリート造建築物の解体工事における振動対策及び騒音対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.壁等を転倒解体する際の振動対策として、先行した解体作業で発生したガラを床部分に敷き、クッション材として利用した。

2.振動レベルの測定器の指示値が周期的に変動したため、変動ごとの指示値の最大値と最小値の平均を求め、そのなかの最大の値を振動レベルとした。

3.振動ピックアップの設置場所は、緩衝物がなく、かつ、十分踏み固めた堅い場所に設定した。

4.周辺環境保全に配慮し、振動や騒音が抑えられるコンクリートカッターを用いる切断工法を採用した。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

壁等を転倒解体する際の振動対策として、先行した解体作業で発生したガラ(コンクリート破片)を床部分に敷き、クッション材として転倒する位置に敷くことは、振動、騒音の発生抑制、に有効である。

2.×

振動レベルの測定器の指示値が周期的に変動する場合、変動ごとの指示値の最大値の平均を求め、その値を振動レベルとする

3.◯

振動ピックアップとは、解体作業等の振動を検知し電気信号に変換する機器である。設置場所は、緩衝物がなく、かつ、十分踏み固めた堅い場所に設定する。

4.◯

鉄筋コンクリート造建築物の解体工事におけるコンクリートカッターを用いる切断工法は、振動や騒音の発生を抑制できるので、周辺環境保全に配慮した工法である。

[ No.50 ]
労働災害に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.労働災害における労働者とは、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。

2.労働災害の重さの程度を示す強度率は、1,000 延労働時間当たりの労働損失日数の割合で表す。

3.労働災害における重大災害とは、一時に3名以上の労働者が業務上死傷又は罹病した災害をいう。

4.労働災害には、労働者の災害だけでなく、物的災害も含まれる。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

労働者とは、職業の種類を問わず、事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。(労働基準法第9条)

2.◯

強度率とは、1,000 延労働時間当たりの労働損失日数の割合で表すもので、災害の重さの程度を示す。

強度率 = 延労働損失日数 / 延労働時間数 × 1,000

3.◯

労働災害における重大災害とは、不休災害を含む一時に3名以上の労働者が死傷または罹病した災害をいう。

4.×

労働災害とは、労働者が労務に従事したことにより、負傷、疾病、死亡することをいう。労働災害には、物的災害を含まれない。(労働安全衛生法第2条第一号)

[ No.51 ]
市街地の建築工事における公衆災害防止対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.鉄筋コンクリート造建築物の解体工事において、防音と落下物防護のため、足場の外側面に防音シートを設置した。

2.建築工事を行う部分の高さが地盤面から 20 m のため、防護棚を2段設置した。

3.外部足場に設置した防護棚の敷板は、厚さ 1.6 mm の鉄板を用い、敷板どうしの隙間は3cm 以下とした。

4.地盤アンカーの施工において、アンカーの先端が敷地境界の外に出るため、当該敷地所有者の許可を得た。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

建築解体工事においる防音と落下物防護のため、足場の外側面に防音シートを設置する。

2.◯

防護棚は、建築工事を行う部分が、地盤面からの高さが10m以上の場合にあっては1段以上、20m以上の場合にあっては2段以上設ける。(建築工事公衆災害防止対策要綱建築工事編第28の1)

3.×

防護柵(朝顔)の敷板は、厚さ30mm程度のひき板、合板足場板または厚さ1.6mm以上の鉄板を用い、足場板または鉄板は、隙間のないようにする。(JASS2)

4.◯

発注者及び施工者は、地盤アンカーの先端が敷地境界の外に出る場合には、敷地所有者または管理者の許可を得なければならない。

[ No.52 ]
作業主任者の職務として、「労働安全衛生規則」 上、定められていないものはどれか。

1.型枠支保工の組立て等作業主任者は、作業中、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状 況を監視すること。

2.建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、作業の方法及び順序を作業計画として定めること。

3.地山の掘削作業主任者は、作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

4.土止め支保工作業主任者は、材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

型枠支保工の組立て等作業主任者は、作業中、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視することと規定されている。(労働安全衛生規則第247条第三号)

2.×

事業者が行うべき事項として、作業の方法及び順序の作業計画を定めることと規定されている。(労働安全衛生規則第517条の2及び5)

3.◯

地山の掘削作業主任者の職務は、作業の方法を決定し、作業を直接指揮することと規定されている。(労働安全衛生規則第360条第一号)

4.◯

土止め支保工作業主任者の職務として、材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くことと規定されている。(労働安全衛生規則第375条第二号)

[ No.53 ]
事業者の講ずべき措置に関する記述 として、「労働安全衛生規則」 上、誤っているものはどれか。

1.強風、大雨、大雪等の悪天候のため危険が予想されるとき、労働者を作業に従事させてはならないのは、作業箇所の高さが3m以上の場合である。

2.安全に昇降できる設備を設けなければならないのは、原則として、高さ又は深さが 1.5m をこえる箇所で作業を行う場合である。

3.自動溶接を除くアーク溶接の作業に使用する溶接棒等のホルダーについて、感電の危険を防止するため必要な絶縁効力及び耐熱性を有するものでなければ、使用させてはならない。

4.明り掘削の作業において、掘削機械の使用によるガス導管、地中電線路等地下工作物の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれがあるときは、掘削機械を使用させてはならない。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

事業者は、高さが 2m 以上の箇所で作業を行う場合において、強風、大雨、大雪等の悪天候のため、当該作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業に労働者を従事させてはならない。(労働安全衛生規則第522条)

2.◯

事業者は、高さまたは深さが 1.5m をこえる箇所で作業を行う時は、当該作業に従事する労働者が安全に昇降するための設備等を設けなければならない。ただし、安全に昇降するための設備等を設けることが作業の性質上著しく困難な時は、この限りでない。(労働安全衛生規則第526条第1項)

3.◯

事業者は、アーク溶接等(自動溶接を除く。)の作業に使用する溶接棒等のホルダーについては、感電の危険を防止するため必要な絶縁効力及び耐熱性を有するものでなければ、使用させてはならない。(労働安全衛生規則第331条第)

4.◯

事業者は、明り掘削の作業を行う場合において、掘削機械、積込機械及び運搬機械の使用によるガス導管、地中電線路その他、地下に在する工作物の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、これらの機械を使用してはならない。(労働安全衛生規則第363条第)

[ No.54 ]
酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときの事業者の責務に関する記述として、「酸素欠乏症等防止規則」 上、誤っているものはどれか。

1.酸素欠乏危険作業については、衛生管理者を選任しなければならない。

2.酸素欠乏危険場所で空気中の酸素の濃度測定を行ったときは、その記録を3年間保存しなければならない。

3.酸素欠乏危険場所では、原則として、空気中の酸素の濃度を 18%以上に保つように換気しなければならない。

4.酸素欠乏危険場所では、空気中の酸素の濃度測定を行うため必要な測定器具を備え、又は容易に利用できるような措置を講じておかなければならない。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

事業者は、酸素欠乏危険作業については、第1種酸素欠乏危険作業にあっては酸素欠乏危険作業主任者技能講習または酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、第2種酸素欠乏危険作業にあっては酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏作業主任者を選任しなければならい。(酸素欠乏症等防止規則第11条第1項)

2.◯

事業者は、労働安全衛生法施行令第21条第九号に掲げる作業場について、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素(第2種酸素欠乏危険作業に係る作業場にあっては、酸素及び硫化水素)の濃度を測定しなければならない。事業者は、測定を行ったときは、そのつど、測定日時、測定方法、測定箇所、測定条件、測定結果などを記録して、これを3年間保存しなければならない。(酸素欠乏症等防止規則第3条)

3.◯

事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合は、当該作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を 18%以上(第2種酸素欠乏危険作業に係る場所にあっては、空気中の酸素の濃度を18%以上、かつ、硫化水素の濃度を100万分の10以下)に保つように換気しなければならない。ただし、爆発、酸化等を防止するため換気することができない場合または作業の性質上換気することが著しく困難は場合は、この限りでない。(酸素欠乏症等防止規則第5条第1項)

4.◯

事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、空気中の酸素の濃度測定を行うため必要な測定器具を備え、または容易に利用できるような措置を講じておかなければならない。(酸素欠乏症等防止規則第4条)

1級建築施工管理技士 令和04年 学科 問題7 解説

令和4年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題7

問題番号[ No.55 ] ~ [ No.60 ]までの6問題は応用能力問題です。全問題を解答してください。

[ No.55 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。

1.車輪付き裸台で運搬してきた板ガラスは、屋内の床に、ゴム板を敷いて平置きで保管した。

2.ロール状に巻いたカーペットは、屋内の乾燥した平坦な場所に、2段の俵積みで保管した。

3.高力ボルトは、工事現場受入れ時に包装を開封し、乾燥した場所に、使用する順序に従って整理して保管した。

4.防水用の袋入りアスファルトは、積重ねを 10段以下にし、荷崩れに注意して保管した。

5.プレキャストコンクリートの床部材は平置きとし、上下の台木が鉛直線上に同位置になるように積み重ねて保管した。

答え

  1,3

[ 解答解説 ]

1.×

車輪付き裸台や木箱・パレットで運搬してきた板ガラスは、そのまま保管する。

2.◯

ロールカーペットの保管場所は、直射日光や湿気による変色や汚れ防止のため屋内とし、乾燥した平らな床の上に縦置きせず、必ず横に倒して、2〜3段までの俵積みで保管する。

3.×

高力ボルトは、工事現場受入時には包装を開封せずに、規格、種類、径、長さ、ロット番号ごとに整理して乾燥した場所に保管し、施工直前に包装を解く

4.◯

防水用の袋入りアスファルトを屋外で保管する場合は、シート等を掛けて雨露に当たらず、土砂等に汚れないようにする。なお、積み重ねて保管するときは、荷崩れに注意して 10段を超えて積まないようにする。(建築工事監理指針)

5.◯

プレキャストコンクリートの床部材を積み重ねて平置きとする場合は、水平になるよう台木を2本敷いて、上部の部材の台木と下部の部材の台木が同じ平面位置になるようにする。

[ No.56 ]
型枠工事に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。

1.支保工以外の材料の許容応力度は、長期許容応力度と短期許容応力度の平均値とした。

2.コンクリート打込み時に型枠に作用する鉛直荷重は、コンクリートと型枠による固定荷重とした。

3.支柱を立てる場所が沈下するおそれがなかったため、脚部の固定と根がらみの取付けは行わなかった。

4.型枠の組立ては、下部のコンクリートが有害な影響を受けない材齢に達してから開始した。

5.柱型枠の組立て時に足元を桟木で固定し、型枠の精度を保持した。

答え

  2,3

[ 解答解説 ]

1.◯

材料の許容応力度は、支保工以外のものについては、長期許容応力度と短期許容応力度の平均値とする。(JASS5)

2.×

コンクリート打設時の鉛直荷重は下記により算出する。

鉛直荷重(設計荷重)=固定荷重 + 積載荷重(作業荷重+衝撃荷重)

・固定荷重=(鉄筋コンクリート比重24kN/m2×コンクリート厚さm)に(型枠重量0.4kN/m2)を加えた値

・積載荷重=1.5kN/m2(ポンプ打込工法の場合)

3.×

「 支柱の脚部の固定、根がらみの取付け等支柱の脚部の滑動を防止するための措置を講ずること」(労働安全衛生規則第242条 第2号)

4.◯

配筋、型枠の組立てまたはこれらに伴う資材の運搬、集積等は、これらの荷重を受けるコンクリートが有害な影響を受けない材齢に達してから開始する。(建築工事監理指針)

5.◯

支柱は垂直に立て、上下階の支柱は、可能な限り平面上の同一位置とする。また、地盤に支柱を立てる場合は、地盤を十分締め固めるとともに、剛性のある板を敷くなど支柱が沈下しないよう必要な措置を講ずる。(建築工事監理指針)

[ No.57 ]
コンクリートの養生に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。ただし、計画供用期間の級は標準とする。

1.打込み後のコンクリートが透水性の小さいせき板で保護されている場合は、湿潤養生と考えてもよい。

2.コンクリートの圧縮強度による場合、柱のせき板の最小存置期間は、圧縮強度が3N/mm2 に達するまでとする。

3.普通ポルトランドセメントを用いた厚さ 18 cm以上 のコンクリート部材においては、コンクリートの圧縮強度が 10N/mm2 以上になれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。

4.コンクリート温度が 2℃ を下回らないように養生しなければならない期間は、コンクリート打込み後2日間である。

5.打込み後のコンクリート面が露出している部分に散水や水密シートによる被覆を行うことは、初期養生として有効である。

答え

  2,4

[ 解答解説 ]

1.◯

打込み後のコンクリートが透水性の小さいせき板で保護されている場合は、湿潤養生と考えてもよい。

2.×

コンクリートの圧縮強度による場合、柱のせき板の最小存置期間は、短期及び標準の場合、5 N/mm2以上に達するまでとする。長期及び超長期の場合は、10 N/mm2以上に達するまでとする。(JASS5)

3.◯

短期及び標準の計画供用期間の級で、早強・普通及び中庸熱ポルトランドセメントを用いた厚さ18cm以上の部材は、10 N/mm2以上の圧縮強度になれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。(JASS5)厚さ15cm以下の部材は、コンクリート強度による養生打ち切りができない。

4.×

コンクリート打ち込み後の温度が2℃を下らないように養生しなければならない期間は、原則として、コンクリート打込み後 5日間と定められている。

5.◯

打込み後のコンクリート面が露出している部分に散水や水密シートによる被覆を行うことは、初期養生として有効である。建築工事監理指針の湿潤養生の項目では、「打込み後のコンクリートは、透水性の小さいせき板による被覆、養生マットまたは水密シートによる被覆、散水または噴霧、膜養生剤の塗布等により湿潤養生を行う。」と記載されている。

[ No.58 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。

1.スタッドは、上部ランナーの上端とスタッド天端との隙間が 15 mmとなるように切断した。

2.ランナーは、 両端部を端部から 50mm 内側で固定し、中間部を 900mm 間隔で固定した。

3.振れ止めは、床ランナーから 1,200 mm 間隔で、スタッドに引き通し、固定した。

4.スペーサーは、スタッドの端部を押さえ、間隔 600 mm 程度に留め付けた。

5.区分記号 65形のスタッド材を使用した袖壁端部の補強材は、垂直方向の長さが 4.0 mを超えたため、スタッド材を2本抱き合わせて溶接したものを用いた。

答え

  1,5

[ 解答解説 ]

1.×

スタッドは、上部ランナーの上端とスタッド天端との隙間10 mm 以下となるように切断する。(建築工事監理指針)

2.◯

軽量鉄骨壁下地ランナーの固定位置は、 両端部を端部から 50mm 内側とし、中間部は 900mm程度に打込みピンなどで床梁下・スラブ下に固定する。 (建築工事監理指針)

3.◯

振れ止めは、床面ランナーより間隔約1,200 mmごとに設ける。ただし、上部ランナー上端から400mm以内に振れ止めが位置する場合は、その振れ止めを省略することができる

4.◯

スペーサーは、各スタッドの端部を押さえ間隔 600 mm 程度に留め付ける。

5.×

そで壁端部や開口部の補強材、スタッド、ランナー等の種類はスタッドの高さにより区分がある。65形は、スタッドの高さ区分が4.0m以下で、スタッド65×45×0.8、ランナー67×40×0.8、開口部の補強材は、C-60×30×10×2.3であるので、65形スタッドでは、厚さが薄すぎて補強材とならない。スタッドの高さが4.0mを超え4.5m以下では90形を、4.5mを超え5.0m以下では100形とする。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.59 ]
コンクリート素地面の塗装工事に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。

1.アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、気温が 20 ℃ であったため、中塗りの工程間隔時間を2時間とした。

2.常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて、塗料を素地に浸透させるため、下塗りはローラーブラシ塗りとした。

3.2液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて、塗料は所定の可使時間内に使い終える量を調合して使用した。

4.合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、流動性を上げるため、有機溶剤で希釈して使用した。

5.つや有り合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、塗装場所の気温が5℃ 以下となるおそれがあったため、施工を中止した。

答え

  1,4

[ 解答解説 ]

1.×

アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、気温が20°Cのときは、中塗り工程間隔時間は3時間以上とする

2.◯

常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りの塗装方法は、はけ塗り、ローラーブラシ塗り、吹抜け塗りとする。ただし、下塗りは、素材によく浸透させる目的で、はけ塗り、ローラーブラシ塗りも用いるが、中塗りや上塗りは、原則として吹付け塗りとしている。

3.◯

2液形ポリウレタンエナメル塗りは、主剤硬化剤混合して用いる。2液形ポリウレタンエナメル塗りは、製造所が指定する可使時間内に使い終える量を調合して使用する。

4.×

合成樹脂エマルションペイントは、合成樹脂重合エマルションやラテックスをベースとして、着色顔料や体質顔料・補助剤・添加剤等を加えた水系塗料で、水による希釈が可能で、加水して塗料に流動性をもたせることができる。(JASS18)

5.◯

つや有り合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、塗装場所の気温が5℃ 以下、湿度が85%以上、換気が不十分で塗料の乾燥に不適合な場合は原則として、塗装を行わない

[ No.60 ]
鉄筋コンクリート造建築物の小口タイル張り外壁面の調査方法と改修工法に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。

1.打診法は、打診用ハンマー等を用いてタイル張り壁面を打撃して、反発音の違いから浮きの有無を調査する方法である。

2.赤外線装置法は、タイル張り壁面の内部温度を赤外線装置で測定し、浮き部と接着部における熱伝導の違いにより浮きの有無を調査する方法で、天候や時刻の影響を受けない。

3.タイル陶片のひび割れ幅が 0.2 mm 以上であったが、外壁に漏水や浮きが見られなかったため、当該タイルを斫って除去し、外装タイル張り用有機系接着剤によるタイル部分張替え工法で改修した。

4.外壁に漏水や浮きが見られなかったが、目地部に生じたひび割れ幅が 0.2 mm以上で一部目地の欠損が見られたため、不良目地部を斫って除去し、既製調合目地材による目地ひび割れ改修工法で改修した。

5.構造体コンクリートとモルタル間の浮き面積が1箇所当たり 0.2 m2 程度、浮き代が 1.0mm 未満であったため、アンカーピンニング全面セメントスラリー注入工法で改修した。

答え

  2,5

[ 解答解説 ]

1.◯

打診法は、打診用ハンマーなどを用いてタイル張り壁面を打撃して、反発音の違いから浮きの有無を調査する方法である。

2.×

赤外線装置法は、建物の外壁タイルやモルタル仕上げの壁面において、浮き部健全部の熱伝導の違いによって生じる表面の温度差を赤外線画像装置により測定して、浮き部を検出する方法で、撮影時の環境温度、壁面が受ける日射強度及び日射の蓄積時間、季節、天候、時刻、気温などの影響を受ける

3.◯

外壁に漏水や浮きが見られず、タイル表面のひび割れ幅が 0.2 mm 以上のものは、美観上当該タイルを斫って除去し、外装タイル張り用有機系接着剤によるタイル部分張替え工法で改修するか、樹脂注入工法にて改修する。

4.◯

外壁に漏水や浮きが見られないが、目地部に生じたひび割れ幅が 0.2mm以上で一部目地の欠損が見られた場合、不良目地部を斫って除去し、既製調合目地材による目地ひび割れ改修工法で改修する。

5.×

小口タイル張り仕上げにおいて、1箇所当たりの下地モルタルと下地コンクリートとの浮き面積が 0.25m2未満の部分は、アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法で改修する。アンカーピンニング全面ポリマーセメントスラリー注入工法は、構造体コンクリートとモルタル間の浮き面積が1箇所当たり 0.25m2以上、浮き代が1.0m以上の時に適用される。

1級建築施工管理技士 令和04年 学科 問題8 解説

令和4年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題8

※ 問題番号[ No.61 ]~[ No.72 ]までの 12 問題のうちから、8問題を選択し、解答してください。

[ No.61 ]
次の記述のうち、「建築基準法」 上、誤っているものはどれか。

1.鉄筋コンクリート造3階建ての共同住宅においては、2階の床及びこれを支持する梁に鉄筋を配置する特定工程に係る工事を終えたときは、中間検査の申請をしなければならない。

2.木造3階建ての戸建て住宅を、大規模の修繕をしようとする場合においては、確認済証の交付を受けなければならない。

3.確認済証の交付を受けた建築物の完了検査を受けようとする建築主は、工事が完了した日から5日以内に、建築主事に到達するように検査の申請をしなければならない。

4.床面積の合計が 10 m2 を超える建築物を除却しようとする場合においては、原則として、当該除却工事の施工者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

答え

  3
[ 解答解説 ]
1.◯
建築主は、第6条第1項の規定による工事が次の各号のいずれかに該当する工程(以下「特定工程」という。)を含む場合において、当該特定工程に係る工事を終えたときは、その都度、国土交通省令で定めるところにより、建築主事の検査を申請しなければならない。(建築基準法第7条の3第1項)
同条第一号に、「階数が3以上である共同住宅の床及びはりに鉄筋を配筋する工事の工程のうち政令で定める工程」と規定されている。

2.◯
木造3階建ての戸建て住宅を、大規模の修繕をしようとする場合において、建築主は、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定その他建築物の敷地、構造または建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものに適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。(建築基準法第6条第1項)

3.×
建築基準法第7条第1項、第2項に次のように規定されている。
「建築主は、第6条第1項の規定による工事を完了したときは、国土交通省令で定めるところにより、建築主事の検査を申請しなければならない。」
「前項の規定による申請は、第6条第1項の規定による工事が完了した日から4日以内に建築主事に到達するように、しなければならない。ただし、申請をしなかったことについて国土交通省令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。」

4.◯
建築主が建築物を建築しようとする場合または建築物を除却しようとする場合においては、これらの者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該建築物または当該工事に係る部分の床面積の合計が 10 m2 以内である場合においては、この限りでない。(建築基準法第15条第1項)

[ No.62 ]
次の記述のうち、「建築基準法」 上、誤っているものはどれか。

1.建築監視員は、建築物の工事施工者に対して、当該工事の施工の状況に関する報告を求めることができる。

2.建築主事は、建築基準法令の規定に違反した建築物に関する工事の請負人に対して、当該工事の施工の停止を命じることができる。

3.建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するよう努めなければならない。

4.特定行政庁が指定する建築物の所有者又は管理者は、建築物の敷地、構造及び建築設備について、定期に、建築物調査員にその状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
特定行政庁、建築主事または建築監視員 は、建築物の工事の計画もしくは施工の状況等に関する 報告 を、工事施工者に求めることができる。(建築基準法第12条第5項)

2.×
特定行政庁は、違反建築物の建築主、工事の請負人などに対し、当該工事の施工の停止を命じ、又は、違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。(建築基準法第9条第1項)

3.◯
建築物の所有者、管理者または占有者 は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を 常時適法な状態に維持するよう努めなければならない。(建築基準法第8条第1項)

4.◯
特定行政庁が指定するものの所有者は、これらの建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省の定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士または建築物調査員資格者証の交付を受けている者にその状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。(建築基準法第12条第1項)
<!― 12条点検 第1項 特定建築物定期調査・外壁打診検査 第3項 建築設備定期検査、防災設備定期検査、昇降機等定期検査 –>

[ No.63 ]
避難施設等に関する記述として、「建築基準法施行令」 上、誤っているものはどれか。

1.小学校には、非常用の照明装置を設けなければならない。

2.映画館の客用に供する屋外への出口の戸は、内開きとしてはならない。

3.回り階段の部分における踏面の寸法は、踏面の狭い方の端から 30 cm の位置において測らなければならない。

4.両側に居室がある場合の、小 学校の児童用の廊下の幅は、2.3 m以上 としなければならない。

答え

  1
[ 解答解説 ]
1.×
特殊建築物の居室、階数が3以上で延べ面積が500m2を超える建築物の居室等及びこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段等の部分には、非常用の照明装置を設けなければならないが、学校、病院の病室等は除かれている。(建築基準法施行令第126条の4第三号)

2.◯
劇業、映画館、演芸場、観覧場、公会堂または集会場の客用に供する屋外への出口の戸は、内開きとしてはならない。(建築基準法施行令第125条第2項)

3.◯
回り階段の部分における踏面の寸法は、踏面の狭い方の端から 30 cmの位置において測るものとする。(建築基準法施行令第23条第2項)

4.◯
両側に居室がある場合の、小学校の児童用の廊下の幅は、2.3 m以上としなければならない。(建築基準法施行令第119条)

[ No.64 ]
建設業の許可に関する記述として、「建設業法」 上、誤っているものはどれか。

1.特定建設業の許可を受けようとする建設業のうち、指定建設業は、土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業及び造園工事業の5業種である。

2.一般建設業の許可を受けようとする者は、許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して 10年以上の実務の経験を有する者を、その営 業 所ごとに置く専任の技術者とすることができる。

3.工事一件の請負代金の額が 500 万円に満たない建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、建設業の許可を受けなくてもよい。

4. 特定建設業の許可を受けた者でなければ、発注者から直接請け負った建設工事を施工するために、建築工事業にあっては下請代金の額の総額が 6,000万円以上となる下請契約を締結してはならない。

答え

  1
[ 解答解説 ]
1.×
特定建設業の許可を受けようとする建設業のうち、指定建設業は、土木工事業、建築工事業、電気工事業、菅工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業及び造園工事業7業種である。(建設業法施行令第5条の2)

2.◯
建設業の許可を受けようとする者は、許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して10年以上の実務の経験を有する者を、一般建設業の営業所に置く専任の技術者とすることができる。(建設業第7条第二号)

3.◯
政令で定める軽微な建設工事は、工事一件の請負代金の額が 500万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあっては、1,500万円)に満たない工事は、建設業の許可を受けなくてもよい。(建設業第3条第1項ただし書、同施行令第1条の2)

4.◯
特定建設業の許可を受けた者でなければ、発注者から直接請け負った建設工事を施工するために、建築工事業にあっては下請代金の額の総額が政令で定める金額(建築工事業の場合 6,000万円)以上となる下請契約を締結してはならない。(建設業第16条第1項)

[ No.65 ]
請負契約に関する記述として、「建設業法」 上、誤っているものはどれか。

1.注文者は、工事一件の予定価格が 5,000 万円以上である工事の請負契約の方法が随意契約による場合であっても、契約の締結までに建設業者が当該建設工事の見積りをするための期間は、原則として、15 日以上を設けなければならない。

2.元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から 30日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その完成を確認するための検査を完了しなければならない。

3.特定建設業者は、当該特定建設業者が注文者となった下請契約に係る下請代金の支払につき、当該下請代金の支払期日までに一般の金融機関による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付してはならない。

4.元請負人は、その請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ、下請負人の意見をきかなければならない。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
請負契約の方法が随意契約による場合であっても、注文者は、工事一件の予定価格が 5,000 万円以上である工事の契約の締結までに建設業者が当該建設工事の見積りをするための期間は、原則として、15 日以上を設ける必要がある。(建設業法第20条第4項、同施行令第6条第1項第三号)

2.×
元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その完成を確認するための検査を完了しなければならない。(建設業法第24条の4第1項)

3.◯
特定建設業者は、当該特定建設業者が注文者となった下請契約に係る下請代金の支払につき、当該下請代金の支払期日までに一般の金融機関(預金または貯金の受入れ及び資金の融通を業とする者をいう。)による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付してはならない。(建設業法第24条の6第3項)

4.◯
元請負人は、その請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ、下請負人の意見をきかなければならない。(建設業法第24条の2)

[ No.66 ]
監理技術者等に関する記述として、「建設業法」 上、誤っているものはどれか。

1.専任の監理技術者を置かなければならない建設工事について、その監理技術者の行うべき職務を補佐する者として政令で定める者を工事現場に専任で置く場合には、監理技術者は2つの現場を兼任することができる。

2.専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においても国土交通大臣の登録を受けた講習を受講した日の属する年の翌年から起算して7年を経過しない者でなければならない。

3.建設業者は、請け負った建設工事を施工するときは、現場代理人の設置にかかわらず、主任技術者又は監理技術者を置かなければならない。

4.主任技術者及び監理技術者は、建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上 の管理及び施工に従事する者の技術上の指導監督を行わなければならない。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
専任の監理技術者を置かなければならない建設工事について、その監理技術者の行うべき職務を補佐する者として政令で定める者を工事現場に専任で置く場合には、監理技術者は2つの現場を兼任することができる。(建設業法第26条第3項ただし書)

2.×
専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においても、登録を受けた講習を受講した日の属する年の翌年から起算して5年を経過しない者でなければならない。(建設業法第26条第5項、同施行規則第17条の9)
<!― 監理技術者の資格の有効期間は5年であるため、7年以内ではない。(建設業法第3条第3項)―>
3.◯
建設業者は、請け負った建設工事を施工するときは、現場代理人の設置にかかわらず主任技術者または監理技術者を置かなければならない。(建設業法第26条)

4.◯
主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければならない。(建設業法第26条の4)

[ No.67 ]
労働契約に関する記述として、「労働基準法」 上、誤っているものはどれか。

1.使用者は、労働者の退職の場合において、請求があった日から、原則として、7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。

2.労働契約は、契約期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な契約期間を定めるもののほかは、原則として、3年を超える契約期間について締結してはならない。

3.使用者は、労働者が業務上負傷し、療養のために休業する期間とその後30日間は、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においても解雇してはならない。

4.就業のために住居を変更した労働者が、省 令により明示された労働条件が事実と相違する場合で労働契約を解除し、当該契約解除の日から 14日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。

答え

  3
[ 解答解説 ]
1.◯
使用者は、労働者の死亡または退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。(労働基準法第23条第1項)

2.◯
労働契約は、契約期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な契約期間を定めるもののほかは、3年を超える期間について締結してはならない。(労働基準法第14条)

3.×
解雇制限について、使用者は、労働者が教務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第81条の規定によって打切補償を支払う場合または天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、この限りでないと規定されている。(労働基準法第19条第1項)
<!― 労働基準法の解雇制限により、労働者が業務上負傷した場合は、休業する期間及びその後30日間は解雇してはならない。なお、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合は解雇できる。(労働基準法第19条第1項) ―>

4.◯
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。この場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から 14日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。(労働基準法第15条第3項)

[ No.68 ]
建設業の事業場における安全衛生管理体制に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

1.元方安全衛生管理者は、その事業場に専属の者でなければならない。

2.安全衛生責任者は、安全管理者又は衛生管理者の資格を有する者でなければならない。

3.特定元方事業者は、統括安全衛生責任者に元方安全衛生管理者の指揮をさせなければならない。

4.統括安全衛生責任者は、その事業の実施を統括管理する者でなければならない。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
元方安全衛生管理者の選任は、その事業場に専属の者を選任して行わなければならない。(労働安全衛生規則第18条の3)

2.×
統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行うものは、安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者との連絡その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。(労働安全衛生法第16条)
安全衛生責任者の資格要件は、定められていない。

3.◯
事業者で、一の場所において行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせているもののうち、建設業その他政令で定める業種に属する事業を行う者(「特定元方事業者」という。)は、その労働者及びその請負人の労働者が当該場所において作業を行うときは、これらの労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため、統括安全衛生責任者を選任し、その者に元方安全衛生管理者の指揮をさせるとともに、第30条第1項各号の事項を統括管理させなければならない。ただし、これらの労働者の数が政令で定める数未満であるときは、この限りでない。(労働安全衛生法第15条第1項)

4.◯
統括安全衛生責任者は、当該場所においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。(労働安全衛生法第15条第2項)

[ No.69 ]
労働者の就業に当たっての措置に関する記述として、「労働安全衛生法」 上、誤っているものはどれか。

1.事業者は、労働者を雇い入れたときは、原則として、当該労働者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。

2.事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。

3.事業者は、特別教育を必要とする業務に従事させる労働者が、当該教育の科目の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有すると認められるときは、当該科目についての特別教育を省略することができる。

4.事業者は、建設業の事業場において新たに職務に就くこととなった作業主任者に対し、作業方法の決定及び労働者の配置に関する事項について、安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。

答え

  4
[ 解答解説 ]
1.◯
事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全または衛生のための教育を行なわなければならない。(労働安全衛生法第59条第1項)

2.◯
事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全または衛生のための教育を行うように努めなければならない。(労働安全衛生法第60条の2第1項)

3.◯
雇入れ時などの教育について、事業者は、前項各号に掲げる事項の全部または一部に関し十分な知識及び技能を有すると認められる労働者については、当該事項についての教育を省略することができると規定されている。(労働安全衛生規則第35条第2項)

4.×
事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導または監督する者(作業主任者を除く。)に対し、安全または衛生のための教育を行わなければならない。(労働安全衛生法第60条)作業主任者ではない。

[ No.70 ]
次の記述のうち、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」 上、誤っているものはどれか。

1.建設資材廃棄物の再資源化等には、焼却、脱水、圧縮その他の方法により建設資材廃棄物の大きさを減ずる行為が含まれる。

2.建設業を営む者は、建設資材廃棄物の再資源化により得られた建設資材を使用するよう努めなければならない。

3.対象建設工事の元請業者は、特定建設資材廃棄物の再資源化等が完了したときは、その旨を都道府県知事に報告しなければならない。

4.分別解体等には、建築物等の新築工事に伴い副次的に生ずる建設資材廃棄物をその種類ごとに分別しつつ当該工事を施工する行為が含まれる。

答え

  3
[ 解答解説 ]
1.◯
この法律において建設資材廃棄物について「縮減」とは、焼却、脱水、圧縮その他の方法により建設資材廃棄物の大きさを減ずる行為をいい、「再資源化等」とは、再資源化及び縮減をいう。(建設工事に係る資源の再資源化等に関する法律第2条第7項、第8項)

2.◯
建設業を営む者は、建設資材廃棄物の再資源化により得られた建設資材を使用するよう努めなければならない。(建設工事に係る資源の再資源化等に関する法律第5条第2項)

3.×
対象建設工事の元請業者は、当該工事に係る特定建設資材廃棄物の再資源化等が完了したときは、主務省令で定めるところにより、その旨を当該工事の発注者に書面で報告するとともに、当該再資源化等の実施状況に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。都道府県知事への報告は定められていない。(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(以下、建設リサイクル法)第18条)

4.◯
この法律において「分別解体等」とは、次の各号に掲げる工事の種別に応じ、それぞれ当該各号に定める行為をいう。建築物等の新築その他の解体工事以外の建設工事(以下「新築工事等」という。)において、当該工事に伴い副次的に生ずる建設資材廃棄物をその種類ごとに分別しつつ当該工事を施工する行為である。(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律第2条第3項第二号)

[ No.71 ]
「騒音規制法」 上、指定地域内における特定建設作業の実施の届出に関する記述として、誤っているものはどれか。ただし、作業は、その作業を開始した日に終わらないものとする。

1.特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、作業の実施の期間や騒音の防止の方法等の事項を、市町村長に届出をしなければならない。

2.くい打機をアースオーガーと併用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

3.さく岩機の動力として使用する作業を除き、電動機以外の原動機の定格出力が 15kW 以上の空気圧縮機を使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

4.環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が 70 kW以上 のトラクターショベルを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
指定地域内において、特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該特定建設業の開始の日の7日前までに、環境省令が定めるところにより、
①氏名または名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
②建設工事の目的に係る施設または工作物の種類
③特定建設作業の場所及び実施の期間
④騒音の防止の方法
⑤その他環境省令で定める事項について
市町村長に届け出なければならない。(騒音規制法第14条第1項)

2.×
くい打機で使用する作業のうち、くい打機をアースオーガーと併用する作業は、特定建設作業から除かれている。(騒音規制法施工令別表第2第一号)

3.◯
さく岩機の動力として使用する作業を除き、電動機以外の原動機の定格出力が 15kW 以上の空気圧縮機を使用する作業は、特定建設作業の実施の届出は必要である。(騒音規制法第14条、同法施行令第2条、別表第二第四号)

4.◯
環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が 70 kW以上のトラクターショベルを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。(騒音規制法第14条、同法施行令第2条、別表第二第七号)

[ No.72 ]
貨物自動車を使用して分割できない資材を運搬する際に、「道路交通法」 上、当該車両の出発地を管轄する警察署長の許可を必要とするものはどれか。ただし、貨物自動車は、軽自動車を除くものとする。

1.長さ 11 m の自動車に、車体の前後に 0.5 m ずつはみ出す長さ 12 m の資材を積載して運搬する場合

2.荷台の高さが1m の自動車に、高さ 3mの資材を積載して運転する場合

3.積載する自動車の最大積載重量で資材を運搬する場合

4.資材を看守するため必要な最小限度の人員を、自動車の荷台に乗せて運搬する場合

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.不要
積載物の長さは、自動車の長さにその長さの10分の1の長さを加えたもの(大型自動二輪車及び普通自動二輪車にあっては、その乗車装置又は積載装置の長さに0.3mを加えたもの)を超えないことと規定されている。(道路交通法施行令第22条第三号イ)また、積載物の前後のはみ出しは、自動車の車体の前後から自動車の長さの10分の1の長さを超えないことと規定されている。(道路交通法施行令第22条第四号イ)長さ11mの自動車に、車体の前後に 0.5mずつはみ出す長さ12mの資材を積載して運搬する場合は、積載物の長さ12mは 11 × 11 =12.1m以下、積載物の前後のはみ出し0.5mは 11 × 0.1 =1.1m以下であるので、許可は不要である。

2.必要
積載物の高さは、3.8mからその自動車の積載をする場所を減じたものを超えないことと規定されており、荷台の高さが1mの自動車に、高さ 3.0mの資材を積載して運転する場合は、高さ3.8m以上なので、許可は必要である。(道路交通法施行令第22条第三号ハ)

3.不要
車両の運転者は、当該車両について政令で定める乗車人員または積載物の重量、大きさもしくは積載の方法の制限を超えて乗車をさせ、または積載をして車両を運転してはならない。制限を超えてなければ許可は不要である。(道路交通法第57条第1項本文)

4.不要
積載された資材を看守するため、必要な最小限度の人員として1名を荷台に乗車させて運転する場合は、道路交通法の規定により不要である。(道路交通法第55条第1項ただし書)

1級建築施工管理技士 令和05年 学科 問題1 解説

令和5年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題1
(午前の部)令和5年6月11日(日)

問題番号[ No.1 ]〜[ No.15 ]までの15問題のうちから、12問題を選択し、解答してください。
 
ただし、12問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は、四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
 
[ No.1 ]
日照及び日射に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.北緯35°における南面の垂直壁面の可照時間は、夏至日より冬至日のほうが長い。
 
2.日影規制は、中高層建築物が敷地境界線から一定の距離を超える範囲に生じさせる、冬至日における日影の時間を制限している。
 
3.水平ルーバーは東西面の日射を遮るのに効果があり、縦ルーバーは南面の日射を遮るのに効果がある。
 
4.全天日射は、直達日射と天空日射を合計したものである。
 
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

可照時間とは、障害物のない水平面であれば晴れた日の日の出から日没までの時間に日照があるべき時間をいう。北緯35度における南面の垂直壁の可照時間は、太陽が東西軸より南側にある時間となる。夏至(約7時間)よりも春分または秋分(約12時間)の方が長くなり、冬至はそれよりも長くなる。

2.◯

日影規制とは、中高層建築物により生ずる日影を一定の時間な内に抑えることで、周辺の居住環境を保護する規制である。中高層建築物の敷地境界線から定められた距離を越える範囲(5m及び10m)で、冬至日における日影の時間を制限する。

3.×

羽根が水平に並ぶ水平ルーバーは、日射を遮るために南側の開口部に取り付けると、太陽の高度が高くなる夏季に南面の日射を防ぐのに効果がある。羽根が垂直に並ぶ縦ルーバーは、冬季の高度が低くなった西日を遮るのに効果がある。

4.◯

日射とは、地表面または大気中における太陽放射の総称である。大気層を通り抜けて直接地表面に達する太陽光線の日射量を直達日射量、途中で乱反射されて地上に達する太陽光線の日射量を天空放射量といい、直達日射量と天空放射量を合計したものを全天日射量という。

 
[ No.2 ]
採光及び照明に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.横幅と奥行きが同じ室において、光源と作業面の距離が離れるほど、室指数は小さくなる。
 
2.設計用全天空照度は、快晴の青空のときのほうが薄曇りのときよりも小さな値となる。
 
3.照度は、単位をルクス(lx)で示し、受照面の単位面積当たりの入射光束のことをいう。
 
4.光度は、単位をカンデラ(cd)で示し、反射面を有する受照面の光の面積密度のことをいう。
 
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

室指数とは光源から出た光束がどれぐらい作業面に達するかを示す計算方法の一つで、光源の距離が被照面(作業面)から離れるほど、室指数は小さくなる。室の形による指数で、照明率を求めるために用いられる。

室指数(k) =( X × Y ) / ( H ×( X × Y ) )

 X:室の間口  [ m ]

 Y:室の奥行き [ m ]

 H:被照面から光源までの距離 [ m ]

2.◯

設計用全天空照度は、快晴の青空のときが薄曇りのときよりも小さな値となる。全天空照度とは、直射日光を除いた全天空の照度をいう。

 晴れ 10,000 ルクス

 曇り 30,000 ルクス

 雨   5,000 ルクス

 覚え方:俳句もさまになる雨の甲子園(原口秀明氏より)

     晴 1 雲 3万   雨 5千

3.◯

照度とは、受照面の明るさを表し、単位面積当たりに入射する光束の量をいう。単位はルクス(lx)で示す。

4.×

光度は、光源から発散される光のエネルギーの強さを表す尺度であり、物理的には光源の中のある点からあらゆる方向に向けて発散される単位立体角あたりの光束をいう。単位は cd(カンデラ)で示す。反射面を有する受照面の光の面積密度とは輝度であり、単位はカンデラ毎平方メートル [ cd/m2]で示す。

[ No.3 ]
吸音及び遮音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.吸音材は、音響透過率が高いため、遮音性能は低い。
 
2.多孔質の吸音材は、一般に低音域より高音域の吸音に効果がある。
 
3.単層壁において、面密度が大きいほど、音響透過損失は小さくなる。
 
4.室間音圧レベル差の遮音等級はD値で表され、D値が大きいほど遮音性能は高い。
 
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

壁面に音が入射されると、入射音エネルギーは、反射、吸音等により減少し、一部が透過する。

透過率 = 透過音エネルギー/入射音エネルギー

反射率 = 反射音エネルギー/入射音エネルギー

上記の公式により、音を吸収する吸音材は、透過率が高いため、反射音エネルギーは少なくなり、遮音性能は低くなる。

2.◯

多孔質の吸音材は、一般に低音域より高音域の方が吸音率(音を吸収する程度を表す指数)は大きい。すなわち、低い音よりも高い音の方が吸収されやすい

3.×

透過損失とは、壁体等の遮音の程度を示すもので、値が大きいほど、壁体等の遮音性能が高いことを表す。単層壁の透過損失は、単位面積当たりの単位面積あたりの質量(面密度)と、周波数大きいほど大きくなる。これを単層壁の質量則という。

4.◯

室間音圧レベル差とは、音が発生している室の音圧レベルと音が透過する側の室の音圧レベルのをいい、この差が大きいほど、遮音性能が高い。したがって、室間音圧レベル差の遮音等級を表すD値は、その値が大きいほど遮音性能が高い

 
[ No.4 ]
免震構造に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.アイソレータは、上部構造の重量を支持しつつ水平変形に追従し、適切な復元力を持つ。
 
2.免震部材の配置を調整し、上部構造の重心と免震層の剛心を合わせることで、ねじれ応答を低減できる。
 
3.地下部分に免震層を設ける場合は、上部構造と周囲の地盤との間にクリアランスが必要である。
 
4.ダンパーは、上部構造の垂直方向の変位を抑制する役割を持つ。
 
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

アイソレータは、地震入力に対して絶縁機能を持つもので、地震の水平方向の動きに対して縁を切り、上部構造動かないようにする。水平方向の変位を抑制する役割はダンパーが受け持つことが多い。

2.◯

ねじれ応答とは、地震時に建物全体がねじれるような挙動をいう。免震部材の配置を調整し、上部構造の重心と免震層の剛心を合わせることで、ねじれ応答を低減できる

3.◯

大きな地震動を免震構造が受けた場合、上部構造は長周期で大きく水平移動するため、上部構造と周囲の地盤との接触、衝突を避けるため十分なクリアランスが確保することが必要である。設計で考えられる変位量の1.5 〜 2.0倍程度の離隔寸法を確保する。

4.×

免震構造におけるダンパー(減衰器)の役割は、免震層の過大な変形を抑制し、地震時の応答を安定化させることである。

 
[ No.5 ]
鉄筋コンクリート構造の建築物の構造計画に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.普通コンクリートを使用する場合の柱の最小径は、その構造耐力上主要な支点間の距り離の1/15以上とする。
 
2.耐震壁とする壁板のせん断補強筋比は、直交する各方向に関して、それぞれ0.25%以上とする。
 
3.床スラブの配筋は、各方向の全幅について、コンクリート全断面積に対する鉄筋全断面積の割合を0.1%以上とする。
 
4.梁貫通孔は、梁端部への配置を避け、孔径を梁せいの1/3以下とする。
 
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

普通コンクリートを使用する場合の柱の最小径は、構造耐力上主要な支点間の距離(通常上下の梁の内法寸法)の1/15以上とする。(建築基準法施行令第77条第五号)

2.◯

鉄筋コンクリート構造の壁板のせん断補強筋比は、地震力により生ずるせん断ひび割れを分散化し、急激な剛性低下を防ぐため、直交する各方向に関して、それぞれ0.0025(0.25%)以上とする。

3.×

床スラブの配筋は、温度応力収縮応力に対する配筋として、各方向の全幅について、鉄筋全断面積のコンクリート全断面に対する割合は、0.2%以上をする。

4.◯

梁に貫通孔が設けられると、梁断面の欠損によりせん断強度が低下するので、適切に補強を行う必要がある。鉄筋コンクリート構造の場合、円形孔の直径は梁せいの1/3以下とし、梁端部への配置は避ける。

 
[ No.6 ]
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.角形鋼管柱の内ダイアフラムは、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられる。
 
2.H形鋼は、フランジやウェブの幅厚比が大きくなると局部座屈を生じにくい。
 
3.シヤコネクタでコンクリートスラブと結合された鉄骨梁は、上端圧縮となる曲げ応力に対して横座屈を生じにくい。
 
4.部材の引張力によってボルト孔周辺に生じる応力集中の度合は、高力ボルト摩擦接合より普通ボルト接合のほうが大きい。
 
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

角形鋼管柱(BCPとBCR)と梁との仕口部には通しダイアフラム方式と内ダイアフラム方式とがある。柱サイズに対して、梁フランジの幅が小さく、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等には、内ダイアフラム方式とする。

鋼管柱とダイヤフラム、梁フランジとダイヤフラム若くは鋼管柱は、一体とするため、完全溶け込み溶接とする必要がある。梁せいが異なるときに通しダイアフラムとすると、その間隔が狭い部分が発生し、完全溶け込み溶接の検査に必要な超音波探傷試験ができなくなる箇所が生じる。

内ダイヤフラムと鋼管内側の溶接も完全溶込み溶接にする必要があるが、溶接の工程を分けることにより、超音波探傷試験を行うことができる。

2.×

H 形鋼は、フランジ及びウェブの幅厚比が大きくなると、部材形状に対し板厚が薄いということになり、局部座屈を生じやすくなる

3.◯

シアコネクタとは、2つの部材を一体化するための接合部材をいう。シアコネクタでコンクリートスラブと結合された鋼製梁は、梁の上端が圧縮となるような曲げ応力に対して、梁の水平方向への座屈である横座屈が生じにくい。

4.◯

普通ボルト接合の場合、部材に引張力が作用すると接合部にずれが生じ、ボルトと鋼板が支圧力で支持するため、ボルト孔周辺に応力が集中する。一方、高力ボルトによる摩擦接合が、ボルトの支圧力ではなく、スプライスプレート(添え板)の摩擦力で支持するため、普通ボルト接合と比較すると小さくなる。

 
[ No.7 ]
杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.杭の周辺地盤に沈下が生じたときに杭に作用する負の摩擦力は、支持杭より摩擦杭のほうが大きい。
 
2.杭と杭の中心間隔は、杭径が同一の場合、埋込み杭のほうが打込み杭より小さくすることができる。
 
3.杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力と極限周面摩擦力との和で表す。
 
4.杭の引抜き抵抗力に杭の自重を加える場合、地下水位以下の部分の浮力を考慮する。
 
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

杭周囲の地盤沈下によって杭の沈下より地盤の沈下が大きくなると、杭周囲面には下向き摩擦力が働くが、摩擦杭杭と共に沈下するため、負の摩擦力は支持杭の方が摩擦杭より大きくなる

2.◯

杭と杭との中心間隔の最小値は、埋込み杭の場合は、その杭頭部の径2.0倍以上打込み杭の場合は、その杭頭部の径の2.5倍以上かつ75cm以上とする。よって、埋込み杭の方が打込み杭より、中心間隔を小さくすることができる。

3.◯

杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力極限周面摩擦力加算したものとする。

4.◯

杭の引抜き力は、杭自体の引張強度と、地盤の引抜き抵抗の小さい方で決まる。地盤の引抜き抵抗による値は、極限の引抜き抵抗の1/3を長期許容引抜き力とするが、杭の自重も引抜きに抵抗すると考えてよい。その場合、地下水位以下の部分浮力を考慮する。

tRa = 1/3 × tRu + Wp

tRa:杭の長期許容引抜き抵抗力

tRu:地盤による杭の極限引抜き抵抗力

Wp:杭の自重(地下水位以下の部分については浮力を考慮する)

 
[ No.8 ]
図に示す柱ABの図心Gに鉛直荷重Pと水平荷重Qが作用したとき、底部における引張縁応力度の値の大きさとして、正しいものはどれか。ただし、柱の自重は考慮しないものとする。

1.3N/mm2
2.7N/mm2
3.10N/mm2
4.13N/mm2
 
答え

  2

[ 解答解説 ]

組合わせ応力度の問題


 

鉛直荷重 P による 応力度 P/A

P/ 300×200 = P/6 ×104

      = 180k /6 ×104

      = 3

水平荷重 Qより

M/Z = Q×ℓ/bD2/6

   = Q × 2,000 / 200 × 3002/6

   = Q × 2,000 / 3,000,000

   = Q × 2 / 3,000

   = 15kN × 2 / 3,000

   = 10

P/A < M/Z であるので、

引張側の縁応力度は、

P/A – M/Z となり、

10 − 3 = 7 N/mm2

ゆえに、正答は2となる。

(補足)

Z:断面係数( bD2/6)

  曲げ応力度を求めるときに使う

※柱の縁応力度の問題は、1級建築施工管理技士の試験では、初出題である。

[ No.9 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構のDE間に等分布荷重wが作用したとき、支点Aの水平反力HA及び支点Bの水平反力HBの値として、正しいものはどれか。ただし、反力は右向きを「+」、左向きを「−」とする。

 
1.HA=+9kN
 
2.HA= –6kN
 
3.HB= 0kN
 
4.HB= –4kN
 
答え

  4

[ 解答解説 ]

A点及びB点における垂直反力をVA、VBとする。

点Aについてのモーメント(ΣMc = 0)を考える

等分布荷重は点Aから 3m離れた集中荷重と考える。

MA = 3 [ kN/m ] × 3 [m] − VB × 6 [m] = 0

これを解くと VB = 9[ kN ]

等分布荷重は、合計で 18 [ kN ] であるから

VA = 9[ kN ]

となる。

点Cについての右側のモーメントを考える

Mc = 3 × 2 × 1 – HB × 3 – 2 × 9 = 0

これを解くと、

HB = 4 [ kN ]

水平方向のつり合いより

HA + HB = 0 なので、

HA = –4 [ kN ]

題意より、反力は右向きを「+」、左向きを「-」

とあるので、

HA = 4 [ kN ]

HB = –4 [ kN ]

ゆえに、正答は4となる。

 
[ No.10 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構の点Dにモーメント荷重Mが作用したときの曲げモーメント図として、正しいものはどれか。ただし、曲げモーメントは材の引張側に描くものとする。

 
答え

  2

[ 解答解説 ]

  

点Dのモーメントは梁材DC及び柱材DAを伝わり、ピン節点であるC及びAでゼロになる。

ゆえに、3番ではない。

「曲げモーメントは材の引張側に描くものとする」

とあるので、梁DC材は下側、柱DA材は外側になる。

ゆえに、正答は、2番となる。

 
[ No.11 ]
コンクリート材料の特性に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.減水剤は、コンクリートの耐凍害性を向上させることができる。
 
2.流動化剤は、工事現場で添加することで、レディーミクストコンクリートの流動性を増すことができる。
 
3.早強ポルトランドセメントを用いたコンクリートは、普通ポルトランドセメントを用いた場合より硬化初期の水和発熱量が大きく、冬期の工事に適している。
 
4.高炉セメントB種を用いたコンクリートは、普通ポルトランドセメントを用いた場合より耐海水性や化学抵抗性が大きく、地下構造物に適している。
 
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

コンクリートなどの中にある多数の微細な独立した空気泡を一様に分布させてワーカビリティ及び耐凍害性を向上させるために用いる化学混和剤は、AE剤である。減水剤は、所要のスランプを得るのに必要な単位水量を減少させるために用いる化学混和剤である。

2.◯

流動化剤は、あらかじめ現場で練り混ぜられたコンクリートに添加する混和剤で、流動性(流れやすさ)を向上させることが目的であり、スランプロスを低減させる効果がある。

3.◯

早強ポルトランドセメントは、粒子の細かさを比表面積(ブレーン値(単位:cm2/g))で表し、粒子が細かいほど質量当たりの表面積が大きい。ブレーン値の値が大きくなるほど細かく早期強度が得られる。水和発熱量が大きく、冬期の工事に適している。

4.◯

高炉セメントB種は、耐海水性化学抵抗性が大きいので、海水の作用を受けるコンクリートや、地下構造物に使用される。普通ポルトランドセメントと比較するとセメントの水和反応時に生成する遊離石灰が少ないので、次のような特徴がある。

①アルカリ骨材反応の抑制に効果がある。

②耐海水性や化学抵抗性が大きい

③初期強度はやや小さいが、4週以降の長期強度は同等以上

 
[ No.12 ]
建築に用いられる金属材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.ステンレス鋼は、ニッケルやクロムを含み、炭素量が少ないものほど耐食性が良い。
 
2.銅は、熱や電気の伝導率が高く、湿気中では緑青を生じ耐食性が増す。
 
3.鉛は、X線遮断効果が大きく、酸その他の薬液に対する抵抗性や耐アルカリ性にも優れている。
 
4.チタンは、鋼材に比べ密度が小さく、耐食性に優れている。
 
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

ステンレスは、ニッケル、クロムを含んだ炭素量の少ない耐食性の極めて大きい特殊鋼である。炭素量が少ないものほど軟質で耐食性がよい。

2.◯

は、軟らかく加工性が大きい。大気中のガスや水分によって緑青の保護被膜がつくられる。

3.×

は、X線・放射線の遮断効果は大きいが、他の金属と比べると錆やすい

4.◯

チタンは、比重が4.51と鋼材に比べて軽い密度が小さい。また、極めて腐食しにくく耐食性が高い。

 
[ No.13 ]
石材に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.花崗岩は、結晶質で硬く耐摩耗性や耐久性に優れ、壁、床、階段等に多く用いられる。
 
2.大理石は、酸には弱いが、緻密であり磨くと光沢が出るため、主に内装用として用いられる。
 
3.粘板岩(スレート)は、吸水率が小さく耐久性に優れ、層状に剥がれる性質があり、屋根材や床材として用いられる。
 
4.石灰岩は、柔らかく曲げ強度は低いが、耐水性や耐酸性に優れ、主に外装用として用いられる。
 
 
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

花崗岩はいわゆる御影石と呼ばれ、地下深部のマグマが地殻内で冷却固結した結晶質の石材で、硬く、耐摩耗性耐久性に優れた石材として、建築物外部の壁階段等に最も多く用いられている。ただし、耐火性の点でやや劣る

2.◯

大理石は石灰岩が結晶化したもので、美観に優れ強度も十分ある。しかし、耐酸性、耐火性に劣り、外装材には用いることができないため、主に内装用の材料として用いられる。

3.◯

粘板岩(スレート)(変成岩)は、吸水性が少なく耐久性に優れていることに加えて、剥がれる際は層状となる性質があるため、屋根材床材として用いられる。

4.×

石灰岩(堆積岩)は、軟らかく、加工が容易なため、コンクリートの骨材や、セメント材料に用いられる。一方で、取付け部耐力、曲げ強度等は他の石材に比べて小さく、耐水性、耐酸性に劣る

 
[ No.14 ]
日本産業規格(JIS)に規定する防水材料に関する記述として、不適当なものはどれか。
 
1.2成分形のウレタンゴム系防水材は、施工直前に主剤、硬化剤の2成分に、必要によって硬化促進剤や充填材等を混合して使用する。
 
2.防水工事用アスファルトは、フラースぜい化点の温度が低いものほど低温特性のよいアスファルトである。
 
3.ストレッチルーフィング1000の数値1000は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。
 
4.改質アスファルトルーフィングシートは、温度特性によりⅠ類とⅡ類に区分され、低温時の耐折り曲げ性がよいものはⅠ類である。
 
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

ウレタンゴム系防水材は、湿気硬化形の1成分形、反応硬化形の2成分形がある。2成分形のウレタンゴム系防水材は、主剤硬化剤を施工直前に配合する。必要に応じて硬化促進剤や充填材等を混合して使用する。

2.◯

フラースぜい化点温度とは、アスファルトの低温における変形しやすさを示すもので、鋼板の表面に作製したアスファルト薄膜を曲げたとき、亀裂の生じる最初の温度を示す。つまり、フラースぜい化点温度が低いものは、低温でも脆性破壊を生じることなく変形する低温特性のよいアスファルトである。

3.◯

ストレッチルーフィングの種類及び品質はJIS A 6022に定められており、ストレッチルーフィング1000の数値1000は、製品の抗張積引張強さ最大荷重時の伸び率との)を表ている。

4.×

改質アスファルトルーフィングシートにはⅠ類Ⅱ類にがあり、Ⅱ類の方が低温時耐折り曲げ性がよい。(JIS A6013)

 
[ No.15 ]
屋内で使用する塗料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.アクリル樹脂系非水分散形塗料は、モルタル面に適しているが、せっこうボード面には適していない。
 
2.クリヤラッカーは、木部に適しているが、コンクリート面には適していない。
 
3.つや有合成樹脂エマルションペイントは、鉄鋼面に適しているが、モルタル面には適していない。
 
4.2液形ポリウレタンワニスは、木部に適しているが、ALCパネル面には適していない。
 
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

アクリル樹脂系非水分散形塗料は、屋内のコンクリート面やモルタル面等、平滑な箇所の仕上げには適しているが、微細な隙間のあるガラス繊維補強セメント面やせっこうボード面には適していない。(下地処理が必要となる)

2.◯

クリヤラッカーは、顔料の入っていない透明な塗料である。自然乾燥で、短時間に溶剤が蒸発して塗膜を形成するもので、木部面に適していることが特徴である。コンクリート面には適していない。

3.×

つや有合成樹脂エマルションペイント(EP-G)は、木部(屋内)、鉄鋼・亜鉛めっき鋼面(屋内)、モルタルプラスター面(屋内外共)、コンクリート・ALCパネル・押出成形セメント板面(屋内外共)、せっこうボード・その他ボード面(屋内外共)に適している。

4.◯

2液形ポリウレタンワニスは、主剤と硬化剤を混合させて作る塗料であり、顔料が入っていない透明な塗料である。クリヤラッカーと同様、木部面に適していることが特徴である。ALCパネル面には適していない。

1級建築施工管理技士 令和05年 学科 問題2 解説

令和5年 1級建築施工管理技士 一次 解答解説 問題2
(午前の部)令和5年6月11日(日)
問題番号[ No.16 ]~[ No.20 ]までの5問題は、全問題を解答してください。
問題は、四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.16 ]
植栽に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.枝張りは、樹木の四方面に伸長した枝の幅をいい、測定方向により長短がある場合は、最短の幅とする。
2.支柱は、風による樹木の倒れや傾きを防止するとともに、根部の活着を助けるために取り付ける。
3.樹木の移植において、根巻き等で大きく根を減らす場合、吸水量と蒸散量とのバランスをとるために枝抜き剪定を行う。
4.樹木の植付けは、現場搬入後、仮植えや保護養生してから植え付けるよりも、速やかに行うほうがよい。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

枝張り(葉張り)は、樹木の四方面に伸長した枝のをいい、測定方向により長短がある場合は、最長と最短の平均値とする。(平成24年 No.17 変形)

2.◯

支柱は、中高木を新植する際に、樹木の風による倒れや傾きを防止、根部の活着を助けるために用いられる。

3.◯

樹木を移植に際は、樹木が移植に耐え得る状態としなければならない。根巻き等で大きく根を減らすと、養分や水分の吸収量が低くなるため、枝抜き剪定を行い、吸水量と蒸散量のバランスをとるようにする。枝抜き剪定とは、太めの枝を付け根から切り、形を良くすることである。これにより、風通しが良くなることや、養分を効率よく利用することで成長を促進する。

4.◯

樹木は、現場搬入後速やかに植え付ける。なお、搬入日に植え付けが不可能な場合は、仮植えまたは十分な保護養生により乾燥などによる傷みを防止する。

[ No.17 ]
電気設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.合成樹脂製可とう電線管のうちPF管は、自己消火性があり、屋内隠ぺい配管に用いることができる。
2.電圧の種別で低圧とは、直流にあっては600V以下、交流にあっては750V以下のものをいう。
3.低圧屋内配線のための金属管は、規定値未満の厚さのものをコンクリートに埋め込んではならない。
4.低圧屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合における金属製の電線接続箱には、接地工事を施さなければならない。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

合成樹脂製可とう電線管には、CD管PF管が用いられている。PF管は、自己消火性がある(耐熱性)ため、屋内隠ぺい配管に用いることができる。

2.×

電圧の種別における低圧とは、直流にあっては750V以下交流にあっては600V以下のものをいう。(電気設備に関する技術基準を定める省令第2条第一号)

3.◯

低圧屋内配線に使用する金属管の厚さは、コンクリートに埋込む場合、規定値(1.2mm)未満のものを用いてはならない。(電気設備の技術基準の解釈第159条第2項第二号イ)

4.◯

低圧屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合における金属製の電線接続箱には、原則として、C種接地工事を施さなければならない。(電気設備の技術基準の解釈第159条第3項第五号)

機械機器の区分による設置工事の適用

(機械器具の区分)   (設置工事)

300V以下の低圧用のもの D種設置工事

300V超えの低圧用のもの C種設置工事

高圧用のもの       A種設置工事

[ No.18 ]
給排水設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.高置水槽方式は、一度受水槽に貯留した水をポンプで建物高所の高置水槽に揚水し、高置水槽からは重力によって各所に給水する方式である。
2.圧力水槽方式は、受水槽の水をポンプで圧力水槽に送水し、圧力水槽内の空気を加圧して、その圧力によって各所に給水する方式である。
3.屋内の自然流下式横走り排水管の最小勾配は、管径が100mmの場合、1/100とする。
4.排水槽の底の勾配は、吸い込みピットに向かって1/100とする。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

高置水槽方式(高置タンク方式)は、上水や井水を一度受水槽に貯留し、ポンプで屋上等の高置水槽に揚水し、この水槽から重力によって各所に給水する方式で、中層、中規模以上の建物の一般的な給水方式である。

2.◯

圧力水槽方式は、上水や井水を一旦受水槽に貯水し、これをポンプで圧力水槽に送水し、圧力水槽内の空気を圧縮・加圧して、その圧力により各所に給水する方式である。建物の意匠上や地下街等の理由で、高置水槽を設けることができない場合等に設置する。

3.◯

横走り排水管設備は、汚水・雑排水、雨水に分類される。配管勾配は、緩勾配にすると排水の流下が悪く、急勾配にすると水だけが流下して固形物が残る。標準的な勾配は、管径75〜100mmの場合、1/100以上とする。

4.×

排水槽の底の勾配は、吸い込みピットに向かって1/15以上1/10以下とする。また、下り勾配とし、排水・汚泥の排出及び清掃が容易かつ安全に行える構造とする。

[ No.19 ]
建築物に設けるエレベーターに関する記述として、最も不適当なものはどれか。ただし、特殊な構造又は使用形態のものは除くものとする。
1.乗用エレベーターには、停電時に床面で1ルクス以上の照度を確保することができる照明装置を設ける。
2.乗用エレベーターには、1人当たりの体重を65kgとして計算した最大定員を明示した標識を掲示する。
3.火災時管制運転は、火災発生時にエレベーターを最寄階に停止させる機能である。
4.群管理方式は、エレベーターを複数台まとめた群としての運転操作方式で、交通需要の変動に応じて効率的な運転管理を行うことができる。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

乗用エレベーターまたは寝台用エレベーターにあっては、停電時に置いても、床面で1ルクス以上の照度を確保することができる照明装置を設けなければならない。(建築基準法施行令第129条の10第3項第四号ロ)

2.◯

乗用エレベーターにあっては、1人当たりの体重を65kgとして計算する。最大積載量750kgのエレベーターの場合は、750 ÷ 65 ≒ 11.54 となるため、最大定員11名と明示する。(建築基準法施行令第129条の6第3第五号)

3.×

火災時管制運転は、火災発生時にエレベーターを避難階に呼び戻す機能である。この装置は防災センターで切換スイッチによる火災報知器の防炎信号によってすべてのエレベーターを一斉に避難階に呼び戻し帰着させるものである。(機械設備工事監理指針)

4.◯

エレベーターの群管理方式とは、絶えず変動するビル内の交通需要に応じて、エレベーター運転方式を適応的に選定し、複数台あるエレベーターを効率的に運転することを目的とする。

[ No.20 ]
請負契約に関する記述として、「公共工事標準請負契約約款」上、誤っているものはどれか。
1.設計図書とは、図面及び仕様書をいい、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書は含まない。
2.発注者は、工事の完成を確認するために必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、工事目的物を最小限度破壊して検査することができる。
3.工期の変更については、発注者と受注者が協議して定める。ただし、予め定めた期間内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
4.工事の施工に伴い通常避けることができない騒音、振動、地盤沈下、地下水の断絶等の理由により第三者に損害を及ぼしたときは、原則として、発注者がその損害を負担しなければならない。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

設計図書とは、図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質疑応答書をいう。(公共工事標準請負契約約款第1条)現寸図その他これらに類する物(施工図・施工計画書等)を除く

2.◯

発注者は、工事完成の通知を受けたときは、通知を受けた日から14日以内に受注者の立会いの上、設計図書に定めるところにより、工事の完成を確認するための検査を完了し、当該検査の結果を受注者に通知しなければならない。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、工事目的物を最小限度破壊して検査することができる。(公共工事標準請負契約約款第32条第2項)

3.◯

工期の変更については、発注者と受注者が協議して定める。ただし、あらかじめ定めた期間内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。(公共工事標準請負契約約款第24条第1項)

4.◯

公共工事標準請負契約約款第29条第2項により正しい。ただし、その損害のうち工事の施工につき、受注者(請負者)が善良管理者の注意義務を怠ったことにより生じたものについては、受注者(請負者)が負担する。

1級建築施工管理技士 令和05年 学科 問題3 解説

令和5年 1級建築施工管理技士 一次 解答解説 問題3
(午前の部)令和5年6月11日(日)
問題番号[ No.21 ]~[ No.30 ]までの10問題のうちから、7問題を選択し、解答してください。
ただし、7問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は、四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.21 ]
乗入れ構台及び荷受け構台の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.乗入れ構台の支柱の位置は、基礎、柱、梁及び耐力壁を避け、5m間隔とした。
2.乗入れ構台の高さは、大引下端が床スラブ上端より10cm上になるようにした。
3.荷受け構台の作業荷重は、自重と積載荷重の合計の10%とした。
4.荷受け構台への積載荷重の偏りは、構台の全スパンの60%にわたって荷重が分布するものとした。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

乗入れ構台の支柱の位置は、地下構造図と重ね合わせるなどして、基礎、柱、梁及び耐力壁の位置重ならないように配置し、支柱の間隔は 3〜6m程度として計画する。

2.×

乗入れ構台の大引下端は、躯体コンクリート打設時に床の均し作業ができるように、1階のスラブ上端より20~30cm程度上に設定する。(建築工事監理指針)

3.◯

荷受け構台の構造計算に用いる作業荷重は、自重と積載荷重の合計の10%とする。

4.◯

荷受け構台を構成する部材については、積載荷重の偏りを考慮して検討し、通常は構台全スパンの60%にわたって、積載荷重が分布するものと仮定する。

[ No.22 ]
地下水処理工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ディープウェル工法は、初期のほうが安定期よりも地下水の排水量が多い。
2.ディープウェル工法は、透水性の低い粘性土地盤の地下水位を低下させる場合に用いられる。
3.ウェルポイント工法は、透水性の高い粗砂層から低いシルト質細砂層までの地盤に用いられる。
4.ウェルポイント工法は、気密保持が重要であり、パイプの接続箇所で漏気が発生しないようにする。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

ディープウェル工法は、掘削溝内・外にディープウェル(深井戸)を設置し、ウェル内に流入する地下水ポンプ排水させる工法である。施工時の特徴として、初期のほうが安定期よりも地下水の排水量が多い

2.×

ディープウェル工法は、砂層砂礫層等で、透水性の高い地盤で、排水量が多い場合に適している。(建築工事監理指針)

3.◯

ウェルポイント工法は、吸水管を地中に設置し、真空ポンプにより強制的に地下水を集めて排水する工法で、透水性の高い粗砂層から低いシルト質細砂層までの地盤に適用可能である。

4.◯

ウェルポイント工法の留意事項は、地下水位低下の際に地盤た多少沈下するため、周辺環境の調査をすること、ポンプの故障に備え予備ポンプの設置をすること、気密保持のため、パイプの接続箇所で漏気が発生しないようにすること等が挙げられる。(建築工事監理指針)

[ No.23 ]
既製コンクリート杭の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.荷降ろしのため杭を吊り上げる場合、安定するように杭の両端から杭長の1/10の2点を支持して吊り上げる。
2.杭に現場溶接継手を設ける際には、原則として、アーク溶接とする。
3.継ぎ杭で、下杭の上に杭を建て込む際には、接合中に下杭が動くことがないように、保持装置に固定する。
4.PHC杭の頭部を切断した場合、切断面から350mm程度まではプレストレスが減少しているため、補強を行う必要がある。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

既製コンクリートの杭の吊り上げは、支持点(杭の両端から杭長の1/5の点)近くの2点で支持する。

2.◯

既製コンクリート杭に現場溶接継手を設ける場合は、原則としてアーク溶接とする。

3.◯

継ぎ杭とは、1本の杭では長さが不足し、継手を設けてもう1本の杭を連結させて打込む杭をいう。下杭の上に杭を建て込む場合、下杭を保持する装置を設けて、接合時に動かないように留意する。

4.◯

PHC杭(プレテンション方式遠心力高強度プレストレスとコンクリート杭)の杭頭を切断した場合は、切断面から350mm程度まではプレストレスが減少しているので、設計図書により補強を行う。(建築工事監理指針)

[ No.24 ]
鉄筋の機械式継手に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.トルク方式のねじ節継手とは、カップラーを用いて鉄筋を接合する工法で、ロックナットを締め付けることで鉄筋とカップラーとの間の緩みを解消する。
2.グラウト方式のねじ節継手とは、カップラーを用いて鉄筋を接合する工法で、鉄筋とカップラーの節との空隙にグラウトを注入することで緩みを解消する。
3.充填継手とは、異形鉄筋の端部に鋼管(スリーブ)をかぶせた後、外側から加圧して鉄筋表面の節にスリーブを食い込ませて接合する工法である。
4.端部ねじ継手とは、端部をねじ加工した異形鉄筋、あるいは加工したねじ部を端部に圧接した異形鉄筋を使用し、雌ねじ加工されたカップラーを用いて接合する工法である。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

トルク方式のねじ節継手は、ねじ節鉄筋とねじ鉄筋に、カップラー(接合金具)を用いて接合し、ロックナットにより締め付け固定する方法で、鉄筋とカップラーとの間の緩みを解消する。

2.◯

グラウト方式のねじ節継手とは、ねじ節鉄筋とねじ筋鉄筋を、カップラーを用いて鉄筋を接合し、グラウト材充填して鉄筋とカップラーの節を固定する方法で、グラウト材を注入することで緩みを解消する。

3.×

異形鉄筋の端部に鋼管(スリーブ)をかぶせた後、外側から加圧して鉄筋表面の節にスリーブを食い込ませて接合する工法は、圧着継手である。充填継手とは、内面の凹凸のついた比較的径の大きい鋼管(スリーブ)に異形鉄筋の端部を挿入した後、スリーブ内に高強度の無収縮モルタル等を充填して接合する工法である。

4.◯

端部ねじ継手とは、端部をねじ加工した異形鉄筋、または加工したねじ部を端部に圧接した異形鉄筋を使用し、雌ねじ加工されたカップラーを用いて接合する工法である。

[ No.25 ]
型枠支保工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.支柱として用いるパイプサポートの高さが3.5mを超える場合、高さ2.5m以内ごとに水平つなぎを2方向に設けなければならない。
2.支柱として用いる鋼管枠は、最上層及び5層以内ごとに水平つなぎを設けなければならない。
3.支柱としてパイプサポートを用いる型枠支保工は、上端に作業荷重を含む鉛直荷重の5/100に相当する水平荷重が作用しても安全な構造でなければならない。
4.支柱として鋼管枠を用いる型枠支保工は、上端に作業荷重を含む鉛直荷重の2.5/100に相当する水平荷重が作用しても安全な構造でなければならない。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

支柱として用いるパイプサポートの高さが3.5mを超える場合、水平つなぎを設ける位置は、高さ2.0m以内ごとに水平つなぎを2方向に設けなければならない。(労働安全衛生規則第242条第六号イ、第七号ハ)

2.◯

最上層及び5層以内ごとの箇所において、型枠支保工の側面並びに枠面の方向及び交差筋かいの方向における5枠以内ごとの箇所に、水平つなぎを設け、かつ、水平つなぎの変位を防止すること。」と定められている。(労働安全衛生規則第242条第八号ロ)

3.◯

「鋼管枠以外のものを支柱として用いるものであるときは、当該型枠支保工の上端に、設計荷重の5/100に相当する水平方向の荷重が作用しても安全な構造のものとすること。」と定められている。(労働安全衛生規則第240条第3項第四号)

4.◯

「鋼管枠を支柱として用いるものであるときは、当該型枠支保工の上端に、設計荷重の2.5/100に相当する水平方向の荷重が作用しても安全な構造のものとすること。」と定められている。(労働安全衛生規則第240条第3項第三号)

[ No.26 ]
コンクリートの運搬、打込み及び締固めに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.コンクリートの圧送開始前に圧送するモルタルは、型枠内に打ち込まないが、富調合のものとした。
2.圧送するコンクリートの粗骨材の最大寸法が20mmのため、呼び寸法100Aの輸送管を使用した。
3.コンクリート棒形振動機の加振は、セメントペーストが浮き上がるまでとした。
4.外気温が25℃を超えていたため、練混ぜ開始から打込み終了までの時間を120分以内とした。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

コンクリートの圧送に先立ち圧送される先送りモルタルは、型枠内に打ち込まなず破棄する。また、先送モルタルは、セメントの配分を多くした富調合のものとする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編6.6.1(3)(ウ))

2.◯

コンクリート輸送管の径は、コンクリートポンプの圧送性に直接影響し、径が大きいほど圧力損失が少なくなり、圧送性も良くなる。粗骨材の最大寸法が20mmの場合の輸送管の呼び寸法は100A以上とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編6.6.1(3)(イ)、表6.6.1)

3.◯

コンクリート打込み時におけるコンクリート棒形振動機によるコンクリートへの加振は、セメントペーストが浮き上がるまで実施する。(公共建築工事標準仕様書建築工事編6.6.5(3))

4.×

コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間の限度は、外気温が25℃以下で120分以内25℃を超える場合は90分以内とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編6.6.2(1))

[ No.27 ]
鉄骨の建方に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.架構の倒壊防止用に使用するワイヤロープは、建入れ直し用に兼用してもよい。
2.スパンの寸法誤差が工場寸法検査で計測された各部材の寸法誤差の累積値以内となるよう、建入れ直し前にスパン調整を行う。
3.建方に先立って施工するベースモルタルは、養生期間を3日間以上とする。
4.梁のフランジを溶接接合、ウェブをボルトの配列が1列の高力ボルト接合とする混用接合の仮ボルトは、ボルト1群に対して1/3程度、かつ、2本以上締め付ける。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

鉄骨の建方時に架構の倒壊防止としてワイヤロープを使用する場合、このワイヤロープを建入れ直し用に兼用してもよい。(JASS6)

2.◯

工場で計測した寸法と現場で測定した寸法は、鋼製巻尺の違いや、搬入時までの温度変化による材料の伸縮により、異なる場合がある。そのため、各部材の寸法誤差は、累積値以内となるように、建入れ直し前にスパン調整を行う必要がある。

3.◯

建方に先立って施工するベースモルタルは、モルタル中心塗り部分のモルタルの塗厚さを30mm以上50mm以下とし、養生期間を3日とらなければならない。(JASS6)

4.×

高力ボルト接合における仮ボルトの締付けは、1群のボルト数の1/2以上、かつ2本以上バランスよく配置して締め付ける。(公共建築工事標準仕様書建築工事編7.10.5(3))

また、ウェブを高力ボルト接合、フランジを工事現場溶接接合とする混用継手は、原則としてウェブの高力ボルトを先に本締めまで行った後、フランジ溶接を行う。

[ No.28 ]
大断面集成材を用いた木造建築物に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.梁材の曲がりの許容誤差は、長さの1/1,000とした。
2.集成材にあけるドリフトピンの下孔径は、ドリフトピンの公称軸径に2mmを加えたものとした。
3.集成材にあける標準的なボルト孔の心ずれは、許容誤差を±2mmとした。
4.接合金物にあけるボルト孔の大きさは、ねじの呼びがM16未満の場合は公称軸径に1mmを、M16以上の場合は1.5mmを加えたものとした。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

梁材の曲がりの許容誤差は、長さの1/1,000以下とする。

2.×

集成材にあけるドリフトピンの孔の径の許容誤差は、特記がなければピン径と同径とする。

木造建築物に用いる大断面集成材の許容誤差は下表のとおりである。

3.◯

大断面集成材に設ける標準的なボルト孔の心ずれは、許容誤差を±2mm以内とする。

4.◯

接合金物にあけるボルトの孔あけ加工の大きさは、ねじの呼びがM16未満の場合は公称軸径に1mmを加えたものとし、M16以上の場合は1.5mmを加える。(公共建築木造工事標準仕様書5.2.4(1)(c)⑦,表5.2.1)

[ No.29 ]
建設機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ブルドーザーは、盛土、押土、整地の作業に適している。
2.ホイールクレーンは、同じ運転室内でクレーンと走行の操作ができ、機動性に優れている。
3.アースドリル掘削機は、一般にリバース掘削機に比べ、より深い掘削能力がある。
4.バックホウは、機械の位置より低い場所の掘削に適し、水中掘削も可能だが、高い山の切取りには適さない。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

ブルドーザーは、車体の前方にブレード(排土板)がついており、地面を整地するために用いられる。盛土、押土、整地の作業に適している。

2.◯

ホイールクレーンは、同じ運転室内でクレーンと走行の操作ができ、小回りが利くので狭い場所でも設置できる。つり上げ荷重はトラッククレーンに比べて小さい

3.×

リバース掘削機は、一般にアースドリル掘削機に比べて深い掘削能力がある。リバース掘削機の施工深さは約70m程度、アースドリル掘削機は約50m程度である。

4.◯

バックホウは、アームの先端にバケットを装着した掘削に用いられる建設機械で、機械の位置より低い場所の掘削に適し、水中掘削も可能だが、高い山の切取りには適さない。

[ No.30 ]
鉄筋コンクリート造の耐震改修工事における現場打ち鉄筋コンクリート耐震壁の増設工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.増設壁上部と既存梁下との間に注入するグラウト材の練上り時の温度は、練り混ぜる水の温度を管理し、10~35℃の範囲とする。
2.あと施工アンカー工事において、接着系アンカーを既存梁下端に上向きで施工する場合、くさび等を打ってアンカー筋の脱落防止の処置を行う。
3.コンクリートポンプ等の圧送力を利用するコンクリート圧入工法は、既存梁下との間に隙間が生じやすいため、採用しない。
4.増設壁との打継ぎ面となる既存柱や既存梁に施す目荒しの面積の合計は、電動ピック等を用いて、打継ぎ面の15~30%程度となるようにする。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

耐震改修工事における現場打ち鉄筋コンクリート耐震壁の施工においては、現場施工時の水温の管理を十分に行い、水温10℃以上の水を用いてグラウト材を練り上げ、練り上げ時の温度が10〜35℃の範囲のものを注入する。

2.◯

あと施工アンカー工事の接着系アンカーの固着において、上向き作業の場合は、接着剤の漏出防止及び取り付けボルトまたはアンカー筋脱落防止の処置を行う。(公共建築改修工事標準仕様書建築工事編 8.12.5(2)(オ))

3.×

コンクリート圧入工法は、既存の梁面との間にすき間が生じないように、ポンプ等で圧力で加えながら打込む工法なので、打継ぎ面の施工には適している。圧入工法は、既存梁と増築壁との接合をより確実を行うことができる。

4.◯

既存コンクリート表面は、平滑であり、打継ぎ面として適当ではないので、目荒しを施す。この目荒しの程度は、特記によるが、特記のない場合、一般には、既存柱・梁の目荒しは、電動ピック等を用いて、平均深さ2〜5mm(最大で5〜7mm)程度の凹面を合計が打継ぎ面の15〜30%程度の面積となるように全体にわたってつける。(建築改修工事監理指針)

1級建築施工管理技士 令和05年 学科 問題4 解説

令和5年 1級建築施工管理技士 一次 解答解説 問題4
(午前の部)令和5年6月11日(日)
問題番号[ No.31 ]~[ No.39 ]までの9問題のうちから、7問題を選択し、解答してください。
ただし、7問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は、四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.31 ]
防水工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.アスファルト防水密着工法における平場部のルーフィングの張付けに先立ち、入隅は幅300mm程度のストレッチルーフィングを増張りした。
2.改質アスファルトシート防水トーチ工法における平場部の改質アスファルトシートの重ね幅は、縦横とも100mm以上とした。
3.アスファルト防水における立上り部のアスファルトルーフィング類は、平場部のアスファルトルーフィングを張り付けた後、150mm以上張り重ねた。
4.改質アスファルトシート防水絶縁工法におけるALCパネル目地の短辺接合部は、幅50mm程度のストレッチルーフィングを張り付けた。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

アスファルトルーフィング類の張付けにおいて、出隅、入隅には一般平場のルーフィング類の張付けに先立ち、幅300mm以上のストレッチルーフィングを用いて均等に増張り(捨張り)する。(公共建築工事標準仕様書建築工事編9.2.4(4)(ア)(c)表9.2.10)

2.◯

改質アスファルトシートの重ね幅は幅方向、長手方向とも100mm以上とし、2層の場合は上下層の改質アスファルトシートの接合部が重ならないようにする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編9.2.4(5)(ア)(a)②)

3.◯

立上り部よりも水下側の平場部が下側になるよう、立上り部のアスファルトルーフィング類の張付けに先立ち、平場部のルーフィング類を150mm以上張り重ねる。(公共建築工事標準仕様書建築工事編9.2.4(4)(イ)(f))

4.×

ALCパネル下地の短辺接合部は、ルーフィングシート張付けに先立ち、目地部に幅 50mm程度絶縁用テープを張付ける。(公共建築工事標準仕様書建築工事編9.3.4(3)(ア)(c))

[ No.32 ]
乾式工法による外壁の張り石工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.厚さ30mm、大きさ500mm角の石材のだぼ孔の端あき寸法は、60mmとした。
2.ロッキング方式において、ファスナーの通しだぼは、径4mmのものを使用した。
3.下地のコンクリート面の精度を考慮し、調整範囲が±10mmのファスナーを使用した。
4.石材間の目地は、幅を10mmとしてシーリング材を充填した。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

石材のだぼ孔の端あき寸法は、石材の厚みの3倍以上の90mm以上とし、石材幅の辺長の1/4程度である125mm程度の位置にバランスよく設ける。(JASS9)

2.◯

乾式工法のロッキング方式において、ファスナーの通しだぼは、上下固定で径4.0mm、埋込み長さ20mmのものを使用する。(公共建築工事標準仕様書建築工事編10.5.2(2)(ア))

3.◯

外壁乾式工法において、下地のコンクリート面の寸法精度は、±10mm以内とする。この精度を考慮するため、±10mmが調整できるのファスナーを用いる。(公共建築工事標準仕様書建築工事編10.1.3(3)表10.1.1)

4.◯

石材間の目地には、シーリング材を充填する。目地幅は特記がなければ幅、深さとも8mm以上とする。

(公共建築工事標準仕様書建築工事編10.5.3(6)(イ))

[ No.33 ]
金属製折板葺屋根工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.端部用タイトフレームは、けらば包みの下地として、間隔を1,800mmで取り付けた。
2.重ね形折板の重ね部分の緊結ボルトは、流れ方向の間隔を600mmとした。
3.軒先の落とし口は、折板の底幅より小さく穿孔し、テーパー付きポンチで押し広げ、10mmの尾垂れを付けた。
4.軒先のアール曲げ加工は、曲げ半径を450mmとした。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

端部用タイトフレーム(けらば用タイトフレーム)は、けらば包みの下地として、間隔を 1,200mmで取り付ける。(建築工事監理指針)

2.◯

重ね形折板は、各山ごとにタイトフレームに固定し、重ね部分の緊結ボルトは流れ方向の間隔を600mm程度とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編13.3.3(3)(ウ))

3.◯

折板の底に設ける雨水の落とし口は円形にし、孔の周囲に5〜15mm程度尾垂れを付け、裏側への雨水の回り込みを防止する。

4.◯

金属製折板葺屋根の軒先のアール曲げ加工は、曲げ半径450mmとする。

[ No.34 ]
特定天井に該当しない軽量鉄骨天井下地工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.天井のふところが1,500mm以上あったため、吊りボルトの振れ止めとなる水平方向の補強は、縦横間隔を1,800mm程度とした。
2.下り壁による天井の段違い部分は、2,700mm程度の間隔で斜め補強を行った。
3.下地張りのある天井仕上げの野縁は、ダブル野縁を1,800mm程度の間隔とし、その間に4本のシングル野縁を間隔を揃えて配置した。
4.野縁は、野縁受にクリップ留めし、野縁が壁と突付けとなる箇所は、野縁受からのはね出しを200mmとした。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

天井のふところが3mを超える場合は、特記による。天井のふところが1.5m以上の場合は、原則として、吊りボルトの水平補強、斜め補強を行う。水平補強縦横方向に間隔1.8m程度に配置し、斜め補強は相対する斜め材を1組とし、縦横方向に間隔3.6m程度に配置する。(公共建築工事標準仕様書建築工事編14.4.4(8))

2.◯

下り壁、間仕切壁等を境としてに天井に段違いがある場合は、野縁受けと同材またはL-30×30×3 [ mm ]程度の部材で、間隔 2.7m程度斜め補強を行う。(公共建築工事標準仕様書建築工事編14.4.4(7))

3.◯

下地張りのある場合の野縁の間隔は、シングル野縁360mm程度ダブル野縁1,800mm程度とする。ただし、屋外の場合は、特記による。ダブル野縁1,800mm程度の間隔の間隔であり、ダブル野縁の間隔に4本のシングル野縁を間隔を揃えて配置すると、シングル野縁の間隔は1,800÷5 = 360mmとなり、適当と判断できる。(公共建築工事標準仕様書建築工事編14.4.3(2)表14.4.2)

4.×

野縁は、野縁受にクリップ留めし、野縁が壁と突付けとなる箇所は、野縁受からのはね出しは150mm以内とする。

[ No.35 ]
内壁コンクリート下地のセメントモルタル塗りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.下塗りは、吸水調整材の塗布後、乾燥を確認してから行った。
2.下塗り用モルタルの調合は、容積比でセメント1:砂 3とした。
3.下塗り後の放置期間は、モルタルの硬化が確認できたため、14日間より短縮した。
4.中塗りや上塗りの塗厚を均一にするため、下塗りの後に、むら直しを行った。
答え
  2

[ 解答解説 ]

1.◯

吸水調整材塗布後の下塗りまでの間隔は、一般に1時間以上とし、乾燥確認してから行う。

2.×

下塗り用モルタルの調合(容積比)は、セメント1:砂 2.5むら直し、中塗り、上塗りは、セメント1:砂 3とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 表15.3.3)

3.◯

下塗りは、14日以上放置して、ひび割れ等を十分発生させてから、次の塗り付けを行う。ただし、気象条件等により、モルタルの接着が確保できる場合には、放置期間を短縮することができる。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 15.3.5(1)(ア)(e))

4.◯

むら直しとは、塗厚または仕上厚が大きいとき、あるいは塗りむらが著しい時に、下塗りの上にモルタルを塗りつけることをいう。これにより、中塗り、上塗りの塗厚が均一となる。セメントモルタル塗りの工程は、下塗り → むら直し → 中塗り → 上塗りの順で行う。

[ No.36 ]
鋼製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。ただし、1枚の戸の有効開口は、幅950mm、高さ2,400mmとする。
1.外部に面する両面フラッシュ戸の表面板は鋼板製とし、厚さを1.6mmとした。
2.外部に面する両面フラッシュ戸の見込み部は、上下部を除いた左右2方を表面板で包んだ。
3.たて枠は鋼板製とし、厚さを1.6mmとした。
4.丁番やピポットヒンジ等により、大きな力が加わる建具枠の補強板は、厚さを2.3mmとした。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

鋼板類の厚さは、特記による。特記がなければ、片開き、親子開き及び両開き戸の1枚の戸の有効幅が950mmまたは有効高さが 2,400mmを超える場合を除き下記の表とする。外部に面する両面フラッシュ戸の表面板は鋼板製とし、厚さを1.6mmとする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 16.4.4(1)表16.4.2)

2.×

内部建具の両面フラッシュ戸の見込み部は、上下部を除いた左右2方を表面板で包めばよいが、、外部に面する戸は、下部を除き三方の見込みを表面板で包む。(建築工事監理指針)

3.◯

上表により、たて枠は鋼板製とし枠類に分類される。厚さを1.6mmとする。

4.◯

枠の丁番、ドアクローザー、ピポットヒンジ等が取り付く箇所には、裏面に補強板を取り付ける。大きな力が加わる建具枠の補強板は、厚さを2.3mmとする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 16.4.4表16.4.2)

[ No.37 ]
塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、中塗りを行う前に研磨紙P220を用いて研磨した。
2.せっこうボード面の合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、気温が20℃であったため、中塗り後3時間経過してから、次の工程に入った。
3.屋外の木質系素地面の木材保護塗料塗りにおいて、原液を水で希釈し、よく攪拌して使用した。
4.亜鉛めっき鋼面の常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて、下塗りに変性エポキシ樹脂プライマーを使用した。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの工程は、素地調整、下塗り、パテかい、研磨、中塗り、上塗りと進む。研磨には研磨紙P220を用いる。

2.◯

合成樹脂エマルションペイント塗りでは、各塗装工程の標準工程間隔時間は、気温20℃においては3時間以上である。

3.×

木材保護塗料塗りは通常屋外で使用される木質系素地に対して適用される。木材保護塗料は、原液で使用することを基本とし、希釈はしない

4.◯

亜鉛めっき鋼面の常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りの下塗りには、変性エポキシ樹脂プライマーを使用する。(JASS18)

[ No.38 ]
ALCパネル工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.床版敷設筋構法において、床パネルへの設備配管等の孔あけ加工は1枚当たり1か所とし、主筋の位置を避け、直径100mmの大きさとした。
2.横壁アンカー構法において、地震時等における躯体の変形に追従できるよう、ALCパネル積上げ段数3段ごとに自重受け金物を設けた。
3.縦壁フットプレート構法において、ALC取付け用間仕切チャンネルをデッキプレート下面の溝方向に取り付ける場合、下地として平鋼をデッキプレート下面にアンカーを用いて取り付けた。
4.床版敷設筋構法において、建物周辺部、隅角部等で目地鉄筋により床パネルの固定ができない箇所は、ボルトと角座金を用いて取り付けた。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

床版敷設筋構法において、床パネルへの設備配管等が貫通する場合の孔あけは、直径50mm以下とする。(建築工事監理指針)

2.◯

横壁アンカー構法においては、パネル重量による下段パネルの損傷を避けるため、ALCパネル積上げ段数3〜5段以下毎にALCパネルの重量を支持する自重受け金物を設ける。(一般社団法人 ALC協会ALCパネル取付く構法標準・同解説第2章第2節3.1b)

3.◯

縦壁フットプレート構法において、デッキプレート下面への下地鋼材の取付けは、下地鋼材がデッキプレートの溝方向と平行となる場合、下地鋼材の取付けに先立ち、下地として平鋼をデッキプレート下面にアンカーなどにより取り付けておく必要がある。(一般社団法人 ALC協会ALCパネル取付く構法標準・同解説第3章第2節2.2)

4.◯

床版敷設筋構法において、建物周辺部、隅角部、階段室廻りなどで目地鉄筋によりALCパネルの固定ができない箇所は、ボルトと座金丸座金または角座金・角座金R)を用いて取り付ける。(一般社団法人 ALC協会ALCパネル取付く構法標準・同解説第4章第1節3c)

[ No.39 ]
内装改修工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。ただし、既存部分は、アスベストを含まないものとする。
1.ビニル床シートの撤去後に既存下地モルタルの浮き部分を撤去する際、健全部分と縁を切るために用いるダイヤモンドカッターの刃の出は、モルタル厚さ以下とした。
2.既存合成樹脂塗床面の上に同じ塗床材を塗り重ねる際、接着性を高めるよう、既存仕上げ材の表面を目荒しした。
3.防火認定の壁紙の張替えは、既存壁紙の裏打紙を残した上に防火認定の壁紙を張り付けた。
4.既存下地面に残ったビニル床タイルの接着剤は、ディスクサンダーを用いて除去した。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

ビニル床シート張りの下地モルタルの浮き部分の撤去の際、ダイヤモンドカッターの刃の出は、モルタル厚さ以下とする。(公共建築改修工事標準仕様書6.2.2(1)(ア))

2.◯

既存合成樹脂塗床材を除去せずに同じ塗床材を塗り重ねる場合は、既存仕上げ材の表面をディスクサンダー等により目荒しして接着性を高める。(公共建築改修工事標準仕様書6.2.2(1)(イ)(b))

3.×

壁紙の張替えは、既存の壁紙を残さず撤去し、下地基材面を露出させてから新規の壁紙を張り付けなければ防火材料に認定されない。(建築改修工事監理指針)

4.◯

既存床仕上材の撤去に関して、下地面に残ったビニル床タイルの接着剤は、アスベストを含有していない場合、新規仕上げの施工に支障のないように、ディスクサンダー等により除去する。(建築改修工事監理指針)

1級建築施工管理技士 令和05年 学科 問題5 解説

令和5年 1級建築施工管理技士 一次 解答 問題5
(午前の部)令和5年6月11日(日)
問題番号[ No.40 ]~[ No.44 ]までの5問題は、全問題を解答してください。
問題は、四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.40 ]
事前調査や準備作業に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.地下水の排水計画に当たり、公共下水道の排水方式の調査を行った。
2.タワークレーン設置による電波障害が予想されたため、近隣に対する説明を行って了解を得た。
3.ベンチマークは、移動のおそれのない箇所に、相互にチェックできるよう複数か所設けた。
4.コンクリートポンプ車を前面道路に設置するため、道路使用許可申請書を道路管理者に提出した。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

地下水の排水計画に当たっては、公共下水道の排水方式等必要な調査を行う。

2.◯

鉄骨工事計画に当たって、タワークレーンによる電波障害が予想される場合には、近隣に対する説明を行って了解を得る必要がある。

3.◯

ベンチマークは、建物の高さ及び位置の基準となるものであり、敷地付近の移動のおそれのない箇所に設置し、監理者の検査を受ける。またベンチマークは通常2箇所以上設け、相互にチェックを行う。

4.×

コンクリートの打設ではコンクリートポンプ車等を道路上に一時駐車するため、施工者は道路使用許可申請書を所轄警察署長に提出しなければならない。(道路交通法第77条第1項第一号)

[ No.41 ]
仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.作業員の仮設男性用小便所数は、同時に就業する男性作業員40人以内ごとに1個を設置する計画とした。
2.工事用電気設備の建物内幹線の立上げは、上下交通の中心で最終工程まで支障の少ない階段室に計画した。
3.仮設電力契約は、工事完了まで変更しない計画とし、短期的に電力需要が増加した場合は、臨時電力契約を併用した。
4.仮設の給水設備において、工事事務所の使用水量は、1人1日当たり50Lを見込む計画とした。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

男性用大便器の便房の数は、同時に就業する男性労働者 60人以内ごとに1個以上、男性用小便所数は、同時に就業する男性労働者 30人以内ごとに1個以上とする。

2.◯

工事用電気設備の建物内幹線の立上げは、できるだけ最終工程まで支障の少ない場所で計画する。

3.◯

仮設電力契約は、工事完了まで変更しない計画とするが、短期的に電力需要が増加する場合は、工事に影響がでないよう臨時電力契約をして、使用する電力の量を増量する。臨時電力契約は、通常の電力供給契約に比べて割高となる。

4.◯

仮設の給水設備において、工事事務所使用水量は、40〜50L/ 人・日を目安とする。

[ No.42 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.長尺のビニル床シートは、屋内の乾燥した場所に直射日光を避けて縦置きにして保管した。
2.砂付ストレッチルーフィングは、ラップ部(張付け時の重ね部分)を下に向けて縦置きにして保管した。
3.フローリング類は、屋内のコンクリートの床にシートを敷き、角材を並べた上に保管した。
4.木製建具は、取付け工事直前に搬入し、障子や襖は縦置き、フラッシュ戸は平積みにして保管した。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

長尺のビニル床シートは、屋内の乾燥した場所に、直射日光を避けて縦置きする。(JASS26)

2.×

砂付ストレッチルーフィングは、接着不良にならないように砂の付いていないラップ部分(張付け時の重ね部分)を上に向けて縦置きとし、ラップ部分の保護のため2段積みは行わない。

3.◯

フローリング類は、木質材の湿気を含むと変形するので、保管には十分に注意する。やむを得ずコンクリートの上の置く場合は、シートを敷き、角材を並べた上に保管する。

4.◯

木製建具は、取付け工事直前に搬入し、障子や襖縦置きフラッシュ戸平積みとする。(JASS 16)

[ No.43 ]
建築工事に係る届出に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
1.高さが31mを超える建築物を建設する場合、その計画を当該仕事の開始の日の14日前までに、労働基準監督署長に届け出なければならない。
2.共同連帯として請け負う際の共同企業体代表者届を提出する場合、当該届出に係る仕事の開始の日の14日前までに、労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長に届け出なければならない。
3.つり上げ荷重が3t以上であるクレーンの設置届を提出する場合、その計画を当該工事の開始の日の14日前までに、労働基準監督署長に届け出なければならない。
4.耐火建築物に吹き付けられた石綿を除去する場合、その計画を当該仕事の開始の日の14日前までに、労働基準監督署長に届け出なければならない。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

高さ31mを超える建築物または工作物の建設、改造、解体または破壊の仕事を行う場合は、その計画を当該仕事の開始の日の14日前までに、労働基準監督署長に届け出なければならない。(労働安全衛生法第88条第3項、同規則第90条第一号)

2.◯

二以上の建設業に属する事業の事業者が、一の場所において行われる当該事業の仕事を共同連帯として請け負った場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、そのうちの一人を代表者として定め、届出に係る仕事の開始の日の14日前までに、届書を、当該仕事が行われる場所を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない。届書の提出は、当該仕事が行われる場所を管轄する労働基準監督署長を経由して行うものとする。(労働安全衛生法第5条第1項、同規則第1条2,4項)

3.×

つり上げ荷重が 3 t 以上のクレーンを設置する場合は、工事開始日の 30日前までにクレーン設置届を労働基準監督署長に届け出なければならない。(労働安全衛生法第88条第1項、クレーン等安全規則第5条)

4.◯

耐火建築物で石綿等の除去の作業を行う場合は、仕事の開始の日の14日前までに、労働基準監督署長に届け出なければならない。(労働安全衛生法第88条第3項、同規則第90条第五の三号)

[ No.44 ]
工程計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工程計画では、各作業の手順計画を立て、次に日程計画を決定した。
2.工程計画では、工事用機械が連続して作業を実施し得るように作業手順を定め、工事用機械の不稼働をできるだけ少なくした。
3.工期短縮を図るため、作業員、工事用機械、資機材等の供給量のピークが一定の量を超えないように山崩しを検討した。
4.工期短縮を図るため、クリティカルパス上の鉄骨建方において、部材を地組してユニット化し、建方のピース数を減らすよう検討した。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

工程計画を作成するためには、まず各作業をどのような手順で行うかの手順計画を立て、次にその手順をいつ実施するか日程計画を決定して作成する。

2.◯

工程計画の立案においては、工事用機械が連続して作業を実施し得るように作業手順を定め、作業量を平準化し、工事用機械の不稼働をできるだけ少なくする

3.×

山積工程表における山崩しは、人員、機械、資材の量を考慮して、労働者の投入人数などをなるべく一定にし、バランスの取れた経済的な工程計画にするものであり、工期短縮に用いる手法ではない。工程圧縮できるのは、フォローアップによる工程の見直しである。

4.◯

クリティカルパスとは、工程上、最も重要な経路で、クリティカルバスの工程経路が遅れると、工程全体が遅れることとなる。また、鉄骨工事の地組とは、鉄骨躯体に用いられる柱や梁をあらかじめ地上で組み立てることで、鉄骨躯体組立て時の作業量を減らすことができる。そのため、工期短縮を図る上で、クリティカルバス上の鉄骨建方は、部材を地組してユニット化し、建方のピース数を減らすよう検討する。

1級建築施工管理技士 令和05年 学科 問題6 解説

令和5年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説
(午後の部)令和5年6月11日(日)

※問題番号[ No.45 ]~[ No.54 ]までの10問題は、全問題を解答してください。
問題は、四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.45 ]
一般的な事務所ビルの鉄骨工事において、所要工期算出のために用いる各作業の能率に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.鉄骨のガスシールドアーク溶接による現場溶接の作業能率は、1人1日当たり6mm換算溶接長さで80mとして計画した。
2.タワークレーンのクライミングに要する日数は、1回当たり1.5日として計画した。
3.建方用機械の鉄骨建方作業占有率は、60%として計画した。
4.トルシア形高力ボルトの締付け作業能率は、1人1日当たり300本として計画した。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

鉄骨のガスシールドアーク溶接による現場溶接は、1人1日当たり6mm換算で80mとして計画する。一般に現場溶接の1日の平均能率は、溶接技能者1人当たり箱形(ボックス)柱で2本、梁で5箇所といわれている。(鉄骨工事技術指針・工事現場施工編)

2.◯

タワークレーンの1回のクライミングに要する日数は、準備を含めて1.5日である。(鉄骨工事技術指針・工事現場施工編)

3.◯

ビルの鉄骨建方において、タワークレーンの鉄骨建方作業占有率(鉄骨建方作業のみに占める時間の割合)は、同時期作業が多く、補助クレーンを用いる場合でおおむね60%前後とされている。(鉄骨工事技術指針・工事現場施工編)

4.×

トルシア形高力ボルトの1日における締付け作業効率は、ビルで450~700本、工場建屋等で400~600本である。(鉄骨工事技術指針・工事現場施工編)したがって、トルシア形高力ボルトの締付け作業は、3人1組で作業するものなので、1人1日当たり 150~200本として計画する。

[ No.46 ]
ネットワーク工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.一つの作業の最早終了時刻(EFT)は、その作業の最早開始時刻(EST)に作業日数(D)を加えて得られる。
2.一つの作業の最遅開始時刻(LST)は、その作業の最遅終了時刻(LFT)から作業日数(D)を減じて得られる。
3.一つの作業でトータルフロート(TF)が0である場合、その作業ではフリーフロート(FF)は0になる。
4.一つの作業でフリーフロート(FF)を使い切ってしまうと、後続作業のトータルフロート(TF)に影響を及ぼす。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

最早終了時刻(EFT)は、作業が最も早く完了できる時刻である。よって、最早開始時刻(EST)に作業日数(D)を加えて得られる。

2.◯

最遅開始時刻(LST)は、全体の工期を守るために、必ず着手しなけらばならない時刻である。よって、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から作業日数(D)を減じた値となる。

3.◯

トータルフロート(TF)は、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早終了時刻(EFT)を差し引いて求められる。当該作業のトータルフロートが 0 となる場合フリーフロート(後続作業の開始時時刻に影響を及ぼさない余裕時間))は0になる

4.×

フリーフロートとは、その作業の中で使い切ってしまうと後続作業の最早開始時刻に影響を及ぼすようなフロートをいう。

フリーフロートは次式で定まる。

フリーフロート

=後続作業の最早開始時刻 − 当該作業の最早終了時刻

したがって、フリーフロートに影響を及ぼすものは、後続作業の最早開始時刻当該作業の最早終了時刻である。

トータルフロートに影響を及ぼすものは、最遅終了時刻である。

[ No.47 ]
建築施工の品質を確保するための管理値に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.鉄骨工事において、スタッド溶接後のスタッドの傾きの許容差は、5°以内とした。
2.構造体コンクリートの部材の仕上がりにおいて、柱、梁、壁の断面寸法の許容差は、0~+20mmとした。
3.鉄骨梁の製品検査において、梁の長さの許容差は、±7mmとした。
4.コンクリート工事において、薄いビニル床シートの下地コンクリート面の仕上がりの平坦さは、3mにつき7mm以下とした。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

鉄骨工事においるスタッド溶接後のスタッドの傾きの限界許容差は、5°以内とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編7.7.3(2))

2.◯

構造体コンクリートの部材の仕上がりにおける 柱、梁、壁の断面寸法の許容差は、0~+20mmである。(公共建築工事標準仕様書表6.2.3)

3.×

鉄骨梁の製品検査で梁の長さの管理許容差は±3mm限界許容差は ±5mmである。(JASS 6)

JASS6付表4 製 品

4.◯

コンクリート工事において、ビニル系床材張りなど仕上げ厚さが極めて薄い場合、下地コンクリートの仕上がりの平たんさは、3mにつき7mm以下とする。(公共建築工事標準仕様書同編表6.2.5)

[ No.48 ]
品質管理に用いる図表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ヒストグラムは、観測値若しくは統計量を時間順又はサンプル番号順に表し、工程が管理状態にあるかどうかを評価するために用いられる。
2.散布図は、対応する2つの特性を横軸と縦軸にとり、観測値を打点して作るグラフ表示で、主に2つの変数間の相関関係を調べるために用いられる。
3.パレート図は、項目別に層別して、出現度数の大きさの順に並べるとともに、累積和を示した図である。
4.系統図は、設定した目的や目標と、それを達成するための手段を系統的に展開した図である。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

ヒストグラムは、ばらつきをもつデータの範囲をいくつかの区間に分け、各区間を底辺とし、その区間で出現度数を高さとした長方形(柱状)を並べた図で、柱状図とも呼ばれる。データの分布の形を見たり、規格値との関係(目標値からのばらつき状態)をみることができる。計量特性の度数分布のグラフ表示で、製品の品質の状態が規格値に対して満足のいくものか等を判断するために用いられる。

観測値若しくは統計量を時間順またはサンプル番号順に表し、工程が管理状態にあるかどうかを評価するために用いられる図は、管理図である。

2.◯

散布図とは、2つの特性を横軸と縦軸にとり、観測値を打点して作るグラフ表示でる。QCの7つ道具の1つとして広く普及しており、主に2つの変数間の関連を調べるために用いられる。

3.◯

パレート図とは、不良品、欠点、故障等の発生個数を現象や要因別に分類し層別して、出現度数の大きい順に並べるとともに、累積和を示した図である。

4.◯

系統図は、目的や目標を達成するために、目的と手段を系統づけて、枝分かれに展開した図である。

[ No.49 ]
品質管理における検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.中間検査は、製品として完成したものが要求事項を満足しているかどうかを判定する場合に適用する。
2.無試験検査は、サンプルの試験を行わず、品質情報、技術情報等に基づいてロット合格、不合格を判定する。
3.購入検査は、提出された検査ロットを、購入してよいかどうかを判定するために行う検査で、品物を外部から受け入れる場合に適用する。
4.抜取検査は、ロットからあらかじめ定められた検査の方式に従ってサンプルを抜き取って試験し、その結果に基づいて、そのロットの合格、不合格を判定する。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

中間検査は、不良なロットが次工程に渡らないように、事前に取り除くことにより損害を少なくするために行う。完成したものを判定する検査完了検査である。

2.◯

無試験検査とは、品質情報・技術情報に基づいてサンプルの試験を省略できる検査をいう。検査なしで次の工程で流すものであり、一般に次のような場合に適用する。

①管理図に異常がなく製造工程が安定状態にあり、そのまま次工程に流しても損失は問題にならない状態の場合、ロットの試験省略する。

②JIS指定商品等、品質保証のある商品の場合、購入検査省略する。

③長期にわたって検査結果が良く使用実績も良好な品物の受入検査の場合、供給者の検査成績表の確認によってサンプルの試験を省略する間接検査切り替える

3.◯

提供品の受入可否判定のための検査であり、特に外部からの購入品検査購入検査という。不適合品が生産工程に流入したり顧客に流出したりすることを防止し、品質上の責任の所在を明確化する。購入検査において、供給側が行った検査結果を必要に応じて確認することによって、購入者の試験を省略する検査を間接検査という。

4.◯

抜取検査とは、調査を行う製品、材料の一定の範囲から無作為に抜き取り少数のサンプルを検査しその値をもとに全体の品質を決定する方法をいう。そして、その結果の基づき、ロットの合否を判定する。

[ No.50 ]
市街地の建築工事における公衆災害防止対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.敷地境界線からの水平距離が 5mで、地盤面からの高さが3mの場所からごみを投下する際、飛散を防止するためにダストシュートを設けた。
2.防護棚は、外部足場の外側からのはね出し長さを水平距離で2mとし、水平面となす角度を15°とした。
3.工事現場周囲の道路に傾斜があったため、高さ3mの鋼板製仮囲いの下端は、隙間を土台コンクリートで塞いだ。
4.歩車道分離道路において、幅員3.6mの歩道に仮囲いを設置するため、道路占用の幅は、路端から1mとした。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

建築工事等において工事現場の敷地境界線からの水平距離が 5m以内で、かつ、地盤面からの高さが3m以上の場所からくず、ごみその他飛散する恐れのある物を投下する場合においては、ダストシュートを用いる等、当該くず、ごみ等が工事現場の周辺に飛散することを防止するための措置を講じなければならない。(建築基準法施行令第136条の5第1項)

2.×

防護柵は、骨組の外側から水平距離で 2m以上突き出させ、水平面とのなす角度を 20° 以上とし、風圧、振動、衝撃、雪荷重等で脱落しないように骨組に堅固に取り付ける。(建設工事公衆災害防止対策要綱建築工事編第4章第28四)

3.◯

仮囲いは1.8m以上としなければならない。(建築基準法施行令第136条の2の20)また、傾斜地に設置した鋼板製仮囲いの下端に生じた隙間は、土台コンクリート等で塞ぐ計画とする。

4.◯

道路法施行令第7条第四号より、道路の占用許可対象とされているものに、工事用板囲足場が含まれている。道路占有許可は、道路管理者の許可が必要であり、道路管理者の基準に従う必要がある。国土交通省北陸地方整備局や関東地方整備局等で、仮囲いの幅は、1m以内と定められている。

[ No.51 ]
作業主任者の職務として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。
1.建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、器具、工具、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
2.有機溶剤作業主任者は、作業に従事する労働者が有機溶剤により汚染され、又はこれを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること。
3.土止め支保工作業主任者は、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。
4.足場の組立て等作業主任者は、組立ての時期、範囲及び順序を当該作業に従事する労働者に周知させること。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

事業者は、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者に、器具、工具、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の機能点検し、不良品を取り除くことを行わせなければならない。(労働安全衛生規則第517条の5第二号)

2.◯

有機溶剤作業主任者は、作業に従事する労働者が有機溶剤により汚染され、またはこれを吸入しないように、作業の方法決定し、労働者指揮することと規定されている。(有機溶剤中毒予防規則第19条の2第一号)

3.◯

事業者は、土止め支保工作業主任者に、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視することを行わせなければならない。(労働安全衛生規則第375条第三号)

4.×

事業者は、つり足場、張出し足場または高さが2m以上の構造の足場の組立て、解体または変更の作業を行うときは、組立て、解体または変更の時期、範囲及び順序を当該作業に従事する労働者に周知させなければならない。(労働安全衛生規則第564条第1項第一号)

[ No.52 ]
足場に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.枠組足場に設ける高さ8m以上の階段には、7m以内ごとに踊場を設けた。
2.作業床は、つり足場の場合を除き、床材間の隙間は3cm以下、床材と建地の隙間は12cm未満とした。
3.単管足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向5.5m以下、水平方向5m以下とした。
4.脚立を使用した足場における足場板は、踏さん上で重ね、その重ね長さを20cm以上とした。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

踊場は、階段と一体になって機能する架設通路であり、労働安全衛生規則第552条を準用し、高さが8m以上の階段には、7m以内ごとに踊場を設ける。(労働安全衛生規則第552条第1項第六号)

2.◯

つり足場の場合を除き、幅、床材間の隙間及び床材と建地との隙間は、次に定めるところによること。(労働安全衛生規則第563条第1項第二号)

イ. 幅は、40cm以上とすること。

ロ. 床材間の隙間は、3cm以下とすること。

ハ. 床材と建地の隙間12cm未満とすること。

3.×

単管足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向 5m 以下、水平方向 5.5m 以下とする。(労働安全衛生規則第570条1項第五号イ)

4.◯

脚立は、脚と水平面との角度を75° 以下とし、足場板を長手方向に重ねるときは、踏さん上で重ね、その重ね長さは、20cm以上とする。(労働安全衛生規則第528条、第563条4項第一号ハ)

[ No.53 ]
事業者又は特定元方事業者の講ずべき措置に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
1.特定元方事業者は、特定元方事業者及びすべての関係請負人が参加する協議組織を設置し、会議を定期的に開催しなければならない。
2.事業者は、つり足場における作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、脚部の沈下及び滑動の状態について点検を行わなければならない。
3.事業者は、高さが2m以上の箇所で作業を行う場合、作業に従事する労働者が墜落するおそれのあるときは、作業床を設けなければならない。
4.特定元方事業者は、作業場所の巡視を、毎作業日に少なくとも1回行わなければならない。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

協議組織の設置及び運営を行うことは、労働安全衛生法第30条第1項第一号に規定されており、すべての関係請負人が参加する協議組織設置し、会議を定期的に開催する必要がある。

2.×

事業者は、つり足場における作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、同規則第567条第2項第一号から第五号まで、第七号及び第九号に掲げる事項について、点検し、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならないと規定されている。(労働安全衛生規則第568条)

しかし、同規則第567条第2項で脚部の沈下及び滑動の状態は第六号に、建地、布及び腕木の損傷の有無は第八号に規定されているため、つり足場における作業開始前の点検項目から除外されている

☆令和5年10月1日施行の同規則第567条・第568条の改正により、事業者が自ら点検する義務が、点検者を指名して、点検者に点検させる義務に変更された。したがって、現在では、この部分も誤りとなる。

3.◯

事業者は、高さが2m以上の箇所で作業で、墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、作業床を設けなければならない。(労働安全衛生規則第518条第1項)

4.◯

特定元方事業者は、作業場所を巡視することについては、毎作業日に少なくとも1回、これを行わなければならない。(労働安全衛生規則第637条第1項)

[ No.54 ]
クレーンに関する記述として、「クレーン等安全規則」上、誤っているものはどれか。
1.つり上げ荷重が0.5t以上のクレーンの玉掛用具として使用するワイヤロープは、安全係数が6以上のものを使用した。
2.つり上げ荷重が3t以上の移動式クレーンを用いて作業を行うため、当該クレーンに、その移動式クレーン検査証を備え付けた。
3.設置しているクレーンについて、その使用を廃止したため、遅滞なくクレーン検査証を所轄労働基準監督署長に返還した。
4.移動式クレーンの運転についての合図の方法は、事業者に指名された合図を行う者が定めた。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

クレーン、移動式クレーンまたはデリックの玉掛用具であるワイヤロープの安全係数については、6以上でなければならない。(クレーン等安全規則第213条第1項)

2.◯

移動式クレーンを用いて作業を行うときは、当該移動式クレーンに、その移動式クレーン検査証を備え付けておかなければならない。(クレーン等安全規則第63条)

3.◯

クレーンを設置している者が当該クレーンについて、その使用を廃止したとき、またはつり上げ荷重を3t 未満に変更したときは、その者は、遅滞なく、クレーン検査証を所轄労働基準監督署長返還しなければならない。(クレーン等安全規則第52条)

4.×

事業者は、移動式クレーンを用いて作業を行うときは、移動式クレーンの運転について一定の合図を定め、原則として、合図を行う者を指名して、その者合図を行わせなければならない。ただし、運転者に単独で作業を行わせるときは、この限りでない。(クレーン等安全規則第71条第1項)

指名されたものが合図を定めるのではなく、定めるのは事業者である