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※ 問題番号[ No.1 ]~[ No.15 ]までの 15 問題のうちから、12 問題を選択し、解答してください。
[ No.1 ]
伝熱に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.壁体の熱貫流抵抗は、熱伝達抵抗と熱伝導抵抗の和によって得られる。
2.壁体の含湿率が増加すると、壁体の熱伝導率は小さくなる。
3.外断熱の施された熱容量の大きな壁は、室温の著しい変動の抑制に有効である。
4.熱損失係数は、建物の断熱性能、保温性能を表す数値として用いられる。
2
壁体の含湿率が増加すると水成分は熱抵抗は小さいので、全体的に熱抵抗が小さくなり熱伝導率は大きくなる。結露なども発生しやすくなる。
1.◯
熱貫流抵抗は熱貫流率の逆数で、壁体の熱の通しにくさを表す数値である。
熱貫流抵抗 = 熱伝達抵抗 + 熱伝導抵抗
3.◯
内断熱に比べて外断熱の方が、壁体内で低温となる部分ができにくく、室温の著しい変動の抑制に有効である。
4.◯
熱損失係数は、建物の断熱性能(保温性)、気密性を総合した熱的性能の評価指標として用いられるもので、各壁及びサッシの貫流熱損失及び換気、ヒートブリッジ等による熱損失の合計を求め、これを延面積で割った値で表す。この値が小さいほど、床面積あたりの熱損失が少なく、エネルギー消費も少ない。
[ No.2 ]
照明又は採光に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.昼光率とは、全天空照度に対する室内のある点の天空光による照度の比をいう。
2.照度とは、受照面の単位面積当たりの入射光束をいう。
3.グレアとは、高輝度な部分、極端な輝度対比や輝度分布などによって感じられるまぶしさをいう。
4.光度とは、反射面を有する受照面の光の面積密度をいう。
4
光度は、光源から発散される光のエネルギーの強さを表す尺度であり、物理的には光源の中のある点からあらゆる方向に向けて発散される単位立体角あたりの光束をいう。単位は cd(カンデラ)である。反射面を有する受照面の光の面積密度は輝度という。
1.◯
昼光率とは、室内のある点の照度とその時の全天空照度の比を%で表したものである。
昼光率 =(室内の水平面照度)/(全天空照度)×100(%)
例えば、屋外の照度が 5,000 lxで室内のある点の照度が 100 lxのとき、昼光率は2%となる。
2.◯
照度とは、受照面の単位面積当たりの入射する光のエネルギー量、すなわち受照面の単位面積あたりの入射光束をいう。単位はルクス(lx)である。
3.◯
グレアとは、視野内の高輝度な点・面あるいは極端な輝度対比や輝度分布などによって感じられるまぶしさをいう。視力低下や、眼の疲労・不快感などを生じさせる原因となる。
[ No.3 ]
音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.剛壁と多孔質材料との間に空気層を設けると、低音域の吸音率は上昇する。
2.残響時間は、室容積に比例し、室内の総吸音力に反比例する。
3.床衝撃音レベルの遮音等級を表す L 値は、値が大きいほど遮音性能が高い。
4.単層壁の透過損失は、一般に壁の面密度が大きいほど大きくなる。
3
床衝撃音の遮音等級は、音源室で床衝撃音発生装置によって発生させた衝撃音を、下階で測定した音圧レベル、Lr-50、Lr-55等で示す。等級が小さいほど床の遮音性能が高い。
1.◯
剛壁と吸音材料である多孔質材料との間に空気層を設けた場合、空気層の厚さが増すほど低温域の吸音率が増加する。
2.◯
音源から発生した音は、天井や壁等で反射を繰り返し、そのたびにそれらの材料に吸収されて減衰するので、音源がなくなっても、室内にはわずかの間、響が残る。音源を停止した後、音のエネルギー密度が 60dB減少するのに要する時間を残響時間という。
残響時間 T(秒)
T = 0.161 V/A
V:室容積(m3)
A:室の総吸音力(m2)
室容積 V に比例し、室の総吸音力 Aに反比例する。
4.◯
透過損失とは、壁体等の遮音の程度を示すもので、値が大きいほど、壁体等の遮音性能が高いことを表す。単層壁の透過損失は、単位面積当たりの質量(面密度)と、周波数が大きいほど大きくなる。これを単層壁の質量則という。
[ No.4 ]
鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.梁のせん断耐力は、一般にあばら筋量を増やすことにより増加する。
2.梁に貫通孔を設けた場合の構造耐力の低下は、せん断耐力より曲げ耐力の方が著しい。
3.柱梁接合部内の帯筋間隔は、原則として 150 mm 以下とし、かつ、隣接する柱の帯筋間隔の 1.5 倍以下とする。
4.普通コンクリートを使用する場合、柱の小径は、原則としてその構造耐力上主要な支点間の距離の 1/15 以上とする。
2
梁の曲げ耐力は、一般に主筋の位置と断面積により決まるが、せん断耐力はコンクリートの断面積及びせん断補強筋量によって決まる。したがって、貫通孔が設けられると、コンクリートの断面積が減少し、せん断耐力が著しく低下する。
1.◯
梁のせん断耐力は、一般にあばら筋の量をふやすことにより、柱のせん断耐力は、一般に帯筋量を増やすことにより、増加する。(建築基準法施行令第78条)
3.◯
柱梁接合部内(仕口部)の帯筋間隔は、15cm以下、かつ、最も細い主筋の径の15倍以下とする。(建築基準法施行令第77条第三号)
4.◯
柱の小径は、構造耐力上主要な支点間の距離(通常上下の梁の間の長さ)の1/15以上とする。(建築基準法施行令第77条第五号)
[ No.5 ]
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.片面溶接による部分溶込み溶接は、継目のルート部に、曲げ又は荷重の偏心による付加曲げによって生じる引張応力が作用する箇所に使用してはならない。
2.部材の引張力によってボルト穴周辺に生じる応力集中の度合は、普通ボルト接合の場合より高力ボルト摩擦接合の方が少ない。
3.完全溶込み溶接による T 継手の余盛は、溶接部近傍の応力集中を緩和する上で重要である。
4.高力ボルト摩擦接合における許容せん断力は、二面摩擦の場合は、一面摩擦の 1/2 である。
4
高力ボルト摩擦接合は、ボルトの軸に導入された張力により生じる接合部材間の摩擦力によって力を伝達する方法である。高力ボルト1本当たりの許容せん断力 Rs は次式が与えられ、二面摩擦の耐力は一面摩擦の2倍となる。
Rs = nμN/γ
n:摩擦面の数
μ:すべり係数(μ = 0.45)
N:設計ボルト張力
γ:安全率(γ = 1.5)
1.◯
部分溶け込み溶接は、溶接線と直角方向に引張応力が作用する場合や溶接線を軸とする曲げが作用する場合及び繰り返し荷重を受ける箇所には使用できない。
2.◯
高力ボルト摩擦接合は、高力ボルトで継手部材を締め付け、部材間に生じる摩擦力によって応力を伝達する接合法である。特徴は、応力の流れが円滑で、継手の剛性が高いことにある。
せん断力を受けるリベット、あるいは中ボルト接合の場合、外力が作用すると接合部にずれが生じ、ボルト鋼板が支圧状態になったあとで応力の伝達が行われ、その場合、穴周辺に高い応力集中が生じる。
それに対し、摩擦接合では接触面で応力が伝達され、応力伝達面積が大きいため、高い応力集中は起こらない。
3.◯
T継手は、板が直角に交わるため、直交する隅角部には応力集中が生じる。そのため、なだらかな余盛を設けて応力集中を緩和することが重要である。
[ No.6 ]
杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.支持杭を用いた杭基礎の許容支持力には、基礎スラブ底面における地盤の支持力は加算しない。
2.埋込み杭は、打込み杭に比べて極限支持力に達するまでの沈下量が大きい。
3.支持杭を用いた杭基礎の場合、杭周囲の地盤沈下によって杭周面に働く正の摩擦力を考慮する。
4.地盤から求める単杭の引抜き抵抗力には、杭の自重から地下水位以下の部分の浮力を減じた値を加えることができる。
3
支持杭を用いた杭基礎で上部に圧密を起こす地盤がある場合、地盤の沈下により、杭を引き込もうと杭周面に下向きの働く負の摩擦力が生じる。
1.◯
支持杭の許容支持力は、杭の支持力のみによるものとし、基礎スラブ底面における地盤の支持力は加算しない。
2.◯
打込み杭は、打撃ハンマー等で杭周辺の土と摩擦力に抵抗して打設するため、荷重に対する沈下は少ないが、埋込み杭はあらかじめオーガーが掘削した孔に埋設するので杭周辺の摩擦力が小さく、沈下が大きい。
4.◯
杭の引抜き力は、杭自体の引張り強度と、地盤の引抜き抵抗の小さい方で決まる。地盤の引抜き抵抗による値は、極限の引抜き抵抗の1/3を長期許容引抜き力とするが、杭自体も引き抜きに抵抗すると考える。
tRs = 1/3×tRu + Wp
tRs:杭の長期許容引抜き抵抗力
tRu:地盤による杭の極限引抜き抵抗力
Wp:杭の自重(地下水位以下の部分については浮力を考慮する)
[ No.7 ]
建築物に加わる荷重、外力に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.雪止めが無い屋根の積雪荷重は、屋根勾配が 60 度を超える場合には 0 とすることができる。
2.風圧力を求めるために用いる風力係数は、建築物の外圧係数と内圧係数の積により算出する。
3.地震層せん断力は、2階に生じる地震層せん断力より1階に生じる地震層せん断力の方が大きい。
4.保有水平耐力計算において、多雪区域の積雪時における長期応力度計算に用いる荷重は、固定荷重と積載荷重の和に、積雪荷重に 0.7 を乗じた値を加えたものである。
2
風力係数Cfは、次式により求める。
Cf = Cpe ー Cpi
Cpe:建物の外圧係数
Cpi:建物の内圧係数
風力係数は、建築物の外圧係数と内圧係数の積ではなく、差によって算出する。(建築基準法施行令第87条及び平成12年建設省告示1454号第3)
1.◯
屋根の積雪荷重は、雪止めがある場合を除き、屋根の勾配が60度以下の場合、屋根勾配が緩やかほど大きい。屋根の勾配が 60 度を超える場合は、 0 とすることができる。 (建築基準法施行令第86条第4項)
3.◯
地震時に各階に生じる地震層せん断力は次式で求められる。
Qi = Ci ×Wi
Qi:地震層せん断力
Ci:地震層せん断力係数
Wi:その層が支える荷重
したがって、2階よりも1階の方が支える荷重が大きいので、地震層せん断力も大きくなる。
4.◯
保有水平耐力計算より、多雪区域の積雪時の計算に用いる荷重は、
Q(固定荷重) + P(積載荷重) + 0.7×S(積雪荷重)
である。(建築基準法施行令第82条第二号)
[ No.8 ]
図に示す単純梁に等変分布荷重 w 及びモーメント荷重 M が同時に作用するとき、支点 B の反力の大きさとして、正しいものはどれか。
1.0 kN
2.1 kN
3.3 kN
4.4 kN
1
解説図1の支点反力を求めるには、分布荷重を集中荷重におきかえる。
1kN/m × 6m × 1/2 = 3kN
で、その位置は、A点から 4mの位置である。
B支点の反力は、A点のΣM =0より、
1RB × 6m ー 3kN × 4m = 0となり、
1RB = 12kN・m/6m = 2kN
解説図2より
B支点の反力は上記と同様にA点のΣM = 0として求める。
-12kN・m + 2RB×6m = 0として、
2RB = 2kN
RB = 1RB ↑ + 2RB↓ = 2kN + 2kN
RB= 0 kN
したがって、正解は1
[ No.9 ]
図に示す梁の AB 間に等分布荷重 w が、C 点に集中荷重 P が同時に作用するとき、曲げ モーメント図として、正しいものはどれか。 ただし、曲げモーメントは材の引張り側に描くものとする。
2
A~B点間の中央に指標としてD点を設け、解説図1と2からD点の値を求める。解説図1のD点の値が大であれば「2」、小であれば「1」が正解となる。また、BーC間の曲げモーメントは、曲がりの外側(解説図 BーC間の上部)になる。
(1)解説図1におけるD点の曲げモーメントを求める。
B点の曲げモーメントは、以下により、9kN・mとなる。
3kN × 3m = 9kN・m
D点は、9kN・mの1/2なので、
4.5 kN・m
(2)解説図2におけるD点の曲げモーメントは以下により、2.25kN・mである。
2MD = ωl 2 × 1/8 = 2 × 32/8 = l8/8
2MD = 2.25
全体の曲げモーメントは、解説図3の通りとなる。
したがって、選択肢2が正解となる。
[ No.10 ]
コンクリートに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.単位水量の小さいコンクリートほど、乾燥収縮が小さくなる。
2.コンクリートに AE 剤を混入すると、凍結融解作用に対する抵抗性が改善される。
3.空気量が 1 % 増加すると、コンクリートの圧縮強度は 4 ~ 6 % 低下する。
4.コンクリートのヤング係数は、圧縮強度が大きくなるほど、小さくなる。
4
コンクリートのヤング係数は、コンクリートの強度が大きいほど、大きくなる。ヤング係数とコンクリートの強度の関係は次式で表される。
EC = 3.35 × 104 × (γ/24)2× ( Fc/601/3
γ:コンクリートの単位容積重量(kN/m3 )
Fc:コンクリートの設計基準強度(N/mm2)
1.◯
単位水量が小さいコンクリートほど、水分が少ないので乾燥したときの収縮は小さくなる。単位水量は大きくなると、乾燥収縮、ブリージング、打込み後の沈降などが大きくなり、コンクリートの品質、耐久性上好ましくない。(JASS5)
2.◯
AE剤はコンクリート中に無数の独立した微細気泡を連行させることができる。この気泡はコンクリートに次のような効果をもたらす。
①ワーカビリティが良好になる。
②単位水量が低減する。
③コンクリートの凍結融解に対する抵抗性が増し、耐久性を向上させる。
④中性化に対する抵抗性を増大させる。
3.◯
一般的なコンクリートの場合、空気量は4~5%であるが、AE剤の使用によって、空気量が1%増加すると、4~6%の割合で圧縮強度が低下する。
[ No.11 ]
左官材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.せっこうプラスターは気硬性であり、しっくいは水硬性である。
2.ポルトランドセメントは練り混ぜ後にアルカリ性を示し、せっこうプラスターは弱酸性を示す。
3.せっこうプラスターは、ドロマイトプラスターに比べ、硬化に伴う乾燥収縮が小さい。
4.ドロマイトプラスターは、しっくいに比べ、粘度が高く粘性がある。
1
せっこうプラスターは水硬性であり、しっくいは二酸化炭素と反応して硬化する気硬性である。
2.◯
ポルトランドセメントは練混ぜ後にアルカリ性を示し、せっこうプラスターは弱酸性を示す。
3.◯
せっこうプラスターは硬化が早く比較的強度もあり針状結晶によって硬化するため収縮ひび割れが生じにくい。(建築工事監理指針)
4.◯
ドロマイトプラスターは、一般的に粘度が高く、のりを用いずに水と練り合わせて施工することができる。
[ No.12 ]
建築用ガラスに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.複層ガラスは、2枚のガラスの間に乾燥空気層を設けて密封したもので、結露防止に効果がある。
2.合わせガラスは、2枚以上のガラスをプラスチックフィルムを挟み接着したもので、防犯 に効果がある。
3.熱線吸収板ガラスは、板ガラスの表面に金属皮膜を形成したもので、冷房負荷の軽減に効果がある。
4.強化ガラスは、板ガラスを熱処理してガラス表面に強い圧縮応力層を形成したもので、衝撃強度が高い。
3
熱線吸収板ガラスは、太陽放射熱を吸収させるためガラスの原料の中にニッケル、コバルト、鉄などを入れてあり、熱割れを起こしやすい。なお、板ガラスの表面に金属皮膜を形成したもので、冷房負荷の軽減の効果が高いのは、熱線反射ガラスである。
1.◯
複層ガラスは、2枚のガラスの間に外気圧に近い圧力の乾燥気体を封入し、その周辺を密封したもので、断熱性が高く、結露防止に効果がある。
2.◯
合わせガラスは、2枚以上の板ガラスの間に透明プラスチックフィルムを密着させてあり、耐貫通性能が高く、防犯性能も高い。
4.◯
強化ガラスは、板ガラスを軟化温度近くまで加熱した後、常温の空気を均一に吹き付け急冷して作られたもので、ガラス表面層に圧縮応力、内部にそれとつりあう引張応力が存在し、耐衝撃性・耐風圧性・耐熱衝撃性が大きい。
[ No.13 ]
防水材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ストレッチルーフィング 1000 の数値 1000 は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。
2.改質アスファルトルーフィングシートには、I 類とII 類があり、I類の方が低温時の耐折り曲げ性がよい。
3.塗膜防水に用いる補強布は、必要な塗膜厚さの確保と立上り部や傾斜面における防水材の垂れ下がりの防止に有効である。
4.通気緩衝シートは、塗膜防水層の破断やふくれの発生を低減するために用いる。
2
改質アスファルトルーフィングシートにはⅠ類とⅡ類があり、Ⅱ類の方が低温時の耐折れ曲げ性が良い。(JIS A6013)
1.◯
ストレッチルーフィングは製品の抗張積の値を使用することと定められている。(建築工事監理指針)
3.◯
補強布は、塗膜防水材を均等に塗り込むため、塗膜厚さの確保に有効であり、立上がり部や傾斜面においては未硬化の塗膜防水材を保持するために有効である。(建築工事監理指針)
4.◯
通気緩衝シートは、シートの下面に下地から水蒸気を通気させるための特殊加工したシート状の材料で、下地と防水層の間を挿入し、塗膜防水層の破断や膨れの発生を低減させる。(建築工事監理指針)
[ No.14 ]
日本工業規格(JIS)による建築用シーリング材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.2成分形シーリング材は、基剤と着色剤の2成分を施工直前に練り混ぜて使用するシーリング材である。
2.シーリング材のクラスは、目地に対する拡大率、縮小率などで区分されている。
3.シーリング材の引張応力による区分で、LM は低モジュラスを表す。
4.シーリング材のタイプは、用途による区分を表し、タイプ G はグレイジングに使用する シーリング材を指す。
1
2成分形シーリング材は、施工直前に基剤と硬化剤を調合し、練り混ぜて使用するシーリング材をいう。基剤と着色剤ではない。
2.◯
シーリング材のクラスは、目地に対する拡大率、縮小率などで区分されている。(JIS A 5758)
3.◯
シーリング材に引張応力による区分は、クラスに応じてさらに区分され、LMは低モジュラス、HMは高いモジュラスを表す。(JIS A5758)
4.◯
建築用シーリング材にJISによる分類には、タイプFとタイプGがあり、タイプGはグレイジング用(ガラス取付け用)で、タイプFはグレイジング以外に使用するものである。(JIS A 5758)
[ No.15 ]
ボード類に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.フレキシブル板は、火山性ガラス質たい積物などの無機質原料及びセメントを原料として製造した板である。
2.けい酸カルシウム板は、石灰質原料、けい酸質原料、石綿以外の繊維、混和材料を原料として製造した板である。
3.シージングせっこうボードは、両面のボード用原紙及び芯のせっこうに防水処理を施したものである。
4.ロックウール化粧吸音板は、ロックウールのウールを主材料とし、結合材、混和材を用いて成形し、表面化粧をしたものである。
1
フレキシブル板は、セメント、無機繊維を主原料とし、製造成形後に高圧プレスをかけたもので、強度が高く、可とう性がある。設問の記述は火山性ガラス質複層板(VSボード)のことである。(JASS26)
2.◯
記述の通りである。けい酸カルシウム板は、軽量で耐火・断熱に富み、加工性がよく、温湿度変化による伸縮・反りは小さいが吸水性は高い。(JASS26)
3.◯
シージングせっこうボードは、防水加工したせっこうボード用原紙で被覆され、かつ、せっこう中に適量の防水剤を混入して耐湿性を向上させたボードである。普通せっこうボードが使用できない多湿な場所や水回りの下地に使用する。
4.◯
ロックウール化粧吸音板は、ロックウールのウールを主材料とし、結合材、混和材を用いて成形し、灰華石模様、非貫通孔状、凹凸状、印刷、ラミネート及びそれらの組み合わせ等の表面化粧をしたものである。(建築工事監理指針)
※ 問題番号[ No.16 ]~[ No.20 ]までの 5 問題は、全問題を解答してください。
[ No.16 ]
舗装に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.プライムコートは、路盤の仕上がり面を保護し、その上のアスファルト混合物層との接着をよくするために施す。
2.フィラーは、アスファルトと一体となって、混合物の安定性、耐久性を向上させるために施す。
3.タックコートは、アスファルト混合物からなる基層と表層の接着をよくするために施す。
4.シールコートは、路床の水分が凍結しないように路床の上に施す。
4
シールコートは、既設の舗装面にアスファルト乳剤を散布して骨材で覆う表面処理工法である。シールコートは、路床の水分が凍結しないために施すものではなく、下のアスファルト舗装への水の侵入、ひび割れ、老化を防ぎ、日射を遮る等の目的で施す。骨材に硬質なものを用いるとすべり止めにもなる。
1.◯
プライムコートは、路盤の上に散布されるもので、路盤の仕上り面を保護し、その上に施工するアスファルト混合物層とのなじみよくするために用いられる。
2.◯
記述の通りである。フィラーには、石灰岩やその他の岩石を粉砕した石粉、消石灰、セメント、回収ダクト及びフライアッシュ等が用いられる。この中でも石灰岩を粉砕した石粉がもっとも多く用いられる。
3.◯
タックコートは、基層あるいは路盤とその上に置く混合物との間の付着をよくするためのものである。通常アスファルト乳剤を用い、一般に 0.3〜0.6 L/m2を散布する。
[ No.17 ]
測量に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.スタジア測量は、レベルと標尺によって2点間の距離を正確に測定する方法である。
2.トラバース測量は、測点を結んでできた多角形の各辺の長さと角度を、順次測定していく方法である。
3.直接水準測量は、レベルと標尺によって高低を測定する方法である。
4.平板測量は、アリダードと巻尺で測量した結果を、平板上で直接作図していく方法である。
1
スタジア測量は、2点間の距離・高低差をトランシットやセオドライト等の望遠鏡につけられたスタジア線を用いて間接的に測る測量方法である。細部測量に主として利用され、特に起伏の多い地形に適する。
2.◯
トラバース測量は、既知点から順次、次の点への方向角と距離を測定して、各点の位置を測定する測量法で、角度の測定には、トランシット、距離はテープまたはスタジア法を使う。多角測量ともいい、中小規模の骨組み測量に用いられる。
3.◯
直接水準測量は、レベルと標尺を用いて地表面の2点間の高低差を求める方法である。
4.◯
平板測量は、巻尺で距離測量した結果を、三脚に取り付けた平板上でアリダードを用いて現地で直接作図できる方法である。高い精度は期待できないが、早く作業ができる。
[ No.18 ]
避雷設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.高さが 20 m を超える建築物には、原則として、有効に避雷設備を設けなければならない。
2.危険物を貯蔵する倉庫は、高さや貯蔵量にかかわらず、避雷設備を設けなければならない。
3.鉄骨造の鉄骨は、構造体利用の引下げ導線の構成部材として利用することができる。
4.受雷部は、保護しようとする建築物等の種類、重要度等に対応した4段階の保護レベルに応じて配置する。
2
指定数量の10倍以上の危険物の貯蔵倉庫には、総務省令で定める避雷設備を設ける。ただし、周囲の状況によって安全上支障がない場合においては、この限りではない。(危険物の規則に関する政令第10条第1項第十四号)
1.◯
高さ 20mを超える建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によって安全上支障がない場合においては、この限りではない。(建築基準法第33条)
3.◯
鉄骨造の鉄骨や鉄筋コンクリート造の断面積が50mm2以上の鉄筋は、構造体利用の引下げ導線として利用することができる。(JIS A4201)
4.◯
受雷部は、保護しようとする建築物等に雷撃が侵入しないように施設するもので、立地条件、建築物等の種類・重要度等によって、JIS A4201の4段階の保護レベルに応じて配置する。
[ No.19 ]
消火設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.連結散水設備は、地下街など、火災が発生すると煙が充満して消火活動が困難な場所に設置される。
2.水噴霧消火設備は、微細な霧状の水の噴霧による冷却、窒息効果により、自動車車庫などの火災に適している。
3.屋内消火栓設備は、消火活動上必要な消防隊専用の施設として設置される。
4.粉末消火設備は、消炎作用が大きく、油などの表面火災に適している。
3
屋内消火設備は、消火器とともに在居者による初期消火のための主要な設備である。消防隊専用の施設として設置されるものではない。
1.◯
連結散水設備は地下街には設置が義務づけられている。目的は、地下街や地下階など火災が発生すると煙が充満して消火活動が困難となる場所に設置することで安全を確保するためである。(消防法施行令第28条の2、令別表第1(16の2))
2.◯
水噴霧消火設備は、スプリンクラーより微細な霧状の水を噴霧して消火する消火設備である。汚損や腐食性があり、博物館や図書館の収蔵庫などには適さない。なお、使用箇所としては、指定可燃物の貯蔵取扱所、駐車場等、屋内消火栓やスプリンクラー設備で消火できない防火対象物に用いる。
4.◯
粉末消火設備は、噴射ヘッドやノズルから窒素または炭酸ガスで加圧した消火粉末を放射し、熱で分解発生する炭酸ガスの窒息作用と負触媒効果による抑制作用を有する消火設備で、特に消炎作用が大きく、速効性があるもので油などの表面火災に最も効果的である。また、凍結しないので、寒冷地においても適用できる。
[ No.20 ]
請負契約に関する記述として、「公共工事標準請負契約約款」上、誤っているものはどれか。
1.受注者は、工事の施工に当たり、設計図書に示された施工条件と実際の工事現場が一致しないことを発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
2.受注者は、工期内で請負契約締結の日から 12 箇月を経過した後に、賃金水準又は物価水準の変動により請負代金額が不適当となったと認めたときは、発注者に対して請負代金額の変更を請求することができる。
3.受注者は、発注者が設計図書を変更したために請負代金額が 12 以上減少したときは、契約を解除することができる。
4.受注者は、工事目的物及び工事材料等を設計図書に定めるところにより火災保険、建設工事保険その他の保険に付さなければならない。
3
受注者(請負人)は発注者が設計図書を変更したために請負代金額が 2/3以上減少したときは、契約を解除することができる。(公共工事標準請負契約約款第49条第1項)
1.◯
公共工事標準請負契約約款第第18条第1項第四号により、受注者は工事の施工に当たり、設計図書に示された自然的または人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないことを発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
2.◯
工期内で請負契約締結の日から12ヶ月を経過した後、日本国内における賃金水準の変動により請負代金額が不適当となったと認めたときは、相手方に対して請負代金額の変更を請求することができる。(同第25条第1項)
4.◯
公共工事標準請負契約約款第51条により、受注者は工事目的物及び工事材料等を設計図書に定めるところにより、火災保険、建設工事保険その他の保険に付さなければならない。
※ 問題番号[ No.21 ]~[ No.33 ]までの 13 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。
[ No.21 ]
墨出しに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.建物四隅の基準墨の交点を上階に移す場合、間違いや誤差を避けるために4点とも下げ振りで移す。
2.仕上げ部材を取り付けるための墨は、近接する既に出された他の部材の仕上げ墨を基準として墨出しを行う。
3.鉄骨鉄筋コンクリート造では、一般に鉄骨柱を利用して躯体工事用の基準高さを表示し、 これによりレベルの墨出しを行う。
4.床面の通り心などの基準墨は、一般に 1 m 離れた位置に返り墨を設ける。
2
仕上げ部材を取り付けるための墨は、基準墨(地墨や陸墨)を基準として墨出しを行う。近接する他の部材の仕上げ墨にも誤差があるため、それを基準とすると誤差が大きくなる。(JASS26)
1.◯
基準墨の上開への移動は、次のような方法で行われる。
(1)上階の床スラブのコンクリートを打つ際に、建物四隅の基準墨または逃げ墨の交差する場所に15㎝角程度の孔をあけ、コンクリート打込み後この孔から下げ振りを下階の基準墨まで下げ、その位置を上階の床スラブ上にうつす。
(2)四隅に出たXY方向の交差を、トランシット等を用いて結ぶことにより、基準墨を床面にうつす。
3.◯
各階基準高さ(陸墨)は、水平高さ変動のない比較的剛強なものを利用する必要があるので、鉄骨柱を利用したり、柱の主筋を利用したりして躯体工事用の基準高さを上階に移動していく。
4.◯
基準墨とは、各階の通り心と高さの基準になるレベルを示す墨をいう。通り心は床の上に出すが、通常は柱や壁の心になることが多く、通り心から 1m離れたところに通り心と平行に返り墨を打っておくのが一般的である。
[ No.22 ]
地盤調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.一軸圧縮試験により、砂質土の強度と剛性を求めることができる。
2.電気検層(比抵抗検層)により、ボーリング孔近傍の地層の変化を知ることができる。
3.粒度試験により、細粒分含有率等の粒度特性を求めることができる。
4.常時微動測定により、地盤の卓越周期を把握することができる。
1
一軸圧縮試験は、粘性土の一軸圧縮強さや変形係数を求めるための試験である。(建築基礎設計のための地盤調査計画指針)
2.◯
電気検層(比抵抗検層)によって、地下水面以深にある軟弱地盤から岩盤までのすべての地盤を対象とすることができる。
3.◯
粒度試験は、土の粒度組成を数量化し、土を構成する土粒子の粒径の分布状態を把握する試験である。均等係数や細粒分含有率など粒度特性を表す指標を得ることができる。(建築基礎設計のための地盤調査計画指針)
4.◯
常時微動とは、工場機械、交通機関等の人工的な振動源で引き起こされ、変位振幅が数μm以下、振動周期が0.05秒ぐらいから数秒ぐらいまでの雑振動である。
その卓越周期は同じ場所での地震動の卓越周期と一致するという性質がある。したがって、常時微動を測定することにより、地震動の周期特性を知り、それを建物の耐震設計や設計用地震波の作成に利用できるとともに、卓越周期から地盤種別が判断できる。
[ No.23 ]
山留めの管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.山留め壁の頭部の変位を把握するために、トランシットやピアノ線を用いて計測を行った。
2.油圧式荷重計は、切梁の中央部を避け、火打梁との交点に近い位置に設置した。
3.山留め壁周辺の地盤の沈下を計測するための基準点は、山留め壁に近接した地盤面に設けた。
4.H形鋼を用いた切梁の軸力を計測するためのひずみ計は、2台を1組としてウェブに設置した。
3
基準点(不動点)は、掘削に影響のない箇所に設ける。通常、レベル測定の場合には根切り山留め工事の影響を直接受けない位置に建つ支持杭基礎の建物に設けることが多い。(山留め設計施工指針)
1.◯
山留め壁の頭部の変位は、挿入傾斜計等の機器を用いても計測できるが、トランシットとピアノ線を用いた簡易な方法でも計測できる。なお、ピアノ線は常に緊張しておく必要があるのでターンバックルを取り付けておく。(山留め設計施工指針)
2.◯
油圧式荷重計(盤圧計)を切梁の中央に設置すると、切梁にかかる軸力が端部より中央部の方が低くなるため、正確に軸力を計測できず、また安全上の点からも好ましくない。火打梁の基部に設置するのが好ましい。
4.◯
切梁の軸力を計測するためのひずみ計は、2台を1組としてウェブに設置する。(山留め設計施工指針)
[ No.24 ]
既製コンクリート杭の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.先端が開放されている杭を打ち込む場合、杭体内部への土や水の流入が原因で杭体が損傷することがある。
2.中掘り工法では、砂質地盤の場合、緩みがはげしいので、先掘り長さを少なくする。
3.杭に現場溶接継手を設ける場合、原則としてアーク溶接とする。
4.埋込み工法において、プレボーリングによる掘削径は、杭径より 10 cm 程度小さくする。
4
埋め込み工法において、プレボーリングによる掘削径は、杭径より100mm程度大きくする。(公共建築工事標準仕様書)
1.◯
杭先端が開放の場合は、中空部に土が入り空気が圧縮されたり、水が入りウォーターハンマー現象等で杭が破損する場合があるので、杭内の土及び水の上昇に対応し十分な空気抜き孔を設けたキャップを使用する。(建築工事監理指針)
2.◯
中堀り工法では、杭の掘削中、必要以上に先掘りすると、周囲の地盤を緩めることになるため、施工中は先端の長さの調整管理が必要である。特に、砂質地盤の場合には緩みがはげしいので、先端の長さを少なくし、杭径以内に調整することが望ましい。(JASS4)
3.◯
杭の継手処理について、溶接とする場合は、原則としてアーク溶接を用いて接合する。(JASS4)
[ No.25 ]
普通コンクリートを用いる構造部材における鉄筋のかぶり厚さに関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.屋内の梁の最小かぶり厚さは、仕上げの有無にかかわらず 30 mm とする。
2.直接土に接する部分の床スラブの最小かぶり厚さは、30 mm とする。
3.設計かぶり厚さは、最小かぶり厚さに 10 mm 程度を加えたものとする。
4.杭基礎の基礎筋(ベース筋)の最小かぶり厚さは、杭天端から確保する。
2
直接土に接する部分の床スラブの最小かぶり厚さは、40mmとする。(建築基準法施行令第79条)
1.◯
土に接しない柱・梁・耐力壁の最小かぶり厚さは、屋外仕上げなしを除いて30mmとする。(建築基準法施行令第79条)
3.◯
柱・梁等の鉄筋の加工に用いるかぶり厚さは、最小かぶり厚さに10mmを加えた値を標準とする。(JASS5)
4.◯
杭基礎の場合の最小かぶり厚さは、杭天端からとする。(JASS5)
[ No.26 ]
鉄筋(SD 345)のガス圧接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.隣り合う鉄筋のガス圧接継手の位置は、400 mm 以上ずらした。
2.同一径の鉄筋のガス圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の 1.1 倍以上とした。
3.圧接器に鉄筋を取り付ける際、鉄筋突合せ面のすき間は 2 mm 以下とした。
4.径の異なる鉄筋のガス圧接部のふくらみの直径は、細い方の鉄筋径の 1.2 倍以上とした。
4
ガス圧接継手のふくらみの直径は、原則として鉄筋径の1.4倍以上として、片ふくらみがないものとする。なお、鉄筋径が異なる場合は、細い方の径とする。
1.◯
ガス圧接継手の位置は、隣り合う鉄筋のガス圧接継手の位置と400mm以上ずらす。
2.◯
同一径のガス圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の1.1倍以上とし、なだらかで、垂れ下がらないものとする。
3.◯
圧接端面のすき間は、2mm以下とし、かつ、偏心及び曲がりのないものとする。
[ No.27 ]
型枠工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.スラブ型枠の支保工に用いる鋼製仮設梁のトラス下弦材の中央部を、パイプサポートで支持した。
2.柱型枠の組立てにおいて、型枠の精度の保持を目的のひとつとして、足元は桟木で固定した。
3.コンクリート表層部をち密にするため、余剰水の排水ができるように透水型枠を採用した。
4.コンクリート表面に残る丸型セパレーターのねじ部分は、ハンマーでたたいて除去した。
1
鋼製仮設梁のトラス下弦材の支柱は、所定の支点以外のところに立てて用いない。(型枠の設計・施工指針案)
2.◯
柱型枠の足元は、型枠の垂直精度の保持、変更防止、セメントペーストの漏出防止のため、金物や桟木などを用いて根巻きを行う。(型枠の設計・施工指針案)
3.◯
透水型枠は、せき板に細かい孔などをあけ、セメント粒子を通さない特殊な織布を張った型枠を使用し、コンクリート中の気泡や余剰水を排出するので、打ち上がったコンクリート表層部の気泡やあばたが少なくなる。(JASS5)
4.◯
両面仕上げ用丸型セパレーターは、型枠取り外し後、コンクリート表面に座金およびねじ部分が残って露出するので、ねじ部分はハンマーでたたいて除去する。(建築工事監理指針)
[ No.28 ]
普通コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.球形に近い骨材を用いる方が、偏平なものを用いるよりもワーカビリティーがよい。
2.水セメント比を低減すると、塩化物イオンの浸透に対する抵抗性を高めることができる。
3.コンクリートの単位水量は、一般に 185 kg/m 3 以下とする。
4.コンクリートの単位セメント量の最小値は、一般に 250 kg/m3 とする。
4
単位セメント量は、水和熱および乾燥収縮によるひび割れを防止する観点からできるだけ少なくすることが望ましいが、ワーカビリティの観点からは過少になるとコンクリートの水密性、耐久性が低下するため、最小値が定められており、普通コンクリートでは270 kg/m3である。(JASS5)
1.◯
骨材の形は、できるだけ球形に近いものが理想で、偏平細長のもの、角立っているもの等はコンクリートのワーカビリティを悪くする。(建築工事監理指針)
2.◯
水セメント比を低減すると、緻密な組織のコンクリートになる。これにより水密性が向上し、塩化物イオンの浸透に対する抵抗性を高めることができる。
3.◯
コンクリートの単位水量の最大値は、185kg/m3とする。(JASS5)
[ No.29 ]
コンクリートの養生に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.膜養生剤を塗布して水分の逸散を防ぐ湿潤養生は、ブリージングが終了した後に行う。
2.普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートの場合、振動等によってコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならない期間は、コンクリート打込み後3日間である。
3.大断面の部材で、中心部の温度が外気温より 25 °C 以上高くなるおそれがある場合は、保温養生により、温度ひび割れの発生を防止する。
4.普通ポルトランドセメントを用いた厚さ 18 cm 以上のコンクリート部材においては、計画供用期間の級が標準の場合は、コンクリートの圧縮強度が 10 N/mm2 以上になれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。
2
コンクリートの打込み中および打込み後5日間は、乾燥・振動等によってコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならない。(建築基準法施行令第75条)
1.◯
膜養生剤を塗布して水分の逸散を防ぐ湿潤養生はブリージングの終了後に行う。(JASS5)
3.◯
大断面の柱や基礎梁など、コンクリート打込み後セメントの水和熱により部材断面の中心温度が外気温より25℃以上高くなる恐れがある場合、温度ひび割れの発生を防止するために、マスコンクリートの養生の方法で保温養生を行う。(公共建築工事標準仕様書)
4.◯
短期および標準の計画供用期間の級で、早強・普通および中庸熱ポルトランドセメントを用いた厚さ18㎝以上の部材は、10N/mm2以上の圧縮強度になれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。(JASS5)
[ No.30 ]
鉄骨の溶接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.裏当て金を用いる柱梁接合部のエンドタブの取付けは、母材に直接溶接した。
2.クレーンガーダーのエンドタブは、溶接後切除してグラインダーで仕上げ加工した。
3.溶接を手溶接とするので、エンドタブの長さは、自動溶接より短くした。
4.完全溶込み溶接の両端に、継手と同じ開先のエンドタブを取り付けた。
1
柱梁接合部エンドタブを取り付ける場合、裏当て金に取り付け、直接柱梁フランジに溶接は行わない。(鉄骨工事技術指針)
2.◯
エンドタブは、特記のない場合は切断の必要はないが、クレーンガーター(走行クレーンのレールを支えるための梁)のような低応力高サイクル疲労を受ける場合には、溶接後切除してグラインダーで仕上げ加工しなければならない。
3.◯
エンドタブは溶接の始端と終端の欠陥を防ぐために付ける。エンドタブの材質は一般に母材と同等以上とし、同厚、同開先のものが使用される。長さについては自動溶接70mm以上、手溶接35mm以上とする。
4.◯
完全溶込み溶接および部分溶込み溶接の場合は、原則として、溶接部の始端および終端部に適切な材質・形状および長さを持った鋼製エンドタブを用いる。(公共建築工事標準仕様書)
[ No.31 ]
鉄骨の耐火被覆に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.柱の耐火被覆材の吹付け厚さは、確認ピンを用いて、各面に1箇所以上差し込んで確認した。
2.高層建物の耐火被覆材の吹付けは、ロックウール、セメント、せっこう、水を混合して圧送する乾式工法で行った。
3.巻付け工法において、耐火被覆材の取り付けに用いる固定ピンは、鉄骨にスポット溶接により取り付けた。
4.耐火板張り工法において、繊維混入けい酸カルシウム板は、一般に吸水性が大きいため、雨水がかからないよう養生を行い、接着剤と釘を併用して取り付けた。
2
吹付けロックウールの乾式工法はロックウールとセメントを工場配合した材料と水を別々に圧送して、ノズルの先端で混合して吹き付ける工法である。(建築工事監理指針)
1.◯
耐火被覆材の吹付け厚さは、確認ピンを用いて確認する。スラブ及び壁面については 2m2程度につき1箇所以上、柱は1面に各1箇所以上、梁は1本あたりウェブ両側に各1本、下フランジ端部両側に各1本差し込んで確認する。なお、確認ピンは、そのまま存置しておく。(公共建築工事標準仕様書)
3.◯
巻付け工法とは、高耐熱ロックウール、セラミックファイバーブランケットまたはそれらを複合したものを現場で鉄骨に巻き付け、ワッシャー付き鋼製の固定ピンを鉄骨にスポット溶接して留める工法であり、化粧仕上げも可能である。(建築工事監理指針)
4.◯
耐火被覆成形板は一般に吸水性が大きいため、建築物の外周部に当たる鉄骨架構の耐火被覆に使用する場合には、施工時に雨水が掛からないよう養生する必要がある。また、接着剤のみに頼ると施工後の時間経過に伴い耐火被覆成形板のはく落を生じる恐れがあるので、釘やかすがい等の金物で機械的に十分緊結することが重要である。(建築工事監理指針)
[ No.32 ]
揚重運搬機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.傾斜ジブ式タワークレーンは、高揚程で比較的重量の大きい荷のつり上げに用いられる。
2.ジブクレーンの定格荷重は、フック等のつり具の重量を含めたものである。
3.ロングスパン工事用エレベーターの定格速度は、毎分 10 m 以下である。
4.建設用リフトの停止階には、荷の積卸口の遮断設備を設ける。
2
ジブクレーン等ジブを有するものの定格荷重は、負荷させることのできる最大の荷重から、フック等の重量を控除した荷重のことである。(クレーン等安全規則)
1.◯
傾斜ジブ式タワークレーンは、ジブを支点から斜めに突き出して荷をつるため、ジブを支点から水平に突き出した水平ジブ式タワークレーンに比べて高揚程で、比較的重量の大きい荷をつり上げるのに適している。
3.◯
ロングスパン工事用エレベーターは、昇降速度 10m/分以下で、数名の人員と長尺物の材料の運搬ができ、設置が簡単である。積載荷重は1t前後の機種が多い。(建築工事監理指針)
4.◯
建設用リフトの停止階には、安全上、荷の積卸口の遮断設備を設置する。(労働安全衛生規則)
[ No.33 ]
鉄筋コンクリート造の耐震改修工事における柱補強工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.溶接金網巻き工法において、溶接金網に対するかぶり厚さ確保のため、溶接金網は型枠建込み用のセパレーターに結束して固定した。
2.溶接閉鎖フープ巻き工法において、フープ筋の継手は、溶接長さが片側 10 d(d はフープ 筋の径又は呼び名に用いた数値)以上のフレア溶接とした。
3.鋼板巻き工法において、 コ形に加工した2つの鋼板を 形に一体化する際、接合部の溶接は部分溶込み溶接とした。
4.連続繊維補強工法のシート工法において、シートの切り出し長さは、柱の周長にラップ長さを加えた寸法とした。
3
角形鋼板や円形鋼板補強では、鋼板を2つ割以上に分割して工場製作し、現場にて完全溶込み溶接で一体化する。(建築改修工事監理指針)
1.◯
溶接金網は、型枠立て込み用セパレータ等に結束して、かぶり厚さを確保する。(建築改修工事監理指針)
2.◯
フープ等の継手は、溶接長さが片側10d(dはフープ筋の径または呼び名に用いた数値)以上のフレア溶接とする。(建築改修工事監理指針)
4.◯
シートの切り出しは、シートの割付け図にしたがって、連続繊維シートを切り出す。切り出し長さは、柱の周長にラップ長さ(200mm以上)を加えた寸法とする。(建築改修工事監理指針)