1級建築施工管理技士 令和03年 学科 問題8 解説

令和3年 1級建築施工管理技士 一次 問題8解答解説

※ 問題番号[ No.61 ]~[ No.72 ]までの 12問題のうちから、8問題を選択し、解答してください。

[ No.61 ]
用語の定義に関する記述として、「建築基準法」 上、誤っているものはどれか。

1.事務所の用途に供する建築物は、特殊建築物である。

2.観覧のための工作物は、建築物である。

3.高架の工作物内に設ける店舗は、建築物である。

4.共同住宅の用途に供する建築物は、特殊建築物である。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

事務所の用途に供する建築物は、特殊建築物ではない。(建築基準法第2条第二号)

2.◯

観覧のための工作物は、建築物である。(建築基準法第2条第一号)

3.◯

高架の工作物内に設ける店舗は、建築物である。(建築基準法第2条第一号)

4.◯

共同住宅の用途に供する建築物は、特殊建築物である。(建築基準法第2条第二号)

[ No.62 ]
次の記述のうち、「建築基準法」 上、誤っているものはどれか。

1.建築物の容積率の算定において、自動車車庫の面積は、敷地内の建築物の各階の床面積の合計の 1/5 までは算入しないことができる。

2.建築主は、軒の高さが9m を超える木造の建築物を新築する場合においては、二級建築士である工事監理者を定めなければならない。

3.建築基準法の規定は、条例の定めるところにより現状変更の規制及び保存のための措置が講じられている建築物であって、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したものには適用されない。

4.建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際現に存する建築物が、規定の改正等によりこれらの規定に適合しなくなった場合、これらの規定は当該建築物に適用されない。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

容積率とは、敷地面積に対する延べ面積の割合のことである。建築物の容積率の算定において、自動車車庫の面積は、敷地内の建築物の各階の床面積の合計の1/5までは算入しないことができる。(建築基準法第52条第1項、同法施行令第2条第1項第四号、第3項第一号)

2.×

木造の建築物または建築物の部分で、高さが13mまたは軒の高さが9mを超えるものを新築する場合においては、一級建築士でなければ、その設計または工事監理をしてはならない。(建築士法第3条第1項二号)[ 平成26年 問題72 ]

3.◯

文化財保護法第182条第2項の条例その他の条例の定めるところにより現状変更の規制及び保存のための措置が講じられている建築物(保存建築物)であって、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したものについては、建築基準法並びにこれに基づく命令及び条例の規定は適用しない。(建築基準法第3条第1項第三号)

4.◯

この法律またはこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行または適用の際、現に存する建築物若しくはその敷地または現に建築、修繕若しくは模様替の工事中の建築物若しくはその敷地がこれらの規定に適合せず、またはこれらの規定に適合しない部分を有する場合においては、当該建築物、建築物の敷地または建築物若しくはその敷地の部分に対しては、当該規定は、適用しない。(建築基準法第3条第2項)

[ No.63 ]
防火区画に関する記述として、「建築基準法」 上、誤っているものはどれか。

1.主要構造部を準耐火構造とした階数が3以下で、延べ面積 200m2 以内の一戸建住宅の階段は、竪穴部分とその他の部分について、準耐火構造の床若しくは壁又は防火設備で区画しなくてもよい。

2.政令で定める窓その他の開口部を有しない事務所の事務室は、その事務室を区画する主要構造部を準耐火構造とし、又は不燃材料で造らなければならない。

3.建築物の 11階以上の部分で、各階の床面積の合計が 100 m2 を超えるものは、原則として床面積の合計 100 m2 以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は防火設備で区画しなければならない。

4.共同住宅の各戸の界壁を給水管が貫通する場合においては、当該管と界壁との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

主要構造部が準耐火構造で 3階以上の階に居室を有する建築物の昇降機の昇降路の部分は、準耐火構造の床、壁または遮炎性能のある防火戸等の防火設備で区画しなければならない。ただし、階数が3以下で延べ面積が 200m2以内の一戸建ての住宅における吹抜けとなっている部分階段の部分等についてはこの限りではない。(建築基準法第26条、同法施行令第112条第11項第二号)

2.×

政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、その居室を区画する主要構造部を耐火構造とし、又は不燃材料で造らなければならない。(建築基準法第35条の3)[ 平成29年 問題73 ]

3.◯

建築物の11階以上の部分で各階の床面積の合計が100m2を超えるものは、原則として床面積の合計100m2以内ごとに耐火構造の床若しくは壁または防火設備で区画しなければならない。(建築基準法施行令第112条第7項)

4.◯

給水管、配電管その他の管が、準耐火構造の防火区画を貫通する場合においては、当該管と防火区画との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。(建築基準法施行令第112条第20項)

[ No.64 ]
建設業の許可に関する記述として、「建設業法」 上、誤っているものはどれか。

1.建設業の許可は、一般建設業と特定建設業の区分により、建設工事の種類ごとに受ける。

2.建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。

3.建設業の許可を受けた建設業者は、許可を受けてから3年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合、当該許可を取り消される。

4.特定建設業の許可を受けようとする者は、発注者との間の請負契約で、その請負代金の額が 8,000 万円以上であるものを履行するに足りる財産的基礎を有していなければならない。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

建設業を営もうとする者は、一般建設業と特定建設業の区分により、許可を受けなければならない。建設業の許可は、建設工事の種類ごとに、建設業に分けて与えるものとする。(建設業法第3条第1項、第2項)

2.◯

建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。(建設業法第4条)

3.×

国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合は、その許可を取り消さなければならない。(建設業法第29条第1項第四号)[ 平成29年 問題74 ]

4.◯

特定建設業の許可を受けようとする者は、発注者との間の請負契約で、その請負代金の額が8,000万円以上であるものを履行するに足りる財産的基礎を有していなければならない。(建設業法第15条第三号、同法施行令第5条の4)

[ No.65 ]
建設工事の請負契約に関する記述 として、「建設業法」 上、誤っているものはどれか。

1.建設工事の請負契約書には、契約に関する紛争の解決方法に該当する事項を記載しなければならない。

2.建設業者は、建設工事の注文者から請求があったときは、請負契約が成立するまでの間に、建設工事の見積書を交付しなければならない。

3.請負人は、建設工事の施工について工事監理を行う建築士から工事を設計図書のとおりに実施するよう求められた場合において、これに従わない理由があるときは、直ちに、注文者に対して、その理由を報告しなければならない。

4.注文者は、工事現場に監督員を置く場合においては、当該監督員の権限に関する事項及びその行為についての請負人の注文者に対する意見の申出の方法を、書面により請負人の承諾を得なければならない。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

契約に関する紛争の解決方法は、建設工事の請負契約書に記載しなければならない事項の一つとして規定されている。(建設業法第19条第1項第十五号)

2.◯

建設業者は、建設工事の注文者から請求があったときは、請負契約が成立するまでの間に、建設工事の見積書を交付しなければならない。(建設業法第20条第2項)

3.◯

請負人は、その請け負った建設工事の施工について建築士法第18条第3項の規定により建築士から工事を設計図書のとおりに実施するよう求められた場合において、これに従わない理由があるときは、直ちに、第19条の2第2項の規定により通知された方法により、注文者に対して、その理由を報告しなければならない。(建設業法第23条の2)

4.×

注文者は、請負契約の履行に関し、工事現場に監督員を置く場合において、当該監督員の権限に関する事項及びその行為についての請負人の注文者に対する意見の申出の方法を、書面により請負人に通知しなければならない。 (建設業法第19条の2第2項)注文者は、請負人の承諾を得る必要はない。[ 令和元年 問題75 ]

[ No.66 ]
元請負人の義務に関する記述として、「建設業法」 上、誤っているものはどれか。

1.元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない。

2.元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払を受けたときは、当該支払の対象となった建設工事を施工した下請負人に対して出来形部分に相応する下請代金を、当該支払を受けた日から 50日以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払わなければならない。

3.特定建設業者は、発注者から直接建築一式工事を請け負った場合において、下請契約の請負代金の総額が 6,000万円以上になるときは、施工体制台帳を工事現場ごとに備え置き、発注者の閲覧に供しなければならない。

4.特定建設業者が注文者となった下請契約において、下請代金の支払期日が定められなかったときは、下請負人が完成した工事目的物の引渡しを申し出た日を支払期日としなければならない。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない。(建設業法第24条の3第3項)

2.×

元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払または工事完成後における支払を受けたときは、下請負人に対して、1月以内で、かつ、できる限り短い期間内に下請負人の施工した出来形部分に相応する下請代金を支払わなければならない。(建設業法第24条の3第1項)

3.◯

特定建設業者は、発注者から直接建築一式工事を請け負った場合において、下請契約の請負代金の総額が 6,000万円以上になるときは、施工体制台帳を工事現場ごとに備え置き、発注者から請求があったときは、備え置かれた施工体制台帳を発注者の閲覧に供しなければならない。(建設業法第24条の8第1項、第3

項、同法施行令第7条の4)

公共工事を、発注者から直接請け負った建設工事を締結した場合は、請負代金にかかわらず施工体制台帳を作成しなければならない。

4.◯

特定建設業者が注文者となった下請契約において、下請代金の支払期日が定められなかったときは建設業法第24条の4第2項の申出の日(下請負人が完成した工事目的物の引渡しを申し出た日)が、前項の規定に違反して下請代金の支払期日が定められたときは同条第2項の申出の日から起算して50日を経過する日が下請代金の支払期日を定められたものとみなす。(建設業法第24条の6第2項)

[ No.67 ]
次の記述のうち、「労働基準法」 上、誤っているものはどれか。

1.満 18才に満たない者を、足場の組立、解体又は変更の業務のうち地上 又は床上における補助作業の業務に就かせてはならない。

2.満 18才に満たない者を、高さが 5 m以上の場所で、墜落により危害を受けるおそれのあるところにおける業務に就かせてはならない。

3.満 18才に満たない者を、原則として午後 10 時から午前5時までの 間 において使用してはならない。

4.満 18才に満たない者を、単独で行うクレーンの玉掛けの業務に就かせてはならない。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

足場の組立、解体または変更の業務のうち、地上または床上における補助作業の業務は、満18才に満たない者を就かせてはならない業務から除外されている。(労働基準法第62条第1項、年少者労働基準規則第8条二十五号)

2.◯

使用者は、満18才に満たない者を、高さが5m以上の場所で、墜落により危害を受けるおそれのあるところにおける業務に就かせてはならないと規定されている。(労働基準法第62条第1項、年少者労働基準規則第8条二十四号)

3.◯

使用者は、満18才に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によって使用する満16才以上の男性については、この限りでない。(労働基準法第61条第1項)

4.◯

使用者は、満18才に満たない者を、クレーン、デリックまたは揚貨装の玉掛けの業務(2人以上の者によって行う玉掛け業務における補助作業の業務を除く。)に就かせてはならないと規定されている。(労働基準法第62条第1項、年少者労働基準規則第8条十号)

[ No.68 ]
建設業の事業場における安全衛生管理体制に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

1.事業者は、常時 10人の労働者を使用する事業場では、安全衛生推進者を選任しなければならない。

2.事業者は、常時30人の労働者を使用する事業場では、衛生管理者を選任しなければならない。

3.事業者は、常時 50人の労働者を使用する事業場では、産業医を選任しなければならない。

4.事業者は、常時 100人の労働者を使用する事業場では、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。

答え

  2

[ 解答解説 ]

常時50人以上の労働者を使用する事業場で選任しなければならないのは、安全管理者、衛生管理者、産業医である。安全衛生推進者は、常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場で選任しなければならない。(労働安全衛生法施行令第3〜5条、労働安全衛生規則第12条の2)

したがって、2が誤りとなる。常時30人の労働者を使用する事業場で選任しなければならないのは、安全衛生推進者である。

[ No.69 ]
建設現場における次の業務のうち、「労働安全衛生法」 上、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を必要とするものはどれか。

1.最大積載量が 1t 以上の不整地運搬車の運転の業務

2.動力を用い、かつ、不特定の場所に自走することができる機体重量 が3t 以上 のくい打機の運転の業務

3.作業床の高さが 10 m 以上の高所作業車の運転の業務

4.つり上げ荷重が5t 以上の移動式クレーンの運転の業務

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.免許を必要としない

2.免許を必要としない

3.免許を必要としない

4.「労働安全衛生法」 上、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を必要とする。

[ No.70 ]
次の記述のうち、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」 上、誤っているものはどれか。ただし、特別管理産業廃棄物を除くものとする。

1.産業廃棄物の運搬又は収集を行う車両は、産業廃棄物運搬車である旨の事項を表 示し、かつ、当該運搬車に環境省令で定める書面を備え付けておかなければならない。

2.事業者は、産業廃棄物の運搬又は処分を委託した際に産業廃棄物管理票を交付した場合、管理票の写しを、交付した日から5年間保存しなければならない。

3.事業者は、工事に伴って発生した産業廃棄物を自ら運搬する場合、管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。

4.汚泥の処理能力 が1日当たり 10m3 を超える乾燥処理施設(天日乾燥施設を除く。)を設置する場合、管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

産業廃棄物に収集または運搬に当たっては、運搬車の車体の外側に、環境省令で定めるところにより、産業廃棄物の収集または運搬の用に供する運搬車である旨その他の事項を見やすいように表示し、かつ、当該運搬車に環境省令で定める書面を備え付けておかなければならない。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第6条第1項第一号イ)

2.◯

事業者は、産業廃棄物の運搬または処分を委託した際に産業廃棄物管理票を交付した場合、管理票の写しを、交付した日から5年間保存しなければならない。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第12条の3第2項、同法施行規則第8条の21の2)

3.×

産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く)の収集または運搬を業として行おうとする者は、管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。 ただし、事業者が自らその産業廃棄物を運搬する場合は、都道府県知事の許可を受けなくてよい。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条第1項)

4.◯

汚泥の処理能力が1日当たり 10m3(天日乾燥施設にあっては100m3)を超える乾燥処理施設を設置する場合、管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第15条第1項、同法施行令第7条第二号)

[ No.71 ]
宅地以外の土地を宅地にするため、土地の形質の変更を行う場合、「宅地造成等規制法」 上、宅地造成に該当しないものはどれか。

1.切土をする土地の面積が 300m2 であって、切土をした土地の部分に高さが 1.5m の崖を生ずるもの

2.盛土をする土地の面積が 400m2 であって、盛土をした土地の部分に高さが2m の崖を生ずるもの

3.切土と盛土を同時にする土地の面積が 500m2 であって、盛土をした土地の部分に高さが1m の崖を生じ、かつ、切土及び盛土をした土地の部分に高さが 2.5mの崖を生ずるもの

4.盛土をする土地の面積が 600 m2 であって、盛土をした土地の部分に高さが1m の崖を生ずるもの

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

切土をした土地の部分に生じる崖の高さが2mで2mを超えず、面積も300m2で500m2を超えないため、宅地造成に該当しない。(宅地造成等規制法施行令第3条第一号、第四号)

2.◯

盛土をした土地の部分に生ずる崖の高さが 1mを超えるので、宅地造成に該当する。(宅地造成等規制法施行令第3条第二号)

3.◯

切土と盛土を同時にする土地の盛土をした土地の部分に高さが1mの崖を生じ、かつ、切土及び盛土をした土地の部分に高さが 2mを超える崖を生ずるものは、「宅地造成規制法」上、宅地造成に該当する。(宅地造成等規制法第2条第二号、同法施行令第3条第三号)

4.◯

盛土をする土地の面積が 500m2を超えるので、宅地造成に該当する。(宅地造成等規制法施行令第3条第四号)

[ No.72 ]
「振動規制法」 上、指定地域内における特定建設作業に関する記述として、誤っているものはどれか。ただし、災害その他非常時等を除くものとする。

1.特定建設作業の振動が、当該特定建設作業の場所において、図書館、特別養護老人ホーム等の敷地の周囲おおむね 80m の区域内として指定された区域にあっては、1日10時間を超えて行われる特定建設作業に伴って発生するものでないこと。

2.特定建設作業の振動が、特定建設作業の場所の敷地の境界線において、85dBを超える大きさのものでないこと。

3.特定建設作業の振動が、特定建設作業の全部又は一部に係る作業の期間が当該特定建設作業の場所において、連続して6日を超えて行われる特定建設作業に伴って発生するものでないこと。

4.特定建設作業の振動が、良好な住居の環境を保全するため、特に静穏の保持を必要とする区域として指定された区域にあっては、午後7時から翌日の午前7時までの時間において行われる特定建設作業に伴って発生するものでないこと。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

特定建設作業の振動が、特定建設作業の場所において、図書館、特別養護老人ホーム等の敷地の周囲おおむね 80mの区域内として指定された区域にあっては、1日10時間を超えて行われる特定建設作業に伴って発生するものであってはならない。(振動規制法施行規則第11条、別表第一第三号、付表第一号)

2.×

特定建設作業に伴って発生する振動の大きさの規制基準は、75dB超える大きさのものでないこと。(振動規制法施行規則第11条、別表第一第一号)

3.◯

特定建設作業の振動が、特定建設作業の全部または一部に係る作業の期間が当該特定建設作業の場所において連続して6日を超えて行われる特定建設作業に伴って発生するものでないこと。(振動規制法施行規則第11条、別表第一第四号)

4.◯

特定建設作業の振動が、住居の用に供されているため、静穏の保持を必要とする区域(第一種区域)として指定された区域にあっては、夜間(午後7時〜午前7時)において行われる特定建設作業に伴って発生するものでないこと。(振動規制法施行規則第11条、別表第一第二号、付表第一号ロ)

1級建築施工管理技士 令和04年 学科 問題1 解説

令和4年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題1

(午前の部)令和4年6月 12 日(日)

問題番号 [ No.1 ]~ [ No.15 ]までの 15 問題のうちから、12 問題を選択し、解答してください。

[ No. 1 ]
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 必要換気量は、1時間当たりに必要な室内の空気を入れ替える量で表される。

2. 温度差による自然換気は、冬期には中性帯より下部から外気が流入し、上部から流出する。

3. 全熱交換器は、冷暖房を行う部屋で換気設備に用いると、換気による熱損失や熱取得を軽減できる。

4. 室内の効率的な換気は、給気口から排気口に至る換気経路を短くするほうがよい。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

必要換気量は、1時間当たりに必要な室内の空気を入れ替える量で表される。なお、必要換気量とは、室内空気の衛生を保つために、換気時に求められる必要な空気量のことを示す。

2.◯

温度差による自然換気は、冬期には中性帯より下部から外気が流入し、上部から流出する。なお、中性帯とは、ある高さにおいて室内外の圧力差がゼロになる部分をいう。

3.◯

全熱交換器とは、換気により失われる熱エネルギーの一部を回収するもので、全熱交換器を用いると、冷暖房時に換気による熱損失や熱取得を軽減できる。

4.×

令和2 No.1と類似の解答選択肢

給気口から排気口に至る換気経路を短くすると、取り込んだ新鮮な外気が空間内に行き渡ることなく、そのまま排出されるため換気効率は悪くなる換気経路は長くするほうがよい

[ No. 2 ]
伝熱に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 熱放射は、電磁波による熱の移動現象で、真空中においても生じる。

2. 壁体の含湿率が増加すると、その壁体の熱伝導率は小さくなる。

3. 壁体の熱伝達抵抗と熱伝導抵抗の和の逆数を、熱貫流率という。

4. 物質の単位体積当たりの熱容量を、容積比熱という。

答え
  2

 

[ 解答解説 ]

 


1.◯

 

熱放射は物体表面から射出される赤外線(電磁波)によって、熱が移動する現象である。放射による熱の移動には空気は必要ないため、真空中においても放射による熱移動は生じる。太陽の熱は、熱放射により真空の宇宙空間を通って地球に到達している。

 

2.×

 

壁体の含湿率が増加すると、その壁体の熱伝導率は大きくなる。含湿率は、含水率ともいい、材料に含まれる水分の割合を示す。また、熱伝導率とは、熱の伝わりやすさを示す値である。熱伝導率が大きいと断熱性が低くなる。(熱を通しやすくなる)水分は熱を通しやすい。

 

3.◯

 

熱伝導抵抗とは、熱の伝わりにくさを示す値のことである。また、熱伝達抵抗とは、熱の伝達のしにくさを表す値のことである。熱貫流率は、壁体の熱の通しやすさを示す値である。熱貫流率は、室内外の熱伝達抵抗と熱伝導抵抗の合計の逆数で表される。

 

4.◯

 

ある物体の温度を1K上昇させるのに必要な熱量 [ J/K ]熱容量という。

 

熱容量 = 比熱 [ J/g・K ](単位質量当たりの物質の熱容量)× 質量 (g)

 

で求められる。熱容量が大きいと熱しにくく、冷めにくいため、熱容量の大きな建物は、外気温度の変動に対する室内温度の変動が緩やかな変化となる。コンクリート造のような壁が厚く重いものほど熱容量は大きくなる。

[ No. 3 ]
音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 音波は、媒質粒子の振動方向と波の伝搬方向が等しい縦波である。

2. 音速は、気温が高くなるほど速くなる。

3. 音波が障害物の背後に回り込む現象を回折といい、低い周波数よりも高い周波数の音のほうが回折しやすい。

4. ある音が別の音によって聞き取りにくくなるマスキング効果は、両者の周波数が近いほどその影響が大きい。

答え  3

[ 解答解説 ]

1.◯

音波は、音の波を指し、媒質粒子(波動を伝搬する粒子)の振動方向と波の伝搬方向が等しい縦波である。

2.◯

音速は、気温が高くなるほど速くなる

1気圧下での乾燥空気で、0℃〜30℃付近ではおおよそ、次の式がなりたつ。

音速 [ m/s ] = 331.5 + 0.6T

T 温度 [ ℃ ]

3.×

音波が波の性質によって障害物の裏側まで回り込んで伝わる回折現象は、すき間の間隔や障害物の大きさが波長に比べて小さいと起こりやすい。また、高い周波数の音よりも低い周波数の音の方が回折しやすい

4.◯

マスキング効果とは、目的の音が別の音によって聞こえなくなる現象をいう。隠ぺい効果ともいう、それぞれの音の周波数が近いほど効果が大きくなり、低い音は高い音をマスキングしやすい。

[ No. 4 ]
鉄筋コンクリート造の建築物の構造計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. ねじれ剛性は、耐震壁等の耐震要素を、平面上の中心部に配置するよりも外側に均一に配置したほうが高まる。

2. 壁に換気口等の小開口がある場合でも、その壁を耐震壁として扱うことができる。

3. 平面形状 が極めて長い建築物には、コンクリートの乾燥収縮や不同沈下等による問題が生じやすいため、エキスパンションジョイントを設ける。

4. 柱は、地震時の脆性破壊の危険を避けるため、軸方向圧縮応力度が大きくなるようにする。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

ねじれ剛性(ねじれの力に対する剛性)は、耐震壁等の耐震要素を、平面上の中心部に配置するよりも外側に均一に配置するほうが高まる。剛性より、ねじれ剛性の方が、柔軟性があるため、外側に配置する。

2.◯

耐力壁(耐震壁)の構造としては、建築基準法施行令第78条の2に定められており、耐力壁の構造は、第1項第二号で開口部周囲に径12mm以上の補強筋を配置することとある。したがって、壁に換気口等の小開口がある場合でも、定められた条件では、その壁を耐震壁として扱うことができる。

3.◯

平面形状が極めて長い建築物には、不同沈下等による問題が生じやすいため、エキスパンションジョイントを設ける。エキスパンションジョイントは、一般的には異なる構造計算による建物をつなぐものである。

4.×

柱は、地震時のぜい性破壊の危険を避けるため、軸方向圧縮応力度が小さくなるように計画する。軸力と曲げを同時に受ける柱の短期軸方向応力度は、Fc/3(Fcはコンクリートの設計基準強度 N/mm2)以内におさめることが望ましい。

[ No. 5 ]
木質構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 同一の接合部にボルトと釘を併用する場合の許容耐力は、両者を加算することができる。

2. 2階建ての建築物における隅柱は、接合部を通し柱と同等以上の耐力を有するように補強した場合、通し柱としなくてもよい。

3. 燃えしろ設計は、木質材料の断面から所定の燃えしろ寸法を除いた断面に、長期荷重により生じる応力度が、短期の許容応力度を超えないことを検証するものである。

4. 直交集成板(CLT)の弾性係数、基準強度は、強軸方向であっても、一般的な製材、集成材等の繊維方向の値と比べて小さくなっている。

答え
  1

 

[ 解答解説 ]

 


1.×

 

ボルト接合では、材がすべってボルト軸にぶつかるまで(初期すべり)、ボルトは効かない。一方釘接合では、材が動かなくても初めから効いている。釘とボルトを併用すると、材がすべらずにボルトが効かない恐れがある。よって、単純にボルトと釘の耐力を足し算することはできない

 

2.◯

 

階数が2以上の建築物における隅柱またはこれに準ずる柱は、通し柱としなければならない。ただし、接合部を通し柱と同等以上の耐力を有するように補強した場合においてはこの限りでない。(建築基準法施行令第43条第5項)

 

3.◯

 

燃えしろ設計とは、木質材料の断面から所定の燃えしろ寸法を除いた断面に、長期荷重により生じる応力度が、短期の許容応力度を超えないことを検証する方法である。

 

4.◯

 

直交集成板(CLT)は、ひき板(ラミナ)を幅方向に並べたものを、その繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料である。一般的な製材の繊維方向の値と比べ、弾性係数や基準強度は小さい

[ No. 6 ]
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 梁の材質をSN 400A からSN 490B に変えても、部材断面と荷重条件が同一ならば、構造計算上、梁のたわみは同一である。

2.  節点の水平移動が拘束されているラーメン構造では、柱の座屈長さは、設計上、節点間の距離に等しくとることができる。

3. トラス構造の節点は、構造計算上、すべてピン接合として扱う。

4. 柱脚に高い回転拘束力をもたせるためには、根巻き形式ではなく露出形式とする。

答え

  4

 

[ 解答解説 ]


1.◯

梁の変形は曲げ、圧縮、せん断変形のいずれも荷重条件、部材断面が同じであれば、ヤング係数に比例する。鋼材のヤンク係数は、材料に関係なく、2.05 × 105 N/mm2一定であり、材質を変えてもたわみは変わらない。SN400A とSN490Bでは、強度は異なるが同じ鋼材である。部材断面と荷重条件が同一ならば、梁のたわみは同一である。

2.◯

座屈とは、縦長の部材が縦方向に圧縮荷重を受けたとき、限度を超えて横方向に曲がる現象をいう。座屈長さとは、部材の座屈が生じる部分の長さをいう。節点の水平移動が拘束され、回転に対して両端自由なラーメン構造の柱の場合、座屈長さは設計上、節点間の距離となる。

3.◯

鉄骨造におけるトラス構造の節点は、構造計算上、すべてピン接合として扱う。

4.×

柱脚には、露出柱脚、根巻き柱脚、埋込み柱脚がある。柱脚の固定度(回転拘束)の大小関係は、露出柱脚 < 根巻き柱脚 < 埋込み柱脚である。露出柱脚より根巻き柱脚の方が高い回転拘束力をもつ

[ No. 7 ]
地盤及び基礎構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 圧密沈下の許容値は、独立基礎のほうがべた基礎に比べて大きい。

2. 粘性土地盤の圧密沈下は、地中の応力の増加により長時間かかって土中の水が絞り出され、間隙が減少するために生じる。

3. 直接基礎の滑動抵抗は、基礎底面の摩擦抵抗が主体となるが、基礎の根入れを深くすることで基礎側面の受動土圧も期待できる。

4. 地盤の液状化は、地下水面下の緩い砂地盤が地震時に繰り返しせん断を受けることにより間隙水圧が上昇し、水中に砂粒子が浮遊状態となる現象である。

答え
  1

 


[ 解答解説 ]

 

1.×

 

独立基礎は圧密により不同沈下を生じやすいが、べた基礎は建物と基礎が一体となっているため、不同沈下は生じにくい。圧密沈下の許容値は、独立基礎の方がべた基礎に比べて小さい

2.◯

圧密沈下とは、粘性土地盤が荷重を受け、土中の水が排出されて体積が減少することにより沈下する現象をいう。直接基礎下における粘性土地盤の圧密沈下は、地中の応力の増加により、長時間かかって徐々に土中の水が絞り出されて、間隙が減少するために生じる

3.◯

滑動抵抗とは、基礎底面が土圧により水平に移動しようとする力に抵抗することをいう。根入れを深くすることにより、基礎底面の摩擦抵抗が大きくなり抵抗力があがるとともに、基礎側面の受動土圧も期待できる。

4.◯

地盤の液状化は、地震時に地下水面下の緩い砂地盤が振動を受け、地盤が液体状になる現象である。地盤上の比重の大きい構造物が倒れたり、比重の小さい構造物が浮き上がったりする。

[ No. 8 ]
建築物に作用する荷重及び外力に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 風圧力を求めるために用いる風力係数は、建築物の外圧係数と内圧係数の積により算出する。

2. 雪下ろしを行う慣習のある地方において、垂直積雪量 が1m を超える場合、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じ垂直積雪量を1m まで減らして計算することができる。

3.  劇場、映画館等の客席の単位床面積当たりの積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、固定席のほうが固定されていない場合より小さくすることができる。

4. 速度圧の計算に用いる基準風速は、原則として、その地方の再現期間 50年の 10分間平均風速値に相当する。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

風力係数Cfは、次式により求める。

 Cf = Cpe ー Cpi

 Cpe:建物の外圧係数

 Cpi:建物の内圧係数

風力係数は、建築物の外圧係数と内圧係数の積ではなく、差によって算出する。(建築基準法施行令第87条及び平成12年建設省告示1454号第3)

2.◯

雪下ろしを行う慣習のある地方において、垂直積雪量 が1m を超える場合、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じ垂直積雪量を1m まで減らして計算することができる。(建築基準法施行令第86条第6項)

3.◯

例えば、床の構造計算に用いる積載荷重は、劇場、映画館等の固定席の場合、2,900N/m2その他の場合3,500N/m2であり、客席の積載荷重は、固定席の方が固定されていない場合より小さい。

4.◯

建築基準法施行令第87条第2項に基づいた告示に、速度圧の算出等に用いる基準風速V0は、その地方における過去の台風の記録に基づく風害の程度その他の風の性状に応じて、毎秒30mから46mの範囲内に定められている。これは、その地方の50年再現期間(1年間の発生確率が 1/50)の10分間平均風速値に相当する。

[ No. 9 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構の AD間及び DC 間に集中荷重 が同時に作用するとき、支点B に生じる水平反力 HB 、鉛直反力 VB の値 の大きさの組合せとして、正しいものはどれか。

1. HB = 2kN、VB = 6kN

2. HB = 3kN、VB = 9kN

3. HB = 4kN、VB = 12kN

4. HB = 5kN、VB = 15kN

答え

  1

[ 解答解説 ]

点Aにおけるモーメントは

MA = −6kN × 2m − 6kN × 4m + VB × 6m = 0

  −12 − 24 − 6VB = 0

       6VB = −36

        VB = −6 kN(上向き)

点Cにおける右側モーメントは

Mc右 = VB × 2m − HB × 6m= 0

    2VB − 6HB= 0

       6HB=2VB

VB = −6 より  HB=2 kN(左向き)

ゆえに、正答は1となる。

[ No.10 ]
図に示す単純梁 AB のCD 間に等分布荷重 w が、点Eに集中荷重 P が同時に作用するときの曲げモーメント図として、正しいものはどれか。ただし、曲げモーメントは、材の引張側に描くものとする。

答え
  2

[ 解答解説 ]

力は合成・分解することができる。

等分布荷重 w= 2kN/mによる力と

集中荷重 P = 6kN

とに分けて考えると次のようになる。

ゆえに、解答は2番が想定される。

[ No.11 ]
鋼材に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。

1. ある特定の温度以上 まで加熱した後、急冷する焼入れ処理により、鋼は硬くなり、強度が増加する。

2. 鋼は、炭素量が多くなると、引張強さは増加し、靱性は低下する。

3. SN 490B やSN 490C は、炭素当量等の上限を規定して溶接性を改善した鋼材である。

4. 低降伏点鋼は、モリブデン等の元素を添加することで、強度を低くし延性を高めた鋼材である。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

鋼材の熱処理には、焼入れ、焼戻し、焼なまし、焼ならしがある。焼入れは、ある特定の温度以上まで鋼を加熱した後、急冷する方法である。効果は鋼が硬くなり。強度が増加する。

2.◯

鋼は、炭素量が多くなると、引張強さは増加し、伸びや靭性は低下する。炭素量が少なくなると、粘りが増大し、加工しやすくなる。

3.◯

SN材は、建築構造用圧延鋼材で、溶接性の保証の有無板厚方向の引張特性の保証等を強度区分の末尾記号 A,B,Cで表示する。A種は溶接を行わない部材に使用される。B種及びC種は、塑性変形性能と溶接性の確保が要求される部材に使用されるので、JISにより化学成分、炭素当量の上限等が規定されている。

4.×

低降伏点鋼(LY100,LY225)は、添加元素を極力減らした純鉄に近い鋼で、軟鋼に比べて強度は低いが、延性が極めて高いため、塑性変形によるエネルギーの吸収が必要な制振ダンパー等に用いられる

[ No.12 ]
左官材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. しっくいは、消石灰を主たる結合材料とした気硬性を有する材料である。

2. せっこうプラスターは、水硬性であり、主に多湿で通気不良の場所の仕上げで使用される。

3. セルフレベリング材は、せっこう組成物やセメント組成物に骨材や流動化剤等を添加した材料である。

4. ドロマイトプラスターは、保水性が良いため、こて塗りがしやすく作業性に優れる。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

しっくい(漆喰)とは、水酸化カルシウム(消石灰)を主成分とする建築材料で、気硬性を有し、左官材料などに使用される。

2.×

せっこうプラスターやドロマイドプラスターは空気中の湿気を吸い取る性質があるため浴室や外壁にはむかない。また、せっこうプラスターは、自硬性セメントに属し、主成分は焼せっこうである。したがって、硬化が早く、比較的強度もあり、収縮ひび割れが生じにくい

3.◯

セルフレベリング材は、せっこう組成物やセメント組成物に骨材や流動化剤等を添加し、セルフレベリング性を付与し、これを床面に流し簡単に均すだけで平坦・平滑で精度の高い床下地をつくるものである。

4.◯

ドロマイトとは、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを主成分とした鉱物をいい、左官材料に用いられる。ドロマイトを用いたドロマイトプラスターは、粘性があり、保水性がよい。そのため、こて塗りがしやすく作業性に優れる

[ No.13 ]
建築用板ガラスに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. フロート板ガラスは、溶融した金属の上に浮かべて製板する透明、かつ、平滑なガラスである。

2. 複層ガラスは、複数枚の板ガラスの間に間隙を設け、大気圧に近い圧力の乾燥気体を満たし、その周辺を密閉したもので、断熱効果のあるガラスである。

3. 熱線吸収板ガラスは、板ガラスの表面に金属皮膜を形成したもので、冷房負荷の軽減の効果が高いガラスである。

4. 倍強度ガラスは、フロート板ガラスを軟化点まで加熱後、両表面から空気を吹き付けて冷却加工するなどにより、強度を約2倍に高めたガラスである。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

フロート板ガラスは、溶融した金属の上に浮かべて(フロートさせて)製板する透明、かつ、平滑なガラスである。一般的な板ガラスを指し、1.9mm、2.5mmなどの薄いガラスから、22mm、25mmなどの厚いガラスが製板できる。

2.◯

複層ガラスは、複数枚の板ガラスの間に間隙を設け、大気圧に近い圧力の乾燥気体を満たし、その周辺を密閉したもので、冷房負荷の軽減、結露防止、断熱効果のあるガラスである。

3.×

熱線吸収板ガラスは、太陽放射熱を吸収させるためガラスの原料の中にニッケル、コバルト、鉄などを入れてあり、熱割れを起こしやすい。なお、板ガラスの表面に金属皮膜を形成したもので、冷房負荷の軽減の効果が高いのは、熱線反射ガラスである。

4.◯

倍強度ガラスは、フロート板ガラスを軟化点まで加熱後、両表面から空気を吹き付けて冷却加工するなどにより、ガラス表面に適切な大きさの圧縮応力層をつくる。強度を約2倍に高め、かつ、破損した時に細片となるようにしたガラスである。

[ No.14 ]
建築用シーリング材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. シーリング材のクラスは、目地幅に対する拡大率及び縮小率で区分が設定されている。

2. 1成分形シーリング材の硬化機構には、湿気硬化、乾燥硬化及び非硬化がある。

3. 2面接着とは、シーリング材が相対する2面で被着体と接着している状態をいう。

4. 2成分形シーリング材は、基剤と着色剤の2成分を施工直前に練り混ぜて使用するシーリング材である。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

シーリング材のクラスは、JIS(日本産業規格)により、目地幅に対する拡大率及び縮小率で区分が設定されている。(JIS A5758)

2.◯

1成分形シーリング材は、あらかじめ施工に供する状態で調整されている成分形シーリング材である。硬化機構には、湿気硬化(シリコーン系、変成シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系)、乾燥硬化(エマルションタイプ(アクリル系、SBR系)、溶剤タイプ(ブチルゴム系))及び非硬化(油性コーキング)がある。

3.◯

2面接着とは、シーリング材が相対する2面で被着体と接着している状態をいう。2面接着はワーキングジョイントに適しており、バックアップ材やボンドブレーカーが用いられる。

4.×

2成分形シーリング材は、施工直前に基剤と硬化剤を調合し、練り混ぜて使用するシーリング材をいう。基剤と着色剤ではない。

[ No.15 ]
内装材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. コンポジションビニル床タイルは、単層ビニル床タイルよりバインダー含有率を高くした床タイルである。

2. 段通は、製造法による分類では、織りカーペットの手織りに分類される。

3. ロックウール化粧吸音板は、ロックウールのウールを主材料 とし、結合材、混和材を用いて成形し、表面化粧をしたものである。

4. 強化せっこうボードは、せっこうボードの芯に無機質繊維等を混入したもので、性能項目として耐衝撃性や耐火炎性等が規定されている。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

コンポジションビニル床タイルは、単層ビニル床タイルよりバインダー含有率(含有量)が低い。バインダー含有率は、単層ビニル床タイルが30%以上、コンポジションビニル床タイルが30%未満である。バインダーとは、ビニル樹脂に可塑剤安定剤を加えたものである。(建築工事監理指針)

2.◯

段通とは、厚手の手織りで作られた織物で、カーペットの一種である。なお、織りカーペットは手織り機械織りがある。

3.◯

ロックウール化粧吸音板は、人造鉱物繊維のロックウールを結合材及び混和材を用いて成形し、表面を化粧加工した吸音板をいう。

4.◯

強化せっこうボードは、せっこうボードの芯にガラス繊維などの無機質繊維を混入したもので、性能項目として耐衝撃性や耐火炎性等が規定されている

1級建築施工管理技士 令和04年 学科 問題2 解説

令和4年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題2

(午前の部)令和4年6月12日(日)

 問題番号 [ No.16 ] ~ [ No.20 ]までの5問題は、全問題を解答してください。

[ No.16 ]
構内アスファルト舗装に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 設計CBR は、路床の支持力を表す指標であり、修正CBR は、路盤材料の品質を表す指標である。

2. 盛土をして路床とする場合は、一層の仕上り厚さ 300mm 程度ごとに締め固めながら、所定の高さに仕上げる。

3. アスファルト混合物の締固め作業 は、一般に継目転圧、初転圧、二次転圧、仕上げ転圧の順に行う。

4. 初転圧は、ヘアクラックの生じない限りできるだけ高い温度とし、その転圧温度は、一般に 110~140 ℃ の間で行う。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

設計CBR(California Bearing Ratio) は、アスファルト舗装やコンクリート舗装を決定するために用いられる路床の支持力を表す指標であり、修正CBR は、最大乾燥密度の95%に締め固めたものに対するCBR路盤材料の品質を表す指標である。

2.×

切土の施工においては、路床表面から30cm程度以内の木根/転石などの不均質な物質を除去し、山側からの浸透水などを考慮して、山側に地下排水施設を設置する。

盛土の施工においては、1層当たりの敷均し厚さは25~30cm程度、締固め後の仕上がり厚さは200mm以下とされている。

3.◯

アスファルト混合物の締固め作業 は、継目転圧→初転圧→二次転圧→仕上げ転圧の手順で実施する。

4.◯

初転圧は、ヘアクラックの生じない限りできるだけ高い温度とし、その転圧温度は、一般に 110~140 ℃ の間で行う。なお、二次転圧終了温度は 70~90℃交通解放時の表面温度は50℃以下で行う。

[ No.17 ]
避雷設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 受雷部は、保護しようとする建築物の種類、重要度等に対応した4段階の保護レベルに応じて配置する。

2. 避雷設備は、建築物の高さが 20mを超える部分を雷撃から保護するように設けなければならない。

3. 危険物を貯蔵する倉庫は、危険物の貯蔵量や建築物の高さにかかわらず、避雷設備を設けなければならない。

4. 鉄骨造の鉄骨躯体は、構造体利用の引下げ導線の構成部材として利用することができる。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

避雷設備は、受雷部システム引下げ導線システム接着システムで構成される。雷撃を受ける受雷部システムの配置は、保護しようとする建築物の種類、重要度等に対応した4段階の保護レベルに適合しなければならない。(JIS A4201)

2.◯

高さが 20mを超える建築物は、原則として、雷撃から保護するように避雷設備を設けなければならない。(建築基準法第33条)

3.×

指定数量の10倍以上の危険物の貯蔵倉庫には、総務省令で定める避雷設備を設ける。ただし、周囲の状況によって安全上支障がない場合においては、この限りではないと規定されている。(危険物の規制に関する政令第10条第1項第十四号)なお、総務省令に定める避雷設備とは、JIS A 4201(建築物等の雷保護)に適合するものである。

4.◯

受雷部システムで受けた雷撃を接着システムに導く引き下げ導線システムは、被保護物に沿って避雷導線を引き下げる方法によるもののほか、要件を満たす場合には、被保護物の鉄筋または鉄骨を引下げ導線の構成部材として利用することができる。

[ No.18 ]
空気調和設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 空気調和機は、一般にエアフィルタ、空気冷却器、空気加熱器、加湿器、送風機等で構成される装置である。

2. 冷却塔は、温度上昇した冷却水を、空気と直接接触 させて気化熱により冷却する装置である。

3. 二重ダクト方式は、2系統のダクトで送られた温風と冷風を、混合ユニットにより熱負荷に応じて混合量を調整して吹き出す方式である。

4. 単一ダクト方式におけるCAV方式は、負荷変動に対して風量を変える方式である。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

空気調和機は、室内に湿温度を調整した空気を送る機器をいう。一般にエアフィルタ、空気冷却器、空気加熱器、加湿器、送風機等で構成される装置である。

2.◯

冷却塔は、冷凍機内で温度上昇した冷却水を、空気と直接接触させて、一部の冷却水を蒸発させ、気化熱により残りの冷却水の温度を低下させる装置である。

3.◯

二重ダクト方式とは、冷風ダクトと温風ダクトの2系統のダクトで送られた冷風と温風を、吹出し口近傍の混合ユニットにより混合し、各所に吹き出す方式である。

4.×

単一ダクト方式におけるCAV方式は、室内に吹き出す空気量が一定で、冷房負荷に応じて吹き出す空気の温度を変えることにより室温を調整する方式である。吹出し風量が一定のため、各室ごとの負荷変動に対しては対応できない。設問は、VAV方式の説明である。

[ No.19 ]
消火設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 屋内消火栓設備は、建物の内部に設置し、人がノズルを手に持ち、火点に向けてノズルより注水を行い、冷却作用により消火するものである。

2. 閉鎖型ヘッドを用いる湿式スプリンクラー消火設備は、火災による煙を感知したスプリンクラーヘッドが自動的に開き、散水して消火するものである。

3. 不活性ガス消火設備は、二酸化炭素等の消火剤を放出することにより、酸素濃度の希釈作用や気化するときの熱吸収による冷却作用により消火するものである。

4. 水噴霧消火設備は、噴霧ヘッドから微細な霧状の水を噴霧することにより、冷却作用と窒息作用により消火するものである。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

屋内消火栓設備は、建物の内部に設置され、人がノズルを手に持ち、火点に向けてノズルより放水することにより、水の有する冷却作用により消火するものである。

2.×

スプリンクラーは、火災の際の熱等によって自動的にヘッドから散水し消火を行うものであり、煙感知とは関係がない。

閉鎖型とは水の出口が常に閉じられているものをいい、湿式、乾式、予作動式の3種類がある。

湿式(一般ビル向)

配管内に水が充満している方式で、スプリンクラーヘッドの感熱部の可溶片が、熱のために溶けてシール部分が開き、湿式流水検知装置が作動して放水する。冬期配水管の凍結の恐れのない部分に使用する。

乾式(寒冷地工場向)

乾式流水検知装置の二次側の配管部を加圧空気で満たし、スプリンクラーヘッドの感熱部の作動により加圧空気を放出し、乾式流水検知装置が作動して放水する方式。冬期凍結のおそれのある部分等に用いられる。

予作動式(病院、共同住宅、重要文化財、建電算機室など)

火災感知器等の作動により、予作動式流水検知装置が開放し、スプリンクラー配管中に圧力水を送り、更に加熱によるスプリンクラーヘッドの作動により放水を開始する。

※予作動式とはヘッドと火災感知器等の両方が作動しない限り放水しない。

開放型は劇場の舞台部などに使用され、火災感知器等と連動して作動するか、又は手動によって一斉開放弁を開いて放水する方式である。

3.◯

不活性ガス消火設備は、二酸化炭素等の消火剤を放出することにより、酸素濃度の希釈作用や気化するときの熱吸収による冷却作用により消火する設備である。消火剤がガスなので消火後の汚損は少なく、電気や油火災及び水損を嫌うコンピューターや電気通信機室あるいは図書館や美術館等に設置される。

4.◯

水噴霧消火設備は、噴霧ヘッドから微細な霧状の水を噴霧することにより、冷却作用と窒息作用により消火する消火設備ある。汚損や腐食性ががあり、博物館や図書館の収蔵庫などには適さない。指定可燃物の貯蔵取扱所、駐車場等、屋内消火栓やスプリンクラー設備で消火できない防火対象物に用いる。

[ No.20 ]
積算に関する次の工事費の構成において、[ A ] 、[ B ] に当てはまる語句の組合せとして、「公共建築工事積算基準(国土交通省制定)」  上、正しいものはどれか。

1. A.工事原価  B.共通仮設費
2. A.工事原価  B.直接仮設費
3. A.現場工事費 B.共通仮設費
4. A.現場工事費 B.直接仮設費

答え

  1

[ 解答解説 ]

公共建築工事算定基準

工事費は、工事価格と消費税等相当額とに分かれ、工事価格は、工事原価と一般管理費等に分別される。また、当該工事原価は、純工事費と現場管理費に分かれ、純工事費は、直接工事費と共通仮設費に分別される。

1級建築施工管理技士 令和04年 学科 問題3 解説

令和4年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題3

(午前の部)令和4年6月 12 日(日)

問題番号 [ No.21 ] ~ [ No.30 ]までの 10問題のうちから、7問題を選択し、解答してください。

[ No.21 ]
乗入れ構台の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 乗入れ構台の支柱と山留めの切梁支柱は、荷重に対する安全性を確認した上で兼用した。

2. 道路から乗入れ構台までの乗込みスロープは、勾配を 1/8 とした。

3. 乗入れ構台の支柱の位置は、使用する施工機械や車両の配置によって決めた。

4. 乗入れ構台の幅は、車両の通行を2車線とするため、7m とした。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

乗入れ構台の支柱と山留めの切梁支柱を兼用する場合は、荷重に対する安全性を確認する

2.◯

道路から乗入れ構台までの乗込みスロープの勾配は、一般に 1/10 〜 1/6 とする。

3.×

乗入れ構台の支柱の位置は、地下構造図と重ね合わせるなどして、基礎梁、柱、梁等の位置と重ならないように配置して決める。

4.◯

乗入れ構台の幅は、使用する施工機械、車両・アウトリガーの幅、配置及び動線等により決定する。通常、計画される幅員は、4〜10mである。最小限1車線で 4m、2車線で 6m程度は必要である。

[ No.22 ]
土工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 根切り底面下に被圧帯水層があり、盤ぶくれの発生が予測されたため、ディープウェル工法で地下水位を低下させた。

2. 法付けオープンカットの法面保護をモルタル吹付けで行うため、水抜き孔を設けた。

3. 粘性土地盤を法付けオープンカット工法で掘削するため、円弧すべりに対する安定を検討した。

4. ヒービングの発生が予測されたため、ウェルポイントで掘削場内外の地下水位を低下させた。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

ディープウェル工法とは、根切り部内あるいは外部に径500〜1,000mmの菅を打ち込み、帯水層を削孔して、径300〜600mmのスクリーン付き井戸ケーシング管を設置てウェルとし、水中ポンプあるいは水中モーターポンプで帯水層の地下水を排水する工法である。盤ぶくれの防止対策として用いられる工法である。

※盤ぶくれの発生が事前の検討により予測された場合の対策

①掘削底面(不透水層)下の地下水位(圧)をディープウェル等によって低下させる。

②止水性の山留め壁を延長し、被圧帯水層の下の不透水層に根入れする。

③掘削場内を地盤改良し、地下水を遮断し土被り圧を増加させる。

2.◯

法付けオープンカット工法とは、安定な斜面を残して掘削する方法で、建物の周囲が広い場合に適用される。法付けオープンカット工法の法面は雨水、乾燥の繰り返しにより崩れやすくなっているため、モルタル吹付け、シート張り、集水・排水溝により法面を保護する。モルタル吹付けとする場合、法面に水抜き孔を設ける

3.◯

法付けオープンカット工法のすべり面の形状が経験的に円形に近いことから、粘性土地盤では、円弧すべり面を仮定することが一般的である。

4.×

ウェルポイントで掘削場内外の地下水位を低下させるのは、砂質地盤におけるボイリング発生防止の対策である。粘性土地盤で発生するヒービングの発生防止には有効ではない

[ No.23 ]
山留め工事の管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 傾斜計を用いて山留め壁の変形を計測する場合には、山留め壁下端の変位量に注意する。

2. 山留め壁周辺の地盤の沈下を計測するための基準点は、工事の影響を受けない付近の構造物に設置する。

3. 山留め壁は、変形の管理基準値を定め、その計測値が管理基準値に近づいた場合の具体的な措置をあらかじめ計画する。

4. 盤圧計は、切梁と火打材との交点付近を避け、切梁の中央部に設置する。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

傾斜計を用いる方法は、山留め壁設置直後から変形測定ができるので、よい方法であるが、不動点を壁下端とすることが多いため、壁下端が動いた場合、測定値の確からしさが損なわれるので注意が必要である。

2.◯

山留め壁周辺の地盤の沈下を計測するための基準点は、山留め壁から離れた不動点とみなせる位置に設ける

3.◯

山留め壁は、変形の管理基準値を定め、その計測値が管理基準値に近づいた場合の具体的な措置をあらかじめ計画する。変形の管理基準値と具体的な措置については、特に確立されたものはないが、公共建築工事標準仕様書で以下のように記されている。

「山留め設置期間中は、常に周辺地盤及び山留めの状態について、点検及び計測する。異常を発見した場合は、直ちに適切な措置を講じ、監督職員に報告する。」(公共建築工事標準仕様書建築工事編 3.3.2)

4.×

切梁にかかる軸力は、端部より中央部の方が低くなるため、盤圧計(油圧式荷重計)を切梁の中央部に設置しても、正確に軸力を計測できない。また、安全上の点からも好ましくない。油圧式荷重計は、火打梁の基部や腹起しと切梁の接合部に設置するのが好ましい。

[ No.24 ]
場所打ちコンクリート杭地業に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. コンクリートの打込みにおいて、トレミー管のコンクリート中への挿入長さが長すぎると、コンクリートの流出が悪くなるため、最長でも 9m程度とした。

2. アースドリル工法における鉄筋かごのスペーサーは、孔壁を損傷させないよう、平鋼を加工したものを用いた。

3. オールケーシング工法における孔底処理は、孔内水がない場合やわずかな場合にはハンマーグラブにより掘りくずを除去した。

4. リバース工法における孔内水位は、地下水位より1m 程度高く保った。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

コンクリートの打込みにおいて、トレミー管のコンクリート中への挿入長さが長すぎると、コンクリートの流出が悪くなるため、最長でも 9m程度とする。(建築工事監理指針)

2.◯

ケーシングチューブを用いる場合(オールケーシング工法)、スペーサーはD13以上の鉄筋を用いる。ケーシングチューブを用いない場合(アースドリル工法、リバース工法及びBH工法)は、鉄筋であると孔壁を破損するので、杭径 1.2m以下の場合は鋼板 4.5×38mm、杭径1.2mを超える場合は鋼板 4.5×50mm程度のものとする。

3.◯

オールケーシング工法における孔底処理は、孔内水がないか少量の場合には、掘削用のハンマーグラブを用いて、掘削時に底部に落下した堀りくずを除去する。

4.×

リバース工法は静水圧により孔壁の崩壊を防ぐ工法のため、掘削に際しては、孔内水位を地下水位より 2 m以上高く保持する。

[ No.25 ]
鉄筋のガス圧接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。ただし、鉄筋は、SD 345 のD 29 とする。

1. 隣り合うガス圧接継手の位置は、300mm 程度ずらした。

2. 圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の 1.1 倍以上とした。

3. 柱 主筋のガス圧接継手位置は、梁上端から 500mm 以上、1,500mm 以下、かつ、柱の内法高さの 3/4 以下とした。

4. 鉄筋の中心軸の偏心量は、5mm 以下とした。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

隣り合うガス圧接継手の位置は、400mm 以上ずらさなければならない。

隣り合う重ね継手の中心位置は、重ね継手長さの約0.5倍又は1.5倍以上ずらす。

2.◯

圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の 1.1 倍以上とした。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 5.4.4(イ))

3.◯

柱主筋のガス圧接継手位置は、梁上端から500mm 以上、1,500mm 以下、かつ、柱の内法高さの 3/4 以下とする。

4.◯

圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径の 1/5以下(径が異なる場合は細い方の径による)とする。

(公共建築工事標準仕様書建築工事編 5.4.4(エ)(カ))

題意よりD29であるので、 29÷5 = 5.5mm.

よって、5mm以下は規定値の範囲内である。

[ No.26 ]
コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 普通コンクリートに再生骨材H を用いる場合の水セメント比の最大値は、60%とする。

2. コンクリートの調合強度を定める際に使用するコンクリートの圧縮強度の標準偏差は、コンクリート工場に実績がない場合、1.5 N/mm2 とする。

3. 単位水量 は、185 kg/m3以下とし、コンクリートの品質が得られる範囲内で、できるだけ小さくする。

4. 高強度コンクリートに含まれる塩化物量は、塩化物イオン量として 0.30 kg/m3 以下とする。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

再生骨材H とは、建築物の解体などによって発生したコンクリート塊を粉砕、磨砕(まさい)等の処理を行って製造したコンクリート用の再生骨材である。

公共建築工事標準仕様書建築工事編 6.3.2(イ)(b)より、水セメント比の最大値は、次による。

①普通、早強及び中庸熱ポルトランドセメント並びに混合セメントA種の場合は65%、低熱ポルトランドセメント及び混合セメントB種の場合は60%、普通エコセメントの場合は55%とする。

②再生骨材Hを使用する場合は、60%とする。

2.×

コンクリートの調合強度は、コンクリートの調合を決定する際に目標とする圧縮強度であり、コンクリートの調合管理強度とコンクリートの圧縮強度の標準偏差から定められる。コンクリート工場に実績がない場合、2.5N/mm2または(調合管理強度)×0.1の大きい値とする。

3.◯

コンクリートの品質を確保するために、単位水量は、一般に185 kg/m3以下とし、所要の品質が得られる範囲内で、できるだけ小さくする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 6.3.2(イ)(c))

単位水量が大きくなると乾燥収縮、ブリーディング、打込み後の沈降などが大きくなり、コンクリートの品質、特に耐久性上好ましくない

4.◯

荷卸し地点で塩化物イオン( Cl)量として 0.30 kg/m3 以下とする。(JIS A 5308)

3に含まれるアルカリ総量を、Na2O換算で、3.0kg以下にする。

②抑制効果の混合セメント等の使用

③安全と認められる骨材の使用

したがって、高強度コンクリートにおいても、コンクリート中のアルカリ総量は、3.0kg/m3以下とする。 —>

[ No.27 ]
高力ボルト接合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 締付け後の高力ボルトの余長は、ねじ1山から6山までの範囲であることを確認した。

2. ねじの呼びがM 22のトルシア形高力ボルトの長さは、締付け長さに 35 mm を加えた値を標準とした。

3. 高力ボルトの接合部で肌すきが1mm を超えたため、フィラープレートを入れた。

4. ナット回転法による締付け完了後の検査は、1次締付け後の本締めによるナット回転量が 120°±45°の範囲にあるものを合格とした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

締付け後の高力ボルトの余長は、ねじ1山から6山までの範囲であること。(公共建築工事標準仕様書建築工事編7.4.8(1)(ア)(d))

2.◯

ねじの呼びがM 22 のトルシア形高力ボルトの長さは、締付け長さに 35 mm を加えた値を標準とする。(JASS6)

3.◯

高力ボルトの接合部で肌すき1mm を超える場合は、フィラープレートを入れる。(公共建築工事標準仕様書建築工事編7.4.6(2))

4.×

ナット回転法による締付け完了後の検査は、1次締付け後のナットの回転量120° ±30° の範囲にあるものを合格とする。(JASS6)

[ No.28 ]
大空間鉄骨架構の建方に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. リフトアップ工法は、地組みした所定の大きさのブロックをクレーン等で吊り上げて架構を構築する工法である。

2. 総足場工法は、必要な高さまで足場を組み立てて、作業用の構台を全域にわたり設置し、架構を構築する工法である。

3. 移動構台工法は、移動構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てた後、構台を移動させ、順次架構を構築する工法である。

4. スライド工法は、作業構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てた後、そのユニットを所定位置まで順次滑動横引きしていき、最終的に架構全体を構築する工法である。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

リフトアップ工法とは、地上または構台上で組み立てた屋根架構を、先行した構築した構造体を支えとして、ジャッキ等により引き上げていく工法である。地組みした所定の大きさのブロックを、クレーン等で吊り上げて架構を構築する工法は、ブロック工法である。

2.◯

総足場工法は、必要な高さまで足場を組み立てて、作業用の構台を全域にわたり設置し、架構を構築する工法である。

3.◯

移動構台工法は、移動構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てた後、構台を移動させ、順次架構を構築する工法である。

4.◯

スライド工法は、作業構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てた後、そのユニットを所定位置まで順次滑動横引きしていき、最終的に架構全体を構築する工法である。

[ No.29 ]
木質軸組構法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 1階及び2階の上下同位置に構造用面材の耐力壁を設けるため、胴差部において、構造用面材相互間に、6mm のあきを設けた。

2. 接合に用いるラグスクリューは、先孔にスパナを用いて回しながら締め付けた。

3. 接合金物のボルトの締付けは、座金が木材へ軽くめり込む程度とし、工事中、木材の乾燥収縮により緩んだナットは締め直した。

4. 集成材にあけるボルト孔の間隔は、許容誤差を ±5mm とした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

1階及び2階の上下同位置に構造用面材の耐力壁を設ける場合は、胴差部において、構造用面材相互間に、原則として、6mm以上のあきを設ける。(木造住宅工事仕様書)

2.◯

木材の接合等に用いるラグスクリュー(ヘッドがナット状の木ねじ)の締付けは、そのまま締め付けると木材が割れるので、先に孔をあけてから、スパナを用いて回しながら行う。

3.◯

接合金物のボルトの締付けは、座金が木材へ軽くめり込む程度とし、工事中、木材の乾燥収縮により緩んだナットは締め直す

4.×

集成材にあけるボルト孔の間隔の許容誤差は、±2mmとする。

[ No.30 ]
揚重運搬機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 建設用リフトは、土木、建築等の工事の作業 で使用されるエレベーターで、人及び荷を運搬する。

2. タワークレーンのブーム等、高さが地 表 から 60m以 上 となる場合、原則として、航空障害灯を設置する。

3. 移動式クレーンは、旋回範囲内に 6,600 V の配電線がある場合、配電線から安全距離を2m以上確保する。

4. ロングスパン工事用エレベーターは、安全上支障 がない場合、搬器の昇降を知らせるための警報装置を備えないことができる。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

建設用リフトとは荷のみを運搬することを目的とするエレベーターで、土木、建築等の工事の作業に使用されるもの(ガイドレールと水平面との角度が80度未満のスキップホイストを除く。)をいう。(労働安全衛生法施行令第1条)

2.◯

タワークレーンのブーム等、高さが地表または水面から 60m以上となる場合、原則として、航空障害灯を設置する。(建築工事監理指針)

3.◯

移動式クレーンは、6,600 V の配電線から安全距離を 2m以上確保する。(建築工事監理指針)

4.◯

ロングスパン工事用エレベーターは、安全上支障がない場合、搬器の昇降を知らせるための警報装置を備えないことができる。

1級建築施工管理技士 令和04年 学科 問題4 解説

令和4年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題4

(午前の部)令和4年6月 12 日(日)
問題番号 [ No.31 ] ~ [ No.39 ]までの9問題のうちから、7問題を選択し、解答してください。
[ No.31 ]
合成高分子系ルーフィングシート防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 加硫ゴム系シート防水の接着工法において、平場部の接合部のシートの重ね幅は 100mm以上とし、立上り部と平場部との重ね幅は 150mm 以上とした。
2.  加硫ゴム系シート防水の接着工法において、出隅角の処理は、シートの張付け前に加硫ゴム系シートで増張りを行った。
3. 塩化ビニル樹脂系シート防水の接着工法において、下地が ALC パネルのため、プライマーを塗布した。
4.  エチレン酢酸ビニル樹脂系シート防水の密着工法において、接合部のシートの重ね幅は、幅方向、長手方向とも 100 mm 以上とした。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

加硫ゴム系シート防水の接着工法において、重ね幅は平場部の接合部は 100mm以上、立上り部と平場部の接合部は 150mm 以上とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編9.4.4(6)(エ))

2.×

加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付けに先立ち、非加硫ゴム系シートを用いて増張りする。(JASS8)

3.◯

下地ALCパネル面に塩化ビニル樹脂系シート防水の接着工法で施工する場合に、ALC パネル面にプライマーを塗布する。

4.◯

エチレン酢酸ビニル樹脂系シート相互の接合部は、原則として水上側のシートが水下側のシートの上になるように張り重ね、その平場の接合幅は、長手、幅方向とも100mm以上とする。(JASS8)

[ No.32 ]
シーリング工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 外壁ALCパネル張りに取り付けるアルミニウム製建具の周囲の目地シーリングは、3面接着とした。
2.  先打ちしたポリウレタン系シーリング材に、ポリサルファイド系シーリング材を打ち継いだ。
3. シーリング材の打継ぎ箇所は、目地の交差部及びコーナー部を避け、そぎ継ぎとした。
4.  コンクリートの水平打継ぎ目地のシーリングは、2成分形変成シリコーン系シーリング材を用いた。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

一般に、ALCパネルに取り付けるサッシ回りの目地はワーキングジョイントであり、目地シーリングは2面接着とする。

2.◯

ポリウレタン系シーリング材に後打ちできるシーリング材には、変成シリコーン系、シリコーン系、ポリサルファイド系等がある。(JASS8)

3.◯

シーリング材の打継ぎ箇所は、目地の交差部及びコーナー部を避け、そぎ継ぎとする。シーリング材の打始めは、原則として、目地の交差部あるいは角部から行う。(公共建築工事標準仕様書建築工事編9.7.4(4)(キ))

4.◯

コンクリートの水平打継ぎ目地のシーリングは、ノンワーキングジョイントのため、3面接着とし、塗装がない場合1・2成分形変成シリコーン系シーリング材または2成分形ポリサルファイド系シーシング材を用いる。

[ No.33 ]
セメントモルタルによる壁タイル後張り工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 密着張りの張付けモルタルは2度塗りとし、タイルは、上から下に1段置きに数段張り付けた後、それらの間のタイルを張った。
2.  モザイクタイル張りの張付けモルタルは2度塗りとし、1層目はこて圧をかけて塗り付けた。
3. 改良積上げ張りの張付けモルタルは、下地モルタル面に塗り厚4mm で塗り付けた。
4. 改良圧着張りの下地面への張付けモルタルは2度塗りとし、その合計の塗り厚を5mmとした。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

密着張りの張付けモルタル2度塗りとし、タイルは、上から下に1段置きに数段張り付けた後、それらの間のタイルを張る

2.◯

モザイクタイル張りの張付けモルタルの塗り付けは、いかに薄くとも2度塗りとし、1度目は薄く下地面にこするように塗り、下地モルタル面の微妙な凸凹にまで張り付けモルタルが食い込むようにし、次いで張り付けモルタルを塗り重ね、3mm程度の厚さとし、定規を用いてむらのないように塗厚を均一にする。(建築工事監理指針)

3.×

改良積上げ張りは、張付けモルタルを塗厚7~10mmとしてタイル裏面に塗り付けた状態で張り付ける。(JASS19)

4.◯

改良圧着張りの下地面への張付けモルタルは2度塗りとし、その合計の塗り厚を4〜6mmとする。タイル側への塗付けの場合、1〜3mmとする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編11.2.6(3)(ア))

[ No.34 ]
心木なし瓦棒葺に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 水上部分と壁との取合い部に設ける雨押えは、壁際立上りを 45mm とした。
2.  通し吊子の鉄骨母屋への取付けは、平座金を付けたドリルねじで、下葺材、野地板を貫通させ母屋に固定した。
3.  棟部の納めは、溝板の水上端部に八千代折とした水返しを設け、棟包みを取り付けた。
4. けらば部の溝板の幅は、瓦棒の働き幅の 1/2以下とした。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

水上部分と壁との取合い部に設ける雨押さえは壁部で120mm程度立ち上げてむだ折りを付ける。(JASS12)

2.◯

通し吊子はマーキングに合わせて平座金を付けたドリルねじで、下葺材、野地板を貫通させ母屋に固定する。(JASS12)

3.◯

棟部の納めは、溝板の水上端部八千代折とした水返しを設ける。当該部分に棟包みを取り付けて覆い被せる。(建築工事監理指針)

4.◯

けらば部の溝板の幅は、心なし瓦棒の働き幅の 1/2 以下とする。(建築工事監理指針)

[ No.35 ]
防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)仕上げに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 上塗材は、0.3 kg/m2 を2回塗りとした。
2. 主材の基層塗りは、1.7 kg/m2 を2回塗りとした。
3. 出隅、入隅、目地部、開口部まわり等に行う増塗りは、主材塗りの後に行った。
4. 主材の凹凸状の模様塗りは、見本と同様になるように、吹付け工法により行った。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

上塗材は、0.25 kg/m2 以上を2回塗りで、色むらが生じないように塗り付ける。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 表15.6.1(その3))

2.◯

主材の基層塗り2回塗りとし、だれ、ピンホール、塗り残しのないよう下地を覆うように塗り付ける。主材基層の所要量は、1.7 kg/m2 以上とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 表15.6.1(その3))

3.×

入隅、出隅、目地部、開口部まわりなど均一に塗りにくい箇所は、はけやコーナー用ローラーなどで、主材塗りの前に増塗りを行う。

4.◯

主材の凹凸状の模様塗りは、見本と同様になるように、吹付け工法により行う。

[ No.36 ]
アルミニウム製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 連窓の取付けは、ピアノ線を張って基準とし、取付け精度を2mm 以内とした。
2. 建具枠に付くアンカーは、両 端から逃げた位置にあるアンカーから、間隔を 500 mm 以下で取り付けた。
3. 外部建具周囲の充填モルタルは、NaCl 換算 0.04 %(質量比)以下まで除塩した海砂を使用した。
4. 水切り及び膳板は、アルミニウム板を折曲げ加工するため、厚さを 1.2 mm とした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

アルミニウム製建具の取付け精度は ±2mmとする。連窓の取付けの基準は、ピアノ線を張って施工する。

2.◯

アンカーの位置は、開口部より 150mm内外を端とし、中間は500mm内外の間隔とする。アンカーと差し筋は最短距離で溶接する。(JASS16)

3.◯

充填モルタルに使用する砂の塩化物量は、NaCl 換算 0.04 %(質量比)以下とする。海砂等を使用する場合は除塩する

4.×

アルミニウム板を加工して、枠、框、水切り、ぜん板及び額縁に使用する場合の厚さは1.5mm以上とする。(建築工事監理指針)

[ No.37 ]
合成樹脂塗床に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 薬品を使用する実験室の塗床は、平滑な仕上げとするため、流し展べ工法とした。
2. 合成樹脂を配合したパテ材や樹脂モルタルでの下地調整は、プライマーの乾燥後に行 った。
3.  エポキシ樹脂系コーティング工法のベースコートは、コーティング材を木ごてで塗り付けた。
4. エポキシ樹脂系モルタル塗床の防滑仕上げは、トップコート1層目の塗布と同時に骨材を散布した。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

流し展べ工法とは、塗床材あるいは塗床材に骨材を混合することによって、平滑に仕上げるセルフレベリング工法で、実験室、工場等に使用される。(建築工事監理指針)

2.◯

合成樹脂を配合したパテ材や樹脂モルタルでの下地調整を行う場合は、プライマーを塗布し乾燥後に行うのが一般的である。(建築工事監理指針)

3.×

コーティング工法は一般に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂に着色剤、充填剤、溶剤または水、仕上調整剤などの添加剤を配合した低粘土の液体(ベースコート)を、ローラーあるいはスプレーにより1~2回塗布する工法である。(JASS26)

4.◯

エポキシ樹脂系モルタル塗床の防滑のための骨材散布は、トップコート1層目の塗布と同時に行う等、上塗り1回目が硬化する前に製造所が指定する骨材をむらのないように均一に塗布する。(建築工事監理指針)

[ No.38 ]
壁のせっこうボード張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. テーパーエッジボードの突付けジョイント部の目地処理における上塗りは、ジョイントコンパウンドを幅 200 ~ 250 mm 程度に塗り広げて平滑にした。
2. せっこう系接着材による直張り工法において、ボード中央部の接着材を塗り付ける間隔は、床上 1,200 mm 以下の部分より、床上 1,200 mm を超える部分を小さくした。
3. せっこう系接着材による直張り工法において、躯体から仕上がり面までの寸法は、厚さ9.5 mm のボードで 20 mm 程度、厚さ 12.5 mm のボードで 25 mm 程度とした。
4. ボードの下端部は、床面からの水分の吸上げを防ぐため、床面から 10 mm 程度浮かして張り付けた。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

テーパーエッジボードの突付けジョイント部における目地処理の上塗りは、幅 200 ~ 250 mm 程度にジョイントコンパウンドを塗り広げて平滑にする。(建築工事監理指針)

2.×

せっこう系接着材直張り工法における張付け用接着材の塗付け間隔は、ボード周辺部150~200mm床上1.2m以下の部分200~250mm床上1.2mを超える部分250~300mmとする。したがって、ボード周辺部の方が塗付け間隔は小さくなる

3.◯

せっこう系接着材による直張り工法において、躯体から仕上がり面までの寸法は、厚さ9.5 mm のボードで 20 mm 程度、厚さ 12.5 mm のボードで 25 mm 程度とする。

4.◯

ボードの下端部は、床面からの吸水を防止するため床面から 10mm 程度浮かして張り付ける。(建築工事監理指針)

[ No.39 ]
外壁の押出成形セメント板(ECP)張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 縦張り工法のパネルは、層間変形に対してロッキングにより追従するため、縦目地を 15mm、横目地を8mm とした。
2. 二次的な漏水対策として、室内側にはガスケット、パネル張り最下部には水抜きパイプを設置した。
3. 幅 600 mm のパネルへの欠込みは、欠込み幅を 300 mm 以下とした。
4.  横張り工法のパネル取付け金物(Z クリップ)は、パネルがスライドできるようにし、パネル左右の下地鋼材に堅固に取り付けた。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

長辺の目地幅は 8mm以上、短辺の目地幅は15mm以上とする。(公共建築工事標準仕様書)したがって、縦張り工法のパネルは、縦目地を 8mm以上横目地を15mm以上とする。

2.◯

漏水に対する対策が特に必要な場合は、シーリングによる止水のみだけでなく、二次的な漏水対策として、室内側にはガスケットパネル張り最下部には水抜きパイプを設ける。(建築工事監理指針)

3.◯

欠込み幅の限度は、パネル幅の 1/2以下、かつ、300mm 以下とする。

4.◯

層間変形に対して、縦張り工法の場合はロッキング横張り工法の場合はパネルのスライドにより変位を吸収する。また、横張り工法のパネル取付け金物(Z クリップ)は、パネル左右の下地鋼材に堅固に取り付ける。(JASS27)

1級建築施工管理技士 令和04年 学科 問題5 解説

令和4年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題5

(午前の部)令和4年6月 12 日(日)

 問題番号 [ No.40 ] ~ [ No.44 ]までの5問題は、全問題を解答してください。

[ No.40 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 仮設の照明設備において、常時就業させる場所の作業面の照度は、普通の作業の場合、100ルクス以上とする計画とした。

2. 傾斜地に設置する仮囲いの下端の隙間を塞ぐため、土台コンクリートを設ける計画とした。

3. 前面道路に設置する仮囲いは、道路面を傷めないようにするため、ベースをH 形鋼とする計画とした。

4. 同時に就業する女性労働者が 25人見込まれたため、女性用便房を2個設置する計画とした。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

労働者を常時就業させる場所の作業面の照度は、作業区分に応じて維持しなければならない。普通の作業の場合は150 lx以上としなければならない。(労働安全衛生規則第604条)

2.◯

傾斜地に設置する仮囲いの下端に隙間が生じた場合、隙間を塞ぐため土台コンクリートや木製の幅木等を設けることとする。

3.◯

前面道路に設置する仮囲いは、道路面を傷めないようにするため、道路に接触する下部は H形鋼等を用いて保護する。

4.◯

女性用便房に関しては、労働安全衛生規則第628条第1項第四号、20人を超えた場合の便房の数は、「1に、同時に就業する女性労働者が 20人を超える、20人又はその端数を増すごとに1を加えた数」とあり、女性用便房を2個設置する計画は適切である。

[ No.41 ]
仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 工事用の動力負荷は、工程表に基づいた電力量山積みの 50% を実負荷とする計画とした。

2. 工事用の給水設備において、水道本管からの供給水量の増減に対する調整のため、2時間分の使用水量を確保できる貯水槽を設置する計画とした。

3. アースドリル工法による掘削に使用する水量は、1台当たり 10 m3/h として計画した。

4. 工事用電気設備のケーブルを直接埋設するため、その深さを、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所を除き 60cm以上とし、埋設表示する計画とした。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

工事用の動力負荷は、工事用電力使用工程表に基づいた動力電力量の山積みによる計算負荷の60%を実負荷として計画する。(建築工事監理指針)

2.◯

水道本管からの供給水量の増減に対する調整のため、工事用の給水設備には、2時間分程度の使用水量を確保できる容量の貯水槽を設置する計画とする。

3.◯

アースドリル工法による掘削に使用する水量は、掘削速度などによって異なるが、計画の目安は1台当たり 10m3/h である。(JASS2)

4.◯

道路法施行令第11条の2第1項第二号ロにより、「電線の頂部と路面との距離が、保安上又は道路に関する工事の実施上の支障のない場合を除き、車道にあっては 0.8m、歩道(歩道を有しない道路にあっては、道路の幅員の3分の2に相当する路面の中央部以外の部分。)にあっては0.6mを超えていること。」と規定があることから、工事用電気設備のケーブルを直接埋設するため、その深さを、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所を除き 60cm以上とし、埋設表示する計画とする。

[ No.42 ]
施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. コンクリート躯体工事において、現場作業の削減と能率向上により工期短縮が図れるプレキャストコンクリート部材を使用する計画とした。

2. 大規模、大深度の工事において、工期短縮のため、地下躯体工事と並行して上部躯体を施工する逆打ち工法とする計画とした。

3. 鉄骨工事において、施工中の粉塵の飛散をなくし、被覆厚さの管理を容易にするため、耐火被覆をロックウール吹付け工法とする計画とした。

4. 既製杭工事のプレボーリング埋込み工法において、支持層への到達の確認方法として、掘削抵抗電流値と掘削時間を積算した積分電流値を用いる計画とした。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

現場作業の削減と能率向上により工期短縮が図れるプレキャストコンクリート部材を使用する計画は適切である。

2.◯

地下躯体工事と並行して上部躯体を施工する逆打ち工法は、大規模、大深度の工事において、工期短縮に有効計画である。

3.×

鉄骨工事の耐火被覆工事において、吹付け工法は、施工中の粉塵が飛散しやすく被膜厚さの管理しにくいので、施工中の粉塵の飛散をなくし、被覆厚さの管理を容易にするためには、耐火被覆は成形板工法や巻き付け工法を計画する。

4.◯

既製杭工事のプレボーリング埋込み工法において、オーガー駆動装置の電流値や積分電流値の上昇変化・波形変化により支持層への到達を判断することができる。

[ No.43 ]
建設業者が作成する建設工事の記録に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 過去の不具合事例等を調べ、あとに問題を残しそうな施工や材料については、集中的に記録を残すこととした。

2. デジタルカメラによる工事写真は、黒板の文字や撮影対象が確認できる範囲で有効画素数を設定して記録することとした。

3. 既製コンクリート杭工事の施工サイクルタイム記録、電流計や根固め液等の記録は、発注者から直接工事を請け負った建設業者が保存する期間を定め、当該期間保存することとした。

4. 設計図書に示された品質が証明されていない材料については、現場内への搬入後に行った試験の記録を保存することとした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

過去の不具合事例等を調べ、監理者に確認し、あとに問題を残しそうな施工や材料については、記録を残す必要がある

2.◯

デジタルカメラによる工事写真は、不要に有効画素を大きくすると、ファイル容量が大きくなり、操作性も低くなるので、目的物及び黒板(白板)の文字等が確認できる範囲で適切な有効画素数を設定する。

3.◯

既製コンクリート杭工事の施工サイクルタイム記録、電流計や根固め液等の記録は、発注者から直接工事を請け負った建設業者が、保存する期間を定めて保存する

4.×

設計図書に示された品質が証明されていない材料は、工事現場に搬入してはならない受入れ検査種別ごとに行い、必要に応じて工事監理者の立会いを受ける。(JASS1)

[ No.44 ]
建築工事における工期と費用に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 直接費が最小となるときに要する工期を、ノーマルタイム( 標準時間)という。

2. 工期を短縮すると、間接費は増加する。

3. どんなに直接費を投入しても、ある限度以上には短縮できない工期を、クラッシュタイム(特急時間)という。

4. 総工事費は、工期を最適な工期より短縮しても、延長しても増加する。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

ノーマルタイム( 標準時間)とは、直接費が最小となるときに要する工期をいう。なお、直接費とは、工事に直接かかる費用のことで、材料費や労務費等が含まれる。

2.×

間接費は、現場管理費や共通仮設費等からなり、工期が短縮すると現場管理費(家賃、光熱費、直接工賃金以外の給料等)は減少する

3.◯

クラッシュタイム(特急時間)とは、どんなに直接費を投入しても、ある限度以上には短縮できない工期をいう。

4.◯

総工事費は、直接費と間接費を合わせたものである。工期を最適な工期より短縮すると、直接費の増加が大きくなるため総工事費は増加する。(例:突貫工事)また、最適工期を超えて延長すると、間接費が工期に比例して増えるため、総工事費は増加する。

1級建築施工管理技士 令和04年 学科 問題6 解説

令和4年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題6

第一次検定問題(午後の部)令和4年6月 12日(日)

問題番号[ No.45 ] 〜 [ No.54 ]までの 10問題は、全問題を解答してください。

[ No.45 ]
工程計画及び工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.工程計画には、大別して積上方式と割付方式とがあり、工期が制約されている場合は、割付方式で検討することが多い。

2.工程計画において、山均しは、作業員、施工機械、資機材等の投入量の均等化を図る場合に用いる。

3.工程表は、休日や天候を考慮した実質的な作業可能日数を暦日換算した日数を用いて作成する。

4.基本工程表は、工事の特定の部分や職種を取り出し、それにかかわる作業、順序関係、日程等を示したものである。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

工程計画には、大別して作業ごとにかかる日数を積み上げていく積上方式と、工期を決めて作業ごとの日程を割り付けていく割付方式とがあり、工期が制約されている場合は、一般に、割付方式を採用する。

2.◯

工程計画において、労務、資機材等の山積み工程を考え、効果的な労務、資機材の活用のため山均しによる均等化を行う。

3.◯

工程表は、延べ日数(作業に実際に必要な日数)に対して、休日及び天候等を考慮した実質的な作業可能日数を算出し、暦日換算を行い作成する。

4.×

基本工程表は、主要な工事項目の進捗とともに、各工事の作業手順と工期などを示したものである。特定の部分や職種を取り出し、それにかかわる作業、順序関係、日程などを示したものは、部分工程表や職種別工程表である。

[ No.46 ]
タクト手法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.作業を繰り返し行うことによる習熟効果によって生産性が向上するため、工事途中でのタクト期間の短縮や作業者の人数の削減を検討する。

2.設定したタクト期間では終わることができない一部の作業については、当該作業の作業期間をタクト期間の整数倍に設定しておく。

3.各作業は独立して行われるため、1つの作業に遅れがあってもタクトを構成する工程全体への影響は小さい。

4.一連の作業は同一の日程で行われ、次の工区へ移動することになるため、各工程は切れ目なく実施できる。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

タクト手法は、主に繰り返し作業の工程管理に用いられる。作業を繰り返し行うことによる習熟効果によって生産性が向上するため、工事途中で、所要日数の短縮作業者数の削減を検討する。

2.◯

設定したタクト期間では終わることができない一部の作業については、タクト期間内で終わるように、当該作業の作業期間をタクト期間の整数倍に設定して計画する。

3.×

各作業が連続して行われているため、1つの作業に遅れがあると、タクトを構成する工程全体への影響が大きい

4.◯

一連の作業は同一の日程で行われ、各作業が工区を順々に移動することになるので、切れ目のない工程を編成することができる。

   タクト工程

[ No.47 ]
品質管理に関する記述として、最も適当なものはどれか。

1.品質管理は、品質計画の目標のレベルにかかわらず、緻密な管理を行う。

2.品質の目標値を大幅に上回る品質が確保されていれば、優れた品質管理といえる。

3.品質確保のための作業標準を作成し、作業標準どおり行われているか管理を行う。

4.品質管理は、計画段階より施工段階で検討するほうが、より効果的である。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.×

品質管理の目標のレベルにかかわらず、緻密な管理を行うことは適当ではない。品質計画はその目標のレベルに合わせた品質管理を行う必要がある

2.×

品質の目標値を大幅に上回る品質が確保されている場合、過剰品質として工期、コストの面から優れた品質管理とはいえない。

3.◯

品質管理では、品質確保のための作業標準を作成し、作業標準どおり行われているか管理を行う。

4.×

品質管理は、施工段階より計画段階で検討するほうが、より効果的である。上流管理または川上管理という。

[ No.48 ]
鉄筋コンクリート工事における試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.スランプ 18cm のコンクリートの荷卸し地点におけるスランプの許容差は、± 2.5 cmとした。

2.鉄筋圧接部における超音波探傷試験による抜取検査で不合格となったロットについては、試験されていない残り全数に対して超音波探傷試験を行った。

3.鉄筋圧接部における鉄筋中心軸の偏心量が規定値を超えたため、再加熱し加圧して偏心を修正した。

4.空気量 4.5 % のコンクリートの荷卸し地点における空気量の許容差は、± 1.5 %とした。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

コンクリートスランプ 18cm のスランプの許容差は、± 2.5 cmである。(JIS A5308)

JIS A 5308 荷卸し地点でのスランプ許容差

2.◯

超音波探傷試験による抜取検査で不合格となったロットは、圧接方法、圧接機などに何らかの欠陥要因があるものと考えられる。不合格となった原因を確かめるとともに同じロットの残り全数の圧接部について欠陥がないかを超音波探傷試験を行う。(公共建築工事標準仕様書建築工事編5.4.11(2)(ア))

3.×

主な不良圧接の補正は、下記のとおりである。

圧接部における相互の鉄筋の圧接面のずれ及び鉄筋中心軸の偏心量が規定値を超えた場合等は、圧接部を切り取って再圧接しなければならない。再加熱により修正を行うのは、ふくらみの径・長さが足りない場合、著しい折れ曲がりが生じた場合に限られる。

不良圧接の補正

4.◯

コンクリートの空気量の許容差は、4.5%の場合、± 1.5 %である。(JIS A5308)

[ No.49 ]
鉄筋コンクリート造建築物の解体工事における振動対策及び騒音対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.壁等を転倒解体する際の振動対策として、先行した解体作業で発生したガラを床部分に敷き、クッション材として利用した。

2.振動レベルの測定器の指示値が周期的に変動したため、変動ごとの指示値の最大値と最小値の平均を求め、そのなかの最大の値を振動レベルとした。

3.振動ピックアップの設置場所は、緩衝物がなく、かつ、十分踏み固めた堅い場所に設定した。

4.周辺環境保全に配慮し、振動や騒音が抑えられるコンクリートカッターを用いる切断工法を採用した。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

壁等を転倒解体する際の振動対策として、先行した解体作業で発生したガラ(コンクリート破片)を床部分に敷き、クッション材として転倒する位置に敷くことは、振動、騒音の発生抑制、に有効である。

2.×

振動レベルの測定器の指示値が周期的に変動する場合、変動ごとの指示値の最大値の平均を求め、その値を振動レベルとする

3.◯

振動ピックアップとは、解体作業等の振動を検知し電気信号に変換する機器である。設置場所は、緩衝物がなく、かつ、十分踏み固めた堅い場所に設定する。

4.◯

鉄筋コンクリート造建築物の解体工事におけるコンクリートカッターを用いる切断工法は、振動や騒音の発生を抑制できるので、周辺環境保全に配慮した工法である。

[ No.50 ]
労働災害に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.労働災害における労働者とは、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。

2.労働災害の重さの程度を示す強度率は、1,000 延労働時間当たりの労働損失日数の割合で表す。

3.労働災害における重大災害とは、一時に3名以上の労働者が業務上死傷又は罹病した災害をいう。

4.労働災害には、労働者の災害だけでなく、物的災害も含まれる。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

労働者とは、職業の種類を問わず、事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。(労働基準法第9条)

2.◯

強度率とは、1,000 延労働時間当たりの労働損失日数の割合で表すもので、災害の重さの程度を示す。

強度率 = 延労働損失日数 / 延労働時間数 × 1,000

3.◯

労働災害における重大災害とは、不休災害を含む一時に3名以上の労働者が死傷または罹病した災害をいう。

4.×

労働災害とは、労働者が労務に従事したことにより、負傷、疾病、死亡することをいう。労働災害には、物的災害を含まれない。(労働安全衛生法第2条第一号)

[ No.51 ]
市街地の建築工事における公衆災害防止対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.鉄筋コンクリート造建築物の解体工事において、防音と落下物防護のため、足場の外側面に防音シートを設置した。

2.建築工事を行う部分の高さが地盤面から 20 m のため、防護棚を2段設置した。

3.外部足場に設置した防護棚の敷板は、厚さ 1.6 mm の鉄板を用い、敷板どうしの隙間は3cm 以下とした。

4.地盤アンカーの施工において、アンカーの先端が敷地境界の外に出るため、当該敷地所有者の許可を得た。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

建築解体工事においる防音と落下物防護のため、足場の外側面に防音シートを設置する。

2.◯

防護棚は、建築工事を行う部分が、地盤面からの高さが10m以上の場合にあっては1段以上、20m以上の場合にあっては2段以上設ける。(建築工事公衆災害防止対策要綱建築工事編第28の1)

3.×

防護柵(朝顔)の敷板は、厚さ30mm程度のひき板、合板足場板または厚さ1.6mm以上の鉄板を用い、足場板または鉄板は、隙間のないようにする。(JASS2)

4.◯

発注者及び施工者は、地盤アンカーの先端が敷地境界の外に出る場合には、敷地所有者または管理者の許可を得なければならない。

[ No.52 ]
作業主任者の職務として、「労働安全衛生規則」 上、定められていないものはどれか。

1.型枠支保工の組立て等作業主任者は、作業中、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状 況を監視すること。

2.建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、作業の方法及び順序を作業計画として定めること。

3.地山の掘削作業主任者は、作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

4.土止め支保工作業主任者は、材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

型枠支保工の組立て等作業主任者は、作業中、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視することと規定されている。(労働安全衛生規則第247条第三号)

2.×

事業者が行うべき事項として、作業の方法及び順序の作業計画を定めることと規定されている。(労働安全衛生規則第517条の2及び5)

3.◯

地山の掘削作業主任者の職務は、作業の方法を決定し、作業を直接指揮することと規定されている。(労働安全衛生規則第360条第一号)

4.◯

土止め支保工作業主任者の職務として、材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くことと規定されている。(労働安全衛生規則第375条第二号)

[ No.53 ]
事業者の講ずべき措置に関する記述 として、「労働安全衛生規則」 上、誤っているものはどれか。

1.強風、大雨、大雪等の悪天候のため危険が予想されるとき、労働者を作業に従事させてはならないのは、作業箇所の高さが3m以上の場合である。

2.安全に昇降できる設備を設けなければならないのは、原則として、高さ又は深さが 1.5m をこえる箇所で作業を行う場合である。

3.自動溶接を除くアーク溶接の作業に使用する溶接棒等のホルダーについて、感電の危険を防止するため必要な絶縁効力及び耐熱性を有するものでなければ、使用させてはならない。

4.明り掘削の作業において、掘削機械の使用によるガス導管、地中電線路等地下工作物の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれがあるときは、掘削機械を使用させてはならない。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

事業者は、高さが 2m 以上の箇所で作業を行う場合において、強風、大雨、大雪等の悪天候のため、当該作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業に労働者を従事させてはならない。(労働安全衛生規則第522条)

2.◯

事業者は、高さまたは深さが 1.5m をこえる箇所で作業を行う時は、当該作業に従事する労働者が安全に昇降するための設備等を設けなければならない。ただし、安全に昇降するための設備等を設けることが作業の性質上著しく困難な時は、この限りでない。(労働安全衛生規則第526条第1項)

3.◯

事業者は、アーク溶接等(自動溶接を除く。)の作業に使用する溶接棒等のホルダーについては、感電の危険を防止するため必要な絶縁効力及び耐熱性を有するものでなければ、使用させてはならない。(労働安全衛生規則第331条第)

4.◯

事業者は、明り掘削の作業を行う場合において、掘削機械、積込機械及び運搬機械の使用によるガス導管、地中電線路その他、地下に在する工作物の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、これらの機械を使用してはならない。(労働安全衛生規則第363条第)

[ No.54 ]
酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときの事業者の責務に関する記述として、「酸素欠乏症等防止規則」 上、誤っているものはどれか。

1.酸素欠乏危険作業については、衛生管理者を選任しなければならない。

2.酸素欠乏危険場所で空気中の酸素の濃度測定を行ったときは、その記録を3年間保存しなければならない。

3.酸素欠乏危険場所では、原則として、空気中の酸素の濃度を 18%以上に保つように換気しなければならない。

4.酸素欠乏危険場所では、空気中の酸素の濃度測定を行うため必要な測定器具を備え、又は容易に利用できるような措置を講じておかなければならない。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

事業者は、酸素欠乏危険作業については、第1種酸素欠乏危険作業にあっては酸素欠乏危険作業主任者技能講習または酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、第2種酸素欠乏危険作業にあっては酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏作業主任者を選任しなければならい。(酸素欠乏症等防止規則第11条第1項)

2.◯

事業者は、労働安全衛生法施行令第21条第九号に掲げる作業場について、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素(第2種酸素欠乏危険作業に係る作業場にあっては、酸素及び硫化水素)の濃度を測定しなければならない。事業者は、測定を行ったときは、そのつど、測定日時、測定方法、測定箇所、測定条件、測定結果などを記録して、これを3年間保存しなければならない。(酸素欠乏症等防止規則第3条)

3.◯

事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合は、当該作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を 18%以上(第2種酸素欠乏危険作業に係る場所にあっては、空気中の酸素の濃度を18%以上、かつ、硫化水素の濃度を100万分の10以下)に保つように換気しなければならない。ただし、爆発、酸化等を防止するため換気することができない場合または作業の性質上換気することが著しく困難は場合は、この限りでない。(酸素欠乏症等防止規則第5条第1項)

4.◯

事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、空気中の酸素の濃度測定を行うため必要な測定器具を備え、または容易に利用できるような措置を講じておかなければならない。(酸素欠乏症等防止規則第4条)

1級建築施工管理技士 令和04年 学科 問題7 解説

令和4年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題7

問題番号[ No.55 ] ~ [ No.60 ]までの6問題は応用能力問題です。全問題を解答してください。

[ No.55 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。

1.車輪付き裸台で運搬してきた板ガラスは、屋内の床に、ゴム板を敷いて平置きで保管した。

2.ロール状に巻いたカーペットは、屋内の乾燥した平坦な場所に、2段の俵積みで保管した。

3.高力ボルトは、工事現場受入れ時に包装を開封し、乾燥した場所に、使用する順序に従って整理して保管した。

4.防水用の袋入りアスファルトは、積重ねを 10段以下にし、荷崩れに注意して保管した。

5.プレキャストコンクリートの床部材は平置きとし、上下の台木が鉛直線上に同位置になるように積み重ねて保管した。

答え

  1,3

[ 解答解説 ]

1.×

車輪付き裸台や木箱・パレットで運搬してきた板ガラスは、そのまま保管する。

2.◯

ロールカーペットの保管場所は、直射日光や湿気による変色や汚れ防止のため屋内とし、乾燥した平らな床の上に縦置きせず、必ず横に倒して、2〜3段までの俵積みで保管する。

3.×

高力ボルトは、工事現場受入時には包装を開封せずに、規格、種類、径、長さ、ロット番号ごとに整理して乾燥した場所に保管し、施工直前に包装を解く

4.◯

防水用の袋入りアスファルトを屋外で保管する場合は、シート等を掛けて雨露に当たらず、土砂等に汚れないようにする。なお、積み重ねて保管するときは、荷崩れに注意して 10段を超えて積まないようにする。(建築工事監理指針)

5.◯

プレキャストコンクリートの床部材を積み重ねて平置きとする場合は、水平になるよう台木を2本敷いて、上部の部材の台木と下部の部材の台木が同じ平面位置になるようにする。

[ No.56 ]
型枠工事に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。

1.支保工以外の材料の許容応力度は、長期許容応力度と短期許容応力度の平均値とした。

2.コンクリート打込み時に型枠に作用する鉛直荷重は、コンクリートと型枠による固定荷重とした。

3.支柱を立てる場所が沈下するおそれがなかったため、脚部の固定と根がらみの取付けは行わなかった。

4.型枠の組立ては、下部のコンクリートが有害な影響を受けない材齢に達してから開始した。

5.柱型枠の組立て時に足元を桟木で固定し、型枠の精度を保持した。

答え

  2,3

[ 解答解説 ]

1.◯

材料の許容応力度は、支保工以外のものについては、長期許容応力度と短期許容応力度の平均値とする。(JASS5)

2.×

コンクリート打設時の鉛直荷重は下記により算出する。

鉛直荷重(設計荷重)=固定荷重 + 積載荷重(作業荷重+衝撃荷重)

・固定荷重=(鉄筋コンクリート比重24kN/m2×コンクリート厚さm)に(型枠重量0.4kN/m2)を加えた値

・積載荷重=1.5kN/m2(ポンプ打込工法の場合)

3.×

「 支柱の脚部の固定、根がらみの取付け等支柱の脚部の滑動を防止するための措置を講ずること」(労働安全衛生規則第242条 第2号)

4.◯

配筋、型枠の組立てまたはこれらに伴う資材の運搬、集積等は、これらの荷重を受けるコンクリートが有害な影響を受けない材齢に達してから開始する。(建築工事監理指針)

5.◯

支柱は垂直に立て、上下階の支柱は、可能な限り平面上の同一位置とする。また、地盤に支柱を立てる場合は、地盤を十分締め固めるとともに、剛性のある板を敷くなど支柱が沈下しないよう必要な措置を講ずる。(建築工事監理指針)

[ No.57 ]
コンクリートの養生に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。ただし、計画供用期間の級は標準とする。

1.打込み後のコンクリートが透水性の小さいせき板で保護されている場合は、湿潤養生と考えてもよい。

2.コンクリートの圧縮強度による場合、柱のせき板の最小存置期間は、圧縮強度が3N/mm2 に達するまでとする。

3.普通ポルトランドセメントを用いた厚さ 18 cm以上 のコンクリート部材においては、コンクリートの圧縮強度が 10N/mm2 以上になれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。

4.コンクリート温度が 2℃ を下回らないように養生しなければならない期間は、コンクリート打込み後2日間である。

5.打込み後のコンクリート面が露出している部分に散水や水密シートによる被覆を行うことは、初期養生として有効である。

答え

  2,4

[ 解答解説 ]

1.◯

打込み後のコンクリートが透水性の小さいせき板で保護されている場合は、湿潤養生と考えてもよい。

2.×

コンクリートの圧縮強度による場合、柱のせき板の最小存置期間は、短期及び標準の場合、5 N/mm2以上に達するまでとする。長期及び超長期の場合は、10 N/mm2以上に達するまでとする。(JASS5)

3.◯

短期及び標準の計画供用期間の級で、早強・普通及び中庸熱ポルトランドセメントを用いた厚さ18cm以上の部材は、10 N/mm2以上の圧縮強度になれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。(JASS5)厚さ15cm以下の部材は、コンクリート強度による養生打ち切りができない。

4.×

コンクリート打ち込み後の温度が2℃を下らないように養生しなければならない期間は、原則として、コンクリート打込み後 5日間と定められている。

5.◯

打込み後のコンクリート面が露出している部分に散水や水密シートによる被覆を行うことは、初期養生として有効である。建築工事監理指針の湿潤養生の項目では、「打込み後のコンクリートは、透水性の小さいせき板による被覆、養生マットまたは水密シートによる被覆、散水または噴霧、膜養生剤の塗布等により湿潤養生を行う。」と記載されている。

[ No.58 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。

1.スタッドは、上部ランナーの上端とスタッド天端との隙間が 15 mmとなるように切断した。

2.ランナーは、 両端部を端部から 50mm 内側で固定し、中間部を 900mm 間隔で固定した。

3.振れ止めは、床ランナーから 1,200 mm 間隔で、スタッドに引き通し、固定した。

4.スペーサーは、スタッドの端部を押さえ、間隔 600 mm 程度に留め付けた。

5.区分記号 65形のスタッド材を使用した袖壁端部の補強材は、垂直方向の長さが 4.0 mを超えたため、スタッド材を2本抱き合わせて溶接したものを用いた。

答え

  1,5

[ 解答解説 ]

1.×

スタッドは、上部ランナーの上端とスタッド天端との隙間10 mm 以下となるように切断する。(建築工事監理指針)

2.◯

軽量鉄骨壁下地ランナーの固定位置は、 両端部を端部から 50mm 内側とし、中間部は 900mm程度に打込みピンなどで床梁下・スラブ下に固定する。 (建築工事監理指針)

3.◯

振れ止めは、床面ランナーより間隔約1,200 mmごとに設ける。ただし、上部ランナー上端から400mm以内に振れ止めが位置する場合は、その振れ止めを省略することができる

4.◯

スペーサーは、各スタッドの端部を押さえ間隔 600 mm 程度に留め付ける。

5.×

そで壁端部や開口部の補強材、スタッド、ランナー等の種類はスタッドの高さにより区分がある。65形は、スタッドの高さ区分が4.0m以下で、スタッド65×45×0.8、ランナー67×40×0.8、開口部の補強材は、C-60×30×10×2.3であるので、65形スタッドでは、厚さが薄すぎて補強材とならない。スタッドの高さが4.0mを超え4.5m以下では90形を、4.5mを超え5.0m以下では100形とする。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.59 ]
コンクリート素地面の塗装工事に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。

1.アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、気温が 20 ℃ であったため、中塗りの工程間隔時間を2時間とした。

2.常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて、塗料を素地に浸透させるため、下塗りはローラーブラシ塗りとした。

3.2液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて、塗料は所定の可使時間内に使い終える量を調合して使用した。

4.合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、流動性を上げるため、有機溶剤で希釈して使用した。

5.つや有り合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、塗装場所の気温が5℃ 以下となるおそれがあったため、施工を中止した。

答え

  1,4

[ 解答解説 ]

1.×

アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、気温が20°Cのときは、中塗り工程間隔時間は3時間以上とする

2.◯

常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りの塗装方法は、はけ塗り、ローラーブラシ塗り、吹抜け塗りとする。ただし、下塗りは、素材によく浸透させる目的で、はけ塗り、ローラーブラシ塗りも用いるが、中塗りや上塗りは、原則として吹付け塗りとしている。

3.◯

2液形ポリウレタンエナメル塗りは、主剤硬化剤混合して用いる。2液形ポリウレタンエナメル塗りは、製造所が指定する可使時間内に使い終える量を調合して使用する。

4.×

合成樹脂エマルションペイントは、合成樹脂重合エマルションやラテックスをベースとして、着色顔料や体質顔料・補助剤・添加剤等を加えた水系塗料で、水による希釈が可能で、加水して塗料に流動性をもたせることができる。(JASS18)

5.◯

つや有り合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、塗装場所の気温が5℃ 以下、湿度が85%以上、換気が不十分で塗料の乾燥に不適合な場合は原則として、塗装を行わない

[ No.60 ]
鉄筋コンクリート造建築物の小口タイル張り外壁面の調査方法と改修工法に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。

1.打診法は、打診用ハンマー等を用いてタイル張り壁面を打撃して、反発音の違いから浮きの有無を調査する方法である。

2.赤外線装置法は、タイル張り壁面の内部温度を赤外線装置で測定し、浮き部と接着部における熱伝導の違いにより浮きの有無を調査する方法で、天候や時刻の影響を受けない。

3.タイル陶片のひび割れ幅が 0.2 mm 以上であったが、外壁に漏水や浮きが見られなかったため、当該タイルを斫って除去し、外装タイル張り用有機系接着剤によるタイル部分張替え工法で改修した。

4.外壁に漏水や浮きが見られなかったが、目地部に生じたひび割れ幅が 0.2 mm以上で一部目地の欠損が見られたため、不良目地部を斫って除去し、既製調合目地材による目地ひび割れ改修工法で改修した。

5.構造体コンクリートとモルタル間の浮き面積が1箇所当たり 0.2 m2 程度、浮き代が 1.0mm 未満であったため、アンカーピンニング全面セメントスラリー注入工法で改修した。

答え

  2,5

[ 解答解説 ]

1.◯

打診法は、打診用ハンマーなどを用いてタイル張り壁面を打撃して、反発音の違いから浮きの有無を調査する方法である。

2.×

赤外線装置法は、建物の外壁タイルやモルタル仕上げの壁面において、浮き部健全部の熱伝導の違いによって生じる表面の温度差を赤外線画像装置により測定して、浮き部を検出する方法で、撮影時の環境温度、壁面が受ける日射強度及び日射の蓄積時間、季節、天候、時刻、気温などの影響を受ける

3.◯

外壁に漏水や浮きが見られず、タイル表面のひび割れ幅が 0.2 mm 以上のものは、美観上当該タイルを斫って除去し、外装タイル張り用有機系接着剤によるタイル部分張替え工法で改修するか、樹脂注入工法にて改修する。

4.◯

外壁に漏水や浮きが見られないが、目地部に生じたひび割れ幅が 0.2mm以上で一部目地の欠損が見られた場合、不良目地部を斫って除去し、既製調合目地材による目地ひび割れ改修工法で改修する。

5.×

小口タイル張り仕上げにおいて、1箇所当たりの下地モルタルと下地コンクリートとの浮き面積が 0.25m2未満の部分は、アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法で改修する。アンカーピンニング全面ポリマーセメントスラリー注入工法は、構造体コンクリートとモルタル間の浮き面積が1箇所当たり 0.25m2以上、浮き代が1.0m以上の時に適用される。

1級建築施工管理技士 令和04年 学科 問題8 解説

令和4年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題8

※ 問題番号[ No.61 ]~[ No.72 ]までの 12 問題のうちから、8問題を選択し、解答してください。

[ No.61 ]
次の記述のうち、「建築基準法」 上、誤っているものはどれか。

1.鉄筋コンクリート造3階建ての共同住宅においては、2階の床及びこれを支持する梁に鉄筋を配置する特定工程に係る工事を終えたときは、中間検査の申請をしなければならない。

2.木造3階建ての戸建て住宅を、大規模の修繕をしようとする場合においては、確認済証の交付を受けなければならない。

3.確認済証の交付を受けた建築物の完了検査を受けようとする建築主は、工事が完了した日から5日以内に、建築主事に到達するように検査の申請をしなければならない。

4.床面積の合計が 10 m2 を超える建築物を除却しようとする場合においては、原則として、当該除却工事の施工者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

答え

  3
[ 解答解説 ]
1.◯
建築主は、第6条第1項の規定による工事が次の各号のいずれかに該当する工程(以下「特定工程」という。)を含む場合において、当該特定工程に係る工事を終えたときは、その都度、国土交通省令で定めるところにより、建築主事の検査を申請しなければならない。(建築基準法第7条の3第1項)
同条第一号に、「階数が3以上である共同住宅の床及びはりに鉄筋を配筋する工事の工程のうち政令で定める工程」と規定されている。

2.◯
木造3階建ての戸建て住宅を、大規模の修繕をしようとする場合において、建築主は、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定その他建築物の敷地、構造または建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものに適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。(建築基準法第6条第1項)

3.×
建築基準法第7条第1項、第2項に次のように規定されている。
「建築主は、第6条第1項の規定による工事を完了したときは、国土交通省令で定めるところにより、建築主事の検査を申請しなければならない。」
「前項の規定による申請は、第6条第1項の規定による工事が完了した日から4日以内に建築主事に到達するように、しなければならない。ただし、申請をしなかったことについて国土交通省令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。」

4.◯
建築主が建築物を建築しようとする場合または建築物を除却しようとする場合においては、これらの者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該建築物または当該工事に係る部分の床面積の合計が 10 m2 以内である場合においては、この限りでない。(建築基準法第15条第1項)

[ No.62 ]
次の記述のうち、「建築基準法」 上、誤っているものはどれか。

1.建築監視員は、建築物の工事施工者に対して、当該工事の施工の状況に関する報告を求めることができる。

2.建築主事は、建築基準法令の規定に違反した建築物に関する工事の請負人に対して、当該工事の施工の停止を命じることができる。

3.建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するよう努めなければならない。

4.特定行政庁が指定する建築物の所有者又は管理者は、建築物の敷地、構造及び建築設備について、定期に、建築物調査員にその状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
特定行政庁、建築主事または建築監視員 は、建築物の工事の計画もしくは施工の状況等に関する 報告 を、工事施工者に求めることができる。(建築基準法第12条第5項)

2.×
特定行政庁は、違反建築物の建築主、工事の請負人などに対し、当該工事の施工の停止を命じ、又は、違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。(建築基準法第9条第1項)

3.◯
建築物の所有者、管理者または占有者 は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を 常時適法な状態に維持するよう努めなければならない。(建築基準法第8条第1項)

4.◯
特定行政庁が指定するものの所有者は、これらの建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省の定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士または建築物調査員資格者証の交付を受けている者にその状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。(建築基準法第12条第1項)
<!― 12条点検 第1項 特定建築物定期調査・外壁打診検査 第3項 建築設備定期検査、防災設備定期検査、昇降機等定期検査 –>

[ No.63 ]
避難施設等に関する記述として、「建築基準法施行令」 上、誤っているものはどれか。

1.小学校には、非常用の照明装置を設けなければならない。

2.映画館の客用に供する屋外への出口の戸は、内開きとしてはならない。

3.回り階段の部分における踏面の寸法は、踏面の狭い方の端から 30 cm の位置において測らなければならない。

4.両側に居室がある場合の、小 学校の児童用の廊下の幅は、2.3 m以上 としなければならない。

答え

  1
[ 解答解説 ]
1.×
特殊建築物の居室、階数が3以上で延べ面積が500m2を超える建築物の居室等及びこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段等の部分には、非常用の照明装置を設けなければならないが、学校、病院の病室等は除かれている。(建築基準法施行令第126条の4第三号)

2.◯
劇業、映画館、演芸場、観覧場、公会堂または集会場の客用に供する屋外への出口の戸は、内開きとしてはならない。(建築基準法施行令第125条第2項)

3.◯
回り階段の部分における踏面の寸法は、踏面の狭い方の端から 30 cmの位置において測るものとする。(建築基準法施行令第23条第2項)

4.◯
両側に居室がある場合の、小学校の児童用の廊下の幅は、2.3 m以上としなければならない。(建築基準法施行令第119条)

[ No.64 ]
建設業の許可に関する記述として、「建設業法」 上、誤っているものはどれか。

1.特定建設業の許可を受けようとする建設業のうち、指定建設業は、土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業及び造園工事業の5業種である。

2.一般建設業の許可を受けようとする者は、許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して 10年以上の実務の経験を有する者を、その営 業 所ごとに置く専任の技術者とすることができる。

3.工事一件の請負代金の額が 500 万円に満たない建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、建設業の許可を受けなくてもよい。

4. 特定建設業の許可を受けた者でなければ、発注者から直接請け負った建設工事を施工するために、建築工事業にあっては下請代金の額の総額が 6,000万円以上となる下請契約を締結してはならない。

答え

  1
[ 解答解説 ]
1.×
特定建設業の許可を受けようとする建設業のうち、指定建設業は、土木工事業、建築工事業、電気工事業、菅工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業及び造園工事業7業種である。(建設業法施行令第5条の2)

2.◯
建設業の許可を受けようとする者は、許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して10年以上の実務の経験を有する者を、一般建設業の営業所に置く専任の技術者とすることができる。(建設業第7条第二号)

3.◯
政令で定める軽微な建設工事は、工事一件の請負代金の額が 500万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあっては、1,500万円)に満たない工事は、建設業の許可を受けなくてもよい。(建設業第3条第1項ただし書、同施行令第1条の2)

4.◯
特定建設業の許可を受けた者でなければ、発注者から直接請け負った建設工事を施工するために、建築工事業にあっては下請代金の額の総額が政令で定める金額(建築工事業の場合 6,000万円)以上となる下請契約を締結してはならない。(建設業第16条第1項)

[ No.65 ]
請負契約に関する記述として、「建設業法」 上、誤っているものはどれか。

1.注文者は、工事一件の予定価格が 5,000 万円以上である工事の請負契約の方法が随意契約による場合であっても、契約の締結までに建設業者が当該建設工事の見積りをするための期間は、原則として、15 日以上を設けなければならない。

2.元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から 30日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その完成を確認するための検査を完了しなければならない。

3.特定建設業者は、当該特定建設業者が注文者となった下請契約に係る下請代金の支払につき、当該下請代金の支払期日までに一般の金融機関による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付してはならない。

4.元請負人は、その請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ、下請負人の意見をきかなければならない。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
請負契約の方法が随意契約による場合であっても、注文者は、工事一件の予定価格が 5,000 万円以上である工事の契約の締結までに建設業者が当該建設工事の見積りをするための期間は、原則として、15 日以上を設ける必要がある。(建設業法第20条第4項、同施行令第6条第1項第三号)

2.×
元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その完成を確認するための検査を完了しなければならない。(建設業法第24条の4第1項)

3.◯
特定建設業者は、当該特定建設業者が注文者となった下請契約に係る下請代金の支払につき、当該下請代金の支払期日までに一般の金融機関(預金または貯金の受入れ及び資金の融通を業とする者をいう。)による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付してはならない。(建設業法第24条の6第3項)

4.◯
元請負人は、その請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ、下請負人の意見をきかなければならない。(建設業法第24条の2)

[ No.66 ]
監理技術者等に関する記述として、「建設業法」 上、誤っているものはどれか。

1.専任の監理技術者を置かなければならない建設工事について、その監理技術者の行うべき職務を補佐する者として政令で定める者を工事現場に専任で置く場合には、監理技術者は2つの現場を兼任することができる。

2.専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においても国土交通大臣の登録を受けた講習を受講した日の属する年の翌年から起算して7年を経過しない者でなければならない。

3.建設業者は、請け負った建設工事を施工するときは、現場代理人の設置にかかわらず、主任技術者又は監理技術者を置かなければならない。

4.主任技術者及び監理技術者は、建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上 の管理及び施工に従事する者の技術上の指導監督を行わなければならない。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
専任の監理技術者を置かなければならない建設工事について、その監理技術者の行うべき職務を補佐する者として政令で定める者を工事現場に専任で置く場合には、監理技術者は2つの現場を兼任することができる。(建設業法第26条第3項ただし書)

2.×
専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においても、登録を受けた講習を受講した日の属する年の翌年から起算して5年を経過しない者でなければならない。(建設業法第26条第5項、同施行規則第17条の9)
<!― 監理技術者の資格の有効期間は5年であるため、7年以内ではない。(建設業法第3条第3項)―>
3.◯
建設業者は、請け負った建設工事を施工するときは、現場代理人の設置にかかわらず主任技術者または監理技術者を置かなければならない。(建設業法第26条)

4.◯
主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければならない。(建設業法第26条の4)

[ No.67 ]
労働契約に関する記述として、「労働基準法」 上、誤っているものはどれか。

1.使用者は、労働者の退職の場合において、請求があった日から、原則として、7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。

2.労働契約は、契約期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な契約期間を定めるもののほかは、原則として、3年を超える契約期間について締結してはならない。

3.使用者は、労働者が業務上負傷し、療養のために休業する期間とその後30日間は、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においても解雇してはならない。

4.就業のために住居を変更した労働者が、省 令により明示された労働条件が事実と相違する場合で労働契約を解除し、当該契約解除の日から 14日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。

答え

  3
[ 解答解説 ]
1.◯
使用者は、労働者の死亡または退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。(労働基準法第23条第1項)

2.◯
労働契約は、契約期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な契約期間を定めるもののほかは、3年を超える期間について締結してはならない。(労働基準法第14条)

3.×
解雇制限について、使用者は、労働者が教務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第81条の規定によって打切補償を支払う場合または天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、この限りでないと規定されている。(労働基準法第19条第1項)
<!― 労働基準法の解雇制限により、労働者が業務上負傷した場合は、休業する期間及びその後30日間は解雇してはならない。なお、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合は解雇できる。(労働基準法第19条第1項) ―>

4.◯
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。この場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から 14日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。(労働基準法第15条第3項)

[ No.68 ]
建設業の事業場における安全衛生管理体制に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

1.元方安全衛生管理者は、その事業場に専属の者でなければならない。

2.安全衛生責任者は、安全管理者又は衛生管理者の資格を有する者でなければならない。

3.特定元方事業者は、統括安全衛生責任者に元方安全衛生管理者の指揮をさせなければならない。

4.統括安全衛生責任者は、その事業の実施を統括管理する者でなければならない。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
元方安全衛生管理者の選任は、その事業場に専属の者を選任して行わなければならない。(労働安全衛生規則第18条の3)

2.×
統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行うものは、安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者との連絡その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。(労働安全衛生法第16条)
安全衛生責任者の資格要件は、定められていない。

3.◯
事業者で、一の場所において行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせているもののうち、建設業その他政令で定める業種に属する事業を行う者(「特定元方事業者」という。)は、その労働者及びその請負人の労働者が当該場所において作業を行うときは、これらの労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため、統括安全衛生責任者を選任し、その者に元方安全衛生管理者の指揮をさせるとともに、第30条第1項各号の事項を統括管理させなければならない。ただし、これらの労働者の数が政令で定める数未満であるときは、この限りでない。(労働安全衛生法第15条第1項)

4.◯
統括安全衛生責任者は、当該場所においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。(労働安全衛生法第15条第2項)

[ No.69 ]
労働者の就業に当たっての措置に関する記述として、「労働安全衛生法」 上、誤っているものはどれか。

1.事業者は、労働者を雇い入れたときは、原則として、当該労働者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。

2.事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。

3.事業者は、特別教育を必要とする業務に従事させる労働者が、当該教育の科目の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有すると認められるときは、当該科目についての特別教育を省略することができる。

4.事業者は、建設業の事業場において新たに職務に就くこととなった作業主任者に対し、作業方法の決定及び労働者の配置に関する事項について、安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。

答え

  4
[ 解答解説 ]
1.◯
事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全または衛生のための教育を行なわなければならない。(労働安全衛生法第59条第1項)

2.◯
事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全または衛生のための教育を行うように努めなければならない。(労働安全衛生法第60条の2第1項)

3.◯
雇入れ時などの教育について、事業者は、前項各号に掲げる事項の全部または一部に関し十分な知識及び技能を有すると認められる労働者については、当該事項についての教育を省略することができると規定されている。(労働安全衛生規則第35条第2項)

4.×
事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導または監督する者(作業主任者を除く。)に対し、安全または衛生のための教育を行わなければならない。(労働安全衛生法第60条)作業主任者ではない。

[ No.70 ]
次の記述のうち、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」 上、誤っているものはどれか。

1.建設資材廃棄物の再資源化等には、焼却、脱水、圧縮その他の方法により建設資材廃棄物の大きさを減ずる行為が含まれる。

2.建設業を営む者は、建設資材廃棄物の再資源化により得られた建設資材を使用するよう努めなければならない。

3.対象建設工事の元請業者は、特定建設資材廃棄物の再資源化等が完了したときは、その旨を都道府県知事に報告しなければならない。

4.分別解体等には、建築物等の新築工事に伴い副次的に生ずる建設資材廃棄物をその種類ごとに分別しつつ当該工事を施工する行為が含まれる。

答え

  3
[ 解答解説 ]
1.◯
この法律において建設資材廃棄物について「縮減」とは、焼却、脱水、圧縮その他の方法により建設資材廃棄物の大きさを減ずる行為をいい、「再資源化等」とは、再資源化及び縮減をいう。(建設工事に係る資源の再資源化等に関する法律第2条第7項、第8項)

2.◯
建設業を営む者は、建設資材廃棄物の再資源化により得られた建設資材を使用するよう努めなければならない。(建設工事に係る資源の再資源化等に関する法律第5条第2項)

3.×
対象建設工事の元請業者は、当該工事に係る特定建設資材廃棄物の再資源化等が完了したときは、主務省令で定めるところにより、その旨を当該工事の発注者に書面で報告するとともに、当該再資源化等の実施状況に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。都道府県知事への報告は定められていない。(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(以下、建設リサイクル法)第18条)

4.◯
この法律において「分別解体等」とは、次の各号に掲げる工事の種別に応じ、それぞれ当該各号に定める行為をいう。建築物等の新築その他の解体工事以外の建設工事(以下「新築工事等」という。)において、当該工事に伴い副次的に生ずる建設資材廃棄物をその種類ごとに分別しつつ当該工事を施工する行為である。(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律第2条第3項第二号)

[ No.71 ]
「騒音規制法」 上、指定地域内における特定建設作業の実施の届出に関する記述として、誤っているものはどれか。ただし、作業は、その作業を開始した日に終わらないものとする。

1.特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、作業の実施の期間や騒音の防止の方法等の事項を、市町村長に届出をしなければならない。

2.くい打機をアースオーガーと併用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

3.さく岩機の動力として使用する作業を除き、電動機以外の原動機の定格出力が 15kW 以上の空気圧縮機を使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

4.環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が 70 kW以上 のトラクターショベルを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
指定地域内において、特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該特定建設業の開始の日の7日前までに、環境省令が定めるところにより、
①氏名または名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
②建設工事の目的に係る施設または工作物の種類
③特定建設作業の場所及び実施の期間
④騒音の防止の方法
⑤その他環境省令で定める事項について
市町村長に届け出なければならない。(騒音規制法第14条第1項)

2.×
くい打機で使用する作業のうち、くい打機をアースオーガーと併用する作業は、特定建設作業から除かれている。(騒音規制法施工令別表第2第一号)

3.◯
さく岩機の動力として使用する作業を除き、電動機以外の原動機の定格出力が 15kW 以上の空気圧縮機を使用する作業は、特定建設作業の実施の届出は必要である。(騒音規制法第14条、同法施行令第2条、別表第二第四号)

4.◯
環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が 70 kW以上のトラクターショベルを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。(騒音規制法第14条、同法施行令第2条、別表第二第七号)

[ No.72 ]
貨物自動車を使用して分割できない資材を運搬する際に、「道路交通法」 上、当該車両の出発地を管轄する警察署長の許可を必要とするものはどれか。ただし、貨物自動車は、軽自動車を除くものとする。

1.長さ 11 m の自動車に、車体の前後に 0.5 m ずつはみ出す長さ 12 m の資材を積載して運搬する場合

2.荷台の高さが1m の自動車に、高さ 3mの資材を積載して運転する場合

3.積載する自動車の最大積載重量で資材を運搬する場合

4.資材を看守するため必要な最小限度の人員を、自動車の荷台に乗せて運搬する場合

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.不要
積載物の長さは、自動車の長さにその長さの10分の1の長さを加えたもの(大型自動二輪車及び普通自動二輪車にあっては、その乗車装置又は積載装置の長さに0.3mを加えたもの)を超えないことと規定されている。(道路交通法施行令第22条第三号イ)また、積載物の前後のはみ出しは、自動車の車体の前後から自動車の長さの10分の1の長さを超えないことと規定されている。(道路交通法施行令第22条第四号イ)長さ11mの自動車に、車体の前後に 0.5mずつはみ出す長さ12mの資材を積載して運搬する場合は、積載物の長さ12mは 11 × 11 =12.1m以下、積載物の前後のはみ出し0.5mは 11 × 0.1 =1.1m以下であるので、許可は不要である。

2.必要
積載物の高さは、3.8mからその自動車の積載をする場所を減じたものを超えないことと規定されており、荷台の高さが1mの自動車に、高さ 3.0mの資材を積載して運転する場合は、高さ3.8m以上なので、許可は必要である。(道路交通法施行令第22条第三号ハ)

3.不要
車両の運転者は、当該車両について政令で定める乗車人員または積載物の重量、大きさもしくは積載の方法の制限を超えて乗車をさせ、または積載をして車両を運転してはならない。制限を超えてなければ許可は不要である。(道路交通法第57条第1項本文)

4.不要
積載された資材を看守するため、必要な最小限度の人員として1名を荷台に乗車させて運転する場合は、道路交通法の規定により不要である。(道路交通法第55条第1項ただし書)

1級建築施工管理技士 令和05年 学科 問題1 解説

令和5年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題1
(午前の部)令和5年6月11日(日)

問題番号[ No.1 ]〜[ No.15 ]までの15問題のうちから、12問題を選択し、解答してください。
 
ただし、12問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は、四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
 
[ No.1 ]
日照及び日射に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.北緯35°における南面の垂直壁面の可照時間は、夏至日より冬至日のほうが長い。
 
2.日影規制は、中高層建築物が敷地境界線から一定の距離を超える範囲に生じさせる、冬至日における日影の時間を制限している。
 
3.水平ルーバーは東西面の日射を遮るのに効果があり、縦ルーバーは南面の日射を遮るのに効果がある。
 
4.全天日射は、直達日射と天空日射を合計したものである。
 
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

可照時間とは、障害物のない水平面であれば晴れた日の日の出から日没までの時間に日照があるべき時間をいう。北緯35度における南面の垂直壁の可照時間は、太陽が東西軸より南側にある時間となる。夏至(約7時間)よりも春分または秋分(約12時間)の方が長くなり、冬至はそれよりも長くなる。

2.◯

日影規制とは、中高層建築物により生ずる日影を一定の時間な内に抑えることで、周辺の居住環境を保護する規制である。中高層建築物の敷地境界線から定められた距離を越える範囲(5m及び10m)で、冬至日における日影の時間を制限する。

3.×

羽根が水平に並ぶ水平ルーバーは、日射を遮るために南側の開口部に取り付けると、太陽の高度が高くなる夏季に南面の日射を防ぐのに効果がある。羽根が垂直に並ぶ縦ルーバーは、冬季の高度が低くなった西日を遮るのに効果がある。

4.◯

日射とは、地表面または大気中における太陽放射の総称である。大気層を通り抜けて直接地表面に達する太陽光線の日射量を直達日射量、途中で乱反射されて地上に達する太陽光線の日射量を天空放射量といい、直達日射量と天空放射量を合計したものを全天日射量という。

 
[ No.2 ]
採光及び照明に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.横幅と奥行きが同じ室において、光源と作業面の距離が離れるほど、室指数は小さくなる。
 
2.設計用全天空照度は、快晴の青空のときのほうが薄曇りのときよりも小さな値となる。
 
3.照度は、単位をルクス(lx)で示し、受照面の単位面積当たりの入射光束のことをいう。
 
4.光度は、単位をカンデラ(cd)で示し、反射面を有する受照面の光の面積密度のことをいう。
 
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

室指数とは光源から出た光束がどれぐらい作業面に達するかを示す計算方法の一つで、光源の距離が被照面(作業面)から離れるほど、室指数は小さくなる。室の形による指数で、照明率を求めるために用いられる。

室指数(k) =( X × Y ) / ( H ×( X × Y ) )

 X:室の間口  [ m ]

 Y:室の奥行き [ m ]

 H:被照面から光源までの距離 [ m ]

2.◯

設計用全天空照度は、快晴の青空のときが薄曇りのときよりも小さな値となる。全天空照度とは、直射日光を除いた全天空の照度をいう。

 晴れ 10,000 ルクス

 曇り 30,000 ルクス

 雨   5,000 ルクス

 覚え方:俳句もさまになる雨の甲子園(原口秀明氏より)

     晴 1 雲 3万   雨 5千

3.◯

照度とは、受照面の明るさを表し、単位面積当たりに入射する光束の量をいう。単位はルクス(lx)で示す。

4.×

光度は、光源から発散される光のエネルギーの強さを表す尺度であり、物理的には光源の中のある点からあらゆる方向に向けて発散される単位立体角あたりの光束をいう。単位は cd(カンデラ)で示す。反射面を有する受照面の光の面積密度とは輝度であり、単位はカンデラ毎平方メートル [ cd/m2]で示す。

[ No.3 ]
吸音及び遮音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.吸音材は、音響透過率が高いため、遮音性能は低い。
 
2.多孔質の吸音材は、一般に低音域より高音域の吸音に効果がある。
 
3.単層壁において、面密度が大きいほど、音響透過損失は小さくなる。
 
4.室間音圧レベル差の遮音等級はD値で表され、D値が大きいほど遮音性能は高い。
 
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

壁面に音が入射されると、入射音エネルギーは、反射、吸音等により減少し、一部が透過する。

透過率 = 透過音エネルギー/入射音エネルギー

反射率 = 反射音エネルギー/入射音エネルギー

上記の公式により、音を吸収する吸音材は、透過率が高いため、反射音エネルギーは少なくなり、遮音性能は低くなる。

2.◯

多孔質の吸音材は、一般に低音域より高音域の方が吸音率(音を吸収する程度を表す指数)は大きい。すなわち、低い音よりも高い音の方が吸収されやすい

3.×

透過損失とは、壁体等の遮音の程度を示すもので、値が大きいほど、壁体等の遮音性能が高いことを表す。単層壁の透過損失は、単位面積当たりの単位面積あたりの質量(面密度)と、周波数大きいほど大きくなる。これを単層壁の質量則という。

4.◯

室間音圧レベル差とは、音が発生している室の音圧レベルと音が透過する側の室の音圧レベルのをいい、この差が大きいほど、遮音性能が高い。したがって、室間音圧レベル差の遮音等級を表すD値は、その値が大きいほど遮音性能が高い

 
[ No.4 ]
免震構造に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.アイソレータは、上部構造の重量を支持しつつ水平変形に追従し、適切な復元力を持つ。
 
2.免震部材の配置を調整し、上部構造の重心と免震層の剛心を合わせることで、ねじれ応答を低減できる。
 
3.地下部分に免震層を設ける場合は、上部構造と周囲の地盤との間にクリアランスが必要である。
 
4.ダンパーは、上部構造の垂直方向の変位を抑制する役割を持つ。
 
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

アイソレータは、地震入力に対して絶縁機能を持つもので、地震の水平方向の動きに対して縁を切り、上部構造動かないようにする。水平方向の変位を抑制する役割はダンパーが受け持つことが多い。

2.◯

ねじれ応答とは、地震時に建物全体がねじれるような挙動をいう。免震部材の配置を調整し、上部構造の重心と免震層の剛心を合わせることで、ねじれ応答を低減できる

3.◯

大きな地震動を免震構造が受けた場合、上部構造は長周期で大きく水平移動するため、上部構造と周囲の地盤との接触、衝突を避けるため十分なクリアランスが確保することが必要である。設計で考えられる変位量の1.5 〜 2.0倍程度の離隔寸法を確保する。

4.×

免震構造におけるダンパー(減衰器)の役割は、免震層の過大な変形を抑制し、地震時の応答を安定化させることである。

 
[ No.5 ]
鉄筋コンクリート構造の建築物の構造計画に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.普通コンクリートを使用する場合の柱の最小径は、その構造耐力上主要な支点間の距り離の1/15以上とする。
 
2.耐震壁とする壁板のせん断補強筋比は、直交する各方向に関して、それぞれ0.25%以上とする。
 
3.床スラブの配筋は、各方向の全幅について、コンクリート全断面積に対する鉄筋全断面積の割合を0.1%以上とする。
 
4.梁貫通孔は、梁端部への配置を避け、孔径を梁せいの1/3以下とする。
 
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

普通コンクリートを使用する場合の柱の最小径は、構造耐力上主要な支点間の距離(通常上下の梁の内法寸法)の1/15以上とする。(建築基準法施行令第77条第五号)

2.◯

鉄筋コンクリート構造の壁板のせん断補強筋比は、地震力により生ずるせん断ひび割れを分散化し、急激な剛性低下を防ぐため、直交する各方向に関して、それぞれ0.0025(0.25%)以上とする。

3.×

床スラブの配筋は、温度応力収縮応力に対する配筋として、各方向の全幅について、鉄筋全断面積のコンクリート全断面に対する割合は、0.2%以上をする。

4.◯

梁に貫通孔が設けられると、梁断面の欠損によりせん断強度が低下するので、適切に補強を行う必要がある。鉄筋コンクリート構造の場合、円形孔の直径は梁せいの1/3以下とし、梁端部への配置は避ける。

 
[ No.6 ]
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.角形鋼管柱の内ダイアフラムは、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられる。
 
2.H形鋼は、フランジやウェブの幅厚比が大きくなると局部座屈を生じにくい。
 
3.シヤコネクタでコンクリートスラブと結合された鉄骨梁は、上端圧縮となる曲げ応力に対して横座屈を生じにくい。
 
4.部材の引張力によってボルト孔周辺に生じる応力集中の度合は、高力ボルト摩擦接合より普通ボルト接合のほうが大きい。
 
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

角形鋼管柱(BCPとBCR)と梁との仕口部には通しダイアフラム方式と内ダイアフラム方式とがある。柱サイズに対して、梁フランジの幅が小さく、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等には、内ダイアフラム方式とする。

鋼管柱とダイヤフラム、梁フランジとダイヤフラム若くは鋼管柱は、一体とするため、完全溶け込み溶接とする必要がある。梁せいが異なるときに通しダイアフラムとすると、その間隔が狭い部分が発生し、完全溶け込み溶接の検査に必要な超音波探傷試験ができなくなる箇所が生じる。

内ダイヤフラムと鋼管内側の溶接も完全溶込み溶接にする必要があるが、溶接の工程を分けることにより、超音波探傷試験を行うことができる。

2.×

H 形鋼は、フランジ及びウェブの幅厚比が大きくなると、部材形状に対し板厚が薄いということになり、局部座屈を生じやすくなる

3.◯

シアコネクタとは、2つの部材を一体化するための接合部材をいう。シアコネクタでコンクリートスラブと結合された鋼製梁は、梁の上端が圧縮となるような曲げ応力に対して、梁の水平方向への座屈である横座屈が生じにくい。

4.◯

普通ボルト接合の場合、部材に引張力が作用すると接合部にずれが生じ、ボルトと鋼板が支圧力で支持するため、ボルト孔周辺に応力が集中する。一方、高力ボルトによる摩擦接合が、ボルトの支圧力ではなく、スプライスプレート(添え板)の摩擦力で支持するため、普通ボルト接合と比較すると小さくなる。

 
[ No.7 ]
杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.杭の周辺地盤に沈下が生じたときに杭に作用する負の摩擦力は、支持杭より摩擦杭のほうが大きい。
 
2.杭と杭の中心間隔は、杭径が同一の場合、埋込み杭のほうが打込み杭より小さくすることができる。
 
3.杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力と極限周面摩擦力との和で表す。
 
4.杭の引抜き抵抗力に杭の自重を加える場合、地下水位以下の部分の浮力を考慮する。
 
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

杭周囲の地盤沈下によって杭の沈下より地盤の沈下が大きくなると、杭周囲面には下向き摩擦力が働くが、摩擦杭杭と共に沈下するため、負の摩擦力は支持杭の方が摩擦杭より大きくなる

2.◯

杭と杭との中心間隔の最小値は、埋込み杭の場合は、その杭頭部の径2.0倍以上打込み杭の場合は、その杭頭部の径の2.5倍以上かつ75cm以上とする。よって、埋込み杭の方が打込み杭より、中心間隔を小さくすることができる。

3.◯

杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力極限周面摩擦力加算したものとする。

4.◯

杭の引抜き力は、杭自体の引張強度と、地盤の引抜き抵抗の小さい方で決まる。地盤の引抜き抵抗による値は、極限の引抜き抵抗の1/3を長期許容引抜き力とするが、杭の自重も引抜きに抵抗すると考えてよい。その場合、地下水位以下の部分浮力を考慮する。

tRa = 1/3 × tRu + Wp

tRa:杭の長期許容引抜き抵抗力

tRu:地盤による杭の極限引抜き抵抗力

Wp:杭の自重(地下水位以下の部分については浮力を考慮する)

 
[ No.8 ]
図に示す柱ABの図心Gに鉛直荷重Pと水平荷重Qが作用したとき、底部における引張縁応力度の値の大きさとして、正しいものはどれか。ただし、柱の自重は考慮しないものとする。

1.3N/mm2
2.7N/mm2
3.10N/mm2
4.13N/mm2
 
答え

  2

[ 解答解説 ]

組合わせ応力度の問題


 

鉛直荷重 P による 応力度 P/A

P/ 300×200 = P/6 ×104

      = 180k /6 ×104

      = 3

水平荷重 Qより

M/Z = Q×ℓ/bD2/6

   = Q × 2,000 / 200 × 3002/6

   = Q × 2,000 / 3,000,000

   = Q × 2 / 3,000

   = 15kN × 2 / 3,000

   = 10

P/A < M/Z であるので、

引張側の縁応力度は、

P/A – M/Z となり、

10 − 3 = 7 N/mm2

ゆえに、正答は2となる。

(補足)

Z:断面係数( bD2/6)

  曲げ応力度を求めるときに使う

※柱の縁応力度の問題は、1級建築施工管理技士の試験では、初出題である。

[ No.9 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構のDE間に等分布荷重wが作用したとき、支点Aの水平反力HA及び支点Bの水平反力HBの値として、正しいものはどれか。ただし、反力は右向きを「+」、左向きを「−」とする。

 
1.HA=+9kN
 
2.HA= –6kN
 
3.HB= 0kN
 
4.HB= –4kN
 
答え

  4

[ 解答解説 ]

A点及びB点における垂直反力をVA、VBとする。

点Aについてのモーメント(ΣMc = 0)を考える

等分布荷重は点Aから 3m離れた集中荷重と考える。

MA = 3 [ kN/m ] × 3 [m] − VB × 6 [m] = 0

これを解くと VB = 9[ kN ]

等分布荷重は、合計で 18 [ kN ] であるから

VA = 9[ kN ]

となる。

点Cについての右側のモーメントを考える

Mc = 3 × 2 × 1 – HB × 3 – 2 × 9 = 0

これを解くと、

HB = 4 [ kN ]

水平方向のつり合いより

HA + HB = 0 なので、

HA = –4 [ kN ]

題意より、反力は右向きを「+」、左向きを「-」

とあるので、

HA = 4 [ kN ]

HB = –4 [ kN ]

ゆえに、正答は4となる。

 
[ No.10 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構の点Dにモーメント荷重Mが作用したときの曲げモーメント図として、正しいものはどれか。ただし、曲げモーメントは材の引張側に描くものとする。

 
答え

  2

[ 解答解説 ]

  

点Dのモーメントは梁材DC及び柱材DAを伝わり、ピン節点であるC及びAでゼロになる。

ゆえに、3番ではない。

「曲げモーメントは材の引張側に描くものとする」

とあるので、梁DC材は下側、柱DA材は外側になる。

ゆえに、正答は、2番となる。

 
[ No.11 ]
コンクリート材料の特性に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.減水剤は、コンクリートの耐凍害性を向上させることができる。
 
2.流動化剤は、工事現場で添加することで、レディーミクストコンクリートの流動性を増すことができる。
 
3.早強ポルトランドセメントを用いたコンクリートは、普通ポルトランドセメントを用いた場合より硬化初期の水和発熱量が大きく、冬期の工事に適している。
 
4.高炉セメントB種を用いたコンクリートは、普通ポルトランドセメントを用いた場合より耐海水性や化学抵抗性が大きく、地下構造物に適している。
 
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

コンクリートなどの中にある多数の微細な独立した空気泡を一様に分布させてワーカビリティ及び耐凍害性を向上させるために用いる化学混和剤は、AE剤である。減水剤は、所要のスランプを得るのに必要な単位水量を減少させるために用いる化学混和剤である。

2.◯

流動化剤は、あらかじめ現場で練り混ぜられたコンクリートに添加する混和剤で、流動性(流れやすさ)を向上させることが目的であり、スランプロスを低減させる効果がある。

3.◯

早強ポルトランドセメントは、粒子の細かさを比表面積(ブレーン値(単位:cm2/g))で表し、粒子が細かいほど質量当たりの表面積が大きい。ブレーン値の値が大きくなるほど細かく早期強度が得られる。水和発熱量が大きく、冬期の工事に適している。

4.◯

高炉セメントB種は、耐海水性化学抵抗性が大きいので、海水の作用を受けるコンクリートや、地下構造物に使用される。普通ポルトランドセメントと比較するとセメントの水和反応時に生成する遊離石灰が少ないので、次のような特徴がある。

①アルカリ骨材反応の抑制に効果がある。

②耐海水性や化学抵抗性が大きい

③初期強度はやや小さいが、4週以降の長期強度は同等以上

 
[ No.12 ]
建築に用いられる金属材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.ステンレス鋼は、ニッケルやクロムを含み、炭素量が少ないものほど耐食性が良い。
 
2.銅は、熱や電気の伝導率が高く、湿気中では緑青を生じ耐食性が増す。
 
3.鉛は、X線遮断効果が大きく、酸その他の薬液に対する抵抗性や耐アルカリ性にも優れている。
 
4.チタンは、鋼材に比べ密度が小さく、耐食性に優れている。
 
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

ステンレスは、ニッケル、クロムを含んだ炭素量の少ない耐食性の極めて大きい特殊鋼である。炭素量が少ないものほど軟質で耐食性がよい。

2.◯

は、軟らかく加工性が大きい。大気中のガスや水分によって緑青の保護被膜がつくられる。

3.×

は、X線・放射線の遮断効果は大きいが、他の金属と比べると錆やすい

4.◯

チタンは、比重が4.51と鋼材に比べて軽い密度が小さい。また、極めて腐食しにくく耐食性が高い。

 
[ No.13 ]
石材に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.花崗岩は、結晶質で硬く耐摩耗性や耐久性に優れ、壁、床、階段等に多く用いられる。
 
2.大理石は、酸には弱いが、緻密であり磨くと光沢が出るため、主に内装用として用いられる。
 
3.粘板岩(スレート)は、吸水率が小さく耐久性に優れ、層状に剥がれる性質があり、屋根材や床材として用いられる。
 
4.石灰岩は、柔らかく曲げ強度は低いが、耐水性や耐酸性に優れ、主に外装用として用いられる。
 
 
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

花崗岩はいわゆる御影石と呼ばれ、地下深部のマグマが地殻内で冷却固結した結晶質の石材で、硬く、耐摩耗性耐久性に優れた石材として、建築物外部の壁階段等に最も多く用いられている。ただし、耐火性の点でやや劣る

2.◯

大理石は石灰岩が結晶化したもので、美観に優れ強度も十分ある。しかし、耐酸性、耐火性に劣り、外装材には用いることができないため、主に内装用の材料として用いられる。

3.◯

粘板岩(スレート)(変成岩)は、吸水性が少なく耐久性に優れていることに加えて、剥がれる際は層状となる性質があるため、屋根材床材として用いられる。

4.×

石灰岩(堆積岩)は、軟らかく、加工が容易なため、コンクリートの骨材や、セメント材料に用いられる。一方で、取付け部耐力、曲げ強度等は他の石材に比べて小さく、耐水性、耐酸性に劣る

 
[ No.14 ]
日本産業規格(JIS)に規定する防水材料に関する記述として、不適当なものはどれか。
 
1.2成分形のウレタンゴム系防水材は、施工直前に主剤、硬化剤の2成分に、必要によって硬化促進剤や充填材等を混合して使用する。
 
2.防水工事用アスファルトは、フラースぜい化点の温度が低いものほど低温特性のよいアスファルトである。
 
3.ストレッチルーフィング1000の数値1000は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。
 
4.改質アスファルトルーフィングシートは、温度特性によりⅠ類とⅡ類に区分され、低温時の耐折り曲げ性がよいものはⅠ類である。
 
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

ウレタンゴム系防水材は、湿気硬化形の1成分形、反応硬化形の2成分形がある。2成分形のウレタンゴム系防水材は、主剤硬化剤を施工直前に配合する。必要に応じて硬化促進剤や充填材等を混合して使用する。

2.◯

フラースぜい化点温度とは、アスファルトの低温における変形しやすさを示すもので、鋼板の表面に作製したアスファルト薄膜を曲げたとき、亀裂の生じる最初の温度を示す。つまり、フラースぜい化点温度が低いものは、低温でも脆性破壊を生じることなく変形する低温特性のよいアスファルトである。

3.◯

ストレッチルーフィングの種類及び品質はJIS A 6022に定められており、ストレッチルーフィング1000の数値1000は、製品の抗張積引張強さ最大荷重時の伸び率との)を表ている。

4.×

改質アスファルトルーフィングシートにはⅠ類Ⅱ類にがあり、Ⅱ類の方が低温時耐折り曲げ性がよい。(JIS A6013)

 
[ No.15 ]
屋内で使用する塗料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.アクリル樹脂系非水分散形塗料は、モルタル面に適しているが、せっこうボード面には適していない。
 
2.クリヤラッカーは、木部に適しているが、コンクリート面には適していない。
 
3.つや有合成樹脂エマルションペイントは、鉄鋼面に適しているが、モルタル面には適していない。
 
4.2液形ポリウレタンワニスは、木部に適しているが、ALCパネル面には適していない。
 
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

アクリル樹脂系非水分散形塗料は、屋内のコンクリート面やモルタル面等、平滑な箇所の仕上げには適しているが、微細な隙間のあるガラス繊維補強セメント面やせっこうボード面には適していない。(下地処理が必要となる)

2.◯

クリヤラッカーは、顔料の入っていない透明な塗料である。自然乾燥で、短時間に溶剤が蒸発して塗膜を形成するもので、木部面に適していることが特徴である。コンクリート面には適していない。

3.×

つや有合成樹脂エマルションペイント(EP-G)は、木部(屋内)、鉄鋼・亜鉛めっき鋼面(屋内)、モルタルプラスター面(屋内外共)、コンクリート・ALCパネル・押出成形セメント板面(屋内外共)、せっこうボード・その他ボード面(屋内外共)に適している。

4.◯

2液形ポリウレタンワニスは、主剤と硬化剤を混合させて作る塗料であり、顔料が入っていない透明な塗料である。クリヤラッカーと同様、木部面に適していることが特徴である。ALCパネル面には適していない。