1級建築施工管理技士 平成30年 学科 問題4解説

平成30年 1級建築施工管理技士 学科 問題4 解答解説

※   問題番号[ No.34 ] ~[ No.45 ] までの 12 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。

[ No. 34 ]
合成高分子系ルーフィングシート防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 加硫ゴム系シート防水接着工法において、平場のシート相互の接合幅は 100 mmとし、水上側のシートが水下側のシートの上になるように張り重ねた。

2. 塩化ビニル樹脂系シート防水接着工法において、下地とシートの接着には、エポキシ樹脂系の接着剤を用いた。

3. 塩化ビニル樹脂系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け後に成形役物を張り付けた。

4. 加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け前に加硫ゴム系シートで増張りを行った。

答え

  4
加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付けに先立ち、非加硫ゴム系シートを用いて増張りする。(JASS8)

1 ◯
シート相互の接合部は、原則として水上側のシートが水下側のシートの上になるように張り重ね、その平場の接合幅は、長手、幅方向とも 100mm以上とする。(JASS8)

2 ◯
塩化ビニル樹脂系シート防水接着工法では、下地とシートの接着に、エポキシ樹脂系の接着剤を用いる。

3 ◯
塩化ビニル樹脂系接着工法の場合、シート防水の出隅角の処理は、シートを張り付けた後、成形役物を張り付け、その端部はシール材を用いて処理する。(JASS8)

[ No. 35 ]
シーリング工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. ワーキングジョイントに装填する丸形のバックアップ材は、目地幅より 20 % 大きい直径のものとした。

2. 先打ちしたポリウレタン系シーリング材に、ポリサルファイド系シーリング材を打ち継いだ。

3. シリコーン系シーリング材を充填する場合のボンドブレーカーは、シリコーンコーティングされたテープとした。

4. ワーキングジョイントの目地幅が 20 mm だったので、目地深さは、12 mm とした。

答え

  3
シリコーン系シーリング材を充填する場合、ポリエチレンテープのボンドブレーカーを用いるのが一般的である。(JASS8)


1 ◯
ワーキングジョイントに装填する丸形ポリエチレン発泡体は、目地幅より 20〜30%大きい直径のものを選定する。(JASS8)

2 ◯
ポリサルファイド系シーリング材に後打ちできるシーリング材には、変成シリコーン系、シリコーン系、ポリウレタン系等がある。(JASS8)

4 ◯
ワーキングジョイントの目地寸法、打ち継ぎ目地及びひび割れ誘発目地は、幅 20mm以上、深さ 10mm以上とする。

[ No. 36 ]
セメントモルタルによる壁タイル後張り工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 外壁タイル張り面の伸縮調整目地の位置は、縦目地を 3 m 内外に割り付け、横目地を各階ごとの打継ぎ目地に合わせた。

2. マスク張りでは、張付けモルタルを塗り付けたタイルは、塗り付けてから 20 分を限度に張り付けた。

3. 改良圧着張りの化粧目地詰めは、タイル張付け後 24 時間経過したのちとした。

4. モザイクタイル張りの張付けモルタルは2層に分けて塗り付けるものとし、1層目はこて圧をかけて塗り付けた。

答え

  2
マスク張りの特徴の1つが、塗り置き時間を短くできることである。タイルへ張付けモルタルを塗り付け後、タイルを壁面に張付けるまでの時間は5分以内とする。(JASS19)

1 ◯
外壁タイル張り面の伸縮調整目地の位置は、各階の打継ぎ箇所や柱形・開口部寸法に応じた構造上の要所とし、縦目地を3m 内外、横目地を4m内外ごとに設ける。

3 ◯
化粧目地詰めは、タイル張付け後、24時間以上経過したのち、張付けモルタルの硬化を見計らって行う。(公共建築工事標準仕様書)

4 ◯
モザイクタイル張りの張付けモルタルの塗付けは、いかに薄くとも2度塗りとし、1度目は薄く下地面にこすりつけるように塗り、下地モルタル面の微妙な凸凹にまで張付けモルタルが食い込むようにし、ついで張付けモルタルを塗り重ね、3mm程度の厚さとし定規を用いてむらのないように塗厚さを均一にする。(建築工事監理指針)

[ No. 37 ]
心木なし瓦棒葺に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. けらば納めの端部の長さは、瓦棒の働き幅の 2 /3とした。

2. 通し吊子の鉄骨母屋への取付けは、平座金を付けたドリルねじで、下葺、野地板を貫通させ母屋に固定した。

3. 棟部の納めに棟包みを用い、棟包みの継手をできるだけ瓦棒に近い位置とした。

4. 水上部分と壁との取合い部に設ける雨押えは、壁際立上がりを 150 mm とした。

答え

  1
けらば部の溝板の幅は、心木なし瓦棒の働き幅の 1/2以下とする。

2 ◯
通し吊り子をマーキングに合わせて平座金を付けたドリリングタッピンねじ下葺野地板を貫通させ母屋に固定する。(JASS12)

3 ◯
棟部の納めは棟包みとし、棟包みの継手はできるだけ瓦棒に近い位置とする。

4 ◯
水上部分と壁との取合い部に設ける雨押えは、壁際で120mm程度立ち上げてむだ折りを付ける。(JASS12)

[ No. 38 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.  ランナーは、両端部は端部から 50 mm 内側で固定し、中間部は 900 mm 間隔で固定した。

2.  振れ止めは、床ランナーから 1,200 mm 間隔で、スタッドに引き通し、固定した。

3.  スタッドの建込み間隔の精度は、±5 mm とした。

4.  スペーサーは、各スタッドの端部を押さえ、900 mm 間隔に留め付けた。

答え

  4
スペーサーは、各スタッドの端部を押さえ、間隔600mm程度に留め付ける。

1 ◯
軽量鉄骨壁下地ランナーの固定位置は、両端部から 50mm内側とし、中間部は間隔 900mm程度に打込みピンなどで床梁下・スラブ下に固定する。(建築工事監理指針)

2 ◯
振れ止めは、床面ランナー下端より間隔約 1,200mmごとに設ける。ただし、上部ランナー上端から400mm以内に振れ止めが位置する場合は、その振れ止めを省略することができる。

3 ◯
スタッドの建て込み間隔の精度は ±5mm以下、また、スタッドの垂直の精度は ±2mmとする。

[ No. 39 ]
防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材 E)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 下塗材は、所要量を 0.2 kg/m2 とし、専用うすめ液で均一に薄めた。

2. 主材の基層塗りは、所要量を 1.7 kg/m2 とし、2回塗りとした。

3. 増塗りは、主材塗りの後に行い、出隅、入隅、目地部、開口部まわり等に、ローラーにより行った。

4. 凸部処理は、見本と同様の模様で均一に仕上がるように、ローラーにより行った。

答え

  3
入隅、出隅、目地部、開口部まわりなど均一に塗りにくい箇所は、はけやコーナー用ローラーなどで、主材塗りの前に増塗りを行う。

1 ◯
下塗材は、所要量を 0.2 kg/m2とし、専用うすめ液で均一に薄める

2 ◯
主材の基層塗りは2回塗りとし、だれ、ピンホール、塗り残しのないよう下地を覆うように塗り付ける。主材基層の所要量は 1.5〜1.7 kg/m2とする。

4 ◯
凸部の処理は、見本と同様の模様で均一に仕上がるように、ローラーブラシ塗りで行う。

[ No. 40 ]
アルミニウム製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 建具の組立てにおいて、隅部の突付け部分はシート状の止水材を使用した。

2. 見え隠れ部分で使用する補強材に、亜鉛めっき処理した鋼材を使用した。

3. 水切り、ぜん板は、アルミニウム板を折曲げ加工するので、厚さを 1.2 mmとした。

4. 建具枠のアンカーは、両端から逃げた位置から、間隔を 500 mm 以下で取り付けた。

答え

  3
アルミニウム板を加工して、枠、かまち、水切り、ぜん板及び額縁に使用する場合の厚さは1.5mm以上とする。(建築工事監理指針)

1 ◯
建具の組立てにおいて、隅部の突付け部分は、漏水防止のためのシーリング材またはシート状の止水材を使用する

2 ◯
補強材、力骨、アンカー等は、鋼製またはアルミニウム合金製とし、鋼製のものは、亜鉛めっきを行う等の接触腐食の防止処置を行う必要がある。

4 ◯
アンカーの位置は、開口部より 150mm内外を端とし、中間は 500mm内外の間隔とする。アンカーと差し筋は最短距離で溶接する。(JASS16)

[ No. 41 ]
塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 亜鉛めっき鋼面の常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて、下塗りに変性エポキシ樹脂プライマーを使用した。

2. モルタル面のアクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、下塗り、中塗り及び上塗りの塗付け量をそれぞれ同量とした。

3. コンクリート面のアクリルシリコン樹脂エナメル塗りにおいて、下塗りに反応形合成樹脂シーラーを使用した。

4. 屋外の木質系素地面の木材保護塗料塗りにおいて、原液を水で希釈し、よく撹拌して使用した。

答え

  4
木材保護塗料塗りは通常屋外で使用される木質系素地に対して適用される。木材保護塗料は、原液で使用するこtを基本とし、希釈はしない

1 ◯
亜鉛めっき鋼面の常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りの下塗りには、変性エポキシ樹脂プライマーを使用する。(JASS18)

2 ◯
アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの工程は、下塗り、中塗り、上塗りの順に同じ塗料を用い、塗り付け量はともに 0.10 kg/m2とする(JASS18)

3 ◯
コンクリート面のアクリルシリコン樹脂エナメル塗りにおいえ、下塗りに反応形合成樹脂シーラーを使用する。

[ No. 42 ]
合成樹脂塗床に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 樹脂パテや樹脂モルタルでの下地調整は、プライマーの塗布後に行った。

2. 薬品を使用する実験室の塗床は、平滑な仕上げとするため、流しのべ工法とした。

3. 下地調整に用いる樹脂パテは、塗床材と同質の樹脂とセメントなどを混合したものとした。

4. エポキシ樹脂のコーティング工法のベースコートは、金ごてで塗り付けた。

答え

  4
エポキシ樹脂のコーティング工法は、主に水性形、溶剤形の塗床材をローラーばけやスプレーで塗り付ける工法である。(建築工事監理指針)

1 ◯
合成樹脂を配合したパテ材や樹脂モルタルで下地調整を行う場合は、プライマーを塗布し乾燥後に行うのが一般的である。(建築工事監理指針)

2 ◯
流しのべ工法とは、塗床材あるいは塗床材に骨材を混合することによって、平滑に仕上げるセルフレベリング工法で、実験室、工場等に使用される。(建築工事監理指針)

3 ◯
下地調整に用いる樹脂パテは、塗床材と同質の樹脂に無機質系充填材あるいはセメント等の水硬性物質またはよう変性付与材等を加えパテ状としたものである。2mm以下のピンホール、巣穴及び、ひび割れ等の目つぶしあるいは不陸の修正に用いる。(建築工事監理指針)

[ No. 43 ]
壁のせっこうボード張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 軽量鉄骨壁下地にボードを直接張り付ける場合、ドリリングタッピンねじの留付け間隔は、 中間部 300 mm 程度、周辺部 200 mm 程度とする。

2. せっこう系接着材による直張り工法において、ポリスチレンフォーム断熱材が下地の場合は、プライマー処理をして、ボードを張り付ける。

3. せっこう系接着材による直張り工法において、ボード中央部の接着材を塗り付ける間隔は、 床上 1,200 mm 以下の部分より床上 1,200 mm を超える部分を小さくする。

4. テーパーボードの継目処理において、グラスメッシュのジョイントテープを用いる場合は、 ジョイントコンパウンドの下塗りを省略できる。

答え

  3
せっこう系接着材直張り工法における張付け用接着材の塗付け間隔は、ボード周辺部を150〜200mm、床上1.2m以下の部分を200〜250mm、床上1.2mを超える部分を250〜300mmとする

1 ◯
軽量鉄骨壁下地にボードを直接張り付ける場合の留付け用小ねじの間隔は、周辺部で 200 mm 程度、中間部で 300 mm 程度であり、中間部の方が間隔が大きい。(JASS26)

2 ◯
ポリスチレンフォーム下地の場合は、打込み工法と現場発泡工法があるが、せっこう系直張り用接着材の製造所が指定するプライマー処理を行う。(建築工事監理指針)

4 ◯
テーパーボードの継目処理で、ジョイントテープにグラスメッシュを用いる場合は、 裏面に粘着剤が塗布されるので、ジョイントコンパウンドの下塗りを省略してもよい。(公共建築工事標準仕様書)

[ No. 44 ]
屋上露出防水層の上に植栽を行う屋上緑化システムに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 排水のためのルーフドレンは、1排水面積当たり2か所以上設置し、その口径は目詰まりを考慮して余裕のあるものとする。

2. 施工に当たっては耐根層を損傷することのないように注意するとともに、耐根層を保護する耐根層保護層(衝撃緩衝層)を敷設してから植栽を行う。

3. 壁面等立上り部に直接土壌が接する場合、敷設する耐根層は、接する土壌仕上面より5 cm 下がった位置まで立ち上げる。

4. 植栽地の見切り材(土留め材)に設ける排水孔には、目詰まり防止、土壌流出防止のための処理を行う。

答え

  3
壁面等立上り部に直接土壌が接する場合、敷設する耐根層は、接する土壌仕上げ面より5㎝高い位置まで立ち上げる。

1 ◯
排水のためのルーフドレンは、1排水面積当たり2箇所以上設置し、その口径は目詰まりを考慮して余裕のあるものとする。ドレンの点検・清掃ができるように、ルーフドレンには必ずドレンカバーを設置する。

2 ◯
屋上緑化システムは、耐根層、耐根層保護層、排水層、透水層及び土壌層の5層で構成され、施工に当たっては耐根層を損傷することのないように注意し、耐根層を保護する耐根層保護層(衝撃緩衝層)を敷設してから植栽を行う。

4 ◯
植栽地の見切り材(土留め材)に設ける排水孔には、目詰まり防止、土壌流出防止のための処理を行う

[ No. 45 ]
鉄筋コンクリート造建築物の小口タイル張り壁面の浮きの調査方法と改修工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 打診法は、打診用ハンマーなどを用いてタイル張り壁面を打撃して、反発音の違いから浮きの有無を調査する方法である。

2. 赤外線装置法は、タイル張り壁面の内部温度を赤外線装置で測定し、浮き部と接着部における熱伝導の違いにより浮きの有無を調査する方法で、天候や時刻の影響を受けない。

3. アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法は、タイル陶片の浮きがなく目地モルタル が健全で、構造体コンクリートと下地モルタル間に浮きが発生している場合に用いる工法である。

4. 注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法は、構造体コンクリートと下地モルタル間に浮きがなく、タイル陶片のみに浮きが発生している場合に用いる工法である。

答え

  2
赤外線装置法は、建物の外壁タイルやモルタル仕上げの壁面において、浮き部と健全部の熱伝導の違いによって生じる表面の温度差を赤外線画像装置により測定して、浮き部を検出する方法で、撮影時の環境温度、壁面が受ける日射強度及び日射の蓄積時間、季節、天候、時刻、気温などの影響を受ける

1 ◯
打診法は、打診用ハンマーなどを用いてタイル張り壁面を打撃して、反発音の違いから浮きの有無を調査する方法である。

3 ◯
アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法は、1箇所の浮き面積が 0.25 m2 未満の浮きに対する工法である。1箇所の浮き面積が 0.25 m2 以上の浮きにはアンカーピンニング全面エポキシ樹脂を使用する。

4 ◯
注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法は、タイル陶片の浮きに適用する唯一の工法で、無振動ドリルの注入口付アンカーピンの開発によって可能になった工法である。タイルの中心に穿孔するので、小口タイル以上の大きさのタイルの浮きの補修に適した工法である。

1級建築施工管理技士 平成30年 学科 問題5解説

平成30年 1級建築施工管理技士 学科 問題5 解答解説

問題番号[ No.46 ] ~[ No.50 ] までの 5 問題は、全問題を解答してください。
[ No. 46 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 塗料や溶剤等の保管場所は、管理をしやすくするため、資材倉庫の一画を不燃材料で間仕切り、設ける計画とした。
2. ガスボンベ類の貯蔵小屋は、壁の1面を開口とし、他の3面は上部に開口部を設ける計画とした。
3. 工事で発生した残材を、やむを得ず高所から投下するので、ダストシュートを設ける計画とした。
4. 仮囲いは、工事現場の周辺や工事の状況により危害防止上支障がないので、設けない計画とした。

答え

  1
可燃性材料の保管については、次の通りに定めている。(JASS18)
①不燃材料で造った独立した平家建とし、周囲の建物から規定された間隔を確保する。
②屋根は軽量な不燃材料で葺き、天井は設けない。
③建物内の置き場は、耐火構造の室を選ぶ。
④床には、不浸透性の材料を敷く。
⑤消火に有効な消火器や消火砂等を備える。
⑥十分換気を図る。
⑦窓及び出入口には、消火設備を設ける。
⑧出入口には戸締りを設け、「塗装置場」や「火気厳禁」の表示をする。
2 ◯
通気をよくするために、小屋の一面は開口とし、他の三面は上部に開口部を設ける。(JASS2)
3 ◯
建築工事等において工事現場の境界線からの水平距離が 5m以内で、かつ、地盤面からの高さが 3m以上の場所からくず、ごみその他飛散するおそれのある物を投下する場合においては、ダストシュートを用いる等当該くず、ごみ等が工事現場の周辺に飛散することを防止するための措置を講じなければならないと規定されている。(建築基準法施行令第136条の5第1項)
4 ◯
建築基準法施行令第136条の2の20の仮囲いの規定内に「工事現場の周辺若しくは工事の状況により危害防止上支障がない場合においては、この限りでない」とある。

[ No. 47 ]
仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 工事用の動力負荷は、工程表に基づいた電力量山積みの 60 % を実負荷とする計画とした。
2.  溶接用ケーブル以外の屋外に使用する移動電線で、使用電圧が 300 V 以下のものは、1種キャブタイヤケーブルを使用する計画とした。
3.  仮設の給水設備において、工事事務所の使用水量は、50 リットル/人・日を見込む計画とした。
4. 仮設の照明設備において、普通の作業を行う作業面の照度は、150 ルクス以上とする計画とした。

答え

  2
一般に使用電圧が低圧の300V以下で、溶接用ケーブル以外の屋外に使用する移動電線は、1種以外のキャプタイヤケーブルを使用する。(電気設備の技術基準の解釈第8条)
1 ◯
工事用の動力負荷は、工程表に基づいた電力量山積みの 60%を実負荷として計画する。
3 ◯
仮設の給水設備において、工事事務所の使用水量は、40〜50 ℓ/人・日を目安とする。
4 ◯
労働者の常時就業させる場所の作業面の照度は作業区分に応じて維持する。なお、普通の作業では 150 lx以上とする。

[ No. 48 ]
5階建鉄筋コンクリート造建築物の解体工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 搬出するアスファルト・コンクリート塊及び建設発生木材の重量の合計が 200 t であったため、再生資源利用促進計画を作成しないこととした。
2. 検討用作業荷重は、振動、衝撃を考慮して、解体重機とコンクリート塊の荷重を 1.3 倍程度に割り増すこととした。
3. 転倒による解体工法の場合は、倒す壁の大きさや重量に応じて、解体する部材の大きさを検討し、倒壊時の振動を規制値以内に収めることとした。
4. 解体重機やコンクリート塊を同一の床上に長期間置くので、検討用作業荷重と固定荷重による各部の応力度は、長期許容応力度以下に収めることとした。

答え

  1
建設業に属する事業を行う者の指定副産物に係る再生資源の利用の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令第7条第1項第ニ号に、再生資源利用促進計画を作成しなければならないものとして、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊または建設発生木材であって、これらの重要の合計が200 t以上であるものと規定がある。
2 ◯
検討用作業荷重は、振動、衝撃を考慮して、解体重機とコンクリート塊の荷重を 1.3倍程度に割り増す
3 ◯
転倒による解体工法の場合、倒す壁の大きさや重量に応じて、解体する部材の大きさを検討し、倒壊時の振動を規制値以内に収める
4 ◯
解体重機やコンクリート塊を同一の床上に長期間置く場合、検討用作業荷重と固定荷重による各部の応力度は、長期許容応力度以下に収める

[ No. 49 ]
鉄筋コンクリート造の躯体改修工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 柱のコンクリートが鉄筋位置まで中性化していたため、浸透性アルカリ性付与材を塗布することとした。
2.  コンクリートのひび割れ幅が 1.0 mm を超えていたが、挙動しないひび割れであったため、 シール工法を用いることとした。
3. コンクリート表面の欠損深さが 30 mm 以下であったため、ポリマーセメントモルタルによる充填工法を用いることとした。
4. コンクリートの欠損部から露出している鉄筋は、周囲のコンクリートをはつり取り、錆を除去した後に防錆剤を塗布することとした。

答え

  2
コンクリートの表面ひび割れ幅が 1.0mmを超え、挙動しないひび割れ部は、Uカットシール材充填工法で可とう性エポキシ樹脂を使用する。
1 ◯
柱のコンクリートが鉄筋位置まで中性化している場合は、浸透性アルカリ性付与材を塗布する。
3 ◯
最大仕上げ厚さが 30mm程度以下の場合は、ポリマーセメントモルタル充填工法を用いる。
4 ◯
コンクリートの欠損部から露出している鉄筋は、周囲のコンクリートをはつり、ワイヤーブラシなどでケレンを行い錆を除去した後に防錆剤を塗布する。

[ No. 50 ]
鉄筋コンクリート造建築物の仕上げ改修工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 既存アスファルト防水層を存置する防水改修工事において、ルーフドレン周囲の既存防水層は、ルーフドレン端部から 150mm までの範囲を四角形に撤去することとした。
2. モザイクタイル張り外壁の改修工事において、タイルの浮きやはく落が見られたため、繊維ネット及びアンカーピンを併用した外壁複合改修工法を用いることとした。
3. 塗り仕上げの外壁改修工事において、広範囲の既存塗膜と素地の脆弱部を除去する必要があるため、高圧水洗工法を用いることとした。
4. かぶせ工法によるアルミニウム製建具の改修工事において、既存鋼製建具の枠の厚さが1.2 mmであったため、既存枠を補強することとした。

答え

  1
既存コンクリート保護層を撤去し、防水層を撤去しないでアスファルト保護防水密着工法を行う場合、ルーフドレンの周囲の既存防水層は、ルーフドレン端部から300mm程度まで四角形に撤去する。(建築改修工事管理指針)
2 ◯
モザイクタイル張り外壁の改修工事において、タイルの浮きやはく落が見られる場合は、繊維ネット及びアンカーピンを併用した外壁複合改修工法を用いる。
3 ◯
塗り仕上げの外壁改修工事において、劣化の著しい既存塗膜の除去や素地の脆弱部分の撤去には、高圧水洗工法を用いる。
4 ◯
かぶせ工法によるアルミニウム製建具の改修工事において、既存鋼製建具の枠の厚さが1.3mm以上残っていることを確認し、既存建具の枠を残してその上から新規建具を取り付ける。枠の厚さが1.3mm未満の場合は、補強材で補強する

1級建築施工管理技士 平成30年 学科 問題6解説

平成30年 1級建築施工管理技士 学科 問題6 解答解説

問題番号[ No.51 ] ~[ No.70 ] までの 20 問題は、全問題を解答してください。

[ No. 51 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. ALC パネルは、平積みとし、1段の積上げ高さは 1.5 m以下とし2段までとする。

2. 砂付ストレッチルーフィングは、屋内の乾燥した場所に、砂の付いていない部分を上にして縦置きとする。

3. ロール状に巻いたカーペットは、屋内の乾燥した平坦な場所に、2段程度の俵積みとする。

4. 木製建具は、取付け工事直前に搬入するものとし、障子や襖は縦置き、フラッシュ戸は平積みとする。

答え

  1
ALC板は、パネルに反り、ねじれ、ひび割れ等の損傷が生じやすいので、保管場所は原則として室内とし、台木を水平に置き、水平で乾燥した場所を選び、角材を2本置いて、その上に整理して積み重ねる。積み上げ高さは1単位(1段)を1.0m以下とし2段までとする。

2 ◯
砂付ストレッチルーフィングは、接着不良とならないように砂の付いていないラップ部分(張付け時の重ねの部分)を上に向けて縦置きとし、ラップ部分の保護のため2段積みは行わない。

3 ◯
ロールカーペットの保管場所は、直射日光や湿気による変色や汚れ防止のため屋内とし、乾燥した平坦な床の上に縦置きせず、必ず横に倒して、2〜3段までの俵積みで保管する。

4 ◯
木製建具は、取付け工事直前に搬入し、障子や襖は縦置き、フラッシュ戸は平積みとする。

[ No. 52 ]
建設業者が作成する建設工事の記録等に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 監理者の立会いのうえ施工するものと設計図書で指定された工事において、監理者の指示により立会いなく施工する場合は、工事写真などの記録を整備して監理者に提出することとした。

2. 工事施工により近隣建物への影響が予想される場合は、近隣住民など利害関係者立会いのもと、現状の建物の写真記録をとることとした。

3. 設計図書に定められた品質が証明されていない材料は、現場内への搬入後に試験を行い、 記録を整備することとした。

4. 既製コンクリート杭工事の施工サイクルタイム記録、電流計や根固め液の記録等は、発注者から直接建設工事を請け負った建設業者が保存する期間を定め、当該期間保存すること とした。

答え

  3
材料、部材、部品で設計図書に適合しないものや、適合していてもそれを証明するものがない場合は、工事現場に搬入してはならない。(JASS1)

1 ◯
監理者の立会いのうえ施工するものと指定された工事で、監理者の都合により適切な時期に立会いができない場合には、その後の工程に支障をきたすので、監理者の立会いを受けることなく施工を行うことができるとしている。ただし、この場合は施工を適切に行ったことを証明する記録を整備し、監理者の求めに応じ提出する。(建築工事監理指針)

2 ◯
工事施工により近隣建物への影響が予想される場合は、近隣住民など利害関係者立会いのもと、現状の建物の写真記録をとる。

4 ◯
既成コンクリート杭工事の施工サイクルタイム記録、電流計や根固め液の記録等は、発注者から直接建設工事を請け負った建設業者が保存する期間を定め、当該期間保存する

[ No. 53 ]
突貫工事になると工事原価が急増する原因として、最も不適当なものはどれか。

1. 材料の手配が施工量の急増に間に合わず、労務の手待ちが生じること。

2. 1日の施工量の増加に伴い、労務費が施工量に比例して増加すること。

3. 一交代から二交代、三交代へと1日の作業交代数の増加に伴う現場経費が増加すること。

4. 型枠支保工材、コンクリート型枠等の使用量が、施工量に比例的でなく急増すること。

答え

  2
作業を急激に進めることから、材料を入れるタイミングで労務費が施工量に比例して増加するものではない

1 ◯
作業を急激に進めることから、材料をタイミングよく入れないと、早く入れすぎて施工の邪魔になったり、遅く入れて労務の手待ちた生じたりする

3 ◯
一交代から二交代へと1日の作業交代数の増加により現場経費等の固定費が増加するため、工事原価が急増する原因となる。

4 ◯
型枠等の消耗役務材料の使用量は、型枠材や支保工材の転用回数等の減少により、施工量に比例的でなく急増する

[ No. 54 ]
工程計画及び工程管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 算出した工期が指定工期を超える場合は、作業日数を短縮するため、クリティカルパス上の作業について、作業方法の変更や作業員の増員等を検討する。

2. 工程計画の立案には、大別して積上方式と割付方式とがあり、工期が制約されている場合は、割付方式で検討することが多い。

3. 工事に投入する作業員、施工機械、資機材などの量が一定の量を超えないように山崩しを行うと、工期を短縮できる。

4. 工程計画において、山均しは、作業員、施工機械、資機材などの投入量の均等化を図る場合に用いる。

答え

  3
山積工程表における山崩しは、人員、機械、資材の量を考慮して、労働者の投入人数などをなるべく一定にし、バランスの取れた経済的な工程計画にするものであり、工期短縮に用いる手法ではない

1 ◯
算出した工期が指定工期を超える場合は、クリティカルパス上に位置する作業を中心に、作業方法の変更、作業員の増員、工事用機械の台数や機種の変更などによる作業日数の短縮を検討する。

2 ◯
工期が指定され、工事内容が比較的容易で、また施工実績や経験が多い工事の場合は、各工程に所要日数を割り当てる割付方式が多く用いられる。積上方式は、工事内容が複雑な場合や施工実績や経験が少ない工事の場合に多く用いられる。

4 ◯
工程計画において、労務、資機材等の山積み工程を考え、効果的な労務、資機材の活用のために山均しによる平準化を行う

[ No. 55 ]
タクト手法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 作業を繰り返し行うことによる習熟効果によって生産性が向上するため、工事途中でのタクト期間の短縮又は作業者数の削減をすることができる。

2. 設定したタクト期間では終わることができない一部の作業については、当該作業の作業期間をタクト期間の整数倍に設定する。

3. 各作業は独立して行われるので、1つの作業に遅れがあってもタクトを構成する工程全体への影響は小さい。

4. 一連の作業は同一の日程で行われ、次の工区へ移動することになるので、各工程は切れ目なく実施できる。

答え

  3
各作業の進捗が密接に関連しているため、1つの作業の遅れはタクトを構成する工程全体に大きな影響を与える。

1 ◯
作業を繰り返し行うことによって習熟効果が得られ生産性が向上するため、工事途中でのタクト期間の短縮または作業者数の削減が可能となる。

2 ◯
設定したタクト期間では終わることができない一部の作業の場合、作業期間をタクト期間の2倍または3倍に設定することによって、切れ目のない工程を編成することができる。

4 ◯
一連の作業は同一の日程で行われ、各作業が工区を順々に移動することになるので、切れ目のない工程を編成することができる

[ No. 56 ]
ネットワーク工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.トータルフロートは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早終了時刻(EFT)を差し引いて求められる。

2. ディペンデントフロートは、後続作業のトータルフロートに影響を与えるフロートである。

3. クリティカルパス以外の作業でも、フロートを使い切ってしまうとクリティカルパスになる。

4. フリーフロートは、その作業の中で使い切ってしまうと後続作業のフリーフロートに影響を与える。

答え

  4
フリーフロート(自由余裕時間)は、作業の中で自由に使っても、後続する作業に全く影響を及ぼさないで消費できる余裕時間のこと。

1 ◯
トータルフロートは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早終了時刻(EFT)を差し引いて求められる。最遅終了時刻(LFT)とは、工期に影響を与えない範囲で当該作業を終了し得る最も遅い時刻であり、最早終了時刻(EFT)とは、当該作業を終了し得る最も早い時刻である。

2 ◯
ディペンデントフロートは、後続作業のトータルフロートに影響を及ぼすようなフロートである。言い換えるとディペンデントフロートは使わずにとっておけば、後続する他の工程でその分を使用できるフロートであり、フリーフロートはその作業についてだけしか使えないフロートで、ため込みがきかないものである。

3 ◯
クリティカルパス以外の作業でも、その作業または経路上の作業においてフロートを使い切ってしまえば、クリティカルパスとなる

[ No. 57 ]
品質管理に関する記述として、最も適当なものはどれか。

1. 品質管理は、品質計画の目標のレベルにかかわらずち密な管理を行う。

2. 品質管理は、計画段階よりも施工段階で施工情報を検討する方がより効率的である。

3. 品質確保のための作業標準が計画できたら、作業がそのとおり行われているかどうかの管理に重点をおく。

4. 品質の目標値を大幅に上回る品質が確保されていれば、優れた品質管理といえる。

答え

  3
適切な作業標準(工程)が計画できたら、作業がその通り(工程通り、計画通り)行われているかを管理する。

1 ×
品質管理は、品質管理の目標のレベルに見合った管理を行う。緻密な管理を行うことは、工期、コストの面から、必ずしも優れた品質管理とはいえない。

2 ×
品質に与える影響の大きい前段階や生産工程の上流にできるだけ手を打つことを上流管理または川上管理といい、計画段階で検討するほうがより効果的である。

4 ×
品質の目標値を大幅に上回る品質が確保されている場合、過剰品質として工期、コストの面から優れた品質管理とはいえない

[ No. 58 ]
品質管理の用語に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 誤差とは、試験結果又は測定結果の期待値から真の値を引いた値のことである。

2. 目標値とは、仕様書で述べられる、望ましい又は基準となる特性の値のことである。

3. 不適合とは、要求事項を満たしていないことである。

4. トレーサビリティとは、対象の履歴、適用又は所在を追跡できることである。

答え

  1
誤差とは、試験結果または測定結果から真の値を引いた値であり、試験結果または測定結果の期待値から真の値を引いた差は、かたよりである。

2 ◯
目標値とは、仕様書上目標となる、または基準となる特性の値のことである。

3 ◯
不適合とは、規定要求事項を満たしていないことである。

4 ◯
トレーサビリティとは、考慮の対象となっているものの履歴、適用又は所在を追跡できることである。製品に問題があった場合、その製品の履歴を追求することにより、どの段階での問題かを限定する際に必要な機能である。

[ No. 59 ]
建築施工の品質を確保するための管理値に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 鉄骨柱据付け面となるベースモルタル天端の高さの管理許容差は、± 3 mm とした。

2. 硬質吹付けウレタンフォーム断熱材の吹付け厚さの許容差を、 ± 5 mm とした。

3. 鉄骨梁の製品検査において、梁の長さの管理許容差は、± 3 mmとした。

4. 化粧打放しコンクリート仕上げ壁面の仕上がり平坦さを、3m につき 7mm 以下とした。

答え

  2
作業者は吹付け作業中ワイヤーゲージ等を用いて随時厚みを測定する。吹付け厚さの許容誤差は0から+10mmとする。(建築工事監理指針)

1 ◯
鉄骨柱据付け面となるベースモルタル天端の高さの管理許容差は、±3mm、限界許容差は ±5mmとする。(JASS6)

3 ◯
鉄骨梁の製品検査で梁の長さの管理許容差は、±3mm、限界許容差は ±5mmとする。(JASS6)

4 ◯
コンクリートの仕上がりの平坦さについては、コンクリートが見え掛りとなる場合、または仕上げ厚さが極めて薄い場合、その他良好な表面状態が必要な場合、3mにつき 7mm以下を標準とする。

[ No. 60 ]
品質管理における検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 無試験検査は、工程が安定状態にあり、品質状況が定期的に確認でき、そのまま次工程に流しても損失は問題にならない場合に適用される。

2. 間接検査は、購入者側が受入検査を行うことによって、供給者側の試験を省略する検査である。

3. 非破壊検査は、品物を試験してもその商品価値が変わらない検査である。

4. 全数検査は、工程の品質状況が悪く継続的に不良率が大きく、決められた品質水準に修正しなければならない場合に適用される。

答え

  2
間接検査は、供給者の検査システム及び提出された検査結果を評価し、試験することによる合否判定検査をいう。(JIS Z 8101-2)購入検査で、供給者が行った検査結果を必要に応じて確認することによって購入者の試験を省略し、実際の製品の直接的な検査を避ける

1 ◯
無試験検査とは、品質情報・技術情報などに基づいて、サンプルの試験を省略できる検査をいう。検査なしで次の工程に流すものでり、一般に次のような場合に適用する。

①管理図に異常がなく製造工程が安定状態にあり、そのまま次工程に流しても損失は問題にならない状態の場合、ロットの試験を省略する。
②JIS指定商品等、品質保障のある商品の場合、購入検査を省略する。
③長期にわたって検査結果が良く、使用実績も良好な品物の受入検査の場合、供給者の検査成績表の確認によってサンプルの試験を省略する間接検査に切り替える。

3 ◯
非破壊検査は、超音波探傷試験など対象物を破壊しない方法で行う検査である。

4 ◯
全数検査は、選定された特性についての、対象とするグループ内すべてのアイテムに対する検査をいう。アイテムとは、別々に、記述及び検討することができるものをいう。(JIS Z8101-2)
工程の品質状況が悪く継続的に不良率が大きい場合、あらかじめ決めた品質水準に達しない時は、全数検査とする。

[ No. 61 ]
鉄筋のガス圧接工事の試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 外観検査は、圧接部のふくらみの直径及び長さ、鉄筋中心軸の偏心量、折曲がりなどについて行った。

2. 超音波探傷試験における抜取検査ロットの大きさは、1組の作業班が1日に施工した圧接箇所とした。

3. 超音波探傷試験の抜取検査は、1検査ロットに対して無作為に3か所抽出して行った。

4. 超音波探傷試験による抜取検査で不合格となったロットについては、試験されていない残り全数に対して超音波探傷試験を行った。

答え

  3
抜取検査の超音波探傷試験の箇所数は、1検査ロットに対し30箇所とする。1検査ロットに対して3箇所行うのは、破壊検査である引張り試験である。(公共建築工事仕様書)

1 ◯
外観検査は、①圧接部のふくらみの直径、②ふくらみの長さ、③圧接面のずれ、④軸心のずれ、⑤圧接部の折れ曲がり等について行う。(公共建築工事標準仕様書)

2 ◯
超音波探傷試験における抜取検査の1検査ロットは、1作業班が1日に行った箇所数とする。(公共建築工事標準仕様書)

4 ◯
超音波探傷試験による抜取検査で不合格となったロットは、圧接方法、圧接機などに何らかの欠陥要因があるものと考えられる。不合格になった原因を確かめるとともに同じロットの残り全数の圧接部について欠陥がないか超音波探傷試験を行う。(公共建築工事標準仕様書)

[ No. 62 ]
壁面の陶磁器質タイル張り工事における試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 有機系接着剤によるタイル後張り工法において、引張接着力試験は、タイル張り施工後、2週間経過してから行った。

2. セメントモルタルによるタイル後張り工法において、引張接着力試験に先立ち、試験体周辺部をコンクリート面まで切断した。

3. 引張接着力試験の試験体の個数は、300 m2ごと及びその端数につき1個以上とした。

4. 二丁掛けタイルの引張接着力試験の試験体は、タイルを小口平の大きさに切断して行った。

答え

  3
引張接着力試験の試験体の箇所数は、3個以上、かつ、100m2ごとまたはその端数につき1個以上が必要である。

1 ◯
引張接着力試験は、タイル張り施工後2週間以上経過した時点で行う。(JASS19)

2 ◯
試験体は、タイルの周辺をカッターでコンクリート面まで切断したものとする。タイルのはく落がタイルだけでなく下地モルタルから起こることが多いので、この部分まで試験する必要がある。

4 ◯
二丁掛け等小口タイル以上の大きさのタイルは、力のかかり方が局部に集中して正しい結果が得られないことがあるので、小口平程度の大きさに切断する必要がある。

[ No. 63 ]
解体工事における振動・騒音対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 現場の周辺地域における許容騒音レベルの範囲内に騒音を抑えるために、外部足場に防音養生パネルを設置した。

2. 振動対策として、壁などを転倒解体する際に、床部分に、先行した解体工事で発生したガラを敷きクッション材として利用した。

3. 内部スパン周りを先に解体し、外周スパンを最後まで残すことにより、解体する予定の構造物を遮音壁として利用した。

4. 測定器の指示値が周期的に変動したため、変動ごとに指示値の最大値と最小値の平均を求め、そのなかの最大の値を振動レベルとした。

答え

  4
特定工場等において発生する騒音の規制に関する基準第1条1項により、騒音の大きさの決定は、騒音計の指示値が周期的または間欠的に変動し、その指示値の最大値が一定でない場合は、その変動ごとの指示値の最大値の90%レンジの上端の数値とする。

1 ◯
騒音防止や粉塵飛散防止を目的に、防音パネルまたは防音シートを使用する。さらに防音パネルの落下防止のために防音パネル上からネット養生を行うこともある。

2 ◯
振動防止のための効果的な養生はあまりないが、振動対策として、壁などを転倒解体する際、床部分に先行した解体工事で発生したガラを敷きクッション材として利用すると振動が軽減できる。

3 ◯
解体工事における手作業・機械作用の併用作業の流れとして、内装材および内側スパンの構造体を撤去した後、外装材、上部構造部材の解体を行う。解体する予定の構造物を遮音壁として利用することは振動・騒音対策に有効である。

[ No. 64 ]
次に示すイ〜ニの災害を、平成28年の建築工事における死亡災害の発生件数の多い順から並べた組合せとして、適当なものはどれか。

(災害の種類)
イ.建設機械等による災害
ロ.墜落による災害
ハ.電気、爆発火災等による災害
ニ.飛来、落下による災害
1.    イ    ロ    ニ    ハ
2.    ロ    イ    ニ    ハ
3.    イ    ハ    ロ    ニ
4.    ロ    ハ    イ    ニ

答え

  2
平成28年建設業における死亡災害の工事の種類・災害の種類別発生状況(建設業労働災害防止協会)によれば、平成28年の建築工事における死亡災害を発生件数の多い順に並べると、ロの墜落による災害が85件(平成29年は81件)、イの建設機械等による災害が11件(同8件)、ニの飛来、落下による災害が8件(同8件)、ハの電気、爆発火災等による災害が4件(同0件)となっており、2のロイニハが正しかったが、平成29年のデータではイとニが同数となる。

[ No. 65 ]
市街地の建築工事における公衆災害防止対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 工事現場内の表土がむきだしになることによる土埃の発生のおそれがあるため、十分散水し、シートで覆いをかけた。

2. 落下物による危害を防止するため、道路管理者及び所轄警察署長の許可を受けて、防護棚を道路上空に設けた。

3. 工事現場の境界に接している荷受け構台には、落下物による危害を防止するために手すりを設けたので、幅木は省略した。

4. 落下物による危害を防止するために足場の外側に設けた工事用シートは、日本工業規格(JIS)で定められた建築工事用シートの1類を使用した。

答え

  3
施工者は、荷受け構台が工事現場の境界に近接している場合には、構台の周辺に手すりや幅木を設ける等落下物による危害を防止するための設備を設けなければならない。幅木は省略できない。(建設工事公衆災害防止対策要綱)

1 ◯
工事現場内の表土がむきだしになることによる土埃の発生のおそれがある場合は、十分散水し、シートで覆いをかけ、適切な養生を施さなければならない

2 ◯
施工者は、防護棚を道路上空に設ける場合には、道路管理者及び所轄警察署長の許可を受けなければならない。(建築工事公衆災害防止対策要綱)

4 ◯
飛来落下物の防護や塗装、粉塵などの飛散防止のため、工事現場の周囲その他危害防止上の必要な部分は、ネット類またはシート類で覆う等の措置を講じなければならない。なお建築工事用シートは、帆布製のものと網地製(メッシュシート)の2種類があり、JIS A8952に規定された1類は、シートだけで落下物による危害防止に使用されるものである。

[ No. 66 ]
作業主任者の職務として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。

1. 地山の掘削作業主任者として、作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

2. 石綿作業主任者として、周辺住民の健康障害を予防するため、敷地境界での計測を定期的に行うこと。

3. 土止め支保工作業主任者として、材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。

4. はい作業主任者として、はい作業をする箇所を通行する労働者を安全に通行させるため、その者に必要な事項を指示すること。

答え

  2
石綿作業主任者の職務として、石綿障害予防規則第20条第一号に作業に従事する労働者が石綿等の粉じんにより汚染され、またはこれらを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること、同条第ニ号に局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置その他労働者が健康障害を受けることを予防するための装置を1月を超えない期間ごとに点検すること、同条第三号に保護具の使用状況を監視することが規定されているが、周辺住民の健康障害を予防するため、敷地境界での計測を定期的に行うことは規定されていない

1 ◯
地山の掘削作業主任者の職務は、作業の方法を決定し、作業を直接指揮することと規定がある。(労働安全衛生規則第360条第一号)

3 ◯
土止め支保工作業主任者の職務として、材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くことが規定されている。(労働安全衛生規則第375条第二号)

4 ◯
はい作業主任者の職務として、労働安全衛生規則第429条第三号に、当該作業を行う箇所を通行する労働者を安全に通行させるため、その者に必要な事項を指示することと規定がある。

[ No. 67 ]
足場に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 単管足場において、建地を鋼管2本組とする部分は、建地の最高部から測って 31m を超える部分とした。

2. 単管足場における建地の間隔は、けた行方向を 1.85m 以下、はり間方向を1.5m 以下とした。

3. 枠組足場における高さ 2 m 以上に設ける作業床は、床材と建地とのすき間を12 cm 未満とした。

4. 高さが 20 m を超える枠組足場の主枠間の間隔は、 2 m以下とした。

答え

  4
高さが20mを超えるとき及び重量物の積載を伴う作業を行うときは、使用する主枠は、高さ2m以下のものとし、かつ、主枠間の間隔は 1.85m以下とすることと規定がある。(労働安全衛生規則第571条第1項第七号)

1 ◯
単管足場において、建地の最高部から測って 31m を超える部分の建地は、鋼管2本組とすることと規定されている。(労働安全衛生規則第571条第1項第三号)

2 ◯
単管足場における建地の間隔は、けた行方向を 1.85m 以下、はり間方向を1.5m 以下とすることと規定されている。(労働安全衛生規則第571条第1項第一号)

3 ◯
床材と建地とのすき間は12 cm 未満とすることと規定がある。(労働安全衛生規則第563条第1項第二号ハ)

[ No. 68 ]
「労働安全衛生規則」上、事業者が、作業を行う区域内に関係労働者以外の労働者の立入りを禁止しなければならないものはどれか。

1. 高さが2m の足場の組立ての作業

2. 高さが3m の鉄骨造建築物の組立ての作業

3. 高さが4m のコンクリート造建築物の解体の作業

4. 軒の高さが5m の木造建築物の解体の作業

答え

  1
労働安全衛生規則第564条第1項に、事業者は、つり足場、張出し足場または高さが 2m以上の構造の足場の組立て、解体または変更の作業を行うときは、措置を講じなければならないとあり、同規則同条同項ニ号に、組立て、解体または変更の作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止することと規定されている。

[ No. 69 ]
ゴンドラに関する記述として、「ゴンドラ安全規則」上、誤っているものはどれか。

1. ゴンドラの操作の業務に労働者をつかせるときは、当該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。

2. つり下げのためのワイヤロープが2本のゴンドラでは、安全帯をゴンドラに取り付けて作業を行うことができる。

3. ゴンドラの検査証の有効期間は2年であり、保管状況が良好であれば1年を超えない範囲内で延長することができる。

4. ゴンドラを使用する作業を、操作を行う者に単独で行わせる場合は、操作の合図を定めなくてもよい。

答え

  3
検査証の有効期間は、1年とする。(ゴンドラ安全規則第9条第1項)ただし、同条第2項に、製造検査または使用検査を受けた後設置されていないゴンドラで、その間の保管状況が良好であると都道府県労働局長が認めたものについては、当該ゴンドラの検査証の有効期間を製造検査または使用検査の日から起算して2年を超えず、かつ、当該ゴンドラを設置した日から起算して1年を超えない範囲内で延長することができるとされている。

1 ◯
事業者は、ゴンドラの操作の業務に労働者をつかせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。(ゴンドラ安全規則第12条)

2 ◯
ゴンドラ安全規則第17条に、事業者は、ゴンドラの作業床において作業を行うときは、当該作業を行う労働者に安全帯その他の命綱を使用させなければならないと規定があり、同条第2項には、つり下げのためのワイヤロープが1本であるあるゴンドラの規定がある。
※労働安全衛生規則の改正(2025年2月1日施行)により、安全帯の名称は墜落制止用器具となる。

4 ◯
事業者は、ゴンドラを使用して作業を行うときは、ゴンドラの操作について一定の合図を定め、合図を行う者を指名して、その者に合図を行わせなければならない。ただし、ゴンドラを操作する者に単独で作業を行わせる時は、この限りではいと規定されている。(ゴンドラ安全規則第16条第1項)

[ No. 70 ]
工具とその携帯に関する規定のある法律の組合せとして、誤っているものはどれか。

1. ガス式ピン打ち機
ー  火薬類取締法

2. ガラス切り
ー  軽犯罪法

3. 作用する部分の幅が2 cm 以上で長さが 24 cm 以上のバール
ー 特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律

(ピッキング防止法)
4.  刃体の長さが 8 cm を超えるカッターナイフ
ー 銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)

答え

  1
ガス式ピン打ち機は、銃砲刀剣類所持等取締法第2条の空気銃(圧縮した気体を使用して弾丸を発射する機能を有する銃のうち、内閣府令で定めるところにより測定した弾丸の運動エネルギーの値が、人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上となるものをいう)に相当する。

2 ◯
軽犯罪法第1条第三号に、ガラス切りその他他人の邸宅または建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者は、拘留または科料に処するとある。

3 ◯
特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律第2条第三号の政令で定める工具として、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律施行令第2条第二号に定められている。

4 ◯
銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)第22条で、何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計った刃体の長さが 6cm を超える刃物を携帯してはならないとある。

1級建築施工管理技士 平成30年 学科 問題7解説

平成30年 1級建築施工管理技士 学科 問題7 解答解説

*問題番号[ No.71 ] ~[ No.82 ] までの 12 問題のうちから、8 問題を選択し、解答してください。
[ No. 71 ]
次の記述のうち、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1. 床面積の合計が 10 m2 を超える建築物を除却しようとする場合においては、原則として、 当該除却工事の施工者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
2. 避難施設等に関する工事を含む建築物の完了検査を受けようとする建築主は、建築主事が検査の申請を受理した日から7日を経過したときは、検査済証の交付を受ける前であっても、仮に、当該建築物を使用することができる。
3. 鉄筋コンクリート造3階建共同住宅の3階の床及びこれを支持する梁に鉄筋を配置する工事の工程は、中間検査の申請が必要な特定工程である。
4. 木造3階建の戸建て住宅を、大規模の修繕をしようとする場合においては、確認済証の交付を受けなければならない。

答え

  3
鉄筋コンクリート造その他これに類する構造の官庁中間検査の特定工程は2階床及びこれを支持する梁に鉄筋を配置する工事である。(建築基準法第7条の3第1項)
1 ◯
建築主が建築物を建築しようとする場合または建築物の除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合においては、これらの者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該建築物または当該工事に係る部分の床面積の合計が10m2以内である場合においては、この限りでない。(建築基準法第15条第1項)
2 ◯
避難施設等に関する工事を含む建築物の完了検査を受けようとする建築主は、建築主事が検査の申請を受理した日から7日を経過したときは、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物を使用し、または使用させることができる。(建築基準法第7条の6第1項)
4 ◯
木造3階建の戸建て住宅を、大規模の修繕をしようとする場合において、建築主は、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準法関係規定その他建築物の敷地、構造または建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものに適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。(建築基準法第6条第1項)

[ No. 72 ]
次の記述のうち、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1. 建築監視員は、建築物の工事施工者に、当該工事の施工の状況に関する報告を求めることができる。
2. 建築主事は、建築基準法令の規定に違反した建築物に関する工事の請負人に対して、当該工事の施工の停止を命じることができる。
3. 建築主は、延べ面積が 300 m2 を超える鉄骨造の建築物を新築する場合は、一級建築士であ る工事監理者を定めなければならない。
4. 特定行政庁は、飲食店に供する床面積が 100 m2 を超える建築物の劣化が進み、そのまま放 置すれば著しく保安上危険となると認める場合、相当の猶予期限を付けて、所有者に対し除却を勧告することができる。

答え

  2
特定行政庁は、違反建築物の建築主、工事の請負人などに対して当該工事の施工の停止を命じ、または違反を是正するために必要な措置をとることを命じることができる。(建築基準法 第9条 第1項)
1 ◯
建築監視員は、建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、建築材料等を製造した者、工事監理者、工事施工者または建築物に関する調査をした者に、当該工事の施工の状況に関する報告を求めることができる。(建築基準法第12条第5項)
3 ◯
建築主は、延べ面積 300m2 を超える鉄骨造の建築物を新築する場合は、1級建築士である工事監理者を定めなければならない。(建築基準法第5条の6第4項)
4 ◯
特定行政庁は、飲食店に供する床面積が 100 m2 を超える建築物の劣化が進み、そのまま放置すれば著しく保安上危険となると認める場合、相当の猶予期限を付けて、所有者に対し除去等の規定または条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。(建築基準法第9条第1項)

[ No. 73 ]
建築物の内装制限に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1. 自動車車庫の用途に供する特殊建築物は、構造及び床面積に関係なく、原則として、内装制限を受ける。
2. 主要構造部を耐火構造とした学校の1階に設ける調理室は、内装制限を受けない。
3. 内装制限を受ける百貨店の売場から地上に通ずる主たる廊下の室内に面する壁のうち、床面からの高さが 1.2 m 以下の部分は、内装制限を受けない。
4. 主要構造部を耐火構造とした地階に設ける飲食店は、原則として、内装制限を受ける。

答え

  3
居室から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分は、内装制限を受ける。(建築基準法 施行令 第128条の5)
1 ◯
建築基準法第2条第2号に規定されている特殊建築物である自動車車庫は、すべて内装制限を受ける。(建築基準法 第35条の2)
2 ◯
主要構造部を耐火構造として学校の1階に設ける調理室は、内装制限を受けない。建築基準法第35条の2の規定で制限を受けるものは、階数が3以上の建築物に存する調理室である。(建築基準法 施行令第128条の4第4項)
4 ◯
主要構造部を耐火構造とした地階に設ける飲食店は、原則として、内装制限を受ける。(建築基準法 第35条の2)

[ No. 74 ]
建設業の許可に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1. 特定建設業の許可を受けようとする者は、発注者との間の請負契約で、その請負代金の額が 8,000万円以上であるものを履行するに足りる財産的基礎を有していなければならない。
2. 特定建設業の許可を受けようとする建設業のうち、指定建設業は、土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業及び造園工事業の5業種である。
3. 特定建設業の許可を受けた者でなければ、発注者から直接請け負った建設工事を施工するために、建築工事業にあっては下請代金の額の総額が 6,000 万円以上の下請契約を締結してはならない。
4. 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して 10 年の実務の経験を有する者を、 一般建設業の営業所に置く専任の技術者とすることができる。

答え

  2
特定建設業の許可を受けようとする建設業のうち、指定建設業は、土木工事業、建築工事業、電気工事業、菅工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業及び造園工事業の7業種である。(建設業法施行令 第5条の2)
1 ◯
特定建設業の許可を受けようとする者は、発注者との間の請負契約で、その請負代金の額が 8,000万円以上であるものを履行するに足りる財産的基礎を有していなければならない。(建設業法第15条第三号、同法施行令第5条の4)
3 ◯
発注者から直接請け負った建設工事を施工する場合、特定建設業の許可を受けた者で建設業が建築工事業である場合においては、下請代金の額の総額が 6,000万円以上の下請契約を締結してはならない。(建設業法第3条第1項第二号、同法施行令第2条)
4 ◯
一般建設業では、営業所ごとに置かなければならない専任の者は、許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して 10年以上の実務経験を有する者とすることができる。(建設業法第7条第二号ロ)

[ No. 75 ]
請負契約に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1. 請負人は、請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合に、注文者の承諾を得て、現場代理人に関する事項を、情報通信の技術を利用する一定の方法で通知することができる。
2. 特定建設業者は、発注者から直接建築一式工事を請け負った場合に、下請契約の請負代金の総額が 6,000 万円以上になるときは、施工体制台帳を工事現場ごとに備え置き、発注者の閲覧に供しなければならない。
3. 注文者は、請負人に対して、建設工事の施工につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは、あらかじめ注文者の書面等による承諾を得て選定した下請負人である場合であっても、その変更を請求することができる。
4. 注文者は、工事一件の予定価格が 5,000 万円以上である工事の請負契約の方法が随意契約による場合であっても、契約の締結までに建設業者が当該建設工事の見積りをするための期間は、原則として、15 日以上を設けなければならない。

答え

  3
注文者は、請負人に対して、建設工事の施工につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは、その変更を請求することができる。ただし、あらかじめ注文者の書面による承諾を得て選定した下請負人については、この限りでない。(建設業法 第23条第1項)
1 ◯
請負人は、請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合に、注文者の承諾を得て、現場代理人に関する事項を、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する一定の方法で国土交通省令で定めるものにより通知することができるとしている。(建設業法第19条の2第1項、第3項)
2 ◯
特定建設業者が発注者から直接請け負った建設工事が建築一式工事である場合に、下請契約の請負代金の総額が 6,000 万円以上になるときは、作成した施工体制台帳を工事現場ごとに備え置き、発注者から請求があったときはその発注者の閲覧に供しなければならない。(建設業法第24条の7第1項、第3項、同法施行令第7条の4)
4 ◯
建設工事の注文者は、請負契約の方法が随意契約による場合であっては契約を締結する以前に、入札の方法により競争に付する場合にあっては入札を行う以前に、建設業者が当該建設工事の見積りをするために必要な政令で定める一定の期間を設けなければならない。工事一件の予定価格が 5,000 万円以上である工事については、15日以上である。(建設業法第20条第3項、同法施行令第6条第1項三号)

[ No. 76 ]
工事現場に置く技術者に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1. 工事一件の請負代金の額が 5,000万円である事務所の建築一式工事において、工事の施工の技術上の管理をつかさどるものは、工事現場ごとに専任の者でなければならない。
2. 下請負人として建設工事を請け負った建設業者は、下請代金の額にかかわらず、主任技術者を置かなければならない。
3. 専任の主任技術者を必要とする建設工事のうち、密接な関係のある二以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工するものについては、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができる。
4. 専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においても、 その日の前5年以内に行われた国土交通大臣の登録を受けた講習を受講していなければならない。

答え

  1
建設業者は、元請、下請にかかわらず請け負った建設工事を施工するときは、請負金額の大小に関係なく、その工事現場の建設工事施工の技術上の管理をつかさどるものとして主任技術者を置かなければならない。(建設業法第26条第1項)
2 ◯
下請負人として建設工事を請け負った建設業者は、下請代金の額にかかわらず主任技術者を置かなければならない。(建設業法第26条第1項)
3 ◯
専任の主任技術者を置かなければならない工事において、密接な関係のある二以上の工事を同一の建設業者が同一の場所または近接した場所において施工する場合、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができる。(建設業法第26条第3項、同法施行令第27条第2項)
4 ◯
専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においても、 その日の前5年以内に行われた国土交通大臣の登録を受けた講習を受講していなければならない。(建設業法第26条第4項、同法施行規則第17条の14)

[ No. 77 ]
労働契約に関する記述として、「労働基準法」上、誤っているものはどれか。
1. この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効であり、この法律に定められた基準が適用される。
2. 労働契約は、契約期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な契約期間を定めるもののほかは、原則として3年を超える契約期間について締結してはならない。
3. 使用者は、労働者が業務上負傷し、休業する期間とその後 30 日間は、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合でも解雇してはならない。
4. 労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位等について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。

答え

  3
労働基準法の解雇制限により、労働者が業務上負傷した場合は、休業する期間及びその後30日間は解雇してはならない。なお、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合は解雇できる。(労働基準法第19条第1項)
1 ◯
労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となる。無効となった部分は労働基準法に定められた基準による。(労働基準法第13条)
2 ◯
労働契約は、契約期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年を超える契約期間について締結してはならない。(労働基準法第14条)
4 ◯
労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金または退職の事由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。(労働基準法第22条第1項)

[ No. 78 ]
建設業の事業場における安全衛生管理体制に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
1. 統括安全衛生責任者を選任すべき特定元方事業者は、安全衛生責任者を選任しなければならない。
2. 一の場所において鉄骨造の建築物の建設の仕事を行う元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の総数が常時 20人以上 50人未満の場合、店社安全衛生管理者を選任しなければならない。
3. 事業者は、常時 100 人の労働者を使用する事業場では、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。
4. 元方安全衛生管理者は、その事業場に専属の者でなければならない。

答え

  1
事業者は、統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行うものは、安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者との連絡その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。(労働安全衛生法第16条)
2 ◯
店社安全衛生管理者を選任しなければならない労働者数は、労働安全衛生規則第18条の6第1項に、主要構造部が鉄骨造または鉄骨鉄筋コンクリート造である建築物の建設の仕事で、常時 20人以上50人未満と規定されている。
3 ◯
林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業で 100人以上の労働者を使用する場合、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。(労働安全衛生法第10条第1項、同法施行令第2条)
4 ◯
元方安全衛生管理者は、その事業場に専属の者を選任しなければならない。(労働安全衛生規則第18条の3)

[ No. 79 ]
労働者の就業に当たっての措置に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
1. 事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。
2. 事業者は、従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての雇入れ時の安全衛生教育を省略することができる。
3. 事業者は、建設業の事業場において新たに職務に就くこととなった作業主任者に対し、作業方法の決定及び労働者の配置に関する事項について、安全又は衛生のための教育を行わなければならない。
4. 事業者は、中高年齢者については、その者の心身の条件に応じて適正な配置を行うように努めなければならない。

答え

  3
事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくことになった職長その他の作業中の労働者を直接指導または監督する者(作業主任者を除く)に対し、安全または衛生のための教育を行わなければならないと規定があり、作業主任者は除かれている。(労働安全衛生法第60条)
1 ◯
事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。(労働安全衛生法第60条の2第1項)
2 ◯
事業者は、従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項の全部または一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての雇入れ時の安全衛生教育を省略することができる。(労働安全衛生規則第35条第2項)
4 ◯
事業者は、中高年齢者その他労働災害の防止上その就業に当たって特に配慮を必要とする者については、これらの者の心身の条件に応じて適正な配置を行うように努めなければならない。(労働安全衛生法第62条)

[ No. 80 ]
特定建設資材を用いた建築物等の解体工事又は新築工事等のうち、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」上、分別解体等をしなければならない建設工事に該当しないものはどれか。
1. アスファルト・コンクリートの撤去工事であって、請負代金の額が 700 万円の工事
2. 建築物の増築工事であって、当該工事に係る部分の床面積の合計が 500 m2 の工事
3.  建築物の耐震改修工事であって、請負代金の額が 7,000 万円の工事
4. 擁壁の解体工事であって、請負代金の額が 500 万円の工事

答え

  3
建築物の耐震改修工事は分別解体等が義務づけられている建築物の修繕、模様替えに含まれるが、規模の基準の請負代金額は1億円以上であるので、ここでは7,000万円であるため、分別解体等をしなければならない工事には該当しない。(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(以下建設リサイクル法)第9条第3項、同法施工令第2条第1項第三号)
1 ◯
アスファルト・コンクリートの撤去工事であって、請負代金の額が500万円以上の工事であるため、該当する。(建設リサイクル法第9条第3項、同法施行令第2条第1項第四号)
2 ◯
建築物に係る新築または増築の工事については、当該建築物(増築の工事にあっては、当該工事に係る部分に限る。)の床面積の合計が 500 m2 以上であるもに該当する。(建設リサイクル法第9条第3項、同法施行令第2条第1項第二号)
4 ◯
建築物以外のものに係る解体工事または新築工事等については、その請負代金の額が 500 万円以上であるものは、建設工事に該当する。(建設リサイクル法第9条第3項、同法施行令第2条第第四号)

[ No. 81 ]
指定地域内における特定建設作業の実施の届出に関する記述として、「騒音規制法」上、誤っているものはどれか。 ただし、作業はその作業を開始した日に終わらないものとする。
1. 特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、作業の実施の期間や騒音の防止の方法等の事項を、市町村長に届出をしなければならない。
2. 環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が 80 kW 以上のバックホウを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。
3. さく岩機を使用する作業であって、作業地点が連続的に移動し、1日における作業に係る2地点間の距離が 50m を超えない作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。
4. 構台支持杭を打ち込むため、もんけんを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

答え

  4
くい打機の場合、もんけんを使用する作業の場合は、届出をしなくてもよい。(騒音規制法第14条、同法施工令別表第二第一号)
1 ◯
指定地域内において、特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに、環境省令で定めるところにより、
①氏名または名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
②建設工事の目的に係る施設または工作物の種類
③特定建設作業の場所及び実施の期間
④騒音の防止の方法
⑤その他環境省令で定める事項
について、市町村長に届け出なければならない。(騒音規制法第14条第1項)
2 ◯
環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が 80 kW 以上のバックホウを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。(騒音規制法第14条、同法施工令別表第二第六号)
3 ◯
さく岩機を使用する作業において、作業地点が連続的に移動する作業で、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が 50m を超えない作業は、市町村長に実施の届出をしなければならない。(騒音規制法第14条、同法施工令別表第二第三号)

[ No. 82 ]
貨物自動車を使用して、分割できない資材を運搬する際に、「道路交通法」上、当該車両の出発地を管轄する警察署長の許可を必要とするものはどれか。 ただし、貨物自動車は、軽自動車を除くものとする。
1.  荷台の高さが1m の自動車に、高さ 2.4 m の資材を積載して運搬する場合
2.  長さ 11m の自動車に、車体の後ろに1m はみ出す長さ12m の資材を積載して運搬する場合
3.  積載する自動車の幅より、左右に 0.25 mずつはみ出す資材を積載して運搬する場合
4. 資材を看守するため必要な最小限度の人員を、自動車の荷台に乗せる場合

答え

  3
必要とする。積載物の幅の限度は、その自動車の車体の左右からはみ出さないことであるから許可は必要である。(道路交通法施行令22条第四号ロ)
1 × 必要としない
貨物自動車を使用して、分割できない資材を運搬する場合、積載物の高さが 3.8m からその自動車の積載する場所の高さを減じた者以下であるから許可は不要である。(道路交通法第57条第1項、同法施行令22条第三号ハ)
2 × 必要としない
積載物の長さは、自動車の長さにその長さの 1/10 の長さを加えたもの以下であるから許可不要である。(道路交通法第57条第3項、同法施行令22条第三号イ)
4 × 必要としない
車両の運転者は、貨物自動車で貨物を積載している場合、当該貨物を看守するため必要な最小限度の人員をその荷台に乗車させて運転することができる。(道路交通法第55条第1項)

1級建築施工管理技士 令和元年 学科 問題1解説

令和元年 1級建築施工管理技士 学科 問題1 解答解説

問題番号[ No.1 ]〜[ No.15 ]までの 15 問題のうちから、12 問題を選択し、解答してください。

[ No.1 ]
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.室内空気の気流は、0.5 m/s 以下となるようにする。

2.室内空気の二酸化炭素の濃度は、1.0 % 以下となるようにする。

3.室内空気の相対湿度は、40 %以上 70 % 以下となるようにする。

4.室内空気の浮遊粉じんの量は、0.15 mg/m3 以下となるようにする。

答え

 2 ×
室内環境基準において、空気中の二酸化炭素濃度の許容値は、1,000ppm(0.1%)以下と定められている。(建築基準法施行令第129条の2の6第3項)
・二酸化炭素 1,000 ppm以下
・一酸化炭素   10 ppm以下
覚え方「銭湯で屁をする」
(原口氏「スーパー記憶術」より)
また、室内空気の建築物環境衛生管理基準(厚生労働省)には以下のように規定されている。
建築物環境衛生管理基準(厚生労働省)
浮遊粉じんの量 0.15mg/m3以下
一酸化炭素の含有率 100万分の10以下(=10 ppm以下)
二酸化炭素の含有率 100万分の1000以下(=1000 ppm以下
温度(1)17℃以上 28℃以下
(2)居室における温度を外気の温度より低くする場合は、
その差を著しくしないこと。
相対湿度 40%以上 70%以下
気  流 0.5 m/秒以下
ホルムアルデヒドの量 0.1mg/m3以下(0.08ppm以下)

[ No.2 ]
伝熱に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.壁体内の中空層の片面にアルミ箔を貼り付けると、壁体全体の熱抵抗は大きくなる。

2.熱放射は、電磁波による熱移動現象であり、真空中でも生じる。

3.壁体内にある密閉された中空層の熱抵抗は、中空層の厚さに比例する。

4.総合熱伝達率は、対流熱伝達率と放射熱伝達率を合計したものをいう。

答え

 3 ×
1.◯
壁体の熱抵抗は、部材の熱伝導抵抗の和に、中空層の熱伝達抵抗を加えたものとなる。よって中空層内にアルミ箔を貼り付けることで熱抵抗は大きくなる
2.◯
熱放射は物体表面から射出される赤外線(電磁波)によって、熱が移動する現象である。放射による熱の移動には空気は必要ないため、真空中においても放射による熱移動は生じる。太陽の熱は、熱放射により真空の宇宙空間を通って地球に到達している。
3.×
壁の中空層(空気層)の熱抵抗は、中空層の厚さが20〜30mmを超えると、厚さに関係なくほぼ一定となる。
4.◯
対流熱伝達とは、固体表面から空気に熱が移動することである。放射熱伝達とは、空気中や真空中で物体から他の物体に直接熱伝達されることである。総合熱伝達率とは、壁体表面から空気へ伝えられる対流熱伝達率と放射熱伝達率を合計したものである。

[ No.3 ]
採光及び照明に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.均等拡散面上における輝度は、照度と反射率との積に比例する。

2.演色性とは、光がもつ物体の色の再現能力のことで、光の分光分布によって決まる。

3.昼光率とは、全天空照度に対する室内のある点の天空光による照度の比をいう。

4.設計用全天空照度は、快晴の青空のときが薄曇りの日よりも大きな値となる。

答え

 4 ×
1.◯
ある光源が理想的な均等拡散面上における輝度 L [ cd/m2 ]は、反射面の照度 E [ lx ] と、反射率 ρとの積に比例するため、輝度観察方向にかかわらず、次の式で表される。
L = ρ / π・E
2.◯
光源による物体色の見え方を演色性という。演色性は演色評価数で表し、数値が大きいものほど色の見え方に関する光源の特性が自然光に近いことを表す。白熱電球やハロゲン電球は最高値の 100であり演色性がよい。
3.◯
全天空からの直射日光を除く照度を全天空照度といい、昼光率とは屋外の全天空照度に対する室内のある点の天空光による照度の比を百分率で表したものである。
4.×
設計用全天空照度は、快晴の青空のときより、薄曇りの日の値の方が大きい。
設計用全天空照度の覚え方
・快晴 10000 lx
・曇り 30000 lx
・雨   5000 lx
「俳句もサマになる雨の甲子園」
晴 1万、曇3万、雨 5千
(原口氏「スーパー記憶術」より)

[ No.4 ]
積層ゴムを用いた免震構造の建築物に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.水平方向の応答加速度を大きく低減することができるが、上下方向の応答加速度を低減する効果は期待できない。

2.軟弱な地盤に比べ強固な地盤では大地震時の地盤の周期が短くなるため、応答加速度を低減する効果が低下する。

3.免震部材の配置を調整し、上部構造の重心と免震層の剛心を合せることで、ねじれ応答を低減できる。

4.免震層を中間階に設置する場合は、火災に対して積層ゴムを保護する必要がある。

答え

 2 ×
1.◯
積層ゴム(アイソレータ)を用いた免震構造は固有周期が長くなるため、水平方向の応答加速度を低減することができ、建築物に作用する地震力も小さくなる。ただし、免震構造は一般に、水平地震動に効果を発揮するが、上下方向の応答加速度を低減する効果は期待できない
2.×
地盤の周期とは、卓越周期といって、地盤の種類によって異なり、地盤が軟弱なほどその値は長く、岩盤では短くなる。地震時の揺れはその地盤の「卓越周期」と建物の「固有周期」が一致した場合に、「共振」をおこし、建物が揺れが強められる。
それに対して、応答加速度とは、入力振動に対して振動解析に用いる応答スペクトルのファクターであり、応力加速度を低減する効果とは関係はない。
3.◯
重心とはその物体にかかる重力の中心であり、剛心とは建築物に地震のような回転させる力がかかった場合の回転の中心となる位置である。この位置のずれ(偏心距離)が大きいほどゆがみが大きくなる。よって、重心と剛心は、なるべく一致させ、偏心距離を小さくするのが望ましい。免震構造の場合も上部構造の重心と免震層の剛心を極力近づける計画とし、建築物のねじれの悪影響を避けている
4.◯
中間階の免震層に積層免震ゴム(アイソレータ)を用いた場合、アイソレータは柱に設置する。このとき、アイソレータに耐火被覆を施すか、防火区画により免震層に火災が及ばないようにするなどの配慮が必要である。なお、基礎免震の場合は、耐火被覆の必要はない。

[ No.5 ]
鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.柱のせん断補強筋の間隔は、柱の上下端から柱の最大径の 1.5 倍又は最小径の 2倍のいずれか大きい範囲を 100 mm 以下とする。

2.柱及び梁のせん断補強筋は、直径 9 mm 以上の丸鋼又は D 10 以上の異形鉄筋とし、せん断補強筋比は 0.2 % 以上とする。

3.一般の梁で、長期許容応力度で梁の引張鉄筋の断面積が決まる場合、原則として引張鉄筋の断面積はコンクリート断面積の 0.2 % 以上とする。

4.貫通孔の中心間隔は、梁に2個以上の円形の貫通孔を設ける場合、両孔径の平均値の3倍以上とする。

答え

 3 ×
1.◯
柱のせん断補強筋(帯筋)の間隔は、100mm以下とする。ただし、柱の上下端より柱の最大径の1.5倍または最小径の2倍のいずれか大きい方の範囲外では、帯筋間隔を前記数値の1.5倍まで増大することができる。(鉄筋コンクリート構造計算基準)
2.◯
梁、柱のせん断補強筋は軽微な場合を除き、直径 9mm以上の丸鋼、またはD10以上の異形鉄筋を用いる。梁、柱のせん断補強筋(帯筋及びあばら筋)比は 0.2%以上とする。(柱の軸を含むコンクリートの断面の面積に対する帯筋の断面積の和の割合)
3.×
引張鉄筋断面積は、0.004bdまたは存在応力によって必要とされる量の4/3のうち、小さい値以上であるので、コンクリート断面積の 0.4%以上とする。
4.◯
梁に2個以上の貫通孔を設ける場合、孔径は梁せいの 1/3以下とし、孔の中心間隔は孔径の平均値の3倍以上とする。

[ No.6 ]
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. H形鋼は、フランジ及びウェブの幅厚比が大きくなると局部座屈を生じやすい。

2. 角形鋼管柱の内ダイアフラムは、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられる。

3. 部材の引張力によってボルト孔周辺に生じる応力集中の度合は、高力ボルト摩擦接合の場合より普通ボルト接合の方が大きい。

4. H形鋼梁は、荷重や外力に対し、せん断力をフランジが負担するものとして扱う。

答え

 4 ×
1.◯
H形鋼のフランジ及びウェブの幅厚比が大きくなると、相対的に板の厚さが薄くなり、圧縮材は部材としての耐力を発揮する前に局部座屈を生じやすくなる
2.◯
ダイヤフラムとは、梁と柱の相互で曲げ応力を伝達できるように配置する鉄骨プレートで、通しダイアフラム内ダイヤフラムがある。通しダイアフラムは、切断された柱がダイヤフラムを挟んで取り付くタイプであり、角形鋼管柱の仕口部に多用されている。内ダイアフラムは柱の板材を挟んで梁のフランジと柱内部のダイアフラムとが取り付くタイプであり、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられる
3.◯
普通ボルト接合の場合、部材に引張力が作用すると接合部にずれが生じ、ボルトと鋼板が支圧力で支持するてめ、ボルト孔周辺に応力が集中する。一方、高力ボルトによる摩擦接合は、ボルトの支圧力ではなく、添え板(スプライスプレート)の摩擦力で支持するため、ボルト孔周辺の応力は、普通ボルト接合と比較すると小さくなる
4.×
H形鋼梁は、荷重や外力に対し、フランジが曲げモーメントを、ウェブがせん断力を負担するものとして扱う。梁ウェブはあまり薄いとせん断による座屈するため、梁の材軸方向と直角に中間スチフナを配置し、ウェブプレートのせん断座屈補強を行う。ただし、市販のロールH形鋼では、補強は必要ない程度のウェブの板厚になっている。

[ No.7 ]
杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 基礎杭の周辺地盤に沈下が生じたときに杭に作用する負の摩擦力は、一般に摩擦杭の場合より支持杭の方が大きい。

2. 杭と杭との中心間隔の最小値は、埋込み杭の場合、杭径の 1.5 倍とする。

3. 基礎杭の先端の地盤の許容応力度は、アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭の場合よりセメントミルク工法による埋込み杭の方が大きい。

4. 外殻鋼管付きコンクリート杭の鋼管の腐食代は、有効な防錆措置を行わない場合、1 mm 以上とする。

答え

 2
1.◯
杭周囲の地盤沈下によって杭の沈下より地盤の沈下が大きくなると、杭周囲面には下向きの摩擦力が働くが、摩擦杭は杭と共に沈下するため、負の摩擦力は支持杭の方が摩擦杭より大きくなる
2.×
杭と杭との中心間隔の最小値は、埋込み杭の場合は、その杭頭部の径の 2.0倍以上、打込み杭の場合は、その杭頭部の径の 2.5倍以上かつ 75cm以上とする。
3.◯
杭の先端支持力は
打込み杭 :300・Ne/3 [ kN/m2 ]
埋込み杭 :200・Ne/3 [ kN/m2 ]
場所打ち杭:150・Ne/3 [ kN/m2 ]
である。ただし、Ne:杭先端地盤の平均N値とする。
よって、基礎杭の先端の地盤の許容応力度は、アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭の場合よりセメントミルク工法による埋込み杭の方が大きい
4.◯
外殻鋼管付きコンクリート杭は有効な防錆措置を行わない場合、鋼管の腐食代を 1mm以上としなければならない。

[ No.8 ]
図に示す長方形断面部材の図心軸(X 軸)に対する許容曲げモーメントの値として、 正しいものはどれか。 ただし、許容曲げ応力度 fb は 9.46 N/mm2 とする。

1. 9.46 × 105 N・mm
2. 5.68 × 105 N・mm
3. 4.73 × 105 N・mm
4. 2.84 × 105 N・mm

答え

  1
[ 解法 ]
許容曲げ応力度 fb = 9.46 N/mm2より
曲げ応力度の式
σ = M / Z
断面係数の式
Z = BH2 / 6
より
M = σ × Z
= (9.46 N/mm2) × (60 × 1002) / 6 mm3
= 9.46 × 105 N・mm
∴ 1が正解

[ No.9 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構の DE 間に等変分布荷重が、AD 間に集中荷重が同時に作用したとき、支点 A 及び B に生じる水平反力(HA、HB)、鉛直反力(VA、VB)の値 として、正しいものはどれか。 ただし、反力は右向き及び上向きを「+」、左向き及び下向きを「−」とする。

1.HA=+ 15kN
2.HB =− 60kN
3.VA=+ 60kN
4.VB =+120kN

答え

 1
ΣMA = 0 より
40 × 1.5 + 60 × 6 /2 × 4.0 – 6 × VB = 0
60 + 720 -6VB =0
VB = 130
Σ Y = VA + VB – 60 × 6/2 =0
VA + VB = 180
∴ VA = 50
MC(左)
= – 30 × 3/2 × 1 – 40 × 1.5 + VA × 3 +HA× 3=0
= -45 – 60 +3VA +3HA =0
= -105 + 3VA +3HA =0
VA +HA =35
HA =35 – 50 = -15(左向き)
ΣX = HA + HB = 40 より
HB = 55(右向き)
∴ 正解は1番(向きが逆)

[ No.10 ]
図に示す梁の AB 間に等分布荷重 w が、点 C に集中荷重 P が同時に作用したときの曲げモーメント図として、正しいものはどれか。 ただし、曲げモーメントは材の引張り側に描くものとする。




答え

  3
平成23年度 問題 No.9 と全く同じ問題である。
[ 解法 ]
等分布荷重w と集中荷重Pを分けて考える。
集中荷重Pにより、B点には
MB(P) = 3m × 3kN = 9 kN・m
のモーメントが発生する。
一方、等分布荷重w による両端ピンのAB間の
モーメントは中央部でM = ωL2/8
より
2 × 32/8 = 2.25 kN・m
よって、
AB間の中点のモーメントは
4.5 – 2.25 =2.25
選択肢3及び4は点Mにおいて
回転運動が発生するので不適。
∴ 正答枝 2 が適当である。

[ No.11 ]
建築に用いられる金属材料に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。

1.黄銅(真ちゅう)は、銅と亜鉛の合金であり、亜鉛が 30 〜 40 % のものである。

2.ステンレス鋼の SUS 304 は、SUS 430 に比べ磁性が弱い。

3.銅の熱伝導率は、鋼に比べ著しく高い。

4.アルミニウムの線膨張係数は、鋼の約4倍である。

答え

  4
1.◯
黄銅(真ちゅう)は、銅と亜鉛の合金であり、銅:60~70%、亜鉛:30~40%の合金である。展性・延性に富み、侵食されにくく、耐食性も高い。絞り加工・機械・器具等に用いられる。また、流動性に富み精密な鋳物にも使用される。
2.◯
ステンレス鋼SUS430(フェライト系)は、鉄とクロムの合金で磁性があり、磁石に付く強磁材料である。SUS304(オーステナイト系)は、鉄とクロムとニッケルの合金であり、若干の磁性を帯びる。よって、SUS304は、SUS430に比べて磁性は弱い。
3.◯
室温20℃における熱伝導率は、銅:約360~390W/m・K程度、鋼:約30~60 W/m・K程度である。
4.×
[ 材料 ]    線膨張係数α [ 10-6/K ]
鋼      11.3 ~ 11.6
ステンレス鋼  9.0  ~ 17.3
鋳鉄      9.2 ~ 11.8
アルミニウム  23.6
∴ アルミニウムの線膨張係数は、鋼の約2倍である。

[ No.12 ]
石材に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。

1.花こう岩は、耐摩耗性、耐久性に優れるが、耐火性に劣る。

2.大理石は、ち密であり、磨くと光沢が出るが、耐酸性、耐火性に劣る。

3.石灰岩は、耐水性に優れるが、柔らかく、曲げ強度は低い。

4.砂岩は、耐火性に優れるが、吸水率の高いものは耐凍害性に劣る。

答え

  3
1.◯
花こう岩はいわゆる御影石と呼ばれ、地下深部のマグマが地殻内で冷却固結した結晶質の石材で、硬く、耐磨耗性、耐久性に優れた石材として、建築物の外部等に最もも多く用いられている。ただし、耐火性の点でやや劣る
2.◯
大理石は石灰岩が結晶化したもので、美観に優れ強度も十分あるが、耐酸性、耐火性に劣り、外装材には用いることができない。
3.×
石灰岩(堆積岩)は、取付け部耐力、曲げ強度等は他の石材に比べて小さく耐水性に劣る
4.◯
砂岩は、主に砂が続成作用により固結してできた堆積岩である。耐火性に優れるが、吸水率の高いものは耐凍害性に劣る

[ No.13 ]
日本工業規格(JIS)のドアセットに規定されている性能項目に関する記述として、不適当なものはどれか。

1.スイングドアセットでは、「気密性」が規定されている。

2.スイングドアセットでは、「開閉力」が規定されている。

3. スライディングドアセットでは、「鉛直荷重強さ」が規定されている。

4.スライディングドアセットでは、「遮音性」が規定されている。

答え

  3
スライディングドアセットには、「鉛直荷重強さ」が規定されていない。
スイングドアセット、スライディングドアセット、スイングサッシ、スライディングサッシの種類(普通)における性能項目は下表のとおりである。「鉛直荷重強さ」が規定されているのはスイングドアセットだけとなる。したがって、3が不適当である。

☆日本工業規格は、令和元年7月1日施行の法改正で日本産業規格に名称変更。
>> 日本工業規格(JIS)ドアセット規定

[ No.14 ]
アスファルト防水材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.改質アスファルトシートは、合成ゴム又はプラスチックを添加して性質を改良した改質アスファルトを原反に含浸、被覆させたシートである。

2.ストレッチルーフィング 1000 の数値 1000 は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。

3. 防水工事用アスファルトは、フラースぜい化点温度が低いものほど低温特性のよいアスファルトである。

4.アスファルトルーフィング 1500 の数値 1500 は、製品の単位面積当たりのアスファルト含浸量を表している。

答え

  4
1.◯
改質アスファルト防水工事は、アスファルト防水と比較して臭いや煙の発生がほぼない。合成ゴムまたはプラスチックをアスファルトに添加し、耐久性・耐候性を向上させた改質アスファルトシートを使用する。熱工法用、トーチ工法用、及び常温粘着工法用の3種類がある。
2.◯
ストレッチルーフィングの種類及び品質は JIS A6022に定められており、ストレッチルーフィング1000の数値1000は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。
3.◯
フラースぜい化点温度とは、アスファルトの低温における変形しやすさを示すもので、鋼板の表面に作製されたアスファルト薄膜を曲げたとき、亀裂の生じる最初の温度を示す。つまり、フラーズぜい化点温度が低いものは、低温でも脆性破壊を生じることもなく変形する、低温特性のよいアスファルトである
4.×
アスファルトルーフィングの種類及び品質は JIS A6005に定められており、アスファルトルーフィング1500は、製品の単位面積質量が 1,500 g/m2以上のものをいう。

[ No.15 ]
塗料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.合成樹脂エマルションペイントは、モルタル面に適しているが、金属面には適していない。

2.つや有合成樹脂エマルションペイントは、屋内の鉄鋼面に適しているが、モルタル面には適していない。

3.アクリル樹脂系非水分散形塗料は、モルタル面に適しているが、せっこうボード面には適していない。

4.合成樹脂調合ペイントは、木部に適しているが、モルタル面には適していない。

答え

  2
1.◯
合成樹脂エマルションペイントは、合成樹脂共重合エマルションやラテックスをベースとして、着色顔料や体質顔料、補助剤、添加剤等を加えた水系塗料である。耐アルカリ性があり、コンクリート、モルタル、プラスター、せっこうボード等に適しているが、耐酸性は弱いため、鉄鋼面には適さない
2.×
つや有合成樹脂エマルションペイントの塗膜硬化機構は、合成樹脂エマルションペイントと同様である。耐アルカリ性があり、コンクリート、モルタル、プラスター、せっこうボード等に適しており、鉄鋼面にも適している
3.◯
アクリル樹脂系非水分散形塗料は、屋内のコンクリート面やモルタル面等、平滑な箇所の仕上げには適しているが、微細な隙間のあるガラス繊維補強セメント面や塗装には適さない。(下地処理が必要となる)
4.◯
合成樹脂調合ペイントは、はけ塗り作業に適しており、はけ目やだれが少なく、表面光沢をもつ平滑な仕上がり塗膜が得られるのが特徴である。特に鉄鋼面や木部面塗装に適しているが、耐アルカリ性が弱く、コンクリート、モルタル面等には適さない

チェックポイント
常日頃、過去問題10年分を最低5回すれば、合格できると言ってますが、市販されている過去問題の問題集が一般的には、過去5年、若しくは、過去7年であるので、なかなか難しい事ですが、今回のように8年前の問題が全く同じに出題される事を考慮すると、やはり10年分の過去問題に取り組んでおく方が、望ましい。

1級建築施工管理技士 令和元年 学科 問題2解説

令和元年 1級建築施工管理技士 学科 問題2 解答解説

問題番号[ No.16 ]〜[ No.20 ]までの 5 問題は、全問題を解答してください。

[ No.16 ]
水準測量に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.直接水準測量は、レベルと標尺を用いて、既知の基準点から順に次の点への高低を測定して、必要な地点の標高を求める測量である。

2.間接水準測量は、計算によって高低差を求める測量方法であり、鉛直角と水平距離を用いる三角高低測量などがある。

3.公共測量における直接水準測量では、レベルは視準距離を等しくし、できる限り両標尺を結ぶ直線上に設置して、往復観測とする。

4.直接水準測量において、標尺は両手で支えて目盛を隠さないように持ち、左右にゆっくり動かして最大の値を読み取る。

答え

  4

 

1.◯

直接水準測量は、レベルと標尺を用いて地表面の2点間の高低差を求めることで、既知の基準点から必要な地点の標高を求める測量である。

 

2.◯

間接水準測量では、トータルステーションなどで2点間の鉛直角と水平距離または斜距離を測定し、三角法により高低差を求める三角高低測量がある。直接水準測量より測定精度がかなり低くなるため、直接水準測量を行うことができない渡海水準測量や渡河水準測量などで用いられる。

 

3.◯

公共測量における直接水準測量は、視準距離は等しく、かつ、レベルはできる限り両標尺を結ぶ直線上に配置する。観測は、簡易水準測量を除き、往復観測とする。

 

4.×

直接水準測量において、標尺は両手で支えて目盛を隠さないように持ち、鉛直に立て、前後にゆっくり動かして最小の値を読み取る

[ No.17 ]
電気設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ビニル電線(IV)は、地中電線路に用いることができる。

2.低圧屋内配線のための金属管は、規定値未満の厚さのものをコンクリートに埋め込んではならない。

3.合成樹脂製可とう電線管のうち PF管は、自己消火性があり、屋内隠ぺい配管に用いることができる。

4.合成樹脂管内、金属管内及び金属製可とう電線管内では、電線に接続点を設けてはならない。

答え

  1

 

1.×

直接埋設式による地中埋設工事で使う電線は、VVFケーブル、VVRケーブル、EM-EEFケーブル、CVケーブルなどのケーブルを用いる。ビニル電線(IV)、屋外用ビニル絶縁電線(OW)、引込用ビニル絶縁電線(DV)などの電線は用いることができない。

 

2.◯

低圧屋内配線に使用する金属菅の厚さは、コンクリートに埋め込む場合、1.2mm以上とする。

 

3.◯

合成樹脂製可とう電線菅には、CD菅やPF菅が用いられている。PF菅は自己消火性がある(耐熱性)ため、屋内隠ぺい配管に用いることができる。

 

4.◯

フロアダクト内、セルラダクト内、合成樹脂菅内、金属菅内及び金属製可とう電線菅内等では、電線に接続点を設けない。接続する場合は、アウトレットボックス、プルボックス等の内部で行う。

[ No.18 ]
給水設備の給水方式に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.水道直結増圧方式は、水道本管から分岐した水道引込み管に増圧給水装置を直結し、各所に給水する方式である。

2.高置水槽方式は、一度受水槽に貯留した水をポンプで建物高所の高置水槽に揚水し、高置水槽からは重力によって各所に給水する方式である。

3. ポンプ直送方式は、水道本管から分岐した水道引込み管にポンプを直結し、各所に給水する方式である。

4. 圧力水槽方式は、受水槽の水をポンプで圧力水槽に送水し、圧力水槽内の空気を加圧して、その圧力によって各所に給水する方式である。

答え

  3

 

1.◯

水道直結増圧方式は、水道本管から分岐した水道引込み菅に増圧給水装置を直結し、各所に給水する方式である。低中層、中規模建物向きで受水槽、高置水槽ともに不要である。

 

2.◯

高置水槽方式(高置タンク方式)は、上水や井水を一度受水槽に貯水し、ポンプで屋上等の高置水槽に揚水し、この水槽から重力によって各所に給水する方式で、中層、中規模以上の建物の一般的な給水方式である。

 

3.×

ポンプ直送方式は、受水槽に貯水し、給水ポンプで直接加水した水を各所に給水する方式である。設問の記述は直結直圧方式である。

 

4.◯

圧力水槽方式は、上水や井水を一旦受水槽に貯水し、これをポンプで圧力水槽に送水し、圧力水槽内の空気を圧縮・加圧して、その圧力により各所に給水する方式である。建物の意匠上や地下街等の高置水槽を設けることができない場合等に設置する。

[ No.19 ]
建築物に設ける昇降設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。 ただし、特殊な構造及び使用形態のものを除くものとする。

1.乗用エレベーターの昇降路の出入口の床先とかごの床先との水平距離は、4 cm 以下とする。

2.群管理方式は、エレベーターを複数台まとめた群としての運転操作方式で、交通需要の変動に応じて効率的な運転管理を行うことができる。

3.火災時管制運転は、火災発生時にエレベーターを最寄階に停止させる機能である。

4.乗用エレベーターには、1人当たりの体重を 65 kg として計算した最大定員を明示した標識を掲示する。

答え

  3

 

1.◯

人または物が昇降路内に落ちることを防ぐため、昇降路の出入り口の床先と搬器の床先との間隔は、4㎝ 以下とする。

 

2.◯

エレベーターの群管理方式とは、絶えず変動するビル内の交通需要に応じて、エレベーター運転方式を適応的に選定し、複数台あるエレベーターを効率的に運転することを目的とする。

 

3.×

火災時管制運転は、火災発生時にエレベーターを避難階に呼び戻す機能である。この装置は防災センターで切換スイッチによる火災報知器の防炎信号によってすべてのエレベーターを一斉に避難階に呼び戻し帰着させる物である。(機械設備工事監理指針)

 

4.◯

常用エレベーターにあっては、1人当たりの体重を65kgとして計算する。最大積載量750kgのエレベーターの場合は、750÷ 65=11.54となるため、最大定員11名と明示する。

[ No.20 ]
請負契約に関する記述として、「公共工事標準請負契約約款」上、正しいものはどれか。

1.設計図書とは、設計図及び仕様書をいい、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書は含まない。

2.検査の結果不合格と決定された工事材料は、受注者が所定の期日以内に工事現場外に搬出しなければならない。

3.受注者は、発注者が設計図書を変更したために請負代金額が 1/3 以上減少したときは、契約を解除することができる。

4.発注者又は受注者は、工期内で請負契約締結の日から6月を経過した後に、賃金水準又は物価水準の変動により請負代金額が不適当となったと認めたときは、相手方に対して請負代金額の変更を請求することができる。

答え

  2

 

1.×

設計図書とは、図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質疑応答書をいう。(公共工事標準請負契約約款第1条現寸図その他これらに類する物(施工図・施工計画書等)を除く。)

 

2.◯

受注者は、検査の結果不合格と決定された工事材料については、当該決定を受けた日から所定の期日以内に工事現場外に搬出しなければならない。(同約款第13条第5項)

 

3.×

受注者(請負人)は発注者が設計図書を変更したために請負代金額が 2/3以上減少したときは、契約を解除することができる。(同約款第52条第二号)

 

4.×

発注者または受注者は、工期内で請負契約締結の日から12月を経過した後に日本国内における賃金水準または物価水準の変動により請負代金額が不適当となったと認めたときは、相手方に対して請負代金額の変更を請求することができる。(同約款第26条第1項)

1級建築施工管理技士 令和元年 学科 問題3解説

令和元年 1級建築施工管理技士 学科 問題3 解答解説

 

問題番号[ No.21 ]〜[ No.33 ]までの 13 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。

[ No.21 ]
乗入れ構台の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.乗入れ構台の支柱の位置は、基礎、柱、梁及び耐力壁を避け、5m 間隔とした。

2.乗入れ構台の幅は、車の通行を2車線とするため、5m とした。

3.垂直ブレース及び水平つなぎの設置は、所定の深さまでの掘削ごとに行うこととした。

4.垂直ブレースの撤去は、支柱が貫通する部分の床開口部にパッキング材を設けて、支柱を拘束した後に行うこととした。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

乗入れ構台の支柱の位置は、地下構造図と重ね合わせるなどして、基礎、柱、梁及び耐力壁の位置と重ならないように配置し、支柱の間隔は 3~6m程度として計画する

2.×

使用する施工機械、車両、アウトリガーの幅、配置及び動線等により決定する。通常、計画される幅員は、4~10mである。最小限1車線で 4m、2車線で 6m程度は必要である。

3.◯

垂直ブレース及び水平つなぎの設置は、取り付けられるようになったら、所定の深さまでの掘削ごとに取り付ける

4.◯

床開口部を貫通する支柱を床スラブパッキング材を設けて拘束し、水平荷重及び鉛直荷重に対して十分安全な剛性を保つことにより、固定度を高めた上であれば、ブレースを撤去することはできる。その場合、水平変形に対して十分留意する必要がある。

[ No.22 ]
土質試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.粒度試験により、細粒分含有率等の粒度特性を求めることができる。

2.液性限界試験及び塑性限界試験により、土の物理的性質の推定や塑性図を用いた土の分類をすることができる。

3.三軸圧縮試験により、粘性土のせん断強度を求めることができる。

4.圧密試験により、砂質土の沈下特性を求めることができる。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

粒度試験は、土の粒度組成をグラフ化し、土を構成する土粒子の粒径の分布状態を把握する試験である。均等係数や細粒分含有率など粒度特性を表す指標を得ることができる。(建築基礎設計のための地盤調査計画指針)

2.◯

液性限界試験、塑性限界試験の結果は、土の物理的性質の推定や塑性図を用いた土の分類(固体状・半固体状・塑性状・液体状)に用いられる。液性限界とは、土が塑性体から液体に移るときの境界の含水比である。また、塑性限界とは、土が塑性体から半固体に移るときの境界の含水率である。

3.◯

粘性土のせん断強度は、一面せん断試験、一軸圧縮試験、三軸圧縮試験によって求めることができる

4.×

圧密試験粘性土に荷重を加え、地盤の沈下を解析するために、必要な沈下特性(沈下量と沈下速度)を測定する試験である。

[ No.23 ]
地下水処理工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.釜場工法は、根切り部への浸透水や雨水を根切り底面に設けた釜場に集め、ポンプで排水する工法である。

2.ウェルポイント工法は、透水性の高い粗砂層から低いシルト質細砂層までの地盤に用いられる。

3.ディープウェル工法は、透水性の低い粘性土地盤の地下水位を低下させる場合に用いられる。

4.止水工法は、山留め壁や薬液注入などにより、掘削場内への地下水の流入を遮断する工法である。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

釜場工法は、根切り部へ浸出する地下水や雨水を、根切り底面よりやや深い集水ピット(釜場)に集め、ポンプで排水する工法である。

2.◯

ウェルポイント工法は、吸水菅を地中に設置し、真空ポンプにより強制的に地下水を集めて排水する工法で、透水性の高い粗砂層から低いシルト質細砂層程度の地盤に適用可能である。

3.×

ディープウェル工法は、掘削溝内・外にディープウェル(深井戸)を設置し、ウェル内に流入する地下水をポンプで排水させる工法である。砂層や砂礫層など、透水性の高い地盤で、排水量が多い場合に適している

4.◯

止水工法は、山留め壁や薬液注入などにより、掘削場内への地下水の流入を遮断する工法で、止水効果と地盤を強化うす効果が期待できる。

[ No.24 ]
既製コンクリート杭の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.中掘り工法では、砂質地盤の場合、先掘り長さを杭径よりも大きくする。

2.PHC 杭の頭部を切断した場合、切断面から 350 mm 程度まではプレストレスが減少しているため、補強を行う必要がある。

3.セメントミルク工法では、アースオーガーは掘削時及び引上げ時とも正回転とする。

4.杭の施工精度は、傾斜を 1/100以内とし、杭心ずれ量は杭径の 1/4 、かつ、100 mm以下とする。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

中掘り工法においては、周囲の地盤を緩めることになるため、掘削中に必要以上に先掘りを行ってはならない。特に砂質地盤の場合には、緩みやすいため、先掘り長さは、杭径以内になるよう掘削する

2.◯

PHC杭(プレテンション方式遠心力高強度プレストレストコンクリート杭)の杭頭を切断した場合は、切断面から350mm程度プレストレスが減少しているので、設計図書により補強を行う。(建築工事施工監理指針)

3.◯

オーガーを逆回転すると、オーガーに付着した土砂が落下するので逆回転させてはならず、オーガーの引上げ時にも正回転とする

4.◯

杭の施工精度として、一般的に施工完了後の杭心ずれ量(杭頭の水平方向の位置のずれ)は杭径の 1/4かつ100mm以下とし、杭の傾斜は 1/100以内とする。(JASS4)

[ No.25 ]
鉄筋コンクリート構造の配筋に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.径の異なる鉄筋を重ね継手とする場合、重ね継手長さは細い方の径により算定する。

2.壁縦筋の配筋間隔が下階と異なる場合、重ね継手は鉄筋を折り曲げずにあき重ね継手とすることができる。

3.180 °フック付き重ね継手とする場合、重ね継手の長さはフックの折曲げ開始点間の距離とする。

4.梁主筋を柱にフック付き定着とする場合、定着長さは鉄筋末端のフックを含めた長さとする。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

主筋等の継手の重ね長さは、径の異なる主筋等を継ぐ場合にあっては細い主筋等の径を用いることが規定されている。

2.◯

上・下階の縦筋の位置が異なるとき等、壁縦筋の配筋間隔が異なる場合は、あき重ね継手を用いてよく、配筋間隔の異なる鉄筋を無理に折り曲げることは避ける

3.◯

180° フック付き重ね継手の長さは、フックの折曲げ開始点間の距離とする。

4.×

梁主筋を柱にフック付き定着とする場合の定着長さは、鉄筋末端のフックは定着長さに含まない

[ No.26 ]
鉄筋のガス圧接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。 ただし、鉄筋の種類は SD 490 を除くものとする。

1.同一径の鉄筋の圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の 1.1 倍以上とする。

2.同一径の鉄筋の圧接部のふくらみの直径は、鉄筋径の 1.4 倍以上とする。

3.圧接端面の加工を圧接作業の当日より前に行う場合には、端面保護剤を使用する。

4.鉄筋の圧接部の加熱は、圧接端面が密着するまでは中性炎で行い、その後は還元炎で行う。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

圧接部のふくらみの長さ鉄筋径の 1.1倍以上とする。

2.◯

圧接部のふくらみの直径鉄筋径の 1.4倍以上とする。

3.◯

圧接端面は圧接の付着を害するものと取り除き、平滑に仕上げ、その周辺を軽く面取りする。この圧接端面の加工を圧接作業の当日より前に行う場合には、端面保護剤を使用する

4.×

圧接部の加熱は、圧接端面が相互に密着するまでは還元炎(アセチレン過剰炎)で行い、その後は火力の強い中性炎(標準炎)で、圧接面を中心としてバーナー揺動幅を鉄筋径の2倍程度としながら加熱する。

[ No.27 ]型枠支保工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.支柱に使用する鋼材の許容曲げ応力の値は、その鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の 3/4 の値のうち、いずれか小さい値とする。
2.スラブ型枠の支保工に軽量型支保梁を使用する場合、支保梁の中間部を支柱で支持してはならない。
3.支柱に鋼管枠を使用する場合、水平つなぎを設ける位置は、最上層及び5層以内ごととする。
4.支柱に鋼管枠を使用する型枠支保工の構造計算を行う場合、作業荷重を含む鉛直荷重の 2.5/100 に相当する水平荷重が作用するものとする。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

支柱として用いる鋼材の許容曲げ応力の値は、その鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の 3/4 の値のうち、いずれか小さい値の2/3の値以下としなければならない。

2.◯

軽量型支保梁を用いる場合は、支保梁の両端を支持する。中間部に鉛直上部方向の応力が生じると端部が外れる可能性があるため、中間部を支柱で支持してはならない。

3.◯

「最上階及び5層以内ごとの箇所において、型枠支保工の側面並びに枠面の方向及び交差筋かいの方向における5枠以内ごとの箇所に、水平つなぎを設け、かつ、水平つなぎの変位を防止すること。」と定められている。(労働安全衛生規則第242条第八号のロ)

4.◯

「鋼管枠を支柱として用いるものであるときは、当該型枠支保工の上端に、設計荷重の2.5/1000に相当する水平方向の荷重が作用しても安全な構造のものとすること。」と定められている。(労働安全衛生規則第240条第3項第三号)

[ No.28 ]
コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.単位水量は、185 kg/m3 以下とし、コンクリートの品質が得られる範囲内で、できるだけ小さくする。

2. 単位セメント量が過小の場合、ワーカビリティーが悪くなり、水密性や耐久性の低下などを招きやすい。

3. コンクリートの調合管理強度は、品質基準強度に構造体強度補正値を加えたものである。

4. コンクリートの調合強度を定める際に使用するコンクリートの圧縮強度の標準偏差は、コンクリート工場に実績がない場合、1.5 N/mm2 とする。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

コンクリートの品質を確保するために、単位水量は一般に185kg/m3以下とし、所要の品質が得られる範囲内で、できるだけ小さくする。単位水量が大きくなると乾燥収縮、ブリーディング、打込み後の沈降などが大きくなり、コンクリートの品質、特に耐久性上好ましくない。

2.◯

単位セメント量は、水和熱及び乾燥収縮によるひび割れを防止する観点から、できるだけ少なくすることが必要である。しかし、単位セメント量が過小であると、コンクリートのワーカビリティが悪くなり、型枠内へのコンクリートの充填性の低下、じゃんか、す、打継ぎ部における不具合の発生、水密性の低下等を招きやすい。

3.◯

コンクリートの調合管理強度は、調合強度を管理する場合の基準となる強度で、品質基準強度(設計基準強度を耐久設計基準強度の大きい方)に構造体強度補正値を加えた値とする。(JASS5)

4.×

コンクリートの調合強度は、コンクリートの調合を決定する際に目標とする圧縮強度であり、コンクリートの調合管理強度とコンクリートの圧縮強度の標準偏差から定められる。コンクリート工場に実績がない場合、2.5N/mm2または(調合管理強度)× 0.1の大きい値とする。

[ No.29 ]
コンクリートの運搬及び打込みに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.暑中コンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、40 °C 以下とした。

2.コンクリートの圧送負荷の算定に用いるベント管の水平換算長さは、ベント管の実長の 3倍とした。

3.コンクリート内部振動機(棒形振動機)による締固めにおいて、加振時間を1箇所当たり 10 秒程度とした。

4.外気温が 25 °C を超えていたため、練混ぜ開始から打込み終了までの時間を 90 分以内とした。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

暑中コンクリートの荷下し時のコンクリート温度は、原則として35℃以下とする。(JASS5)

2.◯

コンクリートポンプによる圧送には、圧送負荷を算定し、ポンプの能力と対比し判定する。圧送負荷の算定時、ベンド菅の水平換算長さは実長の3倍の長さがあるものとして計算する。

3.◯

コンクリート内部振動機で締め固める場合の加振時間は、打ち込まれたコンクリートがほぼ水平になり、コンクリート表面にセメントペーストが浮き上がる時間を標準とし、1箇所5〜15秒の範囲とするのが一般的である。

4.◯

コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間の限度は、外気温が25℃未満で120分以内、25℃以上で90分以内とする。(JASS5)

[ No.30 ]鉄骨工事の溶接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.現場溶接において、風速が 5 m/s であったため、ガスシールドアーク半自動溶接の防風処置を行わなかった。
2.490 N/mm2 級の鋼材の組立て溶接を被覆アーク溶接で行うため、低水素系溶接棒を使用した。
3.溶接部の表面割れは、割れの範囲を確認したうえで、その両端から 50 mm 以上溶接部をはつり取り、補修溶接した。
4.完全溶込み溶接の突合せ継手における余盛りの高さが 3 mm であったため、グラインダー 仕上げを行わなかった。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

風速が 2 m/s 以上は禁止である。適切な防風処置を行なえば、可能である。

2.◯

490 N/mm2級以上の高張力鋼の組立て溶接を被覆アーク溶接で行う場合には、耐割れ性、耐気孔性、耐衝撃性に優れた低水素系の溶接棒を使用する。延性や靭性等の機械的性能も良好であり、重要構造物や、良好な耐割れ性が要求される高強度鋼や低合金鋼、厚板の溶接等にも広く使用されている。

3.◯

溶接部の表面割れの範囲を確認した上で、その両端から 50mm以上をアークエアガウジングではつり取って船底型の形状に仕上げ、補修溶接する。

4.◯

余盛りは応力集中を避けるため、過大であったり、ビード表面形状に不整がある場合は、滑らかに仕上げるが、3mm以下の場合は不陸がなければグラインダー仕上げは不要である。完全溶込み溶接の突合わせ継手における余盛りの高さは、溶接幅が15mm未満のときは3mm以下、15mm以上25mm未満のときは4mm、25mm以上のときは(4/25)×B(B:溶接幅)

[ No.31 ]鉄骨の建方に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.スパン間の計測寸法が正規より小さい場合は、ワイヤによる建入れ直しの前に、梁の接合部のクリアランスへのくさびの打込み等により押し広げてスパンを調整する。
2.柱の溶接継手のエレクションピースに使用する仮ボルトは、普通ボルトを使用して全数締め付ける。
3.梁のフランジを溶接接合、ウェブを高力ボルト接合とする工事現場での混用接合は、原則として高力ボルトを先に締め付け、その後溶接を行う。
4.建方時の予期しない外力に備えて、1日の建方終了ごとに所定の補強ワイヤを張る。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

計測寸法が正規より小さいスパンは、ボルト接合部のクリアランスに矢(くさび)を打ち込む、またはジャッキ等を用いて押し広げる。柱のねじれを伴う場合は、ねじれを修正する側に矢(くさび)を打ち込む。

2.×

柱の溶接継手のエレクションピースの仮ボルトは、建方に必要な本数だけが設けられているので、高力ボルトを使用して全数締め付ける

3.◯

ウェブを高力ボルト接合、フランジを工事現場溶接とする混用接合は、原則としてウェブの高力ボルトを先行して本締めまで行った後に、フランジ溶接を行う。

4.◯

建方直後の鉄骨の軸組は、仮ボルトのみによって架構の安全が保たれている。建方中のクレーンブームや吊り荷の接触、または強風・突風等の予想外の外力に対して最低限の安全を確保するため、1日の建方終了ごとに所定の補強ワイヤを張る。

[ No.32 ]木造建築物に用いる大断面集成材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.梁材の曲がりの許容誤差は、長さの 1/1,000 とした。
2.ボルトの孔の間隔の許容誤差は、± 2 mm とした。
3.柱材の長さの許容誤差は、± 3 mm とした。
4.集成材にあけるドリフトピンの孔の径の許容誤差は、0 mm 〜 + 2 mm とした。

答え

  4

木造建築物に用いる大断面集成材の許容誤差は下表のとおりである。

集成材にあるドリフトピンの孔の径の許容誤差は、特記がなければピン径と同径とする。したがって、4が不適当である。

[ No.33 ]揚重運搬機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工事用エレベーターは、定格速度が 0.75 m/s を超える場合、次第ぎき非常止め装置を設ける。
2.ロングスパン工事用エレベーターは、搬器の傾きが 1/8 の勾配を超えた場合、動力を自動的に遮断する装置を設ける。
3.ジブクレーンの定格荷重は、負荷させることができる最大の荷重から、フック等のつり具の重量に相当する荷重を控除したものである。
4.傾斜ジブ式タワークレーンは、重量物のつり上げに用いられ、狭い敷地で作業することができる。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

工事用エレベーターは、定格速度が 0.75 m/s を超える場合、次第ぎき非常止め装置を設ける。非常止め装置には、「早ぎき式(はやぎきしき)」と「次第ぎき式(しだいぎきしき)」があり、次第ぎき式は、かごの落下を徐々に減速させる。

2.×

ロングスパン工事用エレベーターは、機械自体の傾きが 1/10の勾配を超えると自動停止装置が作動するように設定しなければならない。(エレベーター構造規格第32条)

3.◯

クレーンの定格荷重とは、その構造及び材料並びにジブ若しくはブームの傾斜角及び長さまたはジブの上におけるトロリの位置に応じて負荷させることができる最大の荷重から、それぞれフック等のつり具の重量に相当する荷重を控除した荷重をいう。(クレーン等安全規則第1条第六号)

4.◯

傾斜ジブ式タワークレーンは、ジブを支点から斜めに突き出して荷をつるため、ジブを支点から水平に突き出した水平ジブ式タワークレーンに比べて高揚程で、比較的重量の大きい荷をつり上げるのに適している。建物の敷地が狭く重機などの設置スペースのない建物の建設に適している。

1級建築施工管理技士 令和元年 学科 問題4解説

令和元年 1級建築施工管理技士 学科 問題4 解答解説

問題番号[ No.34 ]〜[ No.45 ]までの 12 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。

[ No.34 ]
改質アスファルトシート防水トーチ工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ALC パネル下地のプライマーは、使用量を 0.4 kg/m2とし、2回に分けて塗布した。

2.コンクリート下地の入隅に、角度 45 度の成形キャント材を使用した。

3.絶縁工法による ALC パネル下地の短辺接合部は、あらかじめ幅 50 mmの絶縁用テープを張り付けた。

4.密着工法による平場部の張付けにおいて、シートの3枚重ね部は、中間の改質アスファルトシート端部を斜めにカットした。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

アスファルトプライマーの塗り付け量は、ALC パネル下地では、吸込みを考慮して 0.4 kg/m2 とし、2回に分けて塗布する。

2.×

改質アスファルトシート防水では、入隅は直角、出隅 45度の面取りとする。(建築工事監理指針)

3.◯

ALCパネル下地の短辺接合部は、ルーフィングシート張付けに先立ち、目地部に幅 50mm程度の絶縁用テープを張付ける

4.◯

改質アスファルトシートの3枚重ね部は、水みちになりやすいので、中間の改質アスファルトシートの端部を斜めにカットするか、焼いた金ごてを用いて角部を滑らかにするなどの処理を行う

[ No.35 ]
///塗膜防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ゴムアスファルト系防水材の室内平場部の総使用量は、固形分 60 % のものを使用するため、4.5 kg/m2 とした。

2. ウレタンゴム系絶縁工法において、通気緩衝シートの相互の重ね幅は、50mm とした。

3. ゴムアスファルト系吹付工法において、防水材の塗継ぎの重ね幅は、100mm とした。

4. ウレタンゴム系防水材の立上り部の総使用量は、硬化物密度1.0 Mg/m3 のものを使用するため、2.0 kg/m2 とした。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

ゴムアスファルト系室内仕様防水材の総使用量は、固形分 60 %(質量)を使用した場合、4.5 kg/m2 とする。 ただし、固形分がこれ以外の場合にあっては、所要塗膜厚を確保するように使用量を換算する。(公共建築工事標準仕様書)

2.×

通気緩衝シートの継ぎ目は突付けとし、突付け部分は 50 mm以上の幅の接着剤付きポリエステル不織布または織布のテープを張り付ける。

3.◯

塗膜防水では、防水材の塗継ぎの重ね幅は 100mm以上、補強布の重ね幅は50mm以上とする。

4.◯

ウレタンゴム系防水材の立上がり部の総使用量は、硬化物密度 1.0 Mg/m3のものを使用する場合は、 2.0 kg/m2とし、平場部では 3.0 kg/m2 とする。

[ No.36 ]
外壁張り石工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.湿式工法において、石厚 40mm の花こう岩の取付け用引金物は、径 4.0mm のものを使用した。

2.乾式工法のロッキング方式において、ファスナーの通しだぼは、径 4.0mm のものを使用した。

3.湿式工法において、流し筋工法の埋込みアンカーは、設置位置を 450mm の間隔とし、縦筋を通り良く設置した。]

4.乾式工法において、コンクリート躯体の表面の精度を± 10mm とし、石材の裏面から躯体の表面までの取付け代は、40mm とした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

花こう岩の湿式工法において、石厚40mm以上の場合の取付け用引金物は、径 4.0mm長さ50mmのものを使用する。

2.◯

乾式工法のロッキング方式において、ファスナーの通しだぼは、上下固定で、径 4.0mm埋め込み長さ20mmのものを使用する。

3.◯

湿式工法における、流し筋工法の埋込みアンカーは、縦横 450mm 程度の間隔であらかじめコンクリート躯体に打ち込み、縦筋を通りよく溶接にて設置する。 これを引金物緊結下地とする。

4.×

乾式工法における、石材の裏面から躯体の表面までの取付け代は、70 mmを標準とする。外壁湿式工法では 40mm程度とする。

[ No.37 ]
金属製折板葺屋根工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.重ね形折板の重ね部分の緊結ボルトは、流れ方向の間隔を 600mmとした。

2.端部用タイトフレームは、けらば包みの下地として、間隔を 1,800mmで取り付けた。

3.けらば包みの継手は、60mm 以上重ね合わせ、間に定形シール材を挟み込んで留めた。

4.軒先の落とし口は、折板の底幅より小さく穿孔し、テーパー付きポンチで押し広げ、 5mmの尾垂れを付けた。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

重ね形折板は、各山ごとにタイトフレームに固定し、重ね部の緊結ボルトは流れ方向の間隔を 600 mm程度とする。

2.×

端部用タイトフレーム(けらば用タイトフレーム)は、けらば包みの下地として、間隔を 1,200mmで取り付ける

3.◯

けらば包みの継手は、60mm以上重ね合わせ、間に定形シール材を挟み込んで留める。

4.◯

折板の底に設ける雨水の落とし口は円形にし、孔の周囲に 5~15mm程度の尾垂れを付け、裏側への雨水の回り込みを防止する。

[ No.38 ]
特定天井に関する記述として、最も不適当なものはどれか。 ただし、特定天井の構造方法は仕様ルートによるものとする。

1.野縁受けの接合は、相互にジョイントを差し込んだうえでねじ留めとし、ジョイント部を1 m 以上の間隔で千鳥状に配置した。333

2.吊り材は、天井面の面積 1 m2 当たり1本以上とし、釣合いよく配置した。

3.勾配屋根における吊り材は、勾配をもつ屋根面に対して垂直に設置した。

4.地震時に有害な応力集中を生じさせないため、天井面の段差部分にクリアランスを設けた。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

野縁や野縁受けの隣り合うジョイントの位置は、互いに 1m以上離し、千鳥状に配置しなければならない

2.◯

吊りボルト、斜め部材等が釣合いよく(天井面の面積 1 m2 当たり1本以上)配置され、また天井面が十分な面内剛性を有し、一体的に挙動するものであること。

3.×

勾配屋根における吊り材は、勾配をもつ屋根面に対して垂直ではなく、天井面構成部材を鉛直方向に支持するように設置しなければならない。

  勾配屋根における吊り材の設置方法

4.◯

地震時に有害な応力集中を生じさせないため、天井面の段差や折れ曲がりで吊り長さが異なる天井部分が隣接する場合は、クリアランス(一定のすき間)を確保する。

[ No.39 ]
内壁コンクリート下地のセメントモルタル塗りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.モルタルの塗厚の合計は、20 mm を標準とした。

2.下塗りは、吸水調整材の塗布後、乾燥を確認してから行った。

3.下塗り用モルタルの調合は、容積比でセメント1:砂3とした。

4.中塗りや上塗りの塗厚を均一にするため、下塗りの後に、むら直しを行った。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

内壁をモルタル仕上げとする場合、塗厚の標準値は 20 mmとする。

2.◯

吸水調整材塗布後の下塗りまでの間隔は、一般に1時間以上とし、乾燥を確認してから行う。

3.×

下塗り用モルタルの調合(容積比)は、セメント:砂=1:2.5 とし、むら直し・中塗り・上塗りはセメント:砂=1:3 とする。

4.◯

むら直しとは、塗厚または仕上げ厚が大きいとき、あるいは塗りむらが著しいときに下塗りの上にモルタルを塗り付けることをいう。これにより中塗り、上塗りの塗厚が均一となる。セメントモルタル塗りの工程は、下塗り → むら直し → 中塗り → 上塗りの順で行う。

[ No.40 ]
鋼製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ステンレス鋼板製のくつずりは、表面仕上げをヘアラインとし、厚さを 1.5 mm とした。

2. 丁番やピポットヒンジなどにより、大きな力が加わる建具枠の補強板は、厚さを 2.3 mm とした。

3. 外部に面する両面フラッシュ戸の見込み部は、下部を除いた三方を表面板で包んだ。

4. 外部に面する両面フラッシュ戸の表面板は、鋼板製のものを用い、厚さを 0.6 mm とした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

ステンレス鋼板製のくつずりは、表面仕上げをヘアラインとし、厚さを 1.5 mmとする。建具枠は、くつずり、下枠等あとでモルタル充填が困難な部分では、あらかじめ裏面に鉄線等を取り付けてモルタル詰めを行ったのちに取り付ける。

2.◯

丁番やピポットヒンジなどにより、大きな力が加わる建具枠の補強板は、厚さは 2.3 mmとする。

3.◯

外部に面する戸は、下部を除き三方の見込み部を表面板で包む。 (建築工事監理指針)

4.×

鋼製建具に使用する戸の表面板の厚さは、特記による。特記がなければ、片開き、親子開き及び両開き戸の1枚の有効開口幅が 950mm、または有効高さが 2,400mmを超える場合そ除き 1.6mmとする。鋼製軽量建具に使用する戸の表面板の厚さは、0.6mmとする。

[ No.41 ]
コンクリート素地面の塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、塗料に流動性をもたせるため、水で希釈して使用した。

2.2 液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて、気温が 20 °C であったため、下塗り及び中塗りの工程間隔時間を3時間とした。

3.アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、下塗り、中塗り、上塗りともに同一材料を使用し、塗付け量はそれぞれ 0.10 kg/m2 とした。

4.つや有合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、気温が 20 °C であったため、中塗りの工程間隔時間を5時間とした。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

合成樹脂エマルションペイントは、合成樹脂共重合エマルションやラテックスをベースとして、着色顔料や添加剤等を加えた水系塗料で、溶剤ではなく、水による希釈で塗料に流動性をもたせることができる

2.×

2液形ポリウレタンエナメル塗り(2-UE)においては、中塗りの工程間隔時間の上限は7日である。

気温20℃の場合、中塗り後の工程間隔時間は3時間以上とするのはアクリル樹脂系非水分散形塗料塗りである。

3.◯

アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの工程は、下塗り、中塗り、上塗りの順に同じ塗料を用い、塗付け量はともに 0.10 kg/m2 とする。 (JASS18)

4.◯

つや有合成樹脂エマルションペイント塗りの中塗りの工程間隔時間は5時間以上とする。

[ No.42 ]
ビニル床シート張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.防湿層のない土間コンクリートへの床シートの張付けには、ゴム系溶剤形の接着剤を使用した。

2.熱溶接工法において、溶接作業は、床シートを張付け後 12 時間以上経過してから行った。

3.床シートを立ち上げて幅木としたため、幅木天端は、シリコーンシーリング材で処理した。

4.寒冷期の施工で、張付け時の室温が5°C以下になることが予想されたため、採暖を行い、 室温を 10 °C 以上に保った。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

湯沸室洗面所等の湿気及び水の影響を受けやすい箇所に用いる接着材は、耐水性に優れたエポキシ樹脂系接着材を用いる

2.◯

溶接作業は、床シートを張付け後 12 時間以上経過し、接着が硬化してから行う。

3.◯

床シートを立ち上げて幅木とする場合、天端処理は、シリコーンシーリング材で行う。

4.◯

施工時の作業環境温度が5°C以下になると、床タイルは硬く下地になじみにくくなり、割れ・欠けが生じるものもある。されに接着剤のオープンタイム、張り付け可能時間が極端に長くなるので、ジェットヒーターなどで採暖を行い、 室温を 10 °C 以上に保つようにする。(JASS26)

[ No.43 ]
鉄筋コンクリート造建築物の内部の断熱工事に関する記述として、最も不適当なものは どれか。

1.硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、厚さ 5 mm の下吹きの後、多層吹きの各層の厚さは各々 30 mm 以下とした。

2.硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、冷蔵倉庫で断熱層が特に厚かったため、1日の最大吹付け厚さを 100 mm とした。

3. 押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において、断熱材の継目は突付けとし、テープ張りをしてコンクリートの流出を防止した。

4.押出法ポリスチレンフォーム張付け工法において、躯体面とのすき間が生じないように断熱材を全面接着とし、密着させて張り付けた。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、断熱材の吹き付け厚さが 30mmの場合は多層吹きとし、1層の厚さは各々 30 mm以下とする。(JASS24)

2.×

冷蔵倉庫など断熱層が特に厚い施工であっても、1日の総吹付け厚さ80mmを超えないものとする

3.◯

押出法ポリスチレンフォーム打込み工法の場合には、断熱材の継目は突付けとし、テープ張りをしてコンクリートの流出を防止する。

4.◯

押出法ポリスチレンフォーム張付け工法においては、躯体面と躯体との境界面にすき間が生じるとその部分に結露が生じやすくなるため、接着は全面接着とし、密着させて張り付ける

[ No.44 ]
ALC 間仕切壁パネルの縦壁フットプレート構法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.間仕切壁パネルの上部は、面内方向に可動となるように取り付けた。

2.間仕切壁パネルを一体化するため、パネル長辺側面相互の接合にアクリル樹脂系接着材を用いた。

3.間仕切壁パネルの上部は、間仕切チャンネルへのかかり代を確保して取り付けた。

4.外壁パネルと間仕切壁パネルの取合い部は、パネル同士のすき間が生じないように突付けとした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

縦壁フットプレート構法は、パネル上部が面内(水平)方向に可動となるように取り付ける。その取付け方法は、間仕切チャンネル、間仕切L形金物及び定規アングルの3種類の方法による。

2.◯

縦壁パネルを一体化するため、パネル長辺側面相互の接合にアクリル樹脂系接着材を用いる。

3.◯

間仕切壁フットプレート構法では、パネル上部と間仕切チャンネルの溝底との間に20mmのクリアランスを設けると共に、パネル上部の間仕切チャンネルへ10〜20mm程度のかかり代を確保して取り付ける

4.×

間仕切壁パネルの出隅部、入り隅部の縦目地及び外壁や柱等とパネルとの間には、20mm程度の伸縮目地を設けてパネルを取り付ける。(JASS21)

[ No.45 ]
内装改修工事における既存床仕上げ材の撤去に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ビニル床シートは、ダイヤモンドカッターで切断し、スクレーパーを用いて撤去した。

2.モルタル塗り下地の合成樹脂塗床材は、ケレン棒と電動はつり器具を用いて下地モルタルと共に撤去した。

3.乾式工法のフローリング張り床材は、丸のこで適切な寸法に切断し、ケレン棒を用いて撤去した。

4.磁器質床タイルは、目地をダイヤモンドカッターで縁切りし、電動はつり器具を用いて撤去した。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

ビニル床シート、ビニル床タイル等の既存床仕上げ材の撤去は、一般のカッター等で切断し、スクレーパー等により他の仕上げ材に損傷を与えないように行う。ダイヤモンドカッターは、下地モルタルの浮き部分等を撤去するために、健全部分と縁を切る場合などに用いる。その場合、ダイヤモンドカッターの刃の出は、モルタル厚さ以下とする。

2.◯

合成樹脂塗床材の撤去には、ケレン棒、電動ケレン棒、電動はつり器具、ブラスト機械などを用いる。撤去範囲は、下地がモルタル塗りの場合はモルタル下地とも、コンクリート下地の場合はコンクリート表面から 3mm程度とする。

3.◯

乾式工法のフローリング張り床材は、丸のこで適切な寸法に切断し、ケレン棒を用いて撤去する。 フローリング張り床材の撤去・モルタル埋込み工法によるフローリングの場合は、電動ピック、のみなどを用いて、フローリングとモルタル部分をはつり取り、切片などを除去する。

4.◯

磁器質床タイルは、張替え部をダイヤモンドカッターで縁切りし、タイル片を電動はつり器具により周囲を損傷しないように撤去する。

1級建築施工管理技士 令和元年 学科 問題5解説

令和元年 1級建築施工管理技士 学科 問題5 解答解説

問題番号[ No.46 ]〜[ No.50 ]までの 5 問題は、全問題を解答してください。

[ No.46 ]
建築工事における事前調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.鉄骨工事の計画に当たり、周辺道路の交通規制や架空電線について調査した。

2.セメントによって地盤改良された土の掘削に当たり、沈砂槽を設置して湧水を場外へ排水することとしたため、水質調査を省略した。

3.解体工事の計画に当たり、近隣建物の所有者の立会いを得て、近隣建物の現状について調査した。

4.工事車両出入口、仮囲い及び足場の設置に伴う道路占用の計画に当たり、歩道の有無と道路幅員について調査した。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

鉄骨工事の施工計画に際しては、周辺道路の交通規制や電気・ガスなどの埋設物、道路幅員や電柱・架空電線の状況、電波障害などの周辺環境への影響などにについて、あらかじめ調査・確認しておかなければならない。

2.×

セメントによって地盤改良された土の掘削においては、沈砂槽を設置して湧水を場外へ排水する場合でも、水質調査を行って、pHの値が水質基準を満足していることを確認し、必要がある場合は中和処理を実施してから排水処理をする。

3.◯

解体工事に伴い、境界杭の変動、地盤の沈下、既存構造物の損傷などのおそれがあるため、事前に近隣建物の所有者の立会いのもと、近隣建物の現状について調査を行う。

4.◯

工事用の車両出入口計画は、通行人や安全な交通の妨げにならないように配慮し、建築物敷地の前面道路の電柱その他の設備や交差点の位置などを確認して計画する。

[ No.47 ]
仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.女性作業員用の仮設便房数は、同時に就業する女性作業員 20人以内ごとに1個を設置する計画とした。

2.工事用使用電力量の算出に用いる、コンセントから使用する電動工具の同時使用係数は、 1.0 として計画した。

3.工事用使用電力が 60kW 必要となったため、低圧受電で契約する計画とした。

4.アースドリル工法による掘削に使用する水量は、1台当たり10 m3/h として計画した。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

便所の設置に関しては以下のように労働安全衛生規則第628条に定められている。

・男性用と女性用に区別すること。

男性用大便器の便房の数は、同時に就業する男性労働者60人以内ごとに1箇所以上とすること。

男性用小便器の箇所数は、同時に就業する男性労働者30人以内ごとに1箇所以上とすること。

女性用便所の便房の数は、同時に就業する女性労働者20人以内ごとに1箇所以上とすること。

2.◯

工事用使用電力量の算出において、コンセントから使用する電動工具の同時使用係数は、0.7~1.0とする。(JASS2)

3.×

工事用電力は、電力会社に申し込むことになるが、供給約款では、一般に、契約電力が 50 kW未満の場合は低圧受電50kW以上-2,000kW未満の場合は高圧受電、2000kW以上の場合は特別高圧受電となる。

4.◯

アースドリル工法による掘削は、ドリリングバケットを回転させて地盤を掘削、バケット内部に収納された土砂を地上に排土する方法で行う。孔壁は、表層部では表層ケーシングを用い、それ以深は安定液で保護する。掘削時に使用する水量の目安は、1台当たり 10 m3/h として計画する。

[ No.48 ]
鉄筋コンクリート造建築物の躯体解体工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.階上作業による解体では、外壁を残しながら中央部分を先行して解体することとした。

2.階上作業による解体では、解体重機の移動にコンクリート塊を集積したスロープを利用するため、解体重機と合わせた最大荷重に対して補強することとした。

3.地上作業による解体では、作業開始面の外壁から1スパンを上階から下階に向かって全階解体し、解体重機のオペレーターの視界を確保することとした。
4.地上外周部の転倒解体工法では、1回の転倒解体を高さ2層分とし、柱3本を含む2スパンとした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

階上作業による解体では、外壁を残しながら中央部分を先行して解体を行う。外壁の転倒工法等を用いる場合は、同時に解体する部分の一体性を確保するとともに、過度な力を加えず内側に安全に転倒させる。

2.◯

階上作業による解体では、解体に重機等を使用する場合は、重機、コンクリート塊等の重量、振動または衝撃に対して、床・はり等にサポートジャッキ等を使用し適切な補強を行い、安全性を確保する。

3.◯

地上作業による解体では、作業開始面の外壁から1スパンを上階から下階に向かって全階解体し、解体重機のオペレーターの視界を確保する。

4.×

外壁の転倒解体は、安全上、転倒体の大きさが過大とならないように、高さは1層分以下とし、1回の転倒解体部分は、原則として、柱2本以上を含み、幅は1~2スパン程度とする。また、転倒体の壁の縁切り、柱脚部の転倒視点の欠き込み等に当たっては、事前に転倒防止措置を講ずる。(建築物解体工事共通仕様書第3章第8節)

[ No.49 ]
鉄筋コンクリート造建築物の耐震補強にかかる躯体改修工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。 ただし、d は異形鉄筋の呼び名の数値とする。

1.壁上部と既存梁下との間に注入するグラウト材の練混ぜにおいて、練上り時の温度が 10 ~ 35 °C となるように、練り混ぜる水の温度を管理することとした。

2.既存壁に増打ち壁を設ける工事において、シアコネクタを型枠固定用のセパレータとして兼用することとした。

3.柱の溶接閉鎖フープ巻き工法に用いるフープ筋の継手は、溶接長さが 4d の両側フレア溶接とすることとした。

4.柱の連続繊維補強工法に用いる炭素繊維シートの水平方向の重ね継手は、柱の各面に分散して配置することとした。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

耐震改修工事における現場打ち鉄筋コンクリート耐震壁の施工においては、現場施工時に水温管理を十分に行い、水温10℃以上の水を用いてグラウト材を練り上げ、練り上げ時の温度が10~35℃の範囲のものを注入する。

2.◯

既存壁に増打ち壁を設ける工事において、アンカーとして用いるシアコネクタを型枠固定用のセパレータとして兼用してよい

3.×

溶接閉鎖フープ巻き工法のフープの継手は、溶接長さが片側10d以上もしくは両側 5d以上のフレア溶接とる。

また、端部は共に2d以上の余長が必要である。鉄筋径D16以下に使用できる。(標準仕様書)※ 建告1463号では D25以下

>> 配筋検査のつぼ >> 継手及び定着

4.◯

連続繊維補強工法において、炭素繊維シートの重ね長さは、母材破断を確保できる長さとし、200mm以上とする。また、重ね継手位置は各面に分散させる。

[ No.50 ]
鉄筋コンクリート造建築物の仕上改修工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.外壁コンクリートに生じた幅が 1.0 mm を超える挙動しないひび割れは、可とう性エポキシ樹脂を用いた Uカットシール材充填工法を用いることとした。

2.タイル張り仕上げ外壁の改修工事において、1箇所の張替え面積が 0.2 m2 であったため、タイル部分張替え工法を用いることとした。

3. 既存合成樹脂塗床面の上に同じ塗床材を塗り重ねるため、接着性を高めるよう、既存仕上げ材の表面を目荒しすることとした。

4. 防火認定の壁紙の張替えは、既存壁紙の裏打紙の薄層の上に防火認定の壁紙を張り付けることとした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

Uカットシール充填工法は、コンクリートやモルタルなどのひび割れをダイヤモンドカッターなどで U字型にカッティングして弾性シーリング材等を充填する工法で、挙動しない 1.0mmを超えるひび割れ、及び挙動する 0.2mm以上 1.0mm以下のひび割れに適用する。挙動のおそれのあるひび割れには可とう性エポキシ樹種、軟質形エポキシ樹脂、ほとんど挙動しないひび割れには硬質形エポキシ樹脂を用いる。(※設問では、「挙動しないひび割れに可とう性エポキシ樹脂を用いることとした」となっているが、一般的に可とう性エポキシ樹脂は「挙動するひび割れに用いる」。最も不適当なもののは「4」であるので、正解は「4」となる。

2.◯

タイル部分張り替え工法は、既存の下地モルタル等がある場合及び1箇所当たりの張替え面積が 0.25m2程度以下の場合に適用する。

3.◯

既存合成樹脂塗床材を除去せずに同じ塗床材で塗り重ねる場合は既存仕上げ材の表面をディスクサンダー等により目荒らしして接着性を高める

4.×

防火認定の壁紙の張替えは、既存の壁紙を残さず撤去し、下地基材面を露出させてから新規の壁紙を張り付けなければ防火材料に認定されない。裏打紙の薄層は、水を塗布し糊を溶解させて残さず撤去する。

1級建築施工管理技士 令和元年 学科 問題6解説

令和元年 1級建築施工管理技士 学科 問題6 解答解説

問題番号[ No.51 ]〜[ No.70 ]までの 20 問題は、全問題を解答してください。
[ No.51 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 既製コンクリート杭は、やむを得ず2段に積む場合、同径のものを並べ、まくら材を同一 鉛直面上にして仮置きする。

2.高力ボルトは、工事現場受入れ時に包装を開封し、乾燥した場所に、使用する順序に従って整理して保管する。

3.フローリング類は、屋内のコンクリートの上に置く場合、シートを敷き、角材を並べた上に保管する。

4.防水用の袋入りアスファルトは、積重ねを 10 段以下にし、荷崩れに注意して保管する。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
既製コンクリート杭を仮置きする場合、水平な地盤上にまくら材を置き、ロープ・くさび等を使用して、固定する。2段以上に積む場合は、各段のまくら材を同一鉛直面上に配置する。また、杭の荷積みや荷下ろしは、必ず杭を2点で支持しながら行う。ただし、両端を支持すると大きな曲げモーメントが加わり、杭体を損傷するおそれがあるため、両端から杭長の 1/5 の点で支持する。(JASS4)
2.×
高力ボルトは、工事現場受入時には包装を開封せずに、規格、種類、径、長さ、ロット番号ごとに整理して乾燥した場所に保管し、施工直前に包装を解く
3.◯
フローリング類は、コンクリートの上に置く場合は、シートを敷き、角材を並べたう上に保管し、湿気による変形に留意する
4.◯
防水用の袋入りアスファルトを屋外で保管する場合は、シート等を掛けて雨露に当たらず、土砂等に汚れないようにする。なお、積み重ねて保管するときは、荷崩れに注意して10段を超えて積まないようにする。(公共建築工事指針)

[ No.52 ]
労働基準監督署長への計画の届出に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

1.積載荷重が 0.25 t 以上でガイドレールの高さが 18 m以上の建設用リフトを設置する場合は、当該工事の開始の日の 30日前までに、届け出なければならない。

2.つり上げ荷重が 3 t 以上のクレーンを設置する場合は、当該工事の開始の日の 30日前までに、届け出なければならない。

3.高さが 30mの建築物を解体する場合は、当該仕事の開始の日の 30日前までに、届け出なければならない。

4.ゴンドラを設置する場合は、当該工事の開始の日の 30日前までに、届け出なければならない。

答え

  3
[ 解答解説 ]
1.◯
ガイドレールの高さが 18 m以上で積載荷重が250kg以上の建設用リフトを設置する場合、工事の開始日の 30日前までに建設用リフト設置届を提出しなくてはならない。
2.◯
つり上げ荷重が 3 t 以上のクレーンを設置する場合は、工事開始日の 30日前までにクレーン設置届を提出しなければならない。
3.×
高さが31 mを超える建築物または工作物の建設、改造、解体または破壊の仕事を行う場合、当該仕事の開始の日の 14日前までに、建築工事計画届を提出しなければならない。
4.◯
ゴンドラを設置する場合、当該工事の開始の日の 30日前までにゴンドラ設置届を提出しなければならない。
指定地域内において特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、原則として、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに、市町村長に届け出なければならない。

[ No.53 ]
建築工事の工期と費用の一般的な関係として、最も不適当なものはどれか。

1.工期を短縮すると、直接費は増加する。

2.工期を短縮すると、間接費は増加する。

3.直接費と間接費の和が最小となるときが、最適な工期となる。

4.総工事費は、工期を最適な工期より短縮しても、延長しても増加する。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
直接費とは、主要材料費、直接工賃金等からなり、工期を短縮させるためには、人員を増やす等の措置が必要となり、直接工賃金が増加する
2.×
間接費は、現場管理費や共通仮設費等からなり、工期が短縮すると現場管理費(家賃、光熱費、直接工賃金以外の給料等)は減少する
3.◯
最適工期とは、直接費と間接費を合わせた総工事費が最小となるときの工期である。
4.◯
総工事費は直接費と間接費を合わせたものである。工期を最適な工期よりも短縮すると、直接費の増加が大きくなるため

総工事費は増加する。(最たる例が突貫工事である)また、最適工期を超えて延長すると、間接費が工期に比例し増えるため、総工事費は増加する

[ No.54 ]
工程計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.工事計画は、まず各作業の手順計画を立て、次に日程計画を決定する。

2.全体工期に制約がある場合は、積上方式(順行型)を用いて工程表を作成する。

3.工程短縮を図るために行う工区の分割は、各工区の作業数量がほぼ均等になるように計画する。

4.工程表は、休日や天候を考慮した実質的な作業可能日数を暦日換算した日数を用いて作成する。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
工事計画は、手順計画と日程計画に大別して考えることができる。工程を立てるにあたっては、まず数量や仕様を確認して仕事の順序を明らかにして、手順を決定することが行われ(手順計画)、次にその手順に沿って各作業の日程を決定して工期を計算(日程計画)するのが一般的である。
2.×
工期が指定され、工事内容が比較的容易で、また施工実績が多い工事の場合に、各工程に所要日数を割り当てる割付方式が多く用いられる。積上げ方式は、工事内容が複雑で、施工実績や経験が少ない工事の場合に多く用いられる。
3.◯
工期短縮を図るために行う工区の分割は、各工区の作業数量が同等になるようにする。同等にならない場合は、主要な職種の作業数量が同等になるように分割する。局所的に過度に作業を集中させると無駄が多く効率が落ちるため、バランスよく調整することで工期短縮にもつながる。
4.◯
工程表は、延べ日数(作業に実際に必要な日数)に対して、休日及び天候等を考慮した実質的な作業可能日数を算出し、暦日換算を行い作成する。

[ No.55 ]
一般的な事務所ビルの新築工事における鉄骨工事の工程計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.トラッククレーンによる鉄骨建方の取付けピース数は、1台1日当たり 70ピースとして計画した。

2.鉄骨のガスシールドアーク溶接による現場溶接は、1人1日当たり 6 mm 換算で 80m として計画した。

3.建方用機械の鉄骨建方作業占有率は、60 % として計画した。

4.タワークレーンのクライミングに要する日数は、1回当たり 1.5 日として計画した。

答え

  1
[ 解答解説 ]
1.×
トラッククレーンの揚重ピース数は、1日当たり 20~30ピース程度とされている。タワークレーンの場合は、1日当たり 40~50ピース程度とされている。
2.◯
鉄骨のガスシールドアーク溶接による現場溶接は、1人1日当たり 6 mm 換算で 80 m として計画する。一般に現場溶接の1日の平均能率は、溶接技能者者1人当たり箱形(ボックス)柱で2本、梁で5箇所といわれている。
3.◯
ビルの鉄骨建方において、タワークレーンの鉄骨建方作業占有率(鉄骨建て方作業のみに占める時間の割合)は、同時期作業が多く、補助クレーンを用いる場合でおおむね 60%前後とされている。
4.◯
タワークレーンの1回のクライミングに要する日数は、準備を含めて 1.5 日である。

[ No.56 ]
ネットワーク工程表に用いられる用語に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ディペンデントフロート(DF)は、最遅結合点時刻(LT)からフリーフロート(FF) を減じて得られる。

2.最遅開始時刻 (LST) は、後続の最早結合時刻 (ET) から作業日数 (D )を減じて得られる。

3.最遅結合点時刻 (LT )は、工期に影響することなく、各結合点が許される最も遅い時刻である。

4.最早終了時刻 (EFT) は、最早開始時刻 (EST )に作業日数 (D) を加えて得られる。

答え

  1
[ 解答解説 ]
1.×
ディペンデントフロート(DF)は、後続作業のトータルフロート(TF)に影響を与えるフロート(余裕)である。DFはその作業で使用しなければ、後続作業において、使用できるフロートのことである。フリーフロート(FF)はその作業についてだけ使用できるフロートで、FF内でのフロートに使用においては、後続作業のフロートに影響を及ぼさない。つまり DF = TF - FF となる。
2.◯
最遅開始時刻(LST)は、全体の工期を守るために、必ず着手しなければならない時刻である。よって、後続作業の最早結合時刻(ET)から作業日数(D)を減じた値となる
3.◯
最遅結合点時刻(LT)は、結合点において、全体の工期を守るために(工期に影響することなく)、必ず工事が終了していなければならない最も遅い時刻である。
4.◯
最早終了時刻(EFT)は、作業が最も早く完了できる時刻である。よって、最早開始時刻(EST)に作業日数(D)を加えて得られる

[ No.57 ]
施工品質管理表(QC 工程表)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.管理項目には、重点的に実施すべき項目を取り上げる。

2.工事監理者、施工管理者及び専門工事業者の役割分担を明記する。

3.管理値を外れた場合の処置をあらかじめ定めておく。

4.工種別又は部位別とし、管理項目は作業の重要度の高い順に並べる。

答え

  4
[ 解答解説 ]
1.◯
QC工程表の管理項目は、重点的に実施すべき項目をあげて決める
2.◯
管理方法として、工事監理者、施工管理者、専門工事業者のそれぞれの役割分担明確にしておく。
3.◯
異常時の処置として、管理値を外れた場合の処置をあらかじめ定めておく。
4.×
施工品質管理表(QC工程表)は、施工プロセスの流れに沿って個々の管理項目を誰が、いつ、どこで、そのようなデータを基にチェックし、良否を判断するのかをまとめたものである。工種別に作成されることが多いが部位別に作成されることもある。施工品質管理表は、一連の作業を重要度の高い順に並べるものではない

[ No.58 ]
品質管理の用語に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.品質マニュアルとは、品質に関して組織を指揮し、管理するためのマネジメントシステムを規定する文書のことである。

2.工程(プロセス)管理とは、工程(プロセス)の出力である製品又はサービスの特性のばらつきを低減し、維持する活動のことである。

3.是正処置とは、起こりうる不適合又はその他の望ましくない起こりうる状況の原因を除去するための処置のことである。

4.母集団の大きさとは、母集団に含まれるサンプリング単位の数のことである。

答え

  3
[ 解答解説 ]
1.◯
品質マニュアルとは、「組織の品質マネジメントシステムを規定する文書である」と、ISO9001に定義されている。品質マネジメントシステムは階層的に構築されていて、品質マニュアルは最上位層に位置し、その下の階層に手順書、作業指示書などが置かれる。
2.◯
工程(プロセス)管理とは、プロセス(各工程)の1つ1つを重視し、作業標準を順守して所要の品質が確保できるようにすることである。検査を厳しく行うのではなく、プロセスを管理し安定させるのが品質管理の原則である。
3.×
是正処置とは、「検出された不適合又はその他の検出された望ましくない状況の原因を除去するための処置」と定義されており、再発防止のために行う処置をいう。「起こりうる不適合又はその他の望ましくない起こりうる状況の原因を除去するための処置」とは、予防処置のことであり、発生を未然に防止するために行う処置である。
4.◯
標本調査を行うとき、調査する対象の集団全体を母集団という。母集団に含まれるサンプリング単位の数を母集団の大きさという。母集団の一部分として母集団から取り出されたものを標本といい、取り出した資料の個数を標本の大きさという。

[ No.59 ]
コンクリート工事における品質を確保するための管理値に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.普通コンクリートの荷卸し地点における空気量の許容差は、± 2.5 % とした。

2.目標スランプフローが60cmの高流動コンクリートの荷卸し地点におけるスランプフローの許容差は、± 7.5 cmとした。

3.スランプ 18 cm の普通コンクリートの荷卸し地点におけるスランプの許容差は、± 2.5 cm とした。

4.構造体コンクリートの部材の仕上りにおける柱、梁、壁の断面寸法の許容差は、0 mm 〜+ 15 mm とした。

答え

  1
[ 解答解説 ]
1.×
コンクリートの空気量の許容差は、± 1.5 % である。(JIS A 5308)
2.◯
高強度コンクリートの荷卸し地点におけるスランプフローの許容差は、50cmの場合、± 7.5cm、60cmの場合、± 10 cmとする。ただし、高流動コンクリートのスランプフローは55cm以上65cm以下とし、許容差は、± 7.5 cm で、50cmを下回らず、70cmを超えないものとする
3.◯
コンクリートスランプ値は、スランプ 8cm以上 18cm以下の場合は許容差は ± 2.5 cm である。(JASS5)
4.◯
構造体コンクリートの部材の仕上りにおける柱、梁、壁の断面寸法の許容差は、0 mm ~+20 mmと定められている。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.60 ]
品質管理に用いる図表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.パレート図は、観測値若しくは統計量を時間順又はサンプル番号順に表し、工程が管理状態にあるかどうかを評価するために用いられる。

2.ヒストグラムは、計量特性の度数分布のグラフ表示で、製品の品質の状態が規格値に対して満足のいくものか等を判断するために用いられる。

3.散布図は、対応する2つの特性を横軸と縦軸にとり、観測値を打点して作るグラフ表示で、主に2つの変数間の相関関係を調べるために用いられる。

4.チェックシートは、欠点や不良項目などのデータを取るため又は作業の点検確認をするために用いられる。

答え

  1
[ 解答解説 ]
1.×
パレート図とは、不良品、欠点、故障等の発生個数を現象や要因別に分類し層別にして、出現頻度の大きい順に並べるとともに累積和を示した図である。重要な問題を発見し、どの不良項目を重点的に取り組むかを明確にするために用いる。設問の記述は管理図のことである。
2.◯
ヒストグラムは、ばらつきをもつデータの範囲をいくつかの区間に分け、各区間を底辺とし、その区間で出現度数を高さとした長方形(柱状)を並べた図で、柱状図とも呼ばれる。データの分布の形を見たり、規格値との関係(目標値からのばらつき状態)をみることができる。計量特性の度数分布のグラフ表示で、製品の品質の状態が規格値に対して満足のいくものか等を判断するために用いられる。
3.◯
散布図とは、2つの特性を横軸と縦軸にとり、観測値を打点して作るグラフ表示である。QCの7つ道具の1つとして広く普及しており、主に2つの変数間の相関関係を調べるために用いられる。
4.◯
チェックシートには、欠点や不良項目などのデータを取るための記録用チェックシートと作業の点検確認をするために用いられる点検用チェックシートがある

[ No.61 ]
品質管理における検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.購入検査は、提出された検査ロットを購入してよいかどうかを判定するために行う検査で、品物を外部から購入する場合に適用する。

2.中間検査は、製品として完成したものが要求事項を満足しているかどうかを判定する場合に適用する。

3.間接検査は、長期にわたって供給側の検査結果が良く、使用実績も良好な品物を受け入れる場合に適用する。

4. 巡回検査は、検査を行う時点を指定せず、検査員が随時工程をパトロールしながら行う場合に適用する。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
提供品の受入可否判定のための検査であり、特に外部からの購入品の検査を購入検査という。不適合品が生産工程に流入したり顧客に流入したりすることを防止し、品質上の責任の所在を明確化する。購入検査において、供給者側が行った検査結果を必要を応じて確認することによって、購入者の試験を省略する検査を間接検査という。
2.×
中間検査は、不良なロットが次工程に渡らないように、事前に取り除くことによち損害を少なくするために行う。完成したものを判定する検査ではない。
3.◯
間接検査は、購入検査において供給者側が行なった検査結果を必要に応じて確認することによって購入者の試験を省略する検査をいう。長期にわたって供給側の検査結果が良く、使用実績も良好な品物を受け入れる場合に適用する。
4.◯
巡回検査は、検査を行う時点を指定せず、検査員が随時工程をパトロールしながら行う場合に適用する。 現場に存在する顕在化した、あるいは潜在化している問題について確認し、是正することである。

[ No.62 ]
鉄筋のガス圧接継手の外観検査の結果、不合格となった圧接部の処置に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.圧接部のふくらみの直径や長さが規定値に満たない場合は、再加熱し加圧して所定のふくらみに修正する。

2.圧接部の折曲がりが規定値を超えた場合は、再加熱して折曲がりを修正する。

3.圧接部における鉄筋中心軸の偏心量が規定値を超えた場合は、再加熱し加圧して偏心を修正する。

4.圧接面のずれが規定値を超えた場合は、圧接部を切り取って再圧接する。

答え

  3
[ 解答解説 ]
主な不良圧接の補正は、下記のとおりである。
不良圧接の補正
【 切り取って再圧接 】
①鉄筋中心軸の偏心量が d/5 を超えた場合
②圧接面のずれが d/4を超えた場合
③ふくらみが著しいつば形の場合
【 再加熱の修正 】
①ふくらみの径が 1.4dに満たない場合
②ふくらみの長さが 1.1dに満たない場合
③圧接部に著しい曲がりを生じた場合(明らかな折れ曲がり)
※ d:鉄筋径
圧接部のおける相互の鉄筋の圧接面のずれ及び鉄筋中心軸の偏心量が規定値を超えた場合等は、切り取って再圧接しなければならない。再加熱にて修正を行うのは、ふくらみの径・長さが足りない場合、著しい折れ曲がりが生じた場合に限られる。
ゆえに、3が不適当となる。

[ No.63 ]
仕上げ工事における試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.アルミニウム製外壁パネルの陽極酸化皮膜の厚さの測定は、渦電流式測定器を用いて行った。

2.室内空気中に含まれるホルムアルデヒドの濃度測定は、パッシブ型採取機器を用いて行った。

3.現場搬入時の造作用針葉樹製材の含水率は、高周波水分計を用いて 15 % 以下であることを確認した。

4.塗装素地のモルタル面のアルカリ度は、pH コンパレータを用いて塗装直前に pH 12 以下であることを確認した。

答え

  4
[ 解答解説 ]
1.◯
アルミニウム製外壁パネルの陽極酸化皮膜の厚さの測定は、渦電流式測定器または顕微鏡による断面法もしくは平面法によって行う。
2.◯
室内空気中に含まれるホルムアルデヒド等の化学物質の濃度測定を実施する場合には、パッシブ型採取機器を用いるパッシブ法と、吸引ポンプなどの動力を用いて強制的に採取するアクティブ法が用いられる。
3.◯
現場搬入時の含水率は公共建築工事標準仕様書に、構造材で20%以下、下地材・造作材で 15%以下と定めている。現場における含水率の測定には、電気抵抗式水分計または高周波水分計を使用する。
4.×
塗装素地のモルタルやコンクリートの場合、含水率や高周波水分計を用いて、アルカリ度(pH値)pH コンパレータを用いて塗装直前に測定を行い、アルカリ度(pH値)9 以下、含水率 8%以下であることを確認する。

[ No.64 ]
労働災害に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.一般に重大災害とは、一時に3名以上の労働者が死傷又は罹病した災害をいう。

2.年千人率は、1,000 人当たりの1年間に発生した死傷者数で表すもので、災害発生の頻度を示す。

3.労働損失日数は、死亡及び永久全労働不能の場合、1件につき 5,000 日としている。

4.強度率は、1,000 延労働時間当たりの労働損失日数で表すもので、災害の重さの程度を示す。

答え

  3
[ 解答解説 ]
1.◯
労働災害とは、労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、または作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、または死亡することをいい、物的災害は含まれていない。労働災害における重大災害とは、不休災害を含む一時に3名以上の労働者が死傷または罹病した災害をいう。
2.◯
年千人率は、労働者1,000 人当たりの1年間に発生した死傷者数で示すもので、発生頻度を示す。
年千人率 =(1年間の死傷者数 / 1年間の平均労働者数)× 1,000
3.×
労働損失日数は、死亡及び永久全労働不能障害(身体障害等級1〜3級)の場合、7,500日/件とする。
4.◯
強度率とは、1,000 延労働時間当たりの労働損失日数で表すもので、災害の重さの程度を示す。
強度率=延労働損失日数 / 延労働時間数× 1,000

[ No.65 ]
市街地の建築工事における公衆災害防止対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.高さ 10m の鉄骨造2階建の建築工事を行うため、工事現場周囲に高さ 3m の鋼板製仮囲いを設置した。

2. 建築工事を行う部分の高さが地盤面から 20 m のため、防護棚を2段設置した。

3. 外部足場に設置した防護棚は、水平面となす角度を 20 度とし、はね出し長さは建築物の外壁面から水平距離で 2 m とした。

4. 外部足場に設置した工事用シートは、シート周囲を 35 cm の間隔で、すき間やたるみが生じないように緊結した。

答え

  3
[ 解答解説 ]
1.◯
木造の建築物で高さが 13mもしくは軒の高さが 9mを超えるものまたは木造以外の建築物で2以上の階数を有するものについて、建築工事等を行う場合においては、工事期間中工事現場の周囲に高さが 1.8m以上の仮囲いを設けなければならない。(建築基準法施行令第136条の2の20)
2.◯
防護棚は、建築工事を行う部分が、地盤面からの高さが 10m以上の場合にあっては1段以上、20m以上の場合にあっては2段以上設ける。(建設工事公衆災害防止対策要綱 建築工事編第28の1)
3.×
防護棚は外壁面からではなく、足場(骨組み)の外側から水平距離で 2m以上突出させ、水平面となす角度を 20度以上とし、風圧、振動、衝撃、雪荷重等で脱落しないよう骨組みに堅固に取り付ける。(同要綱第28の4)
4.◯
落下物に対する防護のための工事用シートの取付けに当たっては、一般的に、足場に水平支持材を垂直方向 5.5mごとに設け、シートの周囲を 40cm以内の間隔で、すき間及びたるみがないように足場に緊結する。

[ No.66 ]
作業主任者の選任に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

1. 同一場所で行う型枠支保工の組立て作業において、型枠支保工の組立て等作業主任者を2名選任した場合、それぞれの職務の分担を定めなければならない。

2. 鉄筋コンクリート造建築物の支保工高さが 3m の型枠支保工の解体作業においては、型枠支保工の組立て等作業主任者を選任しなくてもよい。

3. 高さが 4m の鋼管枠組足場の組立て作業においては、足場の組立て等作業主任者を選任しなくてもよい。

4. 高さが 5m の鉄骨造建築物の骨組みの組立て作業においては、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者を選任しなければならない。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
作業を同一の場所で行う場合において、当該作業に係る作業主任者を2人以上選任したときは、それぞれの作業主任者の職務の分担を定めなければならない。 (労働安全衛生規則第17条)
2.×
労働災害を防止するための管理を必要する作業で、政令で定めるものについては、当該作業の区分に応じて、作業主任者を選任し、その者に労働者の指揮等を行わせなければならない。型枠支保工の組立てまたは解体の作業は、(設置する支保工の高さに関係なく)作業主任者を選任しなければならない。(労働安全衛生法施行令第6条第十四号)
3.◯
つり足場、張出し足場、高さが 5m以上の足場の組立て、解体、変更の作業においては、作業主任者を選任しなければならない。よって、高さが 4 m の鋼管枠組足場の組立て作業には、作業主任者の選任は不要である。(労働安全衛生法施行令第6条第十五号)
4.◯
建築物の骨組みまたは塔であって、金属製の部材により構成されるもの(その高さが 5 m以上であるものに限る) の組立て、解体または変更の作業は、作業主任者を選任しなければならない。(労働安全衛生法施行令第6条第十五号の二)

[ No.67 ]
足場に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.つり足場の作業床の幅は、40 cm 以上とする。

2.単管足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向 5.5 m 以下、水平方向 5 m 以下とする。

3.枠組足場の使用高さは、通常使用の場合、45 m 以下とする。

4.移動はしごの幅は、30 cm 以上とする。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
足場(一側足場を除く)における高さ 2m以上の作業場所に設けなければならない作業床は、幅 40cm以上、床材間のすき間 3cm以下とする。ただし、つり足場の場合は、床材間のすき間があってはならない。(労働安全衛生規則第563条1項第二号)
2.×
単管足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向 5m 以下、水平方向 5.5m 以下とする。(労働安全衛生規則第570条1項第五号イ)
3.◯
枠組足場の使用高さは旧JIS A8951(鋼管足場)で、「原則として45mを超えてはならない」と定められている。
4.◯
移動はしごは、丈夫な構造とし、著しい損傷、腐食等がなく、幅は 30 cm 以上とすること。また、すべり止め装置の取付けその他転位そ防止するために必要な措置そ講じなければならない。(労働安全衛生規則第527条)

[ No.68 ]
事業者の講ずべき措置に関する記述として、「労働安全衛生規則」上、誤っているものはどれか。

1.事業者は、高さが 2 m 以上の箇所で作業を行う場合、強風、大雨、大雪等の悪天候のため危険が予想されるときは、労働者を作業に従事させてはならない。

2.事業者は、 2 m 以上の箇所から物体を投下する場合、適当な投下設備を設け、監視人を置く等労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。

3.事業者は、高さが 2 m 以上の箇所で作業を行う場合、作業に従事する労働者が墜落するおそれのあるとき、作業床を設けなければならない。

4.事業者は、高さが 2 m 以上の箇所で作業を行う場合、作業を安全に行うため必要な照度を保持しなければならない。

答え

  2
[ 解答解説 ]
1.◯
事業者は、高さが 2 m 以上の箇所で作業を行う場合において、強風、大雨、大雪等の悪天候のため、当該作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業に労働者を従事させてはならない。(労働安全衛生規則第522条)
2.×
事業者は、 3m 以上の箇所から物体を投下するときは、適当な投下設備(ダストシュート等)を設け、監視人を置く等労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。(労働安全衛生規則第536条)
3.◯
事業者は、高さが 2m 以上の箇所で作業で、墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、作業床を設けなければならない。(労働安全衛生規則第518条)
4.◯
高さが 2 m 以上の箇所で作業を行うときは、当該作業を安全に行うため必要な照度を保持しなければならない。(労働安全衛生規則第523条)

[ No.69 ]
クレーン又は移動式クレーンに関する記述として、「クレーン等安全規則」上、誤っているものはどれか。

1.移動式クレーンの運転についての合図の方法は、事業者に指名された合図を行う者が定めなければならない。

2.クレーンに使用する玉掛け用ワイヤロープひとよりの間において、切断している素線の数が 10 % 以上のものは使用してはならない。

3.つり上げ荷重が 0.5 t 以上 5 t 未満のクレーンの運転の業務に労働者を就かせるときは、当該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。

4.強風により作業を中止した場合であって移動式クレーンが転倒するおそれがあるときは、ジブの位置を固定させる等の措置を講じなければならない。

答え

  1
[ 解答解説 ]
1.×
事業者は、移動式クレーンを用いて作業を行うときは、移動式クレーンの運転について一定の合図を定め、合図を行う者を指名して、その者に合図を行わせなければならない。ただし、運転者に単独で作業を行わせるときは、この限りでない。(クレーン等安全規則第71条第1項)
指名されたものが合図を定めるのではなく、定めるのは事業者である
2.◯
以下のいずれかに該当するワイヤロープをクレーン、移動式クレーンまたはデリックの玉掛用具として使用してはならない。
ワイヤロープひとよりの間において素線の数の10%以上の素線が切断しているもの
・直径の減少が公称径の7%をこえるもの
・キンクしたもの
キンク:ワイヤのよりが局部的に詰まったり戻ったりしているもの
・著しい形くずれまたは腐食があるもの
(クレーン等安全規則第215条)
3.◯
移動式クレーンを除く、つり上げ荷重が 5t 未満のクレーンの運転業務は、特別の教育を受けた者であれば就くことができる。(クレーン等安全規則第21条第1項第一号)
4.◯
事業者は、強風により作業を中止した場合であって移動式クレーンが転倒するおそれがあるときは、移動式クレーンのジブの位置を固定させる等により移動式クレーンの転倒による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。 (クレーン等安全規則第74条の4)

[ No.70 ]
屋内作業場において、有機溶剤業務に労働者を従事させる場合における事業者の講ずべ き措置として、「有機溶剤中毒予防規則」上、誤っているものはどれか。

1.有機溶剤濃度の測定を必要とする業務を行う屋内作業場について、原則として6月以内ごとに2回、定期に、濃度の測定を行わなければならない。

2.原則として、労働者の雇い入れの際、当該業務への配置換えの際及びその後6月以内ごとに1回、定期に、所定の事項について医師による健康診断を行わなければならない。

3.有機溶剤業務に係る局所排気装置は、3月を超えない期間ごとに1回、定期に、有機溶剤作業主任者に点検させなければならない。

4.有機溶剤業務に係る局所排気装置は、原則として1年以内ごとに1回、定期に、所定の事項について自主検査を行わなければならない。

答え

  3
[ 解答解説 ]
1.◯
有機溶剤を扱う屋内作業場について、6月以内ごとに1回、定期に当該有機溶剤の濃度を測定しなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第28条第2項)
有機溶剤濃度の測定を必要とする業務を行う屋内作業場について、原則として6月以内ごとに2回、定期に、濃度の測定を行わなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第28条第2項)
2.◯
常時従事する労働者に対し、雇入れの際、当該業務への配置換えの際及びその後6月以内ごとに1回、定期に、所定の項目について医師による健康診断を行わなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第29条第2項)
3.×
屋内作業場等で有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、作業場所に、有機溶剤の蒸発の発生源を密閉する設備、局所排気装置を設けなけらばならない。有機溶剤作業主任者の職務として、局所排気装置、プッシュプル型換気装置または全体換気装置を1月を超えない期間ごとに点検しなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第19条の2第二号)
4.◯
局所排気装置は、1年以内ごとに1回、定期に、自主検査を行わなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第20条第2項)