1級建築施工管理技士 鉄骨工事 鉄骨造の耐火被覆

建築品質 鉄骨造


037)鉄骨造の耐火被覆は認定による

鉄骨の耐火被覆に使う製品には岩綿の吹付け材(湿式・半湿式)や、巻き付けタイプの岩綿マット、けい酸カルシウム板などの耐火成形板、セラミック系の吹付け材、耐火塗料などがある。それぞれ耐火材料として認定を取得しており、設計段階で使う材料は決められている。施工に当たって認定仕様・条件を満足しなければならない。

1.EV機械室や通信機械室などの耐火被覆材は飛散しない仕様にする

直天井(鉄骨躯体あらわし)の居室や天井チャンバー、エレベーター機械室やエレベーターシャフト、通信機械室などは耐火被覆材の岩綿などが飛散しないようにしなければならない。湿式岩綿の吹付けかい岩綿マット、耐火成形板などにする。

2.吹付け耐火被覆材は吹付け厚の管理が重要

吹付けに当たって、必要吹付け厚さを確保できるよう管理ピンをセットするなどの施工管理が重要である。

3.耐火被覆を欠損させてはならない

鉄骨の柱や梁に仕上げの下地金物を取り付けるときは、耐火被覆を欠損させないような取付けとする。空隙のできるような取付けは不可である。


鉄骨の耐火被覆

4.耐火塗料は維持管理が必要

耐火塗料は使用場所や環境の条件によって劣化するため、経年の状態を確認し、劣化の状況によっては塗装の補修や改修をする必要がある。特に外部に耐火塗料を用いた場合は、劣化が早く進む。竣工後建築主や建物管理者が維持管理することになるので、採用時(設計時)に十分に説明しなければならない。

5.耐火塗料の塗り厚管理

耐火塗料はわずか数mm厚の塗装で、火災時には塗料が発泡して耐火性能を発揮する。薄い塗り厚で耐火性能を発揮するため、特に塗り厚管理が重要である。塗装面積と使用材料の量と、サンプリングで塗り厚を管理する。平滑に仕上げたい場合は、下地の平滑性と同時に塗装段階で研磨などの工程が入るので、特に厳しく塗り厚を管理する。




耐火被覆平滑仕上げの工程(例)