配筋標準 07 柱

配筋検査のつぼ⑦ 柱


7° .柱

7-1 柱の定着・カットオフ筋長さおよび継手位置

①継手はガス圧接、重ね継手を示し、それ以外の継手の仕様は構造図による。

②H0はすべての方向の柱内法高さの最大値とする。

③柱主筋の定着は以下による。

( 1 ) 柱頭主筋の定着:
柱に取り付く最も高い梁下端からL2以上かつ最も高い梁天端から15d以上とする。

( 2 )柱脚主筋の定着:
柱に取り付く最も低い梁天端からL2かつ最も低い梁下端から15d以上とする。

④カットオフ筋長さは以下による。

( 1 )柱頭カットオフ筋:
柱に取り付く大梁の最も低い梁下端からH0/2 + 15d以上とする。

( 2 )柱脚カットオフ筋:
柱に取り付く大梁の最も高い梁天端からH0/2 + 15d以上とする。


★ポイント


①取り付く梁にレベル差がある場合の柱内法高さH0は、各方向(中柱では通常4方向)の柱内法高さを比較して、最大となる寸法とする。
(最も低い柱脚側梁天端~最も高い柱頭側梁下端ではない。)

②柱頭主筋の定着長さは、最も高い梁下端からL2以上かつ最も高い梁天端から15d以上。

③柱脚主筋の定着長さは、最も低い梁天端からL2以上かつ最も引く梁下端から15d以上。

④柱頭主筋のカットオフ筋長さは、柱に取り付く大梁の最も低い梁下端からH0/2 + 15d以上。

⑤柱脚主筋のカットオフ筋長さは柱に取り付く大梁の最も高い梁天端からH0/2 + 15d以上とする。

⑥柱脚に継手を設けられない範囲を決定するためのDは、X、Yで大きい方の柱成とする。

⑦継手を設けられない範囲の起点は、柱脚側は柱に取り付く大梁の最も高い梁天端、柱頭側は最も引く梁下端である。(取り付く大梁にレベル差がある場合は継手可能範囲が小さくなるため、加工等に注意する)



7-2 柱の仕口部(柱・梁の接合部)

①柱の仕口部の範囲は構造図による。構造図に記載のない場合は柱に取り付く全ての梁成が重なる範囲を柱の仕口部とする。(図 7-2-1)

②直交梁がない場合、柱の仕口部の範囲はないものとする。( 図 7-2-2)

③柱の仕口部帯筋の範囲は、図7-2-3 による。

④柱の仕口部帯筋は構造図による。





★ポイント


⑧柱に取り付け全ての梁成が重なる範囲を仕口部とする。(構造図に記載のある場合はそれに従う)

⑨直交梁がない場合は仕口部なし。(上、下階柱の帯筋仕様が異なり、その境界が構造図に記載されていない場合は、監理者と協議する。)

⑩梁上第1帯筋位置は、最も低い低い梁の上端直上(2方向の梁主筋が接している場合はその上)とし、梁下第1帯筋位置は、最も高い梁下端(コンクリート面)とする。その間を仕口部帯筋とする。

⑪第1帯筋は、上(下)階の柱の帯筋を同じ配筋とする。

⑫仕口部帯筋の配筋要領は、構造図による。(種類、径、ピッチ、副帯筋の本数)

★柱帯筋と仕口部帯金の配筋が異なる場合は、仕口部帯金の範囲に特に注意する。

★上階の梁上第1帯金は下階コンクリート打込み前に梁種菌直上に配筋する。(第1帯筋は、スラブ筋の下にくるので梁配筋時(スラブ配筋前)にセットする)


7-3 定着

①最上階柱頭の柱主筋の定着は構造図による。構造図に記載のない場合は、 図7-3-1 による。

②柱脚部の定着は 図7-3-2~図7-3-5による。

★ポイント


①最上階柱頭の柱主筋の定着は、構造図による。構造図に記載のない場合は、 図7-3-1 による。

②四隅の柱主筋は、梁成内に直線部分でL2h以上かつ梁上端筋直下までのばし、180° フック定着とする。
柱成が小さく、直線部分でL2hが確保できない場合は監理者と協議する。

③四隅以外の主筋は、梁成が十分大きく、梁成内でL2以上確保できる場合は、梁上端筋直下まで伸ばして直線定着としてよい。

直線定着できない場合は、梁成内に直線部分でL2h以上かつ梁上端筋直下まで伸ばし、90° フック定着(余長8d以上)とする。
さらに梁成が小さく、直線部分でL2hが確保できない場合は監理者と協議する。

★途中階で上に柱がない場合も 図7-3-1に従う。

★最上階で逆梁が取り付く柱の主筋は、スラブ天端で止めず、逆梁上端筋直下まで伸ばす。

★水勾配がある場合は、柱主筋の止まりの位置が低くならないように、主筋長さを勾配に合わせて調整する。

★2段筋がある場合は、フックが特に混み合うので事前に納まりの検討が必要。




★ポイント


④梁幅が柱幅より大きい場合は、仕口部に梁のあばら筋を配筋する。
梁内の柱帯筋の有無・仕様は構造図による。

⑤陸立ち柱の主筋は、梁成内に直線定着でL2h以上かつ梁下端筋直上まで伸ばし、90° フック定着(余長8d以上)とする。(梁成が小さく、直線部分L2hが確保できない場合は監理者と協議する)


7-4 柱主筋の折り曲位置および帯筋

①柱主筋の折り曲げ位置は、梁の主筋間隔内でとる。
(図7-4-1)

②柱主筋を折り曲げて通し筋をする場合(図7-4-1)の梁上帯筋は、上端柱帯筋と同径・同本数とし2セットとする。



★ポイント


⑥柱主筋を折り曲げて通し筋とする場合の梁上端筋直上の帯筋は、上階柱帯筋と同径・同本数で2セットとする。

⑦柱主筋を通し筋としない場合の定着方法は、図7-4-2に従う。
(図7-3-1 の最上階柱頭主筋の定着方法と、図7-1-1の柱脚主筋の定着方法の組み合わせとなっている。)