1級建築施工管理技士 実地 経験記述 解答例②

施工経験記述 解答例②


出題例4

建築工事において、下記の①~⑤のうち2つを選び、工程を順調に進めるために行った処置又は対策と、それを行った理由を、それぞれ具体的に2つずつ記述せよ。(選択した番号を所定の欄に記入すること)

①足 場

②作業環境

③搬出入

④揚 重

⑤仮設建物


【 攻略のポイント 】

仮設備の計画を、「工程」の観点から見直して工程を円滑に進捗させる仮設備とは、次のような点に留意する。

①仮設備は作業の動線を考慮して計画されているか。

②仮設備は労働者の作業を容易にするため、高さ、幅、照明などを考慮した作業性に支障のない計画となっているか。

③労働者が安心して施工できる構造・規格を有する仮設備となっているか。

④第三者、労働者への災害を防止し、工程を順調に進める仮設備となっているか。

【 解答例 】
①足 場

[ 対処又は対策 ]
移動電線を足場に配線し、ガード付電灯を設置した。

[ 理由 ]
①作業時に必要な照度を確保し、作業効率を向上するため。

②照度の必要な箇所に移動させることで作業性を確保するため。

②作業環境

[ 対処又は対策 ]
仮囲い、防振溝、遮音シートを設置した。

[ 理由 ]
①仮囲いで、現場内立入禁止措置を行い、作業を安全に行うため。

②騒音・振動を低減し、現場環境を保全し円滑に作業を進めるため。

③搬出入

[ 対処又は対策 ]
搬出入口に扉を設け2名の誘導員を設置した。

[ 理由 ]
①交通量を円滑にし、搬出入を容易にし作業量を確保するため。

②歩行者との接触事故を防止し、搬出入を工程通りに行うため。

④揚 重

[ 対処又は対策 ]
動線を考慮して配置を定め、作業能力に余裕のあるものを選定した。

[ 理 由 ]
①動線を考慮して揚重機を配置し、効率的に所定重量を揚重するため。

②揚重運転、玉掛業務を円滑に進捗させるため。

⑤仮設建物

[ 対処又は対策 ]
作業が把握しやすい位置に現場事務所を配置した。

[ 理 由 ]
①動線上の作業を確認し工程との差異を確認するため。

②現場事務所と作業場の連絡を密にし、指示を的確に出すため。

出題例5

建築の仮設工事において、下記の仮設物が設置後に、倒壊、崩壊、転倒することを防止するため、その組立て時に何をどう確認するか、それぞれ2つ具体的に記述せよ。ただし、確認する内容は、それぞれ異なる記述とする。なお、使用資機材に不良品はないものとし、施工計画に誤りはないものとする。

①鋼板製仮囲い(高さ 3mとする)

②乗入れ構台

③傾斜ジブ式クライミングクレーン
(呼称クレーン能力 15 t・mとする)


【 攻略のポイント 】

仮設物の倒壊や崩壊を防止するには、全体を見渡して3つの側面で考える。

①材料・品質の確保と堅固な構造の確保

②組立時の措置

③作業前の点検と補修

(1)仮囲い(高さ3mの鋼板製)
仮囲いは、風に対する耐力で求められる。

①単菅支持柱の根入れを十分深く入れる。

②単菅支持柱を控杭(やらず)とは専用金具で緊結する。

③上下の水平材の単菅は平行となるように単菅支柱と緊結する。

④鋼板は必要量を重ねて単菅に緊結する。等の処置をする。

建築基準法施工令第136条の2の20(仮囲い)には、
高さ1.8m以上の板塀等を用い危害防止するとある。


(2)傾斜ジブ式クライミングクレーン(呼称クレーン能力 15 t・mとする)

①ベース金具上のアンカーボルトが基礎に固定されているか確認する。

②クライミングポスト(柱)の継目の高力ボルトの締付けは十分か確認する。

③クレーンのリミッターが正常に稼動するか点検する。

④吊上げワイヤーの傷み、長さ巻き取り等を確認する。

【 解答例 】
1.鋼板製仮囲い(高さ3m)

①単菅支柱とする鋼管は、風荷重に十分に抵抗できる長さと間隔となるように設置する。

②単菅支柱を支える控杭(やらず)は、十分な根入れとして、控杭の根元には根かせ(控え)で固定する。

2.乗入れ構台

①著しいねじれ、たわみのない部材を組立、細大積載荷重を厳守する。

②組立時には組立図により定められた部材を所定位置に配置する。

3.傾斜ジブ式クライミングクレーン

①アンカーボルトがベース金具を通じて基礎にしっかりと固定されているか確認する。

②クレーンのリミッター(制限装置)が正常に作動するか確認しておく。

出題例6

建築工事において、竣工後又は工事の終了後に発生する恐れのある欠陥(不具合)をなくすため、特に留意した事項2つについて、発生する恐れのある欠陥(不具合)の部位とその状態、及びそれを防止するために行った具体的な処置又は対策を2つ記述せよ。


【 攻略のポイント 】

かしとは工事完了後に発生する欠陥で、かしの発生が生じないように品質を管理しても生じる可能性があり、木造で1年間、木造以外の構造で2年間の間に生じるかしは、請負業者がこれを担保(補修と賠償)しなければならない。と公共工事標準請負契約約款第44条(かし担保)の定められている。
建築工事におけるかしの発生は、各工程ごとに生じる原因があり、それらの部位の状態と、そのかしを防止する施工管理を行う必要がある。

(1)基礎工事のかし
①土工事では、地盤の圧密の発生や締固め不足による地盤沈下の発生

②土留め工事では、土留め材料の撤去の埋戻しの処理の不備による地盤の亀裂の発生

③杭打ち工事では、杭の支持層への貫入不足による構造物の不同沈下の発生

(2)躯体工事のかし
①アルカリ骨材などによる
材料の不適合による部材のひび割れの発生

②コンクリートの施工の不備による漏水の発生

③鉄筋の配置の不備による
構造耐力低下に伴う、たわみ量の増大

④鉄骨とアンカーとの接合不良、部材接合の不完全
に伴う振動の発生やたわみ量の増大

(3)仕上げ工事のかし
①防水工事の不備による漏水

②タイル接着の不備によるはがれ

③床面の仕上げ不良による床面傾斜

以上のように施工の品質管理が不十分な箇所に、かしはどこにでも生じるおそれがある。

ここでは、躯体と仕上げについて2つを取り上げる。
【 解答例 】

[ 部位 ]コンクリート壁面

[ 状態 ]亀甲状の無数のひび割れ

[ 具体的な処置及び対策 ]
アルカリ骨材反応を抑制する混合セメントを使用する。

【 解答例 】

[ 部位 ]天井

[ 状態 ]天井からの水滴の落下

[ 具体的な処置及び対策 ]
パラペット立上りを十分に防水し、下地の安定を確認した防水を行う。