★鉄筋工事 地下外壁・壁のチェックポイント
★鉄筋工事 柱のチェックポイント
1級建築施工管理技士 二次検定 経験記述の攻略
★1級建築施工管理技士 経験記述の攻略 ★
1級建築施工管理技士 実地試験
施工経験記述の攻略について
1° .どれぐらいの規模、立場を想定して記述するか?
1級建築施工管理技士の学科試験では、あまり工事規模を考えずに学習しても問題はなかった。しかし、1級建築施工管理技士に合格すると、自分の経験した工事の大小にかかわらず、大規模工事の「監理技術者」として(限定解除の)資格が与えられことから考えて、施工管理のための幅広い考えが要求されている。
このため、少なくとも工事費用 3~4億円の工事に必要な管理上の知識をもっている監理技術者になったつもりで記述することが大切である。
※.現場を「管」理する監理技術者は、不思議なことに「監」の字を使います。一般用語としての現場監督も「監」の字です。
2° .出題形式と内容
問題の形式は下記のように6題が出題され、そのいずれも必須であるが、問題1の経験記述は特に重要で、この部分が合格点(60点以上と予想される)に達していないと、問題2~問題6の問題が合格点(60点以上と予想される)であったとしても合格できないとされている。
このため、受験者は経験記述の問題1と学科記述 問題2~問題6までの5つの問題を切り離して取り組むことが大切である。
毎年、問題2~問題6に関しては、おおよそ50%程度の人が合格点に達しているというデータがあるが、全体の合格率が 25~40%程度になっているのは、問題1の考え方・解き方がしっかりしていないことによるものと考えられる。
問題1をしっかりとおさえることが、合格への最短距離であると考えられる。
したがって、問題1のノウハウは十分に研究する必要がある。
1級建築施工管理技士 二次検定 経験記述 環境保全 公衆災害防止対策
2-3.環境保全
1)公衆災害防止対策
建築工事において、近隣への騒音・振動、沿道障害などを防止して、公衆災害を防止することが求められている。
このため、事前調査において各工程ごとに使用する機械・工法などを考慮し、発生する公衆災害を予測して、これを防止する対策を確立し、こうした住民からの苦情を処理するシステムを現場管理に位置付け、対応する人も定めておくことが必要である。
◆ 騒音・振動を提言する具体的な処置
①低騒音・低振動の機械を選定し、低騒音、低振動の工法を採用する。
②防音壁・防音シート、防振溝を設置し、騒音、振動を低減する。
③コンプレッサなどの騒音の原因となる発生源は、住宅より遠い位置に配置する。
◆ 第三者災害を防止する具体的な処置
①資材の飛来を防止するため、防護柵を設置し、防護シートを張る。
②揚重機などの転倒を防止するため、敷鋼板、アウトリガー張出しを行う。
③地盤沈下防止のため、根入れを十分にした土留めを設置し計測管理する。
◆ 沿道障害防止の具体的な処置
①歩行者と一般車両をの接触事故を防止するため、工事場所に警告灯,ミラー,ブザーなどを設置し、誘導員を配置する。
②現場から泥を道路に出さないため、現場敷地内でタイヤ清掃する。
③現場内に粉じん発生しないよう、適宜散水する。
2)建設副産物の処理
※地球温暖化問題及び再資源化や持続可能社会に対する策は、試験対策として認識して対処する。
建設副産物には、資源を有効ん利用すべき指定副産物と、処分場で処分すべき産業副産物とに分類し、さらに、副産物の種類ごとに分別収集して、必要により所定の中間処理をして、再資源化等をしなければならない。
その分類は次のようである。
建設副産物
・指定副産物
①土砂
②コンクリートの塊
③アスファルト・コンクリートの塊
④木材(廃木材を除く)
・産業廃棄物
特定建設資材(中間処理再資源化)
①コンクリート
②アスファルトコンクリート
③コンクリートと鉄からなる建設資材
④木材
埋立処分
①安定型最終処分場
②管理型最終処分場
③遮断型最終処分場
・特別管理産業廃棄物 ー 処理埋立
一般に、指定副産物の有効利用については、「資源の有効な利用の促進に関する法律」で、その利用方法およびその規模が定められている。
また、産業廃棄物については、産業廃棄物の燃焼に伴う大気汚染(ダイオキシン)を防止し、建設工事の発生汚泥による水質汚濁を防止するとともに、産業廃棄物を分別収集して適正に処分するため「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」
(廃棄処理法)でその処理方法が定められている。
また、一定規模以上の解体工事等は対象建建設工事に指定されていて、対象建設工事から排出する産業廃棄物は中間処理して再資源化することが建設リサイクル法に定められている。
◆ 建設発生土(土砂)の取扱い上の留意点
①建設発生土の現場内利用の計画を立案する。
②建設発生土の粒径に応じて4種類に分別する。
③建設発生土の種類、量、運搬時期を明確にし、関係現場などで相互利用する。
④粉じんを防止し、車速制限(現場内10km/h以下)、運搬時間などに配慮する。
⑤受入れ地の状況を確認して、第三者災害発生を未然に防止する。
◆ 指定副産物と有効な利用の具体例
①建設発生土は、工作物の埋戻し、宅地造成、水面埋立用土として利用する。
②コンクリートの塊は、粒径の区分に応じて構造物の裏込め、敷地内舗装用材料として利用する。
③アスファルト・コンクリートの塊は、構造物の裏込め、敷地内舗装用材料として利用する。
④木材は、チップをしたり紙の材料として利用する。
◆ 資源の有効な利用に関する計画作成と記録保存の義務
①元請負業者は、建設発生土1,000m3以上、砕石 500t以上、加熱アスファルト混合物200 t 以上の規模の建設資材を搬入する工事では再資源利用計画を作成し、実施状況を記録し工事完成後1年間保存する義務がある。
②元請業者は、建設発生土1,000m3以上、コンクリートの塊、アスファルト・コンクリートの塊、建設発生木材の合計200 t 以上を現場から排出する工事では、再資源利用促進計画を作成し、実施状況を記録し工事完成後1年間保存する義務がある。
◆ 再資源化すべき特定建設資材
①対象建設工事:
次表のような一定規模以上の解体工事は、発注者または自主施工者が工事の着工7日前までに都道府県知事に届け出る。
②再資源化すべき特定建設資材:
対象建設工事により産業廃棄物はすべて中間処理して次の4つの特定建設資材に分別する。
特定建設資材に分別できないものは産業廃棄物として埋立処分する。
特定建設資材
・コンクリート → 骨材
・アスファルトコンクリート → 舗装材
・コンクリートと鉄から成る建設資材 → くず鉄(有価物)、骨材
・木材 → チップ
◆ 産業廃棄物の委託処分に関する事業者の留意点
①建設副産物として排出される産業廃棄物は、事業者(工事請負者)が自己の責任において行うのが原則である。
②産業廃棄物の処分を委託するときは、都道府県知事の許可を受けた運搬業者、処分業者であることを確認する。
③事業者は、運搬業者に委託するときは、契約書に次の事項を記載する。
・廃棄物の種類および数量
・運搬の最終目的地の所在地
・処分または再利用の方法と施設の処理能力
④事業者は、運搬業者または処分業者に委託するときは、産業廃棄物の種類ごとに産業廃棄物管理票(マニフェスト)を契約書の内容を確認して交付する。
⑤運搬または処分を終了したとき、管理票交付者(排出事業者)に管理票を送付し、管理票交付者は記録を確認し5年間保存する。
⑥管理票交付者は、報告書を作成し年1回都道府県知事に提出する。
◆ 産業廃棄物の処分方法についての具体例
①安定型最終処分場:
廃プラスチック、ゴムくず、金属くず(鉄筋等)などが受入れられる。
②管理型最終処分場:
紙くず、木くず(廃木材)、繊維くず、
有害でない汚泥、廃せっこうボード
③遮断型最終処分場:
有害な燃がら、有害なばいじん、有害な物質を含む汚泥
1級建築施工管理技士 実践
① コンクリート工事
② 鉄筋工事1
③ 鉄筋工事2
④ 型枠工事1
⑤ 型枠工事2
⑧ 仕上工事1 外装1
⑨ 仕上工事2 外装2
⑩ 仕上工事3 外装3
⑪ 仕上工事4 石工事
⑫ 仕上工事5 タイル工事
⑮ 仕上工事8 内装1 天井等
⑯ 仕上工事9 内装2 金属工事
⑱ 解体1 都心ビル
⑲ 解体2 アスベストの処理
⑳ 解体3 改修工事-建設副産物
㉑ 竣工検査
㉒ 完成から引渡しまでの流れ
実践1 コンクリート工事1
1級建築施工管理技士 実戦 コンクリート工事1
①どうしたらコンクリートの調合ミス・発注ミスを防げるか?
コンクリートの調合ミスや発注ミスは、建物の構造強度や品質に大きく関係する。
昨今、経済性を過度に追求するあまり、同じ建物で細かく強度を変えた設計が見受けられる。
これは事前にチェックを受けることによってミスを防止できる。そのためには、図面を確認できる力が必要である。
施工時期によっては温度補正値の調整が加わるため施工部位によってはスランプを変える必要が生じ、最終的な調合パターン数はかけ算的に増えていく。
同じ現場で十数種類の調合計画を行うケースが発生することもある。
こうなると、人手不足の現場では手が回らなくなり自然に難題から遠ざかりがちになり、ひいては、調合ミス・発注ミスにつながる。
この場合、手がまわらないので、現場担当者は、資格をもったコンクリート主任技士によって、調合計画、施工計画、発注管理、受け入れ管理、施工管理を支援してもらう必要がある。
とはいえ、施工管理者自身もコンクリートに対して日頃の勉強を怠ってよいことではない。
コンクリートの誤発注は日常的に起こりうるミスであるが、施工管理技術者が適切な管理ポイントを押さえ、十分な管理体制で臨む必要がある。
②いかに丈夫なコンクリートを作るか
コンクリートのクレームの中で最も多いのは、ひび割れに関するものである。
これは、ほとんどの建設会社の補償工事の中で同様に見受けられる。
コンクリートがセメント水和反応の過程で硬化し収縮することはさけられない
収縮と同時にコンクリートにひび割れが発生する。
近年は建築施工技術の進歩により、コンクリートの収縮によるひび割れ防止には種々の対策がとられるようになった。
(例)
①鉄筋による補強
②水セメント比を下げた硬練りコンクリートの採用
③収縮の少ない中庸熱ポルトランドセメントを使用したコンクリートの使用
④フライアッシュを混入する方法
⑤膨張材を入れて収縮を防ぐ方法
⑥ひび割れを目地によりコントロールする方法
⑦急激な初期乾燥を防ぐための養生により収縮を分散させる方法
⑧硬化に必要な水以外の不要な水を真空装置で吸い取る方法など
③いかに適正な材料を選ぶか
2008年関東地区で、すでに完成後の某マンション工事の際、コンクリートのアルカリ骨材反応による自然爆裂が発生し、大きな問題になった。
その原因は、コンクリートの骨材の中に膨張性のある骨材が混じったことによるものであった。
建物が完成後もしくは完成間近にこのような自然由来の問題が発生すると、建設会社にとって大きな損失となる。
骨材に関して塩分も大きな被害になることがあるが、コンクリートの品質的な部分を分業化して、アウトソーシングしたとしても、建設会社はその最終責任を免がれることはできない。
それらの事故を分析すると、現場担当者にとって骨材の品質管理がいかに重要な事項か認識できる。
製造プラントと連携して骨材を選定し、その品質を十分確認することは建設施工管理者の重要な役割である。
1級建築施工管理技士 二次検定 経験記述 仮設備
2-2.仮設備
1)仮設備の安全確保
建築工事における災害は、墜落によるものが圧倒的である。建築工事における事故のパレート図では、建築工事の約70%を墜落災害が占めていることを示している。したがって、墜落災害を防止することが最も重要である。
墜落の原因の1位~10位までのは表のとおりである。
これらを参考にして記述する。
2)仮設備の具体的な安全処置
◆墜落災害防止の具体的な処置
①高さ2m以上の作業床には、高さ75㎝以上の手すりと幅木を設ける。
②組立解体時の足場板は、3点支持とし、端部のはね出し10㎝以上20㎝以下とする。
③手すりがないときは、防網を張り、安全帯を用いて施工させる。
④足場の組立・解体には高さ5m以上で作業主任者を選任し、高さ5m未満のときは作業指揮者を選任して組立・解体をする。
◆ 飛来・落下災害防止の具体的な処置
①足場に養生シートやネットをすき間なく張る。
②外部足場に、高さ5m以内に防護棚を設ける。
③上下作業を禁止する。
④悪天候時は作業を中止する。
◆ 建設機械による災害防止の具体的な処置
①作業範囲の立入禁止措置をする。
②建設機械の始業点検を確実に行う。
③主たる用途外の使用を行わせない。
④運転者の資格の有無を免許証などで確認する。
◆ 足場・型枠倒壊災害防止の具体的な処置
①足場の建地間隔、足場の材料の強度など安定計算で確認する。
②地盤の不同沈下を防止するため、敷板または敷角を用いる。
③支柱の継手は、差込みまたは突合せとする。
④パイプサポートは3本以上継いで用いない。
3)仮設備の具体的な工程上の制約条件
仮設備は、工程の初期から最後まで設置しておくもので、施工計画時に各工程をよく検討して、途中、仮設備が工事の進捗の妨げとならないように材料置場、揚重機、運搬車の走行路、管理事務の効率化など、仮設物の配置により工事工程を大きく左右する。
このため、工程全体からみた仮設の配置やその寸法を、動線の確保などの制約条件を考慮して定める。
◆ 合理的な工程管理を満足する仮設備の具体的な配置
①事前に現場の地盤改良をするなどして、現場内通路を確保し、動線を考慮した仮設建築物の配置
②揚重に見合う能力をもつ揚重機械の適正配置
③動線、工程の進捗に適合する電力、水道、ガスなどの配置
④動線を考慮した運搬路の配置
◆ 合理的な工程管理を満足する仮設物の設置
①近隣を考慮した構造を有する安定した仮囲いの設置
②工程を満足する構造をもつ乗入れ構台の設置
③工程を満足する構造をもつ足場の設置
④漏電遮断装置、自動電撃防止装置を有する器械の設置
4)仮設備の具体的な工程上の制約条件
◆ 仮設電力設備の検討事項
①電力の引込み位置を定める。
②現場照明、加工用動力、揚重動力、溶接用電力、試運転調整用電力などの工程別電力の必要量を把握し、適正で合理的な電力計画を立案する。
スタッド溶接では思わぬ電力量が必要であり、注意する必要がある。
③本設電源を試運転調整で利用するときは受電日を定める。
◆ 給排水設備の検討事項
①給排水管の引込みの適正な位置を定める。
②各工程ごとの使用量とその累計から契約給水量を定める。
③現場からの汚水・汚泥の処理施設の配置、規模・構造を定める。
実践2 鉄筋工事1
1級建築施工管理技士 実践 鉄筋工事1
①配筋施工図はいかに大切か
最近の施工図では、施工担当者と鉄筋工の職長が加工図を作成することが多い。
しかし、昨今では建物がより複雑になって、高度な設計が行われるため、構造設計図とコンクリート施工図を基に配筋施工図が作成されるようになってきている。
配筋施工図の目的は、
①鉄筋の種別・サイズ
②配筋の間隔
③継ぎ手の位置・長さ
④鉄筋の組立て順序
などを図面に書き出すことによって、その配筋施工図作成中に、前もって問題点をあぶり出し、解決できるところにある。
また、配筋施工図は、加工・現場組立て・検査のためのバイブルとなる。
それは各工事の鉄筋職長が作成し、鉄筋加工のための加工帳作成にも利用される。
しかし、配筋施工図を作成しない現場もある。職長が簡単な加工帳しか作成しないので、ミスが起きることがある。
例えば、サイズや間隔の見間違いなど。
配筋施工図の間違いは重大な品質ミスになりやすいので、設計者との間で相互チェックなどを行い、駄目出しをしておくことが大切である。
②いかにして図面の読み間違いをなくすか
経験的に、鉄筋工事の間違いを防ぐ手段の中で「周知徹底会」がもっとも効果がある。
構造設計者・建築施工管理者・施工業者にて、工事が始まる前に設計者の意図するところ、注意する点などに対して構造設計担当者に立会いを依頼して、
説明を受ける「周知徹底会」を実施し、関係者の意思統一を図ることが望ましい。
③どのようにして鋼種の間違いをなくすか
建物の高層化に伴い、RCの設計技術も進歩し、30階や50階建ての高層集合住宅でもRCで設計することが増えている。そこではコンクリート強度だけでなく、鉄筋においても高強度の鉄筋が使用され、一つの工事現場の中に、さまざまな鋼材種別の鉄筋が使用されるようになってきいる。
鋼材種別を間違わないで施工管理するにはどうしたらよいか?
それらは、超高層RC集合住宅の現場で新たな課題となっている。
鉄筋施工を専門業者に任せて管理していたのでは、加工場や現場で鋼種のとり違いミスを完全には防げない。
対策として重要なものを上げてみる。
①鋼材の種類の色分け図面を作成し、鉄筋設計の見える化を図り、関係者に徹底する。
②発注段階での鋼種間違いを防ぐには、職長の作成する注文リストのダブルチェックを行う。
③加工場ではほかの工事の鉄筋と材料が混じる心配がある。見た目ではほとんどわからない鉄筋構種の判別の間違いは、加工、積込み段階でまれに起こる可能性がある。
したがって、最初の関門は加工場での送出し検査である。
④更に現場では、加工した材料が入ってくるので、疑うこともなくそのまま組み立ててしまう。配筋検査はコンクリート打設前に検査するが、ミスを発見できない場合もある。
また、その時点での発見ではすでに遅い。
したがって、現場での材料受入れ検査が次の関門となる。
鋼種間違いはあってはならない間違いである。
鋼種が異なると、建物の強度や品質に直接影響するため、再施工の選択肢しか残らない。
したがって、最後の関門はコンクリート打設前の配筋検査となるので、余裕をもった検査時間を確保する必要がある。
建築設計施工管理者は着工前に設計者とよく打ち合わせを行い、構造的にどのような特徴をもった設計であるかをよく理解して、使用材料の鋼材種類の変わり目を確認してから、工事を進めることがきわめて大切である。
このことはコンクリートについても同様である。
④コンクリートをハツらなければならない場合
鉄筋工事のミスでもっとも多いのが、差し筋にかかわるものである。
以前では、設計者の了解のもとで、比較的容易に、ケミカルアンカーや
樹脂モルタルグラウト鉄筋で対応できたが、2005年の法改正以後はこのようなミスも厳格に取り扱われるようになって、容易な処理ができなくなった。
なので、コンクリート打設前の配筋検査は今まで以上に重要になってきている。
一方で、どんなに検査を厳しくしても、うっかりミスは発生する。
差し筋忘れや差し筋のずれなどを未然に防止する対策は、差し筋図を作成することが有効である。配筋検査野帳とは別に、差し筋の必要な箇所を洗い出して作成し、その差し筋図により重点的にチェックを行う。
その他、施工時に見落としそうなミスについては、それを予想して、設計者や監理者を交えて「周知徹底会」により、注意喚起を行うことが必要である。
1級建築施工管理技士 二次検定 施工経験記述
1°. 問題1の書き方と留意点
問題1の書き方は全く変動がないので、次の事項を準備すればよい。
【 留意点 】
正式名称を示すので、新築工事または改修工事なのか明示する。(或いは、増築工事等)
【 留意点 】
都道府県から番地まで正確に記載する。
共同住宅、鉄筋コンクリート造、
地下1階、地上5階建、
建築面積 500m2、延床面積 2,500m2
外装タイル張り仕上げ
【 留意点 】
( a ) 建物の用途
( b ) 構造形式
( c ) 規模
( d ) 外装仕上げ
改修の場合は、
( c ) に改修規模、
( d ) に改修外装仕上げを示す。
(具体的数値で示す。)
平成27年 1月 〜 平成28年 10月
【 留意点 】
工期は完了したものを月数まで明示する。
(工事中のものは不可。)
規模と相応しない工期の場合は、その理由を記載する。
現場主任
・機械の発注と納入の確認
・各品質試験の立会確認
・日、週、月ごとの工程進捗の確認と工程調整
・仮設物の点検・維持管理
・発注者との連絡・調整
【 留意点 】
立 場:
工事における指導監理する立場のものであり、現場代理人、現場監督、主任技術者または、発注者側の監督員、設計監理等を明示する。
業 務:
安全、品質、工程、原価の各面から考え、連絡・調整役としての業務を具体的に示す。
平成29年度 施工経験記述 問題1
2°. 問題1の1、2及び問題2の書き方
①出題の分析と考え方
この部分は合否の鍵を握る部分である。まず、過去10年間の出題の傾向をみてみると、下記のように分類される。問題1の1、2及び問題2とは同じ経験論文と考えて整理しておく。
①仮設備 (23回)
a :仮設備の安全確保 (14回)
b :合理化を考慮した仮設備( 7回)
c :仮設電力・給排水の計画( 2回)
②環境保全 ( 9回)
a :公衆災害防止 ( 2回)
b :建設副産物取扱い ( 4回)
c :環境負荷低減方法 ( 3回)
③施工管理 (13回)
a :かしの部位と防止 ( 2回)
b :品質管理留意点 ( 4回)
c :安全管理留意点 ( 1回)
d :施工の合理化 ( 6回)
出題内容の文章を分析すると上記のとおりになるが、見方を変えると施工計画における①仮設備であり、施工計画における②環境保全であり、施工計画としての③施工管理である。
したがって、1級建築施工管理技士の実地試験は、施工を行う前に考慮すべき事項についての知識と記述力が問われているのである。つまり、実践においては、綿密な施工計画の立案を行いって施工計画書を作成し、その通りに実行する技術力である。その施工計画書が設計監理者の承認を得ていることは言うまでもない。
そのため、学科試験で学習した整理の方法と同じまとめ方をするのが、整理がついて理解しやすい。
また、実践へも展開しやすい。
特に仮設備は安全管理そのものであるため、注意してまとめる必要がある。