配筋標準 06 基礎梁

配筋検査のつぼ⑥ 基礎梁


6° .基礎梁

6-1 基礎大梁の定着・カットオフ筋長さおよび継手位置

①採用する標準図のタイプは構造図による。

②中央部で両側カットオフ筋が重なる場合は通し筋としてもよい。





★ポイント
①採用する標準図のタイプは構造図による。

・タイプA:
上向き荷重が支配的で、カットオフ筋が上端の中央部、下端の端部にある場合

・タイプB:
下向き荷重が支配的で、カットオフ筋が上端の端部、下端の中央にある場合

・タイプC:
地震荷重等が支配的で、カットオフ筋が上端・下端とも端部にある場合


②カットオフ筋長さは、端部が柱面からL0/4 + 15d、中央部はL0/2 + 両側20d

③場所打ち杭がある・なしに関わらず、L0は柱内法寸法とする。

④基礎梁のタイプにより、継手位置が変わることに注意する。
[ タイプAのみ ]

⑤下端1段筋の柱への定着長さは、投影定着長さ3/4D以上、かつ、余長(折り曲げ開始点から)のみでL2を確保する。

⑥上歯筋端部のガス圧接継手位置は、施工機械の納まりを考慮して柱面より500mm以上離す。
※基礎梁が柱より大きい場合の端部の配筋方法は、構造図に示されるので注意する。示されていない場合は、監理者と協議する。


6-2 基礎小梁の定着・カットオフ筋長さおよび継手位置

①採用する標準図のタイプは構造図による。

②基礎小梁の上端筋・下端筋の定着長さはL2以上とする。

③基礎小梁主筋が定着される梁の梁幅が小さい場合の定着要領は、表3-2-4としてもよい。


図6-2-1 タイプA1


図6-2-2 タイプA2


図6-2-3 タイプB1


図6-2-4 タイプB2

★ポイント

①採用する標準図のタイプは構造図による。
・タイプA:
上向き荷重が支配的な連続小梁の場合

・タイプB:
上向き荷重が支配的な単独小梁の場合

・タイプC:
下向き荷重が支配的な連続小梁の場合

・タイプD:
下向き荷重が支配的な単独小梁の場合


②基礎小梁主筋の基礎大梁への定着は、上下主筋共、投影定着長さを20dかつB/2以上、余長8d以上、基礎大梁面からの全長をL2以上とする。
(一般小梁下筋の定着方法は、基礎小梁とは異なるので注意する。)

③梁幅が小さく、投影定着長さ20dが確保できない場合の定着要領は、表3-2-4に従う。

④タイプA1、A2(荷重上向き)は、下端筋の継手を中央L0/2の範囲に、上端筋の継手を外端・端部L0/6、連続端L0/4の範囲に設ける。

⑤タイプB1、B2(荷重下向き)は、上端部の継手を中央L0/2の範囲に、下端筋の継手を外端・端部L0/6、連続端L0/4の範囲に設ける。
★中央カットオフ筋の余長は20d
(端部カットオフ筋の余長は15d)


6-3 基礎梁と基礎の取合部補強要領

①基礎梁と基礎の取取合い部補強要領は構造図による。構造図にない場合は図6-3による。

②取合部補強の幅は基礎梁を同じとする。

★ポイント
⑥取合い部補強筋の基礎、柱、基礎梁への定着長さはL2とする。
※補強筋を忘れずに配筋する。

配筋標準 07 柱

配筋検査のつぼ⑦ 柱


7° .柱

7-1 柱の定着・カットオフ筋長さおよび継手位置

①継手はガス圧接、重ね継手を示し、それ以外の継手の仕様は構造図による。

②H0はすべての方向の柱内法高さの最大値とする。

③柱主筋の定着は以下による。

( 1 ) 柱頭主筋の定着:
柱に取り付く最も高い梁下端からL2以上かつ最も高い梁天端から15d以上とする。

( 2 )柱脚主筋の定着:
柱に取り付く最も低い梁天端からL2かつ最も低い梁下端から15d以上とする。

④カットオフ筋長さは以下による。

( 1 )柱頭カットオフ筋:
柱に取り付く大梁の最も低い梁下端からH0/2 + 15d以上とする。

( 2 )柱脚カットオフ筋:
柱に取り付く大梁の最も高い梁天端からH0/2 + 15d以上とする。


★ポイント


①取り付く梁にレベル差がある場合の柱内法高さH0は、各方向(中柱では通常4方向)の柱内法高さを比較して、最大となる寸法とする。
(最も低い柱脚側梁天端~最も高い柱頭側梁下端ではない。)

②柱頭主筋の定着長さは、最も高い梁下端からL2以上かつ最も高い梁天端から15d以上。

③柱脚主筋の定着長さは、最も低い梁天端からL2以上かつ最も引く梁下端から15d以上。

④柱頭主筋のカットオフ筋長さは、柱に取り付く大梁の最も低い梁下端からH0/2 + 15d以上。

⑤柱脚主筋のカットオフ筋長さは柱に取り付く大梁の最も高い梁天端からH0/2 + 15d以上とする。

⑥柱脚に継手を設けられない範囲を決定するためのDは、X、Yで大きい方の柱成とする。

⑦継手を設けられない範囲の起点は、柱脚側は柱に取り付く大梁の最も高い梁天端、柱頭側は最も引く梁下端である。(取り付く大梁にレベル差がある場合は継手可能範囲が小さくなるため、加工等に注意する)



7-2 柱の仕口部(柱・梁の接合部)

①柱の仕口部の範囲は構造図による。構造図に記載のない場合は柱に取り付く全ての梁成が重なる範囲を柱の仕口部とする。(図 7-2-1)

②直交梁がない場合、柱の仕口部の範囲はないものとする。( 図 7-2-2)

③柱の仕口部帯筋の範囲は、図7-2-3 による。

④柱の仕口部帯筋は構造図による。





★ポイント


⑧柱に取り付け全ての梁成が重なる範囲を仕口部とする。(構造図に記載のある場合はそれに従う)

⑨直交梁がない場合は仕口部なし。(上、下階柱の帯筋仕様が異なり、その境界が構造図に記載されていない場合は、監理者と協議する。)

⑩梁上第1帯筋位置は、最も低い低い梁の上端直上(2方向の梁主筋が接している場合はその上)とし、梁下第1帯筋位置は、最も高い梁下端(コンクリート面)とする。その間を仕口部帯筋とする。

⑪第1帯筋は、上(下)階の柱の帯筋を同じ配筋とする。

⑫仕口部帯筋の配筋要領は、構造図による。(種類、径、ピッチ、副帯筋の本数)

★柱帯筋と仕口部帯金の配筋が異なる場合は、仕口部帯金の範囲に特に注意する。

★上階の梁上第1帯金は下階コンクリート打込み前に梁種菌直上に配筋する。(第1帯筋は、スラブ筋の下にくるので梁配筋時(スラブ配筋前)にセットする)


7-3 定着

①最上階柱頭の柱主筋の定着は構造図による。構造図に記載のない場合は、 図7-3-1 による。

②柱脚部の定着は 図7-3-2~図7-3-5による。

★ポイント


①最上階柱頭の柱主筋の定着は、構造図による。構造図に記載のない場合は、 図7-3-1 による。

②四隅の柱主筋は、梁成内に直線部分でL2h以上かつ梁上端筋直下までのばし、180° フック定着とする。
柱成が小さく、直線部分でL2hが確保できない場合は監理者と協議する。

③四隅以外の主筋は、梁成が十分大きく、梁成内でL2以上確保できる場合は、梁上端筋直下まで伸ばして直線定着としてよい。

直線定着できない場合は、梁成内に直線部分でL2h以上かつ梁上端筋直下まで伸ばし、90° フック定着(余長8d以上)とする。
さらに梁成が小さく、直線部分でL2hが確保できない場合は監理者と協議する。

★途中階で上に柱がない場合も 図7-3-1に従う。

★最上階で逆梁が取り付く柱の主筋は、スラブ天端で止めず、逆梁上端筋直下まで伸ばす。

★水勾配がある場合は、柱主筋の止まりの位置が低くならないように、主筋長さを勾配に合わせて調整する。

★2段筋がある場合は、フックが特に混み合うので事前に納まりの検討が必要。




★ポイント


④梁幅が柱幅より大きい場合は、仕口部に梁のあばら筋を配筋する。
梁内の柱帯筋の有無・仕様は構造図による。

⑤陸立ち柱の主筋は、梁成内に直線定着でL2h以上かつ梁下端筋直上まで伸ばし、90° フック定着(余長8d以上)とする。(梁成が小さく、直線部分L2hが確保できない場合は監理者と協議する)


7-4 柱主筋の折り曲位置および帯筋

①柱主筋の折り曲げ位置は、梁の主筋間隔内でとる。
(図7-4-1)

②柱主筋を折り曲げて通し筋をする場合(図7-4-1)の梁上帯筋は、上端柱帯筋と同径・同本数とし2セットとする。



★ポイント


⑥柱主筋を折り曲げて通し筋とする場合の梁上端筋直上の帯筋は、上階柱帯筋と同径・同本数で2セットとする。

⑦柱主筋を通し筋としない場合の定着方法は、図7-4-2に従う。
(図7-3-1 の最上階柱頭主筋の定着方法と、図7-1-1の柱脚主筋の定着方法の組み合わせとなっている。)

配筋標準 08 大梁

配筋検査のつぼ⑧ 大梁


8° .大梁

8-1 大梁のカットオフ筋長さおよび継手位置

①カットオフ筋長さは構造図による。構造図に記載のない場合は、図8-1(a)、図8-1(b)による。

②大梁の継手範囲は、図8-1(c)による。

★ポイント


①カットオフ筋長さは構造図による。構造図に記載のない場合は、図8-1(a)、図8-1(b)に従い、
端部 :L0/4 + 15d
中央部:L0/2 + 両側20d
とする。
L0はその大梁と取り合う上下階柱内法寸法の小さい方とする。

②下端筋の梁端部(柱面から梁成Dの間)には継手を設けない。


8-2 梁主筋の柱への定着

①梁主筋の柱への定着は原則として折り曲げ定着とし、定着要領は構造図による。構造図に記載のない場合は、図8-2-1、図8-2-2による。

②下端筋の定着筋は曲げ上げを原則とする。曲げ上げ筋がおさまらず、曲げ下げとする場合は、監理者と協議する。






★ポイント

③梁主筋の柱への定着は、原則として折曲げ定着とする。(直線定着とするには監理者の承認が必要)

④下端筋の定着は、曲げ上げを原則とする。
(曲げ下げとする場合は、監理者と協議)

⑤最上階での外柱への定着は、上端1段筋の余長(折り曲げ開始点から)をL2以上とする。

⑥ハンチ部は、コーナー主筋を折り曲げて通し筋とし、吊上げ筋をかける。その他の主筋は真直ぐ伸ばしてL2 + 5d定着とし、吊上げ筋は不要。(その他の主筋を折り曲げて通し筋とする場合は、それぞれに吊上げ筋が必要。)

⑦最上階の柱頭部には、柱内補強筋を両方向の梁に設ける。ただし、交差部は上側となる梁主筋に設ける。(中間階で上に柱がない場合も同様)


8-3 梁主筋が真直ぐ通らない場合のおさまり

①梁主筋は原則として通し筋とするが、鉄筋のあき寸法が確保できる場合は折曲げ定着としてもよい。


★ポイント


⑨高さ方向や水平方向のずれが小さく、
勾配(e/D)が1/6以下の場合は、梁主筋は原則として折り曲げて通し筋とする。鉄筋のあき寸法が確保できる場合は、折曲げ定着としてもよい。

⑩勾配(e/D)が1/6を超える場合は、柱内に折曲げ定着とする。

配筋標準 09 小梁・片持梁

配筋検査のつぼ⑨ 小梁・片持梁の配筋


9° .小梁・片持梁

9-1 小梁の定着・カットオフ筋長さおよび継手位置


★ポイント


①外端・端部の上端筋の定着は、折曲げ定着とし、投影定着長さをLb(20d)かつB/2以上、余長8d以上、梁面からの全長をL2以上とする。

②梁幅が小さく、投影定着長さ20dが確保できない場合の上端筋の定着要領は、図9-2-2に従う。

③下端筋の定着筋はL3またはL3hとする。(定着長さは表3-2-2による。)

④上端筋の継手は、中央L0/2の範囲に設ける。

★カットオフ筋長さ継手をもうけられない範囲に上端筋は15d、下端筋は両側20dを加えた長さとなっている。

★カットオフ筋の長さは単独小梁、連梁及びその端部で異なるので注意が必要である。
(連続梁の下端、中間部にカットオフ筋がある場合)
 カットオフ長さ 20d+L0/2+20d
(連梁端部の下端、中間部にカットオフ筋がある場合)
 カットオフ長さ 20d+7L0/12+20d
(単独梁の下端、中間部にカットオフ筋がある場合)
 カットオフ長さ 20d+2L0/3+20d

 ※下へいくほど長いので、一番上で覚えていたら、長さが足りない。
  例えば、L0=5000 主筋 HD25 の場合
  下端中央部のカットオフ長さは、上から
  3500、3917、4333と違ってくる。


9-2 小梁と大梁の取合い

①小梁主筋の定着で垂直に余長が確保できない場合は、上端筋は斜め定着、下端筋は斜め定着あるいは水平定着としてもよい。


9-3 片持大梁・片持小梁の定着・カットオフ筋の長さおよび継手位置

★ポイント


①片持梁先端の上端筋は、梁先端からの距離を100mm以下とし、下端筋直上まで曲げ下げる。

②片持大梁の元端は、上端筋・下端筋ともに折曲げ定着とし、定着長さの全長はL2とする。(直線定着する場合は、監理者の承認が必要)

③片持小梁の元端は、直線定着・折曲げ定着のいずれとしてもよく、定着長さの全長は上端筋L2、下端筋L3とする。

④片持梁のカットオフ長さは、
(2/3)L + 15d(L:持出し長さ)
とする。

⑤片持梁の上端筋には継手は設けてはならない。


9-4 片持ち梁・先端小梁のさおまり


★ポイント


⑥先端小梁上部筋の出隅側主筋は、片持梁出隅側主筋近傍までのみ込ませ、水平に折り曲げ、余長をL2とする。その他の上端筋は、投影定着長さをB/2以上確保し、水平に折り曲げ、余長をL2とする。

⑦先端小梁下端筋の出隅側主筋は、片持梁出隅側主筋近傍までのみ込ませ、水平に折り曲げ、余長をL3とする。その他の下端筋は、余長をL3とする。

⑧片持梁と先端小梁の取合い部には、先端小梁の側面にコ形筋を配筋する。

配筋標準 10 スラブ

配筋検査のつぼ⑩ スラブの配筋


10° .スラブ

10-1 定着

①スラブ筋の定着は、図10-1-1による。

②スラブ筋が定着される梁の梁幅が小さい場合の定着要領は図10-1-2としてもよい。



10-2 カットオフ筋長さと継手位置

★ポイント


①外端の上端筋の定着は、折り曲げ定着とし、投影定着長さを20dかつB.2以上、余長8d以上、梁面からの全長をL2とする。

②梁幅が小さく投影定着長さ20dが確保できない場合の定着長さは に従う。

③スラブ上端筋の連続端への定着は、梁面からL2かつ(B/2 + 150mm)以上とする。

④長辺方向上端第1鉄筋は、D13以上かつスラブ筋の最大径(当該スラブでの短辺・長辺両方向の最大径)以上とし、バーサポートを設置する。片持ちスラブも同様なので注意する。

⑤4辺固定スラブの継手位置は原則、上端筋は柱間帯、下端筋は柱列帯とする。

⑥継手の好ましくない位置(梁で囲まれた範囲で、斜線部以外)で重ね継手を行う場合は、継手長さL1 + 5d 必要。

⑦梁両側のスラブ配筋が同じで、梁上で重ね継手を設ける場合は継手長さをL1 + 5dとする。(梁両側のスラブ配筋が異なる場合は、上記③のように梁に定着させる。)

★原則として、スラブは短辺方向を主筋方向とするたが、長辺方向を主筋方向おtするスラブは、伏図に主筋方向を明示することになっているため注意する。

★片持ちスラブのL4は、25dであることに注意する。


10-3 高低差のある場合のスラブ筋のおさまり

①高低差のある場合のスラブ筋のおさまりは、図10-3-1〜図10-3-4による。

★ポイント


①スラブ上端筋は、スラブ下端から梁下端の高低差hが150mm未満の場合、投影定着長さを20dかつB/2以上とし、余長8d以上、全長L2で曲げ上げとする。

②スラブ下端筋は、梁下端主筋の下を通る場合、投影定着長さをB/2以上とし、梁内に投影長さでL4定着させる。

★ポイント

③ 図10-3-2(2)のうち、かかり代(b) < スラブ厚( t ) の場合の補強要領は複雑なので、
特に注意する。

・上端斜め補強筋とスラブ上端筋の重ね継手長さはL1+5d
・下端斜め補強筋のスラブへの定着長さはL2+5d


④スラブ下にハンチを設ける必要がある場合は、コンクリート躯体図に反映させる。
(厚さ 1.5tを確保する)

⑤スラブ下端と梁天端の距離が70mm以上の場合は、構造図による。

★ポイント
⑥スラブ下端と梁天端の距離が70mm以上の場合は、構造図による。

⑦梁に定着する鉄筋は、梁主筋の内側へ入れて、梁天端からL2定着とする。

★ポイント

⑧ハッチングで示した打増し部は、図13-3-2に準じて配筋する。

⑨スラブ中間部の高低差がスラブ厚さの2倍を超える場合や、段差部の重なり幅が上記を満足しない場合は、構造図による。

★高低差によって、段差部の重なり幅が定められているので、コンクリート躯体図に反映させる。


10-4 補強筋

①片持ちスラブの出隅および入隅補強筋は構造図による。構造図に記載がない場合は、図10-4-1〜図10-4-3による。

②屋根スラブの出隅部および入隅部は構造図による。構造図に記載のない場合は、図10-4-4、図10-4-5による。





★ポイント

[ 片持ちスラブ ]
①片持ちスラブの出隅部及び入隅部補強は構造図による。構造図に記載のない場合は図10-4-1、2による。

②斜め補強筋はスラブ上端筋直下に入れる。

③直交補強筋タイプは「出隅部の配力筋」と「出隅受け部の主筋」の両方を補強する。

④片持スラブ入隅部補強要領のうち、屋根スラブの場合は、本数及び厚さが増すので注意する。
( 5-D13@100、ℓ= 2,500mm)


[ 屋根スラブ ]
⑤屋根スラブの出隅部及び入隅部補強は構造図による。構造図にない場合は図10-4-3、4による。

⑥斜め補強筋タイプは、5-D13@100、ℓ=2,500mmをスラブ上端筋の下に入れる。

⑦出隅部の直交補強筋タイプは、上端筋間隔が100mm以下となるように、スラブ筋と同径筋(ℓ=2,500mm)を図示の範囲に追加する。

※もとの上端筋間隔が100mm以下の場合は、監理者と協議する。

⑧入隅部の直交補強タイプは、上端筋間隔が100mm以下となるように 5-D13@100、ℓ= 2,500mmを追加する。

※もとの上端筋間隔が100mm以下の場合は、監理者と協議する。

★片持ちスラブ出隅部補強は構造補強、その他はひび割れ対策補強である。

配筋標準 11 壁

配筋検査のつぼ⑪ 壁の配筋


11° .壁

11-1 壁と柱・梁とのおさまり

①壁筋の継手は、壁内とし、柱・梁に設けない。

②壁筋の柱・梁内の定着方法は、図11-1-2~図11-1-4による。

③壁の第1ヨコ筋とタテ筋は、柱面・梁面から100mm以内かつ柱主筋・梁主筋から設計間隔以内に配置する。

④壁端部および開口部の小口補強要領は、図11-3による。

⑤最下階のおさまりは、地下外壁の図11-4による。






★ポイント
①壁筋の継手は、柱・梁に設けない。(壁内であれば位置は限定されない。地下外壁の継手位置は図11-4-5による)

②壁筋の柱・梁への定着は、柱・梁主筋の内側に、コンクリート面から定着長さL2とする。

③壁の第1鉄筋位置は柱面・梁面から100mm以内かつ柱主筋・梁主筋から設計間隔(壁筋ピッチ)以内に配置する。

④柱主筋・梁主筋の外側を通る壁筋の定着は、投影長さをL2かつD/2以上とし、90° フック定着(余長8d以上)または斜め折り曲げ定着とし、かつA部の条件(図11-1-5)に従う。

⑤A部の条件とは、壁筋の終端を8dかつ150mm以上、帯筋・あばら筋外面から内側に入れることである。

※先端90° フック定着の場合、A部の条件とともに、余長としての直線部分が8d以上必要となるので、注意する。

★梁鉄筋を落とし込み工法とする場合、梁と干渉する壁筋は梁手前で止めてしまうことがある。梁を落とし込んだ後に、添筋し、梁に定着しなけらばならないので注意する。


11-2 壁と壁・スラブのおさまり

①タテ筋補強は、D13以上かつ壁タテ筋最大径以上とする。

②ヨコ補強筋は、D13以上かつ壁ヨコ筋最大径以上とする。

③ダブル配筋で入隅部のタテ筋補強位置は、壁タテ筋と同一位置とする。

④定着長さL2は、折曲げ開始点からの長さとする。


★ポイント
★壁の直交部にはタテ筋補強、壁とスラブの接合部にはヨコ補強筋を配列する。

①ヨコ補強筋は、D13以上かつ壁ヨコ補強筋最大径以上とする。

②ダブル配筋で入隅部のタテ筋補強は、壁タテ筋と同一位置に配筋する。

③壁筋を壁またはスラブへ定着する場合、余長(曲げ開始点から)でL2確保する。

④ヨコ筋ピッチが異なる壁の隅角部のおさまりは、両側へ余長L2で定着する。

★壁の隅角部はかぶり厚さが不足しがちであるので、差し筋段階から注意を払って配筋する。


11-3 壁端部・開口部小口補強

★ポイント
①壁端部・開口部の小口にはコ形補強筋を配筋する。
・耐力壁の場合は、壁筋と同径・同ピッチとする。
・非耐力壁の場合は、壁筋と同径・倍ピッチとする。


11-4 地下外壁

①地下外壁壁筋の定着は、図11-4-1~図11-4-4による。

②地下外壁の壁筋の継手は、地下外壁内とし、柱・梁に設けない。(図11-4-5)

③e1、e2は構造図による。
e1は壁外面と柱外面のずれ、e2は壁外面と梁外面のずれとする。70mm以上の打ち増し部補強は、打ち増し補強要領による。

④土に接する側のタテ筋・ヨコ筋は原則として柱・梁主筋の外側を通す。





★ポイント

⑤地下外壁の壁筋の継手位置は、図11-3-5による。地下2階以上の場合は地下外壁リストを確認する。(継手の好ましくない位置に重ね継手を設ける場合は、継手長さをL1+5d以上とする)

⑥図中のe1、e2は、構造図による。

⑦壁上部のおさまりで、「L2かつあばら筋直下まで」の寸法の起点が梁面であることに注意する。

⑧A部の条件については、図11-1-15 による。


★地下外壁の壁筋と、山留めに設けたセパ受けアングル等のかぶり厚さを確保する。

配筋標準 12 開口補強

配筋検査のつぼ⑫ 開口補強


12° .スラブおよび非耐力壁の内壁の開口補強

①一辺の最大寸法が700mm以下の開口に対するスラブ補強は、図12-1-1による。

②開口が連続するスラブの場合および片持ちスラブに開口を設ける場合の補強は構造図による。

③スラブ開口の最大径が両方向の配筋間隔以下で、鉄筋を1/6以下の勾配で曲げること、または50mm以下でずらすことにより開口から設計かぶりを確保できる場合は、補強筋は省略することができる。

④一辺の最大寸法が700mm以下の開口に対する非耐力壁の内壁の壁開口補強は、図12-1-2による。

⑤耐力壁、非耐力壁の外壁および開口が連続する壁の場合の開口補強は構造図による。

⑥壁開口が柱または梁に接する場合、接する柱・梁の部分には補強筋は省略できる。

⑦壁開口の最大径が配筋間隔以下で鉄筋を1/6以下の勾配で曲げること、または50mm以下でずらすことにより開口から設計かぶりを確保できる場合は、補強筋は省略することができる。


図12-1-3 壁開口部が柱または梁に接する場合の配筋要領

★ポイント
①開口のために切断した鉄筋は、その両サイドに振り分けて配筋する。

②斜め補強筋は、コーナー部のかぶりを確保した上で、できるだけコーナー部へ寄せる。

③スラブの斜め補強筋は、スラブ配筋がダブルの時は上端筋のすぐ下に設置する。

④フェローデッキ、QLデッキの開口補強は異なるので、構造図による。

配筋標準 13 打増し補強要領

配筋検査のつぼ⑬ 打増し部配筋要領


13° .柱・梁・壁・スラブ打増し部配筋要領

①構造図に記載のない打増しを行う場合は事前に監理者と協議すること。

②柱・梁の打増し部に耐力壁が取り付く場合の打増し配筋要領は構造図による。

③打増し寸法 a、a1、a2が70mm未満の場合は補強筋不要とする。

打増し寸法 a、a1、a2が70mm≦ a ≦ 200mmの場合の打増し部補強要領は図13-1-1〜図13-3-2による。
打増し寸法 a、a1、a2が200mmを超える場合の打増し部詳細事項は構造図による。

④ハッチング部は打増しコンクリートを示す。

★ポイント


①打増し部に耐力壁が取り付く場合、200mmを超える打増しがある場合、その打増し要領は構造図による。

②打増し寸法 a、a1、a2が200mmを超える場合の打増し部詳細事項は構造図による。


13-1 柱

①梁、耐力壁およびスラブの鉄筋の定着長さは、柱躯体内で確保し、打増し部は定着長さに算定しない。

②柱の打増し部配筋要領は表13-1、図13-1-2による。



★ポイント


③梁および耐力壁の鉄筋の定着長さは、柱躯体内で確保し、打増し部は定着長さに算定しない。

④補強帯筋は、柱主筋内側ではなく、帯筋と同じ位置に配筋し、定着寸法は20dとする。

⑤柱打増し部補強主筋は、梁またはスラブに20d程度定着させる。


13-2 梁

①小梁・耐力壁およびスラブの鉄筋の定着長さは、梁躯体内で確保し、打増し部は定着長さに算定しない。

②梁の打増し部配筋要領は表13-2-1、表13-2-2、
図13-2-1による。

③打増し部腹筋は梁と同径・同本数とする。




★ポイント

 

⑥小梁・耐力壁およびスラブの鉄筋の定着長さは、梁躯体内で確保し、打増し部は定着長さに算定しない。

⑦梁打増し部補強主筋は、柱または梁に20d程度定着させる。

⑧補強あばら筋は梁主筋内側ではなく、あばら筋と同じ位置に配筋し、定着寸法20d程度とする。

⑨スラブが取付く場合の配筋要領は異なるので注意する。

13-3 壁・スラブ

①壁およびスラブの打ち増し部配筋要領は図13-3-1、図13-3-2による。