1級建築施工管理技士 実地 施工管理【ネットワークの利用】


ネットワークの利用

ネットワークの計算は、一般に、工程計画の資源の平滑化をするために、山積み・山崩ししたり、日程を経済的に短縮するために利用される。

下記のネットワーク工程について考える。

(1)山積み・山崩し

ネットワーク0.jpg
ネットワーク

①山積みは、上記のネットワークの計算が終了したあと、次の手順で行う。

山積み・山崩し.jpg
山積み・山崩し

(a)
上記図において、工期を横軸に展開し、この横軸上にネットワークの作業日数と余裕を(同図(a))のように示す。これをタイムスケールで表示するという。(〜〜〜波形は余裕)

(b)
まず、クリティカルパス C、D、E上の資源を各作業の順に山積みし、網掛けをつけて動けないことを表す。(同図(b))

(c)
次に、余裕のある作業A、Bを最早開始時刻(左につめて記入)で山積みする。このとき、最大人数9人、最小人数2人である。(同図(c))

②山崩し(平滑化)
(a)
作業A、作業Bはそれぞれ5日と3日の余裕があり、この余裕の範囲なら、どの日に作業してもよい。作業は1日単位で取り扱えるので、1つの作業を2つに分割して考えてもよい。
(同図(d))

(b)
作業Aは、1日目と7、8、9日目の合計4日で行い、作業Bは2、3、4日の3日間で行うと、最大人数7人、最小人数5人となり平滑化される。
(同図(e))

(2)日程短縮とエキストラコスト

日程の短縮は、フォローアップの場合や、発注者からの要請により行われることが多い。このとき、最小費用(えきすとらコスト)で短縮することが必要である。この日程を短縮するには、各作業の短縮可能日数と短縮に必要な短縮費用(コストスロープ=(特急費用 ー 標準費用)÷ (標準時間 ー 特急時間))を計算しておくことが必要である。

一般に日程短縮は、単独作業の区間と、並行作業の区間とに分けて考える。このとき、並行作業の区間では、一本の経路だけでなく、並行する経路の日程も同時に、コストスロープの小さい順に短縮していくことが最も大切な点である。

ネットワーク1.jpg
ネットワーク

①場所打ち杭の施工のネットワークの日程短縮の例(上図)のように、Ⅰ、Ⅲの単独作業区間と、Ⅱの並行作業区間に分けて考える。

下記表に、各作業の短縮可能日数と短縮費用を示す。

短縮費用1.jpg
短縮費用

このネットワークをタイムスケールで表示すると下記のようになり、各作業1日ごとの短縮可能日の下に、各作業の尾部から順に短縮費用を記入する。このとき、作業Bの余裕〜〜の部分は短縮しても費用はかからない。

エキストラコスト.jpg
エキストラコスト ×:短縮できない日

次に、各1日ごとにコストスロープを求めると、上図のように、4日間短縮できて、その費用(エキストラコスト)は小さい順に合計すると、
2 + 2 + 5 + 6 = 15万円
である。

②下記ネットワークにおいて、10日間の日程を短縮する例:各作業の短縮可能日数と短縮費用は下記表にようである。

ネットワーク2.jpg
ネットワーク

短縮費用2.jpg
短縮費用

試験に出題される日程短縮の場合、クリティカルパス(最長経路)は容易に見つけれるので、いきなり下記図のように、区間別にタイムスケールを描くことができる。

ネットワーク3.jpg
ネットワーク

(a)区間Ⅰの短縮費用:1日15万円で2日間が可能で、15、15が短縮費用となる。

(b)区間Ⅱの短縮費用:作業B、D経路に5日、作業F経路に10日の余裕がある。

(ⅰ)
作業B、Dの経路では、5日間のフロートで5日間の短縮費は無料、作業Bは4日で各10万円、作業Dは3日で各20万円となり、コストスロープは小さい順に、
0, 0, 0, 0, 0, 10, 10, 10, 10, 20, 20, 20
となる。

(ⅱ)
作業C、Eの経路では、余裕がないので、短縮すると作業Cは5日で各6万円、作業Eは5日で各10万円だから、コストスロープは小さい順に、
6, 6, 6, 6, 6, 10, 10, 10, 10, 10
となる。

(ⅲ)
作業Fの経路は、余裕が35日あり作業Fは1日短縮でき5万円である。
コストスロープは小さい順に、
0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 〜, 0, 5
となる。

区間Ⅱでは、この三者を同時に短縮すると考えると、3経路のコストスロープの小さい順に並べて下記表のようにし、短縮費用を求めえればよい。

短縮費用3.jpg
区間Ⅱのコストスロープ(短縮費用)

このように、並行作業のあるⅡの区間は、各経路別にコストスロープを求め、並行作業がいづれも短縮可能なときに短縮費用を計算する。

(c)区間Ⅲの短縮費用:1日10万円で2日短縮可能、10、10がコストスロープである。

(d)以上のⅠ、Ⅱ、Ⅲの区間のコストスロープの最小値から短縮すればよい。下記表のようになり、これを10日間、小さい順に短縮するとよい。作業Cは5日、作業Gは2日、作業Aは2日、作業BとEを1日を1日を短縮して、
6 + 6 + 6 + 6 + 6+ 10+ 10+ 15+ 15+ 20
=100万円
がエキストラコストとなる。

コストスロープ.jpg
区間Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのコストスロープ

以上の計算に慣れると、ネットワークから容易に短縮費用が求められる。