一次検定 施工(仕上工事)防水 1-1 アスファルト防水

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】
4 施工(仕上工事)
1° 防水工事
1-1 アスファルト防水
下記の正誤を判断せよ。
①コンクリート下地のアスファルトプライマーの使用量は、0.2kg/m2とする。

答え

  ◯

②コンクリートスラブの打継ぎ部は、絶縁用テープを張付けた後、幅300mm程度のストレッチルーフィングを増張りする。

答え

  ◯

③アスファルト防水において、貫通配管回りに増張りした網状アスファルトルーフィングは、アスファルトで十分に目つぶし塗りを行った。

答え

  ◯

④アスファルト防水の密着工法において、平場のアスファルトルーフィング類の重ね幅は、長手、幅方向とも50mmとし、重ね部からあふれ出たアスファルトは、はけを用いて塗り均した。

答え

  ×
解説 ]
平場のアスファルトルーフィング類の重ね幅は、縦横とも100mm程度とし、重ね部からあふれ出たアスファルトは、はけを用いて塗り均す。


出隅・入隅には、幅300mm程度のストレッチルーフィングを、一般平場のルーフィングの張付けに先立ち、最下層に増張りする。

⑤露出防水絶縁工法において、アスファルトプライマー塗りの後、砂付あなあきルーフィングを突き付けて敷き並べた。

答え

  ◯

⑥露出防水絶縁工法において、入隅は、砂付あなあきルーフィングを用いて、平場へ500mm以上張り掛けて増し張りした。

答え

  ×
解説 ]
露出防水絶縁工法に、砂付きあなあきルーフィングを用いる場合の出隅及び入隅では、幅700mm以上のストレッチルーフィング(機械的性質及び耐久性にすぐれている)を用いて平場に500mm以上張り掛け増張りする。

⑦立上がりのアスファルトルーフィング類を張付けた後、平場のルーフィング類を150mm程度張り重ねる。

答え

  ×
解説 ]
平場のアスファルトルーフィング類を張付けた後、その上に立上がりアスファルトルーフィング類を150nn程度重ねて張り付ける。

 

一次検定 施工(仕上工事)防水 1-2 改質アスファルトシート防水

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

4 施工(仕上工事)

1° 防水工事
1-2 改質アスファルトシート防水
下記の正誤を判断せよ。
(改質アスファルトシート防水工事)
①防水層の下地は、入隅部はR面とし、出隅部は直角とした。

答え

  ×
[ 解説 ]
改質アスファルトシート防水層の下地の入隅直角とし、出隅は45° の幅 3〜5mmの面取りとする

②平場の改質アスファルトシートの張付けに先立ち、立ち上がり部の出入隅角部に200mm角の増張り用シートを張付けた。

答え

  ◯

③改質アスファルトシート相互の重ね幅は、長手、幅方向とも100mmとなるように張り重ねた。

答え

  ◯
[ 解説 ]
平場の張付けにおいて、シートの3枚重ね部は、水みちとなりやすいので、中間の改質アスファルトシート端部斜めにカットするか、焼いた金ごてを用いて平滑にする。

④ALCパネルの短辺接合部は、あらかじめ幅150mmの増張り用シートを密着張りした。

答え

  ×
[ 解説 ]
パネルの短辺接合部は、改質アスファルトシートの張付けに先立って、幅300mm程度増張り用シートを用いて、接合部両側に100mm程度ずつ張り掛け絶縁張りとする


防水下地がプレキャストコンクリート部材の接合目地部には、目地の両側に100mm程度ずつ張り掛けることのできる幅の増張り用シートを用いて絶縁増張りを行う。

⑤露出防水用改質アスファルトシートの重ね部は、砂面をあぶり、砂を沈めて重ね合わせた。

答え

  ◯

(合成高分子系ルーフィングシート防水工事)
⑥プライマーは、その日に張り付けるルーフィングの範囲に、ローラーばけを用いて規定量をむらなく塗布した。

答え

  ◯

(加硫ゴム系シート防水)
⑦出隅角の処理は、シートの張付け前に非加硫ゴム系シートで増張りを行った。

答え

  ◯

⑧重ね部は熱融着し、接合端部をひも状シール材でシールした。

答え

  ×
[ 解説 ]
加硫ゴム系ルーフィングシートの相互の張付けは、接着剤テープ状シール材を用いて接合する

⑨接着仕様の防水層立上りの末端部の処理は、押え金物で固定し、シール材を用いた。

答え

  ◯

⑩軽歩行が可能となるように、加硫ゴム系シート防水の上にケイ砂を混入した厚塗り塗料を塗布した。

答え

  ◯

一次検定 施工(仕上工事)防水 1-3 合成高分子系ルーフィングシート防水

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

4 施工(仕上工事)

1° 防水工事
1-3 合成高分子系ルーフィングシート防水
下記の正誤を判断せよ。

(合成高分子系ルーフィングシート防水)
●塩化ビニル樹脂系シート防水
①塩化ビニル樹脂系シート防水において、シート相互の接合部は、クロロプレンゴム系の接着剤により接合した。

答え

  ×

[ 解説 ]
塩化ビニル樹脂系シート防水において、シート相互の接合部は、熱風融着又は溶着材により行う

②塩化ビニル樹脂系シート防水の出入隅角には、水密性を高めるためシートの施工後に成形役物を張り付けた。

答え

  ◯

[ 解説 ]
エポキシ樹脂系接着剤を用いて平場に塩化ビニル樹脂系ルーフィングシートを張付ける場合は、下地面のみに接着剤をむらなく塗布する。

③塩化ビニル樹脂系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け後に成形役物を張り付けた。

答え

  ◯

(塗膜防水)
④ウレタンゴム系防水材の塗継ぎの重ね幅を50mm、補強布の重ね幅100mmとした。

答え

  ×

[ 解説 ]
ウレタンゴム系防水材の塗継ぎの重ね幅を100mm以上とし、補強布の重ね幅は50mm以上とする。立上がり部の補強布は、平部の通気緩衝シートの上に100mm程度張り掛けて防水材を塗布する。

⑤ウレタンゴム系塗膜防水の通気緩衝工法において、防水層の下地からの水蒸気を排出するための脱気装置は、200m2 に1箇所の割合で設置した。

答え

  ×
[ 解説 ]
通気緩衝シートによる下地からの水蒸気の通気を行う脱気装置は、50〜100m程度ごとに設置する

⑥ウレタンゴム系塗膜防水の緩衝工法における通気緩衝シートは、接着剤を塗布し、シート相互を突付け張りとした。

答え

  ◯

[ 解説 ]
穴あきタイプ通気緩衝シートは、下地に通気緩衝シートを接着剤で張付け後、シートの穴ウレタンゴム系防水材を用いて充填する。

⑦ウレタンゴム系塗膜防水の緩衝工法において、立上がり部のおける補強布は、平場部の通気緩衝シートの上に100mm張り掛け防水材を塗布した。

答え

  ◯

[ 解説 ]
ゴムアスファルト系地下外壁仕様において、出隅及び入隅の下地補強塗りは、補強布を省略しゴムアスファルト系防水材を用いて、増吹きにより補強塗りを行うようにする。

⑧ゴムアスファルト系室内使用の防水材の総使用量は、固形分60%のものを使用し、4.5kg/m2とした。

答え

  ◯

[ 解説 ]
ウレタンゴム系防水材の平場部の総使用量は、硬化物比重が1.0のものを使用する場合、標準使用量は 3.0kg/m2立上り部では標準使用量は 2.0kg/m2とする。

一次検定 施工(仕上工事)防水 1-4 シーリング工事

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

4 施工(仕上工事)

1° 防水工事
1-4 シーリング工事
下記の正誤を判断せよ。
①ALCなどの表面強度が小さい被着体の場合、モジュラスの高いものを使用する。

答え

  ×

[ 解説 ]
ALCパネルは表面強度が小さいため、シーリング材は低モジュラスのものを用いる

モジュラス:弾性をもつ素材に引っ張りや圧縮などのひずみが加わった時、元の形状に戻ろうとする力のこと。
モジュラスが低ければ低いほど、柔らかい材質

②外壁ALCパネルに取り付くアルミニウム製建具の周囲の目地シーリングは、3面接着とした。

答え

  ×

[ 解説 ]
外壁ALCパネルに取り付くアルミニウム製建具の周囲の目地シーリングは、ワーキングジョントとなるので、2面接着とする

③コンクリートの水平打継ぎ目地のシーリングは3面接着とし、2成分形変成シリコーン系シーリングを用いた。

答え

  ◯

[ 解説 ]
目地の変位が全くないか極めてすくないところは、ノンワーキングジョイントを用い、3面接着とする。金属製笠木の笠木間の目地には、2成分形変成シリコーン系シーリングを使用する。

④プライマーの塗布及びシーリング材の充填時に被着体が5℃以下になるおそれが生じたので、作業を中止した。

答え

  ◯

[ 解説 ]
施工環境として気温15~20℃、湿度80%未満の無風状態が望ましい。

⑤マスキングテープはプライマーの塗布前に張り付け、充填したシーリング材の可使時間が過ぎてから除去した。

答え

  ×

[ 解説 ]
マスキングテープは、プライマーの塗布前に張り付け、シーリング材の表面仕上げ後(へら仕上げ後)、直ちに除去する。

⑥シーリング材の充填は目地の交差部から始め、打継ぎ位置も交差部とした。

答え

  ×

[ 解説 ]
シーリングの打始めは、目地の交差部又は角部から行い、打継ぎ位置は目地の交差部角部避けてそぎ継ぎとする。

⑦先打ちしたポリサルファイド系シーリング材に、変成シリコーン系シーリング材を打ち継いだ。

答え

  ◯

[ 解説 ]
被着面にのろが付着していた場合、サンドペーパーなどを用いて完全に除去する。

⑧ワーキングジョイントの目地幅が20mmだったので、目地深さは、12mmとした。

答え

  ◯

[ 解説 ]
ワーキングジョイントに装填する丸形のバックアップ材は、目地幅より20~30%大きいものを選定する。

⑨目地深さが所定の寸法より深い場合、バックアップ材などを用いて、所定の目地深さになるように調整する。

答え

  ◯

[ 解説 ]
バックアップ材は、裏面粘着剤の付いているものは目地幅より1mm程度小さいものを、裏面粘着剤の付いていないものは目地幅より2mm程度大きいものを用いる。

⑩シリコーン系シーリング材を充填する場合のボンドブレーカーは、シリコーンテープをした。

答え

  ×

[ 解説 ]
シリコーン系シーリング材を充填する場合のボンドブレーカーは、ポリエチレンテープとする

実践13 仕上工事6 防水工事1

1級建築施工管理技士 実践13 仕上工事6 防水工事1

建築施工管理者にとって屋根防水工事はもっとも重点管理するべきものの項目のひとつである。

日本においては、RC造、SRC造、S造、その他ほとんどすべての建物に、雨水の侵入防止と、建物自体の耐久性向上のために、屋上に防水が施されている。
屋上のコンクリート躯体そのものには全く防水性能は期待できない。その理由は以下による。

・コンクリートそのものは、水和反応により硬化し、収縮するので、その表面には微細な収縮亀裂が発生する。
・立ち上がり部等の打継ぎ部分にごくわずかな水の道ができる。
などである。
通常、屋上防水にはアスファルト防水工法を採用するが、その他、シート防水、塗膜防水などの採用できる場合もある。
材料や工法は進歩してはきているが、漏水問題も後は立たないので、建築施工管理者にとっては、品質管理上、最も重要な工事である。

アスファルト防水は下地づくりからはじまる

日本では、屋上の防水工法と言えばアスファルト防水工法である。今でもアスファルト防水工法は信頼性がもっとも高く、経済的な工法である。
しかし、アスファルト防水工法の欠点は、釜焚きの煙や臭いが近隣に迷惑をかけるので、その都度事前に最寄りの消防へ連絡を入れる必要がある。
そこで、最近では改質アスファルト工法が採用されるケースも増えてきている。
アスファルトに合成ゴム系の材料を混ぜて、低温時の柔軟性を増して施工性を改善したものである。
シート状にしたものをバーナであぶり、溶かしながら下地に張り付けていく工法や、粘着層付きのルーフィングを使用する方法、両方の混合方法などがある。
アスファルト防水工法も改質アスファルト防水工法も、”下地づくり”が命である。
屋上は夏場には強い日差しを受け、冬場には外気や積雪などで冷やされるといった過酷な状況下にあるため、防水材と押えコンクリートは、一年中伸縮を繰り返すことになり、表面の温度差は40〜60℃若しくはそれ以上にもなり得る。
そのような厳しい環境下で、保証期間の10年はもちろん、それ以上の長期期間にわたって性能を維持することは困難な問題である。
管理のポイントは下地づくりと押えコンクリートにある。
下地づくりでの注意点は、躯体コンクリートの健全性と平滑性である。打継ぎ部分の処理や立上がりの”入り隅、出隅”の丸みづくり、そして、パラペットなどの立上がり部の防水層の十分な立上がり高さの確保である。
押えコンクリートの管理ポイントは、直射日光を受けて伸縮する応力を吸収するため、パラペットの周囲には切れ目なくエキスパンションジョイントの目地を配置することにある。その他の一般部は、3m × 3m程度に規則ただしいエキスパンションジョイントを設置する。
押えコンクリートの厚さは60mm以上(断熱工法では80mm以上)は確保したい。

そのほかの防水工法の選択

そのほかに、使用頻度の高い簡易な屋上防水として、シート防水やウレタン塗膜防水工法がある。
露出シート防水は鉄骨構造の屋上に使用されることが多い。
下地の動きに対する追従性がよく、軽量化を好む構造に適しているのがその理由である。
シート防水の進化によって、最近は数種類の材料が選択できるようになった。
代表的な材料には、塩化ビニルシート(PVC)、EPDMゴムシートがある。
塩化ビニルシートは意匠性・耐衝撃性にすぐれ、EPDMゴムシートは耐候性に優れている。
露出防水には屋上歩行を許す場合とそうでない場合があるが、一般的にはメンテナンスを行うルートを決めて、その部分に、増張りをする対策が多い。
この場合の施工上の大切な注意点は、やはり下地の乾燥である。
一方、ウレタン塗膜防水工法も、住宅のベランダなど簡易な防水工法として普及している。この場合もやはり、下地コンクリートの平滑度、立上がり部の均一な丸み、そして十分な下地の乾燥が重要である。
ウレタン塗膜防水は均一な塗厚の確保が必要で、また、この工法は数年後再び塗り重ねることができるので、メンテンアンスが容易であるのがメリットである。
リフォームにも多く利用されている。

建築施工管理者として、結露対策を強化する

結露のクレームは以前として多いので、、結露防止は、建築施工管理者にとっても重要な問題である。
設計図をよく読んで、結露対策が十分であるかどうかを吟味する必要もある。
結露は室内側の湿度と室外側の温度、そしてその境界にある壁や断熱材の性能など、さまざまな条件が
重なって起きるので原因究明や対策が難しい。特にマンションの押入れや、本棚の後ろの風通しの悪い部分に集中する。
一般的には、室内側に湿気が多くて風通しが悪く、室外に急激な気温の低下があると、室内側に表面結露が発生し、間仕切り内に内部結露が発生する。
木造住宅の場合は、壁の断熱性能を高め、室内の湿気を壁の中に通さないような防湿層を仕上げ材の裏に取り付けるか、空気層を設けるなどして、熱と水蒸気の伝達を遮ると効果がある。
また、窓ガラスなどは真空層をもった複層ガラスを採用するか、二重窓にするかなが一般的な対策である。
しかし、それでも窓ガラスの内側に結露が発生し、室内を濡らすおそれがあるので、サッシュの下端に結露受けのあるサッシュを選択したい。