1級建築施工管理技士 過去問解説 H25 実地2

平成25年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題2

問題2
建築工事において、次の 1.から 3.の仮設物の設置計画に当たり、留意又は検討すべき事項 をそれぞれ 2 つ、具体的に記述しなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、保守点検等設置後の運用管理上の記述は除くもの とする。また、使用資機材に不良品はないものとする。
1. 場内仮設事務所

解答

①事務所本体、外構、埋設設備等の工事に支障のない位置とする。
②出来る限り作業の状況が確認しやすく、また資材の動き、人の動きが見える所とする。
[ 解説 ]
場内仮設事務所の計画での留意事項または検討すべき事項については、以下の①~③等がある。
①設計・工事事務所の現場の出入口に近く、かつ、現場の状況がよく見える位置に計画する。
②設計事務所と工事事務所の位置は、両者の打合せがスムーズにできるよう、近接位置とする。
③仮設事務所の位置は、工事の終了間際まで使用できる位置とする。

2. 場内仮設道路

解答

①仮設道路位置は、ゲートの位置と揚重設備及び資材置場との円滑な動線上に設ける。
②重量車の走行に十分耐えられる道路構造とする。
[ 解説 ]
場内仮設道路の配置計画に当たり、留意事項または検討すべき事項については以下の①~③等がある。
①資機材の運搬車両、工事用機械等、さまざまな用途の車両の通行を考慮し、道路の位置と幅員について検討する。
②地耐力を確認し、機械接地圧と比較検討を行う。なお、地耐力が不足しているときは地盤改良工事を行う。
③杭打機など大型の工事用機械は接地圧が大きいので、整地後に切込砂利を敷き、十分転圧してから鋼板を敷く。

3. 鋼板製仮囲い(ゲート及び通用口を除く。)

解答

①建地や控えが風圧に耐えられる深さまで打ち込まれているかを確認する。
②鋼板が横地材とボルトで緊結されているか、また、建地材の間隔が適切であるかを確認する。
[ 解説 ]
鋼板製仮囲いの配置計画に当たり、留意事項または検討すべき事項については以下の①~③等がある。
①材料は、万能鋼板 H=2m、または H=3mとする。
②仮囲いは、支柱の打込み長さ、斜材の間隔を確認するとともに強風、地震等で倒壊することがないように、十分に安全な構造とする。
③仮囲いは、現場内の落下物等が外部に転がり出ないように、幅木を設置し、すき間のない構造とする。

1級建築施工管理技士 過去問解説 H25 実地3

平成25年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題3

問題3
次の 1.から 4.の問いに答えなさい。 ただし、留意事項は、それぞれ異なる内容の記述とし、材料の保管、作業環境(気象条件等)及び作業員の安全に関する記述は除くものとする。
1. 場所打ちコンクリート杭地業(アースドリル工法)のコンクリートの打設における施工上の 留意事項を、2 つ具体的に記述しなさい。
ただし、コンクリートの調合に関する記述は除くものとする。

解答例

場所打ちコンクリート杭地業(アースドリル工法)のコンクリートの打設における施工上の留意事項は以下の①~⑤等がある。この中より2つを簡潔に記述する。
①コンクリートの打込みには、トレミー菅を用いる。
②トレミー菅及びケーシングチューブは、これを引き抜きながらコンクリートの打込みを行う。
③トレミー菅の先端は、コンクリートの中に常時2m以上入っているようにコンクリートを打設する。
④コンクリート打込み時に、その浮力等で鉄筋かごの浮き上がりが生じる場合もあるので、十分注意して押さえながら打設する。
⑤ケーシングチューブを急速に引き抜くと、コンクリートに泥水を巻き込むことになるので、十分注意して押さえながら打設する。

2. 鉄筋工事の鉄筋の組立てにおける施工上の留意事項を、2 つ具体的に記述しなさい。 ただし、鉄筋材料、加工及びガス圧接に関する記述は除くものとする。

解答

鉄筋工事の鉄筋の組立てにおける施工上の留意事項としては、以下の①~⑤等がある。この中の2つを簡潔に記述する。
①加工された鉄筋は、施工図に従って正しい位置に、コンクリートの打込みで移動やひずみが起きないように、間隔を正しく堅固に組み立てる。鉄筋相互の位置の固定は、鉄筋の交点や重ね部分を0.8~0.85mm程度のなまし鉄線で結束する。
②柱・梁主筋と帯筋、あばら筋との結束は、四隅の交点において全数行い、その他の交点において半数以上行う。スラブ、壁では交点の半数以上とする。
③鉄筋相互のあきの最小寸法は次のうち一番大きい数値とする。
・粗骨材の最大寸法の1.25倍
・25mm
・異形鉄筋では呼び名の数値(径が異なる場合は平均値)の1.5倍
・鉄筋の継手長さ、定着長さ、相互のあき寸法が不足しないように組み立てる。
④鉄筋の継手位置は相互にずらして配筋する。
⑤かぶり厚さを確保するため、バーサポート及びスペーサーはコンクリート製または鋼製とする。

3. 型枠工事において、支保工にパイプサポートを使用する場合の施工上の留意事項を、2 つ具体的に記述しなさい。
ただし、パイプサポートに不良品はないものとする。

解答

支保工にパイプサポートを使用する場合の施工上の留意事項としては以下の①〜⑤等がある。この中の2つを簡潔に記述する。
①支柱は垂直に立て、上下階の支柱は平面上の同一の位置とする。
②パイプサポートは3本以上継いではならない。
③パイプサポートを継いで用いるときは、4本以上のボルトまたは専用金具を用いて継ぐ。
④高さが 3.5mを超えるパイプサポートには、高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設け、かつ、つなぎの変位を防止する。
⑤支柱の脚部の固定、根がらみの取付け等により、支柱脚部の滑動を防ぐ。


4.
鉄骨工事の建方時における仮ボルトの施工上の留意事項を、2 つ具体的に記述しなさい。
ただし、材料に不良品はないものとする。

解答

鉄骨工事の建方時における仮ボルトの施工上の留意事項としては、以下の①〜④等がある。この中から2つを簡潔に記述する。
①本締め用の高力ボルトを仮ボルトに兼用してはならない。
②仮ボルトの本数と配置は次の通りとする。
・高力ボルト継手(高力ボルト接合)では、中ボルト等を使用してボルト1群に対して 1/3程度かつ2本以上をバランスよく配置して、締め付ける。
・混用継手及び併用継手では、中ボルト等を使用して、ボルト1群に対して1/2程度かつ2本以上をバランスよく配置して、締め付ける。
③溶接継手におけるエレクションピース等に使用する仮ボルトは、高力ボルトを使用して全数締め付ける。
④強風や地震等、想定される外力に対する接合部の応力を計算し、発生応力に必要な数の仮ボルトを用いる。

1級建築施工管理技士 過去問解説 H25 実地4

平成25年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題4

問題4
次の 1.から 8.の各記述において、記述ごとの①から③の下線部の語句のうち最も不適当な箇所番号1 つあげ、適当な語句を記入しなさい。
1.密着保護仕様のアスファルト防水において、一般平場部と立上り部又は立下り部で構成する 出隅・入隅は、平場部のルーフィング類の張付けに先立ち、幅① 300 mm 程度の②ストレッチルーフィングの流張りで均等に増張りする。
屋根にプレキャストコンクリート板を使用する場合、プレキャストコンクリート板の継手目地 部は、平場部のルーフィング類の張付けに先立ち、両側のプレキャストコンクリート板に③ 40 mm程度張り掛る幅の②ストレッチルーフィングを用いて、絶縁増張りをする。

解答

 ③ 100
密着保護仕様のアスファルト防水におけるプレキャストコンクリート板の継手目地部は、平場部のルーフィング類の張付けに先立ち、両側のプレキャストコンクリート板に100mm程度張り掛かる幅のストレッチルーフィングを用いて、絶縁増張りをする。 (JASS8)

2.タイルを壁の下地モルタル面に、改良圧着張り工法にて張り付ける場合、下地に適当な水湿しを 行い、①機械練りした張付けモルタルを②2層塗りし、タイル裏面全体に張付けモルタルを塗り付け、直ちにたたき押えをして張り付ける。一度に張り付ける面積は③m2 以下とする。

解答

 ③ 2
改良圧着張り工法において下地への張付けモルタルの1回の張り付け面積の限度は2m2以下とし、かつ、60分以内に張り終える面積とする。(公共建築工事標準仕様書)

3.内装の床張物下地をセルフレベリング材塗りとする場合、軟度を一定に練り上げたセルフレベ リング材を、レベルに合わせて流し込む。流し込み中は、できる限り通風を①良くして作業を行う。
施工後の養生期間は、常温で7日以上、冬期間は ②14 日以上とし、施工場所の気温が③°C以下の場合は施工しない。

解答

 ① なくして
セルフレベリング材が硬化する前に風が当たると、表層部分だけが動いて硬化後にしわが発生する場合がある。したがって、流し込み作業中はできる限り通風をなくして、施工後もセルフレベリング材が硬化するまでは、はなはだしい通風は避ける。(建築工事監理指針)

4.長尺金属板葺の下葺のアスファルトルーフィングは、軒先と①平行に敷き込み、軒先から順次棟へ向かって張り、隣接するルーフィングとの重ね幅は、短辺部は 200 mm 以上、長辺部は 100 mm以上とする。
金属板を折曲げ加工する場合、塗装又はめっき及び地肌にき裂が生じないよう切れ目を②入れて折り曲げる。金属板を小はぜ掛けとする場合は、はぜの折返し寸法と角度に注意し、小はぜ内に 3~6mm 程度のすき間を設けて③毛細管現象による雨水の浸入を防ぐようにする。

解答

 ②入れずに
長尺金属板を現場等で折り曲げる場合は、地肌に亀裂が生じないように十分曲げ半径を取り、切れ目を入れずに塗装、めっきを行う。(建築工事監理指針)

5.構造ガスケット構法によるガラスのはめ込みにおいて、ガラスの①クリアランスが大きくなるとガラスの②かかり代が小さくなり、風圧を受けたときの構造ガスケットのリップのころびが大きくなるので、③止水性の低下や、ガラスが外れたりガスケットがアンカー溝又は金属枠から外れたりするおそれがある。

解答

 ①エッジ
構造ガスケット構法において、エッジクリアランスが大きくなると、ガラスのかかり代が小さくなる。(JASS17)

6.せっこうボードのせっこう系直張り用接着材による直張り工法において、直張り用接着材は、①時間程度で使いきれる量をたれない程度のかたさに水と練り合わせ、ボードの仕上がり面の高さの②倍程度の高さにダンゴ状に盛り上げる。ボードの張付けにおいては、ボード圧着の際、ボード下端と床面との間を③10 mm 程度浮かした状態で圧着し、さらに調整定規でたたきながら、所定の仕上げ面が得られるように張り付ける。

解答

 ① 1
接着材の一度に練る量は1時間以内に使い切れる量とする。(建築工事監理指針)

7.内壁を内装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材仕上げとする場合、下地のセメントモルタル面を①金ごて又は木ごて仕上げとする。
吹付け塗りとするときは、下地面に対して直角に吹き付けられるように、スプレーガンのノズルは、 やや②下向きに保ち、一様に吹き付け、主材2回塗りとする場合の工程内間隔時間は、③時間以上とする。

解答

 ② 上向き
内壁を内装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材(内装薄塗材E)仕上げとする場合、下地のセメントモルタル面を金ごてまたは木ごて仕上げとする。吹付け塗りの操作の基本は、スプレーガンのノズルを下地に対し直角よりやや上向きに保つことが重要である。(JASS23)

8.ALC外壁パネルを横張りで取り付ける場合、通常、パネル積上げ段数①段以下ごとにパネル質量を支持する自重受け鋼材を設ける。また、自重受け鋼材を設けた②横目地には、③伸縮目地を設ける。

解答

 ① 5
横張りの場合は、パネル積み上げ段数5段以下ごとにパネル自重を受け、パネル重量が下層のパネルに伝達しないように10〜20mmの伸縮調整目地を設ける。(JASS21)

1級建築施工管理技士 過去問解説 H25 実地5

平成25年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題5

問題5
市街地での事務所ビルの建設工事における右に示す工程表に関し、次の問いに答えなさい。 なお、解答の旬日は、上旬、中旬、下旬で記述しなさい。
[ 工事概要 ]
構造・規模:鉄筋コンクリート造地下1階、
      地上6階、塔屋1階、
      延べ面積 3,000 m2 とする。
地 業:アースドリル杭とする。
 
山 留 め:
  親杭横矢板・水平切梁工法で外部型枠兼用とし、
  親杭は引き抜かないものとする。
外壁仕上:コンクリート打ち放しの上、
     複層仕上塗材吹付け仕上げとし、
     アルミニウム製の横連窓建具とする。
 
屋上防水:アスファルト防水の上、
     保護コンクリート仕上げとする。
25-5.工程表.jpg
1.表中の土工事のA及び杭地業工事のBに該当する作業名をあげなさい。

解答

 A:切梁架け
 B:杭頭処理
(解説)
Aについて(土工事)
地下掘削の段取りとしては、1次根切りを開始した後、乗入構台を組み立て、乗入構台を利用して腹起し、切梁を架け、2次掘削へと進めていく。Aは1次根切りと2次根切りの間にある土工事ということから「切梁架け」である。
Bについて(杭地業工事)
地下躯体構築の段取りとしては、2次根切り終了後、杭頭処理をしないと、基礎耐圧盤の工事が開始できない。Bは杭地業工事の最終の作業ということで、「杭頭処理」である。

2.作業の終了日が工程上最も不適当な作業名を表の中より選び、適当な工程となるようその終了日を月次と旬日で定めなさい。

解答

最も不適当な作業名及び終了日
 作業名:外壁シーリング
 適当な工程となる終了日:
  9月中旬(または下旬)
(解説)
外壁が吹付けの場合の外装工事の段取りとしては、躯体工事が終了した階から、外部建具工事 → 外壁シーリング → 吹付けの順に行われるため、「外壁シーリング」の終了日は外部建具取付け終了後、複層仕上塗材吹付け終了前となる。したがって、外壁シーリングが不適当な作業でその終了日としては「9月中旬」または「9月下旬」が最も適当である。

3.金属製建具工事の内部建具取付け作業の工程は未記入となっている。適当な工程となるように内部建具取付け作業の開始日及び終了日の期日を月次と旬日で定めなさい。

解答

開始日及び終了日
 開始日:8月中旬(または下旬)
 終了日:10月上旬(または中旬)
(解説)
内部建具取付けは内部建具枠の取付けと建具まで含めた取付けが考えられるが、過去の問題として出題されているのは建具枠の取付けのタイミングで工程が書かれているので、建具枠の取付けと考えられる。建具枠は、壁軽量鉄骨下地組みを終了した箇所でないと、取付けることができないため、開始日は8月中旬以降となる。また、建具枠を取付けた部分から壁ボードを張っていくことを考えると8月下旬には開始する必要があるので、開始日は8月中旬から下旬が適当である。また終了日については、天井・壁軽量鉄骨下地組みのうち、壁軽量鉄骨下地組みが天井より早く終了する場合を考えても、終了日は10月上旬以降となる。したがって、「開始日は8月中旬または下旬」「終了日は10月上旬または中旬」が適当である。

1級建築施工管理技士 過去問解説 H25 実地6

平成25年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題6

問題6
次の 1.から 3.の問いに答えなさい。
1.「建設業法」に基づく特定建設業者の下請代金の支払期日等に関する次の文章において、[  ] に当てはまる語句を記入しなさい。
特定建設業者が [ ① ] となった下請契約(下請契約における請負人が特定建設業者又は資本金額が 4,000万円以上の法人であるものを除く。)における下請代金の支払期日は、下請負人からその請け負った建設工事の完成した旨の通知を受け、検査によって建設工事の完成を確認した後、 下請負人が当該建設工事の引渡しを申し出た日(下請契約において定められた工事完成の時期から 20 日を経過した日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がされている場合にあっては、その 一定の日。)から起算して[ ② ] 日を経過する日以前において、かつ、できる限り短い期間内において定められなければならない。

解答

(解答)
 ①注文者 ② 50
(解説)
「建設業法」第24条の5第1項
(特定建設業者の下請代金の支払期日等)
特定建設業者が注文者となった下請契約(下請契約における請負人が特定建設業者または資本金額が4000万円以上の法人であるものを除く。)における下請代金の支払期日は、下請負人からその請け負った建設工事の完成した旨の通知を受け、検査によって建設工事の完成を確認した後、下請負人が当該建設工事の引渡しを申し出た日(下請契約において定められた工事完成の時期から20日を経過した日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がされいる場合にあっては、その一定の日)から起算して50日を経過する日以前において、かつ、できる限り短い期間内おいて定められなければならない。

2.「建築基準法施行令」に基づく落下物に対する防護に関する次の文章において、[  ] に当てはまる語句を記入しなさい。
建築工事を行なう場合において、建築のための工事をする部分が工事現場の境界線から水平距離が 5m 以内で、かつ、地盤面から高さが [ ③ ] m 以上にあるとき、その他はつり、除却、外壁の修繕等に伴う落下物によって工事現場の周辺に危害を生ずるおそれがあるときは、国土交通大臣の定める基準に従って、工事現場の周囲その他危害防止上必要な部分を鉄網又は [ ④ ] でおおう等落下物による危害を防止するための措置を講じなければならない。

解答

(解答)
 ③7   ④帆布
(解説)
「建築基準法施行令」第136条の5第2項
(落下物に対する防護)
建築工事等を行う場合において、建築のための工事をする部分が工事現場の境界線から水平距離が5m以内で、かつ、地盤面からからの高さが7m以上にあるとき、その他はつり、除却、外壁の修繕等に伴う落下物によって工事現場の周辺に危害を生ずるおそれがあるときは、国土交通大臣の定める基準に従って、工事現場の周囲その他危害防止上必要な鉄鋼または帆布でおおう等落下物による危害を防止するための措置を講じなければならない。

3.「労働安全衛生法」に基づく労働者の就労に当たっての措置に関する次の文章において、[  ] に当てはまる語句を記入しなさい。
建設業に該当する事業者は、その事業場に新たにつくことになった職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者(作業主任者を除く。)に対して、次の事項について厚生労働省令で定め るところにより、安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。
1.作業方法の決定及び労働者の [ ⑤ ] に関すること。
2.労働者に対する指導又は監督の方法に関すること。
3.1及び2に掲げるもののほか、 [ ⑥ ] を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの。

解答

(解答)
 ⑤配置  ⑥労働災害
(解説)
「労働安全衛生法」第60条
(安全衛生教育)
建設業に該当する事業者は、その事業場に新たにつくることになった職長その他の作業中の労働者を直接指導または監督する者(作業主任者を除く。)に対して、次の事項について厚生労働省令で定めるところにより、安全または衛生のための教育を行わなけらばならない。
1.作業方法の決定及び労働者の配置に関すること。
2.労働者に対する指導または監督の方法に関すること。
3.前2号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの。

1級建築施工管理技士 過去問解説 H26 実地1

平成26年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題1

問題1
建築物は、現場施工による一品生産である。生産現場である作業所では、着工前に発注者のニーズ及び設計図書から建築物の要求品質を事前に抽出し、「重点品質管理目標」を設定して施工にあたる。
あなたが経験した建築工事のうち、建築物の要求品質をつくり込むため、重点的に品質管理を行った工事を1つ選び、下記の工事概要を具体的に記入した上で、次の1.から2.の問いに答えなさい。
なお、建築工事とは、建築基準法に定める建築物に係る工事とし、建築設備工事を除くものとする。
[ 工事概要 ]
イ.工 事 名
ロ.工 事 場 所
ハ.工事の内容
   新築等の場合:建物用途、構造、階数、
         延べ面積又は施工数量、
         主な外部仕上げ、
         主要室の内部仕上げ
   改修等の場合:建物用途、主な改修内容、
         施工数量又は建物規模
ニ.工期(年号又は西暦で年月まで記入)
ホ.あなたの立場
1.工事概要であげた建築工事において、設計図書などから読み取った要求品質を実現するために行った品質管理活動2つあげ、次のからについて具体的に記述しなさい。
ただし、2つの品質管理活動の内容は、異なる記述とする。
①.設計図書などから読み取った要求品質と、それを実現するために定めた重点品質管理目標を、それぞれ具体的に記述しなさい。
②.①の重点品質管理目標を達成するために設定した、施工プロセスにおける品質管理項目とそれを定めた理由を、具体的に記述しなさい。
③.②の品質管理項目について、どのように管理したか、実施した内容を、具体的に記述しなさい。

解答試案

1)品質管理活動1
要求品質:外壁の防水性能
 重点品質管理目標
 外壁のコールドジョイントの発生ゼロ
品質管理項目
 打設中のコンクリート打重ね時間間隔の管理
 定めた理由
 打設中のコンクリート打重ね時間間隔が長いと、
 コールドジョイントが発生し、
 そこからの漏水は外壁性能に大きく影響するため。
実施した内容
コンクリートの打込み継続中の打重ね時間間隔(外気温25℃未満で150分以内、25℃以上で120分以内)を厳守するため、打重ねが発生した部分に関しては、打重ねまでの時間を記録、管理した。
2)品質管理活動2
要求品質:外壁タイル接着力
 重点品質管理目標
 外壁タイルの浮き、はく落の完全防止
品質管理項目
 密着張りの張付けモルタルの時間管理
 定めた理由
 張付けモルタルの可使時間を超えてからの施工は、
 タイルの密着性に悪影響を与え、
 タイルの浮きやはく落の原因となるため。
実施した内容
 張付けモルタルは、
 一度に塗り付ける面積を2m2以内にして、
 塗付け開始後15分で進捗を確認した。
 さらに20分以内で張り終えたことを確認し、
 チェックリストに記録した。
3)その他の事例
要求品質:建物の居住性
 重点品質管理目標
 内装建具の開閉不良クレームの根絶
品質管理項目
 建具枠の施工精度の管理
 定めた理由
 建具枠の対角寸法差や倒れが大きいと、
 室内出入口の建具の開閉性が悪くなる。
 また、当該建物は共同住宅であるため、
 建具の開閉性は居住性にも大きく影響する
 と考えたため。
実施した内容
 建具枠について、
 対角寸法差は対角測定治具により3mm以内、
 倒れは下げ振りより2mm以内であることを確認し、
 チェックリストに記録した。
(解説)
「要求品質」とは、建物の持つ重要な性能のことで、鉄筋コンクリート造の耐久性、外壁タイルの接着力、建物の居住性、断熱性能、屋上防水性能などがあげられる。また、「重点品質管理目標」は、その達成度が測定できるようなものを示す。

2.工事概要であげた工事にかかわらず、あなたの今日までの工事経験を踏まえて、次の、①、②について具体的に記述しなさい。
①.作業所における組織的な品質管理活動は、どのように行ったら良いと思いますか、あなたの考えを記述しなさい。
②.組織的な品質管理活動を行うことにより、どのような効果が得られると思いますか、あなたの考えを記述しなさい。

解答試案

①各人の役割を文章で明確にするとともに、1工程完了など社内調査を行い、手直しのない状態で次工程に引き継ぐシステムを構築することが必要であると考える。
②顧客の信頼が得られ社会的な評価を高めることができるとともに、工事に携わる者全員がより良い品質の建物を施工することを意識することで、全体としてスキルアップにもつながると考える。

1級建築施工管理技士 過去問解説 H26 実地2

平成26年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題2

問題2
建築工事現場において、次の3つの災害について、施工計画にあたり事前に検討した災害の発生するおそれのある作業の内容とそれを防止するための対策を、それぞれ2つずつ具体的に記述しなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、安全帯や保護帽の着用、朝礼時の注意喚起、点検・整備などの日常管理、安全衛生管理組織、新規入場者教育に関する記述は除くものとする。
①.墜落災害
②.崩壊・倒壊災害
③.重機関連災害

解答試案

墜落災害
・鉄骨建方作業で、柱のタラップを昇降する際には、墜落防止のため、安全ブロックを使用させる。また、タラップにガードの取付け等を行う。
・吹抜け部の天井塗装作業にローリングタワーを用いる際には、墜落防止のため、作用床には高さ90㎝以上の手すりと中桟及び高さ10㎝以上の幅木を設置する。また、安全帯を使用させるとともに、脚輪が移動しないようにブレーキをかける。
・木造の屋根上で垂木等の取付け作業を行う際には、墜落防止のため、防綱を設置するとともに、親綱を設置した上で安全帯を全員に使用させる。
・荷受け構台を用いた材料の取込み時には、墜落防止のために、構台の周囲に高さ85㎝以上の手すりと中桟を設置した上で安全帯を全員に使用させる。
・スレート屋根の改修作業では、踏み抜きによる墜落防止のため、幅30㎝以上の歩み板を設け、屋根裏には防網を設置する。
②崩壊・倒壊災害
・足場組立時には建地の座屈による倒壊の危険たあるので、壁つなぎとして固定ボルトを躯体に打ち込み緊結する。
・掘削工事時において根切り面が軟弱で崩壊する危険があったため、根切り面の勾配を緩くしてシートで表面を覆わせた。
③重機関連災害
・地面の掘削作業時における重機の後進時に転落する危険があるため、誘導員の合図に後進をするようにした。
・移動式クレーンによる揚重作業時にはクレーン車の転倒の危険がある為、アウトトリガーをしっかりと開き使用するようにした。

1級建築施工管理技士 過去問解説 H26 実地3

平成26年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題3

問題3
次の1.から8.の各記述において、記述ごとのからの下線部の語句のうち最も不適当な箇所番号1つあげ、適当な語句を記入しなさい。
1.作業場に通じる場所及び作業場内には、労働者が使用するための安全な通路を設け、かつ、これを常時有効に保持しなければならない。通路で主要なものにはこれを保持するため通路であることを示す表示をしなければならない。
屋内に設ける通路は用途に応じた幅を有し、通路面から高さ②1.8m以内に障害物を置いてはならない。機械間又はこれと他の設備との間に設ける通路については、幅③60cm以上としなければならない。

解答

 ③80
事業者は、作業場に通ずる場所及び作業所場内には、労働者が使用するための安全な通路を設け、かつ、これを常時有効に保持しなければならない。前項の通路で主要なものには、これを保持するため、通路であることを示す表示をしなければならない。(労働安全衛生規則第540条)
事業者は、機械間又はこれと他の設備との間に設ける通路については、幅80㎝以上のものとしなけばなならない。(労働安全衛生規則第543条)

2.根切り工事において、掘削底面付近の砂質地盤に上向きの浸透流が生じ、この水の浸透力が砂の水中での有効重量より大きくなり、砂粒子が水中で浮遊する状態を①クイックサンドという。
クイックサンドが発生し、沸騰したような状態でその付近の地盤が崩壊する現象を②ボイリングという。
掘削底面やその直下に難透水層があり、その下にある被圧地下水により掘削底面が持ち上がる現象を③ヒービングという。

解答

 ③盤ぶくれ
盤ぶくれとは、掘削底面下方に被圧地下水を有する帯水層がある場合、被圧帯水層からの揚圧力によって、掘削底面の不透水性土層が持ち上げられる現象である。(JASS3)

3.場所打ちコンクリート杭地業のオールケーシング工法において、掘削は①ドリリングバケットを用いて行い、1次スライム処理は、孔内水が②多い場合には、 ③沈殿バケットを用いて処理し、コンクリート打込み直前までに沈殿物が多い場合には、2次スライム処理を行う。

解答

 ①ハンマーグラブ
オールケーシング工法(ベノト工法)では、ケーシングチューブを圧入しながら、ハンマーグラブで掘削する。掘削完了後スライムを除去する。鉄筋かごを搬入し、トレミー管をセットして必要に応じて再度スライムを除去する。コンクリートを打込む空掘り部分を埋め戻す。(建築工事監理指針)

4.ガス圧接の技量資格種別において、①手動ガス圧接については、1種から4種まであり、2種、3種、4種となるに従って、圧接作業可能な鉄筋径の範囲が②大きくなる。技量資格種別が1種の圧接作業可能範囲は、異形鉄筋の場合は呼び名D③32以下である。

解答

 ③25
ガス圧接工は、公益社団法人日本鉄筋継手協会が行う「ガス圧接技量検定試験」の合格者でなければならない。また、ガス圧接工の技術資格には、1種、2種、3種、4種の4種類があり、その種別により作業可能範囲が決められている。
H26-3-4圧接作業可能範囲.jpg

5.コンクリート工事において、暑中コンクリートでは、レディミクストコンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、原則として①35℃以下とし、コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間は、②120分以内とする。打込み後の養生は、特に水分の急激な発散及び日射による温度上昇を防ぐよう、コンクリート表面への散水により常に湿潤に保つ。湿潤養生の開始時期は、コンクリート上面ではブリーディング水が消失した時点、せき板に接する面では脱型③直後とする。

解答

 ②90
暑中コンクリートとは、日平均気温の平均値が25℃を超える期間に打込むコンクリートである。気温が高くなると運搬中のスランプの低下、凝結の促進、水分の急激な蒸発等の種々の問題が発生しやすくなる。そのため、材料、調合については、水は低温のものを使用し、構造体強度補正値は原則として35℃以下とする。
コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間は、90分以内とする。(JASS5)

6.コンクリートポンプを用いてコンクリート打設を行う際、コンクリートポンプ1台当たりの1日の打込み量の上限は①250m3を目安とし、輸送管の大きさは圧送距離、圧送高さ、コンクリートの圧送による品質への影響の程度などを考慮して決める。輸送管の径が大きいほど圧力損失が②大きくなる。
コンクリートの圧送に先だちポンプ及び輸送管の内面の潤滑性の保持のため、水及びモルタルを圧送する。先送りモルタルは打設するコンクリートと同等以上の強度を有するものとし、モルタルは型枠内に③打ち込まないことを原則とする。

解答

 ②小さく
コンクリートポンプを用いてコンクリート打設をする場合、輸送管の径はポンプの圧送性に直接影響する。そのため輸送管の径が大きいほど圧力損失が小さくなり、圧送性も良くなる。(JASS5)

7.型枠組立てにあたって、締付け時に丸セパレーターとせき板の角度が大きくなると丸セパレーターの破断強度が大幅に低下するので、できるだけ①垂直に近くなるように取り付ける。
締付け金物は、締付け不足でも締付けすぎても不具合が生じるので、適正に使用することが重要である。締付け金物を締付けすぎると、せき板が②側に変形する。
締付け金物の締付けすぎへの対策として、内端太(縦端太)を締付けボルトとできるだけ③離して締付ける等の方法がある。

解答

 ③近接させて
型枠の組立てにあたり、締付け金物を締付けすぎると、せき板が内側に変形するため、内端太(終端太)を締付けボルトとできるだけ、近接させて締付けるなどの措置を行う。(型枠の設計・施工指針)

8.鉄骨の現場溶接作業において、防風対策は特に配慮しなければならない事項である。①アーク熱によって溶かされた溶融金属は大気中の酸素や②窒素が混入しやすく、凝固するまで適切な方法で外気から遮断する必要がある。このとき遮断材料として作用するものが、ガスシールドアーク溶接の場合シールドガスである。
しかし、風の影響によりシールドガスに乱れが生じると、溶融金属の保護が不完全になり③アンダーカットなどの欠陥が生じてしまう。また、溶融金属中への②窒素の混入は、溶融金属の破壊靭性を低下させる。

解答

 ③ブローホール
現場溶接において、暴風対策が不十分であると、風の影響により、シールドガスなどに乱れが生じ、溶接金属の保護が不完全になり、ブローホールなどの欠陥が生じる(鉄骨工事技術指針 現場工事施工編)

1級建築施工管理技士 過去問解説 H26 実地4

平成26年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題4

問題4
次の1.から4.の問いに答えなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、材料の保管、作業環境(気象条件等)及び作業員の安全に関する記述は除くものとする。
1.鉄骨屋根下地に金属製重ね形折板葺きとするときの施工上の留意事項2 つ、具体的に記述しなさい。

解答例

①重ね形の折板や各山ごとにタイトフレームに固定し、流れ方向の重ね部の緊結のボルト間隔は600mm程度とする。
(公共建築工事標準仕様書)
②折板のけらば納めはけらば包みによる方法を原則とする。けらば包は1.2m以下の間隔で下地に取り付ける。けらば包みの継手の重ねは60mm以上とし、重ね内部にシーリング材を挟み込む。
③折板は、幅方向で継ぐ。漏水防止に配慮し長手方向に継手を設けない。
④タイトフレームと下地との接合は、隅肉溶接とし、溶接後はスラグを除去し、錆止め塗料を塗りつける。
⑤本締めに関しては、ボルト孔はドリリング開孔とし、孔径はボルト径より0.5mm以上大きくしてはならない。
⑥けらば包みがない場合のけらばには、1.2m以下の間隔で、折板の山間隔の3倍以上の長さの変形防止材を取り付ける。

2.外壁コンクリート面に防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)を用いて外装仕上げとするときの施工上の留意事項2つ、具体的に記述しなさい。

解答例

①下塗りは、だれ、塗り残しのないように均一に塗り付ける。
②凸部分処理は、こてまたはローラー押さえにより、見本と同様の模様となるように主材の模様塗り後、1時間以内に適当な時間を選んで行う。
③上塗りの塗り回数は、2回塗りを標準をし、色むら、だれ、光沢むらのないように、均一に塗り付ける。
④模様塗りは、見本と同様の模様となるよう適切な工具を使用し、適切な条件の下で塗り付ける。
⑤5℃以上で塗装する。乾燥途中で結露すると塗面に異常を発生するおそれがあるので多湿時の塗装は避ける。

3.木製床下地にフローリングボード又は複合フローリングを釘留め工法で張るときの施工上の留意事項2つ、具体的に記述しなさい。
ただし、下地又は張付け後の養生に関する記述は、除くものとする。

解答例

①必要に応じて接着剤を下地に塗布し、釘と接着剤を併用して留め付ける。
②釘留め工法によるフローリングボード張りは、張込みに先立ち、板の割付けを行い、隣接する板の継手は150mm程度離して通りよく敷き並べる。
③フローリング類の割付けは、室の中央から両端へ行い、割付けが半端になる場合は、目立ちやすい出入口を避け、壁際の見え隠れとなる場所で行う。
④フローリング類は木質材であり、湿度の変化によって膨張・収縮するので、幅木・敷居等との取り合い部ではエキスパンションをとる。
⑤板そば、木口のさね肩を損傷しないように、根太に向けて雄ざねの根付けから45度の傾斜に隠し釘で留める。

4.せっこうボード下地に壁紙を直張り工法で張るときの施工上の留意事項2 つ、具体的に記述しなさい。

解答例

①厚手の壁紙は突付け張りとする。20〜30mm重ね合わせ、重ね切りをする。
②壁紙の継ぎ目は模様合わせの上、色柄のむらやねじれのないように張り付ける。
③のり付けした壁紙は、へらまたはローラーを用いて、均一になで付け、周囲にすき間なく張り付ける。
④接着剤を適量の水で希釈し、のり付け機などで裏面全体にむらなく塗布する。
⑤薄手の壁紙は重ね張りとする。陰影の生じない方向に10mm程度重ねる。