2節ユニット工事等
20.2.1 一般事項
この節は、現場において取付けを行うユニット製品類を対象としている。
20.2.2 フリーアクセスフロア
(1) この項は、事務室、電子計算機室等に用いるフリーアクセスフロアを対象としている。
(ア) フリーアクセスフロアに関する JIS A 1450(フリーアクセスフロア試験方法)には、試験方法のみで製品規格は規定されていない。フリーアクセスフロアのパネルの材料を表20.2.1に、また、JIS A 1450で定義されている用語を次に示す。
建築における二重床システムのうち、床天端のパネル等を簡易に取り外して床下空間の設備等のメンテナンスができる構造のフロア。
フロアの部材のうち、上面を形成する部材(表面仕上げ材が製造工程で張られたものも含む。)。
フロア部材のうち、パネルを支持するもので緩衝材を含む。
下地床上に敷き、フロアのずれなどを防止する部材。
繰返し配列されるパネルと支柱とを組み合わせたもので、緩衝材及びシートを含む。

パネルに張り付けられたものと置敷きのものがある。
(b) 表面材は、OA機器、コンビューター等の誤動作の原因にならないように、帯電防止性能のあるものを使用するのが望ましい。
品質、性能を確認する試験方法( )内は、基本的に JIS A 1450による。
載荷荷重 3,000N、5,000Nそれぞれの場合について、国土交通省大臣官房官庁 営繕部監修「(平成25年制定)官庁施設の総合耐震・対津波計画基準及び同解説(令和3年版)」に示される建築非構造部材の設計用標準水平震度(Ks)0.6及び1.0をそれぞれ適用して性能区分しており、合計で4区分としている。
評価方法は、JIS A 1455(床材及び床の帯電防止性能 - 測定・評価方法)に制定されており、フリーアクセスフロア工業会では、帯電防止性能評価値(U値)を、事務室は 0.6以上、電子計算機室は 1.2以上で評価している。
「フリーアクセスフロアの仕上げ面とアース端子との間の電気抵抗」を規定したもので、漏えい抵抗(R)が1× 106 Ωより大きいこととしている。
一般事務室を想定した 3.000N、重量機器設置を想定した5,000Nの二つの性能区分としている。荷諏試験は、パネル及び支柱要素を含めた実際の施工状態に近い試験であり、3.000N又は5,000N 載荷時の変形量を5.0mm以下、残留変形量を3.0mm以下としている。
砂袋20kgを400mmの高さから落下加撃後の残留変形量を、3.0mm以下で損傷がないこととしている。
1車輪に所定荷重を加え、5,000往復走行後の残留変形量を3.0mm以下で損傷がないこととしている。
建築基準法に基づく不燃材料の指定又は認定を受けたもの、若しくは残炎時間が0秒であることとしている。
「標仕」20.2.2(2)(オ) では、寸法精度は、特記による。特記がなければ、次によると規定されている。
1) パネルの長さの精度は、各辺の長さが500mmを超える場合は、± 0.1%以内、500mm以下の場合は、± 0.5mm以内とする。
2) パネルの平面角度は、各辺の長さが500mmを超える場合は、± 0.1%以内、500mm以下の場合は、± 0.5mm以内とする。
(i) フリーアクセスフロアについては、「標仕」で要求する品質を満たすものとして、(-社)公共建築協会の「建築材料・設備機材等品質性能評価事業」(1.4.4 (5)参照)で評価した製品があるので参考にするとよい。
フリーアクセスフロアの工法は、種類により敷設方法が異なる。支柱等をスラブに固定するタイプと固定しないタイプの2種類がある。また、仕上げレベルの調整が可能な支柱調整式と調整の必要のない置敷式に分類される。
フリーアクセスフロアの種類について、表20.2.2に示す。
施工手順としては、墨出し後、支柱分離型はパネル下部の支柱等を敷設し、その上にパネルを配置し、表面材で仕上げる。支柱一体型は、パネルを直接配置し表面材で仕上げる。ただし、製品により取付け工法が異なるため、「標仕」では、工法は、フリーアクセスフロアの製造所の仕様によると規定している。
表20.2.2 フリーアクセスフロアの種類