1級建築施工管理技士 令和03年 一次 問題7 解説

令和3年 1級建築施工管理技士 一次 問題7解答 解説

※ 問題番号[ No.55 ]~[ No.60 ]までの6問題は応用能力問題です。全問題を解答してください。

[ No.55 ]
異形鉄筋の継手及び定着に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。ただし、d は、異形鉄筋の呼び名の数値とする。

1.壁縦筋の配筋間隔が 上下階で異なるため、重ね継手は鉄筋を折り曲げずにあき重ね継手とした。

2.180°フック付き重ね継手としたため、重ね継手の長さはフックの折曲げ開始点間の距離とした。

3.梁主筋を柱にフック付き定着としたため、定着長さは鉄筋末端のフックの全長を含めた長さとした。

4.梁の主筋を重ね継手としたため、隣り合う鉄筋の継手中心位置は、重ね継手長さの 1.0倍ずらした。

5.一般階における四辺固定スラブの下端筋を直線定着としたため、直線定着長さは、10 d 以上、かつ、150 mm 以上とした。

答え

  3、4

[ 解答解説 ]

1.◯

上・下階の縦筋の位置が異なるとき等、壁縦筋の配筋間隔が異なる場合は、あき重ね継手を用いてよく、配筋間隔の異なる鉄筋を無理に曲げることは避ける

2.◯

180° フック付き重ね継手の長さは、フックの折曲げ開始点間の距離とする。

3.×

梁主筋を柱にフック付き定着する場合の定着長さは、鉄筋末端のフックは定着長さに含まない。[ 令和元年 問題25 ]

4.×

重ね継手は、1箇所に集中(イモ継手)することなく、相互にずらして設けることを原則とする。重ね継手の長さ分をずらすと、継手の端が1箇所に集中し、コンクリートのひび割れの原因となるので避ける。隣り合う鉄筋の継手中心位置は、重ね継手長さの約0.5倍または約 1.5倍ずらす

5.◯

四辺固定スラブの下端筋の直線定着長さは、10d以上、かつ150mm以上とする。

[ No.56 ]
型枠支保工に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。

1.パイプサポート以外の鋼管を支柱として用いる場合、高さ 2.5m 以内ごとに水平つなぎを2方向に設けなければならない。

2.支柱として用いる鋼管枠は、最上層及び5層以内ごとに水平つなぎを設けなければならない。

3.パイプサポートを2本継いで支柱として用いる場合、継手部は4本以上のボルト又は専用の金具を用いて固定しなければならない。

4.支柱として用いる組立て鋼柱の高さが5mを超える場合、高さ5m以内ごとに水平つなぎを2方向に設けなければならない。

5.支柱として用いる鋼材の許容曲げ応力の値は、その鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の 3/4 の値のうち、いずれか小さい値の 2/3 の値以下としなければならない。

答え

  1、4

[ 解答解説 ]

1.×

鋼管(パイプサポートを除く)を支柱として用いるのにあっては。高さ 2 m以内ごとに水平つなぎを2方向に設け、かつ水平つなぎの変位を防止する。(労働安全衛生規則第242条第六号)

2.◯

最上階及び5層以内ごとの箇所において、型枠支保工の側面並びに枠面の方向及び交差筋かいの方向における5枠以内ごとの箇所に、水平つなぎを設け、かつ、水平つなぎの変位を防止すること。」と定められている。(労働安全衛生規則第242条第八号ロ)

3.◯

パイプサポートを継いで用いるときは、2本までとし、4本以上のボルトまたは専用の金具を用いて固定する

4.×

型枠支保工の支柱として用いるパイプサポートの高さが4mを超える場合、高さ4m以内ごとに水平つなぎを2方向に設け、かつ変位を防止しなければならない。(労働安全衛生規則第242条第九号)[ 平成27年 問題27 ]

5.◯

支柱として用いる鋼材の許容曲げ応力の値は、その鋼材の降伏強さの値または引張強さの値の 3/4の値のうち、いずれか小さい値の 2/3の値以下としなければならない。

[ No.57 ]
鉄筋コンクリート造の耐震改修における柱補強工事に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。

1.RC巻き立て補強の溶接閉鎖フープ巻き工法において、フープ筋の継手はフレア溶接とした。

2.RC巻き立て補強の溶接金網巻き工法において、溶接金網相互の接合は重ね継手とした。

3.連続繊維補強工法において、躯体表面を平滑にするための下地処理を行い、隅角部は直角のままとした。

4.鋼板巻き工法において、工場で加工した鋼板を現場で突合せ溶接により一体化した。

5.鋼板巻き工法において、鋼板と既存柱の隙間に硬練りモルタルを手作業で充填した。

答え

  3、5

[ 解答解説 ]

1.◯

溶接閉鎖フープ巻き工法のフープ筋の継手は、溶接長さ片側10d以上または両側5d以上のフレア溶接とする。

2.◯

RC巻き立て補強の溶接金網巻き工法において、溶接金網相互の接合は重ね継手、ガス圧接継手、機械式継手または溶接継手とする。

3.×

柱の連続繊維補強工法においては、連続繊維シートを精度よく貼り付け、破断を生じにくくするため、躯体表面の凸凹を削り取り、断面修復材や下地調整材等で平滑にし、柱の隅角部はR状に面取りとする

4.◯

鋼板巻き工法において、鋼板は所定の位置にセットして溶接にて固定する。工場で加工した鋼板を現場で突き合わせ溶接等により一体化する。

5.×

鋼板巻き工法において、鋼板とコンクリート躯体間には、流動性の高いモルタルであるグラウト材をモルタルポンプにて充填する。

[ No.58 ]
屋根保護アスファルト防水工事に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。

1.コンクリート下地のアスファルトプライマーの使用量は、0.2 kg/m2 とした。

2.出隅及び入隅は、平場部のルーフィング類の張付けに先立ち、幅 150mm のストレッチルーフィングを増張りした。

3.立上り部のアスファルトルーフィング類を張り付けた後、平場部のルーフィング類を150mm 張り重ねた。

4.保護コンクリート内の溶接金網は、線径 6.0 mm、網目寸法 100mm のものを敷設した。

5.保護コンクリートの伸 縮 調 整目地は、パラペット周辺などの立上り際より 600mm 離した位置から割り付けた。

答え

  2、3

[ 解答解説 ]

1.◯

屋根保護アスファルト防水工事において、コンクリート下地のアスファルトプライマーの使用量は、0.2kg/m2とする。

2.×

アスファルト防水において、出隅及び入隅ならびに立上りの出隅及び入隅には、平場のルーフィング類の張付けに先立ち、幅300mm以上のストレッチルーフィングを最下層に増張りする。なお、屋根露出防水の絶縁工法における出隅及び入隅では、幅700mm以上のストレッチルーフィングを用いて、平場へ500mm以上張り掛けて増張りする。(建築工事監理指針)

3.×

立上り部よりも水下側の平場部が下側になるよう、立上り部アスファルトルーフィング類の張付けに先立ち、平場部のルーフィング類を100mm以上、張り重ねる。

4.◯

すべての保護コンクリートに、ひび割れを防止するため、溶接金網を伸縮調整目地間ごとに敷き込み、鉄線径6mmの溶接金網では1節半以上かつ150mm以上重ね、コンクリート打込み時に動かないように鉄線で結束する。(建築工事監理指針)

5.◯

アスファルト防水工事において、平場部の防水層の保護コンクリートに設ける伸縮調整目地の割付けに継いては、パラペット等の立上り部の仕上り面から600mm程度とし、中間部は縦横の間隔を3,000mm程度とする。

[ No.59 ]
鋼製建具工事に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。

1.内部建具の両面フラッシュ戸の見込み部は、上下部を除いた2方を表面板で包んだ。

2.外部建具の両面フラッシュ戸の表面板は、厚さを 0.6mm とした。

3.両面フラッシュ戸の組立てにおいて、中骨は厚さを 1.6mm とし、間隔を 300mm とした。

4.ステンレス鋼板製のくつずりは、表面仕上げをヘアラインとし、厚さを 1.5 mm とした。

5.枠及び戸の取付け精度は、ねじれ、反り、はらみともそれぞれ許容差を、4mm 以内とした。

答え

  2、5

[ 解答解説 ]

1.◯

外部に面する戸は、下部を除き三方の見込み部を表面板で包む。(建築工事監理指針)内部建具の両面フラッシュ戸の見込み部は、上下部の除いた2方を表面板で包めばよい。

2.×

鋼製建具に使用する戸の表面板の厚さは、特記による。特記がなければ、片開き、親子開き及び両開き戸の1枚の有効開口幅が 950mm、または有効高さが 2,400mmを超える場合そ除き 1.6mmとする。鋼製軽量建具に使用する戸の表面板の厚さは、0.6mmとする。

3.◯

鋼製建具の戸において、中骨は厚さ 1.6mm、間隔 300mmとする。

4.◯

ステンレス鋼板製のくつずりは、表面仕上げをヘアラインとし、厚さは 1.5mmとする。建具枠は、くつずり、下枠等あとでモルタル充填が困難な部分では、あらかじめ裏面に鉄線等を取り付けてモルタル詰めを行なったのち取り付ける。

5.×

鋼製建具の取付け精度は次の通りとする。

①枠の対角寸法差は 3mm以内

②枠及び戸のねじれ、反り、はらみは 2mm以内

③枠の倒れ(面外、面内とも)は 2mm以内

(建築工事監理指針)

[ No.60 ]
内装改修工事における既存床仕上げ材の撤去及び下地処理に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。ただし、除去する資材は、アスベストを含まないものとする。

1.ビニル床シートは、ダイヤモンドカッターで切断し、スクレーパーを用いて撤去した。

2.磁器質床タイルは、目地をダイヤモンドカッターで縁切りし、電動斫り器具を用いて撤去した。

3.モルタル塗り下地面の既存合成樹脂塗床材の撤去は、下地モルタルを残し、電動斫り器具を用いて下地モルタルの表面から塗床材のみを削り取った。

4.既存合成樹脂塗床面の上に同じ塗床材を塗り重ねるため、接着性を高めるよう、既存仕上げ材の表面を目荒しした。

5.新規仕上げが合成樹脂塗床のため、既存床材撤去後の下地コンクリート面の凹凸部は、エポキシ樹脂モルタルで補修した。

答え

  1、3

[ 解答解説 ]

1.×

ビニル床シート、ビニル床タイル、ゴム床タイル等の除去は、一般のカッター等で切断し、スクレーパー等により他の仕上げ材に損傷を与えないように行う。ダイヤモンドカッターは用いない。(公共建築改修工事標準仕様書)

2.◯

磁器質床タイルは、張替え部をダイヤモンドカッターで縁切りし、タイル片を電動はつり器具により周囲を損傷しないように撤去する。

3.×

合成樹脂塗床材の撤去には、ケレン棒、電動ケレン棒、電動はつり器具、ブラスト機械などを用いる。撤去範囲は、下地がモルタル塗りの場合はモルタル下地とも、コンクリート下地の場合はコンクリート表面から3mm程度とする。

4.◯

既存合成樹脂塗床材を除去せずに同じ塗床材で塗り重ねる場合は、既存仕上げ材の表面をディスクサンダー等により目荒しして接着性を高める

5.◯

下地のコンクリートまたはモルタルの凹凸・段差等は、サンダー掛けまたはポリマーセメントモルタルの充填等により補修し、コンクリート金ごて仕上げ程度に仕上げる。なお、新規仕上げが合成樹脂塗床の場合はエポキシ樹脂モルタルにより補修する。

1級建築施工管理技士 令和05年 一次 問題7 解説

令和5年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説
(午後の部)令和5年6月11日(日)
※問題番号[ No.55 ]~[ No.60 ]までの6問題は応用能力問題です。全問題を解答してください。
問題は五肢択二式です。正解と思う肢の番号を2つ選んでください。
[ No.55 ]
鉄筋の加工及び組立てに関する記述として、不適当なものを2つ選べ。ただし、鉄筋は異形鉄筋とし、dは呼び名の数値とする。
1.D16の鉄筋相互のあき寸法の最小値は、粗骨材の最大寸法が20mmのため、25mmとした。
2.D25の鉄筋を90°折曲げ加工する場合の内法直径は、3dとした。
3.梁せいが 2mの基礎梁を梁断面内でコンクリートの水平打継ぎとするため、上下に分割したあばら筋の継手は、180°フック付きの重ね継手とした。
4.末端部の折曲げ角度が135°の帯筋のフックの余長は、4dとした。
5.あばら筋の加工において、一辺の寸法の許容差は、±5mmとした。
答え

  2,4

[ 解答解説 ]

1.◯

鉄筋相互のあきは、次の値のうち最大のもの以上とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編535(4))

① 粗骨材の最大寸法の1.25倍

② 25mmとした。

③ 隣り合う鉄筋の平均径(異形鉄筋の呼び名の数値)の1.5倍

設問の場合、

① 20mm × 1.25 = 25mm

② 25mm

③ 16mm × 1.5 =24mm

となり、25mmのあき寸法は適切である。

2.×

D25の鉄筋を90°折曲げ加工する場合、鉄筋の種類がSD295、SD345の場合、4d以上。SD390、SD490の場合、5d以上とする。

3.◯

基礎梁の梁せいが 2m以上となり、基礎梁断面内でコンクリートの水平打継ぎを設ける際、あばら筋に重ね継手を設ける場合は、異形鉄筋でフック付きとする。

4.×

あばら筋・帯筋・スパイラル筋の末端は、原則として135° フックとする。末端部の135° フックの余長は 6d(d は異形鉄筋の呼び名の数値)以上とする。 (鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説)

5.◯

あばら筋の加工については、幅、高さの加工寸法の許容差をそれぞれ ±5mmとする。

[ No.56 ]
普通コンクリートの調合に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。
1.粗骨材は、偏平なものを用いるほうが、球形に近い骨材を用いるよりもワーカビリティーがよい。
2.AE剤、AE減水剤又は高性能AE減水剤を用いる場合、調合を定める際の空気量を4.5%とする。
3.アルカリシリカ反応性試験で無害でないものと判定された骨材であっても、コンクリート中のアルカリ総量を3.0kg/m3以下とすれば使用することができる。
4.調合管理強度は、品質基準強度に構造体強度補正値を加えたものである。
5.調合管理強度が21N/mm2のスランプは、一般に21cmとする。
答え

  1,5

[ 解答解説 ]

1.×

ワーカビリティーはコンクリートの運搬、締固め、仕上げ等の作業のしやすさのことをいう。粗骨材の粒径が揃っておらず、偏平した骨材や角ばった骨材を使用すると、ワーカビリティーがよくならないため、球形に近い骨材を使用する。

2.◯

JASS5の寒中コンクリートの項に「使用するコンクリートはAEコンクリートとし、空気量は特記による。特記の無い場合は、4.5〜5.5%の範囲で定め、工事監理者の承認を受ける。」と規定されている。したがって、AE剤、AE減水剤または高性能AE減水剤を用いる普通コンクリートについては、調合を定める場合の空気量を4.5〜5.5%の範囲で定める。

3.◯

国土交通省「アルカリ骨材反応抑制対策(土木・建築共通)」において、下記のように記述されている。構造物に使用するコンクリートは、アルカリ骨材反応を抑制するため、次の3つの対策の中のいずれか1つについて確認をとらなければならない。

①コンクリート中のアルカリ総量の抑制

アルカリ量が表示されたポルトランドセメント等を使用し、コンクリート 1m3に含まれるアルカリ総量をNa2O換算で3.0kg/m3以下にする。

②抑制効果のある混合セメント等の使用

③ 安全と認めらる骨材を使用。

したがって、アルカリシリカ反応性試験で無害でないものと判定された骨材であっても、コンクリート中のアルカリ総量を3.0kg/m3以下とすれば使用することができる。

4.◯

コンクリート調合管理強度は、調合強度を管理する場合の基準となる強度で、品質基準強度(設計基準強度と耐久設計基準強度の大きい方)に構造体強度補正値を加えた値とする。(JASS5)

5.×

調合管理強度が21N/mm2の普通コンクリートのスランプは、18cm以下とする。(JASS5)

コンクリートの強度は、調合管理強度で管理するが、調合管理強度とは、

調合管理強度 = 設計基準強度 + 構造体補正値(S値)

である。

一般には、

呼び強度(発注強度)= 調合管理強度

となる。

[ No.57 ]
鉄骨の溶接に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。
1.溶接部の表面割れは、割れの範囲を確認した上で、その両端から50mm以上溶接部を斫り取り、補修溶接した。
2.裏当て金は、母材と同等の鋼種の平鋼を用いた。
3.溶接接合の突合せ継手の食い違いの許容差は、鋼材の厚みにかかわらず同じ値とした。
4.490N/mm2級の鋼材の組立て溶接を被覆アーク溶接で行うため、低水素系溶接棒を使用した。
5.溶接作業場所の気温が−5℃を下回っていたため、溶接部より100mmの範囲の母材部分を加熱して作業を行った。
答え

  3,5

[ 解答解説 ]

1.◯

溶接部の表面割れの範囲を確認した上で、その両端から50mm以上をアークエアガウジングではつり取って船底型の形状に仕上げ、補修溶接する。

2.◯

裏当て金の材質は、原則として母材の鋼種と同等のものを使用する。裏当て金は母材に適し溶接性に問題のない材質で、溶落ちが生じない板厚のものを使用する。一般的に、裏当て金は、板厚9mmの平鋼が用いられる。

3.×

溶接接合の突合せ継手の食い違いの許容差

鋼材の厚みが 15mm以下の場合

 管理許容差   限界許容差

 e ≦ 1mm    e ≦ 1.5mm

鋼材の厚みが 15mmを超える場合

 管理許容差

 e ≦ t /15 かつ e ≦ 2mm

 限界許容差

 e ≦ t /10 かつ e ≦ 3mm

4.◯

490N/mm2級以上の高張力鋼の組立て溶接を被覆アーク溶接で行う場合には、耐割れ性、耐気孔性、耐衝撃性に優れた低水素系溶接棒を使用する。(公共建築工事標準仕様書建築工事編7.6.5(4)(オ))延性や靱性等の機械的性能も良好であり、重要構造物や、良好な耐割れ性が要求される高強度鋼や低合金鋼、厚板の溶接等にも広く使用さえれている。

5.×

気温が低いと溶接部の冷却速度が速くなり、溶接部に割れが生じやすくなるので、溶接作業場所の気温が-5℃を下回る場合は、溶接を行ってはならない。なお、溶接作業場所の気温が-5℃から5℃までの場合は、溶接部より100mmの範囲の母材部分を加熱して溶接することができる。(公共建築工事標準仕様書建築工事編7.6.8(1)(2))

[ No.58 ]
シーリング工事に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。
1.ボンドブレーカーは、シリコーン系シーリング材を充填するため、シリコーンコーティングされたテープを用いた。
2.異種シーリング材を打ち継ぐ際、先打ちしたポリサルファイド系シーリング材の硬化後に、変成シリコーン系シーリング材を後打ちした。
3.ワーキングジョイントに装填する丸形のバックアップ材は、目地幅より20%大きい直径のものとした。
4.ワーキングジョイントの目地幅が20mmであったため、目地深さは12mmとした。
5.シーリング材の充填は、目地の交差部から始め、打継ぎ位置も交差部とした。
答え

  1,5

[ 解答解説 ]

1.×

シリコーン系シーリング材を充填する場合、ポリスチレンテープのボンドブレーカーを用いるのが一般的である。(JASS 8 )

2.◯

ポリサルファイド系シーリング材に後打ちできるシーリング材には、変成シリコーン系、シリコーン系、ポリウレタン系等がある。(JASS8)

3.◯

ワーキングジョイントに装填する丸形ポリエチレン発泡体は、目地幅より20〜30%大きい直径のものを選定する。(JASS8)

4.◯

ワーキングジョイントの寸法、打継ぎ目地及びひび割れ誘発目地は、幅20mm以上、深さ10mm以上とする。

5.×

シーリング材の打継ぎ箇所は、目地の交差部及びコーナー部を避け、そぎ継ぎとする。シーリング材の打始めは、原則として、目地の交差部あるいは角部から行う。(公共建築工事標準仕様書建築工事編9.7.4(4)(キ))

[ No.59 ]
内装ビニル床シート張りに関する記述として、不適当なものを2つ選べ。
1.寒冷期の施工で、張付け時の室温が5℃以下になることが予想されたため、採暖を行い、室温を10℃以上に保った。
2.床シートは、張付けに先立ち裁断して仮敷きし、巻きぐせをとるために8時間放置した。
3.床シートは、張付けに際し、気泡が残らないよう空気を押し出した後、45kgローラーで圧着した。
4.熱溶接工法における溶接部の溝切りの深さは、床シート厚の1/3とした。
5.熱溶接工法における溶接部は、床シートの溝部分と溶接棒を180~200℃の熱風で同時に加熱溶融した。
答え

  2,4

[ 解答解説 ]

1.◯

施工時の作業環境温度が5℃以下になると、床タイルは硬く下地になじみにくくなり、割れ・欠けが生じるものもある。さらに接着剤のオープンタイム、張付け可能時間が極端に長くなるので、ジェットヒーターなどで寒冷期の施工で採暖を行い、室温を10℃以上に保つようにする。(JASS26)

2.×

ビニル床シートは、施工に先立って温度20℃以上の室温にて仮敷きし、24時間以上放置して巻きぐせをとる

3.◯

床シートの張付けは、床シートを送り込みながら圧着棒を用いて空気を押し出すように行い、その後45kgローラーで圧着する。

4.×

接合部の処理は、特記がなければ、熱溶接工法とし、溝は、V字またはU字とし、均一な幅に床シート厚の2/3程度まで溝切りする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編19.2.3(2)(ウ)(b))

5.◯

熱溶接工法におけては、熱風溶接機を用いて床シートの溝部分と溶接棒を180~200℃の熱風で溶融し、余盛が断面両面にできる程度に圧着溶接する。

[ No.60 ]
仕上工事における試験及び検査に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。
1.防水形仕上塗材仕上げの塗厚の確認は、単位面積当たりの使用量を基に行った。
2.シーリング材の接着性試験は、同一種類のものであっても、製造所ごとに行った。
3.室内空気中に含まれるホルムアルデヒドの濃度測定は、パッシブサンプラを用いて行った。
4.アスファルト防水下地となるコンクリート面の乾燥状態の確認は、渦電流式測定計を用いて行った。
5.壁タイルの浮きの打音検査は、リバウンドハンマー(シュミットハンマー)を用い行った。
答え

  4,5

[ 解答解説 ]

1.◯

施工に先立ち、見本帳または見本塗板を監督職員に提出する。なお、見本塗板は、所要量または塗り厚が工程ごとに確認できるものとする。所要量等の確認方法は、防水形の仕上塗材の場合、単位面積当たりの使用量によることを標準とする。

2.◯

シーリング材は、同一種類のものであっても、製造所ごとに組成が異なっていて性能に問題が起こる場合があるので、接着性試験は製造所ごとに行う。

3.◯

室内空気中に含まれるホルムアルデヒド等の化学物質の濃度測定を実施する場合には、パッシブ型採取機器を用いるパッシブ法と吸引ポンプなどの動力を用いて強制的に採取するアクティブ法が用いられる。

4.×

アスファルト防水下地となるコンクリート面の乾燥状態は、次のような方法によって判断する。(建築工事監理指針)

高周波水分計による下地水分の測定

② 下地をビニルシートやルーフィングで覆い、一昼夜後に結露の状態を確認

③ コンクリート打込み後の経過日数

④ 目視による乾燥状態の確認

過電流式測定計は、アルミニウム製外壁パネルの陽極酸化被膜の厚さの測定に使用される。

5.×

屋外及び屋内の吹抜け部分等の壁タイル張上げ面は、施工後2週間以上経過した時点で、全面にわたりタイル用テストハンマーを用いて打音検査を行い、浮きの有無を確認する。リバウンドハンマー(シュミットハンマー)はコンクリートの表面を打撃したときの反発度を測定し、その反発度音から反縮強度を推定するための機器である。

1級建築施工管理技士 令和06年 一次 問題8 解説

問題番号[ No.51 ]〜[ No.60 ]までの10問題は応用能力問題です。全問題を解答してください。
問題は五肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。

[ No.51 ]
鉄筋のガス圧接に関する記述として,最も不適当なものはどれか。ただし,鉄筋はSD345とする。

1.径の異なる鉄筋のガス圧接部のふくらみの直径は,細いほうの径の1.4倍以上とする。

2.圧接継手において鉄筋の長さ方向の縮み量は,1か所当たり鉄筋径の1.0~1.5倍を見込む。

3.同一径の鉄筋の圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は,鉄筋径いの1/5以下とする。

4.圧接端面は平滑に仕上げ,ばり等を除去するため,その周辺を軽く面取りを行う。

5.鉄筋の圧接部の加熱は,圧接端面が密着するまでは中性炎で行い,その後は還元炎で行う。

答え

  5

[ 解答解説 ]

1.◯

径の異なる鉄筋のガス圧接部ふくらみの直径は、細いほうの径の1.4倍以上とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編5.4.4(ア))

2.◯

ガス圧接すると鉄筋の長さ方向に縮むので、鉄筋径の1.0~1.5倍程度の長さ方向の縮み量を、圧接継手において考慮する。(建築工事監理指針)

3.◯

圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径(径が異なる場合は細い方の鉄筋径)1/5以下であること。(公共建築工事標準仕様書建築工事編5.4.4(エ))

4.◯

圧接端面は平滑に仕上げ、その周辺は軽く面取りがされていることとする。

5.×

圧接部の加熱は、圧接端面が相互に密着するまでは還元炎(アセチレン過剰炎)で行い、その後は火力の強い中性炎(標準炎)で、圧接面を中心としてバーナー揺動幅を鉄筋径の2倍程度としながら加熱する。

[ No.52 ]
コンクリートの運搬,打込み及び締固めに関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.暑中コンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は,35℃以下とした。

2.コンクリートの圧送負荷の算定に用いるベント管の水平換算距離は,ベント管の実長の3倍とした。

3.同一区画のコンクリート打込み時における打重ねは,先に打ち込まれたコンクリートの再振動可能時間以内に行った。

4.梁及びスラブの鉛直打継ぎ部は,スパンの中央付近に設けた。

5.コンクリート内部振動機(棒形振動機)による締固めにおいて,加振時間を1か所当たり60秒程度とした。

答え

  5

[ 解答解説 ]

1.◯

暑中コンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、原則として35℃以下とする。(JASS5)

2.◯

コンクリートポンプによる圧送には、圧送負荷の算定し、ポンプの能力と対比し判定する。圧送負荷の算定時、ベント管の水平換算距離距離は実長の3倍の長さがあるものとして計算する。

3.◯

同一区画のコンクリート打込み時における打重ね時間は、コールドジョイントを発生させないために、先に打ち込まれたコンクリートの再振動可能時間以内とする。

4.◯

梁及びスラブの鉛直打継ぎ部は、一般にせん断応力の小さいスパン中央付近または曲げ応力の小さいスパンの1/3~1/4付近に設ける。(建築工事監理指針)

5.×

コンクリート内部振動機で締め固める場合の加振時間は、打ち込まれたコンクリートがほぼ水平になり、コンクリート表面にセメントペーストが浮き上がる時間を標準とし、1箇所5~15秒の範囲とするのが一般的である。(建築工事監理指針)

[ No.53 ]
鉄骨の加工及び組立てに関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.鋼材は,自動ガス切断機で開先を加工し,著しい凹凸が生じた部分を修正した。

2.鉄骨鉄筋コンクリート構造において,鉄骨柱と鉄骨梁の接合部のダイアフラムに,コンクリートの充填性を考慮して,空気孔を設けた。

3.490N/mm2級の鋼材において,孔あけにより除去される箇所にポンチでけがきを行った。

4.公称軸径が24mmの高力ボルト用の孔あけ加工は,ドリル孔あけとし,径を27mmとした。

5.アンカーボルト用の孔あけ加工は,板厚が13mmであったため,せん断孔あけとした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

鋼材の開先加工は、自動ガス切断機で開先を加工し、切断部分凹凸が生じた部分はノッチという加工不良となるので修正する。。

2.◯

鉄骨鉄筋コンクリート構造において、鉄骨柱と鉄骨梁の接合部のダイアフラムには、コンクリートの充填性を考慮して空気孔を設ける

3.◯

鉄骨工事の工作におけるけがきは、490N/mm2級以上の高張力鋼または曲げ加工される400N/mm2級の軟鋼の外面には、ポンチ、たがねによる打こんを残してはならない。(JASS6)孔あけにより除去される箇所には、ポンチでけがきを行っても良い。

4.×

公称軸径が24mmの高力ボルト用の孔あけ加工は,ドリル孔あけとし,径は26mmとする。

高力ボルト径の+2mm。(建築基準法施行令第68条第2項)

5.◯

ボルト孔、アンカーボルト孔、鉄筋貫通孔は、ドリルあけを原則とするが、板厚13mm以下の場合は、せん断孔あけとすることができる。(建築工事監理指針)

[ No.54 ]
塗膜防水に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.ウレタンゴム系塗膜防水の絶縁工法において,立上り部の補強布は,平場部の通気緩衝シートの上に100mm張り掛けた。

2.ウレタンゴム系塗膜防水の絶縁工法において,平場部の防水材の総使用量は,硬化物比重が1.3だったため,3.9kg/m2とした。

3.ウレタンゴム系塗膜防水の絶縁工法において,通気緩衝シートの重ね幅は,50mmとした。

4.ゴムアスファルト系塗膜防水工法において,補強布の重ね幅は,50mmとした。

5.ゴムアスファルト系防水材の室内平場部の総使用量は,固形分60%のものを使用するため,4.5kg/m2とした。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

ウレタンゴム系塗膜防水の絶縁工法の立上り部、ドレン回り及びパイプ回りなどでは、補強布の重ね幅は100mm以上とする。(建築工事監理指針)

2.◯

ウレタンゴム系塗膜防水の絶縁工法において、平場部の防水材の総使用量は、硬化物比重が1.0の場合、3.0kg/m2、1.3の場合3.9kg/m2とする。(建築工事監理指針)

3.×

通気緩衝シートの継ぎ目は突付けとし、突付け部分は 50 mm以上の幅の接着剤付きポリエステル不織布または織布のテープを張り付ける。(公共建築工事標準仕様書 建築工事編 9.5.4(4)(ウ))

4.◯

ゴムアスファルト系塗膜防水工法の塗継ぎ重ね幅は、100mm以上とし、補強布の重ね幅は50mm以上とする。(公共建築工事標準仕様書 建築工事編 9.5.4(4)(ウ))

5.◯

ゴムアスファルト系室内仕様防水材の総使用量は、固形分60%(質量)を使用した場合、4.5kg/m2とする。ただし、固形分がこれ以上の場合にあっては、所定の塗膜厚を確保するように使用量を換算する。(公共建築工事標準仕様書 建築工事編 9.5.3(2)、表9.5.2)

[ No.55 ]
セメントモルタルによる壁タイル後張り工法に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.改良積上げ張りの張付けモルタルは,下地モルタル面に塗厚4mmで塗り付けた。

2.密着張りの張付けモルタルは,1回の塗付け面積を2m2以内とした。

3.モザイクタイル張りの張付けモルタルは,下地面に対する塗付けを2度塗りとし,1層目はこて圧をかけて塗り付けた。

4.マスク張りの張付けモルタルは,ユニットタイルの裏面に厚さ4mmのマスク板をあて,金ごてで塗り付けた。

5.改良圧着張りの張付けモルタルは,下地面に対する塗付けを2度塗りとし,その合計の塗厚を5mmとした。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

改良積上げ張りは、張付けモルタルを塗厚 7~10mmとしてタイル裏面に塗り付けた状態で張り付ける。(JASS19)

2.◯

密着張りの張付けモルタルの1回の塗付け面積の限度は、張付けモルタルに触れると手に付く状態のままタイル張りが完了できることとし、2m2以内とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編11.2.6(2)(イ))

3.◯

モザイクタイル張りの張付けモルタルの塗付けは、2度塗りとし,1層目は薄く下地面にこすりつけるように塗り、下地モルタル面の微妙な凸凹に張り付けモルタルが食い込むようにし、次いで張り付けモルタルを塗り重ね、3mm程度の厚さとし定規を用いてむらの内容に塗厚を均一にする。(建築工事監理指針)

4.◯

マスク張りの張付けモルタルは、ユニットタイル裏面にタイルの大きさに見合ったマスク(マスク厚さ4mm程度)を用い、張付けモルタルを金ごてで下地に均一に塗り付ける。(建築工事監理指針)

5.◯

改良圧着張りの下地面への張付けモルタルは2度塗りし、その合計の塗厚を4〜6mmとする。タイル側への塗付けの場合、1〜3mmとする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編11.2.6(3)(ア)、表11.2.3)

[ No.56 ]
内装工事におけるボード張りに関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.せっこうボードを軽量鉄骨壁下地に張り付ける際,ドリリングタッピンねじの留付け間隔は,周辺部200mm程度,中間部300mm程度とした。

2.せっこうボードを軽量鉄骨天井下地に張り付ける際,ドリリングタッピンねじの長さは,下地材の裏面に5mm以上の余長が得られる長さとした。

3.せっこうボードを軽量鉄骨壁下地に張り付ける際,ボードの下端と床面の間を10mm程度浮かして張り付けた。

4.ロックウール化粧吸音板を天井せっこうボード下地に重ね張りする際,吸音板の目地は,下地ボードの目地と重ならないよう,50mm以上ずらして張り付けた。

5.厚さ9.5mmのせっこうボードを厚さ12.5mmの壁せっこうボード下地に接着剤を用いて重ね張りする際,併用するステープルの足の長さを20mmとした。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

軽量鉄骨壁下地にボードを直接張り付ける場合の留付け用小ねじの間隔は、周辺部200mm程度、中間部300mm程度であり、中間部の方が間隔が大きい。(JASS26)

2.×

せっこうボードを軽量鉄骨下地に直接張り付ける場合は、鋼製下地の裏面に10 mm以上の余長が得られる長さのドリリングタッピンねじを用い、頭がボード面より少しへこむように確実に締め込む。(JASS26)

3.◯

せっこうボードを軽量鉄骨壁下地に張り付ける際、ボードの下端部は、床面からの吸水を防止するため、床面から10mm程度浮かして張り付ける。(建築工事監理指針)

4.◯

ボード類下地に対してロックウール化粧吸音板を重ね張りする場合、下張りとロックウール化粧吸音板の目地の位置が重ならないように、50mm以上ずらして張り付ける。(JASS26)

5.◯

せっこうボードの留付けに用いられるステープルの足の長さを20mmなどが用いられる。保持力は低いので、接着剤による取付け時の仮留め金物とするのが適切である。(JASS26)

[ No.57 ]
仮設計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.傾斜地に設置する仮囲いの下端の隙間を塞ぐため,土台コンクリートを設ける計画とした。

2.仮囲いは,工事現場の周辺や工事の状況により危害防止上支障がなかったため,設けない計画とした。

3.仮囲いは,道路管理者や所轄警察署の許可を得て,道路の一部を借用して設置する計画とした。

4.女性用便所は,同時に就業する女性労働者が45人見込まれたため,便房を2個設置する計画とした。

5.ガスボンベ類の貯蔵小屋は,通気を良くするため,壁の1面を開口とし,他の3面は上部に開口部を設ける計画とした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

傾斜地に設置する仮囲いの下端の隙間が生じた場合、隙間を塞ぐため、土台コンクリートや木製の幅木等を設けることとする。

2.◯

建築基準法施行令第136条の2の20の仮囲いの規定内に「工事現場の周辺若しくは工事の状況により危害防止上支障がない場合においては。この限りでない。」とある。

3.◯

道路の一部を借用して仮囲いを行う計画を検討する場合、道路管理者の「道路占用許可」や所轄警察署の「道路使用許可」を得る必要がある。(道路法第32条第1項第七号、第2項、道路交通法第77条第1項第一号)

4.×

労働安全衛生規則第628条には、男性用大便器の便房の数は男性労働者 60人以内ごとに1個以上、男性用小便器の箇所数は男性労働者 30人以内ごとに1個以上、女性用便所の便房の数は女性労働者 20人以内ごとに1個以上とすることと規定されている。女性労働者45人の場合は、便房の数は3個である。

5.◯

ガスボンベ類の貯蔵小屋は、ガスガ滞留しないように通気を良くするため、壁の1面を開口とし,他の3面は上部に開口部を設ける計画とする。(JASS2)

[ No.58 ]
建築工事における工期と費用に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。

1.総工事費は,工期に比例して増加する。

2.間接費は,工期の長短に相関して増減する。

3.直接費と間接費の和が最小となるときが,最適な工期となる。

4.ノーマルタイム(標準時間)とは,直接費が最小となるときに要する工期をいう。

5.クラッシュタイム(特急時間)とは,どんなに直接費を投入しても,ある限度以上には短縮できない工期をいう。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

総工事費は、直接費と間接費を合わせたものであり、直接費は施工速度を速めると増加するが、間接費は逆に減少するため、工期に比例して増加するとは限らない

2.◯

間接費とは、建築物としは残らないが工事に必要な仮設の費用のことをいう。間接費は,工期の長短に相関して増減し、一般に、工期が長くなると間接費は増加する。

3.◯

最適工期とは、直接費と間接費とを合わせた総工事費が最小となるときの工期である。

4.◯

ノーマルタイム(標準時間)とは、直接費が最小となるときに要する工期をいう。なお、直接費とは、工事に直接かかる費用のことで、材料費や労務費等が含まれる。

5.◯

クラッシュタイム(特急時間)とは、どんなに直接費を投入しても、ある限度以上には短縮できない工期をいう。

[ No.59 ]
躯体工事における試験及び検査に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.フレッシュコンクリートの荷卸し地点での検査において,スランプ試験は,試料をスランプコーンに詰める際,ほぼ等しい量の3層に分けて詰めた。

2.フレッシュコンクリートの荷卸し地点での検査において,スランプ18cmのコンクリートのスランプの許容差は,±2.5cmとした。

3.フレッシュコンクリートの荷卸し地点での検査において,1回の試験における塩化物含有量は,同一試料からとった3個の分取試料についてそれぞれ1回ずつ測定し,その平均値とした。

4.鉄筋工事のガス圧接継手の超音波探傷試験において,抜取りの1ロットの大きさは,1組の作業班が1日に施工した圧接か所とした。

5.鉄筋工事のガス圧接継手の超音波探傷試験において,抜取りは,1ロットに対して無作為に3か所抽出して行った。

答え

  5

[ 解答解説 ]

1.◯

フレッシュコンクリートのスランプ試験は、高さ300mmの金属製スランプコーンを用いて行い、試料をほぼ等しい量の3層に分けて詰め、各層ごとに、突き棒で均した後、25回一様いん突く。この割合で突いて材料の分離を生ずるおそれのあるときは、分離を生じない程度に突き数を減らす。(JIS A 1101)

2.◯

フレッシュコンクリートの荷卸し地点での検査において、スランプ18cmのコンクリートのスランプの許容差は、スランプ8cm以上18cm以下の場合は、±2.5cmである。(JIS A 5308)

3.◯

塩化物量の測定は。同一試料からとった3個の分取試料について各1回ずつ測定し,その平均値とする。コンクリート運搬車から採取する場合、アジテーターを高速回転させて十分に攪拌した後、採取する。(公共建築工事標準仕様書建築工事編6.5.4(1)、表6.9.1)

4.◯

鉄筋工事のガス圧接継手の超音波探傷試験において、1検査ロットは、1作業班が1日に行った箇所とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編5.4.10(イ)(a)①)

5.×

抜取検査の超音波探傷試験は、非破壊試験で1検査ロットに対して30箇所行う。1検査ロットに対して3箇所行うのは、破壊検査である引張り試験である。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.60 ]
労働災害に関する用語の説明として,最も不適当なものはどれか。

1.労働災害とは,業務に起因して,労働者が負傷し,疾病にかかり,又は死亡することで,公衆災害は含まない。

2.休業日数は,労働災害により労働者が労働することができない日数で,休日であっても休業日数に含める。

3.強度率とは,労働者1,000人当たり1年間に発生した死傷者数を示す。

4.度数率とは,災害発生の頻度を表すもので,100万延労働時間当たりの労働災害による死傷者数を示す。

5.労働損失日数は,死亡及び身体障害が永久全労働不能の場合,1件につき7,500日とする。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

労働災害とは、労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、または作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、または死亡することをいう。(労働安全衛生法第2条第一号)

2.◯

休業日数は、労働災害により労働者が労働することができない日数であり、休日であっても休業日数に含まれる。休業日数については労働災害発生日の翌日から起算して日数をカウントする。(厚生労働省の統計調査)

3.×

強度率とは、1,000 延労働時間当たりの労働損失日数の割合で表すもので、災害の重さの程度を示す。

強度率 = 延労働損失日数 / 延労働時間数 × 1,000

4.◯

度数率とは、100万延労働時間当たりの労働災害による死傷者数で、災害発生の頻度を表す。

度数率 = 労働災害による死傷者数 / 延実労働時間数 × 1,000,000

5.◯

労働損失日数は、死亡及び永久全労働不能障害(身体障害等級1〜3級)の場合,1件につき7,500日とする。