1級建築施工管理技士 建具工事 ガラリから入る雨水の処理

建築品質 外部建具


058)ガラリから入る雨水の処理

ガラリは空気の出入口だが、空気と一緒に雨水も入る、ダクト接続されている場合、ダクトの中まで雨水のしぶきが入ることもあり、それらが漏水の原因になることがある。また、ガラリから虫や鳥が入り、巣をつくることもある。

1.ガラリの内側に水受けを設けて排水する

ガラリから入った雨水を受けてスムーズに外部へ排出するために水受けを設ける。水受けはガラリの有効開口面積を確保し、ガラリ下端より勾配を付けて100mm程度立ち上げ、スムーズに排水されるようにする。水受けの材質はサッシと同材とし、水密溶接で組み立てる。水受けはサッシに後から取り付けるため、取合い部はシール納まりとなる。

2.ガラリの羽根は外付けにする

ガラリの水受けと枠の取付け部のシールは内部から施工できない。また、そのシールが劣化した時のシールの打替えも内部からはできない。そこでガラリの羽根を外付けとし、取外し可能にしておく必要がある。羽根は1mピッチに縦材の支えが必要であるから、あらかじめ分割しておくことも検討する。

3.ガラリから虫や鳥を侵入させない

ガラリからの虫や鳥の侵入対策として、防虫網、防鳥網が必要である。防虫網はメンテナンスの頻度が高いので取外しを容易にする。防虫網はSUS316線材、線径0.25、ピッチ2mm以下にする。防鳥網はSUS304線材、線径1.5mm、ピッチ15mmとする。

4.ガラリのダクト接続はボルト止めにする

ダクト接続の水受けは建具と同材のアルミ製とする。延焼の恐れのある部分はステンレス製とする。水密溶接で組み立てた水受けはパッキンを挟んでM8ボルトで100mmピッチにダクトに留める。水受けはダクトと同様に保温や断熱のための吹付けも考慮する。ガラリには防鳥網(取外し可)を設け、防虫網は設備のダクト側フィルターで兼ねるよう設備と調整する。