実戦16 仕上工事9 内装2 金属工事

1級建築施工管理技士 実戦16 仕上工事9 内装2 金属工事

建築施工管理者として、全体工期を管理する上で特に注意すべき事項のひとつに金属工事の早期調達計画がある。

工事が遅れて追い込まれた現場の多くでは、金属工事の発注が後回しになっていることが多い。

金属工事は設計者にとってもオリジナリティを出す部分であるだけに、こだわりが強い。

その分、どの工事においても後回しになり、十分な時間が取れずに、工事の遅れにつながっている。

設計者と施工者との早めの打合せによって、双方の問題解決が早まる。
最近では、金属を製作物は海外に製作することが多くなっており、スケジュール管理がますます重要になってくる。

金属工事の発注を遅らせず、準備を早く始める

金属工事の多くは数種類の材料からなっている。
一般的にはスチール、メッキスチール、アルミニウム、ステンレス、ブロンズなどからなる。
ほとんどの工事の場合、設計者は独自のデザインを求める傾向が強く、既成品を使用しない。
その発注から現場取り付けまでの手順は、
①工作図
②調整
③承認
④モックアップ
⑤モックアップ承認
⑥部材発注
⑦製作
⑧製品検査
⑨梱包と輸送
⑩現場取付
と長いプロセスとなり、6ヶ月ほどかかる場合もある。
しかし、発注準備が遅れた場合、手順を飛ばしたり、急ごしらえの製作では、品質が保てなくなり、急いで製作すると間違いも発生する。
建物の完成前の忙しい時期、そのための十分な時間を取れない場合も珍しくなく、工事の遅れにつながっている。
従って、製作期間を十分確保するために、早めに発注計画を立案することが重要である。
すなわち、着工の初期段階に金属工事の発注準備を進めてしまう方が間違いが少ない。
どんな工事でも着工初期の忙しさはさほどではないので、すべての金属工事の製品について発注予定リスト作成する。
製品名、材質、数量、発注先候補などを早めにまとめ、まずは設計趣旨を確認するための簡易なサンプルを作成し、議論を開始することが必要である。
最近では、メーカーによる研究開発が進み、新しい商品が増えてきている。
デザイン的にも品質保証的にも優れており、オプションも多いことから、既製品が使用されることが増えてきている。

日本で製作設計し、海外で製作する

シンガポールや中国の最新工場では、日本の製造技術が移植され、工作図も、日本並みにレベルアップしている。
また、設計者やゼネコンとの承認プロセスも情報技術の発達で急激に距離の壁が取り払われている。
むしろ中国やアジアの工場では、欧米のCAD 、CAMを取り入れて、人為的ミスが起きないようになっている。
材料的にもJIS規格内の製品の調達も可能で、コスト的には日本以外の材料の方が圧倒的に安いし、円高の影響も受けない。
また、塗装ラインもロボット化されて、作業員は少なく、熟練を要しないライン設計になっている。
更に、梱包と輸送についても、海上輸送のグローバル化で12m× 2.4m× 2.4mのコンテナに入るものであれば、1〜2週間で近くの港に到達できる。
海外の開発途上国へのもの造りのシフトは、今や自然な流れであり、止めることができない。
積極的な海外発注のリスクとヘッジの仕方が現場マンに求められている。

マンションベランダの手すり等は標準化する

デザイン性と製作技術とのコラボレーションにより、その建築にマッチしたパターンが決まれば、あとは標準化することで品質の安定化と経済性が追求できる。
外装の重要なデザインを占めるマンションベランダの手すりなどがその例である。