実戦13 仕上工事6 防水工事1

1級建築施工管理技士 実戦13 仕上工事6 防水工事1

建築施工管理者にとって屋根防水工事はもっとも重点管理するべきものの項目のひとつである。

日本においては、RC造、SRC造、S造、その他ほとんどすべての建物に、雨水の侵入防止と、建物自体の耐久性向上のために、屋上に防水が施されている。
屋上のコンクリート躯体そのものには全く防水性能は期待できない。その理由は以下による。

・コンクリートそのものは、水和反応により硬化し、収縮するので、その表面には微細な収縮亀裂が発生する。
・立ち上がり部等の打継ぎ部分にごくわずかな水の道ができる。
などである。
通常、屋上防水にはアスファルト防水工法を採用するが、その他、シート防水、塗膜防水などの採用できる場合もある。
材料や工法は進歩してはきているが、漏水問題も後は立たないので、建築施工管理者にとっては、品質管理上、最も重要な工事である。

アスファルト防水は下地づくりからはじまる

日本では、屋上の防水工法と言えばアスファルト防水工法である。今でもアスファルト防水工法は信頼性がもっとも高く、経済的な工法である。
しかし、アスファルト防水工法の欠点は、釜焚きの煙や臭いが近隣に迷惑をかけるので、その都度事前に最寄りの消防へ連絡を入れる必要がある。
そこで、最近では改質アスファルト工法が採用されるケースも増えてきている。
アスファルトに合成ゴム系の材料を混ぜて、低温時の柔軟性を増して施工性を改善したものである。
シート状にしたものをバーナであぶり、溶かしながら下地に張り付けていく工法や、粘着層付きのルーフィングを使用する方法、両方の混合方法などがある。
アスファルト防水工法も改質アスファルト防水工法も、”下地づくり”が命である。
屋上は夏場には強い日差しを受け、冬場には外気や積雪などで冷やされるといった過酷な状況下にあるため、防水材と押えコンクリートは、一年中伸縮を繰り返すことになり、表面の温度差は40〜60℃若しくはそれ以上にもなり得る。
そのような厳しい環境下で、保証期間の10年はもちろん、それ以上の長期期間にわたって性能を維持することは困難な問題である。
管理のポイントは下地づくりと押えコンクリートにある。
下地づくりでの注意点は、躯体コンクリートの健全性と平滑性である。打継ぎ部分の処理や立上がりの”入り隅、出隅”の丸みづくり、そして、パラペットなどの立上がり部の防水層の十分な立上がり高さの確保である。
押えコンクリートの管理ポイントは、直射日光を受けて伸縮する応力を吸収するため、パラペットの周囲には切れ目なくエキスパンションジョイントの目地を配置することにある。その他の一般部は、3m × 3m程度に規則ただしいエキスパンションジョイントを設置する。
押えコンクリートの厚さは60mm以上(断熱工法では80mm以上)は確保したい。

そのほかの防水工法の選択

そのほかに、使用頻度の高い簡易な屋上防水として、シート防水やウレタン塗膜防水工法がある。
露出シート防水は鉄骨構造の屋上に使用されることが多い。
下地の動きに対する追従性がよく、軽量化を好む構造に適しているのがその理由である。
シート防水の進化によって、最近は数種類の材料が選択できるようになった。
代表的な材料には、塩化ビニルシート(PVC)、EPDMゴムシートがある。
塩化ビニルシートは意匠性・耐衝撃性にすぐれ、EPDMゴムシートは耐候性に優れている。
露出防水には屋上歩行を許す場合とそうでない場合があるが、一般的にはメンテナンスを行うルートを決めて、その部分に、増張りをする対策が多い。
この場合の施工上の大切な注意点は、やはり下地の乾燥である。
一方、ウレタン塗膜防水工法も、住宅のベランダなど簡易な防水工法として普及している。この場合もやはり、下地コンクリートの平滑度、立上がり部の均一な丸み、そして十分な下地の乾燥が重要である。
ウレタン塗膜防水は均一な塗厚の確保が必要で、また、この工法は数年後再び塗り重ねることができるので、メンテンアンスが容易であるのがメリットである。
リフォームにも多く利用されている。

建築施工管理者として、結露対策を強化する

結露のクレームは以前として多いので、、結露防止は、建築施工管理者にとっても重要な問題である。
設計図をよく読んで、結露対策が十分であるかどうかを吟味する必要もある。
結露は室内側の湿度と室外側の温度、そしてその境界にある壁や断熱材の性能など、さまざまな条件が
重なって起きるので原因究明や対策が難しい。特にマンションの押入れや、本棚の後ろの風通しの悪い部分に集中する。
一般的には、室内側に湿気が多くて風通しが悪く、室外に急激な気温の低下があると、室内側に表面結露が発生し、間仕切り内に内部結露が発生する。
木造住宅の場合は、壁の断熱性能を高め、室内の湿気を壁の中に通さないような防湿層を仕上げ材の裏に取り付けるか、空気層を設けるなどして、熱と水蒸気の伝達を遮ると効果がある。
また、窓ガラスなどは真空層をもった複層ガラスを採用するか、二重窓にするかなが一般的な対策である。
しかし、それでも窓ガラスの内側に結露が発生し、室内を濡らすおそれがあるので、サッシュの下端に結露受けのあるサッシュを選択したい。