実戦2 鉄筋工事1

1級建築施工管理技士 実戦 鉄筋工事1

配筋施工図はいかに大切か

最近の施工図では、施工担当者と鉄筋工の職長が加工図を作成することが多い。
しかし、昨今では建物がより複雑になって、高度な設計が行われるため、構造設計図とコンクリート施工図を基に配筋施工図が作成されるようになってきている。

配筋施工図の目的は、
①鉄筋の種別・サイズ
②配筋の間隔
③継ぎ手の位置・長さ
④鉄筋の組立て順序
などを図面に書き出すことによって、その配筋施工図作成中に、前もって問題点をあぶり出し、解決できるところにある。

また、配筋施工図は、加工・現場組立て・検査のためのバイブルとなる。

それは各工事の鉄筋職長が作成し、鉄筋加工のための加工帳作成にも利用される。
しかし、配筋施工図を作成しない現場もある。職長が簡単な加工帳しか作成しないので、ミスが起きることがある。

例えば、サイズや間隔の見間違いなど。

配筋施工図の間違いは重大な品質ミスになりやすいので、設計者との間で相互チェックなどを行い、駄目出しをしておくことが大切である。

いかにして図面の読み間違いをなくすか

経験的に、鉄筋工事の間違いを防ぐ手段の中で「周知徹底会」がもっとも効果がある。

構造設計者・建築施工管理者・施工業者にて、工事が始まる前に設計者の意図するところ、注意する点などに対して構造設計担当者に立会いを依頼して、
説明を受ける「周知徹底会」を実施し、関係者の意思統一を図ることが望ましい。

どのようにして鋼種の間違いをなくすか

建物の高層化に伴い、RCの設計技術も進歩し、30階や50階建ての高層集合住宅でもRCで設計することが増えている。そこではコンクリート強度だけでなく、鉄筋においても高強度の鉄筋が使用され、一つの工事現場の中に、さまざまな鋼材種別の鉄筋が使用されるようになってきいる。

鋼材種別を間違わないで施工管理するにはどうしたらよいか?
それらは、超高層RC集合住宅の現場で新たな課題となっている。

鉄筋施工を専門業者に任せて管理していたのでは、加工場や現場で鋼種のとり違いミスを完全には防げない。

対策として重要なものを上げてみる。

①鋼材の種類の色分け図面を作成し、鉄筋設計の見える化を図り、関係者に徹底する。

②発注段階での鋼種間違いを防ぐには、職長の作成する注文リストのダブルチェックを行う。

③加工場ではほかの工事の鉄筋と材料が混じる心配がある。見た目ではほとんどわからない鉄筋構種の判別の間違いは、加工、積込み段階でまれに起こる可能性がある。
したがって、最初の関門は加工場での送出し検査である。

④更に現場では、加工した材料が入ってくるので、疑うこともなくそのまま組み立ててしまう。配筋検査はコンクリート打設前に検査するが、ミスを発見できない場合もある。
また、その時点での発見ではすでに遅い。
したがって、現場での材料受入れ検査が次の関門となる。

鋼種間違いはあってはならない間違いである。

鋼種が異なると、建物の強度や品質に直接影響するため、再施工の選択肢しか残らない。
したがって、最後の関門はコンクリート打設前の配筋検査となるので、余裕をもった検査時間を確保する必要がある。

建築設計施工管理者は着工前に設計者とよく打ち合わせを行い、構造的にどのような特徴をもった設計であるかをよく理解して、使用材料の鋼材種類の変わり目を確認してから、工事を進めることがきわめて大切である。

このことはコンクリートについても同様である。

コンクリートをハツらなければならない場合

鉄筋工事のミスでもっとも多いのが、差し筋にかかわるものである。

以前では、設計者の了解のもとで、比較的容易に、ケミカルアンカーや
樹脂モルタルグラウト鉄筋で対応できたが、2005年の法改正以後はこのようなミスも厳格に取り扱われるようになって、容易な処理ができなくなった。
なので、コンクリート打設前の配筋検査は今まで以上に重要になってきている。

一方で、どんなに検査を厳しくしても、うっかりミスは発生する。

差し筋忘れや差し筋のずれなどを未然に防止する対策は、差し筋図を作成することが有効である。配筋検査野帳とは別に、差し筋の必要な箇所を洗い出して作成し、その差し筋図により重点的にチェックを行う。

その他、施工時に見落としそうなミスについては、それを予想して、設計者や監理者を交えて「周知徹底会」により、注意喚起を行うことが必要である。