配筋標準 02 加工と共通事項

配筋検査のつぼ②


※設計図に納まり図がある場合は設計図を優先する。

2° .加工上の共通事項
2−1 折り曲げ形状・寸法

①鉄筋の折り曲げ加工は常温で行う。

②折曲げ内径直径を所定値よりも小さくする場合は、事前に鉄筋の折り曲げ試験を行い、支障がないことを確認した上で、監理者の承認を得る。

③SD490の鉄筋を90° を超える曲げ角度で加工をする場合は、事前に鉄筋の折り曲げ試験を行い、支障がないことを確認した上で、監理者の承認を得る。

表2-1 折曲げ形状・寸法



(注)
1. 片持ちスラブ先端、壁筋の自由端側の先端で90° フックまたは、135° フックを用いる場合には、余長は4d以上とする。

2. 90° 未満の折曲げ内法直径は構造図による。構造図に記載のない場合は、表2-1の90° フックと同じとする。

3. 幅止め筋の折曲げ形状は、図2-1による。

4. スパイラル筋の端部を90° とする場合の余長は12d以上とする



2−2 鉄筋のフック

①丸鋼の端部にはフックを付ける
(フックは180° フックとする。)

②次の部分に使用する異形鉄筋の末端部にはフックを付ける。

( 1 )柱および梁の出角部にある主筋で重ね継手の場合
(フック形状は180° とする。)


    図2-2-1 フックが必要な重ね継手


( 2 )柱の四隅にある主筋で最上階(上階に柱の無い場合を含む)の柱頭にある場合。
(フック形状は180° とする。)


図2-2-2 最上階の柱の柱頭でフックが必要な主筋
(上に柱のない場合を含む)


2−3 あばら筋および帯筋の形状
①あばら筋および帯筋のスパイラル筋形状・寸法は、図3-3-4 による。



図2-3-1 あばら筋・帯筋の形状(末端がフックの場合)




図2-3-2 あばら筋・帯筋の形状(末端部が溶接の場合)



図2-3-3 あばら筋・帯筋の溶接要領


 図2-3-4 あばら筋・帯筋の形状(溶接閉鎖形の場合)




   図2-3-6 5 スラブ付梁のあばら筋
   (末端部がフックの場合)



   図2-3-6 副あばら筋・副帯筋の形状






図2-3-7 梁せいの大きな基礎梁など、
あばら筋を分割する場合のあばら筋・副あばら筋の形状

★ポイント

 

①キャップ筋の90° フックが可能となるのは、梁と同時に打込むスラブの付く側のみとし、取り付くスラブが無い側は135° フックとする。

②取り付くスラブがあっても、段差があり、梁主筋位置から4d以上離れる場合のキャップ筋は135° フックとする。

③梁上にスラブが取り付く場合のキャップ筋は135° フックとする。

④梁上にスラブが取り付く場合でも、梁主筋位置から4d以上梁側面に取り付いてる場合は90° フックとしてもよい。
(上記②〜④をまとめると、梁側面の上端梁主筋心位置から下に8d(dはあばら筋径)の範囲のうち、取り付くスラブとの重なりが4d以上であれば90° フック可となる)

⑤副あばら筋、副帯筋の末端部は、両端とも135° 以上のフックを設けるか、フレア溶接とする。

⑥あばら筋を分割する場合のあばら筋・副あばら筋にはフックをつける。重ね継手の場合、フックの角度は180° 、135°、90° のいずれとしてもよい。



2−4 主筋のあき・2段筋の間隔および幅止め筋の形状と間隔

①主筋相互のあき a は粗骨材最大寸法の1.25倍以上、隣り合う鉄筋 d の平均径の1.5倍以上とする。

②2段筋の間隔P2は構造図による。構造図に記載のない場合は、下記による。

③幅止め筋はLD10を用い、柱は@500程度、梁は@1000とし、形状は片側は片側135°フック、他方は90°フックとする。

表2-4 主筋のあきaの最小値および2段筋の間隔P2



(注)粗骨材の最大寸法が25mmの場合を示す。



図2-4 柱梁主筋のあきと間隔


2−5 2段筋位置保持金物の形状および配置

①2段筋がある場合は、原則として2段筋位置保持金物を図2-5-1にならって取り付ける。



図2-5-1 2段筋位置保持金物の配置例

図2-5-2 2段筋位置保持金物の形状例

★ポイント


①2段筋の間隔P2は、構造図に記載される。構造図に記載のない場合は表2-4の値となる。

②P2は、標準値を原則とし、施工は最小値〜最大値の間で管理する。

③柱脚の2段筋位置保持金物は、当該床のコンクリート打込み前に取り付ける。

④梁の2段筋位置保持金物は、柱面近傍とカットオフ筋先端近傍に設け、その間を@2000程度で割り付ける。

※表2-4のP2の許容値(または構造図の記載)を満足する2段筋位置保持金物を使用する。



2−6 腹筋の配筋要領

①腹筋の末端部は、第1あばら筋から30mm程度のみこみとする。

②腹筋の重ね継手長さは、150mm程度とする。

③腹筋が梁貫通孔と干渉する場合は、所定のかぶり厚さを確保した位置で切断してよい。

★ポイント


・腹筋は、梁成にかかわらず全ての梁に必要となるので、注意する。
(ドーナツ型スペーサーを縦使いで取り付け、梁側面のかぶり厚さを確保するため)

・梁側面の鉄筋をねじれや横曲げに有効な主筋として用いる場合は本項を適用せず、構造図による。