1級建築施工管理技士 屋根・防水工事 ハト小屋

建築品質 屋根・防水


011) ハト小屋は雨水が入りやすい

屋内の設備機器と屋上の設備機器とを接続する配管類を、防水を傷めないで屋上に取り出すための小屋を一般にハト小屋という。ハト小屋室内から多くの配管を取り出すため、その配管まわりから雨水が侵入しやすい。また、ハト小屋内部での結露などのトラブルも多い。

1.ハト小屋の庇は深くする

はと小屋の防水の立上りのあごの上から設備配管を取り出し、その配管の周囲はアルミパネルなどの金属板で塞ぐ。配管のパネルの取合いはシールに頼るため、そこに雨水がかからないようにハト小屋の庇を深くする。


ハト小屋


ハト小屋の例

2.ハト小屋の屋根、庇は防水する

小規模のハト小屋の屋根はウレタンの塗膜防水程度でよいが、屋根の規模が大きくなったらクラックが入りやすいため、塩ビシート防水が安心である。

3.ハト小屋の内部には結露防水の断熱を

ハト小屋内部には室内天井内の暖気が上ってくるため、結露する可能性が大きい。したがって、ハト小屋内部は結露しないように断熱する必要がある。ハト小屋の面積が大きいときは、室内の気密性を高めるために床を設け、点検口を設けることも検討する。

4.ペントハウス(塔屋)の外壁から配管取り出しは水切りを設ける

ペントハウスはどの外壁から設備配管を取り出す場合は、大きく囲うような水切りを設け、配管まわりのシール部分に雨水がかからないようにする。また、配管は外部側を低くするように外勾配を設ける。

外壁からの配管の取り出し

5.小規模の配管取り出しには既製品のハト小屋を検討

屋上への配管取り出しが少ない場合は、既製品のハト小屋の利用も検討する。或いは、逆に数が多い場合は、PC化を検討も視野に入れる。

既製品ハト小屋の例