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1級建築施工管理技士 設備工事 爆発から建物を守る

建築品質 設備


100)爆発から建物を守る

燃焼の伝搬速度が急速な燃焼を爆発といい、衝撃波を伴い超音速で伝搬するもの爆轟、秒速数メートル以上の音速に近い速度で火炎が伝播するものを爆燃という。
爆発は次の三つの要素が揃うことで発生する。

①可燃性ガスや引火性液体の蒸気、粉体といった燃えるもととなる可燃物
②燃焼を起こす酸素などの支燃性ガス
③電気火花や高温部などの点火源

水素などの可燃性ガスが空気と混合すると燃発性のガスとなり、このガスが電気回路の接点部からの電気火花や静電気の放電、高温度の物体などの点火源に触れることにより爆発が起きる。
可燃物となるのは化学物質等ばかりではない。機械加工時に発生する金属粉や食用の小麦粉などでも条件が揃えば粉塵爆発を起こす。

1.さまざまな爆発

①粉塵爆発
小麦粉や砂糖等の通常は発火物とは言わない物質でも空気中に小さな粉塵となって浮遊していると非常に燃えやすい状態となり爆発を起こす場合がある。

②ガス爆発
可燃性物質であるガスが密封された状態で充満している時に、点火エネルギーがあると強い爆発が起こる。爆発の大半がこのガス爆発である。都市ガスのガス管はガスで充満しているが、ガス管内に酸素が存在しないため、発火点まで温度が上昇しても燃えることはない。

③混合爆発
二つの物質を混ぜ合わせ衝撃を与えることによって引き起こされる爆発をいう。亜鉛と硝酸塩、亜鉛と過マンガン酸カリ、マグネシウムと硝酸塩等は混合するだけで爆発する。硫黄と硝酸銀、炭素と硝酸銀等は衝撃を与えると爆発する。

④水蒸気爆発
高温の金属と水が接触した時に水が水素と酸素に分解し、その水素に点火し爆発を起こす場合と、高温によって爆発的な速度で水蒸気になり体積を急激に増やすことで爆発現象を起こす場合がある。高温の溶融炉の事故や火災現場で消火活動中に起きる事故等は前者のケースで、火山の水蒸気爆発は後者のケースを示す。

2.防爆対策について

可燃性ガスや粉体を取り扱う工場では、爆発事故を防止するために爆発性雰囲気が発生しないように換気することや、点火源をなくす、あるいはスパークして点火源となる可能性のある電気機械器具は隔離することが必要となる。労働安全衛生規則では事業者に対して、爆発・火災の危険性が生じる濃度に達する可能性がある危険場所では、防爆構造の電気機械器具の使用を義務付けている。
電気機械器具の防爆構造には、ガス蒸気に対する防爆仕様と粉塵に対する防爆仕様がある。防爆対策についえの規制内容の詳細は、労働安全衛生法(厚生労働省所管)や消防法(総務省所管、各自治体消防署)、電気事業法(経済産業省所管)の関連法規を参照する。


避難誘導灯の防爆仕様


非常照明の防爆仕様


設備操作スイッチの防爆仕様


自動火災報知赤色灯の防爆仕様

やまとたける

一級建築士/ 1級建築施工管理技士