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1級建築施工管理技士 建具工事 止水はシールに頼らない

建築品質 外部建具


051)建具の止水はシールに頼らない

外部建具まわりからの雨水の進入がないように、壁と建具枠の取合い部にシールをするが、シールには寿命がある。容易にメンテナンスや打替えができれば良いが、必ずしも簡単ではない。したがって外部建具まわりのシールは切れることを前提に、雨水が浸入しにくいディテールにすることが重要である。

1.外部建具の上枠まわりのディテール

外部建具の上枠部は上部の外壁に当たった雨水が滝のように流れてくるため最も雨水が入り込みやすい。雨水が入り込みにくディテールは次の順に検討する。


建具上枠のディテール

①最も効果的なおさまりは庇を設けることである。庇は躯体と一体が望ましく、さらに庇の出は大きいほど安心である。付け庇でもよい。

②抱きを設ける。建具を壁の内側に寄せてコンクリートの抱きを設け、外壁を伝った水が建具に伝わないように水切り形状とする。

③水切りを設ける。ただし、水切りの上部から浸入しないように、二次シールが切れても入らないようにする必要がある。

④外壁と同面おさまりにして水切りを設けないときは二重シールにする。二次シールが切れても紫外線などから保護された一次シールが頑張ってくれる。二重シールが確実にできる既製型材はあまりないので、上枠に加工が必要である。同面納まりでは、建具枠のシール材やガラスのシール材が外壁を汚すことも考慮する必要がある。

2.外部建具の下枠まわりのディテール

外部建具の下枠部もコンクリートとの取合いから水が入りやすい。縦枠取合い部を伝った雨も下枠両側から入りやすい。雨水浸入をぐせぐおさまりは、次の順に検討する。

①下枠部躯体は外部へ向けた勾配を設ける。

②建具を固定したらモルタルを密実に充填する。

③建具下枠には水切りを付ける。さらに水切りの両端部を立ち上げると、外壁の汚れも少なくなる。


建具下枠のディテール

やまとたける

一級建築士/ 1級建築施工管理技士