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1級建築施工管理技士 石工事 外壁石の選び方

建築品質 外壁石


042)石の選び方

建築で最もよく使う大理石や花崗岩は、磨けば鮮やかな光沢を発し、耐久性があり同じものが一つとしてない貴重な材料でもある。花崗岩は、耐久性があるが火に弱い。大理石は色相も多様であるが、雨が多い日本ではカビの発生や風化しやすいこともあり、外部雨がかりでの使用には注意を要する。

1.石は工場で選定する

壁や床に石を張る場合、小さなサンプルで決めてはならない。石は同じ山から採っても模様や斑の入り具合が異なる。工場で同じところから採った原石がどれくらいあって、一つの原石から何m2使えるかを確認し、石を使う壁面の各面ごとの面積に合わせて使う石を決める必要がある。最近では採石現地で板加工までして輸入することもある。設計者は施工者と現地で確認するのが望ましい。

2.石張りのデザイン

壁の石張りは、壁全体が一枚の石のように見せたいケースがある。石の模様や斑が連続するように展開した壁とするのか、一方向に流すかなど、石の斑の特徴を活かしたデザインによって石の取り方や加工が決まる。


石を展開して斑を合わす


石の斑の流れを合わす

また、石目を柾目にするか、平目に使うかで、同じ石でも表情が変わる。原石を決めた後、板加工したものを実際に並べて全ての面を確認したい。


大理石の柾目


大理石の平目

3.石の濡れ色は表面処理で防ぐ

外壁や床石で、雨がやんだ後も長い間、石が濡れているように見苦しくなることを、濡れ色をいう。これは石が水を吸い込みやすく乾燥しにくい場合に起こる。石種によって濡れ色になりにくい石もある。石の濡れ色帽子は、石の仕上げ面に濡れ色防止材を塗る表面処理を行う。表面処理は石裏からの水分を封じ込めることができるため、白華現象(エフロレッセンス)防止としても効果がある。従来の裏面処理より表面処理の方が確実に効果がある。石によっては、表面処理をした石としない石で、色目が変わることもあるので、確認する。表面処理は加工が済んでよく乾燥した石に、工場で処理することが重要である。


石の濡れ色

4.石の吸水率、強度を確認する

石は同種のものでも産地によって強度や吸水率などが異なる。外壁や外部床などに採用する場合、色目や柄だけでなく、強度や吸水率、耐久性、耐磨耗性などを確認することが大事である。吸水率が高いと凍害の可能性もある。

やまとたける

一級建築士/ 1級建築施工管理技士