025)エレベーターピットの湧水対策
エレベーターピットに湧水(地下水)が溜まって、頻繁に点検しなければならなくなる事例がある。地下水位を確認し、ピットの方が深い場合は湧水対策を考慮しなければならない。地下水位が年間で上下する場合は、上位でみる必要がある。
1.エレベーターピットの湧水対策
エレベーターピット(EVピット)内部には排水口を設けることができないため、EVピットの湧水はエレベーターの定期点検時に手で汲み出すことになっている。湧水が多いところでは定期点検では間に合わず、頻繁に点検しなければならない場合もあり、EV管理に支障をきたしている。一般にはEVピット内部は塗膜防水をしているが、外側からの水圧に対して防水効果は少なく、湧水対策は計画段階で考慮しておく必要がある。
対策は次のことが考えられる。
①地下水位が高いEVピットの地下外壁側は二重壁とする。
②EVピットの底盤は湧水処理層を挟んだ二重床とすると安心である。地下外壁の水もここへ導く。
③EVピットの周囲の底盤をEVピットより深くして、湧水ピットを設ける。
2.エレベーターピットと他の水槽は空ピットを介して
湧水対策だけでなく、隣接した水槽からの湧水がないようにしなければならない。消火水槽や汚水槽などの水槽類をEVピットと隣接させないように配置を検討する。どうしても近接して配置する必要がある場合はEVピットと水槽の間に空ピットを設ける。
これに関連して、汚水槽の周囲も空ピットにして、点検できるようにするのが衛生上望ましい。