1級建築施工管理技士 二次検定 躯体工事【演習問題04】

【 演習問題04 】

問題9

場所打ちコンクリート杭(アースドリル工法)の品質を確保するため、鉄筋かごの設置終了後からコンクリートの打設完了までの間において、留意すべき事項2つ具体的に記述せよ。


【 攻略のポイント 】

場所打ち杭では、鉄筋かごの挿入後、次の処置をする。

①二次スライム処理として、コンクリート打設直前にエアリフトポンプで、排泥する。

②トレミー菅にプランジャーを取り付け、コンクリートポンプによりコンクリートホッパにコンクリートを投入する。

③トレミー菅内をコンクリートとプランジャーをゆっくりと落下させ、トレミー菅の底から20㎝程度まで落下させた後、一挙に30㎝程度トレミー菅を引き上げ、コンクリートプランジャーを落下させる。

④打込み中はトレミー菅の下端は2m以上コンクリート内に挿入しておき、コンクリートの噴発を防止しながら打設する。

⑤打ち上がったコンクリートの杭の上端50㎝~1mは、スライム混合が考えられるので切断除去する。

先行掘 →表層ケーシング建込 →安定液注入掘削

→軸部掘削完了 →拡底バケットセット

→上部拡幅掘削

→下部拡幅掘削 →1次スライム処理 →孔壁測定

→ 鉄筋籠建込み →トレミー菅建込

→2次スライム処理

→コンクリート打設 →表層ケーシング引抜き

→埋戻し

解答例

①二次スライム処理をして、エアリフトポンプを用いて排泥する。

②コンクリート打設中のトレミー菅の菅底はコンクリート上面より2m以上挿入しておく。

問題10

鉄筋コンクリート建築物における型枠の支柱の存置又は盛替えに関して、躯体の品質を確保する上で、留意すべき事項3つ記述せよ。


【 攻略のポイント 】

[ 型枠の存置期間・支柱の存置期間 ]

①基礎、梁側、柱および壁のせき板存置期間は、コンクリートの圧縮強度が、5N/mm2以上に達するまでで、気温が10℃以上のときは強度にかかわらず所要の日数を経過すれば取り外してよい。
(普通ポルトランドセメントでは、20℃以上のとき4日、10℃以上20℃未満のときは6日とする。)

②支保工の存置期間は、コンクリートの設計基準強度の100%が得られるまでとする。または、構造計算により安全が確認できたときは支保工を取り外してよい。

③床スラブ下、屋根スラブ下の型枠の底面は、原則として支保工の取り外し後とする。

④支柱の盛替えは、原則として行わない。資材の搬出時、やむを得ず一部盛り替えするときは、多数を同時に行わない。また、大張の支柱は盛り替えてはならない。

解答例

①支保工の存置期間は、コンクリートの圧縮強度が設計基準強度の100%以上となったときとする。

②大梁の支柱の盛替えは行ってはならない。

③やむを得ず支柱を盛り替えるときは、一度に多数の支柱を盛り替えない。

問題11

鉄骨工事における下記の溶接部の欠陥のうち、外観検査で発見される欠陥1つ選び、それについて説明せよ。

アンダーカット オーバーラップ スラグ巻込
ピット ブローホール 融合不良


【 攻略のポイント 】

[ 溶接の外観検査で発見される欠陥の特徴 ]


外観検査でみる溶接欠陥

以上から、外観検査の欠陥の主なものは、アンダーカット、オーバーラップ、ピットの3種類で、このうちから1つを説明する。

解答例

[ 欠陥 ]
アンダーカット

[ 説明 ]
アンダーカットは、溶接端部の母材に溶着金属が満たされない状態のこと。

やまとたける

一級建築士/ 1級建築施工管理技士