1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】
1.建築学
3°.建築材料
3-2.鋼材
下記の正誤を判断せよ。
①引張応力とひずみは、下降伏点まで比例関係にある。
×
[ 解説 ]
引張応力とひずみの関係は、降伏点の手前の弾性領域内の途中まで比例関係にあるが、弾性域内でも比例限度を過ぎると元に戻らず、ひずみが多少残る。
②炭素量が増加すると、引張強さと伸びが増加する。
×
[ 解説 ]
鋼材は、炭素量を増すと引張強度と硬度は増加するが、じん性や伸びは低下する。
③鋼にマンガン(Mn)やケイ素(Si)を添加すると、溶接性が改善される。
◯
[ 解説 ]
・銅(Cu)を添加すると、耐候性・耐食性が改善される。
・クロム(Cr)を添加すると、耐食性が向上する。
・モリブデン(Mo)を添加すると、高温時の強度低下が少なくなる。
④ヤング係数は、コンクリートの約10倍である。
◯
⑤構造用鋼材には、主として軟鋼が用いられる。
◯
⑥引張り強さは、200〜300℃で最大となり、それ以上温度が上がると急激に低下する。
◯
⑦引張強さに対する降伏点の割合を降伏比と呼び、一般に高張力鋼になるとその値は大きくなる。
◯
⑧建築構造用圧延鋼材SN400Aの数値400は、上降伏点を示す。
×
[ 解説 ]
SN400Aの数値400は、引張強さの下限値を示す。
SN鋼のB種及びC種は、炭素当量の上限を規定して溶接性を改善した鋼材である。
JIS規格の鋼材の呼称の数字(SS400の400等)は引張強さの下限値を表すが、大臣認定鋼材は、呼称の数字が降伏点又は0.2%耐力の下限値の数値が使用されているので注意が必要。
例)
・SS400 (一般構造用圧延鋼材)JIS G3101
降伏点 235〜 N/mm2
引張強さ400〜510 N/mm2
・BCP325 (建築構造用冷間成形角形鋼管)
降伏点 325〜445 N/mm2
引張強さ490〜610 N/mm2
・TMCP355(建築構造用TMCP鋼材)
降伏点 355〜475 N/mm2
引張強さ520〜610 N/mm2
⑨SM鋼は、モリブデン等の元素を添加することで耐火性を高めた鋼材である。
×
[ 解説 ]
SM鋼(溶接構造用圧延鋼材)は溶接性を考慮し、鋼材中の炭素を減らしてマンガン(Mn)、ケイ素(Si)等の含有量を調整したもので、SS鋼(一般構造用圧延鋼材)に比べて溶接作業性に優れた鋼材である。
⑩ TMCP鋼は、熱加工制御により製造された、高じん性で溶接性に優れた鋼材である。
◯
[ 解説 ]
大臣認定品 建築構造用TMCP鋼材
TMCP355
降伏点 355〜475 N/mm2
引張強さ520〜610 N/mm2
TMCP385
降伏点 385〜505 N/mm2
引張強さ550〜670 N/mm2
⑪ 低降伏点鋼は、添加元素を極力低減した純鉄に近い鋼で、強度を低くし、延性を高めた鋼材である。
◯