054)窓の結露した水の処理
断熱建具枠や複層ガラスの普及によって、建具の結露は少なくなったが、それでも一般には結露する外部建具やガラスはまだ多い。この結露水が額縁や壁を汚すこともある。温浴施設の結露水を外部に排水すると、外壁を汚すこともある。
1.結露水の排水
ガラス面と同時に枠も結露する。枠とガラス面の結露水は、原則として排水孔を設けて外部に排水する。排水孔は逆流防止弁を設けるか、枠内の排水孔の位置をずらして風圧によって内部に吹き込まないようにする。結露水の排水で外壁が汚れる恐れがある時は、水切りを外部側へ大きく出す。
結露水の排水
2.ホテルの結露水は拭き取り式にする
寒冷地などでは、外部に排水された結露水が凍結し、つらら状になることがあるため、拭き取り式にする方がよい。また、ホテル客室など結露しやすい用途では、排水により外壁を汚すことや、排水孔からの騒音やプライバシーを考慮し、拭き取り式にする。ホテル客室では拭き取り式にする場合は、180cc以上の結露水が溜まることもあるため、十分な量の結露受けを設けなければならない。
結露水の拭取り
3.温浴施設の結露水は室内へ排水
温浴施設では常時結露が発生する。このため外部へ排水すると外壁がかびで黒く汚れたりする。このため内部で排水経路を検討する。この場合、浴室の防水との納まりを考慮する。どうしても外部へ排水する場合は、出の大きな水切りを設ける。
温浴施設の結露水の内部
4.ガラス溝の排水と結露水の排水は別ルートで行う
既製建具枠では、結露水の排水ルートとガラス溝に入った排水ルートを一緒にしているケースがほとんどである。水分により不具合の生じやすい網入りガラスや複層ガラスの溝のわざわざ結露水を引き込むのは、不具合の発生する可能性を高めてしまう。