038)PCa板のカーテンウォールは等圧に
プレキャストコンクリート板(PCa板)のカーテンウォールは耐久性や強度は十分にあるが、自重が重い。取付けは上部躯体にパネル荷重を預ける上吊り方式と、下部躯体にパネルを預ける下置き方式がある。どちらもPCa板の荷重を鉄骨に預けるため、鉄骨の撓みや回転を起こさないように注意する。
1.PCa板はファスナーと一体にする
PCa板は以下のポイントが重要である。
①正確な配筋と鉄筋のかぶりの確保
②ファスナーをPCa板と一体に定着する
③寸法精度の確保
④脱型時強度を確認し、養生する
2.層間変位に対して、ロッキング方式で追随する
PCa板のファスナーは鋼材を組み合わせたものや鋳造製のものがある。ファスナーは躯体の層間変位に対してロッキング方式で追随する。ファスナーは防錆処理し、耐火被覆する。
ファスナーは以下のポイントが重要である。
①面内外の層間変位にスムーズに追随できること
②躯体変形に追随する時に異音を発生しないこと
③取付けボルトやナットが緩まないこと
④取付け時に鉄骨レベルや位置の施工誤差を吸収
⑤確実な施工ができること
上部または下部を固定して層間変位に対応するスライド方式は変位時に水平目地が切れやすく、建物コーナー部の縦目地も大きくなるので採用しない。
3.PCa板ジョイント部は水密性を確保する
PCa板のジョイントはシールジョイントとオープンジョイント(等圧方式)がある。シールジョイントは外部側のシールで雨水が入らないようにする。シールが切れた時はメンテナンスが必要である。オープンジョイントは、水を切るレインバリアと気密性を確保するウインドバリアの間を外部と等しい気圧にして、レインバリアから入った水をスムーズに排水する方式である。現場打ちシールがなく、長期的に安心である。
4.施工図には仮設材と施工管理のための情報を盛り込む
PCa板の施工図には吊りインサートなどの施工に必要な仮設部材と、溶接長さ、変位対応のルーズ孔の確保、目地交叉部の納まり、取付け精度や取付け順序など施工管理のための情報を盛り込まなければならない。