012) 目地シールは2面接着が基本
部材と部材の接合部(目地部)を、止水目的で塞ぐことをシーリング(シール)という。そのシーリング材(以下シール材)は、適正に使わないと切れやすく漏水の原因となる。また、シール材が外壁を汚したり、シールの表面に塗装したことによってブリーディング(軟化、滲みなど)を起こすこともある。
1.挙動する目地部のシーリングは2面接着とする
挙動する目地シーリングは3面接着だと切れやすい。2面接着だからこそ挙動に追従することができる。ただし、コンクリート造の水平打継ぎ目地などのように挙動しない固定目地部のシールは3面接着でもよい。
2.目地シールの幅と厚さの設計
外部金属部材の目地幅は部材の熱伸縮や層間変位、施工誤差、施工性などを考慮し、シーリング材の許容変形率をもとに決める。
外部金属部材の目地幅 W ≧ δ × 100/ε + 目地の許容誤差
δ:目地の変形量(mm)
ε:シーリングの許容変形率(%)
シールの厚さは基本的にシール幅が大きいほど厚さが必要
最小厚さは
シール幅10mm未満の時、シール幅と同じ厚さ
シール幅10mm以上の時、シール幅 × 1/2 かつ10mm以上
3.ダブルシール、深シールはシール幅20mm以上確保する
1次シール施工時に2次シール部のマスキングテープを貼り込む必要がある。目地幅が20〜25mmなければマスキングテープを貼るときに指が入らない。また、2次シールの時はバックアップ材の代わりにボンドブレーカー(ポリエチレンテープ)を使えば目地深さを小さくできる。深目地シールの時も同じく施工幅が必要である。
4.シリコンシールは外壁面を汚す
設備工事のベントキャップ(換気口)まわりにシリコンシールを使って、外壁を汚すことがある。外壁にシリコンシールを使ってはならない。
外壁の石やタイル壁のシールはPS2(2液性ポリサルファイド系シール)にする。
サッシの外部側ガラスシールのシリコンシールが下部の壁を汚すこともある。
汚れ防止の観点から外部側シールをPS2にし、内部側をシリコンシールにする。ただし、ガラス溝に排水機構を設けること、及びシールのメーカーや施工店がガラスシールの保証を出すことが前提となる。
5.化粧打放しコンクリートのシールはMS2に
*MS2(2液性変性シリコン)
化粧打放しコンクリートはシール施工後に仕上げの撥水塗装をする。シールはノンブリードタイプのMS2が良いが、塗布する撥水材との相性は確認する。
6.シールの上から着色塗装するシールはPUに
*PU(ポリウレタン系シール)
コンクリートやコンクリート系パネルの目地シールに外壁と同じ塗装をする場合、PS2ではブリーディングを起こす。シール表面に塗装を掛ける場合はノンブリードタイプのPUとする。