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1級建築施工管理技士 屋根・防水工事 パラペット

建築品質 屋根・防水


008 )パラペットは外壁扱いに

防水を立ち上げる下地と水切りとしてのあごを総称してパラペットという。パラペットは外壁と防水の接点にあたり、雨仕舞上重要な部位である。パラペットの外壁が汚れた、クラックが入って漏水した。水が切れずに防水端部に水が廻った、保護コンクリートの膨張でパラペットが外壁から押し出されたなどの事例がある。

1.パラペットはあご先端までを外壁扱いにする

外壁は、通常クラックが入りにくいようにダブル配筋で180mm程度の厚さを確保している。パラペットも同じように、クラックが入って雨水が侵入しないように、あごの先端までが外壁という扱いで、ダブル配筋し、3〜4m程度ごとにひび割れ誘発目地を設ける。


パラペット

2.パラペットの天端は防水する

パラペット天端は雨に叩かれ、強い日射にさらされ、屋根と同じく最も過酷な部位である。微細なクラックが入りやすく、劣化が早い。その天端を保護し、雨水を侵入させないように塗膜防水しなければならない。

3.パラペットの天端勾配は 1/10以上

パラペットの天端についた粉塵が、雨で外壁側に押し流されて外壁を汚さないように、屋上側に向けて 1/10以上の勾配を確保したい。

4.金属笠木はジョイント部の納まりを確認する

パラペットに金属笠木を取り付けることができれば、あごを省略することができる。金属笠木は笠木と笠木のジョイント部の納まりを確認する。金属笠木の熱膨張を考慮するとともに、天端のシールが切れた場合でも漏水に至らないような排水機構を設けるなど配慮が必要である。張り終い部を数ヶ所設けると、そこから外せるのでメンテナンスがしやすくなる。既製品の笠木は天端先端に水返しがあり、内外両側に水切りもある。


金属笠木(既製品)


金属笠木(製作品)


笠木ジョイント部 ディテール

5.パラペットは屋上床と一体打ちにする

パラペットを屋上床面で打ち継ぐと、その打ち継ぎ目地からの漏水だけでなく、防水の保護コンクリートが膨張して躯体パラペットを押し出すこともある。したがって、屋上パラペットは下階と一体打ちとし、打継ぎを設けないことが原則である。どうしても打継ぐ場合は、屋上水上コン天より100mm上がって位置で打ち継ぐ。

やまとたける

一級建築士/ 1級建築施工管理技士