3° .継手および定着
3−1 継手
①対象とする継手は重ね継手・ガス圧接継手・フレア溶接継手とし、その他の仕様は構造図による。
②柱・梁の主筋の重ね継手長さは、構造図による。柱・梁の主筋以外の鉄筋の重ね継手長さは表3-1-1 による。
③D35以上の異形鉄筋には原則てとして重ね継手は用いない。
④SD490の重ね継手長さは構造図による。
⑤径の異なる鉄筋の重ね継手長さは、細い方の鉄筋の径(d)を用いる。
⑥あき重ね継手は、原則としてスラブ筋・基礎スラブ筋・壁筋に適用する。
⑦重ね継手は水平重ね継手を原則とし、上下重ね継手とする場合は監理者と協議する。
図3-1-1 梁主筋の重ね継手
⑧ガス圧接およびフレア溶接の形状は、表3-1-2による。
⑨径の異なる鉄筋のガス圧接は、細い方の鉄筋の径(d)を用いる。径の差は原則として7mm以下とする。
⑩鉄筋のフレア溶接は、原則として鉄筋の種類はSD345まで、鉄筋の径はD22までとする。
⑪フレア溶接は被覆アーク溶接またはガスシールドアーク溶接により、使用する溶接材料は表3-1-3による。
⑫隣り合う鉄筋の位置は、図3-1-2による。ただし、壁の場合およびスラブ筋の(基礎スラブ筋を含む)でD16以下の場合は除く。
⑬杭に用いる鉄筋の重ね継手長さは構造図による。
表3-1-1 鉄筋の重ね継手長さ L1、L1h
(注)
1.軽量コンクリートの場合は、上表の数値に5dを加えた値とする。
2.継手位置は、継手の好ましい位置に設けること。
表3-1-2 ガス圧接・フレア溶接の形状
表3-1-3 フレア溶接に用いる鉄筋と溶接材料の組み合わせ
圧接の継手位置
主筋(柱梁を除く)のあき確保が困難な場合の継手位置
図3-1-2 隣り合う継手位置
①機械式継手、突合わせアーク溶接継手(主筋)、突合わせ抵抗溶接継手(帯筋、あばら筋)の仕様(継手の種別・使用箇所、継手の位置、継手の工法、試験の要否・試験機関・試験項目・試験要項・判定基準・報告の要否など)を構造図で確認する。
②柱・梁の主筋の重ね継手長さ、SD490の重ね継手長さ、杭に用いる鉄筋の長さは構造図による。
③重ね継手長さはの最小値は40d(軽量コンクリートの場合は50d)としている。
④重ね継手長さは、水平を原則とし、上下とする場合は監理者と協議する。
⑤全ての壁筋、D16以下のスラブ筋(基礎スラブを含む)は、図3-1-1のように継手位置をずらさなくてもよい。
⑥フレア溶接に用いる溶接棒は低水素系とし、溶接棒の種類を確認する。
3−2 定着
①異形鉄筋の定着長さは、表3-2-1の鉄筋の定着長さによる。ただし、小梁、スラブの下端筋の定着長さは表3-2-2による。
②梁主筋の柱への定着要領は、構造図による。構造図に記載のない場合は以下(1)(2)による。
(1)定着長さ全長において、L2を確保すること。梁主筋の柱への定着長さL2は表3-2-1による。
(2)梁主筋の柱への定着は、原則として折り曲げ定着とする。(表3-2-3)。
ただし、監理者の承認を得た場合は直線定着とすることができる。
上端筋、下端筋共にL2かつ(3/4)D以上
表3-2-1 鉄筋の定着長さ L2、L2h
表3-2-2 小梁・スラブの下端筋の定着長さ L3、L3h
< >は片持ちの場合を示す。
表3-2-3 折曲げ定着長さ La、Lb
(注)
La:梁主筋の柱内折曲げ定着長さ(基礎梁、片持ち梁及び片持ちスラブの上端筋を含む)
Lb:小梁及びスラブの上端筋の梁内折曲げ定着の投影長さ(片持ち小梁及び片持ちスラブの上端筋を除く)
軽量コンクリートの場合は、表の値に5dを加えたものとする。
(直線定着長さL2を、直線定着に限らず、折り曲げ定着の全長や余長などの各部の定着長さとして用いている)
②小梁・スラブの下端筋の定着長さL3、L3hは表3-2-2による。
③片持小梁のL3は25d(L3hは10d)であり、長いので注意する。
④片持ちスラブのL3は25d(L3hは10d)であり、長いので注意する。
⑤梁主筋の柱への定着長さL2は表3-2-1、定着要領は表3-2-3による。
・原則として上端筋、下端筋ともに表3-2-3①の90°曲げ定着とする。(直線定着する場合は、構造図に記載があるか、または監理者の承認が必要)
・折り曲げ定着は上端筋・下端筋ともに、投影定着長さを(3/4)D以上、余長8d以上、柱面からの全長をL2以上とする。
※投影定着長さの定義
折り曲げ定着で、定着起点(仕口面)から折り曲げ部の鉄筋外面までの投影長さ。
(ベンドRの中心点までではない)
⑥小梁・スラブの上端筋と基礎小梁の上・下端筋は、投影定着長さを20dかつB/2以上、余長8d以上、梁面からの全長をL2以上とする。
⑦小梁が小さく投影定着長さ20dを確保できない場合は、投影定着ながさを8dかつ150mmかつB/2以上、余長をL2以上とする。
⑧小梁の下端筋はL3直線定着、L3hフック付き定着のいずれでもよい。
⑨スラブの下端筋はL4直線定着とする。
⑩基礎スラブの下端筋は、投影定着長さを20dかつ(3/4)B以上、余長8d以上、梁面からの全長をL2以上とする。
⑪梁幅が小さく投影定着長さ20dを確保できない場合は、投影定着長さを8dかつ150mmかつ(3/4)B以上、余長をL2以上とする。
⑫基礎スラブの上端筋は、投影定着長さをB/2以上確保した上で、L2直線定着、折り曲げ定着(余長8d以上、全長L2以上)、L2hフック付き定着のいずれかとする。
⑬梁幅が小さく投影定着長さ20dを確保できない場合は⑦に従う。
3−3 その他の継手および定着
①溶接金網の重ね継手は構造図による。構造図に記載のない場合は図3-3-1(a)応力伝達による。
溶接金網の合わせ面は図3-3-2タイプA、タイプBのいずれとしてもよい。
②溶接金網の定着は図3-3-3による。
③帯筋にスパイラル筋を用いる場合の定着、継手養老は図3-3-4による。
④鉄筋格子については3-1継手、3-2定着による。
⑭溶接金網の重ね継手は構造図による。構造図に記載のない場合は図3-3-1(a)応力伝達用による。
⑮スパイラル筋端部の90° フックの余長は12d必要。(8dではないので注意)