平成26年1級建築施工管理技士 実地検定 問題3 解答解説

平成26年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題3

問題3
次の1.から8.の各記述において、記述ごとのからの下線部の語句のうち最も不適当な箇所番号1つあげ、適当な語句を記入しなさい。
1.作業場に通じる場所及び作業場内には、労働者が使用するための安全な通路を設け、かつ、これを常時有効に保持しなければならない。通路で主要なものにはこれを保持するため通路であることを示す表示をしなければならない。
屋内に設ける通路は用途に応じた幅を有し、通路面から高さ②1.8m以内に障害物を置いてはならない。機械間又はこれと他の設備との間に設ける通路については、幅③60cm以上としなければならない。

解答

 ③80

事業者は、作業場に通ずる場所及び作業所場内には、労働者が使用するための安全な通路を設け、かつ、これを常時有効に保持しなければならない。前項の通路で主要なものには、これを保持するため、通路であることを示す表示をしなければならない。(労働安全衛生規則第540条)

事業者は、機械間又はこれと他の設備との間に設ける通路については、幅80㎝以上のものとしなけばなならない。(労働安全衛生規則第543条)

2.根切り工事において、掘削底面付近の砂質地盤に上向きの浸透流が生じ、この水の浸透力が砂の水中での有効重量より大きくなり、砂粒子が水中で浮遊する状態を①クイックサンドという。
クイックサンドが発生し、沸騰したような状態でその付近の地盤が崩壊する現象を②ボイリングという。
掘削底面やその直下に難透水層があり、その下にある被圧地下水により掘削底面が持ち上がる現象を③ヒービングという。

解答

 ③盤ぶくれ

盤ぶくれとは、掘削底面下方に被圧地下水を有する帯水層がある場合、被圧帯水層からの揚圧力によって、掘削底面の不透水性土層が持ち上げられる現象である。(JASS3)

3.場所打ちコンクリート杭地業のオールケーシング工法において、掘削は①ドリリングバケットを用いて行い、1次スライム処理は、孔内水が②多い場合には、 ③沈殿バケットを用いて処理し、コンクリート打込み直前までに沈殿物が多い場合には、2次スライム処理を行う。

解答

 ①ハンマーグラブ

オールケーシング工法(ベノト工法)では、ケーシングチューブを圧入しながら、ハンマーグラブで掘削する。掘削完了後スライムを除去する。鉄筋かごを搬入し、トレミー管をセットして必要に応じて再度スライムを除去する。コンクリートを打込む空掘り部分を埋め戻す。(建築工事監理指針)

4.ガス圧接の技量資格種別において、①手動ガス圧接については、1種から4種まであり、2種、3種、4種となるに従って、圧接作業可能な鉄筋径の範囲が②大きくなる。技量資格種別が1種の圧接作業可能範囲は、異形鉄筋の場合は呼び名D③32以下である。

解答

 ③25

ガス圧接工は、公益社団法人日本鉄筋継手協会が行う「ガス圧接技量検定試験」の合格者でなければならない。また、ガス圧接工の技術資格には、1種、2種、3種、4種の4種類があり、その種別により作業可能範囲が決められている。

5.コンクリート工事において、暑中コンクリートでは、レディミクストコンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、原則として①35℃以下とし、コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間は、②120分以内とする。打込み後の養生は、特に水分の急激な発散及び日射による温度上昇を防ぐよう、コンクリート表面への散水により常に湿潤に保つ。湿潤養生の開始時期は、コンクリート上面ではブリーディング水が消失した時点、せき板に接する面では脱型③直後とする。

解答

 ②90

暑中コンクリートとは、日平均気温の平均値が25℃を超える期間に打込むコンクリートである。気温が高くなると運搬中のスランプの低下、凝結の促進、水分の急激な蒸発等の種々の問題が発生しやすくなる。そのため、材料、調合については、水は低温のものを使用し、構造体強度補正値は原則として35℃以下とする。

コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間は、90分以内とする。(JASS5)

6.コンクリートポンプを用いてコンクリート打設を行う際、コンクリートポンプ1台当たりの1日の打込み量の上限は①250m3を目安とし、輸送管の大きさは圧送距離、圧送高さ、コンクリートの圧送による品質への影響の程度などを考慮して決める。輸送管の径が大きいほど圧力損失が②大きくなる。
コンクリートの圧送に先だちポンプ及び輸送管の内面の潤滑性の保持のため、水及びモルタルを圧送する。先送りモルタルは打設するコンクリートと同等以上の強度を有するものとし、モルタルは型枠内に③打ち込まないことを原則とする。

解答

 ②小さく

コンクリートポンプを用いてコンクリート打設をする場合、輸送管の径はポンプの圧送性に直接影響する。そのため輸送管の径が大きいほど圧力損失が小さくなり、圧送性も良くなる。(JASS5)

7.型枠組立てにあたって、締付け時に丸セパレーターとせき板の角度が大きくなると丸セパレーターの破断強度が大幅に低下するので、できるだけ①垂直に近くなるように取り付ける。
締付け金物は、締付け不足でも締付けすぎても不具合が生じるので、適正に使用することが重要である。締付け金物を締付けすぎると、せき板が②側に変形する。
締付け金物の締付けすぎへの対策として、内端太(縦端太)を締付けボルトとできるだけ③離して締付ける等の方法がある。

解答

 ③近接させて

型枠の組立てにあたり、締付け金物を締付けすぎると、せき板が内側に変形するため、内端太(終端太)を締付けボルトとできるだけ、近接させて締付けるなどの措置を行う。(型枠の設計・施工指針)

8.鉄骨の現場溶接作業において、防風対策は特に配慮しなければならない事項である。①アーク熱によって溶かされた溶融金属は大気中の酸素や②窒素が混入しやすく、凝固するまで適切な方法で外気から遮断する必要がある。このとき遮断材料として作用するものが、ガスシールドアーク溶接の場合シールドガスである。
しかし、風の影響によりシールドガスに乱れが生じると、溶融金属の保護が不完全になり③アンダーカットなどの欠陥が生じてしまう。また、溶融金属中への②窒素の混入は、溶融金属の破壊靭性を低下させる。

解答

 ③ブローホール

現場溶接において、暴風対策が不十分であると、風の影響により、シールドガスなどに乱れが生じ、溶接金属の保護が不完全になり、ブローホールなどの欠陥が生じる(鉄骨工事技術指針 現場工事施工編)

平成23年1級建築施工管理技士 実地検定 問題3 解答解説

平成23年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題3


問題3

建築工事において、次の 1.から 4.について、施工上の留意事項をそれぞれ 2 つ、具体的に記述しなさい。

ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、作業員の安全に関する記述は除くものとする。 また、使用資機材に不良品はないものとする。

1.親杭横矢板工法における、横矢板の設置

解答例

以下の解答例より2つを記述すればよい。

親杭横矢板工法における、横矢板の設置(JASS3)

①親杭の間に横矢板を架け渡して、山留め壁とする工法であり、掘削してから横矢板を渡すまでの間、自立する地盤でなければ採用は難しい。掘削に伴ってすぐに横矢板を設置しなければならない。

②透水性がないので地下水位の高い地盤では地下水処理を併用する必要があり、横矢板の合わせ目はしっかりと継ぐ必要性がある。

③地下水位の高い細砂層やシルト層は根切りしてから横矢板を入れるまでの間に崩れてしまうので、このような地盤には採用できない。

(解説)

打撃、振動、強制圧入、オーガー併用圧入など多くの施工方法があるが、地盤の強度、礫や玉石の有無などの地盤状況に応じて工法を選定する。横矢板の強度については、土圧に対して十分強度を保つ材質の材料を使用する。

2.鉄筋工事における、バーサポート又はスペーサーの設置

解答例

鉄筋工事における、バーサポートまたはスペーサーの設置(建築工事監理指針)

①バーサポートやスペーサーは、組み立てられた鉄筋相互の間隔やかぶり厚さの確保と、埋設配管やコンクリート打設による配筋の乱れを防ぐために重要であり、留意事項としては、使用部位やかぶり厚さに対応して、適切な材種、形状、サイズを使用することがあげられる。

②材料の種別としては、コンクリート製、鋼製とする。モルタル製のスペーサーは強度及び耐久性が不足しているので使用しない。鋼製には、型枠に接する部分に樹脂コーティングあるいはプラスチックで被覆した打ち放し用の材料もある。また、梁、柱、基礎梁、壁及び地下外壁のスペーサーは、側面に限りプラスチック製でもよい。

(解説)

バーサポート及びスペーサーは、鉄筋位置を保持し、かぶり寸法を確保できるような形状、剛性、強度と、打ち込まれるコンクリートと同等以上の耐久性を有するものでなければならない。

3.コンクリート工事における、コールドジョイントの発生防止
ただし、コンクリートの材料や調合に関する記述は除くものとする。

解答例

①打込み区画・打込み順序を考慮する。

②運搬・打込み・締固めの方法及び使用機器の種類と数量を考慮する。

③打継ぎになる部分は入念にバイブレーターをかける。

④打込み継続中の打重ね時間間隔の限度を厳守する。

⑤高いところからのコンクリートの打設は、自由落下距離が短くなるようにシュートを使い、分離を防ぐ。

⑥型枠の水洗いを入念に行い、濡れ面の型枠表面で、コンクリートの流動性をよくし、上部からよくつき、またはバイブレーターで一体化する。

⑦品質の変化したコンクリートは廃棄する。

⑧コンクリートを横流ししない。

(解説)

コールドジョイントは、打設時間の違いにより、締固めが不十分になった打継ぎ部分で、ジャンカなどの欠陥が現れる。先に打設されたコンクリートの再振動可能時間内に後から打設するコンクリートを打ち、十分締め固めることにより防止できる。

4.鉄骨の建方における、仮ボルトの締付け

解答例

鉄骨の建方における、仮ボルトの締付け (JASS6)

①本締め用の高力ボルトを仮ボルトと兼用してはならない。

②高力ボルト継手では、中ボルトを使用してボルト1群に対して1/3程度、かつ2本以上を締め付ける。

③昆用継手及び併用継手では、中ボルトを使用して、ボルト1群に対して1/2程度、かつ2本以上をバランスよく配置する。

④溶接継手におけるエレクションピース等に使用する仮ボルトは高力ボルトを使用して全数締め付ける。

⑤仮ボルトは本締めボルトと同じ径とする。

⑥打設荷重に耐える本数とする。

(解説)

仮ボルトは、建方作業における部材の組立てに使用し、本締めまたは溶接までの間、予想される外力に対して_架構の変形及び倒壊を防止するためのボルトである。仮ボルトは中ボルトなどを用い、ボルト1群に対して高力ボルト継手は1/3程度、かつ2本以上、混用接合及び併用継手では1/2程度、かつ2本以上をバランスよく配置し、締め付ける。

仮ボルトは、強風に対するものであり、強風に対しては、その他にワイヤロープによる補強なども行われる。また、溶接継手におけるエレクションピースなどに使用する仮ボルトは、高力ボルトを使用して全数締め付けるとしている。

平成24年1級建築施工管理技士 実地検定 問題3 解答解説

平成24年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題3


問題3

次の 1.から 8.の各記述において、記述ごとの1から3の下線部の語句のうち最も不適当な箇所番号1つあげ、適当な語句を記入しなさい。

1.ラフテレーンクレーンと油圧トラッククレーンを比較した場合、狭所進入、狭隘地作業性に優れるのは、①ラフテレーンクレーンである。

また、クローラクレーンのタワー式と直ブーム式を比較した場合、ブーム下のふところが大きく、より建物に接近して作業が可能なのは、②直ブーム式である。
定置式のタワークレーンの水平式と起伏式を比較した場合、吊上げ荷重が大きく、揚程が高くとれるのは、③起伏式である。

解答例

② タワー式

クローラクレーンのタワー式と直ブーム式を比較した場合、タワー式は垂直タワーの先端にブームが付いているためふところが大きく、建物に接近して作動が可能である。

2. 地下水処理工法におけるディープウェル工法やウェルポイント工法などの排水工法は、地下水の揚水によって水位を必要な位置まで低下させる工法であり、地下水位の低下量は、①揚水量や地盤の②透水性によって決まる。

必要揚水量が非常に多い場合、対象とする帯水層が深い場合や帯水層が砂礫層である場合には、 ③ウェルポイント工法が採用される。

解答例

③ディープウェル工法

ディープウェル工法は、必要揚水量が非常に多い場合、対象帯水層が深い場合、帯水層が砂_礫層である場合など、ウェルポイント工法で処理できない場合に採用する。(建築工事監理指針)

3.アースドリル工法は、アースドリル機のケリーバの先端に取り付けた①オーガーを回転させることにより、杭孔を掘削する。

一般に掘削孔壁の保護は、地盤表層部についてはケーシングにより、ケーシング下端以深は、②ベントナイトやCMCを主体とする安定液によりできるマッドケーキ(不透水膜)と③水頭圧により保護する。

解答例

①回転(ドリリング)バケット

アースドリル工法は、アースドリル機の先端に取り付けた回転(ドリリング)バケットを回転させることにより、杭孔を掘削する。(建築工事監理指針)

4. 鉄筋のガス圧接を手動で行う場合、突き合わせた鉄筋の圧接端面間のすき間は①5mm 以下で、偏心、曲がりのないことを確認し、還元炎で圧接端面間のすき間が完全に閉じるまで加圧しながら加熱する。

圧接端面間のすき間が完全に閉じた後、鉄筋の軸方向に適切な圧力を加えながら、②中性炎により鉄筋の表面と中心部の温度差がなくなるように十分加熱する。このときの加熱範囲は、圧接面を中心に鉄筋径の③倍程度とする。

解答例

① 2

鉄筋に圧接器を取り付けて突き合わせた場合の圧接_端面のすき間は、鉄筋径にかかわらず 2 mm以下とする。また偏心、曲がりがあると、圧接面全体に十分な加圧ができず、不良圧接になりかねないので、これらの有無を確認する必要がある。(建築工事監理指針)

5.日本工業規格(JIS)のレディーミクストコンクリートの規格では、指定がない場合のレディー ミクストコンクリートの塩化物含有量は、荷卸し地点で、①塩化物イオン量として 0.30 kg/m3以下と規定されている。

また、レディーミクストコンクリートに使用する②砂利の塩化物量については、プレテンション方式のプレストレストコンクリート部材に用いる場合を除き、③NaCl 換算で 0.04 % 以下と規定されている。

解答例

② 砂

レディーミクストコンクリートに使用する(細骨材)の塩化物量は、プレテンション方式のプレストレストコンクリート部材に用いる場合を除き、NaCl換算で0.04%以下と規定されている。(JIS A 5308 付属書A)

6. コンクリート打込みの際の①自由落下高さが高すぎるとコンクリートが分離したりするおそれがあり、たて形シュートや打込み用ホースを接続してコンクリートの分離を防止する必要がある。

たて形シュートを使用する場合には、その投入口と排出口との水平方向の距離は、垂直方向の高さの約②倍以下とする。

また、斜めシュートはコンクリートが分離しやすいが、やむを得ず斜めシュートを使用する場合には、その傾斜角度を水平に対して ③30度以上とする。

解答例

② 1/2

たて形シュートは、落差のあるところへコンクリートを運搬するもので、鋼製パイプ、樹脂製パイプ、フレキシブルホースなどが使われる。たて形フレキシブルシュートを用いる場合、その投入口と排出口との水平方向の距離は、垂直方向の高さの 1/2 以下とする。(建築工事監理指針)

7.トルシア形高力ボルトの締付け完了後の検査は、すべてのボルトについてピンテールが①破断していることを確認する。1次締付け後に付したマークのずれにより、ナット回転量に著しいばらつきの認められる群については、その一群の②すべてのボルトのナット回転量を測定し、平均回転角度を算出する。この結果、平均回転角度±③45 度の範囲のものを合格とする。

解答例

③ 30

トルシア形高力ボルトの締付け完了後の検査は、ピンテールの破断を確認するとともに、1次締付け後に付したマークのずれによって、共回り・軸回りの有無、ナット回転量及びナット面から突き出したボルトの余長の過不足を目視で検査し、いずれについても異常が認められないものを合格とする。その結果、ナット回転量の著しいばらつきの認められる群については、そのボルト群のすべてのボルトのナット回転量を測定し、平均回転角度を算出する。その結果、平均回転角度 ± 30度の範囲のものを合格とする。(JASS6)

8.鉄骨工事におけるスタッド溶接部の 15°打撃曲げ検査は、①150 本又は主要部材1個ごとに溶接した本数のいずれか少ない方を1ロットとし、1ロットにつき②本行う。

検査の結果不合格になった場合は、同一ロットから更に2本のスタッドを検査し、2本とも 合格の場合は、そのロットを合格とする。

ただし、これら2本のスタッドのうち1本以上が不合格となった場合は、そのロット③全数について検査する。

解答例

① 100

スタッド溶接部の15度打撃曲げ検査は「100本」または「主要部材1個または1台に溶接した本数」のいずれか少ない方を1ロットとし、1ロットにつき1本行う。(JASS6)

平成25年1級建築施工管理技士 実地検定 問題3 解答解説

平成25年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題3


問題3

次の 1.から 4.の問いに答えなさい。 ただし、留意事項は、それぞれ異なる内容の記述とし、材料の保管、作業環境(気象条件等)及び作業員の安全に関する記述は除くものとする。

1. 場所打ちコンクリート杭地業(アースドリル工法)のコンクリートの打設における施工上の 留意事項を、2 つ具体的に記述しなさい。
ただし、コンクリートの調合に関する記述は除くものとする。

解答例

場所打ちコンクリート杭地業(アースドリル工法)のコンクリートの打設における施工上の留意事項は以下の①~⑤等がある。この中より2つを簡潔に記述する。

①コンクリートの打込みには、トレミー菅を用いる。

②トレミー菅及びケーシングチューブは、これを引き抜きながらコンクリートの打込みを行う。

③トレミー菅の先端は、コンクリートの中に常時2m以上入っているようにコンクリートを打設する。

④コンクリート打込み時に、その浮力等で鉄筋かごの浮き上がりが生じる場合もあるので、十分注意して押さえながら打設する。

⑤ケーシングチューブを急速に引き抜くと、コンクリートに泥水を巻き込むことになるので、十分注意して押さえながら打設する。

2. 鉄筋工事の鉄筋の組立てにおける施工上の留意事項を、2 つ具体的に記述しなさい。 ただし、鉄筋材料、加工及びガス圧接に関する記述は除くものとする。

解答

鉄筋工事の鉄筋の組立てにおける施工上の留意事項としては、以下の①~⑤等がある。この中の2つを簡潔に記述する。

①加工された鉄筋は、施工図に従って正しい位置に、コンクリートの打込みで移動やひずみが起きないように、間隔を正しく堅固に組み立てる。鉄筋相互の位置の固定は、鉄筋の交点や重ね部分を0.8~0.85mm程度のなまし鉄線で結束する。

②柱・梁主筋と帯筋、あばら筋との結束は、四隅の交点において全数行い、その他の交点において半数以上行う。スラブ、壁では交点の半数以上とする。

③鉄筋相互のあきの最小寸法は次のうち一番大きい数値とする。

・粗骨材の最大寸法の1.25倍

・25mm

・異形鉄筋では呼び名の数値(径が異なる場合は平均値)の1.5倍

・鉄筋の継手長さ、定着長さ、相互のあき寸法が不足しないように組み立てる。

④鉄筋の継手位置は相互にずらして配筋する。

⑤かぶり厚さを確保するため、バーサポート及びスペーサーはコンクリート製または鋼製とする。

3. 型枠工事において、支保工にパイプサポートを使用する場合の施工上の留意事項を、2 つ具体的に記述しなさい。

ただし、パイプサポートに不良品はないものとする。

解答

支保工にパイプサポートを使用する場合の施工上の留意事項としては以下の①〜⑤等がある。この中の2つを簡潔に記述する。

①支柱は垂直に立て、上下階の支柱は平面上の同一の位置とする。

②パイプサポートは3本以上継いではならない。

③パイプサポートを継いで用いるときは、4本以上のボルトまたは専用金具を用いて継ぐ。

④高さが 3.5mを超えるパイプサポートには、高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設け、かつ、つなぎの変位を防止する。

⑤支柱の脚部の固定、根がらみの取付け等により、支柱脚部の滑動を防ぐ。


4.
鉄骨工事の建方時における仮ボルトの施工上の留意事項を、2 つ具体的に記述しなさい。

ただし、材料に不良品はないものとする。

解答

鉄骨工事の建方時における仮ボルトの施工上の留意事項としては、以下の①〜④等がある。この中から2つを簡潔に記述する。

①本締め用の高力ボルトを仮ボルトに兼用してはならない。

②仮ボルトの本数と配置は次の通りとする。

・高力ボルト継手(高力ボルト接合)では、中ボルト等を使用してボルト1群に対して 1/3程度かつ2本以上をバランスよく配置して、締め付ける。

・混用継手及び併用継手では、中ボルト等を使用して、ボルト1群に対して1/2程度かつ2本以上をバランスよく配置して、締め付ける。

③溶接継手におけるエレクションピース等に使用する仮ボルトは、高力ボルトを使用して全数締め付ける。

④強風や地震等、想定される外力に対する接合部の応力を計算し、発生応力に必要な数の仮ボルトを用いる。

1級建築施工管理技士 二次検定 躯体工事の攻略

1級建築施工管理技士 実地 躯体工事 攻略法

実地(躯体工事①)

問01.躯体工事全般
鉄筋工事 鉄筋の組立
型枠工事 支保工の存置期間
コンクリート工事 養生
鉄骨工事 建入れ直し

問02.躯体工事全般
トラッククレーンのブーム
地下水排水工法
場所打ちコンクリート杭
鉄筋工事 異形棒鋼
型枠工事 型枠支保工
コンクリート工事 供試体の作成
暑中コンクリートと寒中コンクリート
鉄骨工事 スタッド溶接

実地(躯体工事②)

問03.コンクリート工事
打継ぎ面の処理
マスコンのひび割れ発生の抑制

問04.高力ボルト摩擦接合
すべり係数0.45以上確保の処理方法
1次締め後のマーキングの目的

問05.柱列山留め壁工法
山留め架構と周辺地盤の安定性の確保

実地(躯体工事③)

問06.コンクリート工事
コールドジョイントの発生防止

問07.高力ボルト継手
建方から本締めの間に使用する仮ボルト

問08.根切り工事の排水工法

実地(躯体工事④)

問09.場所打ちコンクリート杭工事
鉄筋かご設置からコンクリート打設完了まで

問10.型枠の支柱の存置又は盛替え

問11.鉄骨工事 外観検査で発見される欠陥

実地(躯体工事⑤)

問12.土質柱状図、山留め壁

問13.コンクリート打設 タンピングとは

問14.鉄筋工事 材質の確認方法

実地(躯体工事⑥)

問15.SRC造の鉄骨建方計画

問16.躯体工事全般
普通コンクリート 計画調合
鉄筋工事 再圧接が必要な欠陥
トルシア系高力ボルト 本締め完了後
既成コンクリート杭 支持地盤確認方法

問17.躯体工事全般
根切り工事の施工計画
鉄筋工事 適正なかぶり厚さを確保する目的
鉄骨工事 製作工場の決定

実地(躯体工事⑦)

問18.躯体工事全般
コンクリート工事 型枠の取外
場所打ちコンクリート杭 孔壁保護の方法
鉄筋工事 主筋の重ね継手
高力ボルト 保管と運搬

問19.躯体工事全般
コンクリート工事 工場の選定
コンクリート工事 打込み当日の工程
鉄骨工事 品質管理について

問20.躯体工事全般
鉄骨構造 仕口部
コンクリート工事 品質

実地(躯体工事⑧)

問21.躯体工事全般
コンクリート工事 調合計画
鉄骨工事 溶接部の欠陥
高力ボルト 予備締め後のマーキング
場所打ちコンクリート杭 スライム処理

問22.躯体工事全般
山留め工事 切ばりの架設
ボイリング防止
場所打ちコンクリート スライム処理
マスコンクリート

問23.躯体工事全般
鉄筋のかぶり厚さ
AE減水剤の効果
タンピングが必要な理由
エンドタブを設ける理由
スカラップを設ける理由

実地(躯体工事⑨)
問24.躯体工事全般
鉄筋のガス圧接
暑中コンクリート
コンクリート型枠の組立て
高力ボルトの摩擦接合

問25.コンクリート工事・鉄骨工事(用語)
AE減水剤
細骨材率
コールドジョイント
エンドタブ
トルクコントロール

1級建築施工管理技士 二次検定 躯体工事【演習問題01】

【 演習問題01 】

問題1

次の問いに答えなさい。

ただし労働者の安全に関する記述は除くものとし、留意事項は、それぞれ異なる内容の記述とする。

①鉄筋工事において、鉄筋の組立てを行う際の施工上の留意事項を2つ具体的に記述せよ。
ただし、材料の性質及びガス圧接に関する記述は除くものとする。

②型枠工事における型枠支保工の存置又は取り外しに関して、躯体の品質を確保する上での留意事項を2つ具体的に記述しなさい。
ただし、材料に関する記述及び組立・解体の作業手順に関する記述は除くものとする。

③コンクリート工事におけるコンクリート打設後の養生についての留意事項を、その理由を含め2つ具体的に記述せよ。

④鉄骨工事において、建入れ直しを行うときの留意事項を2つ具体的に記述せよ。


【 攻略のポイント 】

まず、問題の題意から、労働者の安全は除くとあり、①では、材料の性質およびガス圧接を除くをある。このことは、鉄筋組立の品質基準の確保について解答させるための誘導と考えられるので、キーワードとして、かぶり、スペーサ、鉄筋間隔、鉄筋結束、定着長さ、フック等、鉄筋組立品質について記述する。
また、②では、躯体の品質を確保する上での存置又は取外しである点に注意が必要である。③では、必ず理由が必要である。

解答例
1.鉄筋工事

①かぶりを設計図書の通り確保するため、適正なスペーサーを用いる。

②鉄筋は、必要な継手長さおよび定着長さを確保する。

2.型枠工事

①セメントの種類、気温および部位別に定められた存置日数を確保する。

②支柱の盛替えは、養生中のコンクリートに有害な振動・衝撃を与えるので行わない。

3.コンクリート工事

①打設後の急激な乾燥ひび割れを抑制するため、散水・シート等の湿潤養生を行う。

②コンクリートの凍結を防止するため、初期養生として養生マットにより外気との接触を遮断して保温し、湿潤状態を確保する。

4.鉄骨工事の建入れ直し

①歪み直し用のワイヤロープは、鉄骨本体に強固に取付け、本接合終了後まで取り外さない。

②ターンバックル付き筋かいを有する建築物においては、本設用筋かいを歪み直しに使用してはならない。

問題2

次の[ 1 ]~[ 8 ]の記述において、各記述ごとに下線部のうち最も不適当な箇所番号を1つあげ、適当な語句を解答欄に記入しなさい。

[ 1 ]
トラッククレーンの油圧式のブームと機械式のブームを比較した場合、一般的に、ブームの伸縮が容易なのは、①油圧式ブームである。
クローラークレーンのタワー式と直ブーム式を比較した場合、ふところが広く、より建物に接近して作業が可能なのは、②直ブーム式である。
定置式のタワークレーンの水平式と起伏式を比較した場合、吊上げ荷重が大きく揚程を高くとれるのは、③起伏式である。

[ 2 ]
ディープウェル工法とウェルポイント工法を比較した場合、対象帯水層が砂れき層で深く、必要排水量が非常に大きい場合は、①ウェルポイント工法の方が良い。

②ディープウェル工法は、水中ポンプで汲み上げる工法であるが、真空ポンプを組み合わせた工法もある。
また、周辺の井戸枯れや地盤沈下が問題となる場合は、③止水工法を用いると良い。

[ 3 ]
場所打ちコンクリート杭地業のオールケーシング工法の場合、掘削は①ドリリングバケットを用いて行う。1次スライム処理は、孔内水が多い場合には、②沈殿バケットを用いて処理する。

2次スライム処理は、通常行わないが、スライム量が多い場合は、③水中ポンプなどを用いて行う。

[ 4 ]
D25の異形棒鋼の場合、単位質量は約①4kg/mであり、JIS規格における標準長さは、7m以下で②0.5mごとに区切られている。
また、異形棒鋼の種類でSD③390Aには圧延マークはない。

[ 5 ]
型枠工事における型枠支保工で、鋼管枠を支柱として用いるものにあっては、鋼管枠と鋼管枠との間に①交差筋かいを設け、支柱の脚部の滑動を防止するための措置として、支柱の局部の固定、②根がらみの取付けなどを行う。

またバイブサポートを支柱して用いるものにあっては、支柱の高さが③4.5mを超えるときは、高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設けなければならない。

[ 6 ]
フレッシュコンクリートの空気量の測定は、試料を容器の約1/3まで入れ、ならした後、容器の底を付かないように各層を突き棒で①15回均等に突く。
突穴がなくなり、コンクリートの表面に大きな②泡が見えなくなるように、容器の側面を10~15回木づちなどでたたく。

さらに容器の約2/3まで試料を入れ、前回と同様の操作を繰り返す。
最後に容器から少し触れる程度に試料を入れ、同様の操作を繰り返した後、定規で余分な試料をかき取ってならし、コンクリートの表面と容器の上面を正しく一致させる。
突き棒の突き入れ深さは、ほぼ③各層の厚さとする。

[ 7 ]
コンクリート工事において、暑中コンクリートの練上がり温度に影響するのは、主に①骨材の温度である。また、寒中コンクリートは、②積算温度によって管理される。

マスコンクリートの場合は、③表面部の温度をできるだけ低くするのが施工上大切なことである。

[ 8 ]
鉄骨工事におけるスタッド溶接で、溶接棒の仕上がりの高さと傾きは溶接部の品質や施工条件の良否と密接な関係があるが、アークの発生が過度な場合には、所定の高さより①高くなる。

また、母材及びスタッド材軸部に 0.5mm以上の②アンダーカットが発生すると所定の強度が得られないので不合格とし、③隣接部に打直しを行う。

攻略のポイント

[ 1 ]
鉄骨建込み用クレーンはタワークレーンと移動式クレーンに大分類され、移動式クレーンには、クローラクレーンとトラッククレーンがよく用いられる。
クローラクレーンには、ブームを上下させる直ブームとタワークレーンアタッチメントを装着してクローラー式タワークレーンのタワー式は建物に近接して作業ができる。

[ 2 ]
地下水位のある地盤を掘削するとき、水中掘削となるのを避けるため、地下水の排水量の少ないときは、ウェルポイント工法を用い、排水量の多いときは、ディープウェル工法を用いる。ディープウェル工法は広い範囲の水位を低下させるため、必要により止水工法用いて、低下する範囲を限定する。

[ 3 ]
オールケーシング工法は、ハンマグラブを用いて掘削し、孔壁はケーシングチューブで保護する。また、1次スライム処理は、スライムバケット(沈殿バケット)、2次スライム処理は、水中ポンプやサクションポンプにより行う。

[ 4 ]
JIS G3112の鉄筋コンクリート用棒鋼は、次のように規定されている。D25の単位質量は、3.98kg/mで、長さ7m以下の棒鋼は0.5mごとに6.5m、6.0m、・・・4.0m、3.5mのように区切られている。7mを超えるものは、8m、9m、・・のように1mごとに区切っている。また、異形棒鋼の種類では、SD295Aは圧延マークを表示していないが、SD295B等では、圧延マークによって製造業名またはその略号を表す。

鉄筋の種類を区別する表示方法.jpg

[ 5 ]
パイプサポートの高さは、3.5mを超えるときは2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設けなければならない。

[ 6 ]
フレッシュコンクリートの空気量試験やスランプ試験では、コンクリートの容器の1/3の容量を入れ、各層ごとに25回均等に突き回す。

[ 7 ]
暑中コンクリートの練上り温度を低下させるのは、骨材を冷却することが効果的である。

寒中コンクリートの養生管理は、気温と日数の積和を積算温度といい、積算温度によって養生日数を定める。

マスコンクリートは、部材の寸法が大きく、内部のコンクリートの水和反応による熱が蓄積され高温となることから、打込みコンクリートの温度を低くしたりする工夫が必要である。

[ 8 ]
スタッド溶接でアークの発生が過度の場合、入熱量が大きすぎるため母材まで溶融するので、所定の高さより低くなる。

また、母材およびスタンド材軸部に0.5mm以上のくぼみ(アンダーカット)が発生すると断面が小さく強度が所定の値より小さくなり不合格となるため隣接部に打ち直す。

解答例

問題1解答.jpg

1級建築施工管理技士 二次検定 躯体工事【演習問題02】

【 演習問題02 】

問題3

コンクリート工事に関する次の問に答えよ。

①コンクリート打継ぎ部において、新たなコンクリートを打設する場合の打継ぎ面の処理に関する施工上の対策を具体的に1つ記述せよ。

②マスコンクリートにおいて、ひび割れ発生を抑制するためのコンクリートの計画調合上の留意事項1つ記述せよ。


【 攻略のポイント 】

(1)コンクリートの打継部への対策

①打継ぎ部の位置は、耐力への影響の少ない位置とする。

a:梁、床スラブおよび屋根スラブの鉛直打ち継ぎ部は、スパン中央をする。

b:柱および壁の水平打継ぎ部は、床スラブ、梁の下端、または床スラブ、梁、基礎梁の上端に設ける。

②打継ぎ部は、エキスパンションジョイント(伸縮打継ぎ目)を除いて鉄筋は連続する。

③打継ぎ部のブリーディングによる水やレイタンスはコンクリート打継ぎ前に除去し、コンクリートの打継ぎ面は十分に湿潤状態にしておく。

(2)マスコンクリートのひび割れ抑制対策

マスコンクリートは、部材最小断面寸法が80㎝以上のもので、内外面の温度差が25℃以上となることが予想される部材と定義されている。

マスコンクリートは、コンクリートの表面が、温度差によるひび割れとつながったとき、耐久性、水蜜性をもたなくなる。このため、温度差によるひび割れを抑制するコンクリートの調合が求められる。このための留意点は、次のようである。

①単位セメント量は、発熱を抑制するため所要の品質が得られる範囲で最小とする。

②単位水量は、スランプ値が15㎝以下となる範囲で最小とする。

③高性能AE減水剤、流動化剤など混和剤を使用し単位水量を減水する。

解答例

①コンクリートの打継ぎ面に浮き出た水を除去し、湿潤状態で打継ぐ。

②所要の品質が得られる範囲で単位セメント量を最小となるように調合する。

問題4

高力ボルト摩擦接合に関する次の問に答えよ。

①すべり係数が0.45以上確保できる摩擦面の処理方法2つ記述せよ。②1次締め後に行うマーキングの目的2つ記述せよ。


【 攻略のポイント 】

(1)摩擦面の処理

高力ボルト摩擦接合は、鋼材と鋼材を圧接して、鋼材相互の摩擦力で力を伝達するもので、鋼材はすべり係数(表面の荒さの程度)が0.45以上を確保する必要がある。このため、次の方法がとられている。

①表面仕上げを行い、放置してのち自然な赤錆の発生時を待つ。

②摩擦面をブラストして処理する。

③素地調整(ブラスト)後、時間の経過のあるときは厚膜型無機ジンクリッチペイントを塗布する。

(2)マーキングの目的

1次締め後に行うマーキングの目的は、次のとおりである。

①共回りのないことを確認する。

②マークのずれによる本締め終了の確認をする。

③1次締めまでの完了を確認する。

解答例


赤錆の発生状態を待つ。
ショットブラストに表面を素地調整する。

共回りの有無の確認をする。
本締め完了の有無を確認する。

問題5

市街地において、切梁を用いる柱列山留め壁工法を採用した現場で根切り工事を行う場合、山留め架構と周辺地盤の安定性の確保の観点から、一般に現場で点検・確認を行う事項を3つ記述しなさい。
ただし、山留め架構の変形・応力・側圧の測定に関する記述は除くものとする。


【 攻略のポイント 】

柱列山留め壁工法は、地下水が高く掘削深さも大きな根切り工事に採用される工法で、鋼矢板と異なり、現場打ちコンクリートであるため、コンクリートの品質管理を十分にしないと不良箇所から水漏れが生じるため、山留めの安定が損なわれないようにしなければならない。
また、自立式の柱列山の壁でなく、切梁を用いるので、腹起しなどの接合部など、構造としての安全も点検しなければならない。

(1)止留め架構の留意点

①根入れ長さは、ヒービングまたはボイリングに対して安全なものをするよう確認する。

②柱列壁の材料が分離しないように打設し、所要の水密性のある土留め壁とするためコンクリートの調合を適正なものであるか確認する。

③コンクリートの打設するためのトレミー菅の配置を点検し、引上げ速さは、トレミー菅深さ2m以上を確保して施工する。

④腹起し、切梁、山留め壁は相互に堅固に接合する。

解答例

①ヒービングまたはボイリングの生じないように十分な根入れ長さであることを確認する。

②山留め壁のコンクリートの調合の確認、トレミー菅の配置の確認をする。

③トレミー菅の引上げ速さ、トレミー菅底の挿入深さ2m以上を確認する。

 

1級建築施工管理技士 実地 躯体工事【演習問題03】

【 演習問題03 】

問題6

 鉄筋コンクリート造の建物のコンクリート工事において、コールドジョイントの発生を防止するための処置または対策を具体的に4つ記述しなさい。
ただし、コンクリートの材料・調合に関する記述は除くものとする。


【 攻略のポイント 】

コールドジョイントは、コンクリートの打継ぎ面において、下層が硬化してのち、打継いで上層と下層が一体化していない打継ぎ面をいう。コールドジョイントは、主に、暑中コンクリートやマスコンクリートに生じることが多い。
コールドジョイントを防止するには、主に次の対策がとられる。

①コンクリートを打込み時間(JASS)は外気温が25℃以上のとき練り始めてから打ち終わるまでを90分以内、25℃未満のときでも2時間以内とする。

②コンクリートの運搬中にスランプ値の低下を減少させるため、高性能AE減水剤を用いる。

③上層のコンクリート打込み後、下層のコンクリートの表面から10㎝程度の深さに振動棒を挿入して締固め、上下層を一体化する。

④1回の打込み量、打込み区画および打込み順序を適切に定める。

解答例

①コンクリートの打込み終了時間は、外気温度によって制限をする。

②運搬中のスランプの低下を防止するため、高性能AE減水剤を適量用いる。

③上下層のコンクリートが一体化するように振動棒は下層に挿入して締め固める。

④コンクリートの1回の打込み量、打込み区画を考慮して打継時間を短縮する。

問題7

鉄骨の高力ボルト継手において、建方から本締めまでの間に使用する仮ボルトに関する施工上の留意事項を具体的に2つ記述しなさい。
ただし、仮ボルトの材質は品質上問題ないものとする。


【 攻略のポイント 】

仮ボルトは、本締めの完了するまでの間、仮締めするために用いる普通(中)ボルトで、本締めする高力ボルトと同軸形のもを用いる。しかし、溶接箇所に用いる仮止め用のエレクションピースには仮ボルトとして高力ボルトが用いられる。

①仮ボルト(普通ボルト)の使用本数は、1ボルト群に対して高力ボルト継手の本数の1/3以上とし、かつ2本以上を適正に配置する。

②溶接継手に用いるエレクションピース用の仮ボルトは、高力ボルトを用い全数締め付ける。

解答例

①仮ボルトの使用本数は、1ボルト群の本数の1/3以上で2本以上とする。

②エレクションピース用の仮ボルトは高力ボルトとし、全数を締め付ける。

問題8

根切り工事に伴う地下水の排水工法の名称を1つあげ、それについて具体的に説明せよ。


【 攻略のポイント 】

地下水を排水してドライの状態で掘削を行うもので、地下水の排水工法を用いることで、ヒーリングやボイリングを防止できる。排水工法の分類を示すと次のとおりである。

排水工法

・重力排水工法
釜場排水工法(水中ポンプ、集水桝)
ディープウェル工法(水中ポンプ、深井戸)

・強制排水工法
ウェルポイント工法
(真空ポンプ、ウェルポイント)
バキュームディープウェル工法
(真空ポンプ、鋼菅井)

釜場排水工法:砂質系の透水性の大きい地盤に用い、釜場という集水桝を設け、ここに湧水を集め水中ポンプで排水する工法。

ディープウェル工法:地下水を広い範囲にわたり低下させて掘削するとき、砂質系の透水性の大きい地盤層を貫いて深井戸を掘り、深井戸から水中ポンプで排水する工法。

ウェルポイント工法:ウェルポイントに圧力水を送り、圧力水でシルト質の地盤を掘削し自らの自重で貫入し、ウェルポイントに接合したライザパイプのまわりに透水性の高い砂を均等に投入し、表土は粘土で密封する。その後ライザパイプと真空ポンプを連結して、地下水を排水する工法で一段6m程度とし、必要により多段として排水する。

バキュームディープウェル工法:ウェルポンプの替わりに、鋼菅井を打込み広い範囲の地下水を低下させるときに用いる。

解答例

[ 工法名 ]
ウェルポイント工法

[ 具体的説明 ]
主にシルト質の地盤の地下水位を低下させるため、ウェルポイントを挿入し、1段で6m程度の深さの地下水を真空ポンプで排水する。

 

1級建築施工管理技士 二次検定 躯体工事【演習問題04】

【 演習問題04 】

問題9

場所打ちコンクリート杭(アースドリル工法)の品質を確保するため、鉄筋かごの設置終了後からコンクリートの打設完了までの間において、留意すべき事項2つ具体的に記述せよ。


【 攻略のポイント 】

場所打ち杭では、鉄筋かごの挿入後、次の処置をする。

①二次スライム処理として、コンクリート打設直前にエアリフトポンプで、排泥する。

②トレミー菅にプランジャーを取り付け、コンクリートポンプによりコンクリートホッパにコンクリートを投入する。

③トレミー菅内をコンクリートとプランジャーをゆっくりと落下させ、トレミー菅の底から20㎝程度まで落下させた後、一挙に30㎝程度トレミー菅を引き上げ、コンクリートプランジャーを落下させる。

④打込み中はトレミー菅の下端は2m以上コンクリート内に挿入しておき、コンクリートの噴発を防止しながら打設する。

⑤打ち上がったコンクリートの杭の上端50㎝~1mは、スライム混合が考えられるので切断除去する。

現場打ちコンクリート杭施工手順1.jpg

先行掘 →表層ケーシング建込 →安定液注入掘削

→軸部掘削完了 →拡底バケットセット

→上部拡幅掘削

現場打ちコンクリート杭施工手順2.jpg

→下部拡幅掘削 →1次スライム処理 →孔壁測定

→ 鉄筋籠建込み →トレミー菅建込

→2次スライム処理

現場打ちコンクリート杭施工手順3.jpg

→コンクリート打設 →表層ケーシング引抜き

→埋戻し

解答例

①二次スライム処理をして、エアリフトポンプを用いて排泥する。

②コンクリート打設中のトレミー菅の菅底はコンクリート上面より2m以上挿入しておく。

問題10

鉄筋コンクリート建築物における型枠の支柱の存置又は盛替えに関して、躯体の品質を確保する上で、留意すべき事項3つ記述せよ。


【 攻略のポイント 】

[ 型枠の存置期間・支柱の存置期間 ]

①基礎、梁側、柱および壁のせき板存置期間は、コンクリートの圧縮強度が、5N/mm2以上に達するまでで、気温が10℃以上のときは強度にかかわらず所要の日数を経過すれば取り外してよい。
(普通ポルトランドセメントでは、20℃以上のとき4日、10℃以上20℃未満のときは6日とする。)

②支保工の存置期間は、コンクリートの設計基準強度の100%が得られるまでとする。または、構造計算により安全が確認できたときは支保工を取り外してよい。

③床スラブ下、屋根スラブ下の型枠の底面は、原則として支保工の取り外し後とする。

④支柱の盛替えは、原則として行わない。資材の搬出時、やむを得ず一部盛り替えするときは、多数を同時に行わない。また、大張の支柱は盛り替えてはならない。

解答例

①支保工の存置期間は、コンクリートの圧縮強度が設計基準強度の100%以上となったときとする。

②大梁の支柱の盛替えは行ってはならない。

③やむを得ず支柱を盛り替えるときは、一度に多数の支柱を盛り替えない。

問題11

鉄骨工事における下記の溶接部の欠陥のうち、外観検査で発見される欠陥1つ選び、それについて説明せよ。

アンダーカット オーバーラップ スラグ巻込
ピット ブローホール 融合不良


【 攻略のポイント 】

[ 溶接の外観検査で発見される欠陥の特徴 ]

溶接欠陥の分類.jpg

外観溶接欠陥.jpg
外観検査でみる溶接欠陥

以上から、外観検査の欠陥の主なものは、アンダーカット、オーバーラップ、ピットの3種類で、このうちから1つを説明する。

解答例

[ 欠陥 ]
アンダーカット

[ 説明 ]
アンダーカットは、溶接端部の母材に溶着金属が満たされない状態のこと。

1級建築施工管理技士 二次検定 躯体工事【演習問題05】

【 演習問題05 】

問題12

次に示す柱状図の地盤と敷地まわりの断面図の状態において、G.L.-20mまでの根切り工事を行う場合、最も適している山留め壁は何か。また、排水計画上、その山留め壁に必要な根入れ長さは何m以上か記入せよ。
ただし、孔内水位は被圧水頭とし、逆打ち工法や地盤改良工法は採用しないものとする。

土質柱状図.jpg


【 攻略のポイント 】

①鋼矢板などの根入れな長さは、ボイリングを防止するため硬質粘土層まで伸ばし打ち止める。最低でも根入れ長さ4.5m、最大6m程度とする.。砂礫層で打ち止めない。

②地下鉄などの重要構造もあることから、周辺地盤の沈下の影響が小さく、高い止水性を持つ止水壁として、場所打ちRC地中壁工法か場所打ちRC柱列壁工法を用いる。また、最も止水性の高い、場所打ちRC地中壁が望ましい。

解答例

[ 山留め壁 ]
場所打ちRC地中壁

[ 根入れ長さ ]
4.5~6.0m

問題13

コンクリート打設において、タイピングとは何か簡潔に記述し、その主な目的を1つ記述せよ。


【 攻略のポイント 】

タンピングとはコンクリートが硬化する前に、初期ひび割れを防止するため、強くコンクリート面をたたいて押さえつけてひび割れを防止し、密実なコンクリートに仕上げるための手順。

解答例

コンクリートの初期ひび割れを防止し、密実なもとのとするため。

問題14

現場に搬入された加工済みの鉄筋の材質(SD 295AやSD 345など)を確認する方法1つ簡潔に記述せよ。


【 攻略のポイント 】

鉄筋の材質(強度)を確認するため次のことを行う。

①鉄筋の圧延マークを調べる。

②鉄筋の片断面の色の表示を調べる(SR 235:赤、SD 295B:白、SD390:緑など)

解答例

[ 材質の確認方法 ]
鉄筋の片断面の色表示で確認する。