令和6年1級建築施工管理技士 二次検定 問題3 解答解説

令和6年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題3

市街地での事務所ビル新築工事において,右の工事概要に示す事務所部分の内装工事に関する作業工程について,次の1.から4.の問いに答えなさい。
工程表は計画時点におけるもので,対応する作業内容と所要日数,施工条件を合わせて示しているが,作業⑤及び作業⑧については作業内容を記載していない。
また,作業⑦のフリーアクセスフロア敷設作業は,作業(d)及び作業(e)との関係を示すために作業⑦-1,作業⑦-2に分けて工程表及び作業内容と所要日数に示している。
工程表の設備工事は電気設備(照明,コンセント),通信設備,警報設備,空調設備とする。
なお,各作業は一般的な手順に従って施工されるものとし,施工中に必要な試験や検査については記載を省略している。

工事概要

用   途:事務所
構造、規模:鉄筋コンクリート構造,地上6階,
基準階における事務室部分の床面積325m2
事務室仕上:床はフリーアクセスフロア下地,タイルカーペット仕上げ
壁は軽量鉄骨下地,せっこうボード張り、
塗装仕上げ(壁の軽量鉄骨下地,せっこうボード張り
共に天井軽量鉄骨下地高さまでとする)
天井は軽量鉄骨下地,せっこうボード張り,
ロックウール化粧吸音板仕上げ
工程表

作業内容と所要日数(各作業に必要な資機材運搬等を含む)

施工条件
作業(a):
天井内の配管,配線,機器設置,ダクト等の設置、高所作業車を使用

作業(b):
間仕切壁内の配管,ボックス取付け工事、作業③の開始2日後に並行作業として着手

作業(c):
作業④の開始3日後に並行作業として着手、天井足場を使用

作業(d):着手は作業⑥の完了後1日の養生日を置き,     作業⑦-1と並行作業として着手
作業(e):作業⑦-2と並行作業として着手
1.作業⑤及び作業⑧作業内容を記述しなさい。

解答試案

⑤ 天井足場撤去

⑧ タイルカーペット張付け

②天井足場架設の作業があり、作業 (c) により 天井足場を使用した設備工事の後の作業⑤である。

また、作業⑤の後には、天井界隈の工事はないので、作業⑤は、天井足場撤去と考えられる。

床の仕上はタイルカーペットであるので、作業⑧はタイルカーペット張付けである。

2.内装工事における建築工事と設備工事の一般的な施工手順と,作業内容と所要日数,施工条件に記載してある条件を読み取り,(始)から(終)までの総所要日数を記入しなさい。

 

解答試案

施工条件に従って、検討用のシートを用いてまとめると

以下のようになる。

 

よって、総所要日数は 28日となる。

3.作業④フリーフロート及び作業⑦トータルフロートを記入しなさい。

解答試案

作業④のフリーフロート  2日

作業⑦のトータルフロート 1日

問題2の検討用の工程表によると作業④には2日の余裕がある。

よって、作業④のフリーフロートは、2日である。

トータルフロート(TF)とは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早終了時刻(EFT)を差し引いて求められる。

作業⑦の最遅終了時刻(LFT)は25日である。

作業⑦-2の作業は、設備工事(d)の終了を待たずしても、作業⑦-1に引き続き作業が可能であるので、

最早終了時刻(EFT)は24日である。

よって、LFT – EFT = 1日

(参考)

検討用のシートをネットワーク工程表で表すと下記のようになる。

4.作業⑦の着手に必要な支持脚(ペデスタル)の墨出しに係る工程を見込んでおらず,作業⑦の所要日数に1日を追加しなければならないことが判明した。
工程追加後の(始)から(終)までの総所要日数を記入しなさい。

解答試案

総所要日数 28日

問題3より、作業⑦はトータルフロート 1日あるので、作業日数に1日追加したとしても総所要日数 28日は変わらない。

令和6年1級建築施工管理技士 二次検定 問題2 解答解説

令和6年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題2

建築工事における次の1.から3.の設備又は機械を安全に使用するための留意事項を,それぞれ2つ具体的に記述しなさい。
ただし,1.から3.の解答はすべて異なる内容の記述とし,保護帽や要求性能墜落制止用器具等の保護具の使用,気象条件,資格,免許及び届出に関する記述は除くものとする。
また,使用資機材に不良品はないものとし,2.を除き保守点検に関する記述は不可とする。

1.バケット容量0.5m3 程度のバックホウ

記述例

①作業開始にあたっては、現場条件に対する作業指示等の事前連絡、打合せを行い、運転者と作業員の意思の疎通を図り、相互理解を深めることに留意し、作業手順の重要性について関係者に十分周知させる。

②路肩の崩壊など非常事態の際に退避できるように、クローラの走行を法面に直角に合わせて掘削する。

(解説)

バックホウ(バケット容量 0.5 m3 程度)を安全に使用するための留意事項としては、他に以下のもの等がある。

①ダンプトラック等への掘削土砂の積込みは、荷台の後方から旋回して行うようにし、旋回角度を小さくする。

②路肩、傾斜地での掘削など、労働者に危険が生じるおそれがあるときは、誘導者を配置し、その_者に誘導させる。

③旋回範囲内の接触事故を防止するため、カラーコーン等により区画を行い、監視員を配置する。

2.工事用の仮設電力設備

記述例

①仮設電力の引込位置は、電力負荷設備の種類・位置を考慮して計画する。

②工事用電力使用の工程計画、負荷設備容量の山積みをもとに、受電容量を検討し計画する。

(解説)

その他、以下のもの等があるので、これを参考に具体的に記述する。

1)着工から竣工まで仮設電力の過不足がないように、仮設計画により、幹線の配線計画、負荷設備の配線計画について検討する。

2)工事完成までの支障のないように、仮設引込の配置、負荷設備の種類、位置について検討し計画する。

3.ホイール式垂直昇降型の高所作業車

記述例

①作業床上で走行操作する高所作業車の走行にあたっては、平坦堅固な場所で誘導者の配置、合図を行い、適正な速度制限等必要な措置を行う。

②作業床上での脚立・はしごを用いての作業、伸び上がったり、身を乗り出しての無理な姿勢での作業は禁止する。

(解説)

高所作業車を安全に使用するための留意事項としては、他に以下のもの等がある。

①垂直昇降型以外の高所作業車の作業床上では、安全帯を使用する。

②設置地盤面に不陸がある場合は整地を行い、接地圧に対する地盤の強度が不足する場合は鉄板を敷くなど転倒防止の措置をとる。

③高所作業車は、合図を定めてその合図により誘導する。

④過積載をしない。特に上昇後の荷の受渡しによる過積載がないように留意する。

⑤作業範囲内を立入禁止区域に指定する。

令和6年1級建築施工管理技士 二次検定 問題1 解答解説

令和6年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題1

問題1
持続可能な建設業を目指して,働き方改革を推進すべく様々な取組が官民一体となって続けられている昨今,建築工事の現場を管理していく上でのあなたの考えについて,次の1.及び2.の問いに答えなさい。

1.右に示す工事概要の建築工事において,あなたが建設現場における統括的な施工の技術上の管理を求められる立場として,機能,性能等の要求された品質を確保しながら適正,かつ,合理的に進める上で,有効と考える現場作業の軽減策3つ提案し,それぞれ次の①から③について具体的に記述しなさい。

ただし,3つの提案の②及び③はすべて異なる内容を記述するものとする。
なお,次の記述は不可とする。

・工事概要に示す工事において施工上必要としない工事及び作業に関する内容
・計画変更確認申請が必要となる内容
・竣工引渡し時期の遅れに繋がる内容
・工程の短縮は図れるが現場作業の軽減には繋がらない内容
・建築設備工事に関する内容

工事概要
(表中「○+△+□」は○下地の上△面に□仕上げ等,下地と表面仕上げの関係を示す。)
工事名  共同住宅新築工事
主要用途 共同住宅52戸
用途地域 住居地域、6m道路隣接
面  積
敷地面積  2,350.00m2
建築面積  758.85m2
延床面積  4,950.60m2
工  期 2024年1月~2025年6月
主要構造 鉄筋コンクリート構造、地上7階建て
最高高さ 23.25m
階  高 1~4階 3.3m,5~7階 3.0m
エレベーター 乗用8人乗り1台
───────────────────────────────
主な構造仕様
根切深さ 2.5m
山留め  親杭横矢板工法
地 業  現場造成杭(アースドリル工法)
コンクリート 普通コンクリート
型 枠  コンクリート型枠用合板
支保工:パイプサポート
鉄 筋  工場加工,現場組立て
柱,梁主筋:ガス圧接継手
───────────────────────────────
主な外部仕上げ
屋 根
陸屋根:アスファルト露出断熱防水
アルミ製笠木
外 壁
主な外壁:コンクリート打放し+ 防水形複層塗材
断 熱 :内断熱工法 現場発泡断熱材吹付け
手すり壁
バルコニー:アルミ製既製品 H =1.2m
外部廊下 :コンクリート打放し + 防水形複層塗材
外部階段 :コンクリート打放し + 防水形複層塗材
:ステンレス製壁付手すり

バルコニー:モルタル下地 + ウレタン系塗膜防水
外部廊下 :コンクリート直均し + ビニル床シート
外部階段 :モルタル下地 + ビニル床シート
建 具
風除室:ステンレス製オートロック式自動扉
強化ガラス共
玄 関:化粧シート張り鋼製扉
窓  :アルミ製サッシ
1~2階網入りガラス共
3~7階フロートガラス共
───────────────────────────────
主な内部仕上げ
(居室,水廻り:天井高さ2.4m,風除室:天井高さ2.5m)

居室 :コンクリート直均し+ 乾式二重床 + フローリングボード
水廻り:コンクリート直均し+ 乾式二重床 + 耐水合板 + ビニル床シート
風除室:モルタル下地 + ノンスリップタイル

居室 :軽量鉄骨下地 + せっこうボード+ビニルクロス
水廻り:軽量鉄骨下地 + シージングせっこうボード+ビニルクロス
風除室:モルタル下地 + 有機系接着剤による小口タイル
天井
居室,水廻り:軽量鉄骨下地 + せっこうボード+ビニルクロス
風除室:軽量鉄骨下地 + アルミスパンドレル
建具他
居室:化粧シート張り木製扉 枠共
水廻り:ユニットバス,洗面化粧台,システムキッチン
風除室:集合郵便受け,インターホンパネル
───────────────────────────────
主な外構仕様
構内舗装
駐車場:アスファルト舗装
駐輪場:コンクリート舗装
アプローチ:インターロッキング舗装
囲 障:化粧フェンス
駐車場入口:レール式門扉
植栽
敷地境界:中木,低木混栽

① 工種名又は作業名等

② あなたが考える有効な現場作業の軽減策とそれが現場作業の軽減に繋がる理由

③ ②の実施に当たって確保すべき品質とそのための軽減策における施工上の留意事項

解答試案

品質を確保しながら進める合理化の問題である。

※工事概要に記載された工事内容に注意して事例を記載する。

特に、設計図書と変更になるような合理化は不可である。

特定行政庁により、設計変更になるか、軽微変更になるかの判断がわかれる場合があるので、軽微な内容であっても注意が必要である。

事例1)

① 工種名等:鉄筋工事

② 軽減策と軽減に繋がる理由:

鉄筋工事において、梁鉄筋先組工法を採用する。躯体工事の工程短縮と品質確保、及び、現場作業が軽減できるため。

③施工上の留意事項:

梁鉄筋先組工法は、柱梁の仕口部分の鉄筋定着が及び補強筋の施工が困難になる場合があるので、事前に各種配筋の位置、所定の長さ、位置等で確実に定着されていることに留意する。

事例2)

① 工種名等:木工事(内部間仕切り壁下地)

② 軽減策と軽減に繋がる理由:

内部間仕切り壁下地に、パネル枠(壁の長さ、高さに合わせた材木枠内に胴縁を組み込んだもの)を採用した。

工場内生産品の間仕切りを取り付けるだけなので、造作大工の手間が省略_化でき、仕上げ工事の工期短縮ができるため。

③ 施工上の留意事項:

躯体精度のばらつきが悪いとよけいに手間がかかるので、躯体精度の品質管理には十分に注意して施工する。

事例3)

① 工種名等:コンクリート工事

② 軽減策と軽減に繋がる理由:

最上階屋根パラペットのプレキャストコンクリート化を行う。予め工場にて製作することにより、現場での配筋工程を大幅削減することができる。

③ 施工上の留意事項:

屋根スラブには水勾配があるので、かぶり厚さを確保するため、パラペットの部位によって鉄筋の差筋に注意する。

事例4)

① 工種名等:型枠工事、鉄筋工事

② 軽減策と軽減に繋がる理由:

トラス筋付きデッキプレート工法は、デッキプレートとトラス筋が一体となっているので、コンクリート打設時には型枠として、硬化後にはトラス筋がスラブ主筋となる構造であり、型枠工事と鉄筋工事を同時に施工できるので合理化となる。

③ 施工上の留意事項:

デッキプレートの梁等への掛り代は所定の長さを確保し、床開口の大きさ、補強等はメーカーの仕様に従って行う。

2.建設業における働き方改革の課題の1つとして,建設現場における時間外労働が挙げられる。右に示す工事概要の建築工事に係わらず,あなたの今日までの経験を踏まえて,建築工事の施工に従事する者の時間外労働の現状に関して,次の①及び②について具体的に記述しなさい。
ただし、1.の②と同じ内容の記述は不可とする。

① これまでの建設現場における施工や工程,管理等の業務において,施工に従事する者の時間外労働を増長させていた要因とそれが時間外労働の増長に繋がっていた理由

② ①の対策として,あなたが有効と考える建設現場における組織としての取組や工夫

解答試案

① 建設現場において、施工方法や手順が徹底されいていないと、その確認のために何度も手戻りすることになり、労働時間の増長につかがる要因となる。

②各工種又は作業について、できるだけ早い段階で関連する作業員を交えて問題点や留意点などを挙げて施工計画を立案し、その施工方法や手順を徹底し、手戻りによる確認作業をなくす。

1級建築施工管理技士 令和6年 一次検定 解答解説

1級建築施工管理技士 令和6年度 第一次試験 解答 解説
【 令和六年度 】
【 午前 】
   6問題は全問題を解答【 建築学 】
   No.01 室内環境
   No.02 熱貫流率の計算
   No.03 鉄筋コンクリート構造
   No.04 地盤及び基礎構造
   No.05 3ヒンジラーメンへの集中荷重
   No.06 内装材料
   9問題のうちから6問題を選択し解答【 建築学 】
   No.07 換気に関する問題
   No.08 音に関する問題
   No.09 鉄筋コンクリート構造の構造計画
   No.10 鉄骨構造の設計
   No.11 角形鋼管柱の座屈荷重
   No.12 はね出し梁及び連続梁への等分布荷重
   No.13 鋼材
   No.14 左官材料
   No.15 ドアセットの性能項目
   5問題は,全問題を解答【 共通問題 】
   No.16 測量
   No.17 避雷設備
   No.18 空気調査設備
   No.19 消火設備
   No.20 工事費における共通費
   10問題のうちから8問題を選択し解答【 躯体工事 】
   No.21 乗入れ構台の計画
   No.22 土質試験に関する記述
   No.23 山留め壁(ソイルセメント柱列壁工法)
   No.24 場所打ちコンクリート杭
   No.25 異形鉄筋の継手と定着
   No.26 型枠工事
   No.27 コンクリートの養生
   No.28 大空間鉄骨架構の建方
   No.29 木質軸組構法
   No.30 建設機械
   10問題のうちから7問題を選択し解答【 仕上工事】
   No.31 合成高分子系ルーフィングシート防水
   No.32 長尺亜鉛鉄板葺
   No.33 軽量鉄骨壁下地等
   No.34 防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材
   No.35 アルミニウム製建具工事
   No.36 塗装工事
   No.37 合成樹脂塗床
   No.38 断熱工事
   No.39 押出成形セメント板横張り工法
   No.40 外壁改修工事
   4問題は全問題を解答【 施工管理 】
   No.41 事前調査
   No.42 施工計画
   No.43 工事記録
   No.44 工程の実施計画
【 午後 】
   6問題は全問題を解答【 施工計画 】
   No.45 品質管理
   No.46 解体工事における振動,騒音対策
   No.47 足場に関する記述
   No.48 特定元方事業者の講ずべき措置
   No.49 ゴンドラ安全規則
   No.50 酸素欠乏症等防止規則
   10問題は全問題を解答【 施工管理 】
   No.51 鉄筋のガス圧接
   No.52 コンクリートの運搬、打込み及び締固め
   No.53 鉄骨 加工及び組立て
   No.54 塗膜防水
   No.55 壁タイル後張り工法
   No.56 内装工事 ボード張り
   No.57 仮設計画
   No.58 工期と費用
   No.59 躯体工事の試験及び検査
   No.60 労働災害に関する用語
   12問題のうちから8問題を選択し解答【 法 規 】
   No.61 建築基準法 確認申請
   No.62 建築基準法
   No.63 建築基準法施行令 避難施設等
   No.64 建設業法 建設業の許可
   No.65 建設業法 請負契約
   No.66 建設業法 工事現場に置く技術者
   No.67 労働基準法 未成年、女性労働者
   No.68 労働安全衛生法 安全衛生管理体制
   No.69 労働安全衛生法 労働者の就業
   No.70 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律
   No.71 騒音規制法 届出
   No.72 道路交通法

1級建築施工管理技士 令和06年 一次 問題1 解説

令和6年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題1

(午前の部)令和6年7月21日(日)

問題番号[ No.1 ]〜[ No.6 ]までの6問題は、全問題を解答してください。問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。

[ No.1 ]
中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物における居室の室内環境に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。

1.室内空気中の一酸化炭素の濃度は,6ppm以下とする。

2.室内空気中の二酸化炭素の濃度は,1,000ppm以下とする。

3.室内空気の気流の速さは,1.5m/s以下とする。

4.室内空気の相対湿度は,40%以上70%以下とする。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

2.◯

室内環境基準において、空気中の二酸化炭素濃度の許容値は、1,000ppm(0.1%)以下と定められている。(建築基準法施行令第129条の2の6第3項)

・二酸化炭素 1,000 ppm以下

一酸化炭素   10 ppm以下

覚え方「銭湯で屁をする」

(原口氏「スーパー記憶術」より)

一酸化炭素は 6 ppm以下に変更になっている。

3.×

室内空気の建築物環境衛生管理基準(厚生労働省)には以下のように規定されている。

建築物環境衛生管理基準(厚生労働省)

浮遊粉じんの量 0.15mg/m3以下

一酸化炭素の含有率 100万分の6以下(= 6 ppm以下)

二酸化炭素の含有率 100万分の1000以下(=1000 ppm以下

温度(1)17℃以上 28℃以下

  (2)居室における温度を外気の温度より低くする場合は、

     その差を著しくしないこと。

相対湿度 40%以上 70%以下

気  流 0.5 m/秒以下

ホルムアルデヒドの量 0.1mg/m3以下(0.08ppm以下)

4.◯

[ No.2 ]
図に示すような鉄筋コンクリート壁の熱貫流率として,最も近い値はどれか。ただし,熱伝達率は,放射熱伝達率と対流熱伝達率を合わせたものとする。

1.0.3  2.1.3  3.4.0  4.33.6

答え

  3

[ 解答解説 ]

熱貫流率とは、熱伝導抵抗の逆数、つまり熱の通しやすさのことである。

熱伝達率は、壁の室内側と室外側にありその表面近傍部分の熱伝達のしやすさのことである。

その逆数が熱伝達抵抗である。一般的にはそれぞれの部位、仕上面の状況によってことなる。

熱貫流率(U値)

= 1 /材料の熱抵抗値(m2・K/W)

= 1/(材料の厚さ(m)÷材料の熱伝導率(W/m・K) )

= 1/{ 1/9+(0.150/1.6) +1/23}

= 1/(0.111 + 0,09375+0.0438)

= 1/ 0,24855

= 4.02

又は

熱貫流率(U値)

= 1 /材料の熱抵抗値(m2・K/W)

= 1/(室内側熱伝達抵抗 + 壁の熱伝導抵抗 + 室外側伝達抵抗)

= 1/(0.111 + 0.094 + 0.043)

= 1/0.248

= 4.032

よって、選択枝3の 4.0が最も近い値である。

[ No.3 ]
鉄筋コンクリート構造に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。

1.柱の主筋はD13以上の異形鉄筋を4本以上とし,その断面積の和は柱のコンクリート全断面積の0.8%以上とする。

2.柱のせん断補強筋は直径9mm以上の丸鋼又はD10以上の異形鉄筋とし,せん断補強筋比は0.2%以上とする。

3.梁の断補強筋の間隔は,梁せいの1/2以下,かつ,250mm以下とする。

4.梁に孔径が梁せいの1/3の円形の貫通孔を2個設ける場合,その中心間隔は両孔径の平均値の2倍以上とする。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

柱の主筋は、柱の軸方向に配筋する鉄筋のこと。異形鉄筋とは、コンクリートの付着性を向上させるために周囲にリブと呼ばれる突起のある鉄筋をいう。柱の主筋は直径がD13以上の異形鉄筋とし、その断面積の和は、柱のコンクリート全断面積の0.8%以上とする。(鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説)

2.◯

梁、柱のせん断補強筋は軽微な場合を除き、直径9mm以上の丸鋼又はD10以上の異形鉄筋とする。せん断補強筋(帯筋及びあばら筋)比は0.2%以上とする。

3.◯

梁の断補強筋とは、梁のせん断応力に対抗する鉄筋のことであばら筋のことである。あばら筋は、せん断やひび割れに対する補強に用いられ、間隔はD10の異形鉄筋を用いて梁せいの1/2以下,かつ,250mm以下とする。(鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説)

4.×

梁に2個以上の貫通孔を設ける場合、孔径は梁せいの 1/3以下とし、孔の中心間隔は孔径の平均値の3倍以上とする。

[ No.4 ]
地盤及び基礎構造に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.圧密沈下の限界値は,独立基礎のほうがべた基礎に比べて大きい。

2.直接基礎の滑動抵抗は,基礎底面の摩擦抵抗が主体となるが,基礎の根入れを深くすることで基礎側面の受動土圧も考慮できる。

3.直接基礎の地盤の許容応力度は,基礎荷重面の底面積が同じであっても,その底面形状が正方形の場合と長方形の場合とでは異なる値となる。

4.基礎梁の剛性を高くすることにより,不同沈下が均等化される。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

独立基礎とは、柱ごとに独立して点で支持する基礎をいう。べた基礎とは、建物の荷重を面で支持する基礎をいう。独立基礎は圧密により不同沈下を生じやすいが、べた基礎は建物と基礎が一体となっているため、不同沈下は生じにくい。圧密沈下の許容値は、独立基礎の方がべた基礎に比べて小さい

2.◯

滑動抵抗とは,基礎底面が土圧により水平に移動しようとする力に抵抗することをいう。根入れを深くすると、基礎底面の摩擦抵抗が主体となり滑動を防止できるが、根入れを深くすることにより、基礎側面に受動土圧は大きくなるので、さらに抵抗力が上がる。

3.◯

直接基礎における地盤の許容応力度は,基礎荷重面の底面積が同じであっても,その底面形状が正方形の場合と長方形の場合とでは異なる値となる。

4.◯

基礎梁とは、基礎部分や地下部分を支える梁のことで、地中に施工される者で、地中梁とも呼ばれる。基礎梁の剛性を高くすると、基礎梁が変形しにくくなるので、不同沈下を均等化することができる。

[ No.5 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構の点Cに集中荷重P1及びP2が作用したとき,支点Bに生じる水平反力HBの値の大きさとして,正しいものはどれか。

1.HB=0kN

2.HB=2kN

3.HB=4kN

4.HB=6kN

答え

  3

[ 解答解説 ]

支点A及びBの鉛直荷重及び水平荷重をVA、HA、VB、HBとおく

力のつり合いより

VA + VB = P2 = 3kN

HA + HB = P1 = 4kN

支点Aでは

MA = 8m × -VB + 4m × P1 = 0

よって、VB = 4m × 4kN / 8m = 2kN

ゆえに VA = 1 kN

点Cより右側の部材を考える

Mc = 8m × -VB + 4m ×HB = 0

8VB = 4HB

HB = 2VB = 4kN

よって、正答肢は3となる。

[ No.6 ]
内装材料に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。

1.強化せっこうボードは,せっこうボードの芯に無機質繊維等を混入したもので,性能項目として耐衝撃性や耐火炎性等が規定されている。

2.パーティクルボードは,木毛等の木質原料及びセメントを用いて圧縮成形した板で,屋根の下地材等に使用される。

3.コルク床タイルは,天然コルク外皮を主原料として,必要に応じてウレタン樹脂等で加工した床タイルである。

4.クッションフロアは,表面の透明ビニル層の下に印刷層,発泡ビニル層をもったビニル床シートである。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

強化せっこうボードは,せっこうボードの芯にガラス繊維などの無機質繊維を混入したもので,性能項目として耐衝撃性や耐火炎性等が規定されている。

2.×

パーティクルボードは、木材等の小片を主な原料として、接着剤を用いて熱圧成形した板である。(JIS A5908)設問は、木質系セメント板の記述である。

3.◯

コルク床タイルは,天然コルク外皮を主原料として,必要に応じて塩化ビニル樹脂またはウレタン樹脂等で加工した床タイルである。

4.◯

クッションフロアはビニル床シートの一種で、表面に透明ビニル層、その下に印刷層,発泡ビニル層をもったものである。

1級建築施工管理技士 令和06年 一次 問題2 解説

問題番号[ No.7 ]〜[ No.15 ]までの9問題のうちから、6問題を選択し、解答してください。
なお、6問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.7 ]
換気に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.機械換気における第3種機械換気方式は,自然給気と排気機による換気方式で,浴室や便所等に用いられる。
2.室内外の温度差による自然換気の換気量は,他の条件が同じであれば,流入口と流出口の高低差に反比例する。
3.自然換気における中性帯の位置は,流入口と流出口の開口面積の大きなほうに近づく。
4.必要換気量が一定の場合,室容積が大きな空間に比べて小さな空間のほうが,必要な換気回数が多い。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

第3種機械換気方式は,自然給気と排気機によって室内の空気を排出する換気方式で,台所、浴室、便所、給湯室等に室内を負圧にする場所に用いられる。

2.×

自然換気は、自然の力を利用して換気するもので、常に一定の換気量を維持するのは難しいが、維持管理が安い等の特徴がある。室温が外気温より高い場合、温度の高い空気は密度が小さく上昇し、温度の低い外気は下降する。上下の開口の垂直距離が大きいほどこの効果は大きい

3.◯

室内外の温度差による自然換気で、上下に大きさの異なる開口部を用いる場合、自然換気における中性帯の位置は,流入口と流出口の開口面積の大きなほうに近づく。

4.◯

換気回数は換気量を室容積で除した値のことで、必要換気量が一定の場合,室容積が大きなほど換気回数は小さくなる。そのため、室容積が大きな空間に比べて小さな空間のほうが,必要な換気回数が多い。

[ No.8 ]
音に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.人が知覚する主観的な音の大小をラウドネスといい,音圧レベルが一定の場合,100Hzの音よりも1,000Hzの音のほうが大きく感じる。
2.残響時間とは,音源が停止してから音圧レベルが60dB減衰するのに要する時間のことをいう。
3.1つの点音源からの距離が2倍になると,音圧レベルは3dB低下する。
4.マスキング効果は,マスキングする音とマスキングされる音の周波数が近いほど大きい。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

音の大きさの特性をふまえて、ある音の大きさを、これと同じ大きさに聞こえる 1,000Hzの純音の音圧レベル [dB]の値で表したものをラウドネスレベルといい、単位は phonを用いる。同じ音圧レベルの場合、一般に100Hzの音よりも1,000Hzの音の方が大きく感じる。

2.◯

残響時間とは,音源が停止した後、音圧レベルが60dB減衰するのに要する時間のことをいい、室容積に比例し、室内の総吸音力に反比例する。

3.×

点音源からの距離が 2倍になると、音の強さのレベルは約 6dB (デシベル)減衰する。

4.◯

マスキング効果とは,目的の音が別の音によって聞こえなくなる現象をいう。隠ぺい効果ともいう。それぞれの音の周波数が近いほど効果が大きくなる。

[ No.9 ]
鉄筋コンクリート構造の建築物の構造計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.ねじれ剛性は,耐震壁等の耐震要素を,平面上の中心部に配置するよりも外側に均一に配置したほうが高まる。
2.耐震壁に換気口等の小開口がある場合でも,その壁を耐震壁として扱うことができる。
3.腰壁,垂れ壁,そで壁等は,柱及び梁の剛性や靭性への影響を考慮して計画する。
4.柱は,地震時の脆性破壊の危険を避けるため,軸方向圧縮応力度が大きくなるようにする。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

ねじれ剛性(ねじれの力に対して歪まない性能)は,耐震壁等の耐震要素を,平面上の中心部に配置するよりも外側に均一に配置したほうが高まる。剛性より、ねじれ剛性の方が、柔軟性があるため、外側に配置する。

2.◯

耐力壁(耐震壁)の構造としては、建築基準法施行令第78条の2に定められており、耐力壁の構造は、第1項第二号で開口部周囲に径12mm以上の補強筋を配置する。したがって、壁に換気口等の小開口がある場合でも,所定の条件下ではその壁を耐震壁として扱うことができる。

3.◯

鉄筋コンクリート構造の構造計画において、腰壁,垂れ壁,そで壁等は,柱及び梁の剛性や靭性への影響を考慮して計画する必要がある。

4.×

柱は、地震時のぜい性破壊の危険を避けるため、軸方向圧縮応力度が小さくなるように計画する。軸力と曲げを同時に受ける柱の短期軸方向応力度は、Fc/3(Fcはコンクリートの設計基準強度 N/mm2)以内におさめることが望ましい。

[ No.10 ]
鉄骨構造の設計に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.柱頭が水平移動するラーメン構造の柱の座屈長さは,節点間の距離より長くなる。
2.梁のたわみは,部材断面と荷重条件が同一の場合,材質をSN400AからSN490Bに変更しても同一である。
3.柱脚に高い回転拘束力をもたせるためには,根巻き形式ではなく露出形式とする。
4.トラス構造を構成する軸材は,引張りや圧縮の軸力のみを伝達するものとする。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

座屈とは、縦長の部材が縦方向に圧縮荷重を受けた時、横方向に曲がる現象をいう。座屈長さとは、部材の座屈が生じる長さをいう。柱頭が水平移動するラーメン構造の柱の座屈長さは,節点間の距離より長くなる。

2.◯

梁の変形は曲げ、圧縮、せん断変形のいずれも荷重条件、部材断面が同じであれば、ヤング係数に比例する。鋼材のヤング係数は、材質に関係なく、2.05 × 105 N/mm2で一定あり、材質を変えてもたわみは変わらない。SN400AとSN490Bでは、強度は異なるが同じ鋼材である。部材断面と荷重条件が同一であれば、梁のたわみは同一である。

3.×

柱脚には、露出柱脚、根巻き柱脚、埋込み柱脚がある。柱脚の固定度(回転拘束)の大小関係は、露出柱脚 < 根巻き柱脚 < 埋込み柱脚である。露出柱脚より根巻き柱脚の方が高い回転拘束力をもつ

4.◯

トラス構造とは、直線の鋼材をピン節点で組み上げた骨組構造のことである。この軸材は,引張りや圧縮の軸力のみを伝達するものである。

[ No.11 ]
表に示す角形鋼管柱の座屈荷重の値として,正しいものはどれか。

ただし,図に示すとおり,支点は両端固定とし水平移動は拘束されているものとする。

 1.  600π kN
 2.  600π2 kN
 3. 2,400π kN
 4. 2,400π2 kN
答え

  4

[ 解答解説 ]

水平移動の拘束されている、両端固定の座屈長さは 0.5ℓで与えられる。

(ℓは材料の長さ)

座屈荷重Pは

P = π2×E× I /ℓ2

で与えられる。

よって、
π2×2.0 ×105×3.0×108/(0.5×10×103)2

2×2400 kN

よって、解答枝4が正解である。

[ No.12 ]

図に示す梁のAB間及びAC間に等分布荷重wが作用したときの曲げモーメント図として,正しいものはどれか。ただし,曲げモーメントは材の引張側に描くものとする。

答え

  1

[ 解答解説 ]

梁部材ABは等分布荷重により下部引張が生じる

よって、2と4は不正解

キャンティ梁部材CAは等分布荷重により梁上部に引張が生じる

よって3は不正解

∴ 選択肢1が正解となる。

[ No.13 ]
鋼材に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。
1.鋼は,炭素量が多くなると,引張強さは増加し,靱性は低下する。
2.SN490BやSN490Cは,炭素当量の上限の規定がない建築構造用圧延鋼材である。
3.鋼材の材質を変化させるための熱処理には,焼入れ,焼戻し,焼ならし等の方法がある。
4.低降伏点鋼は,制振装置に使用され,地震時に早期に降伏させることで制振効果を発揮する。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

鋼材は,炭素量が多くなると,引張強さは増加し,伸びや靱性は低下する。炭素量が少なくなると、粘りが増大し、加工しやすくなる。

2.×

SN材は、建築構造用圧延鋼材で、溶接性の保証の有無板厚方向の引張特性の保証等を強度区分の末尾記号 A,B,Cで表示する。A種は溶接を行わない部材に使用される。B種及びC種は、塑性変形性能と溶接性の確保が要求される部材に使用されるので、JISにより化学成分、炭素当量の上限等が規定されている。

3.◯

鋼材の材質を変化させるための熱処理には,焼入れ,焼戻し,焼ならし等の方法がある。焼入れとは、鋼材を加熱後、水などで急冷して硬度を大きくする熱処置である。焼戻しとは、焼入れ後に再加熱して、じん性を高める熱処理でである。焼ならしとは、加熱後、空冷し、鋼の組織の均一化を図る熱処理である。

4.◯

低降伏点鋼は,添加元素を極力低減した純鉄に近い鋼材である。従来の軟鋼に比べ強度が低いが、延性が極めて高いため、制振装置に使用され,地震時に早期に降伏させることで制振効果を発揮させる。座屈補剛ブレース等に用いられる。

[ No.14 ]
左官材料に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.消石灰を混和材として用いたセメントモルタルは,こて伸びが良く,平滑な面が得られる。
2.ドロマイトプラスターは,それ自体に粘りがないため,のりを混ぜる必要がある。
3.メチルセルロースは,水溶性の微粉末で,セメントモルタルに添加することで作業性を向上させる。
4.適切な粒度分布を持った細骨材は,セメントモルタルの乾燥収縮やひび割れを抑制する効果がある。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

セメントモルタルの混和材として、消石灰、ドロマイトプラスターを用いると、こて伸びが良く,平滑な面が得られる。また、貧調合とすることで、保水性は向上し、ヤング率を減少させることで収縮によるひび割れ、発生応力を低減させる等の目的で一般に用いられる。

2.×

ドロマイトプラスターは、一般に粘度が高くのりを用いずに水と練り合わせて施工することができる。

3.◯

メチルセルロースは,水溶性の微粉末でセメントモルタルに添加すると水量を減らすことができ、作業性がよくなる。吸水の大きい下地や、平滑な下地面の処理に用いる。

4.◯

セメントモルタルは、普通セメントと細骨材(砂)に水を加えて練り混ぜて作られる。細骨材が適切な粒度分布の場合、セメントモルタルの乾燥収縮やひび割れを抑制する効果がある。

[ No.15 ]
日本産業規格(JIS)のドアセットに規定されている性能項目に関する記述として,不適当なものはどれか。
1.スイングドアセットでは,日射熱取得性が規定されている。
2.スイングドアセットでは,気密性が規定されている。
3.スライディングドアセットでは,遮音性が規定されている。
4.スライディングドアセットでは,ねじり強さが規定されている。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

スイングドアセットの性能項目には、日射熱取得性が規定されている。

日射熱取得性は JIS A 4702(ドアセット)及びJIS A 4706(サッシ)の性能値として令和3年2月の改正において追加されている。(建築工事監理指針)

2.◯

スイングドアセットの性能項目には、気密性が規定されている。

3.◯

スライディングドアセットの性能項目には、遮音性が規定されている。

4.×

スライディングドアセットの性能項目には、ねじりの強さは規定されていない。

1級建築施工管理技士 令和06年 一次 問題3 解説

問題番号[ No.16 ]〜[ No.20 ]までの5問題は、全問題を解答してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。

[ No.16 ]
測量に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.直接水準測量は,レベルと標尺を用いて,既知の基準点から順に次の点への高低を測定して,必要な地点の標高を求める方法である。

2.スタジア測量は,レベルと標尺を用いて,2点間の距離を高い精度で求める方法である。

3.間接水準測量は,傾斜角や斜距離等を読み取り,計算によって高低差を求める方法である。

4.GNSS測量は,複数の人工衛星から受信機への電波信号の到達時間差を測定して位置を求める方法である。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

直接水準測量は,レベルと標尺を用いて地表面の2点間の高低差を求めることで、既知の基準点から順に次の点への高低を測定して,必要な地点の標高を求める方法である。

2.×

スタジア測量は、2点間の距離・高低差をトランシットやセオドライト等の望遠鏡につけられたスタジア線を用いて間接的に測る測量方法である。細部測量に主として利用され、特に起伏の多い地形に適する。

3.◯

水準測量には直接水準測量と間接水準測量がある。直接水準測量は、レベルは標尺によって2点間の高低差を直接測定する方法である。一方、間接水準測量は,傾斜角や斜距離等を読み取り,計算によって高低差を求める方法である。

4.◯

GNSSとは、Global Navigation Satellite Systemの略語で、全地球衛生測位システムと訳される。GNSSを用いたGNSS測量は,複数の人工衛星から受信機への電波信号の到達時間差を測定して位置を求める方法である。

[ No.17 ]
避雷設備に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.避雷設備は,建築物の高さが15mを超える部分を雷撃から保護するように設けなければならない。

2.避雷設備の構造は,雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができるものとしなければならない。

3.接地極は,建築物を取り巻くように環状に配置する場合,0.5m以上の深さで壁から1m以上離して埋設する。

4.鉄骨造の鉄骨躯体は,構造体利用の引下げ導線の構成部材として利用することができる。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

高さが20mを超える建築物には、原則として、雷撃から保護するよう避雷設備を設けなければならない。(建築基準法第33条)

2.◯

避雷設備の構造は,雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができるものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものまたは国土交通大臣の認定を受けたものでなければならない。(建築基準法施行令第129条の15第一号)

3.◯

接地極の施工である外周環状設置極は、0.5m以上の深さで壁から1m以上離して埋設するのが望ましい。(JIS A 4201:2003)

4.◯

受雷部システムで受けた雷撃を接地システムに導く引下げ導線システムは、被保護物に沿って雷電導線を引き下げる方法によるものほか、要件を満たす場合には、被保護物の鉄筋または鉄骨造を引下げ導線の構成部材として利用することができる

[ No.18 ]
空気調和設備に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.空気調和機は,一般にエアフィルタ,空気冷却器,空気加熱器,加湿器等で構成される装置である。

2.冷却塔は,温度上昇した冷却水を,空気と直接接触させて気化熱により冷却する装置である。

3.二重ダクト方式は,2系統のダクトで送られた温風と冷風を,混合ユニットにより熱負荷に応じて混合量を調整して吹き出す方式である。

4.ファンコイルユニット方式における2管式の配管方式は,ゾーンごとに冷暖房の同時運転が可能で,室内環境の制御性に優れている。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

空気調和機は,室内に温度を調整した空気を送る機器をいう。一般にエアフィルタ,空気冷却器,空気加熱器,加湿器、送風機等で構成される装置である。

2.◯

冷却塔は、冷凍機内で温度上昇した冷却水を、空気と直接接触させて、一部の冷却水を蒸発させ、気化熱により残りの冷却水を冷却する装置である。

3.◯

二重ダクト方式とは、温風ダクト、冷却ダクトの2系統のダクトから送られた温風と冷風とを吹出し口近傍の混合ユニットにより混合し、各所に吹き出す方式である。

4.×

ファンコイルユニット方式の2管式配管は、温水及び冷水を往き還りの2本の配管で循環させる方式である。

設問の記載は、冷水配管、温水配管の往き管に対してそれぞれ還り菅を設け、各ユニットあるいは系統ごとに同時、自由に冷房・暖房を行うことができる方式で、ファンコイルユニット方式の4管式である。4菅式は各系統ごとに運転が可能で、室内環境の制御性に優れている。

[ No.19 ]
消火設備に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.不活性ガス消火設備は,二酸化炭素等の消火剤を放出するもので,酸素濃度の希釈効果や気化するときの熱吸収による冷却効果により消火するものである。

2.開放型スプリンクラー設備は,火災感知装置の作動,又は手動起動弁の開放によって放水区域のすべての開放型スプリンクラーヘッドから一斉に散水するものである。

3.泡消火設備は,特に低引火点の油類による火災の消火に適し,主として泡による窒息効果により消火するものである。

4.屋外消火栓設備は,散水ヘッドを消火活動が困難な場所に設置し,地上階の連結送水口を通じて消防車から送水して消火するものである。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

不活性ガス消火設備は,二酸化炭素等の消火剤を放出することにより、酸素濃度の希釈効果や気化するときの熱吸収による冷却効果により消火するものである。消火剤がガスであるので、消火後の破損は少なく、電気や油火災及び水損を嫌うコンピューターや電気通信機室あるいは図書館や美術館等に設置される。

2.◯

開放型スプリンクラー設備は,火災感知装置の作動,又は手動起動弁の開放によって放水区域のすべての開放型スプリンクラーヘッドから一斉に散水する設備であり、劇場などの舞台部に設置される。

3.◯

泡消火設備は,特に引火点の低い油類による火災の消火に適し,で可燃物を覆い、空気を遮断して酸素の供給を断つことによる窒息効果により消火するものである。

4.×

散水ヘッドを消火活動が困難な場所に設置し,地上階の連結送水口を通じて消防車から送水して消火するものは、連結散水設備(サイヤミーズコネクション)である。

屋外消火栓設備は、屋外から消火活動ができるようにするための消防用設備で、主に建物の1階から2階で火災が発生した際に、隣接する建物への延焼を防ぐことが目的で、屋外からの消火活動に用いられる。建物の各部分からホース接続口までの水平距離が40m以下となるように設置する。

[ No.20 ]
工事費における共通費に関する記述として,「公共建築工事共通費積算基準(国土交通省制定)」上,誤っているものはどれか。

1.現場事務所,下小屋に要する費用は,共通仮設費に含まれる。

2.共通的な工事用機械器具(測量機器,揚重機械器具,雑機械器具)に要する費用は,共通仮設費に含まれる。

3.消火設備等の施設の設置,隣接物等の養生に要する費用は,現場管理費に含まれる。

4.火災保険,工事保険の保険料は,現場管理費に含まれる。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

現場事務所、下小屋に要する費用は,共通仮設費に含まれる。

2.◯

共通的な工事用機械器具(測量機器,揚重機械器具,雑機械器具)に要する費用は,共通仮設費に含まれる。

3.×

消火設備等の施設の設置,隣接物等の養生/に要する費用は,共通仮設費に含まれる。

現場管理費 は、労務管理費、租税公課、保険料 、従業員給料手当である。

公共建築工事算定基準

4.◯

火災保険,工事保険の保険料は,現場管理費に含まれる。

1級建築施工管理技士 令和06年 一次 問題4 解説

問題番号[ No.21 ]〜[ No.30 ]までの10問題のうちから、8問題を選択し、解答してください。
なお、8問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。

[ No.21 ]
乗入れ構台の計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.道路から乗入れ構台までの乗込みスロープは,勾配を1/8とした。

2.クラムシェルが作業する乗入れ構台の幅は,ダンプトラック通過時にクラムシェルが旋回して対応する計画とし,8mとした。

3.乗入れ構台の支柱の位置は,作業の合理性や安全性を考慮し,使用する施工機械や車両配置を最優先して決めた。

4.山留めの切梁支柱と乗入れ構台の支柱は,荷重に対する安全性を確認した上で兼用した。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

道路から乗入れ構台までの乗込みスロープの勾配は、一般に1/10〜1/6とする。(建築工事監理指針)

2.◯

乗入れ構台の幅員は、使用する施工機械、車両、アウトリガーの幅、配置及び動線等により決定する。通常計画される幅員は、4〜10mである。最小限1車線4m、2車線6m程度は必要である。また、クラムシェルが作業する乗入れ構台の幅は,ダンプトラック通過時にクラムシェルが旋回して対応する計画とし,8〜10mとする。(JASS2)

3.×

乗入れ構台の支柱の位置は、地下構造図と重ね合わせるなどして、基礎、柱、梁及び耐力壁の位置重ならないように配置し、支柱の間隔は 3~6m程度として計画する。

4.◯

乗入れ構台の支柱と山留めの切梁支柱を兼用する場合は、荷重に対する安全性を確認した上で兼用する。

[ No.22 ]
土質試験に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.圧密試験により,砂質土の沈下特性を求めることができる。

2.三軸圧縮試験により,粘性土のせん断強度を求めることができる。

3.原位置における透水試験により,地盤に人工的に水位差を発生させ,水位の回復状況から透水係数を求めることができる。

4.粒度試験で求められた土粒子粒径の構成により,透水係数の概略値を推定することができる。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

圧密試験粘性土に荷重を加え、地盤の沈下を解析するために、必要な沈下特性(沈下量と沈下速度)を測定する試験である。

2.◯

粘性土のせん断強度は、一面せん断試験、一軸圧縮試験、三軸圧縮試験によって求めることができる。

3.◯

原位置における透水試験は、単一のボーリング孔あるいは単一の井戸を利用して、水位を一時的に低下または上昇させ、平衡状態に戻る時の水位変化を経時的に測定して、地盤の透水係数を測定する試験である。

4.◯

粒度試験は、土の粒度組成をグラフ化し、土を構成する土粒子の粒径の分布状態を把握する試験である。この試験でで求められた土粒子粒径の構成により,透水係数の概略値を推定することができる。また、均等係数や細粒分含有率など粒度特性を表す指標を得ることができる。

[ No.23 ]
ソイルセメント柱列壁工法を用いた山留め壁に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。

1.剛性や遮水性に優れており,地下水位の高い軟弱地盤にも適している。

2.削孔撹拌速度は土質によって異なるが,引上げ撹拌速度は土質によらずおおむね同じである。

3.単軸オーガーによる削孔は,大径の玉石や礫が混在する地盤に用いられる。

4.セメント系注入液と混合撹拌する原位置土が粗粒土になるほど,ソイルセメントの一軸圧縮強度は小さくなる。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

ソイルセメント柱列壁工法は、山留め壁としてセメントミルクを注入しつつ、その位置の土を攪拌してソイルセメント壁を造成し、骨組みにH鋼等を建込む工法であり、剛性や遮水性に優れている地下水位の高い軟弱地盤にも適している。

2.◯

ソイルセメント柱列壁工法の削孔撹拌速度は、砂質土や粘性土などの土質によって異なる/が,引上げ撹拌速度は土質によらずおおむね同じである。

3.◯

オーガーには、単軸オーガー多軸オーガーとがあり、単軸オーガーによる削孔は,大径の玉石や礫が混在する地盤に用いられる。

4.×

セメント系注入液と混合撹拌する原位置土が粗粒土になるほど、ソイルセメントの一軸圧縮強度は大きくなる

[ No.24 ]
場所打ちコンクリート杭の施工に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.鉄筋かごの主筋と帯筋の交差部は,すべて溶接により接合した。

2.アースドリル工法の掘削深さは,検測器具を用いて,孔底の外周部に近い位置で4か所確認した。

3.杭頭部の余盛り高さは,孔内水があったため,800mm以上とした。

4.リバース工法における二次孔底処理は,トレミー管とサクションポンプを連結し,スライムを吸い上げた。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

鉄筋かごの主筋と帯筋は、原則として鉄線で結束して組み立てる。帯筋の継手は片面10d以上のフレアグルーブアーク溶接とする。(JASS4)

2.◯

アースドリル工法の掘削深さは,検測テープ等の検測器具を用いて,孔底の外周部に近い位置で2か所以上で確認する。

3.◯

杭の上部に余分に盛ったコンクリートである杭頭部の余盛り高さは,掘削孔内に水がない場合は50cm以上、掘削孔内に水がある場合は80cm以上確保する。(JASS4)これは、セメントミルク内のレイタンス等の不純物が杭上部で固まってしまう可能性があるので、それらを杭頭はつりで撤去するためである。

4.◯

リバース工法における二次孔底処理は、一般にコンクリート打設用のトレミー管サクションポンプ(吸込みポンプ)を連結して、孔底の泥状沈殿物であるスライムを吸い上げて排出する。

[ No.25 ]
異形鉄筋の継手及び定着に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.径の異なる鉄筋相互の重ね継手の長さは,太いほうの径により算定する。

2.D35以上の鉄筋には,原則として,重ね継手を用いない。

3.180°フック付き重ね継手の長さは,フックの折曲げ開始点間の距離とする。

4.梁の主筋を重ね継手とする場合,水平重ね又は上下重ねのいずれでもよい。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

径の異なる鉄筋相互の重ね継手の長さは,細いほうの径により算定する。(建築基準法施行令第73条第2項)

2.◯

D35以上の異形鉄筋には、原則として重ね継手を用いない。(JASS5)

3.◯

180°フック付き重ね継手の長さは、フックの折曲げ開始点間の距離とする。

4.◯

梁主筋を重ね継手は、水平重ねまたは上下重ねとする。ただし、重ね継手部分であっても、あばら筋(スターラップ)により確実に拘束される必要がある。

[ No.26 ]
型枠工事に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.等価材齢換算式による方法で計算した圧縮強度が所定の強度以上となったため,柱のせき板を取り外した。

2.合板せき板のたわみは,単純支持で計算した値と両端固定で計算した値の平均値とした。

3.コンクリートの施工時の側圧や鉛直荷重に対する型枠の各部材のたわみの許容値は,2mm以下とした。

4.固定荷重の計算に用いる型枠の重量は,0.4kN/m2とした。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

等価材齢換算式とは、コンクリートの温度の影響を等価な材料に換算した式によって計算する方法である。等価材齢換算式による方法で計算した圧縮強度所定の強度以上となった場合、柱のせき板取り外してもよい

2.×

合板せき板のたわみは,各支点間を単純梁として計算する。

3.◯

型枠の各部材の許容たわみは3mmとする。許容たわみはコンクリート面に要求される仕上り精度によって決めるべきであり、計算上のたわみ設定2mm以下を目安とすることが望ましい。(型枠の設計・施工指針)

4.◯

普通コンクリートでは固定荷重の計算に用いる場合、型枠の自重は400N/m2とする。(型枠の設計・施工指針)

[ No.27 ]
コンクリートの養生に関する記述として,最も不適当なものはどれか。ただし,計画供用期間の級は標準とする。

1.早強ポルトランドセメントを用いたコンクリートの湿潤養生の期間は,普通ポルトランドセメントを用いた場合と同じである。

2.連続的に散水を行って水分を供給する方法による湿潤養生は,コンクリートの凝結が終了した後に行う。

3.打込み後のコンクリートが透水性の低いせき板で保護されている場合は,湿潤養生と考えてもよい。

4.マスコンクリートは,内部温度が上昇している期間は,コンクリート表面部の温度が急激に低下しないように養生を行う。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

コンクリートの湿潤養生の期間は、JASS5では、早強ポルトランドセメントを用いた場合には3日以上、普通ポルトランドセメントを用いた場合には5日以上としている。(JASS5)

2.◯

コンクリート養生は連続的または断続的散水噴霧等を行う。湿潤養生は,コンクリートの凝結が終了した後に開始する。(JASS5)

3.◯

打込み後のコンクリートが透水性の低いせき板で保護されている場合は,湿潤養生と考えてもよい。(建築工事監理指針)

4.◯

マスコンクリートは,部材断面の最小寸法が大きく、かつ、セメントの水和熱による温度上昇で有害なひび割れが入るおそれのある部分のコンクリートをいう。部分断面が大きいため、内部温度が上昇している期間は、コンクリート表面部の温度が急激に低下しないように養生を行う。

[ No.28 ]
大空間鉄骨架構の建方に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.スライド工法は,作業構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てた後,所定位置まで順次滑動横引きしていき,最終的に架構全体を構築する工法である。

2.移動構台工法は,移動構台上で組み立てた屋根鉄骨を,構台と共に所定の位置に移動させ,先行して構築した架構と連結する工法である。

3.ブロック工法は,地組みした所定の大きさのブロックを,クレーン等で吊り上げて架構を構築する工法である。

4.リフトアップ工法は,地上又は構台上で組み立てた屋根等の架構を,先行して構築した構造物等を支えとしてジャッキにより引き上げていく工法である。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

スライド工法は、作業構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てた後、そのユニットを所定位置まで順次滑動横引きしていき、最終的に架構全体を構築する工法である。

2.×

移動構台工法は、移動構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てた後、構台を移動させ、順次架構を構築する工法である。

3.◯

ブロック工法とは、地組みした所定の大きさのブロックをクレーン等で吊り上げて架構を構築する工法である。

4.◯

リフトアップ工法は、地上又は構台上で組み立てた屋根等の架構を、先行して構築した構造物を支えとしてジャッキ等により引き上げていく工法である。

[ No.29 ]
木質軸組構法に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.アンカーボルトと土台の緊結は,アンカーボルトのねじ山がナットの外に3山以上出るようにした。

2.接合に用いるラグスクリューは,先孔にスパナを用いて回しながら締め付けた。

3.ラグスクリューのスクリュー部の先孔の径は,スクリュー径の+2mmとした。

4.接合金物のボルトの締付けは,座金が木材へ軽くめり込む程度とした。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

アンカーボルトと土台の緊結は、座金とナットが十分に締まり、かつ、ねじ山2〜3山以上出るようにする。(公共建築木造工事標準仕様書 6.5.3(4))

2.◯

木材の接合等に用いるラグスクリュー(ヘッドがナッド状の木ねじ)の締付けは、そのまま締め付けると木材が割れるので、先に孔を開けてから、スパナを用いて回しながら締め付ける。

3.×

接合金物のボルトの孔あけ加工の大きさは、ねじの呼びがM16未満の場合は公称軸径に 1mmを加えたものとし、M16以上の場合は 1.5mmを加えたものとする。(公共建築木造工事標準仕様書)

4.◯

接合金物のボルトの締付けは、座金が木材へ軽くめり込む程度とし、工事中、木材の乾燥収縮により緩んだナットを締め直す

[ No.30 ]
建設機械に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.工事用エレベーターは,定格速度が0.75m/sを超える場合,次第ぎき非常止め装置を設ける。

2.ジブクレーンの定格荷重とは,負荷させることができる最大の荷重から,フック等のつり具の重量に相当する荷重を控除したものをいう。

3.アームを有しないゴンドラの積載荷重とは,その構造上作業床に人又は荷をのせて上昇させることができる最大の荷重をいう。

4.ロングスパン工事用エレベーターは,搬器の傾むきが1/8の勾配を超た場合,動力を自動的に遮断する装置を設ける。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

工事用エレベーターは、定格速度が0.75m/sを超える場合、次第ぎき非常止め装置を設ける。非常止め装置には、「早ぎき式」と「次第ぎき式」があり、次第ぎき式は、かごの落下を徐々に減速させる。

2.◯

クレーンの定格荷重とは、その構造及び材料並びにジブ若しくはブームの傾斜角及び長さまたはジブの上におけるトロリの位置に応じて負荷させることができる最大の荷重から、それぞれフック等のつり具の重量に相当する荷重を控除した荷重をいう。(クレーン等安全規則第1条第六号)

3.◯

アームを有するゴンドラにあっては、アームを最小の傾斜角にした状態において、その構造上作業床に人または荷をのせて上昇させることができる最大の荷重をいう。(ゴンドラ安全規則第1条第二号イ)

4.×

ロングスパン工事用エレベーターは、機械自体の傾きが 1/10の勾配を超えると自動停止装置が作動するように設定しなければならない。(エレベーター構造規格第32条第三号)

1級建築施工管理技士 令和06年 一次 問題5 解説

問題番号[ No.31 ]〜[ No.40 ]までの10問題のうちから、7問題を選択し、解答してください。
なお、7問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。

[ No.31 ]
合成高分子系ルーフィングシート防水に関する記述として,最も不c適当なものはどれか。

1.加硫ゴム系シート防水の接着工法において,立上り部と平場部の接合部のシートの重ね幅は150mm以上とした。

2.塩化ビニル樹脂系シート防水の接着工法において,シート相互を熱風融着で接合した。

3.塩化ビニル樹脂系シート防水の接着工法において,出入隅角の処理は,シートの張付け前に成形役物を張り付けた。

4.エチレン酢酸ビニル樹脂系シート防水の密着工法において,平場部の接合部のシートの重ね幅は,幅方向,長手方向とも100mm以上とした。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

加硫ゴム系シート防水接着工法において、重ね幅は平場部の接合部は100mm以上、立上り部と平場部の接合部は150mm以上とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編9.4.4(6)(エ)(a))

2.◯

塩化ビニル樹脂系シート防水の接着工法において,シート相互の接合には、熱風融着または溶着剤により行う。

3.×

塩化ビニル樹脂系シート防水工法の接着仕様の場合、出隅角はシート施工後、成形役物を張り付け、その端部はシール材を用いて処理する。(JASS8)

4.◯

エチレン酢酸ビニル樹脂系シート相互の接合部は、原則として水上側のシートが水下側のシートの上になるように張り重ね、その平場部のシートの重ね幅は、幅方向、長手方向とも100mm以上とする。(JASS8)

[ No.32 ]
長尺亜鉛鉄板葺に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.塗装溶融亜鉛めっき鋼板を用いた際の留付け用のドリリングタッピンねじは,亜鉛めっき製品を使用した。

2.心木なし瓦棒葺の通し吊子は,平座金を付けたドリリングタッピンねじで,下葺材,野地板を貫通させて鉄骨母屋に固定した。

3.横葺の葺板の継手位置は,縦に一直線状とならないように,千鳥に配置した。

4.平葺の葺板の上はぜと下はぜは,折返し幅を同寸法とした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

塗装溶融亜鉛めっき鋼板を用いた金属板葺の留付け用釘類は、溶融亜鉛めっき釘またはステンレス鋼釘とする。

2.◯

通し吊子はマーキングに合わせて平座金を付けたドリリングタッピンねじで下葺材、野地板を貫通させて母屋に固定する。(JASS12)

3.◯

横葺の葺板の継手位置は、目違い継ぎ、一文字継ぎ、廻し継ぎとし、直継ぎは行わない

4.×

平葺きの葺板の周囲四辺には、はぜを付け、上はぜは15mm、下はぜは18mm程度とする。

[ No.33 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.間仕切壁の出入口開口部の縦の補強材は,上端部を軽量鉄骨天井下地に取り付けたランナに固定した。

2.スタッドの高さが4.5mであったため,区分記号90形のスタッドを用いた。

3.スペーサは,スタッドの端部を押さえ,間隔600mm程度に留め付けた。

4.コンクリート壁に添え付くスタッドは,上下のランナに差し込み,コンクリート壁に打込みピンで固定した。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

出入口等の開口部の垂直方向の補強材は、上部ランナーが鋼製天井下地材に取り付けられる場合でも、上部は梁下、スラブ下に固定する。(建築工事監理指針)

2.◯

スタッドには、50形、65形、75形、90形、100形の種類がある。

それぞれの断面によって長さの制限がある。

 ① 50形:2,700 mm以下

 ② 65形:4,000 mm以下

 ③ 75形:4,000 mm以下

 ④ 90形:4,000 mm超〜4,500 mm以下

 ⑤ 100形:4,500 mm超~5,000 mm以下

3.◯

スペーサは、各スタッドの端部を押さえ,間隔600mm程度に留め付ける。(公共建築工事標準仕様書建築工事編14.5.4(4))

4.◯

スタッドがコンクリート壁に添え付く場合は、上下のランナに差し込み、打込みピンコンクリート壁に固定する。

[ No.34 ]
防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)仕上げに関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.プレキャストコンクリート面の下地調整において,仕上塗材の下塗材で代用ができたため,合成樹脂エマルションシーラーを省略した。

2.屋外に面するALCパネル面の下地調整において,合成樹脂エマルションシーラーを塗り付けた上に,下地調整材C-1を塗り付けた。

3.主材の基層塗りは,1.7kg/m2を1回塗りとし,下地を覆うように塗付つけた。

4.主材の模様塗りは,1.0kg/m2を1回塗りとし,ローラー塗りによりゆず肌状に仕上げた。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

プレキャストコンクリート面の下地調整は、合成樹脂エマルションシーラー全面に塗りつける。ただし、仕上塗材の下塗材で代用する場合は、省略することができる。(公共建築工事標準仕様書建築工事編15.6.5(2)(イ))

2.◯

屋外に面するALCパネル面の下地調整は、仕上塗材の製造所の仕様により下地調整塗材C-1または下地調整塗材Eを全面に塗り付けて平滑にする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編15.6.5(4))

3.×

主材の基層塗りは2回塗りとし、だれ、ピンホール、塗り残しのないよう下地を覆うように塗り付ける。主材基層の所要量は、1.7 kg/m2 以上とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 表15.6.1その3)

4.◯

主材の模様塗りは,0.9kg/m2を1回塗りで、見本と同様の模様になるように塗り付け、ゆず肌状仕上げは、ローラー塗り工法により行う。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 表15.6.1その3)

[ No.35 ]
アルミニウム製建具工事に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.外部建具周囲の充填モルタルは,NaCl換算0.04%(質量比)以下まで除塩した海砂を使用した。

2.建具枠に付くアンカーは,両端から逃げた位置にあるアンカーから,間隔を600mmで取り付けた。

3.水切りと下枠との取合いは,建具枠回りと同一のシーリング材を使用した。

4.建具の組立てにおいて,隅部の突付け小ねじ締め部分にはシーリング材を充填した。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

充填モルタルに使用する砂の塩化物量は、NaCl換算0.04%(質量比)以下とする。海砂等を使用する場合は除塩する。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 表15.6.3(6)、表15.3.3)

2.×

アンカーの位置は、開口部より 150mm内外を端とし、中間は500mm内外の間隔とする。アンカーと差し筋は最短距離で溶接する。(JASS16)

3.◯

水切りと下枠との取合いは,建具枠回りと同一のシーリング材を用いる。

4.◯

建具の組立てにおいて,隅部の突付け小ねじ締め部分は、漏水防止のためシーリング材またはシート状の止水材を使用する。

[ No.36 ]
塗装工事に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.コンクリート面のアクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて,下塗り,中塗り,上塗りともに同一つ材料を使用し,塗付つけ量はそれぞれ0.10kg/m2とした。

2.常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて,塗料を素地に浸透させるため,下塗りはローラーブラシ塗りとした。

3.2液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて,気温が20℃であったため,中塗り後から上塗りまでの工程間隔時間を16時間とした。

4.合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて,流動性を上げるため,有機溶剤で希釈して使用した。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの工程は、下塗り,中塗り,上塗りの順に同じ塗料を用い,塗付け量はそれぞれ0.10kg/m2とする。(JASS8)

2.◯

常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りは、塗料を素地に浸透させるために、下塗りはローラーブラシ塗りとする。

3.◯

2液形ポリウレタンエナメル塗りの中塗り後から上塗りまでの工程間隔時間は、準条件下においてを16時間以上7日以内とする。

4.×

合成樹脂エマルションペイントは、合成樹脂重合エマルションやラテックスをベースとして、着色顔料や体質顔料・補助剤・添加剤等を加えた水系塗料で、水による希釈が可能で、加水して塗料に流動性をもたせることができる。(JASS18)

[ No.37 ]
合成樹脂塗床に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.厚膜型のエポキシ樹脂系塗床の主剤と硬化剤の1回の練混ぜ量は,30分で使い切れる量とした。

2.弾性ウレタン樹脂系塗り床のウレタン樹脂の1回の塗布量は,2kg/m2を超えないようにした。

3.エポキシ樹脂系塗床の流しのべ工法では,塗床材の自己水平性が高いため,下地コンクリートは木ごて仕上げとした。

4.プライマー塗りにおいて,下地への吸込みが激しい部分は,プライマーを再塗布した。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

樹脂における主剤と硬化剤の1回の練混ぜ量は,通常30分以内に使い切れる量とする。夏季は硬化反応が早くなるので、これよりも短時間を設定することが望ましい。(JASS26)

2.◯

ウレタン樹脂は、硬化する時に少量のガスを発生することがあり、1回の塗厚があまり厚いと内部にガスを封じ込めて仕上り不良となるので、1回の塗布量は、2kg/m2(硬化物比重 1.0の場合で塗り付け厚さ 2mm)以下とし、これを超える場合が塗り回数を増やす。(建築工事監理指針)

3.×

エポキシ樹脂系塗床の流しのべ工法では、調合した流しのべ材を下地塗装面に金ごてなどで1〜3mm程度の厚みに塗布し、材料の自己流動性で、平滑な塗膜を得る工法である。(JASS26)

4.◯

プライマーの吸込みが激しく、膜厚を形成しな場合は,全体が硬化した後吸い込みが止まるまで数回にわたって塗りつける。

[ No.38 ]
鉄筋コンクリート構造の建物内部の断熱工事に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.硬質ウレタンフォーム吹付け工法において,随時吹付け厚さを測定しながら作業し,厚さの許容誤差を−5mmから+10mmとして管理した。

2.硬質ウレタンフォーム吹付け工法において,ウレタンフォームには自己接着性があるため,コンクリート面に接着剤を塗布しなかった。

3.押出法ポリスチレンフォーム張付け工法において,下地面の不陸が最大3mmであったため,接着剤を厚くして調整することで不陸に対応した。

4.押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において,断熱材の継目にコンクリートがはみ出している箇所は,Vカットした後に断熱材現場発泡工法により補修した。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

作業者は吹付け作業中ワイヤーゲージ等を用いて随時厚みを測定する。吹付け厚さの許容誤差は 0 から +10mmとする。(建築工事監理指針)

2.◯

ウレタンフォームは自己接着性を有しているので、硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、吹き付ける前にコンクリート面に接着剤を塗布する必要はない

3.◯

押出法ポリスチレンフォーム張付け工法において,断熱材を張り付ける下地コンクリート面の不陸は3mm以下とする。数ミリメートル程度であれば、接着剤を厚くして調整するによっても調整できるが、これを超える場合は、グラインダーなどで平滑にすることで望ましい。(JASS24)

4.◯

押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において、断熱材の継目にコンクリートがはみ出している場合は、一般には使用断熱材または簡易発泡硬質ウレタンフォームによりそのまま補修する。継目の幅が大きい場合は、Vカットした後に補修する。

[ No.39 ]
外壁の押出成形セメント板横張り工法に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.高湿度の環境となる部分に用いるパネル取付け金物(Zクリップ)は,溶融亜鉛めっき処理を行ったものを使用した。

2.パネルは,層間変形に対してスライドにより追随するため,縦目地を15mm,横目地を10mmとした。

3.パネル取付け金物(Zクリップ)は,パネル左右端部の位置に取り付け,下地鋼材に溶接した。

4.パネルは,積上げ枚数5枚ごとに構造体に固定した自重受け金物で受けた。

答え

  4

[ 解答解説 ]

外壁パネル工法の種別は、A種 縦張り工法(ロッキング方式)とB種 横張り工法(スライド方式)がある。本問題は、横張り工法に関する記述であるので注意する。

1.◯

パネル取付け金物(Zクリップ)及び自重受金物の防錆処理は、原則として電気亜鉛めっき、高湿度の環境となる部分に用い場合は、溶融亜鉛めっきとする。(JASS27)

2.◯

長辺の目地幅(横目地)は10mm以上短辺の目地幅(縦目地)は15mm以上とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 8.5.3(9))

3.◯

層間変形に対して、縦張り工法の場合はロッキング、横張り工法の場合はパネルのスライドにより変異を吸収する。また、横張り工法のパネル取付け金物(Zクリップ)は、パネル左右端部の下地鋼材に取り付ける。(JASS 27)

4.×

横張り工法のパネルは、パネル2〜3枚ごとに荷重受けが必要である。(建築工事監理指針)

[ No.40 ]
鉄筋コンクリート構造の建築物の外壁改修工事に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.小口タイル張り仕上げにおいて,タイル陶片のみ浮きが発生している部分は,浮いているタイルを無振動ドリルで穿孔して,注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法で改修した。

2.小口タイル張り仕上げにおいて,下地モルタルを含むタイル陶片の剥落欠損が発生していたため,ポリマーセメントモルタルを用いたタイル張替え工法で改修した。

3.外壁コンクリート打放し仕上げにおいて,生じたひび割れの幅が2.0mmで挙動のおそれがあったため,可とう性エポキシ樹脂を用いたUカットシール材充填工法で改修した。

4.外壁コンクリート打放し仕上げにおいて,生じたひび割れの幅が0.1mmで挙動のおそれがなかったため,パテ状エポキシ樹脂を用いたシール工法で改修した。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法は、タイル陶片の浮きに適用する唯一の工法で、無振動ドリルの注入口付アンカーピンの開発によって可能になった工法である。タイルの中心に穿孔するので、小口タイル以上の大きさのタイルの浮きの補修に適した工法である。

2.◯

小口タイル張り仕上げにおいて、下地モルタルを含むタイル陶片の剥落欠損が発生しいる場合は、ポリマーセメントモルタルを用いたタイル張替え工法で改修する。

3.×

Uカットシール材充填工法は、コンクリートやモルタルなどのひび割れをダイヤモンドカッターなどでU字型にカッティングして弾性シーリング材等を充填する工法で、挙動しない1.0mmを超えるひび割れ、及び挙動する0.2mm以上1.0mm以下のひび割れに適用する。挙動のおそれのあるひび割れには可とう性エポキシ樹脂、軟質形エポキシ樹脂、ほとんど挙動しないひび割れには硬質形エポキシ樹脂を用いる。

4.◯

外壁コンクリート打放し仕上げにおいて、生じたひび割れの幅が0.2mm未満で挙動のおそれがない場合には、パテ状エポキシ樹脂を用いたシール工法で改修する。

1級建築施工管理技士 令和06年 一次 問題6 解説

問題番号[ No.41 ]〜[ No.44 ]までの4問題全問題を解答してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。

[ No.41 ]
建築工事における事前調査や準備作業に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.掘削深さや地盤条件に応じた山留めを設けることとしたため,隣接建物の基礎構造形式の調査を省略した。

2.軒の高さが9mの木造住宅の解体工事計画に当たって,石綿等を含有する建材がなかったため,建設工事計画届は提出しないこととした。

3.敷地内の排水工事計画に当たって,排水管の勾配が公設桝まで確保できるか調査することとした。

4.請負代金が1,000万円のアスファルト舗装駐車場の撤去工事計画に当たって,再資源化施設の場所を調査することとした。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

掘削深さや地盤条件に応じた山留めを設ける場合は,隣接建物の基礎構造形式や深さの調査をする必要がある

2.◯

労働安全衛生法第88条第3項の厚生労働省令で定める仕事のうち、建築物、工作物または船舶に張り付けられている石綿等が使用されている保温材、耐火被覆材(耐火性能を有する被覆材をいう。)等の除去、封じ込めまたは囲い込みの作業(石綿等の粉じんを著しく散布するおそれのあるものに限る。)を行う仕事は建設工事計画届を提出しなければならないが、石綿などを含有する建材が無い場合は、当該届を提出しなくてよい。(労働安全衛生規則第90条第五の三号)

3.◯

一般に、敷地内の排水工事の事前調査では、公設桝まで排水管の勾配確保に関する調査等が実施される。

4.◯

アスファルト舗装駐車場の撤去後、建設副産物アスファルトがらが発生する。アスファルトがら再資源にするため、アスファルト舗装駐車場の撤去工事計画に当たって、再資源化施設の場所調査する必要がある。(建設工事に係る資材の再資源化に関する法律第16条、同施行規則第3条)

[ No.42 ]
施工計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.大深度の土工事において,不整形な平面形状であったため,逆打ち工法とした。

2.土工事において,3次元の測量データ,設計データ及び衛星位置情報を活用するICT建設機械による自動掘削とした。

3.鉄筋工事において,工期短縮のため,柱や梁の鉄筋を先組み工法とし,継手は機械式継手とする計画とした。

4.鉄骨工事において,鉄骨の建方精度を確保するため,できるだけ大きなブロックにまとめて建入れ直しを行う計画とした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

地下躯体工事と並行して上部躯体を施工する逆打ち工法は、大規模大深度の工事で不整形な平面形状において工期短縮が有効な計画である。

2.◯

土工事の施工計画において、TS(トータルステーション)やGNSS(衛星測位システム)を用いた3次元の測量データ、設計データ及び衛星位置情報を活用して、ICT建設機械による自動掘削が可能となっている。

3.◯

鉄筋工事において、柱や梁の鉄筋を先組み工法とし、継手は機械式継手とする計画は、工期短縮に有効である。

4.×

鉄骨工事における建方精度を確保するためには、建方の進行とともにできるだけ小区画に区切って建入れ直しを行う計画とする。

[ No.43 ]
施工者が作成する工事の記録等に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.発注者から直接工事を請け負った建設業者が作成した発注者との打合せ記録のうち,発注者と相互に交付したものではないものは,保存しないこととした。

2.建設工事の施工において作成した施工体系図は,元請の特定建設業者が当該建設工事の目的物の引渡しをしたときから10年間保存することとした。

3.建設工事の施工において必要に応じて作成した完成図は,元請の建設業者が建設工事の目的物の引渡しをしたときから5年間保存することとした。

4.設計図書に定められた内容に疑義が生じたため,監理者と協議を行った結果,設計図書の訂正に至らない事項について,記録を整備することとした。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

発注者から直接工事を請け負った建設業者が作成した発注者との打合せ記録のうち、発注者と相互に交付したものを保存する。

2.◯、3.×

建設工事の施工上の必要において作成し、または発注者から受領した完成図、建設工事の施工上の必要に応じて作成した工事内容に関する発注者との打ち合わせ記録、施工体系図の保存はの保存期間は、請け負った建設工事ごとに、当該建設工事の目的物の引渡しをしたときから10年間とする。(建設業法施行規則第28条第2項)

4.◯

設計図書に定められた内容に疑義が生じた場合は、監理者と協議を行い、設計図書の訂正に至らない事項があった場合は、記録を整備する。

[ No.44 ]
工程の実施計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.高層集合住宅のタクト手法による工程計画において,作業期間がタクト期間の2倍となる作業には,その作業の作業班を2班投入して,切れ目のない工程とした。

2.高層事務所ビルの鉄骨建方計画において,タワークレーンによる鉄骨の取付け歩掛りは,1台1日当たり80ピースとして計画した。

3.一般的な事務所ビルの鉄骨建方計画において,建方用機械の鉄骨建方作業での稼働時間を1台1日当たり5時間30分として計画した。

4.一般的な事務所ビルの鉄骨建方計画において,タワークレーンの鉄骨建方作業のみに占める時間の割合を,65%として計画した。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

タクト手法は、主に繰り返し作業の工程管理に用いられる。作業を繰り返し行うことによる習熟効果によって生産性が向上する。作業期間がタクト期間の2倍となる作業は、その作業班を2班投入し、切れ目のない工程としなければならない。

2.x

タワークレーンは、1日当たり 40~50ピース程度とされている。トラッククレーンの揚重ピース数は、1日当たり 20~30ピース程度とされている。 (鉄骨工事技術指針・工場現場施工編)

3.◯

現場の作業時間を午前8時〜午後5時までの9時間とすると、9時間の60%は5時間24分となる。 (鉄骨工事技術指針・工場現場施工編)したがって、鉄骨建て方機械の稼働時間を1台1日当たり5時間30分として計画するのは不適当ではないと判断される。

4.◯

ビルの鉄骨建て方において、タワークレーンの鉄骨建方作業占有率(鉄骨建て方作業のみに占める時間の割合)は、同時期作業が多く、補助クレーンを用いる場合でおおむね60%前後とされている。(鉄骨工事技術指針・工場現場施工編)