令和6年1級建築施工管理技士 二次検定 問題3 解答解説

令和6年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題3

市街地での事務所ビル新築工事において,右の工事概要に示す事務所部分の内装工事に関する作業工程について,次の1.から4.の問いに答えなさい。

工程表は計画時点におけるもので,対応する作業内容と所要日数,施工条件を合わせて示しているが,作業⑤及び作業⑧については作業内容を記載していない。
また,作業⑦のフリーアクセスフロア敷設作業は,作業(d)及び作業(e)との関係を示すために作業⑦-1,作業⑦-2に分けて工程表及び作業内容と所要日数に示している。

工程表の設備工事は電気設備(照明,コンセント),通信設備,警報設備,空調設備とする。

なお,各作業は一般的な手順に従って施工されるものとし,施工中に必要な試験や検査については記載を省略している。

工事概要

用   途:事務所
構造、規模:鉄筋コンクリート構造,地上6階,
基準階における事務室部分の床面積325m2
事務室仕上:床はフリーアクセスフロア下地,タイルカーペット仕上げ
壁は軽量鉄骨下地,せっこうボード張り、
塗装仕上げ(壁の軽量鉄骨下地,せっこうボード張り
共に天井軽量鉄骨下地高さまでとする)
天井は軽量鉄骨下地,せっこうボード張り,
ロックウール化粧吸音板仕上げ
工程表

作業内容と所要日数(各作業に必要な資機材運搬等を含む)

施工条件
作業(a):
天井内の配管,配線,機器設置,ダクト等の設置、高所作業車を使用

作業(b):
間仕切壁内の配管,ボックス取付け工事、作業③の開始2日後に並行作業として着手

作業(c):
作業④の開始3日後に並行作業として着手、天井足場を使用

作業(d):着手は作業⑥の完了後1日の養生日を置き,     作業⑦-1と並行作業として着手
作業(e):作業⑦-2と並行作業として着手
1.作業⑤及び作業⑧作業内容を記述しなさい。

解答試案

⑤ 天井足場撤去

⑧ タイルカーペット張付け

②天井足場架設の作業があり、作業 (c) により 天井足場を使用した設備工事の後の作業⑤である。

また、作業⑤の後には、天井界隈の工事はないので、作業⑤は、天井足場撤去と考えられる。

床の仕上はタイルカーペットであるので、作業⑧はタイルカーペット張付けである。

2.内装工事における建築工事と設備工事の一般的な施工手順と,作業内容と所要日数,施工条件に記載してある条件を読み取り,(始)から(終)までの総所要日数を記入しなさい。

 

解答試案

施工条件に従って、検討用のシートを用いてまとめると

以下のようになる。

 

よって、総所要日数は 28日となる。

3.作業④フリーフロート及び作業⑦トータルフロートを記入しなさい。

解答試案

作業④のフリーフロート  2日

作業⑦のトータルフロート 1日

問題2の検討用の工程表によると作業④には2日の余裕がある。

よって、作業④のフリーフロートは、2日である。

トータルフロート(TF)とは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早終了時刻(EFT)を差し引いて求められる。

作業⑦の最遅終了時刻(LFT)は25日である。

作業⑦-2の作業は、設備工事(d)の終了を待たずしても、作業⑦-1に引き続き作業が可能であるので、

最早終了時刻(EFT)は24日である。

よって、LFT – EFT = 1日

(参考)

検討用のシートをネットワーク工程表で表すと下記のようになる。

4.作業⑦の着手に必要な支持脚(ペデスタル)の墨出しに係る工程を見込んでおらず,作業⑦の所要日数に1日を追加しなければならないことが判明した。
工程追加後の(始)から(終)までの総所要日数を記入しなさい。

解答試案

総所要日数 28日

問題3より、作業⑦はトータルフロート 1日あるので、作業日数に1日追加したとしても総所要日数 28日は変わらない。

令和5年1級建築施工管理技士 二次検定 問題3 解答解説

令和5年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題3

問題3
市街地での事務所ビル新築工事について、右の基準階の躯体工事工程表及び作業内容表を読み解き、次の 1.から 4.の問いに答えなさい。

工程表は工事着手時のもので、各工種の作業内容は作業内容表のとおりであり、型枠工事の作業④と、鉄筋工事の作業⑦については作業内容を記載していない。
基準階の施工は型枠工 10 人、鉄筋工6人のそれぞれ1班で施工し、③ 柱型枠、壁型枠返しは、⑧壁配筋が完了してから開始するものとし、⑨梁配筋(圧接共)は、⑤床型枠組立て(階段を含む)が完了してから開始するものとする。

なお、仮設工事、設備工事及び検査は、墨出し、型枠工事、鉄筋工事、コンクリート工事の進捗に合わせ行われることとし、作業手順、作業日数の検討事項には含めないものとする。

[ 工事概要 ]
用  途:事務所
構造,規模:鉄筋コンクリート造、地上 6階、延べ面積 3,000 m2
基準階面積 480m2

基準階の躯体工事工程表(当該階の柱及び壁、上階の床及び梁)

作業内容表(所要日数には仮設、運搬を含む)

ネットワーク工程表検討用

1.型枠工事の作業 ④及び鉄筋工事の作業 ⑦の作業内容を記述しなさい。

解答

 ④ 梁型枠組立て

 ⑦ 柱配筋

[ 解説 ]

一般的な型枠組立順序及配筋の順序は、

(型枠)

墨出 → 柱 → 内壁 → 大梁 → 小梁 → 外壁 → 床版

   ↑            ↑

  柱配筋          壁配筋

※覚え方 「鼻の大小が相当愉快」

「一級建築士 スーパー記憶術 原口秀明氏より」

(配筋)

柱 → 壁 → 梁 → 床

(垂直のもの)→(水平のもの)

である。

問題文に記載のない作業は、梁型枠組立て及柱配筋である。

__

2.型枠工事の ③柱型枠、壁型枠返しの最早開始時期(EST)を記入しなさい。

解答

 柱型枠、壁型枠返しの最早開始時期(EST):5日

[ 解説 ]

題意より、ダミーアローを記載すると下記のようになる。

よって、柱型枠、壁型枠返しの最早開始時期(EST)は、5日となる。

__

3.型枠工事の ⑥型枠締固め及び鉄筋工事の ⑦床配筋のフリーフロートを記入しなさい。

解答

⑥型枠締固めのフリーフロート 5日

⑩床配筋のフリーフロート 0日

[ 解説 ]

型枠締固めの最早終了時期は14日+ 3日=17日

コンクリート打設の最早開始時期は 22日なので、

22日 - 17日 = 5日

よって、⑥型枠締固めのフリーフロートは 5日となる。

⑩床配筋はクリティカルパス上にあるので、フリーフロートは 0日

__

4. 次の記述の [  ] に当てはまる数値を記入しなさい。
ある基準階において、②片壁型枠建込み及び ③柱型枠、壁型枠返しについて、当初計画した型枠工の人数が確保できず、②片壁型枠建込みでは2日、③柱型枠、壁型枠返しでは1日、作業日数が増加することとなった。
このとき、墨出しからコンクリート打込み完了までの総所要日数は[  ]日となる。

解答

 24

[ 解説 ]

②片壁型枠建込みはクリティカルパス上にはなく

2日 → 3日

となっても、クリティカルになくことなく

総所要日数に影響はない。

③柱型枠、壁型枠返しはクリティカルパス上にあり、

3日 → 4日

と作業日数が1日増えると、総所要日数も1日増え、

23日 → 24日

となる。

令和4年1級建築施工管理技士 二次検定 問題3 解答解説

令和4年 1級建築施工管理技士 二次 問題3 解答 解説

問題3
市街地での事務所ビル新築工事において、同一フロアをA、Bの2工区に分けて施工を行うとき、右の内装工事工程表(3階)に関し、次の1.から4.の問いに答えなさい。

工程表は計画時点のもので、検査や設備関係の作業については省略している。

各作業日数と作業内容は工程表及び作業内容表に記載のとおりであり、Aで始まる作業名はA工区の作業を、Bで始まる作業名はB工区の作業を、Cで始まる作業名は両工区を同時に行う作業を示すが、作業A1、B1及び作業A6、B6については作業内容を記載していない。

各作業班は、それぞれ当該作業のみを行い、各作業内容共、A工区の作業が完了してからB工区の作業を行う。また、A工区における作業A2と作業C2以外は、工区内で複数の作業を同時に行わず、各作業は先行する作業が完了してから開始するものとする。

なお、各作業は一般的な手順に従って施工されるものとする。

〔工事概要〕
用   途:事務所
構造・規模:鉄筋コンクリート造、
地上6階、塔屋1階、延べ面積 2,800m2
仕 上 げ:床は、フリーアクセスフロア下地、タイルカーペット仕上げ
壁は、軽量鉄骨下地、せっこうボード張り、ビニルクロス仕上げ
天井は、システム天井下地、ロックウール化粧吸音板仕上げ
A工区の会議室に可動間仕切設置

内装工事工程表(3階)

作業内容表(各作業に必要な仮設、資機材運搬を含む)

検討用

1. 作業A1、B1及び作業A6、B6の作業内容を記述しなさい。

[ 解答 ]

問題文記載の仕上げ項目から判断すると解答は下記のとおりとなる。

A1,B1の作業 壁軽量鉄骨下地組立て

A6,B6の作業 フリーアクセスフロア敷設

2. (始)から(終)までの総所要日数を記入しなさい。

[ 解答 ]

ポイントは「A工区の作業が完了してからB工区の作業を行う。」という内容である。

工程表を見ると、作業日数は、B工区のほうがA工区の日数以上の日数がかかっているので、

おおよそ、B工区の作業完了で次工程へ進むことができる。

クリティカルバスの経路は、

C1→A1→B1→C2→A3→B3→B4→B5→B6→B7→C2

となり、

1+2+2+3+2+3+3+3+2+2+2 = 25

よって、25日となる。

3. 作業A4のフリーフロートを記入しなさい。

[ 解答 ]

0日

A工区の天井工事(A4)が完了して、B工区へ移ったのち、B工区の作業に3日かかる。

その間にA工区は壁のビニルクロス張り(A5)を施工しており、そのA工区の作業も3日かかる。

よって、A工区の天井工事(A4)の工程には余裕がなく、フリーフロートは 0日となる。

フリーフロートとは、その作業の中で使い切ってしまうと後続作業の最早開始時刻に影響を及ぼすようなフロートをいい、次式で定まる。

フリーフロート

=後続作業の最早開始時刻 – 当該作業の最早終了時刻

4.次の記述の [  ] に当てはまる作業名と数値をそれぞれ記入しなさい。
建具枠納入予定日の前日に、A工区分の納入が遅れることが判明したため、B工区の建具枠取付けを先行し、その後の作業もB工区の作業が完了してからA工区の作業を行うこととした。
なお、変更後のB工区の建具枠取付けの所要日数は2日で、納入の遅れたA工区の建具枠は、B工区の壁せっこうボード張り完了までに取り付けられることが判った。
このとき、当初クリティカルパスではなかった作業 [ あ ] から作業A8までがクリティカルパスとなり、(始)から(終)までの総所要日数は [ い ] 日となる。

[ 解答 ]

[ あ ] ・・・A5、 [ い ] ・・・27

A工区分の建具枠納入が遅れたことにより、B工区の建具枠が先行し、その後の作業もB工区の作業が完了してからA工区の作業を行うことにしたという点に注意して考察する。

B工区 軽量鉄骨下地(B1) → 建具枠取付(C2-B) → 壁せっこうボード張り(B3)

の経路がクリティカルパスにのってくる。

変更後のB工区の建具取付けの所要日数 2日、B工区の壁せっこうボード張り(3日)完了までに、A工区の建具枠取付けが完了するとあるので、A工区の建具枠取付は ( 2 + 3 = )5日以内である。

また、B工区の作業が完了してから、A工区の作業をするとあるので、変更後の内装工事工程表は下記のようになる。

当初クリティカルパスではなかった作業A5から作業A8までがクリティカルパスとなり、(始)から(終)までの総所要日数は 27日となる。

令和3年1級建築施工管理技士 二次検定 問題3 解答解説

令和3年 1級建築施工管理技士 二次 問題3 解答 解説

問題3

市街地での事務所ビルの新築工事において、各階を施工数量の異なるA工区とB工区に分けて工事を行うとき、右の躯体工事工程表(基準階の柱、上階の床、梁部分)に関し、次の1.から4.の問いに答えなさい。

工程表は検討中のもので、型枠工10人、鉄筋工6人をそれぞれ半数ずつの2班に割り振り、両工区の施工を同時に進める計画とした。

各作業班の作業内容は作業内容表のとおりであり、Aで始まる作業名はA工区の作業を、Bで始まる作業名はB工区の作業を、Cで始まる作業名は両工区同時に行う作業を示すが、作業A4、B4及び作業A8、B8については作業内容を記載していない。

各作業は一般的な手順に従って施工されるものとし、検査や設備関係の作業については省略している。
なお、安全上の観点から鉄筋工事と型枠工事の同時施工は避け、作業A3、B3及び作業A7、B7はA、B両工区の前工程が両方とも完了してから作業を行うこととする。

[ 工事概要 ]
用途:事務所
構造・規模:鉄筋コンクリート造、地上6階、塔屋1階、延べ面積3,000m2
階段は鉄骨造で、別工程により施工する。
躯体工事工程表(基準階のは柱、上階の床、梁部分)



作業内容表(所要日数、必要総人数には仮設、運搬を含む)

1.作業A4、B4及びA8、B8の作業内容を記述しなさい。

(解答)

A4,B4:壁型枠 建込み

A8,B8:スラブ配筋

(解説)

配筋の順序は

柱 → 壁 → 梁 → 床

(垂直のもの)→(水平のもの)

型枠の組立順序は

墨出→柱→ 内壁→大梁→小梁→外壁→ 床版

   ↑            ↑

 柱配筋        壁配筋

覚え方

(鼻の大小が相当ゆかい)

「一級建築士 スーパー記憶術:原口秀昭氏より」

2.作業B6のフリーフロートを記入しなさい。

(解答)

2日

(解説)

フリーフロートとはその作業にだけ自由な余裕のことである。

B6の作業は、床型枠組立てであるが、

次の工程B7 梁配筋の作業の開始前に終了しておく必要がある。

作業A3及び作業B3が前工程が完了してから作業を行うことに注意して、

作業A3及び作業B3からA6及びB6作業の終了日数を求める。

A工区におけるA6作業終了日数が

1(A3)+ 5(A4)+ 2(A5)+ 3(A6)= 11日

B工区におけるB6作業終了日数が

3(B3)+ 1(B4)+ 2(B5)+ 3(B6)= 9日

よって、 11日 − 9日 =2日 となる。

3.次の記述の [  ]に当てはまる数値をそれぞれ記入しなさい。

A工区とB工区の施工数量の違いから、各作業に必要な総人数に差のある作業A1、B1から作業A4、B4までについて、最も効率の良い作業員の割振りに変え、所要日数の短縮を図ることとした。

ただし、一作業の1日当たりの最少人数は2人とし、一作業の途中での人数の変更は無いものとする。

このとき、変更後の1日当たりの人数は、作業A1は2人、作業B1は4人に、作業A2 は4人、作業B2は2人に、作業A3の人数は [ あ ] 人となり、作業A4の人数は [ い ] 人となる。

(解答)

作業A3の人数 [ あ ] : 3人

作業A4の人数 [ い ] : 8人

(解説)

・変更後の作業A1

   3人 → 2人

   2人で1日で十分である。

・変更後の作業B1

   3人 → 4人

   4人に変更すれば1日でできる。

・変更後の作業A2

   3人 → 4人

   4人に変更すれば2日でできる。

・変更後の作業B2

   3人 → 2人

   2人に変更しても1日でできる。

・変更後の作業A3及び作業A4の人数を求めるのが問題である。

次にB3に注目すると、5人で3日であるが、必要総人数が14人なので、少し冗長性がある、

7人にすると 2日で終了できる。

型枠工の人数は10人であるので、A3工区は3人となり 1日 →2日となるが、B3工区と同じ日数の終了となる。

次にA4工区に注目すると、5人で5日であるが、必要総人数が24人なので、少し冗長性がある、

8人にすると 3日で終了できる。

型枠工の人数は10人であるので、B4工区は2人となり 1日 →3日となるが、A4工区と同じ日数の終了となる。

作業A5〜A9、及び作業B5〜b9、及び作業C2はA工区、B工区とも同じ必要総人数なので、内容を図示すると以下のようになる。

【 工期短縮前 】

  ⇩

【 工期短縮後 】

よって、(始)〜(終)までの総所要日数は、コンクリート打設日1日を加えて、24日となる。

4.3.で求めた、作業A1、B1から作業A4、B4の工事ごと、工区ごとの割振り人数としたとき、(始)から(終)までの総所要日数を記入しなさい。

(解答)

 24日

(3.の解答参照)

 

令和2年1級建築施工管理技士 実地検定 問題5 解答解説

令和2年度 1級建築施工管理技術検定 実地 解答例

実施日:令和 3年 2月 21日(日)
問題5
市街地での事務所ビルの内装工事において、各階を施工量の異なるA工区とB工区に分けて工事を行うとき、右の内装仕上げ工事工程表(3階)に関し、次の 1.から 4.の問いに答えなさい。
工程表は計画時点のもので、検査や設備関係の作業については省略している。
各作業班の作業内容及び各作業に必要な作業員数は作業内容表のとおりであり、Aで始まる作業名はA工区の作業を、Bで始まる作業名はB工区の作業を、Cで始まる作業名は両工区同時に行う作業を示すが、作業A4及び作業B4については作業内容を記載していない。
各作業班は、それぞれ当該作業のみを行い、各作業内容共、A工区の作業が完了してからB工区の作業を行うものとする。また、工区内では複数の作業を同時に行わず、各作業は先行する作業が完了してから開始するものとする。なお、各作業は一般的な手順に従って施工されるものとする。
[ 工事概要 ]
用 途:事務所
構造・規模:鉄筋コンクリート造、
地上6階、塔屋1階、
延べ面積 2,800 m2
仕上げ:床は、フリーアクセスフロア下地、
タイルカーペット仕上げ
間仕切り壁は、軽量鉄骨下地せっこうボード張り、
ビニルクロス仕上げ
天井は、システム天井下地、
ロックウール化粧吸音板取付け
なお、3階の仕上げ工事部分床面積は 455 m2
(A工区:273 m2、B工区 182 m2)である。

1.作業A4及び作業B4の作業内容を記述しなさい。

解答

上記の仕上げ工事の項目より「ビニルクロス仕上げ」とあるので、

作業A4及び作業B4の作業は「壁ビニルクロス張り」

と考えられる。

2.作業B2のフリーフロートを記入しなさい。

解答

フリーフロートとはその作業にだけ自由な余裕のことである。

B2の作業は、壁せっこうボード張りであるが、

次の工程B3 システム天井の作業の開始前に終了しておく必要がある。

A工区におけるA3作業終了日数が

2(A2)+ 5(A3) = 7 日なので

B工区におけるB2作業のフリーフロートは

7 – 2(B1)- 3(B2)= 2 (日)

となる。

ただし、A2及びB1にフリーフロートがないことに注意する。

3.(始)から(終)までの総所要日数と、工事を令和3年2月8日(月曜日)より開始するときの工事完了日を記入しなさい。ただし、作業休止日は、土曜日、日曜日及び祝日とする。
なお、2月8日以降3月末までの祝日は、建国記念の日(2月11日)、天皇誕生日(2月23日)、春分の日(3月20日)である。

解答

総所要日数 24日

工事完了日 3月15日

[ 解説 ]

クリティカルパスは以下のようになる

1(C1)+3(A1)+2(A2) +5(A3)+3(A4)+4(A5)+3(B5)+2(B6)+1(C2)

=24日

これにより、土曜日、日曜日、及び祝日を除いた日をカウントし、3月15日となる。

4. 次の記述の [  ] に当てはまる数値をそれぞれ記入しなさい。
総所要日数を変えずに、作業B2及び作業B4の1日当たりの作業員の人数をできるだけ少なくする場合、作業 B2の人数は [ あ ] 人に、作業B4の人数は [ い ] 人となる。ただし、各作業に必要な作業員の総人数は変わらないものとする。

解答

あ.3人

い.2人

[ 解説 ]

・B2の作業内容は壁せっこうボード張りで、 1日あたりの作業人数は 5人である。

B2の作業は、3日 × 5人工であるのに対して、B2の作業に対してはフリーフロートが 2日あり、5日ですればよい作業である。

∴ 3日 × 5人工 = 5日 × 3人工

・B4の作業内容はビニルクロス仕上げで、 1日あたりの作業人数は 4人である。

B4の作業は、2日 × 4人工であるのに対して、B4の作業に対してはフリーフロートが 2日あり、4日ですればよい作業である。

∴ 2日 × 4人工 = 4日 × 2人工

令和元年1級建築施工管理技士 実地検定 問題5 解答解説

令和元年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題5

問題_5

市街地での事務所ビルの建設工事において、各階を施工量の異なるA工区とB工区に分けて工事を行うとき、右の躯体工事工程表(3階柱、4階床梁部分)に関し、次の1.から4.の問いに答えなさい。

工程表は作成中のもので、検査や設備関係の作業については省略している。
各作業の内容は作業内容表のとおりであり、Aで始まる作業名はA工区の作業を、Bで始まる作業名はB工区の作業を示すが、作業A_2及び作業B_2については作業内容及び担当する作業班を記載していない。

なお、各作業班は、各工区ごとに確保できているものとする。
また、各作業は一般的な手順に従って施工し、各作業班は複数の作業を同時に行わず、先行する作業が完了してから後続の作業を開始するものとする。

[ 工事概要 ]
用   途:事務所
構造・規模:鉄筋コンクリート造、地下_1階、地上6階、
延べ面積 3,200 m2
鉄筋コンクリート製の壁はなく、
階段は鉄骨造で別工程により施工する。
外   壁:ALC パネル

1.作業A2_及び作業B_2の作業内容を記述しなさい。

解答

 作業A2_及び作業B_2 柱の配筋

(解説)

柱の鉄筋は主筋(縦の太い鉄筋)が柱の四辺にあるので、型枠をつくる前に鉄筋を組む。鉄筋を組んだ後に、床に引いた柱の墨に沿ってモルタルを少し盛っておき、それに当てるようにパネルを立てる。根巻きモルタルという。

2.作業B7のフリーフロートを記入しなさい。

解答

 作業B7のフリーフロート 7日

(解説)

A工区 A2〜A7にかかる日数

3+3+5+2+3+3=19日

B工区 B1〜B7にかかる日数

1+2+2+2+1+2+2=12日

より

19日 ー 12日 = 7日

3.(始)から(終)までの総所要日数と、工事を令和元年10 月23 日(水曜日)より開始するときの工事完了日を記入しなさい。
ただし、作業休止日は、土曜日、日曜日、祝日、振替休日のほか、雨天_1日とする。
なお、10 月23 日以降年末までの祝日は、文化の日(11月3日)と勤労感謝の日(11 月23 日)である。

解答

 総所要日数 22日

 工事完了日 11月25日

(解説)

クリティカルパスはA工区となる。

1+19+1+1 = 22日

令和元年10月23日(_水曜日)より作業開始

総所要日数 22日をカウントする。

雨天1日に注意する。

4.工事着手に当たり、各作業班の手配状況を確認したところ、型枠作業班が1_班しか手配できないため、_1班で両工区の作業を行うこととなった。
この時に、次の記述の [  ] に当てはまる語句又は数値をそれぞれ記入しなさい。
工程の見直しに当たって、型枠作業班は同じ工区の作業を続けて行うこととしたため、作業B3は、作業B_2の完了後で作業 [ あ ] の完了後でないと開始できないこととなる。
このため、作業休止日が同じ場合、工事完了日は当初工程より暦日で [ い ] 日遅れることとなる。

解答

  [ あ ]  A5

  [ い ]  3

(解説)

型枠工事 A5 の後に 型枠工事 B3 を開始することになる。

A工区 作業A5まで1+3+3+5+2

B工区 作業B3より 2+2+1+2+2

作業C1及びC2 1+1

合計 25日となる。

25ー22により3日遅れ。

平成30年1級建築施工管理技士 実地検定 問題5 解答解説

平成30年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題5

問題5
市街地での事務所ビルの建設工事において、事務室の内装仕上げ工事について各階を施工量のほぼ等しいA工区とB工区に分けて工事を行うとき、右の内装仕上げ工事工程表(3階部分) に関し、次の 1.から 3.の問いに答えなさい。
工程表は作成中のもので、検査や設備関係の作業については省略している。
各作業の内容は作業内容表のとおりであり、Aで始まる作業名はA工区の作業を、Bで始まる作業名はB工区の作業を示すが、作業A8及び作業B8については作業内容を記載していない。
なお、各作業は一般的な手順に従って施工されるものとする。
また、各作業を担当する作業班は複数の作業を同時に行わず、各作業は先行する作業が完了してから開始するものとする。
[ 工事概要 ]
用 途:事務所
構造・規模:鉄筋コンクリート造地下1階、地上6階、
延べ面積 3,200 m2
仕 上 げ:床は、フリーアクセスフロア下地タイルカーペット仕上げ
間仕切り壁、軽量鉄骨下地せっこうボード張りクロス仕上、
ソフト幅木取付け
天井は、システム天井下地吸音板取付け

1. 作業A8及び作業B8の作業内容を記述しなさい。

解答と分析

【 解答 】

作業A8作業B8の作業内容

ソフト幅木取付け

2.(始)から(終)までの総所要日数を記入しなさい。
ただし、各作業班は工程に影響を及ぼさないだけの班数が確保できているものとする。
また、この日数で工事を行うときに、作業A1及び作業B1について最低限手配すべき班数を 記入しなさい。

解答と分析

【 解答 】

① 総所要日数:17日

② 班 数  :1班

3. 作業A3及び作業B3を担当する作業班が1班しか手配できないことが判ったため、工程を見直すこととなった。
このときの、次の記述の[  ] に当てはまる語句又は数値をそれぞれ記入しなさい。
作業B3は、作業B2の完了後で作業名[ あ ]の完了後でないと開始できない。
このため、総所要日数は[ い ]日、作業B2のフリーフロートは [ う ]日となる。

解答と分析

【 解答 】

 [ あ ] A3

 [ い ] 18(日)

 [ う ]  1(日)

平成29年1級建築施工管理技士 実地検定 問題5 解答解説

平成29年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題5


問題5

市街地での事務所ビルの建設工事における下記の躯体工事工程表(3階部分)に関し、次の 1.から 4.の問いに答えなさい。

工程表は作成中のもので、各作業は一般的な手順に従って施工され、各部位においては複数の作業を同時に行わないものとする。ただし、作業Eについては後続する作業との関係を記載していない。

また、各作業の内容及び所要日数は作業内容表のとおりである。ただし、作業Bについては作業内容を記載していない。

[ 工事概要 ]

用 途:事務所
構造・規模:鉄筋コンクリート造地下1階、地上6階、
延べ面積 3,200 m2

1. 作業Bの作業内容を記述しなさい。

2. 次の記述の [ ① ] に当てはまる作業名、 [ ② ] に当てはまる日数をそれぞれ記入しなさい。

作業Eは、作業Bの完了後に開始できる。ただし、[ ① ] の開始前に完了させる必要がある。そのため、作業Eのフリーフロートは [ ② ] となる。

3.(始)から(終)までの総所要日数を記入しなさい。

4. 工程の再検討を行ったところ、作業Gの所要日数が6日になることが判った。
総所要日数を元のとおりとするために、作業Gを壁が有る部分の作業G1と壁が無い部分の作業G2に分割して作業を行うこととした。
この時に、次の記述の [ ③ ] に当てはまる日数及び [ ④ ] に当てはまる作業名をそれぞれ記入しなさい。

作業G1の所要日数は、 [ ③ ] 以内とする必要がある。
作業G2は、[ ④ ] の完了後に開始できる。

解答と分析

(解答)

1.作業Bの作業内容:柱の配筋(柱筋の組立て)

2.①:作業F ②:0日

3.23日

4.③:3日 ④:作業C

(解説)

1.

作業A(3階墨出し)の完了後に開始し、作業C(柱型枠の組立て)、作業E(壁の配筋)、作業K(設備スリーブ、配管(柱、梁、壁))の開始前に完了する作業Bは、「柱筋の組立て」である。

2.

作業E(壁の配筋)は、作業B(柱の配筋)の完了後に開始でき、作業F(壁返し型枠の組立て)の開始前に完了させる必要がある。したがって、①は「作業F」である。

また、図1により作業Eはクリティカルパス上にあるので、作業Eのフリーフロートは0日である。計算で求める場合は

作業Eのフリーフロート = ⑧ - ( ③ + 5 ) = 0日

となる。したがって、②は、「 0日」である。

3.

総所要日数は、下図(図1)より(終)の最早開始時日となるので、「23日」である。

4.

壁を有する部分の作業G1(壁が有る部分の梁型枠の組立て)は作業F(壁返し型枠の組立て)後の作業になるが、作業G1はクリティカルパス上にあるため、総所要日数 23日を守るためには、当初の作業Gの所要日数3日を超えてはならない。よって、作業G1の所要日数は 3日以内としなければならない。したがって、③は「 3日 」である。

作業G2(壁が無い部分の梁型枠の組立て)は、上図(図2)のとおり、作業C(柱型枠の組立て)の完了後から開始できる。したがって、④は「作業C」である。

平成28年1級建築施工管理技士 実地検定 問題5 解答解説

平成28年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題5

問題5
市街地での事務所ビルの建設工事における右に示す工程表に関し、次の 1.から 3.の問いに答えなさい。なお、解答の旬日は、上旬、中旬、下旬で記述しなさい。
[ 工事概要 ]
用   途:事務所
構造・規模:鉄骨造 地上5階、地下1階
延べ面積 3,200 m2
ただし、地下1階は
鉄骨鉄筋コンクリート造とする
基   礎:直接基礎(べた基礎)
山 留 め:ソイルセメント壁水平切梁工法とし、
応力材の鋼材は引き抜かない。
山留め壁は、
地下外周壁の外型枠として兼用する。
揚   重:鉄骨建方
及び PC カーテンウォールの取付けは、
クライミング式ジブクレーンで行う。
外部仕上げ:屋根はアスファルト防水のうえ、
保護コンクリート直均し仕上げ、
外壁のうち2面はスパンドレル方式の
50 角モザイクタイル打込み
PC カーテンウォ ール、
他の2面は工場で仕上げ済みの
ALC パネルとする。
1. 工程表中の鉄骨工事のA及び内装工事のBに該当する作業名をあげなさい。
2. 作業の終了日が工程上最も不適当な作業名を工程表の中より選び、適当な工程となるように、その終了日を月次と旬日で定めなさい。
3. 建具工事における 2~5 F外部建具取付けの作業工程は、未記入となっている。適当な工程と なるように、その作業の開始日及び終了日の期日を月次と旬日で定めなさい。

解答

1.A及びBに該当する作業名

  A:アンカーボルト設置

  B:床仕上がり張り

2.最も不適当な作業名及び終了日

 作業名:クライミング式ジブクレーン

 終了日:8月中旬

3.2〜5F 外部建具取付けの作業工程日

 開始日:7月下旬

 終了日:8月中旬

(解説)

1.

Aについて(鉄骨工事)

鉄骨造の建築物であれば耐圧盤のコンクリートの打設後、地中梁・B1F床配筋の前にアンカーボルトを設置する必要がある。したがって、Aは「アンカーボルト設置」である。

Bについて(内装工事)

Bは、塗装仕上げや内部壁紙張りを追いかけての作業であり、内装工事の最終工程である。床仕上げ張りは汚損防止の観点から内装工事の最終工程とし、完了検査前に終了すればよい。したがって、Bは「床仕上げ張り」である。

2.(仮設工事)

出題文に、鉄骨建方及びPCカーテンウォールの取付けはクライミング式ジブクレーンで施工する。とあることから、クライミング式ジブクレーンの解体日は、PCカーテンウォール取付けが終了した後となる。PCカーテンウォール取付けは8月中旬に終了しており、また、揚重機開口閉鎖が8月中旬〜下旬であることから、クライミング式ジブクレーンの終了日(解体日)は、8月中旬となる。

3.(建具工事)

外部建具は外壁のALCパネル取付け、PCカーテンウォール取付けが終了した部分から、その作業を追いかけての作業となる。ALCパネル取付け、PCカーテンウォール取付けは7月中旬、2〜5F ガラス取付けが 8月中旬に開始しており、開始日は7月下旬(8月上旬)が好ましい。また、2〜5Fガラス取付けが8月下旬に終了していることから、その前には終了している必要があり、終了日は8月中旬(下旬の場合ガラス取付けより早い時期)となる。

平成27年1級建築施工管理技士 実地検定 問題5 解答解説

平成27年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題5


問題5

市街地での事務所ビルの建設工事における右に示す工程表に関し、次の 1.から 3.の問いに 答えなさい。なお、解答の旬日は、上旬、中旬、下旬で記述しなさい。

[ 工事概要 ]
用   途:事務所
構造・規模:地下1階、地上6階、
延べ面積 3,000 m2
地下は鉄筋コンクリート造、
地上は鉄骨造
基   礎:直接基礎(べた基礎)
山 留 め:親杭横矢板水平切梁工法とし、
親杭は引き抜かない。
山留め壁は、
地下外周壁の外型枠を兼用する。
鉄骨工事 :建方は、建物外周の2方向から行う。
外部仕上げ:屋根は、アスファルト防水のうえ、
保護コンクリート直均し仕上げ
外壁2面は、
方立方式のメタルカーテンウォール
他の2面は、
ALC パネル張りのうえ、
複層仕上げ塗材仕上

1. 表中の土工事のA及び鉄骨工事のBに該当する作業名をあげなさい。

解答

 A:山留め親杭打ち

 B:耐火被覆

Aについて(土工事)

Aは工事開始に施工する工事である。最初の工事であるので杭_打ち位置を正確に出し、深度等を考慮する。

Bについて(鉄骨工事のち耐火被覆の施工工事)

Bは鉄骨工事の構造部分が全て完了した後に施工する工事である。

耐火被覆は、上層階よりも下層階の吹付け厚を厚くする。

2. 作業の終了日が工程上最も不適当な作業名を表の中より選び、適当な工程となるように、その終了日を月次と旬日で定めなさい。

解答

 作業名:内部建具枠取付け

 終了日:9月中旬

(内部金属建具工事)

内部金属建具工事の終了日が、10月の上旬では、金属工事、内装工事、塗装工事等に支障をきたす。よって、9月の中旬までに完了している必要がある。

3. 鉄骨工事における梁上の頭付きスタッドの溶接の作業工程は、未記入となっている。適当な工 程となるように、溶接作業の開始日及び終了日の期日を月次と旬日で定めなさい。

解答

 開始日:6月上旬

 終了日:7月上旬

(鉄骨工事)

梁上の頭付きスタッドの溶接の作業工程は鉄骨建方の歪み直しが完了し、締付ボルトの本締め等が完了し、デッキプレート敷きが始まる頃より施工を開始する。

したがって、開始日は、6月上旬を目処とし、終了日は、7月上旬とする。