92)美しい空間は天井から
天井には照明器具、非常用照明、感知器、カセット型エアコン、給気口、排気口、排煙口、スプリンクラー、スピーカー、アンテナそして点検口など多くの器具が取り付くことになる。天井は器具を付けるためにあるようにすら感じられる。その点、システム天井は整理されているが、それでも電気や空調などの設備器具の色相が合ってないこともある。
1.天井は照明を基本とする
天井の中で最も人間の感覚に影響があるのは、照明器具である。照明を空間を演出するといってもよい。照明器具は部屋芯や窓芯などを基準に配置する。その他の器具は照明の位置が決まった後に配置を決める。非常用照明は非常時の明るさを確保すれば、ある程度は融通はきく。感知器の位置も、壁際から600mm以上離すなどの規定を守り、その後に決定する。
2.間接照明の採用
照明器具を見せずに壁や天井へ反射させる効果により、照明するのが間接照明である。間接照明は光源が見えないことが重要である。近くの人の目線で照明器具が見えなくても、離れたところから見えている場合がよくある。間接照明は水平から見ても照明器具が見えないようにしたい。また、蛍光管端部の影で光のムラができないように、器具はラップさせる。間接照明の球替えなどのメンテナンス時に照明棚にはしごを掛けるときはその作業荷重も考慮したい。壁面照らしの間接照明は光る壁面やガラス面に照明器具が映り込んで見える場合があるので注意する。
天井の間接照明
壁の間接照明
3.主要な室のエアコンは天井内隠ぺい型
天井付けカセット型エアコンがよく採用されている。吹き出し口をデザインできる天井隠ぺい型もあるのですっきりした天井を計画することができる。
4.天井点検口を整理する
天井に取り付けられた電気や空調などの各種機器の取付け・点検のために多くの点検口がついているケースがある。配置を工夫して、各種設備工事間での共用を図り、点検口の数を少なくすることが必要である。点検口は天井と同材の化粧仕上げとし、アルミ製の枠見付けが小さいものや、樹脂製で枠が白色の目立たないものを使いたい。